昨年12月の鉱工業部門生産は前月並みも1年間ではマイナス0.7%に減速(2023年2月3日のIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2022年12月の鉱工業部門生産量は前月比同率で推移したにも拘らず、昨年1年間の鉱工業部門の累計生産量は前年比マイナス0.7%を記録、Covid‐19パンデミック後の回復が遅れている。

また昨年12月の鉱工業部門生産量は前年同月比マイナス1.3%、昨年第4四半期の鉱工業部門の平均生産量は0.5%増加している。

昨年12月の鉱工業部門生産量を牽引したセクターは、石油派生品・バイオ燃料セクター3.4%増加と3カ月連続で増加を記録、医薬品関連セクター9.1%増加を記録している。

また金属セクターは5.6%、自動車・トラック・輸送機器セクターは1.3%、衣類・アクセサリーセクター8.0%、情報機器・電気製品・光学機械セクター4.7%、皮革・履物・旅行用品セクターは6.7%それぞれ増加を記録している。

一方昨年12月の鉱工業部門生産量がマイナスを記録したセクターは、食品セクターマイナス2.6%、金属セクターマイナス5.1%、その他の化学製品セクターマイナス3.2%、機械・装置セクターマイナス3.6%、鉱業セクターマイナス1.1%、飲料セクターはマイナス2.8%であった。

昨年12月の鉱工業部門生産量は前月比同率、前年同月比マイナス1.3%、昨年1年間の累計はマイナス0.7%を記録、前記同様に資本財部門の生産量は1.8%、0.9%、マイナス0.3%、中間財部門はマイナス2.1%、、マイナス2.6%、マイナス0.7%であった。

また消費財部門生産は2.2%、1.4%、マイナス0.8%、そのうち耐久消費財部門は4.1%、マイナス5.8%、マイナス3.3%、非耐久消費財部門は3.2%3.1%、マイナス0.2%を記録している。

2010年12月~2022年12月の鉱工業部門生産量の推移

 

今年1月の新車販売は前年同月比12.94%増加(2023年2月2日付けヴァロール紙)

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、2023年1月のトラックやバスを含むブラジル国内の自動車メーカーの新車販売は、前年同月比12.94%の14万2,800台を記録している。

2022年1月の新車販売は、世界的な自動車生産用半導体不足の影響で、各自動車メーカーは生産調整による在庫が底をついていたために、新車販売不振を余儀なくされていた経緯があった。

今年1月の新車販売は、前月比34.15%と大幅な販売減少を記録している。伝統的に1月の新車販売は、新学期に備えた学用品などの臨時出費に加えて、都市不動産所有税(IPTU )並びに自動車所有税(IPVA)などの支払い開始の影響を受けて、新車販売は低調に推移する傾向となっている。

また2020年2月から始まった世界的なCovid‐19パンデミックによる影響で、ホームオフィスやハイブリッドワーク形態への移行や半導体供給不足問題に加えて、新車購入を控える傾向になってきている。

 

今年の医療業界は地域企業の買収・合併による再編が加速か(2023年2月2日付けヴァロール紙)

世界的な医療関連コンサルティング会社クロール社によると、今年のブラジル国内の医療業界は、地理的な分散と補完的なサービスポートフォリオを求めて地域企業を中心に、買収・合併が進むと予想している。

既に医療業界の買収・合併による業界再編が進んでいるサンパウロ市やベロ・オリゾンテ市を除く、主に地域での医療業界の地場企業の再編が加速するとクロール社法人ファイナンス担当のAlexandre Pierantoni氏は予想している。また今年どれだけ医療業界が拡大するかは、雇用拡大と収入増加の伸び率に左右されると指摘している。

昨年のブラジルの医療業界は、Fleury社とHermes Pardini社の大型合併、またDasa社及びHapvida社の合併などのような業界再編が引き続き予想されている。特に医療業界の合併・買収が進んでいない地域での業界企業の統合などは、相乗効果で寡占化が進む可能性が残されている。

昨年のブラジルの医療業界の企業の買収・合併案件は全体の15.0%を占めており、今年も継続して買収・合併が遅れている地域の医療業界の再編が加速するとPierantoni氏は予想している。

クロール社の報告によると、ブラジルでは人口の約 25% が補助的なヘルスケアを受けているが、今後の成長の余地は十分にあり、国内で実施される画像診断検査のほぼ半分を担っている。 2021年のブラジル国内の画像診断は、延べ1億5,500万人が受診、売上は360億レアルに達している。

サンパウロ州を中心に南東部地域の画像診断クリニックは、6,000カ所を数えて集中している一方で、画像診断クリニックが手薄な北部地域、北東部地域及び中西部地域などでは今後の大幅な成長が見込まれており、米国を中心とした先進諸国のグローバルグループが市場の大きなブラジル市場への参入のための橋頭保確保のチャンスを模索している。

画像診断業界の課題の中で最大の頭痛は、高額な画像診断装置及びとメンテナンス、画像診断専門医の確保など投資コストが非常に高い。今後の画像診断業界では人工知能と遠隔診断レポートの「ヘルステック」活用は不可欠であり、ブラジルだけでなく、コロンビア、チリ、アルゼンチンなどの他のラテンアメリカ諸国で積極的な採用を余儀なくされるとPierantoni氏は指摘している。

今年1月の貿易収支は27億ドルの黒字計上(2023年2月2日付けヴァロール紙)

2023年1月のブラジルの貿易収支は、27億ドルの黒字を計上したと通商局(Secex)は発表している。前年同月の貿易収支は5,800万ドルの赤字を計上していた。

毎年1月の貿易収支は不透明な傾向にあり、今年のブラジルの貿易収支は500 億ドル~ 710 億ドルの黒字が見込まれている。昨年のブラジルの貿易収支は618億ドルの黒字を計上していた。

今年1月の輸出総額は前年同月比11.7%の二桁増加の231億ドルに対し、輸入総額は1.7%減少の204億ドルを記録したために貿易収支黒字が拡大している。

開発商工サービス省(MDIC)は、今年は昨年と比較して輸出が同水準で輸入が減少するために、今年の貿易収支は昨年を上回ると予想。世界経済の減速及び国際コモディティ価格下落の兆候は、程度の差こそあれブラジルの貿易収支にも影響を及ぼすと貿易局情報・統計担当 Herlon Brandão局長には指摘している。

BMJ社のWelber Barral共営者は、1 月の季節性の影響で、例年前年比で僅かな貿易赤字または黒字が一般的になっていると説明。 例えば、今年1月の穀物の輸出がほとんどなく、経済活動がある程度縮小して異常な時期であり、今年の貿易黒字は 国債コモディティ価格の下落でブラジルの貿易収支は500 億ドル近くに留まると予想しているが、今年下半期のブラジル国内経済の回復に伴う輸入増加は貿易収支黒字の更なる引下げに繋がるが、今年のブラジルのGDP伸び率は1.0%予想から1.2%と若干上方修正されている。

MacroSector社は、ブラジルの今年の輸出総額は3,500億ドルに対し、輸入総額は3,000億ドル、貿易収支は500億ドルの黒字を見込んでいる。

今年のブラジルの輸出総額と輸入総額共昨年に比べて減少すると見込んでおり、貿易収支は719億ドルの黒字をブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は楽観的な予想をしている。

通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)13.75%を決定(2023年2月1日付けヴァロール紙)

1日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するために、金融市場関係者が今年後半開始のSelic金利の切下げ開始の延期を示唆するSelic金利据置を決定した。

1日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を前回同様の13.75%の据置を決定した。中銀は金融市場が予測している今年末のSelic金利は12.5%に下がると示唆している。

中銀は今回のSelic金利13.75%の据置で、連邦政府のインフレ指数は2024年9月に許容範囲に収まると中銀の通貨政策委員会(Copom)では見込んでいる。

連邦政府の2023年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年は3.0%、Copomの2024年9月のインフレ指数は3.06%前後をターゲットにしている。

通貨政策委員会(Copom)では、Selicの金利高の長期化を示唆するだけでなく、期待した効果をもたらさない場合、現在の年率 13.75% を超えて Selic 金利を引き上げ始める可能性も示唆している。

現職のリラ下院議長、パシェコ上院議長共に再選(2023年2月1日付けヴァロール紙)

現職のアルツール・リラ下院議長(PP-AL)は、1日実施された下院議長選挙で、513議席のうち約90%に相当する464票の支持票と過去最高記録を更新して再選された。下院議会の16政党の議員のうち14政党の議員の支持を得て再選された。

今日は下院議会初日の仕事始めであったが、ブラジルが成熟した民主主義国家であることを証明したと再選されたリラ議長は強調。リラ議長は税制改革の加速を約束、また1月に三権本部を破壊して民主主義に対するクーデターを試みた人々を罰するために行動すると強調した。

リーラ議長が得た支持票464票は1985年の再民主化以降では最高の市場票を記録、過去には1991年の下院議長選で434票の支持票を獲得したイブセン・ピニェイロ下院議長及び2003年のジョアン・パウロ・クーニャ下院議長を上回った。

下院議長選挙キャンペーン中は、リラ議長はすべての国会議員で反対票を投じる可能性のある下院議員に破壊工作を行った。 しかし21票を獲得したアレンカー立候補と19票を獲得したマルセル・ヴァン・ハッテム立候補(ノボ-RS)だけが、敵対的な演説でリラ候補に異議を唱えた。また5 人の議員が白票を投じた。

一方上院議長選挙では、現職のロドリゴ・パシェコ候補 (PSD-MG) は、 81 人の上院議員のうち 49 票を獲得し、再選された。 一方パシェコ候補の対立候補ロジェリオ・マリーニョ上院議員 (PL-RN)は32 票を獲得した。再選されたパシェコ候補は上院議長として更に2 年間上院議会の舵取りを任された。

パシェコ議長は勝利演説の中で、1 月 8 日に 三権の建物への攻撃を助長したクーデターの立場を上院が拒否、今年1 月 8 日のような民主主義を破壊する出来事は二度と繰り返させないと強調した。

一方、ロジェリオ・マリーニョ上院議員は、パシェコ議長とダヴィ・アルコロンブレ元議長 (União-AP) が上院議会の権力を 8 年間維持することを阻止するために立候補した。

今年1月の企業経営者の景況感指数は2021年3月以降で最低(2023年2月1日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査によると、2023年1月の企業経営者の景況感を計る企業経営者景況感指数(ICE)は、前月比2.1ポイント減少の88.6ポイントと2021年3月に記録した85.9ポイント以来最低の企業経営者景況感指数(ICE)に落込んでいる。

昨年第4四半期から始まった景気減速傾向の影響を受けて、昨年11月~今年1月の四半期の平均景況感指数(ICE)は3.2ポイント減少を記録しており、短期的な景気回復は見込めない。

ビジネス環境悪化は産業界全体に広がっているものの、商業部門及びサービス部門は割と堅調であり、今後3か月間は引き続いて低調に推移すると予想されているが、その後は改善に向かうとFGV Ibre 統計担当責任者のAloisio Campelo Jr氏はコメントしている。

今年1月の企業経営者の現状景況感指数(ISA-E) は、前月比4.3ポイント減少の90.9ポイントを記録、見通し信頼感指数(IE-E)は、1.9ポイント減少の86.0ポイントと2021年3月に記録した85.2ポイント以降では最低の見通し信頼感指数(IE-E)に落込んでいる。

企業経営者景況感指数 (ICE) は、FGV Ibre が作成したビジネス調査の対象となる鉱工業、サービス、商業、建設で構成される4セクターの信頼度指数を統合したものであり、1 月には、ICE を構成するすべてのセクターで信頼感が低下。 顕著な落込みは貿易部門とサービス部門で建設部門が続いている。

昨年12月の正規雇用は43万1,000人、1年間の累計は203万人(2023年1月31日付けヴァロール紙)

就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした経済省の発表によると、2022年12月の労働手帳に記載される正規雇用総数は181万3,934人に対し、解雇総数は138万2,923人、純正規雇用総数は43万1,011人を記録している。

2022年1年間の正規雇用総数から解雇総数を差引いた純正規雇用総数は203万7,982人と200万人を突破している。 Valor Data社の昨年12月の最低純正規雇用総数は28万人、最高は43万人、平均予想は35万人と43万人を大幅に下回っていた。

昨年12月の新規正規雇用者の平均サラリーは、前月の1,933レアルを下回る1,915レアル、同期の解雇者の平均サラリーは2,038レアルと11月の2,023レアルを上回っていた。

2022年の1年間の累積正規雇用総数は2,264万839人に対し、解雇総数は2,061万413人、純雇用総数は203万7,982人と2021年の307万人を100万人以上下回っている。

昨年12月の地域別純正規雇用比較では、南東部地域は21万2,362人、南部地域10万2,993人、北東部地域5万2,018人、北部地域は2万⒎143人、中西部地域は3万5,740人を記録している。

昨年1年間の地域別累計純正規雇用比較では、南東部地域は97万8,666人、南部地域30万9,277人、北東部地域38万5,094人、北部地域は11万9,141人、中西部地域は23万1,781人を記録している。

昨年12月の部門別の純正規雇用総数比較では、商業部門は1万⒎275人、サービス業部門18万8,064人、鉱工業部門11万4,246人、農畜産部門3万6,921人、建設業部門は7万4,505人であった。

昨年1年間の部門別累計純正規雇用比較では、サービス業部門は117万6,502人、商業部門35万110人、鉱工業部門25万1,868人、建設業部門19万4,444人、漁業、林業を含む農畜産業部門は6万5,062人であった。

資源大手ヴァーレ社の2022年の鉄鉱石生産は目標を下回る3億1,000万トンに留まる(2023年2月1日付けヴァロール紙)

鉄鉱石輸出で世界を牽引するブラジル資本ヴァーレ社の2022年の鉄鉱石生産は前年比1.6%減少の3億779万トンに留まり、生産目標にしていた3億1,000万トンを若干下回った。

昨年末のヴァーレ社の短期生産目標として、2023年の同社の鉄鉱石生産は3億1,000万トン~3億2,000万トンに設定、2026年は3億4,000万トン~3億6,000万トンに設定、3億6,000万トンを突破するのは2030年以降を見込んでいる。

昨年のヴァーレ社の鉄鉱石生産が目標を下回った要因として、パラー州カラジャス鉱山の Serra Norteシステムにおける環境ライセンス認可の遅れ、またカラジャス鉱山 Serra Sul地域に位置するS11D鉱山の難航している鉄鉱石生産の一方で、順調なミナス州の鉄鉱石生産及び他社からの鉄鉱石の買入が生産減少の歯止めとなった。

ヴァーレ社は昨年末に年間4 億トンの鉄鉱石生産量を追求しないことを明らかにした要因として、2019 年のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故による安全優先の生産を決定している。

ヴァーレ社の鉱業会社としての目標は、ますますガス排出量の削減を支援する鉄鋼メーカー向けの鉄ソリューションのプロバイダーを目指している。

ヴァーレ社の昨年第4四半期の含有量が62%以上の高含有量の鉄鉱石生産は前年同期比24.2%増加の8,120万トンを記録している。

同社の昨年第4四半期のニッケル生産は1.3%減少の4万⒎400トン、昨年1年間のニッケル生産はカナダに擁するSudbury 鉱山及びパラー州Onça Puma 鉱山の生産回復で前年比6.4%増加の17万9,100トンを記録している。

またヴァーレ社の昨年第4四半期の銅生産は前年同期比14.5%減少の6万6,300トン、昨年1年間の累積では、パラー州moinho de Sossego 鉱山のメンテナンスの延長の影響で前年比14.7%減少の25万3,100トンに留まっている。

 

コンサルタント部会懇談会開催

今年の部会のトップを切ってコンサルタント部会(天野義仁部会長)のオンライン懇談会は、2023年1月31日午後4時から5時まで日本とブラジルから13人が参加、司会は天野部会長が務めた。

初めに天野部会長は今年度の執行部として、部会長に天野義仁氏が再任、副部会長に柏健吾氏、西口阿弥氏が再任され、また新たに池谷裕一氏の選任が承認された。続いて2023年度のコンサルタント部会の活動方針及び活動計画について説明した。

直近の状況やトピックスでは、OECDガイドラインに沿った税改正、労働法や社会保障制度改正、アマゾン基金の復活、気候変動局の設立、ブラジルとアルゼンチン政府の共同通貨導入、キューバやベネズエラとの国交回復、BRICs、カーボンクレジット、人材交流の活性化、ルーラ新政権誕生100日の評価、新政権によるマクロ経済安定化、民営化、中国政府との関係強化、経済安全保障、台湾問題、新政権での人脈構築、中国通の幹部登用、累積ICMSクレジット問題、メルコスールEPAなどが挙げられた。また3月21日の部会長フォーラムでの発表内容について意見交換が行われた。

コメントを求められた村田事務局長は、3月21日の部会長フォーラム発表ではコンサルタント部会の知見、ネットワークをフルに活用した貴重な情報を会員に還元していただければ嬉しいを結んだ。

参加者
KPMG  天野氏
KPMG  三上氏
KPMG      Henry Murata氏
個人会員 平田氏
CESCON 柏氏
TODA Inv 酒井氏
BBBR  倉智氏
ヤコン   山下氏
在ブラジル大使館 林氏
ジェトロ・サンパウロ  古木氏
JICA 江口氏
サンパウロ総領事館 吉田氏
事務局 村田氏