今年の住宅向けクレジットは金利上昇でブレーキがかかるか(2022年3月3日のエスタード紙)

ブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)の発表によると、昨年の住宅購買向けクレジット総額は、COVID-19パンデミックにも拘らず、政策誘導金利Selicが過去最低の2.00%まで低下したために、前年比46.0%に相当する2,550億レアルに達していた。

昨年の住宅購買向けクレジット総額が前年比46.0%増加の2,550億レアルのうち、ポウパンサ預金関連クレジット総額は前年比66.0%の大幅増加を記録した一方で、FGTS(勤続年数保証基金)の関連クレジット総額は、前年比マイナス3.0%を記録していた。

昨年の4.5%前後のGDP伸び率から今年は僅か0.3%前後への大幅な減速、僅かな増加が見込まれている失業率、高止まりするインフレ指数、一般消費者や企業経営者の景況感の悪化、12%まで上昇予想の政策誘導金利などの要因で、今年の住宅向けクレジットは前年比僅か2.0%増加が見込まれているが、ポウパンサ預金関連クレジット総額は前年比マイナス5.0%の大幅な減少が見込まれている。

民間銀行の個人向け住宅クレジットでは最大手のイタウー銀行のMilton Maluhy頭取は、住宅向けクレジットの金利上昇に伴って、今年の住宅向けクレジットの減速は疑いの余地がないと指摘している。

しかし今年の住宅向けクレジット総額は、ポウパンサ預金の資金をブラジル貯蓄貸付システム(SBPE)で運用する住宅購入向けクレジットが牽引して、前年比では最低でも10.0%の二桁台の伸び率を住宅向けクレジットでは圧倒的なシェアを擁している連邦貯蓄金庫のPedro Guimarães総裁は予想している。

不動産業界の企業経営者にとって、最も頭痛の種は昨年の住宅クレジット金利は7.0%前後で推移していたが、今では9.0%から10.0%で推移しており、今後も政策誘導金利の上昇及び高止まりで住宅ローン金利の上昇は避けられないために、住宅ローン販売の減速は避けられない。

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