エタノール生産工場の4分の1は閉鎖を余儀なくされる(2020年5月2日付けエスタード紙サイト)

新型コロナウイルのパンデミックの影響で、エタノール需要減少並びに石油の国際コモディティ価格下落に伴って、ブラジル国内の多くの砂糖・エタノール生産工場では運転資金不足に陥っており、砂糖・エタノール生産工場の4分の1は、年末までに倒産を余儀なくされると予想されている。

「エタノール業界はガソリン価格と連動しているエタノール価格の下落並びにエタノール需要下落と二重の壊滅的なショックを受けている」とコンサルタント会社Datagro社のPlínio Nastari共営者は説明している。

ブラジル国内には砂糖並びにエタノール生産工場は350工場を擁している。1リットル当たりのエタノール価格は2.0レアルから1.30レアルに下落。またエタノール需要も石油の国際コモディティ価格下落に伴って、50%以上下落しているとサンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)は説明。同社ではエタノール価格の下落に伴ってエタノール生産から砂糖生産に比重を変更している。

大半の砂糖・エタノール生産工場は、大量のエタノール在庫を抱えるほどのキャパシティーがないため低価格での販売を余儀なくされている。また今後数か月間の運転資金に余裕のない工場が4分の1が倒産の危機に瀕しているとItaú BBA社農畜産部門担当のPedro Fernandes取締役は指摘している。

中西部地域、南東部地域並びに南部地域はブラジルの大半のエタノール工場を擁している。2週間前に南マット・グロッソ州に砂糖・エタノール生産工場を2工場、ミナス州に1工場を擁しているAdecoagroグループは、南マット・グロッソ州の2工場の生産中止を関連企業などに通知している。

中西部地域、南東部地域並びに南部地域の267工場の中で、エタノールだけ生産している80カ所の工場は窮地に陥っている。2019年/2020年度のサトウキビ生産のうち砂糖生産は35%であったが、今年の砂糖生産比率は45%に上昇するとサンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)のAntônio de Padua Rodrigues取締役は予想している。

ブラジル国内の104カ所の砂糖・エタノール生産工場は民事更生法を申請しており、そのうち81カ所は中西部地域以南の砂糖・エタノール生産工場の申請となっている。また2005年以降では95カ所の中西部地域以南の砂糖・エタノール生産工場が倒産している。新型コロナウイルのパンデミックの影響で運転資金の調達ができず、負債増加で多くの工場は同じ道を辿る可能性が上昇している。

今年2月までは砂糖・エタノール生産業界は、砂糖並びにエタノール価格は競争力があり好調なシナリオであった。2月の砂糖の国際コモディティ価格は、1ポンド当たり0.15ドルと昨年の0.12ドルを上回っていたが、今では0.10ドル以下まで下落している。

Raízen社はエタノール生産だけでなく燃料配給事業も行っているために、パンデミック危機に対するリスク対応はできているとRicardo Mussa社長は説明している。

また砂糖・エタノール生産の業界大手のSão Martinho社は、砂糖の国際コモディティ価格が0.14ドル~0.15ドルの時に砂糖価格を固定。同社では生産の70%を備蓄できるとFábio Venturelli社長は説明している。

2003年~2010年に発生した砂糖・エタノール生産業界の吸収・合併による業界再編の新たな動きは見られないとItaú BBA社では予想している。

砂糖・エタノール生産業界は連邦政府に対して、新型コロナウイルのパンデミック対応の業界救済措置を要請。1リットル当たりのガソリン販売に対して現在10センターボスの一般的に燃料税と呼ばれる経済支配介入納付金(Cide)を40センターボスへの引上げ。1リットル当たりのエタノールに対する24センターボスの社会統合基金(PIS)並びに社会保障賦課金(Cofins)の停止を要請している。