昨年初め11か月間の中国の粗鋼生産は世界の57.5%に上昇(2021年1月6日付けヴァロール紙)

全世界で新型コロナウイルスの感染が広がった影響で、経済活動が停滞し鋼材需要が縮小したにも拘らず、いや早く経済活動を再開した中国の世界の粗鋼生産のマーケットシェアが拡大した。

2020年初め11か月間の中国の粗鋼生産は世界全体の57.5%に達し、前年同期の世界の粗鋼生産のマーケットシェア53.3%から4.2%上昇して、中国による世界の粗鋼製品価格の決定権をさらに強化している。

昨年初め11か月間の中国の粗鋼生産は前年同期比で増加を記録、約10億トンに達している一方ので、GDP伸び率が唯一プラス予想の中国以外の粗鋼生産国の生産は減少を余儀なくされていた。

2020年の中国の鉄鋼産業界の粗鋼生産回復の背景には、製鉄所の操業再開が進んだことに加え、中国政府の公共インフラ投資の加速により、建築向けや建設機械向けの鋼材需要が旺盛になったことが主因となっている。

COVID-19パンデミックの影響で、世界経済の停滞シナリオで観光・運輸業界や産業界全般の石油需要の減少で、石油の国際コモディティ価格が下落した一方で、鉄鉱石の国際コモディティ価格は記録更新が続いていた。昨年12月の鉄鉱石の国際コモディティ価格は、中国の製造業界の需要が牽引して過去7年間で最高を記録している。

昨年の中国政府は、オーストラリア産の多岐に亘る製品について輸入制限措置を実施しているにも関わらず、過去12か月間の中国向け鉄鉱石輸出も好調に推移している。

オーストラリア政府が第5世代(5G)移動通信システムのネットワーク構築事業から中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を締め出し、新型コロナウイルスの起源の調査を国際社会に働き掛けて以来、両国はずっと緊張が高まった関係にある。

S&P Global Platts社では、2021年の中国の粗鋼生産は、海外のインフラ整備や建設業界の需要増加で10億6,800万トンを予想、また中国の鉄鋼製品輸出の増加も予想している。