基本食品値上げで連邦政府は、輸入食品関税撤廃検討(2020年9月9日AM500付けエスタード紙)

ジャイール・ボルソナロ大統領の支持率を左右する基本食品バスケット価格上昇による悪影響が憂慮されているために、輸入食料品の関税撤廃が検討されている。

ブラジル人の食事に欠かせない米価格は先月まで5キロ入り15レアルで推移していたが、先週から一袋40レアルと2倍以上に高騰している販売価格が表れてきている。

すでに経済省や農務省で既に開始されていた食料品価格変動モニタリングを強化するために、プラナルト宮内に調査顧問員会を設けて、ボルソナロ大統領に逐次報告するが、テレーザ・クリスティーナ農務相は、連邦政府の食料品価格介入を否定している。

中国政府による食料品の輸入増加並びにレアル通貨に対するドル高の為替は、食料品メーカーやスーパーの価格転嫁でのブラジル国内の基本食料品価格の値上げに繋がっている可能性が指摘されている。

連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の月額600レアルの緊急補助金(auxílio emergencial)支給を12月までの延長を発表、今後の支給額は50%の300レアルに減少して支給されるタイミングで基本食料品の高騰が発生したために、ジャイール・ボルソナロ大統領の支持率に影響する可能性が憂慮されている。

8月末に基本食料品価格の上昇対策として、農務省では輸入物のコメ、小麦並びに大豆の関税撤廃を示唆していた。メルコスール域外からの輸入米の輸入関税は12.0%、大豆並びにトウモロコシは8.0%となっているが、貿易会議所(Camex)局長の承認が必要となっている。

ブラジルのコメ、小麦並びに大豆の輸入は極僅かで、今年初め7か月間の大豆輸出は輸出全体の19.7%に相当する237億9,500万ドルに対して、大豆輸入は輸入全体の0.1%に相当する1億1,917万ドルであった。

またブラジルの今年初め7か月間のトウモロコシ輸入は0.09%相当の7,813万ドルに対して、トウモロコシは1.04%に相当する12億5,100万ドル、前期同様に米輸入は0.01%相当の865万ドルに対して、コメ輸出は0.09%相当の1億883万ドルであった。

昨日の関係大臣の会談で、ボルソナロ大統領は食料品価格の値上げを抑えるための価格介入は行わないと表明。1986年に財政赤字を抑えるためにジョゼ・サルネイ政権はインデクセーション制を廃止し、価格を凍結、賃金を抑制、住宅ローンや家賃を凍結、為替レートも固定といった極端なクルザード・プラン改革を実施した。

クルザード・プランによって激しいインフレは一旦収まったが、賃金水準はまだ物価に対し高いままだったために、モノ不足状態を生み、闇市の横行もあって再び激しいインフレが発生した。
さらに国内市場でのモノ不足によるブラジルの輸出縮小で外貨不足が進行して、1987年には外債の利子払いまでも停止しデフォルト。品薄状態だったところに通貨暴落が加わって商品の価格が急騰しインフレが加速した経緯があった。

今年7月のインフレは0.46%まで上昇、ブラジル国内の主要16都市の基本食品価格はインフレ以上に上昇していると労使間社会経済調査・統計所(Dieese)では指摘している。