2020年上期の業種別部会長シンポジウムに140人が参加して開催

2020年上期の業種別部会長シンポジウムは2020年3月5日午後1時から6時まで、新型コロナウイルスの影響にも関わらず、チボリホテルに140人が参加して開催。初めての試みであるテレコンファレンスに9人が参加して開催。

                            2020年上期の業種別部会長シンポジウムプログラム

テーマ:「2019年の回顧と2020年の展望」 副題:「ビジネス環境改善に期待、いま為すべきこと」
日時:   2020年3月5日(木曜日)
13時~18時 シンポジウム
18時~19時 懇親会(カクテルパーティー)               
会 場: ホテル チヴォリ・サンパウロ モファレッジ

業種別部会長シンポジウムの録画ビデオ並びにテープおこし記事は後日掲載

発表順序:

前半の司会: 讃井慎一(さぬい しんいち)総務委員長
開会挨拶      村田 俊典(むらた としふみ) 会頭
    
①   金融部会     東 邦彦(ひがし くにひこ)    部会長         (東京海上保険)
②   貿易部会     有村 俊一(ありむら しゅんいち)    副部会長    (島津製作所)
③   機械金属部会     山田 佳宏(やまだ よしひろ)    部会長     (三菱重工)
④   自動車部会     佐藤 修 (さとう しゅう)    部会長代理    (ホンダ)
⑤   コンサルタント部会      吉田 幸司(よしだ こうじ)    部会長     (KPMG)

xxxxxxxxx コーヒーブレイク (15分) xxxxxxxxxxxx    
後半の司会: 芦刈 宏司 (あしかり ひろし)企画戦略 副委員長

⑥   化学品部会      青木 宏文(あおき ひろふみ)    部会長    (住友化学)
⑦   電機・情報通信部会     小渕洋(おぶち ひろし)    部会長代理    (NEC)
⑧   食品部会      佐々木 達哉(ささき たつや)    部会長    (味の素)
⑨   運輸サービス部会      今安 毅(いまやす つよし)    副部会長     (JAL)
⑩   生活産業部会      今川尚彦(いまがわ なおひこ) 部会長 (戸田建設)

講評     野口 泰(のぐち やすし)総領事    在サンパウロ日本国総領事館
閉会の辞     讃井慎一(さぬい しんいち) 総務委員長      

左から後半司会の芦刈 宏司 企画戦略 副委員長/前半司会の讃井慎一総務委員長  

       開会挨拶の村田 俊典会頭

講評の野口 泰総領事

発表資料 : http://jp.camaradojapao.org.br/camara-em-acao/simposios/

シンポジウム収録ビデオ

1. 金融部会   
2. 貿易部会
3. 機械金属部会 
4. 自動車部会 
5. コンサルタント部会
6. 化学品部会  
7. 
電機・情報通信部会
8. 食品部会 
9. 運輸サービス部会  
10. 
生活産業部会

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

2020年上期の業種別部会長シンポジウム

         3月5日開催の2020年上期の業種別部会長シンポジウムのPDF発表資料掲載

Pdf   金融部会   
Pdf   貿易部会    
Pdf   機械金属部会    
Pdf   自動車部会    
Pdf   コンサルタント部会
Pdf   化学品部会     
Pdf   電機・情報通信部会    
Pdf   食品部会     
Pdf   運輸サービス部会     
Pdf   生活産業部会

   Pdf  All Presentations

サイト記事: http://jp.camaradojapao.org.br/news/atividades-da-camara/?materia=20550

2020年上期の業種別部会長シンポジウムテープ起こし記事掲載

2020年上期の業種別部会長シンポジウム

テーマ:「2019年の回顧と2020年の展望」
副題:「ビジネス環境改善に期待、いま為すべきこと」

日時:   2020年3月5日(木曜日)

金融部会
東邦彦 部会長
皆さん、こんにちは。今年度金融部会長を務めておりますブラジル東京海上の東でございます。よろしくお願いいたします。本日はブラジルの経済動向、銀行業界動向、それから保険業界動向、それらにつきまして簡単にご説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
先程村田会頭からお話しがありました通りですね、私どもはこの1ヶ月間ぐらいかけて資料を準備して参ったんですけども、この1ヶ月間で劇的に経済動向、市場動向が変わっておりますので、必ずしもこの資料と足元の状況がですね、何と言いますか、ぴたっと一致していないといいますか、認識のずれがあるということをご了解いただければと思います。その都度、口頭にててですね、補足をさせていただきたいというふうに思っております。
まず冒頭のスライドでございますけれども、このスライドの左側で2019年のブラジル経済の振り返り、それから右側で2020年の見通しについてポイントをまとめております。それから右側で2020年の見通しについてポイントをまとめております。
2019年は2018年に続き、アルゼンチン危機や米中の通商問題等にブラジル国内も影響を受けまして、経済成長は鈍化しましたけれども、各種改革では年金改革の承認など重要な成果が上げました。今後の経済に期待が持てる年となったというふうに総括をしております。
一方、スライドの右側でございますけれども、2020年の見通しでございますが、先程から話題になっておりますコロナウィルスや、2020年に予定されている米国大統領選挙、それからブラジルは引き続き、こういったブラジル国内外のリスク要因にさらされている状況であります。
しかし一方で、ブラジル国内では税制改革や省庁再編などの各種改革案の進展や、それから歴史的低水準の政策金利が追い風になって、経済は、基調としましてはですね、好転するものと予想しております。
それでは、ここから具体的なケースを追いながらご説明させていただきます。
こちらのスライドは2012年以降の主要経済指標の推移と予測についてまとめております。特に表の右の方ですね、の2020年予想値を中心にご説明を申し上げます。
まずGDP成長率ですが、年金改革法案の承認や歴史的水準の金利が追い風となりまして、2020年は2.3%の成長と予想しています。これは中央銀行のFocusを使っていまして、直近ではなくてちょっと古いデータとなっていまして、現在の予想としてはだいたい下がってきているということをご了承ください。
2020年の前半は昨年と同程度の緩やかな成長となって、政権による追加の各種改革の実現可能性が明らかになる年度半ば以降ですね、に経済が回復してくるというふうに、まあ基調としては回復するというふうに考えております。
貿易収支につきましては、黒字幅は前年に続きまして縮小していくというふうに予想しています。
また、インフレ率ですけれども、基調としては景気回復局面にあるものの、まだ生産余力がありますので、3.25%のインフレというふうに予想しております。
政策金利は、インフレがターゲット内の水準で制御をできていますことから、中銀に政策金利を引き上げるインセンティブは低い。今後、コロナウィルスの状況を踏まえますとですね、より金融緩和の方向というのが強まるということを考えますと、低利で安定するというふうに考えております。
次のスライドはGDP成長率でございます。年金改革の承認や歴史的低水準の政策金利を背景に、2020年はブラジル経済が勢いを取り戻す年になると期待しております。
年金改革に加えまして、ブラジル国内の政治動向は過去数年に比べ安定しておりますし、経済政策を推進しやすい環境であるということもブラジル経済にとって追い風となると見ております。
次のスライドは経常収支でございます。貿易収支の黒字幅の縮小が予想されています事から、経常赤字が、まあ結果としまして、拡大していくというふうに見込んでおります。
こちらのスライドは基礎財政収支を示したものです。義務的経費が政府財政の負担となり、基礎財政収支は赤字となっております。しかし裁量支出の削減や、義務的経費の増加の抑制、これらを図る政策が見られますことから、赤字幅は減少傾向にあると見ていますが、財政赤字の状態は最低でも2021、このぐらいまでは続くと予想しております。
次のスライドは労働市場の状況を示した失業率の推移でございます。労働市場の改善は緩やかであり、経済も停滞している状況下、企業も従業員の長期雇用に関しては慎重な姿勢を見せております。この傾向は今後も継続すると予想しております。
こちらのスライドは消費者信頼感指数を示したものですけれども、スクリーンの方では見にくいかもしれませんけれども、濃い緑線で示されたグラフが消費者信頼感指数です。
各種改革案の進展、それから政策金利の切り下げと経済政策の結果により、消費者信頼感指数は改善しました。今後は雇用市場および個人貸付の回復により個人消費や経済活動が下支えされると見ております。あくまでも基調としてはということですね、見ております。
続きまして、ブラジルリスクの増減を表す指標である5年物のcredit default swap、それから対USドルのレアル為替相場の推移をご説明いたします。
為替相場につきましてはですね、ちょっとこちらのグラフはアップレートの状態になっちゃっているんですけれども、まあ方向性としましてはレアル安方面へ引き続き推移すると。それからブラジルのデフォルトリスクですけれども、こちらに関しましては依然として低い状況であるというふうに認識しています。CDSのスプレッドは右肩下がりで下がっているということで、これは現在の経済政策がですね、正しい方向に進んでいることを反映しているというふうに評価をしています。
次にサンパウロ証券取引所の株価指数の推移です。Bovespaの指数は2016年のジルマ大統領の弾劾訴追以降上昇傾向にありまして、2016年以降に実施された経済政策の結果を反映していると言えると思います。
インフレ率ですね。物価等を含む経済指標は引き続きブラジルが緩やかなインフレ状況下にあることを示しており、サービス業のインフレ率等は引き続き問題ない水準であります。2020年、2021年につきましても、現在のインフレターゲットである4%を下回る水準と予想しております。
政策金利ですね。ブラジル経済の本格的な回復はしばらく先になるというふうに予想していますが、引き続きドル=レアルはレアル安方向、インフレ率に関しては低位な水準で安定に推移していくことが見込まれます。これによりブラジル中銀は金融緩和を長期にわたって維持するというふうに予想しております。
次のスライドはブラジル中銀が発表する外国直接投資の推移です。ブラジルの資金需要、相互の外国直接投資が流入し続けておりますので、今後数年間この傾向が続くというふうに予想しております。また、民営化等ブラジル国内のビジネス環境が改善している中で、外国直接投資は増加傾向にあるというふうに見込まれています。
さて、次のスライドでは金融部会所属の各金融機関にご回答をいただきました2020年、2021年の予測数値について、予測最大値と最小値というレンジで表記をさせていただいております。あわせまして、Focusと呼ばれる100以上の金融機関の予測をブラジル中銀がまとめた市場トレンドにつきましてもご参考までに表示しております。
先程も申し上げましたけども、予測数値につきましては2月中旬以降の世界的な金融マーケットの混乱を織り込む前の数値でありますので、いまだ沈静化しない環境や全世界的な金利引き下げを勘案しますと、今後ブラジルにおいても各種数値の見直しが避けられないものと考えています。
まずGDP成長率でございますけれども、2020年が2.2~2.5、2021年が2.4~3.5と、この時点のFocus同様、各行とも緩やかな成長の継続を見込んでいます。
インフレ率は、2020年が3.1~4.3、2021年が3.5~3.75%と、おおむね政府が定めるインフレターゲットを下回るレンジの中に収まるものとみております。
為替レートは2020年が4~4.1レアル、2021年が3.9~4.07レアルと、このアンケート時点ではそういう予測をしておりました。この足元の状況の変化を踏まえますとですね、為替レートにつきましては予断を許さない状況にあるというふうに認識しております。
それから年末の政策金利ですけれども、2020年は4~4.25、2021年は4.25~6.5と、緩やかに金融引き締め局面に向かっているものと予測しておりますが、これも、足元の金融緩和の継続が見込まれるという状況を踏まえますと、不透明感が出てくるというふうに言えるかと思います。
続きまして、次のスライドをご覧ください。このスライドは金融部会の各金融機関の今後の見方についてコメントをサマリーしたものでございます。
まず1項目目。ブラジルにおけるビジネス環境改善のために2020年最も期待することは何か、という問いに対する回答でござります。
まずは構造改革の実行ということで、税制改革、政府および公有企業の民営化、公務員セクターの改革、これらをどこまで具体的に前に進めることができるかがポイントとなります。かかる取り組みを着実に実行に移すことを通じて、内外マーケットの信頼を勝ち取り、低インフレ、安定的な低金利環境を構築するとともに、本格的な個人消費の回復や企業の投資活動の活発化へつながるものと考えております。
次の項目ですけれども、2020年にブラジル経済に影響を与える外的要因は何か、またどのような影響かという問いかけです。
コロナウィルスの拡大をはじめとしまして、アメリカ大統領選挙、それから中東情勢等の問題を背景に世界経済の見通しが急速に不透明になってきております。実際に足元の経済成長の速度が減速しております。国際社会の不透明な状況は2020年以降も続くことが想定されています。かかるリスクが顕在化した場合には、ブラジルへの影響も避けられないというふうに考えます。
個別国で申し上げますと、貿易、直接投資ともにきわめて重要な役割を担う中国の動向は、今般のコロナウィルスの影響、それから米中貿易戦争の動向等引き続き注視が必要と考えています。
また、アルゼンチンをはじめとする中南米諸国の左派政権の先鋭化は隣国で関係の深いブラジルにも相応の影響が出る可能性があると思われます。
一方でEUとの関係においてはメルコスルとのFTAによりブラジルをはじめとする南米4カ国の経済を押し上げるプラスの要因になるものと思われます。
最後の項目は、かかる変化に適応するために、日系企業あるいは日系金融機関としてどのような準備、戦略が必要かという問いかけであります。
主な準備、戦略は以下2点というふうに考えています。
ひとつは、ブラジルへの投資タイミングを逃さないために、本社経営陣との密なブラジル関連の情報の共有、戦略策定。ブラジルは昨年の年金法改正、それから税制改正等ですね、各種の改革に本格的に取り組む姿勢が続いておりますので、改革を着実に実現していくことができれば、短期的には市場の信頼を得て、経済環境が安定次第、本格的な景気回復へ移行することが期待できますので、中長期的にはインフラ等への資金が適切に配分されることで潜在成長率が引き上がっていくと。持続可能かつ力強い発展につながるものと考えます。
そのようなブラジルの成長可能性、景気回復動向に注視し、為替の変動も踏まえつつ、潮目が変わった際には迅速かつ集中的に人、モノ、金といった資源を投下できるように準備し、投資戦略を本社とともに描いていくことが重要かと思います。また、中国、欧米企業もブラジルを注視していますので、先を越されないためにも迅速に動けるよう準備が重要であると考えています。
二つ目ですね。三つ目のポチになりますけども、ビジネス環境悪化に備えた社内体制のスリム化によるコスト構造改革です。
一つ目でお伝えしました通り、ブラジルの景気改善の可能性はあるのか、ブラジルを含む世界経済が極めて不透明な状況が続いておりますので、通常時においては引き続き筋肉質な組織体制を築いていくことが重要な準備、選択となっております。
私ども金融機関としましては、適宜適切にお客様のお役にたてるように世の中の変化を注視すること、それとともに、安定的な資金の供給、的確な金融商品の提案、サービスのご提供、情報発信に努めていくことが必要と考えております。
ブラジル経済動向の説明につきましてはこちらで終わらせていただきます。続きまして2019年の銀行業界の動きについてご説明いたします。
最初に貸出残高の推移でございます。2011年以降毎年二桁ベースで増加していた融資残高合計が、2015年には6.7%と一桁の伸びとなり、2016年以降はマイナスになっております。2018年以降にやっとプラスに転じているという状況であります。
2019年の貸出状況ですが、個人向けの貸出は堅調に増加、11.7%の増加で、一方で昨年に引き続き、景気の本格的な回復は依然として不透明であり、法人向けの貸出は微増という結果になりました。
内訳を見ますと、農業、それからサービス業は好調であったんですが、鉱工業で大きく減少しているという状況にあります。
2020年は個人向け貸出のみならず、法人向けの貸出も回復に転じて、金利の低下にも助けられ、貸出は緩やかながらも回復基調になると予想しております。
こちらのスライドは業界全体における平均貸出利鞘となります。2017年以降は政策金利の引き下げ、それから金融機関による審査の厳格化、クレジットポートフォリオの改善等、これらを背景にしまして、貸出の利鞘は縮小しているという状況になります。
次は不良債権比率になります。2015年以降、景気低迷による企業の資金繰り悪化等の影響を受けまして延滞債権が増加していましたが、2017年6月以降は景況感の回復に伴い企業業績も改善に向かい、法人向け、それから個人向け、特に不良債権比率は改善傾向にあります。不良債権比率の低下により、金融機関の貸し出し余力が出てきておりますので、各行とも積極的な融資スタンスを示し始めているということから、2020年は本格的にクレジットの回復が期待されております。
引き続きまして、2019年保険市場の動向につきましてご説明をさせていただきます。
まず保険料収入ですが、ブラジルの保険監督庁でありますSUSEPの統計データによりますと、2016年の1.5%を底にしまして、2017年は4.2%、2018年が6.6%、2019年は少し下がりまして4.8%。少し下がりましたが、まあ成長トレンドが続いているということが見て取れるかと思います。
続きまして保険種目別の保険料収入でありますが、生命保険分野、こちらではこのグレーのところでございますけれども、10%を上回る高い成長を維持しています。生命保険へのニーズが高まっている事、また銀行セクターにおける個人融資の回復に伴い、団体信用保険等の保険が伸びていることが主な要因と考えられます。
また、2018年はプラス成長を記録した自動車保険は、2019年はマイナス成長に転じております。これはちょっと事情がございまして、強制保険であるDPVATという保険がございますが、こちらの保険料率、これは政府が決めることになっていますけれども、政府が決める料率が引き下げられたこと、それから市場の競争激化。それから代替市場ですね、公債市場等の保険代替市場への流出等の減少が2019年は見かけられました。
次のスライドは保険種目別の損害率のデータでございます。損害率と申し上げますのは、保険料に対していくらの保険金をお支払いしたかという比率でございますが、全体では損害率は45.4%と、昨年対比で0.6ポイントの悪化となりました。
自動車保険、マリン、具体的には貨物保険ですね、では治安状況の改善による盗難事故の減少が寄与しまして、損害率は改善したんですけれども、火災、新種その他の保険ではですね、年初の大雨や大規模災害により悪化したということです。ちなみに2020年は年初から大雨が降っていますので、今年は火災・新種につきましてはかなり損害率の悪化が今見込まれております。
最後のスライドでございますが、主な保険市場の成長見通しについてご説明いたします。
2020年のブラジル保険市場の成長見通しは、損害保険、生命、傷害保険ともに引き続き高い成長が予想されています。ブラジルにおける保険の普及率は日本や欧米と比べますとかなり低い状況にございます。これが中長期的には、経済回復に伴う企業投資や中間所得者階層、ここが厚くなりますと保険商品に対するニーズは高まって来るというふうに思っています。
最後になりますが、ブラジル経済は循環的な回復基調にあるものの、引き続き先行きに不透明感があり、かつ変化の絶え間ない環境ではございますので、難しい局面に直面するリスクは常にあると認識しております。かような環境ではございますが、ブラジルの金融セクターの健全性はブラジルの強みのひとつと考えておりますので、私ども金融機関といたしましては目先の環境変化に右往左往することなく、お客様の事業の発展を一貫してご支援させていただくべく、不断の努力を行って参りたいと考えております。
ご清聴ありがとうございました。

司会
はい、ありがとうございました。皆様よろしければ、ご質問のある方挙手いただけますでしょうか。よろしいですか。お願いします。

発言者
保険市場についてなんですけども、生命保険の伸び率が高いというところですが、例えば日本と比べて生命保険に入っていらっしゃる加入者の割合だとか、それから伸び率が高いのは、まあA層、B層、C層とか色々あると思いますけども、どの辺が伸びているか、これから成長の余地がまだまだあるのか、それともどうなのか、このあたりが分かれば教えていただきたいと思います。

東部会長
はい。すみません、ちょっと生命保険に関してはですね、今覚えていないんですけれども、例えば自動車保険で申し上げますと、日本での自動車保険の加入率が7割から8割ぐらいに対して、ブラジルでの自動車保険の普及率が大体3割でございます。ですので、街の中で車とぶつかったと、まず7割の確率で保険に入っていないとお考えください。
保険の普及率なんですけれども、元々保険といいますのは中間所得層ですね、に一番ニーズがあるというふうに言われております。お金のある人はですね、あまり保険に入る必要がない、お金がない人はですね、保険に入れないということでですね、中間所得層が厚くなれば厚くなるほど保険の普及率が高まると考えられておりますので、そういう意味でブラジルもその中間所得層が厚くなっていけばですね、この今の3割という保険の普及率がですね、5割、6割、7割というふうに上がっていくものと期待しております。

発言者
分かりやすい説明をありがとうございました。

発言者
マイクを渡されましたので質問させていただきます。もし分かったらということなんですけども、ちょっとコロナウィルスの影響がやはり関心がありましてですね、カーニバルの時まではですね、株価とブラジルの通貨レアルが同時におそらく安くなってきたトレンドだったと思うんですけども、今日ちょっと株価下がっていますけども、そのあとレアルは引き続き安くなっていて、株はかなり戻してきているという、金利が下がるという観測があると思うんですけども、他にこの乖離している、トレンドがちょっと変わったんじゃないかなと思っていて、この辺の要因についてもし分かれば、もしその5年物のCDSですか、これのトレンド何か変化があればですね、ちょっと教えていただければと思います。

讃井副部会長
みずほ銀行の讃井です。本年度の金融部会の副部会長を仰せつかっています。非常に鋭いご質問だと思うんですけども、ブラジルの株式の外国人の比率というのは大体20%から30%ぐらいだと言われておりまして、そういったなかで基本的に株価を動かしているのはブラジルの中の方というのが大きいのかなという、その中で不動産であったり預金であったりという中でお金が動いているというのが一つの流れだと思います。それとあとは、直接リンクするかどうか、ブラジルの金利が非常に低下してきているところでございまして、これ外国から見ると高金利通貨であると、10数パーセント利回りがあったという、非常に魅力的だった、そういった要因がひとつ剥落してございますので、こういった要因でまあレアルが売られているということかと思いますので、その力加減といいますか、方向性に踊らされているということなんじゃないかなというふうに思います。以後ですね、こういったコロナウィルスの影響は、織り込めない、まだ分からないというのが実際のトレンドだということです。例えば、先だってFRBが0.5%利下げをしましたけども、これが必ずしも良い方向に効いたわけではないというこういった事情もございますので、まずはちょっと様子見なんじゃないかというのが大勢の考え方じゃないかなというふうに承知してございます。

司会
よろしいでしょうか。それでは東部会長たいへんありがとうございました。

貿易部会
有村俊一 副部会長
こんにちは。貿易部会副部会長の島津製作所の有村と申します。よろしくお願いします。本日、伊藤忠の猪股部会長は出張中ということで、代行でやらせていただきます。私自身は昨年7月に赴任しまして、色々不慣れな点はございますが、何卒よろしくお願いします。では始めます。
2019年の回顧と2020年の展望ということでまとめさせていただきます。
まず貿易額の推移です。グラフをご覧いただきますと、これが半期ごとの貿易額の推移を示したものでございます。左側の青色の棒グラフが輸出額、右側の緑色の棒グラフが輸入額、折れ線グラフは貿易収支を表しています。また、赤の横線ですね、貿易収支の黒字額を示しています。
2019年の貿易額ですが、輸出入ともに通年で2017年は上回った形ですけれども、2018年は下回る結果となりました。貿易黒字に関しましては、2017年をピークに減少傾向にあります。これはブラジル国内の景気回復も一因かというふうに思っております。輸出入額の内訳につきましては、また後ほど紹介いたします。
為替に関しましてですが、これは先程までと大分重複する部分があるんですけども、2018年の通年平均、これは終値ベースですけれども、これは3.68レアル。2019年の通年平均は3.85レアルとなっております。2019年はじめは3.7レアル台から始まり、3.6から4.2レアル台を推移したということ。今年は、元々3.7レアル台と見られていましたけども、直近では4.6超えているということで、今後の動向を注視していく必要があるというふうに思います。
次のスライドではですね、輸出入について前年と比べながら説明いたします。
2019年の輸出動向です。まず合計ですね。表右下の対前年増減率、金額ベースでマイナス6.4%、数量でマイナス5.3%となっております。この表では、輸出商品を一次産品、半製品、工業製品の三つに大別しています。それぞれの輸出額の構成比としましては、一次産品が約半分以上、52%を占めていますので、一次産品の国際市況に大きな影響を受けがちな構造が続いているという状況です。
増減が目立つ部分としましては、一次産品で、もっとも金額も大きい大豆です。金額ベースでマイナス21%、数量ベースでマイナス11%。大豆の内訳に触れますと、輸出量の約8割が中国向けです。18年は大きく伸ばしましたが、19年は17年レベルに戻ってきているという状況です。
これは米中貿易摩擦の影響を受けておりまして、18年は中国が大豆の関税を引き下げたことによりまして米国産の輸入が減り、そこにブラジル大豆が輸出が増加しました。19年は中国が一部の大豆に関しまして関税なしの輸入を認める措置を導入したことによりまして、アメリカ産の輸入回復、ブラジル産の輸入量が押し下げられたと。
また、アフリカ豚熱、豚コレラのことですが、これが流行した結果、豚の飼料用の大豆の輸出自体が急減したということも減少の要因になっています。
また、トウモロコシが大きく伸ばしております。金額ベースでプラス87.4%、数量でプラス88.5%となっております。なおこのトウモロコシの輸出先1位は金額ベースで日本となっております。後ほど対日貿易のスライドで触れたいと思います。
また鉄鉱石も、金額がプラス9.7、数量でマイナス12.6という結果が出ております。
半製品の中でいきますと、粗糖が金額でマイナス16.2、数量でマイナス11.6。鉄鋼半製品が金額でマイナス16.9、数量でマイナス5.8%という結果です。この鉄鋼半製品、この金額と数量の乖離というのは、Valeの事故後市場価格が上昇したためのようです。
工業製品ですけれども、乗用車が金額でマイナス26.4、数量でマイナス30.6。燃料油が金額でプラス7.1、数量でプラス16.8という結果になっております。
続きまして輸出の相手先国別について説明いたします。左の表が輸出額上位10ヶ国、右側が国別の構成比を表しております。
1位の中国は2018年と比べ大きな変化はなくマイナス1.7%。2位のアメリカもプラス3%という状況です。一方減少が目立っていますのは、3位のオランダ、マイナス22.8、4位のアルゼンチン、マイナス34.8、チリ、マイナス19.5。対日輸出額はプラス25.2で5位。対日に関しましては後ほどまた説明いたします。
続きまして輸入です。輸入動向を主要商品別にご説明いたします。まず合計ですけれども、表の右下ですね。対前年増減比ということでは、金額でマイナス2.1、数量でプラス1.2%となっております。前年に引き続きまして、金額構成は工業製品が約8割以上を占めているという状況です。
一次産品では天然ガスが金額でマイナス15.8、数量でマイナス17.4。半製品の中でいきますと、銅版が金額でマイナス20.4、数量でマイナス12.9。工業製品の中では自動車部品が金額でマイナス21.6、数量で17.0と、この辺が大きく増減したというような状況でございます。
続きまして輸入の主要相手国です。同じように画面左側が上位10ヶ国、右側が国別の構成比を表しております。中国は輸出に続いて1位でプラス1.6%、2位も米国でプラス3.9%。一方日本はマイナス6%で9位という状況になっております。これも同じように対日貿易の中で詳細を説明させていただきます。
次が日本との貿易状況になっております。左側、輸出、これがブラジルから日本への輸出です。輸出額合計では前年比プラス19%という状況。中でも先程も申し上げましたようにトウモロコシが急激に増加しております。伸び率では2729%という状況になっております。ブラジル産トウモロコシはですね、18年から19年の収穫量が大幅に伸びております。また米国産の収穫が4年ぶりの低水準といわれるぐらい減少したこと、またやはりレアル安等の要因で輸出量が全体で大きく伸びた結果となっております。
日本でもアメリカ産の輸入は減少し、その代わりにブラジル産が増加したものと見られます。
他に輸出額の増減に目を向けていきますと、上の方から、鉄鉱石、マイナス10.3%、鶏肉、プラス13.3%、大豆、マイナス17.3、大豆かす、プラス69.7といったものが挙げられます。
一方輸入ですけれども、右側の表ですね、日本からの輸入でございます。合計で行きますと前年比マイナス6%です。増減の目立つ品目でいきますと、やはり自動車部品、マイナス25.2%。金額的にも大きな比重を占めておりますので、大きな減少になっております。あと化学品原料化合物はプラス36.8%、エンジン用部品がマイナス22.3%、といったような状況になっております。
続きましてブラジルへの直接投資についてご説明いたします。画面左側のグラフが2011年からの直接投資推移、投資額の推移ですね。19年は下期で大きく伸びまして、17年以降3年連続で前年を上回っております。
右の表は上位10ヶ国のランキングです。1位はアメリカで、前年比プラス41.2%。去年1位のオランダが2位に下がりまして、前年比でマイナス32.7%。ほかに伸び率が大きいところでいきますと、チリ、プラス268%、ケイマン諸島、プラス57.2%、英国、フランス等となっております。日本は10位でプラス74.2%という状況になっております。
続きまして、ブラジルへの投資額を業種別に示したものです。右下、全業種の合計で見ますと、前年比で6%の増となっております。増減が目立つ業種でみてみますと、一次産品の中では石油・天然ガス・採掘、これがプラスの89.1%。数字自体は小さいものですけれども、農水産業がプラス377.5%と増えております。工業品は全般的に減っていますが、自動車・トレーラー・車体がマイナス44.6、化学製品がマイナス61.4%。サービス業の中では電気・ガスがプラス99・8%、運送業がプラス167.4%という伸びを見せているようです。 
次は日本からブラジルへの直接投資金額の推移を見てみます。14年以降は減少傾向にあったのですが、17年で底を打ち、18年は前年の2倍以上の回復、19年も引き続き投資額が増加しております。ブラジル経済省の発表によるレポートによりますと、第3四半期時点でのデータになるんですけれども、半分以上は工業分野での投資ということになっております。その他、金融サービス、運送業、不動産業への投資がみられます。
工業分野の中では、自動車、二輪関係。また農業関係と。そういったところについて、1年前に大きな投資を発表して話題となりましたソフトバンクの投資がこの数字に含まれているものというふうに思われます。
ここで2019年の回顧となります。このデータは、先程からも出ていてます通り、約2週間前のデータをベースにこの2019年の回顧、2020年の展望を挙げておりますので、いくつかデータのアップデートをさせていただいております。
2019年のGDP成長率ですね。先程からもいろいろ説明ありますけれども、年初は新政権による経済改革への期待があり、中銀アナリストのアンケートによれば、市場は2.51%のGDP成長率を予測していました。その後年金改革の難航など、徐々に予測値が下方修正され、8月にはプラス0.8まで下げた。その後10月の年金改革法成立から改善に向かい、今年の1月3日のアンケート時点では1.17%のプラスということだったんですけども、先日、3月2日ですね、IBGE、ブラジル地理統計院が発表したところによりますと、2019年のGDP成長率の確定値は1.1%のプラスという結果が出ております。
続きまして為替ですけれども、これも年金改革の進捗、米中関係などの影響を受けつつ、上期は1ドル=3.7レアル~4.1レアルのレンジで変動。下期になりますと、10月の年金改革法成立などのレアル高要因があったものの、米中関係の悪化などによる世界的なリスクオフ傾向でレアル安が進み、11月には1ドル=4.25レアルの水準、で足元では、コロナウィルスの影響かと思われますけども、4.6まで軟化しているというような状況になっております。
政策金利に関しましても、年初の6.5から年末の4,5、足元4.25の史上最低レベルまで切り下げております。これで打ち止めかというような情報もありましたけども、先日の米国の利下げもありましたのもあり、またさらなる利下げが予想されているというような状況でございます。
レアルが軟化してきていますのとは対照的に、主要株価指数でありますBovespa指数ですね、これ年金改正の難航といった国内要因、米中関係の悪化やアルゼンチン、チリの政情不安といった国外要因により、短期的な下落はあったものの、堅実なパフォーマンスを示し、32%上昇した11万ポイント台の史上最高値圏まで達しております。
株価と為替のパフォーマンス乖離の原因としましては、リスクオフ傾向で売り増した海外投資家に対して、ブラジル国内の投資家が財政改革の進展やブラジル中銀による利下げを受けまして、積極的にブラジル株式を買い占めたことが挙げられるのではないかと思っております。また、現在、世界的な株価下落の影響もあるかと思いますけども、10万5000ポイント台まで下がっているという状況でございます。
一方で、経済状態が悪化した隣国アルゼンチンへの輸出の減少、これがブラジル経済にも多大な影響を与えている事件だというふうに思われます。
2020年の展望でございます。ブラジル国内はですね、昨年は政府の年金改革法の成立に続き、今年は財政改革と民営化も加速されるという方針で、ファンダメンタルのさらなる改善が期待されるところかと思います。
失業率は11%。これは昨年10月-12月の3ヶ月平均ですけども、という、水準としては依然として高いものの、緩やかに改善してきておりまして、適度なインフレや史上最低水準の政策金利の下、国内は経済成長が期待できる環境にあると言えそうです。
なお、今年はですね、全国の市長、市議会議員を選出する地方選挙の年です。結果は、財政改革を含めた国政の動きが中期的に継続していくのかを占う上で重要となります。また昨年6月に政治合意に達したEUメルコスール通商協定ですが、これから正式に締結した上で加盟各国の批准手続きが必要で、実際に発効するまでには数年かかるとも言われますが、スムーズに進んでいくかにこれも要注目ということです。
またブラジルのOECD加盟に向けた動きに関しましても、中期的な成長に寄与するものいうふうに思われます。
一方で国外を見ますと、新型コロナウィルスがもたらす世界経済への影響が大きな不透明要因となっております。このほか、米中関係、米国の大統領選挙、英国のEU離脱、イランをはじめ中東情勢など、世界情勢が不透明感が高まっている状況です。アルゼンチンをはじめ、政治情勢が安定しない周辺諸国の動向も目が離せない状況となっています。
これらの状況下で、2020年GDP成長率の予想ですけれども、直近の2月末の中銀アンケートによりますと、2.17。まあ皆さんご存知のようにこれもどんどん下方修正されていっているような状況かと思います。
為替レートに関しましても、このスライド、2週間前ですが4レアル前半と予想してますけれども、すでに4.6という状況で、これに関してはちょっと何とも言えない状況で、注視していくしかないかなというふうに思います。
貿易部会としましてはですね、引き続きリスクを見極めながらビジネスを着実に成長させていきたいと思っております。
最後のページ、貿易部会のメンバー企業からのアンケートをまとめたものでございます。だいたいここら辺を網羅した内容にはなっているかと思います。
以上、貿易部会の発表を終わらせていただきます。ありがとうございます。

司会
ありがとうございました。ご質問のある方、挙手をお願いいたします。

発言者
では私から。貿易部会、メンバーは商社の方も多いと思うんですけども、いろんな議論がおありだったと思うんですけども、まあ為替だったりEPAだったりと、いろいろ議論された中で一番のトピックというか、悩みというか、これで盛り上がったという、こういった情報があれば教えていただきたいと思います。

有村副部会長
2週間前、1カ月ぐらい前でしたか、当時からコロナウィルスの影響、どうなのかというのは出ておりまして、発表までにいろいろ状況が変わっているだろうという見込みがありつつ議論した、そこが一番大きかった内容。あとは、今後のブラジル国内でいきますと、地方選挙ですね、いろいろ、税制改革いろいろ取り組んでおりますけども、やはりこの選挙の結果次第というところもある、州で市でということでいろいろ含まれておりますので、選挙の動向はやはり大きな、動向を占うことになるのかなという。

発言者
ありがとうございました。ご資料の中で、為替レートが、4前半を中心にと、こういう外れたのがすごいなと思ったところなんですけども。

有村副部会長
2週間前ですので。

発言者
たいへんありがとうございました。

機械金属部会
山田佳宏 部会長
皆さんこんにちは。ブラジル三菱重工の山田でございます。機械金属部会長を務めさせていただいております。私どもの部会は非常に多くの事業分野に携わっております。機械および金属に関連するメーカー、それから商社の方々を中心としたメンバーで構成されております。
本年時点で51社の皆さんに主要部会メンバーとして登録をしていただいております。今回のシンポジウムにあたりまして、事前に各社の状況に応じてレポートをまとめていただき、また本年2月の6日にはですね、部会を開催して、議論を行っております。レポートを提出いただいた会社の事業・製品分野を一覧にしたものが今ご覧頂いているスライドです。ご覧いだだきましてお分かりの通り、非常に分野が多岐にわたっております。インフラ全般の会社から小口の製品の会社まで非常に多いんですけれども、いずれもブラジルの製造業を足元から支える役割を担っておられる会社です。それでは内容について発表させていただきます。
発表の構成としましては、まず当部会の事業環境に関係するマクロの指標を説明させていただきます。続きましてセグメントごとに、鉄鋼以下、6つのセグメントの状況を説明させていただきます。基本的には昨年8月のシンポジウムと同じまとめをしております。最後に副題であります、ビジネス環境改善に期待、いま為すべきことということで、部会メンバーの意見を紹介させていただきます。
それではマクロ指標ということで、最初はブラジルの工業生産の状況をグラフにまとめたものです。これはブラジル地理統計院の資料でございます。2016年から2019年までの状況を示しておりまして、2019年の前半までは、前回ご説明した通りですね。
2019年の後半の市況を見ますと、基本的には対前年比でマイナス基調でありまして、鉱工業生産は増加傾向には転じていません。しかしながら、当部会の所属企業の景況感は昨年の後半から若干改善しております。この点は後ほど申し上げます。
次は土木建設指数を示したグラフです。これもブラジル地理統計院の資料でございます。2012年を100としてその後の推移を線で示しております。上のグラフが月別の指数なんですけども、非常に季節ごとのサイクルがあって、傾向が読み取りにくいという、これは毎回のことなんですけれども、一応2019年の後半の状況を見ますと、若干上向き加減になっているのかなという感じもしなくはないんですけれども、ちょっと分かりにくいので、下の方でですね、これ1年単位に指数を合計してみますと、何となく緩やかにですね、2017年から回復傾向にあるのかなというふうに見て取れると思います。
それではここからセグメント別の状況をご説明させていただきます。最初が鉄鋼でございます。ブラジル鉄鋼協会がまとめている数字を使っております。
まず左上のグラフです。これが2015年から2019年までの年間の粗鋼生産の推移を示しております。この右側に、ちょっと数字が小さくて恐縮ですけども、2019年の粗鋼生産、それから国内販売、輸出の前年との対比を示しております。これを基に状況についてご説明いたします。
まず左側の粗鋼生産量ですけども、ご覧頂いて分かります通り、2016年に底を打った後にですね、2018年までは対前年で増加をいたしました。しかしながら2019年の粗鋼生産量は、去年の初めの鉱滓ダムの決壊以降にですね、鉄鉱石の供給が不安定になったこと、その他の事情で、対前年比でマイナス4%というふうになっております。
次に国内需要ですけれども、内需を示します国内の鋼材見掛消費量、これは粗鋼生産に輸入を加えて輸出を差し引いたものですが、この鋼材見掛消費量は年初の見通しは前年比プラス9%だったんですけれども、それを大幅に下回る対前年比マイナス2.7%となりました。これは国内系税の不振が主な要因であります。
また輸出は対前年比でマイナス8.1%の減少となっております。これは世界経済の停滞、それから国際市場の大幅下落等の中で、中南米それからEU向けが大きく減少したためでございます。
2020年の展望ですけれども、ブラジル鉄鋼協会は2020年の粗鋼生産見通しを対前年比でプラス5.3%、それから鋼材の見掛消費量の見通しをプラス5.2%というふうに発表しております。これはブラジルのGDP成長率の見通しの改善、それから金利、インフレ等の安定化を背景としております。
一方で、米中貿易問題の今後の行く末ですとか、新型コロナウィルスがブラジル、南米経済に与える影響も注視する必要があるというふうに見ております。
続いて電力です。こちらはエネルギー研究公社の資料であります。左側の棒グラフが2012年から昨年までの電力消費量の推移、それからこちら側のグラフが2018年と19年のそれぞれの電力消費の用途別の内訳を示しております。これを見ますと、ブラジルの電力消費の最近のピークは、2010年、そして2018年にはそれと同レベルまで回復しております。2019年は2018年の実績をさらに上回っております。ただ、これはですね、電力消費量全体の話でありまして、この右側の内訳を見ていただきますと、住宅用と商業用の需要の増加が全体の伸びを引っ張った形になっておりまして、産業用は対前年を下回っております。
このような中で、電力のオークションは風力、太陽光の影響であいかわらずの安値となっております。
続きまして2020年の展望ですけれども、当部会の関連企業が関係しますバイオマス関連の動きは引き続き低調というふうに見込まれています。このため既存プラントのアフターサービスの拡大に注力しておられます。
次に建設機械に関してであります。これは先程の建設指数と同様にですね、まず左側に建設機械の生産実績を月別に示しております。建設機械の生産はこれを見ていただいてお分かりの通り、月別の変動が激しいので、先程と同様にですね、月別の指数を一年間合計したものを右に示しました。これを見ますとですね、2017年以降生産は回復傾向にあるいうふうに見て取れると思います。
このような中で、2019年の建設機械の国内販売は対前年比28%、1万300台と、年初の予想の3%を大きく上回っております。これは建設関連の需要が底堅い回復を示したこと、それからレンタル向けが好調であったことや、官公需向けの減少がわずかであったということであります。
輸出ですけれども、アルゼンチン向けが低調であった一方ですね、アメリカ向けやフィンランド向けの出荷が下期に急増しまして、通年では対前年比プラス2%、9600台というふうになりました。
2020年ですが、国内需要は年金改革等による景気回復期待感の向上と、ブラジル史上最低の金利水準等によりまして、10%程度の伸びというふうに見込まれております。
輸出は、米中貿易問題の進展はありましたものの、引き続き動向を緊密に注視する必要があるというふうに考えます。
続きまして、自動車産業に関連するセグメントについてご説明いたします。資料としましては、左上に自動車生産協会がまとめた自動車生産台数、その右にですね、自動車の新車登録、輸出、生産の2019年と2018年との対比を示しております。詳細は自動車部会の発表にゆだねますけれども、右側の棒グラフから読み取れますのは、前年同期比で、真ん中の輸出が、これ率にして30%以上落ち込んでおりますが、それにもかかわらず2019年の生産は対前年比で増加しております。これに伴って、左側のグラフですけれども、自動車生産台数は2016年以降増加が続いているということです。
以上申しました自動車生産の動向を背景に、まず切削工具について申し上げます。2019年は主力ユーザーである自動車産業や農業機械の動向を反映しまして、国内向けは比較的順調でありました。一方、アルゼンチンほか、南米他国向けは大きく落ち込んでおります。
2020年ですが、米中貿易問題や新型コロナウィルス等の懸念はありますものの、自動車、トラック、建機、農機向けの案件をフォローして参りたいということです。
次は回転機械において重要な部品となりますベアリングですけれども、2019年は自動車向けはアルゼンチン向け輸出の落ち込みにより年初見通しには到達いたしませんでした。一方、二輪向けは堅調。それから一般産業機械向けは下期の需要が盛り上がらずに終了いたしました。
2020年は、二輪向けは引き続き堅調でありますものの、自動車向けは期待薄です。一般産業向けは、期待値は高いんですけれども、ポジティブな数値にはなっていないという状況でございます。
次にドライブシャフトですけれども、2019年はアルゼンチン向け自動車輸出の落ち込みや、一部モデル切替による需要減の影響で前年を下回りました。
2020年はアルゼンチン向けの低迷はありますものの、新規モデルの需要増等で増加を計画をしております。
次に潤滑油ですけれども、2019年は自動車・フォークリフト向けの初期充填油の増加はありましたものの、対アルゼンチン向けや主要需要家の使用量の削減に伴いまして、対前年比で微減となりました。2020年は大型新規案件の獲得による売上増加を目指しております。
最後に、金属加工用の油剤ですけれども、2019年は新車生産がわずかに増加したことに伴いまして、販売数量の増加をもくろんでおりましたが、期待倒れに終わっております。これは客先におけます消費財の使用量削減、それからコストダウンの影響と思われます。2020年は、自動車生産の増加は見こまれますものの、見通しは不透明であります。
続きまして農業・産業機械セグメントについてご説明いたします。これもこれまでと同様にですね、上の方にブラジル地理統計院が発表しました関連する機械の生産動向、つまりエンジン、汎用機械、農業・家畜用トラクター、それから工作機械の資料を準備しました。これもちょっと月別の変動が激しいので、これまでの指標と同様にですね、1年間の指数を合計したグラフをこの下の方に示しております。この下の方の年間の合計の指数のグラフをご覧いただきますと、まず全体的な話としては、2018年には一旦回復傾向に入ったものの、2019年に入ってからは陰りが見られるという傾向が見て取れると思います。ただし汎用機械については2019年に入ってから回復傾向にあります。
これを参考にしていただきながら、当部会のメンバーが実際のビジネスを通じて感じております点を中心に状況をご説明申し上げます。
まず小型のディーゼルエンジンですけれども、2019年は日本製の多気筒と発電機セットの販売は回復しましたけれども、横型の単気筒が大きく落ち込みまして、対前年比で台数減、まあ金額は増えたということになりました。
2020年は日本製の多気筒は拡大が予想されますけれども、20馬力以下の単気筒エンジンは市場自体の縮小と安価な中国製の影響で低迷が続く見込みということでございます。このため、会員企業におきましては、58年間継続してきました単気筒のブラジルの国内製造を中止し、インドネシア製に全面切り替えをしております。
次にトラクターですけれども、2019年はBNDESの農業向け低利融資が停止状態となったことによりまして、低迷しました。2020年もBNDES融資の改善は見込めませんが、農作物の収穫が良好なことに伴い、対前年比で増加を期待しております。
次にポンプです。2019年は前半は前年並みでありましたけれども、8月以降受注・売上ともに増加に転じ、年末にかけて拡大しました。これは会員会社におきまして、水中ポンプと陸上ポンプの販売を2018年に統合した成果が表れているというふうに認識しております。2020年は一部不透明感はありますものの、昨年後半からの回復基調の継続を期待しております。
次にレーザー切断機ですけれども、こちらにつきましては低価格の中国製機械との差別化を図るべく取り組んでおります。
最後に油圧機器・マシニングセンターですけれども、2019年はレアル安による買い控えの中、補用品の獲得に努めております。2020年は特に油圧機器の更新需要に期待したいというふうに考えています。
最後に石油・ガス、紙パルプその他産業関連セグメントの状況をご説明いたします。資料としましては、ブラジル地理統計院の石油製品の生産実績を、これも2012年を100とした数字を示しておりまして、右側に年間実績を示しております。それから下の段にはブラジル紙パルプ産業協会が発表しております紙パルプの生産動向を示しております。
まず石油製品ですけれども、この二つのグラフを見ていただきますと、2019年には回復傾向にあるということがお分かりいただけると思います。次に下の方の紙パルプの生産実績ですけれども、パルプの需要の拡大によりまして、2014年からですね、ほぼ一貫して対前年比から増加する傾向にございましたけれども、2019年に入ってからは生産・輸出とも対前年比でマイナスとなっています。
この資料を作成した時点では、2019年は1月から9月までの実績しかありませんでしたが、その後発表された内容によりますと、2019年は2018年に対してマイナスの6.5%というふうになったというふうに認識しております。
当部会の会員企業はこれらの石油・ガス、紙パルプ産業、それから先程ご説明しました鉄鋼産業の生産設備において使用される製品を扱っておりまして、先程のスライドで申し上げましたこれらの産業を前提にですね、関連分野の状況をご説明いたします。
まず上のボイラですけれども、ただ今申し上げました通り2018年まで順調に拡大してきましたパルプ生産が2019年は対前年比でマイナスとなりましたけれども、ボイラおよびEP、電気集塵機の更新が予定されておりまして、これらの受注を目指してまいります。
次にプラント・工場用制御システム・機器ですけれども、2019年は鉄鋼メーカーの保全投資の回復、それから石油・ガス上流分野の新規設備投資、それから同じくパルプ産業におけます生産拡大投資、それからアルゼンチンにおけますシェールガス井戸開発投資等にともないまして、受注も堅調でした。2020年も同様の傾向を期待したいというふうに考えています。
最後に移動式クレーンですが、2019年はクレーンの需要に回復傾向が見られました。2020年についても、製紙業界、マイニング、エネルギー、石油・ガス業界設備投資の動向を注視して参ります。
以上、当部会を取り巻く環境につきまして、2019年を振り返り、また2020年を展望いたしました。最後に、ビジネス環境改善に期待、いま為すべきことという副題に対する部会メンバーの見方を紹介させていただきます。会員企業の皆様からご提出いただいた内容を部会長としてまとめさせていただいたものです。
まず、私ども機械金属部会の会員企業にとりまして、ブラジルのビジネス環境が数年の間に改善するということは、まああまり期待できない、見通せないということでございます。
それから、アルゼンチンをはじめとする南米他国の経済状況ですとか、米忠貿易問題、それから新型コロナウィルス、これらの影響を受けます為替動向などなどですね、不安要素は常に存在いたします。
従いまして、現在のビジネス環境の中で、各製品・サービスに見合った事業形態、これはブラジルを含む南米での生産するとか、日本ほかからの製品輸入するとか、そういうビジネス環境に見合った事業形態を常に模索するというのが当部会の関係企業のスタンスでございます。
若干補足させていただきます。ただ今スライドでご説明しました通り、いくつかの業界では2020年に関して拡大基調の見通しが示されておりまして、それを実感している会員企業があるということは事実であります。あとボルソナロ政権に対する信頼度がある程度高まって、年金改革に続く税制改革や民営化、外資導入の推進といった動きを期待する意見もあります。しかしながら、過去を振り返りますと、年初の希望通りには必ずしもなっていないということ、さらにはビジネス環境の改善にはある程度の時間を要するといった点を加味して、ただ今申し上げたような副題の取りまとめとさせていただきます。
以上で説明を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。

司会
ありがとうございました。時間ちょうどということでございますけども、ご質問のある方、挙手をいただければと思います。いかがでしょうか。
機械金属部会ということで、今までの貿易、金融とは変わってモノの動きに直結するような産業だと思うんですけども、最近のコロナでサプライチェーンに対する不安というのは言われているとおもんですが、何かそういう形で、差し支えないところで。

山田部会長
さきほど貿易部会の資料にもございました通り、ブラジルと中国の貿易、輸出入の割合が大きいということで、既に一部の新聞で、確か電気電子工業会様で、ブラジルからの半製品の輸入が滞りがちという記事を最近目にしましたけども、一部ですけれども機械金属部会の会員会社においても一部の納期の遅れるという話を受けているという情報は。ただ、まあ現時点で実際に起きてないか確認はしていませんけど、今日時点でじゃあそれで生産に支障が出るかというと、まだそこまでの状況ではないと。

司会
はい。ありがとうございました。では他にご質問ないようでしたら。どうもありがとうございました。

自動車部会
佐藤修 部会長代理
あらためまして皆さんこんにちは。自動車部会の佐藤と申します。本年度から、トヨタ様から引き継ぎまして、ホンダの方で幹事会社をさせていただいております。本来であれば、部会長のロベルト・アキヤマという者が参加する予定でしたが、あいにく都合がつきませんので私の方から代理でご報告させていただきたいと思います。
本日のアジェンダはご覧のようになっております。まず2019年の振り返りであります。四輪になります。
こちらは新車のマーケット、2001年から推移をグラフで表したものでございます。2019年の実績は対前年比108.6%、279万台という台数でタッチしております。ご覧の通りですね、3年連続で前年を上回っておりまして、堅調に推移した年でありました。
一方、下段の方にあります黄色いグラフですが、こちらは輸入車の比率を示したものでございます。全体のマーケットの中で10%強が輸入車ということで、対前年で比べますと微減傾向ということでございます。背景にはブラジル・レアルの通貨安がございます。
こちら、3年連続で増加傾向とありますが、2012年に380万台マーケットまで伸びた市場ですので、今はまだ回復途上という認識でおります。
続きまして、昨年の月別の販売台数を推移で表したものです。前半でですね、稼いだ貯金がありまして、対前年比大きく上回りました。8月、10月に前年比を割る月がありましたが、前半の貯金に支えられまして、対前年を上回ることができました。
昨年のマーケットで特徴的なところは、ダイレクトセールスの比率が歴史的に高い水準で推移したということでございます。全体マーケットの46%がダイレクトセールスによるものです。このダイレクトセールスというのは、法人・個人事業主様向けの販売、あるいはハンディキャップをお持ちのお客様向けの販売でございます。こちらが少し販売の質を変えているというのがマーケットの特徴でございます。
続きまして昨年の生産台数の推移でございます。生産台数も販売と相似形をしております。2019年、生産台数は294万台、対前年比103%となっております。下段にあります輸出でございますが、対前年比68%と低調に終わっております。背景には隣国のアルゼンチンの市場縮小を受けた落ち込みということがございます。
続きまして中古の台数を見たマーケットの推移でございます。薄いブルーの棒グラフが中古のマーケットでございます。2019年、対前年比、新車同様ですが、102%で伸び堅調に推移しております。新車市場とあわせると1360万台マーケットまで伸びております。
続きましてブランド別のシェアでございます。向かって右側に見えますのがトップ10のブランドでございます。日系ブランドは黄色で示しております。トヨタさんにつきましては7位から6位に伸びております。背景にございますのは、新しくヤリス、カローラといった主力新型車効果によりランクを挙げております。
一方向かって左側の方でございますが、2011年からの推移を表したものです。ブラジルのマーケットのトップ3のブランド、GM、フォルクスワーゲン、FIATが高いシェアを占めております。2016年、17年までシェアを落としておりましたが、今は回復途上にございます。
中でも昨年好調だったのがフォルクスワーゲンでございます。新型車のSUV、T-Crossの販売効果によるものです。また、ランキングの中で一番下の方にありますJeepというブランドですが、2014年から本格参入してまいりましたが、先程申し上げたダイレクトセールスのところのマーケットへの戦略的な投資でシェアをアップしています。
続きまして2020年の予測でございます。こちらがマーケット予測になります。トラック・バスを含めまして総合計で言いますと、自動車部会としますと対前年比6%増の296万台を見ております。輸出につきましては前年比減。生産台数については微増というレベルを見こんでおります。
参考まででございますが、1月発表の自動車工業会、ANFAVEAの数字は、新車マーケットで言いますと対前年比9%ということですので、ANFAVEAよりも少し控えめな数字を予測しております。ただしこちらにつきましても、コロナウィルスの影響を一切含んでおりませんので、少し下ぶれ懸念が危惧される状況でございます。
続きまして長期展望でございます。自動車業界のスペシフィックなテーマとしまして、上段の3つ、自動車政策のRota2030への対応、排ガス規制Proconveへの対応、またモビリティサービスへの対応とがございます。
また、下2つにつきましては、各社さん、各部会とも一緒だと思いますが、EPA、日メルコスール間の早期締結、税体系の簡素化。こちらに関しては長期的観点からの重要なテーマであります。
本日につきましてはこの2点について簡単にご説明を申し上げます。
1点目、Proconveでございます。こちらにつきましては、自動車の大気汚染防止プログラムでございます。2018年末に環境省直下のもとで採択されたものでございまして、内容といたしますと、2022年、25年以降に排ガス規制を強化するという内容でございます。
具体的な事例で言いますと、大気中に排出されるガソリンの蒸気を車体内で回収し燃料に再利用する装置の装着、あるいは燃料漏れの事故検知装置を義務付けるものでございます。
下段にありますスケジュール通りでございますが、2022年、25年と、短期間の間に強化をしていくというのが骨子でございます。どの程度ハードルが高い規制かと言いますと、グローバルで見た時のヨーロッパの高い排出ガスの基準であるEuro6を上回る基準でございます。ご覧の通り、2022年、25年、それ以降段階的な規制値を見ますと厳しさがご理解いただけるかと思います。
また先程申し上げましたORVRという装置の装着に伴う車の変更が必要になります。部分的な回収のみならず、大規模な車体変更が必要になります。エンジンコントロールユニットの適正化、あるいはORVRの装置の着用、またFuel Tankあるいはガスノズルの形状の変更等々を加えて、大きな投資あるいはそれに伴う開発が発生することが課題となっております。
続きまして、モビリティサービス、CASEということでございます。こちらはブラジルのみならずグローバルで環境変化が起きております。自動車につきましては100年に一度の大変革期ということで、コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化という領域で変化が起きております。今までの自動車製造業のプレーヤーのみならず、様々なプレーヤーが新規参入し、異業種の提携が進んでおります。こちらは世界的な潮流としてのCASEへの対応が必須となっております。
ブラジルに目を向けますと、シェアリングの領域につきましてはUberあるいはifoodといったところでのサービスが出てきております。また、ご覧のような電動スクーター、レンタルバイクみたいなところも出てきております。
一方で電動化という領域ですが、こちらにつきましては電気自動車、ハイブリッドでございます。まだまだ全体マーケットの1%に満たない小さなマーケットでございますが、兆しとしますと伸長しているのがご覧の通りお分かりいただけるかと思います。こちらへの対応が必要となります。
一つの事例でございますが、トヨタさんの方で昨年9月からトヨタ・モビリティサービスというサービスを展開しております。個人向けのレンタカーサービスでトヨタ・レクサスの全ラインナップを提供できるというサービスです。アプリベースで予約ができ、ディーラー様と連動しているというのが強みでございます。
続きまして日系ブランドの対応のサマリーとなります。先程申し上げました5点のところでお話しをいたします。
まず1点目、自動車政策Rota2030への対応でございますが、こちらにつきましては将来の税恩典を最大限活用すべく、運用ルールの細則を注視しながら進めてまいります。
Proconveにつきましては、現実に即したものになるべく政府当局への理解活動を継続して参ります。
CASEにつきましては、シェアリング、電動化、コネクティッド等の分野への展開をはかり新たな価値をお客様に提供していきたいというふうに考えております。
税体系の簡素化につきましては、新政権が掲げる複雑な税制の簡素化への後押しをするスタンスでおります。
日メルコスールEPAにつきましても、引き続き政府に働きかけを継続してまいりたいというスタンスでおります。
総括になります。上段、2019年のマーケットは先程申し上げた通りでございます。下段はそれに向けた対応になります。先程申し上げた中で、なかったことでございますが、一点目の長期的視点に立ち為替変化に強い事業体質づくりを継続ということは、ここ数年来言っていることだと思いますが、こちらは重要な観点になるかと思います。部品の現地調達化、生産性向上などによるコスト低減、あるいはブラジルからの輸出促進をはかるという地道な活動が必要になります。
最後になりますが、二輪、バイクのマーケットの昨年のおさらいになります。
こちらはバイクのマーケット、生産、輸出、卸について2001年から振り返ったものになります。生産につきましては2年連続で増え、販売につきましても2年連続で増えております。
販売実績でいいますと108万台ということで、対前年比113%ということで、クレジットの販売増が寄与し、堅調に推移した年となりました。
輸出につきましては対前年比57%ということで、自動車同様アルゼンチンの低迷によりまして前年比大幅減となっております。
こちらは販売について月別に見たものでございます。ピンクのラインが対前年比となりますが、毎月対前年超えということで安定した推移を見せました。
最後のスライドになります。こちらは二輪の支払い形態別の販売比率でございます。クレジットでお買い求めになるお客様は全体の40%、現金でお買い求めのお客様は33%、真ん中はコンソルシオになっています。
クレジットにつきましては歴史的な低金利と銀行の融資拡大によりまして、市場拡大を下支えしており、2020年もその流れが継続できることを期待しております。
以上です。ありがとうございました。

司会
ありがとうございました。それではご質問のある方挙手をいただけますでしょうか。お願いします。

発言者
先程のお話にもありましたけど、特に二輪の方が深刻かなと考えているんですけども、マナウスでですね、中国から部品不足、今後数カ月起こって来るんじゃないかというような報道がありまして、それについて特にメーカ-さんとしましてはですね、現状どういうふうに対応しているのか、お伺いしたいんですけど。

佐藤部会長代理
いまだ顕在化したところはないんですが、一般論としてとらえますと、やはり二輪でも四輪でもグローバルでプロジェクトを進めますので、対応が必要になります。ただし、中国から地理的に離れているということもありますので、洋上を含めました在庫に少し余力があるというところがあるかと思います。ただこれが長引くことによって、やはりサプライチェーンの寸断ということが危惧されますので、こちらにつきましては動向を注視しながらしていくという感じであります。あとマナウスでの二輪につきましては、かなりの部分は現地調達しておりますので、少し耐性はあるのかなというふうには、一般的ですが、思います。各社様によりまして在庫の薄い重いがありますので一概には言えませんが、今のところはそういうところだと思います。

司会
よろしいですか。ありがとうございました。

発言者
排ガス規制のところですけれども、まあ政府に働きかけをされていると、こういうところで、これは日系企業、日系メーカーさん以外のところもまとまってやっておられるのかという点が一つ。それから政府の対応、聞く耳を持っているのかどうかというこの辺りが二つ目。それから三つ目は、いわゆる投資をしていかなければいけないんだと思うんですけども、先延ばしを交渉されているのか、レベルをもう少し元に戻してほしいという交渉をされているのか、このあたり教えていただければと思います。

佐藤部会長
1点目の質問につきましては、業界全体として一枚岩になっておりますので、陳情する内容はANFAVEA、そしてどういうふうな内容でやっているというふうに聞いております。それで、政府の対応ですが、まあ聞く耳は持ってくださるんですが、すでにリリースされている内容ですので、それを撤回、あるいは変更とかするにはそれなりの手続き、あるいは代替案みたいなところが必要だというふうにおっしゃられているようなので、そこもまだディスカッションを深めていくということになったというふうに聞いています。撤回か延期かというところもそのディスカッションの中でなってくるところですけど、もちろんORVRについては撤回が望ましいんですが、それは今後ディスカッションしていくと。

質問者
ありがとうございました。

司会
はい、ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。ありがとうございました。一点だけ、今まであまり議論が出ていなかったところで言いますと、まず先程プレゼンテーションの中で触れていただきましたけど、アルゼンチンで落ちていますということなんですけども、アルゼンチンですとか他のラ米に対するですね、輸出といいますか、そのあたりの見通し、お考えみたいなものをもし教えていただければありがたいですが、いかがでしょうか。

佐藤部会長代理
これだけレアル安が続きますと、やはり為替がどちらに転んでもいいようにリスクヘッジする姿勢が必要かなというふうに思っていますので、そういった考えのもとに輸出は必要というふうに考えて各社様は企業努力はしているというふうに思います。地域につきましても、アルゼンチンのみならず、中南米を面で捉えながら、輸出を視野に入れているという企業さんがほとんどかなというふうに思います。やはり、ブラジルコスト、高い労務費、あるいはエネルギーの価格等々が足かせになりまして、他の供給ソースからの競争力という観点で言うと、正直申し上げますと、もう少し税務改革を含め必要なのかなというふうには思っております。常にジレンマにはなるんですが、

司会
ありがとうございました。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、たいへんありがとうございました。これにて自動車部会様らの発表を終了いたします。

コンサルタント部会
吉田幸司 部会長
前半の最後というところでお疲れだなと思いますので、何とか時間通りに終わるようにしたいと思いますので、最後までお付き合いいただければというように思います。私コンサルタント部会の 
部長をさせていただいています吉田と申します。よろしくお願いいたします。
コンサルタント部会ですので、いろいろ、皆さん事業等のお役に立てるようなことをお話しできればというところでコンサルタント部会の中で、副題の「ビジネス環境改善に期待、いま為すべき 
こと」というところにつながる何か情報提供できればなということを部会の中で話させていただきました。その話をする前にですね、まずは経済環境を押さえておかないといけないということで、 
経済環境についてこちらにまとめさせていただいておりますが、他の部会の方でもすでにお話しがでているかと思いますので、そこは割愛しながらですね、少し経済環境についておさらいさせてい 
ただければというふうに思います。
二つ目のボルソナロ大統領の様々な施策というところが、ここは多分、コンサルタント部会として皆さんにお話しさせていただくのが皆さんの事業につながるかなと思っておりますので、もう少 
し細かい話は後ほどお話しさせていただければというふうに思います。
あとですね、4つ目、M&A件数が1999年以降最高数ということで、この過去20年間の間の推移を見ていきますと、KPMGの調査なんですけども、2019年度が1231件ということで、過去最高のM&Aの件数 
だったということで、2019年度を見ると経済は動いているというのがここで言えるのかなというふうに思います。特に皆さんご存知だと思いますが、ソフトバンクさんの投資が非常に大きかったと 
いうことが言えるかと思います。
一方で他の国の方に目を向けていきますと、上から6つ目のところですね、他の国というか世界全体でなんですけども、皆さんも意識されているし、既に感じられているかと思うんですけども、異 
常気象ですね。特にフランスで今年、熱波もありましたし、日本でも異常気象ということで、今年は非常に暖冬になっている。
ブラジルにおいても、いまかなり雨が多いし、なぜか夏なのに非常に寒いと。これも、異常気象なのか、これが慢性的になるのか、というところだと思いますけども、この異常気象に対しての各 
企業さんの取り組みというものは非常に注目されているのではないかということで、これについても後ほど、もう少しお話しさせていただければというふうに思います。
あと、アメリカの状況というところが非常に気になるところかなというところで挙げさせていただいております。アメリカの方で株価が非常に、まあ利下げの部分もありますね、非常に上がって 
きていたと。実際、最高値にいったり、最近は乱高下しているかと思うんですけども、その中で何か特徴的なものはあるかなと見た時にですね、1社、私の方で気になったところが、テスラですね。 
電気自動車、環境にもつながるんですが、テスラの株を見ると、過去最高の970ドルまで行きました。時価総額にして1000億ドル。これはフォルクスワーゲンを抜いて自動車業界の中で世界第2の時 
価総額ということで、非常に、環境につながるテスラというところは注目されているのかなというふうに感じたところになります。
あと、今までも話をさせていただいていますが、スタートアップ企業というところで、皆さんご存知の通りUBERとかLyftという会社が昨年上場してきました。ただこの上場が非常に期待外れで、 
UBERがずっと赤字を垂れ流しているということで、この影響を受けてかどうか分からないんですが、宿泊サイトのAirbnbは上場を延期しております。
また、UWORKですね、UWORKも上場すると言われながら、期待倒れになって、SOFTBANKの子会社になったというところで、一時期スタートアップ企業というものは、非常に注目されながら、今では 
どちらかというと利益重視というようなことが言えるんじゃないかというふうに言えると思います。
あとアメリカの政治動向というところで、今年大統領選挙がありますと。で、今週ですね、スーパーチューズデーというところで、民主党の候補者として今サンダース議員が非常に人気が上がっ 
てきている。サンダース議員の人気が上がるとトランプの勝率が上がってくるというふうに言われておりますので、このまま行くとトランプの方が有利じゃないかというのがアメリカの中で言われ 
ている状況かなというふうに思います。ただ実際、これからまだまだ続きますので、最後まで予断を許さないというふうに思います。
あと、Brexitの決定というところで、特にここがブラジルに対して大きな影響があるという雰囲気ではないんですけども、これを受けて、元々一つ言われているのは、FTAをEUと結んでいた国につ 
いてはイギリスと結びなおさないといけないということで、影響があるというふうに言われているところになるかと思います。
あと最後のところですね、各部会いろいろと話が上がっていますけども、コロナウィルスの影響というところで調べてみました。そうすると、3月2日にOECDが世界全体の成長率を発表しているん 
ですけども、元々は2.9%と言っていたのが、3月までにコロナウィルスの影響が収束するとみた場合でも2.4%。収束しなかった場合には1.5%になるというふうに見られております。
特に日本の企業に関しては、2月末までに337社がコロナウィルスの何かしらの影響を受けているというのを発表している。ただこのうち195社は影響が分からない、63社がマイナス影響があるとい 
うことで。ブラジルについてですけども、いろいろニュースを見てみましたが、見つけたのはLGが10日間工場を停止するというふうに発表しているということで、今のところ部会の話の中では日系 
企業さんが工場をストップするという話はなかったかと思うんですけども、韓国企業はすでにコロナの影響を受けているというふうに言えるかと思います。
今までが経済環境というところでして、すみません、いきなり5Gと出てきたんですけども、これを入れたのはですね、アメリカの動向を見た時に、皆さんご存知だと思うんですけども、Sprintと 
T-Mobileがアメリカで合併したら、アメリカで5Gがすごい促進すると。この二つの合併の2年前の条件で、合併したら3年以内に5Gの利用可能地帯を全米全体の97%にするというのが条件でして、こ 
れ合併するとアメリカにおいて5Gが進むだろうと。そうするとブラジルも当然ながら進めていかないといけないということで、ブラジルにおいては5Gに対してどういう状況かなと調べてみたんです 
けども、5Gについては電気情報通信部会さんの方でも話が出るかと思いますので、ちょっとここについては割愛させていただければというふうに思います。
ちょっと飛びまして、気候変動リスクですね。先程言いましたけども、気候変動リスクについてはどの企業さんもまさに待ったなしの状況になっているんじゃないかなと言うふうに思います。実 
際この気候変動リスクですね、いろいろ調べていきますと、2015年にパリ協定が採択されました。これについては185カ国が批准しております。内容としては、産業革命以降の平均気温の上昇を2℃ 
以内にするというところを目標を立てています。できれば1.5℃未満というのが抑制目標なんですけども、2018年10月にIPCCが1.5℃の特別報告を発表しました。
ところが、アメリカがトランプ大統領になって、アメリカが離脱を表明したりとかですね、特にこの間のCOP25においては中国、インドが反対したりとか、大国の足並みがそろっていないという中 
で、2020年1月のダボス会議では、今年の1月ですけども、その時においてはやはりこれが最重要課題というふうに挙げられているところかと思います。
COP25で言われているところの、どのような目標が立てられているのかというところなんですけども、日本においては2030年度までに2013年度比で26%削減すると。ただこちらの目標については、 
Highly Insufficientと言われる、全く足りないという評価になっている。一方でブラジルですね。ブラジルにおきましては、2025年度までに2005年度比で37%削減。2030年度までにできればは43% 
まで削減する。ただこれについても、このパリ協定で言っている2℃未満まで抑制するというところについてはInsufficient、足らないというふうに言われております。
ブラジルの状況ですね、一つ見ていきますと、下から二つ目なんですけども、ブラジルがこのパリ協定を重視しようとしたときなんですけども、かなりアマゾンの伐採が非常に大きな影響だとい 
うことで、2004年度以降アマゾンの伐採についてかなりストップさせているというふうな動きが非常に貢献してまして、実際状況としては、2015年時点で2025年度の削減目標と同じ値だったと。か 
なりブラジルとしてはがんばっているというところではあったんですけども、昨年度ありましたアマゾンの火災とですね、あとボルソナロ大統領なんですけど、環境予算を削減するというふうに言 
われておりますので、このような中で本当にブラジルが挙げている2005年比で37%削減が達成できるのかどうかというところについては危険信号がともっているというふうに言われているところに 
なります。
あと、このガス排出量の削減をするのに大きな効果があると言われているところの一つとして、一番下に挙げているんですけども、炭素税、これ各国入れる事でかなり大きな貢献をしているとい 
うふうに言われております。一説によると、私聞いた話でこれ本当かどうか分からないんですけども、一説によるとブラジルもこれ入れろという話があったらしいんですけども、それでなくて 
Rodidioにしたと。Rodidioだけにしたら、逆にRodidioだけにしたことによって、これ車が売れるだけであって何の影響もなかったというふうに言われているところみたいですので、結果として車は 
売れたので自動車会社さんは良かったかもしれないんですが、環境に対してはあまり影響がなかったと言われているところです。ただ、この炭素税の導入は世界各国で非常に検討されているという 
ところになります。
ちょっと話が飛ぶような感じになるんですけども、このような中でですね、気候変動リスクについて各企業さんが正しく理解して、正しく解決していくことが大事だというふうに言われていると 
ころになります。
これはですね、かなりさかのぼるんですけども、2008年ですね、リーマンショックが起きた時に株価の下落が未曾有の値になっていたと。いったいどこまで下がるのか分からない。このリーマン 
ショックによってかなり金融市場に不安定が起きたと。将来分からない不安があると、非常に大きな金融市場に影響を与える。ということであれば、この気候変動リスクでも将来は、今も実は起き 
ているんですけども、どれだけ企業に対して広がるか分からないとなってくると、株価が非常に落ちてくるリスクがあるということで、この金融市場を安定化させるために、企業としてしっかりこ 
れを開示して、どういうふうにして企業が取り組んでいくかというのを見せる事によって投資家をある程度安心させましょうという動きの中で、こちらのTCFDですね、Task Force on Climate- 
related Financial Disclosureというところを設置して、この内容について開示していきましょうという動きがあります。実際に日本の企業さん、2月末で248社が賛同しておりますし、ブラジルに 
おいては少ないですけどまだ20社、これ実はペトロブラス入っていないんですけど、ペトロブラスはこれに関連した情報は開示するということは宣言しているところであります。
日本企業さんについては、2020年3月期ですね、この末からですね、これについて開示していくというところですので、開示情報においても、こういう気候変動については今後皆さんが目で見られ 
るようになる。実際すでにKirinさんとかは環境報告書を出されたりとかですね、有価証券報告書の中で、味の素さんとかですね、すでに出しているところあるんですけども、そういう内容をさらに 
充実して出していこうというような動きになっているというところになります。
特に気候変動リスクというところについては、皆さんも感じているとは思うんですけども、大きく二つ分かれています。物理的リスクと移行リスク。物理的リスクというのは、実際気候が上がる 
ことによって、例えば少し前のタイの洪水とか、ブラジルも数週間あまり川が氾濫して洪水になったら、それによって企業がダメージを受けますねとかあると思うんですけども、そういうふうな異 
常気象による影響ですね。特にこれについてですね、いろいろ調べていきますと、特に保険業界さんが非常に大きな影響を受けているんじゃないかないうふうに言えるかと思います。
実際ですね、日本ですけども、2018年度にこの災害によって払った保険料というのが1兆5095億ということで、その前の最大の金額が2004年の7449億ということでしたので、いきなり3倍近くです 
ね、保険料の支払いが増えたと。2018年度ですので、2019年度はもっと増えているんじゃないかというふうに思いますので、どんどんこの気候変動リスクが大きくなっていくというふうに言えるか 
と思います。
移行リスクは、先程言った、結局そういう気候変動を抑えて行こうと、どんどん法律が変わっていく、商品ももっともっとですね、エコのものに移っていく、実際自動車業界さんは政府から排ガ 
ス規制で非常に厳しく課せられていると思いますので、まさにこの移行リスクというのは感じられているのかもしれませんけども、今後気候変動リスクが高まり続けていくと、規制がさらに増えて 
いって、それによって各企業さんに対して影響が出てくるというふうに言えるんじゃないかと。実際それに対して対応していくことが企業さんにとってのビジネスチャンスとも言えるかと思います 
ので、こういう話を今後もっと敏感に感じ取りながら、対応することがあれば、リスクを認識しながらもビジネスチャンスととらえてやっていくことが非常に大事じゃないかというふうに言えると 
思います。
すみません、ちょっと最初の環境のところで時間をとってしまったんですけども、ここからですね、ビジネス環境への期待というところですので、ボルソナロ政権、今まで出してきた政策とかを 
見てですね、どういうところがビジネス環境の改善になるんだろうというところをですね、少しまとめさせていただいております。
まず政策一例というところででているんですけども、もう少し詳細な内容をですね、次のページからお話しさせてもらえればというふうに思います。
まずは法改正というところで3つ挙げさせていただいております。既に内容をご存知の方もいらっしゃると思うんですけども、通商「経済自由令」と、労働に関する「Trabalho Verde e Amarelo」 
、最後は政府調達に関する協定と、3つ挙げております。
経済自由令の中で皆さんからご質問とか受けるのはですね、有限会社、今まで株主2人必要だったと思うんですけども、それが1人が認められるようになりました。今までは本当に名貸しだけの株 
主さんがいたというのは、もうこれは立てなくていいですよということで、これについては手続きが煩雑なのが少し緩和されるのかなということが言えるかと思います。
で、一番下、私もいいなと思ったんですけども、税務・会計に関する書類のデジタル保管を認めるということで、今までは紙で持たないといけなかった。大量の紙を保管して保管料がかかってい 
たというのが、これによってそれをしなくていいですよということは、これは中々良い法律だなと思ったんですが、これよくよく見ていくとですね、まだこれどういうプロセスを踏まないといけな 
いとかまだ出ていないとかですね、色んな方と話していると、そうは言っても税務当局が本当にこれ認めるのかとか。税務当局が税務調査に来て、紙がないと言った瞬間に、いやデジタル保管OKと 
言ったからデジタル保管しましたと。でも税務当局が本当に認めるかどうかはよく分からないということもありますので、実際これが本当に運用はじまれば、各企業さんにとって非常にプラスにな 
るかなと思うんですけども、まだまだちょっと、いつこれが本当に導入されるのかは分からないというところになります。
あと、Trabalho Verde e Amareloというところで、若い層を雇いやすくしましょうと、若年層の失業率を抑えるために何とか企業にとってメリットがあるようにして雇っていきましょうという法 
律が、暫定令ですけども、一応こちらは何とか職にしていきましょうという動きがあります。実際これやりますと、こちらなんですけども、若年層を雇うと非常に安くなる、FGTS、INSSを払わなく 
ていいと言われているところになります。
あと、若者層のところから離れるんですけども、中二つですね、ボーナスの支払いに関する新ルールや利益分配に関する新ルールということで、今までたぶんボーナス、皆さん従業員さんに払わ 
れた時に、これ業績評価によるボーナスだった時に、ちゃんと一定条件みたいなものを満たしていれば、INSS、社会保障料を払わなくてよかったんですが、非常にこの基準が厳しかったというのが 
あったというところで、社会保障料を払っていた会社さん多かったと思うんですけども、法律が変わって、社会保障料が免除になるケースが多くなったというふうに言われておりますので、もしボ 
ーナス今まで社会保障料を払っている経営者さんあれば、皆さん一回帰って、法律が変わったことによって本当に払う必要があるのかないのかというのを確認して、払わなくて済むということであ 
れば皆さんにとってプラスになるんじゃないかなというふうに言えるかと思います。
あと利益分配については、各従業員にほとんど弾力性なく一定金額を払わなければいけなかったというのが多かったかと思うんですけども、ある程度業績に応じてとか、職責に応じて払えるよう 
になったということで、従業員さんのモチベーションにつながっていくように変わっていくことですので、もしこちらについてもっと従業員さんのモチベーションを上げるために使いたいというこ 
とであれば、各企業さんとしても考えられるというふうに言えるかと思います。
ここからちょっと税務の話をさせていただければというふうに思います。今回ですね、税務について、税制改正まだ通っていないといころではあるんですけども、3つ、内容について挙げさせてい 
ただいております。通称「善良な納税者」と言われているところと、OECDへの加盟に向けての動き、税制改正というところになります。
「善良な納税者」というところでは、ブラジルでは非常に裁判が多く、実際カマラの課税・通関ワーキンググループにアンケートさせてもらったところ、回答の方の66%の企業が何かしらの税務 
裁判を持っていると。で、2018年度に新規で起こったブラジル全体での裁判の件数、税務に関して189万件、非常に大きな件数がある。これはそれだけあったら中々裁判終わりませんよねというとこ 
ろだと思います。で、これを何とか早く解決していこうということでその法律が施行されていると。
あと皆さんが非常に気になるのはOECDへの加盟という所かと思いますけども、移転価格税制がブラジル独特ということで、皆さん税負担が非常に大きくなっていると。で、去年12月18日にOECDと 
ブラジルの税務当局が合同で発表した報告書の中で、OECDとしてはブラジルに対して、OECDのガイドラインを適用することを強く求めるということに言われておりますので、ブラジル税務当局とし 
てはこちらを今どうやって適用していくかというところを検討しているところになるかと思います。
あと最後、まだ確定はしていないんですけども、ブラジルの税制が非常に複雑だと。世界一難しいと言われておりますので、政府もそれを分かっておりますので、それに対してどうやっていくか 
というところが今検討されているところになります。ただ一点、今回の税制改正というものは、簡素化をやるんですが、税負担を変える訳ではありませんので、何かの税負担が下がると何か税負担 
を上げないといけないということになってくると思います。要するに皆さん全体として負担が減るわけではないんですけども、ただ、簡単になればミスもなくなりますし、従業員さんを雇う人数も 
もしかしたら減らすことができるかもしれないということで、簡単になることによって企業さんにとってのメリットが非常に大きいと言えるかと思います。
ブラジル税制改正全般として、大きく4つになりますね。皆さんが非常に気になっているところですけども、間接税の話、法人所得税、個人所得税、社会保障料というのが今言われている内容にな 
ります。
税制改正となりますと色んなところで色んな話を聞いているかと思います。私でも少なくとも今まで税制改正の内容、5個聞いたことがあります。その中で大きく分けて2つ言えるのが、実際に国 
会で議論されているような内容と、あと政府の役人がしゃべった内容に2つ大きく分かれるかと思います。
国会で議論されているものということで、上院と下院それぞれ別で議論されているもので、これについては憲法改正が必要な内容が多いと言われているものの改正。政府案については、基本的に 
は憲法改正までしなくてもいいような税制改正をやっていきましょうというような動きがある。大きくこの2つがあるというふうに言われているところになります。
では今国会の方で議論されている内容というところなんですけども、まず上院で言われているところですね。間接税が多すぎるのが非常に負担になっているというところで、間接税9つ、私正直知 
らなかった税金もあったんですけど、9つの間接税があるというところで、それを統一しましょうと。ただ、移行期間ですね、統一するにしても15年、これ15年後にここにいらっしゃる方でブラジル 
にいらっしゃる方が何人いらっしゃるか分からないんですけども、15年間かけて統一していきましょうと言われているところとなります。
先程のが上院で、下院の方は、9つではなくて5個ですね。ただ、上院も下院も言っているのは、連邦税だけでなくて、州税であるICMS、地方税であるISS、これを入れて、州税地方税を入れて間接 
税を統一していきましょうと。下院の方は10年間の移行期間でこれをやりますというふうに言われているところになります。
もしこれが通ると、上院でも下院でもそうなんですが、移行期間内では税制1個増えるというような状況になるかと思います。ただ、本当にこういうふうになっていけばいいなと思うのが、例えば 
この2番目のところのクレジット方式のところとかですね。PIS/Cofinsとかであれば、PIS/Cofins払ったけども、それについて受け取った分と相殺するのが相殺できないようなこともあると思うん 
ですけども、今回この新しい間接税は、払ったものと受けたもの、日本でも一緒ですけど、消費税のように全部その金額をnet所得で、政府に払わないといけないものは払う、残ったものがあれば受 
け取れるということで、非常に計算が分かりやすくなるということで、本当にこの2番目の方式はいいなと。
課税標準も、日本だと元買ったやつに何%と分かりやすいんですけど、ブラジルはなぜかそれをグロスアップしているとかですね、非常に分かりづらい計算式になっているので、税抜きになれば 
日本と同じように分かりやすいなとか。
最後ですね、本当にこれが通ればすばらしいと思うんですけども、クレジットがあれば60日で返してくれるとなれば、皆さん、間接税でキャッシュフローで苦しまれている企業さんたくさんある 
と思うんですけども、本当にこれが通れば、しかも10年後なれば、非常にキャッシュフローに対してのいい恩恵が出てくるのかなというふうに言えるかと思います。
ちょっとこちらは細かいので飛ばさせていただいて、それ以外に政府案というところで、実は政府案、中々出てなくて、いまだに出ていないです。実際政府案出さないと言われております。ただ 
、この2019年11月18日に公表した内容と言われているのでここに上げさせてもらっていますけども、Phase1、Phase2、Phase3、Phase4まであります。
Phase1では間接税のうちPIS/Cofinsを統合、まあほとんど一緒だと思うので、これ統合といってもあまりピンと来ないかもしれないんですけども、統合して、新たな付加価値税を作りましょうと 
かですね。
Phase2では、CIDEをこの付加価値税に統合していきましょうとかですね。
あとPhase3で個人所得税、法人所得税についても改正していきましょうと。個人所得税についてですね、現在27.5%最高税率だと思うんですけども、これを35%まで持っていきましょうというふ 
うに言われている。実際35%まで持っていきますと、駐在員さんの給与がネット保証ですと、企業何もしなければ皆さんの取り分が減るということになりますので、ここに上がるのであれば、親会 
社さんと交渉して取り分が減らないようにしないといけないということになってくるかと思います。
あと法人所得税は段階的に20%に下げていくというふうに言われているんですけども、先程言いました通り、取り分が、国としては税金が減らないようにすると言っておりますので、減らないよ 
うにするために何かしらの取れるようなことを考えている。その中で言われているのが、配当金に対して課税していくというのが言われているところになります。
最後は、社会保障料を削減していきましょうと言われているんですけども、これなくせば政府取り分が減りますので、何かしらの新しい税金が必要になってくるというふうに言われているところ 
になります。
実際の税制改正、非常に日々刻々と変わっていて、実はですね、これも出させていただいているんですけども、この内容は昨日のニュースを見ますと、今の状況として、上院と下院、この時調べ 
た時は2月末の段階ですけども、上院と下院の案を統合して考えましょう、で、それぞれの議員が出てきて考えましょうというのが2月末の状況でした。昨日のニュースを見るとですね、4月28日まで 
に統合した案を作りますと。で、5月5日の委員会の方に出していくというふうに言われているところになります。
で、公聴会があるんですけども、3月11日の公聴会にゲデス大臣が出てくるというふうに言われております。そこで何かしら政府の話が出てくるんじゃないかというふうに言われているところにな 
ります。
税制改正については、いろいろ書いてあるんですけども、日々刻々と変わっていてですね、今の現状でこうなりますというの非常に言いづらいところではあるんですけども、皆さんご理解の通り 
に、政府としては何とか簡素化してビジネスの状況を良くしていこうと言っておりますので、今後ですね、この話が続いていくにつれて、私の方でもですね、皆さんに何かあれば情報発信していけ 
ればと思うんですけども、変わった時にはそれに対して対応できるような態勢が必要になって来るんじゃないかというふうに言えるかと思います。
ちょっとすみません、税制と話が飛ぶ感じになったんですけども、今回コンサルタント部会で話した時に、ブラジルで事業をしていく中で今どういうことが課題になっているかという話の一つと 
して、次世代のつきあい方というのが非常に課題になっているというふうに話がありました。少し調べてみた情報をこちらに上げてあります。
次世代の中で少し前に言われたのがミレニアル世代。で、今出てきている新しい新入社員がジェネレーションZというふうになっているかと思います。
このミレニアル世代というのは付き合い方が非常に難しいと言われているんですけども、なぜ会社を辞めるのかというところについて、EYさん、ちょっと古いんですけど2015年にその理由を調べ 
ているというところで、日本は残業が多すぎるのはまあそうかなと。ブラジルに関しては、ブラジルは労働法が厳しいので確かにないんだなと。それを除くと、まあどこも大体同じような感じなん 
だなと。中々給料が上がらないとか、昇進できるかどうか不安だとかですね、フレキシビリティがないとかですね、大体お国は違えども、今のミレニアル世代が考えていることは同じなんだなとい 
うふうに言えるかと思います。
こういう世代に対してどういうことが必要だというところで、今度はですね、デロイトさんのミレニアル年次調査というのが出ているんですけども、これブラジルも日本も入った調査になってい 
るんですが、アクションの提案として上がっているのが、トータルパッケージの透明化とか、ブラジルは特にそうだなと思ったんですが、学習・成長機会が不十分。ブラジル人は教育に飢えている 
とよく言われているかと思います。教育関係、いっぱい教育を与えるとブラジル人はそれに対して感謝をして、良く働いてくれると言われているかと思いますので、教育機会というのを十分作って 
いくというのが非常に重要になって来るのかなというふうに言えるかと思います。
ちょっと話がこんな感じになったんですけども、今ブラジル政府が規制緩和を進めているという中で、過去に、規制緩和がある時に発展してきた企業というのはあるんだろうかかというのを自分 
なりに探しました。という中で、皆さん、この黄色い端末とかたぶんタクシーの中とかで見たことがあるかと思うんですけども、ご存知ですか、PagSeguroという会社ですね。非常に今これ勢いのあ 
る会社というふうに言われているところです。この会社が、過去の規制緩和をとらえて非常に大きくなったというふうに、調べていると私感じましたので、ちょっと紹介させていただきたくて挙げ 
ているものになります。
PagSeguroの内容です。こちら上げさせていただいております。2006年にできました。2018年にアメリカに上場した会社というふうになっております。売上高もですね、非常にこの上場後どーんと 
増えていっている。で、どういう会社かというと、先程言ったこの機械ですね、この機械を作って売っていくというのが非常に彼らのメインのビジネスというところになっているかと思います。 
2020年2月26日時点のマーケット時価総額が11.3ビリオンUSドルということで、大体時価総額1兆2000億ぐらい。今の日本企業さんの中で見ていきますと、三菱重工さんとか日本製鉄さんとか、丸紅 
さんなんか大体この金額になっているかと思いますので、2006年にできてそこまでの時価総額になっている会社というふうに思っていただければと思います。
どういうことをやったかということでございますけども、これさっき言ったカードの機械、私知らなかったんですけども、カードの機械というところについてはかなり規制が厳しかったですと。 
過去は独占状態でした。ずーっとブラジルにいた方はご存知だと思うんですけども、このredeという会社とcieloという会社、この2社で占めていました。
占めていた理由としては、redeについてはitauがついてて、Mastercardを使うならredeの機械が必要だと。Visaカードを使うんでしたらcieloの機械が必要だということで、Mastercard、Visaのカ 
ードを使う場合、redeの機械、cieloの機械がどうしても必要だったというのがカード決済の昔の状況というところですね。ですのでこの2社があるので中々新しい会社が入ってこれなかったという 
中で、やっぱりそれはだめだと、ブラジル政府も気づいてですね、独占状態を指摘したというところで法律が変わっていく。この法律が変わったところでこのPagSeguroという会社ができるというと 
ころですね。で、出てきたところで、過去を実際に見ていきますと、過去において独占状態が100%だったのが、法律が変わることによって自由化になったと。この間に独占契約になっているかどう 
か調べきれなかったんですけども、現状では自由契約が100%というところになっています。
PagSeguroがなぜこうやって入ってこれたか、どうやってこうやって伸びていったかというところなんですけども、この機械ですね、このレンタル機械が非常に、小さな零細企業、中小企業に対し 
て非常に大きな負担になっていると。実際このレンタル機を見ていきますと、2011年になるんですけども、cieloの機械がだいたい月114レアル、redeの機械だと140レアル。2台用意するとして、そ 
れぞれMaster、Visa対応しないといけないので4台になりましたと。非常にこれ、年間で6000レアルの負担。一般的な中小企業の平均売上高が10万レアルと言われておりますので、そうすると売上の 
6%をカードを使うためにレンタル料を払わないといけないという、非常に大きな中小企業の負担になっていたというところで、PagSeguroは中小企業をターゲットにして、貸すのではなくて安い値 
段で売りますというところで入って行ったと。
ただですね、今までredeとかcieloの機械をレンタルしようとすると、それぞれitauの口座、Santanderの口座を作らないといけない。ところがブラジルは口座を持っていない人が4500万人いると 
言われています。サンパウロにいると分からないかもしれませんけど、北部に行くと多くの人が口座を持っていないと。口座を持っていないとカードも機械も使えないというところもありましたの 
で、そういうところも踏まえて売り切りにしたと。で実際これ成功していったと。
今はですね、BBNという非常に小さな銀行を買収したんですけど、さらに銀行業にも出て行こうというところで、成功してきているんですが、さらに次のステップに向かって今PagSeguroは進んで 
いるということが言えるかと思います。
POS機械のマーケット市場ですね。こちら上げておりますけども、これだけ見るとPagSeguro7%しかないと。実際は昔からredeとcieloが強かったのでそれが比率を占めるんですけども、次のペー 
ジで零細企業だけ見るとPagSeguroの比率が、2016年は16%だったんですが、2018年は35%という非常に大きな比率まで上がってきているということが言えるかと思います。
PagSeguroみたいなFintechの会社が非常に今力をもってきていますよというところで、FinTec市場についてこちらで見ているんですけども、元のFinTechの中からユニコーン企業になっていった会 
社というところでPagSeguroも一つ挙げられているというところになります。
ちょっと時間も押しているかと思いますので、FinTechの市場についてこちら簡単にまとめさせていただいております。ご興味あればまた見ていただければというふうに思います。
新たなFinTech企業、こちらもユニコーンになったんですけども、FinTech企業がますます大きくなっていくケースをこちらで挙げさせていただいています。
最後、まとめというところなんですけど、政府が各種の規制緩和をした時にもしかすると皆さんにとってのメリットもあるかもしれない。逆にそれに対応しないといけないので、追加で負担が出 
るかもしれないというところで、政府の各種改革についての影響分析が非常に重要だということになるとかですね、PagSeguroのように規制緩和ととらまえるとビジネスチャンスになるかもしれない 

5Gの時代が到来すると言われておりますので、デジタルトランスフォーメーションについても考えていかないといけないとかですね、気候変動リスク、これ待ったなしになっておりますので、皆 
さんの中でも対応が求められるケースが出てくるんじゃないかとかですね、従業員さんが若い世代が入ってきますので、若い世代との付き合い方という。非常に多くなってくるんですけども、つい 
てですね、ブラジルにいながらだと思うんですけども、多くの現実で考えていってですね、さらにブラジルビジネスを発展というところにつながることができればというふうに思う所になります。 
以上です。

司会
はい、ありがとうございました。コンサルタント部会から非常に興味ある、多岐にわたる発表をいただきまして、5G、気候変動、税制、ミレニアル、私ミレニアル世代との付き合い方というのは 
興味あるので色々とお聞きしたいところなんですけども、ちょっと時間も押してございますので、次回以降こういうことであればもう少し最初から時間を用意させていただきますので。というわけ 
で、たいへんありがとうございました。これでですね、いったん前半の方を終わりにさせていただきまして、後半の部は3時40分から始めさせていただきたいと思いますので、40分に始められるよう 
にお席の方にお戻りいただければと思います。ありがとうございました。

 

化学品部会
青木宏文 部会長
皆さんこんにちは。本年度化学品部会の部会長を務めさせていただいております住友化学の青木です。よろしくお願いします。2019年の回顧と2020年の展望ということで、副題は「ビジネス環境改善に期待、いま為すべきこと」ですので、まず業界全体につきまして簡単に触れさせていただきました後、それぞれの分野に関してですね、説明をさせていただければと思っております。
まず化学業界全体ですけれども、全体額で17年、18年の数字をここに触れております。18年、レアル建てだと為替の影響とかありますので、ドル建てになりますと1280億ドルということで、若干、微増ですね。17年に比べて微増と。輸出・輸入の貿易収支ですけども、化学品という特徴からしまして、輸入してきたものを加工して国内で販売するという会社さんが多いということで、貿易収支の方はマイナスというところです。全体としては増えていますけども、収支としてはマイナスというところが概観であります。
そうしましたらより具体的な化学品部会所属企業さんの内容についてご説明させていただきたいと思いますけれども、機械金属部会さんと同様、非常に多岐にわたっていまして、化学品部会全体としては72社所属していまして、今回アンケートにご協力いただきましたのが22社ということになります。
それぞれ割合がここにありますけれども、22社というところですが、アンケート数52ということで、1社に対して複数の市場にわたって事業を展開していただいているということで、約、平均したら3市場弱ぐらいかなと思っております。
まず化学品部会全体の状況なんですけども、アンケートをまず市場ごとに増額、減少ということで毎年アンケートを取らせていただきまして、今年も同様の方法でやっております。まず左上の2019年の回顧というところですけども、こちらが全体を取りまとめた数字になります。青が売上、オレンジが利益ですけれども、売上・利益ともに増加企業が20社以上、20市場以上ということで、不変・減少のところが10市場ほどぐらいなのかなと。
2019年の展望というのを昨年の同じ時期にさせていただいたと思うんですけども、それとの比較がこの左下と左上のグラフになっているんですけれども、若干、元々思っていたよりも傾向としては悪い方向になってしまったのかなというところが見て取れるかと思います。
2020年の展望ですけれども、こちらも大きな傾向は変わっていなくてですね、市場の入れ替え等はありますけども、比較的増加・不変の会社さんが多く、減少は2019年の回顧よりも減る傾向かなというところです。
今回、先程申し上げました通り、市場が非常に多岐にわたっておりますので、この上位の5市場に関しまして資料をまとめさせていただきました。
まず、自動車・二輪関係ですね。輸送グループということでまとめさせていただいていますけども、2019年の回顧、このような状況になっております。増加の会社が非常に多い一方で減少の会社さんもそこそこの数があるというのが状況です。市場自体は先程自動車部会さんからコメントありましたけれども、国内市場の好調、二輪の方も販売台数が増えているという状況でありながら、アルゼンチンへの輸出の不調というのがあるのかなと。それに対して各企業さんの対応ですけれども、新規顧客の開拓ということで、説明の中に出てきたのは非日系の会社さんに展開しているとかですね。それとコスト競争力。一方で、価格面でいきますとやはり価格競争の深刻化というのがありまして、利益の減少につながってしまっていると。あと、先程市場のところでも説明しましたけれども、アルゼンチンへの輸出ですね、こちらの影響が出てきているところがキーワード。二輪に関しましては、市場の動向と同様に販売も好調だというコメントをいただいています。
次、2020年の展望ですけれども、こちらの方も増加あるいは不変ということで、比較的ポジティブな回答が多かったと思っております。基本的には、2020年への対策ということで、19年と同様に顧客の開拓を進めていく一方で、アルゼンチンの動向もちょっと気になるなというのが状況ということになります。
続きましてヘルスケアということで、ヘルスケアというふうにまとめていますけども、食品ですとか化粧品、医薬品関係、あるいは食品に使うフィルム材とか、そういったものをすべて含めております。
全体の傾向としては不変の会社さんが多い一方で、減少というのはほとんどなかったので、不変または増加というところかなと思います。19年の市場ですけれども、食品に関しましては健康志向というのが一つお話しがありました。一方で競合との価格競争が厳しいよという形でのご説明もありました。化粧品とか医薬品に関しましては、大きい動きはないんだけれども、特段にすごく減ったとかですね、そういった影響もあまりないというような状況です。
各社さんの対応ですけれども、比較的市場自体は堅調だったなという印象をもたれているのと、あと新しく開拓されたりですとか、新商品の投入といったことを積極的にされていた会社さん。一方で、輸出をされている会社さんではやはり、アルゼンチンの方での回収のリスクとかいったものがあったりですとか、為替の影響での原料高といったものが影響が来ているという話がありました。
2020年ですけれども、2020年の展望、非常に増加の会社さんが多いということで、市場も堅調に推移していますし、価格競争は厳しいんですけどもそれに対して対応策をいろいろと練っているという会社さんが多いのかなと。新製品の投入ですとか、あと、他の地域ですね、ラテンアメリカ以外も含めての成功例の横展開ですとか、あとは現地系の顧客さんとのコラボレーションということもいろいろ進めているというようなご説明をいただいております。
次に農業ですけれども、こちら農薬・肥料・飼料関係をひとまとめにしております。各部会の中の会社さんの状況としては増加の会社さんが多い一方で、まあ減少の会社さんも少しはあるという状況です。
市場全体としては、19年度、1月に比べて非常に伸びておりまして、そちらの影響もあって各社さんとも伸びにつながっているのかなと思う一方で、農薬関係を中心にジェネリック品の流通というのも結構ありますので、こちらによる価格競争が激化しているという状況です。
2019年、新製品の上市ですとか、あとは農業資材の販売が米中貿易摩擦の関係で増えたとか、そういったところがポジティブなところです。
2020年の展望ですけれども、こちらの方、引き続き市場は順調に伸びるということで、増加の会社さんが非常に多いです。一方で、市場としては去年のマーケットの増加が流通在庫につながらないとかですね、そういったところも心配がありますので、その点がネガティブになった可能性があるなと。あとはジェネリック品ですね。攻勢は引き続き厳しいので、そのあたりの影響を心配しております。
次に印刷関係です。印刷関係ですけれども、出版ですとか、あとパッケージ用のインキとか、感熱紙ですとか、そういった業界の市場の動向をひろった形になります。
市場としましては、パッケージ市場の高機能化ですとか、一方で価格競争は厳しいというようなお話がありまして、そういった中で各社さん対応しているという状況です。
19年の回顧としましては、増加・不変の会社さんが非常に多くて、一部利益が出ているというような会社さんもありました。対応としましては新規顧客の獲得ですとか、あとはコストの増加にともなる値上げ、価格への転嫁を対応されたというような会社さんも聞いております。
2020年ですけれども、こちらの方引き続き堅調に推移するということで、減少というふうに書いておられる会社さんはなかったんですけれども、増加、不変というところで、比較的売上は増加方向に向いているんですけれども、売上は伸びるけれども利益は減るというような回答をいただいている会社さんが多いという状況です。
市場としましては、引き続き高機能化というところにスポットが当たっているというような話がある一方で、価格競争は引き続き継続するので厳しい状況。それに対しての対応ですけれども、新顧客の対応ですとか、あと原料価格のタイムリーな転嫁、または継続的なコストダウンというふうに対応しながら、何とか減少にならないように2020年を展望しているといるという状況です。
最後、コンシューマー業界ですけども、こちら、化学品業界の会社さんは割と川上の会社さんが多いんですけど、川下の会社も何社か入っておりまして、筆記具の会社さんですとか、接着剤とか、塗料ですとか、そういった会社さんをこの中でまとめさせていただいております。
2019年の市場の動向ですけれども、前年から比較的景気がポジティブに動いてきているという印象があると。一方で安価品の攻勢が非常に厳しいので、それに対応してどうやっていくかというのが課題だったというふうに聞いております。
19年の実際の状況ですけれども、各社さんは、減少の会社さんも多少ありますけども、比較的増加の会社さんが多かったと。どのように対応されたかというと、高機能品の値上げですとか、あと新製品の投入をされたりですとか、そういったところで増加につなげていったという会社さんが多いと思います。
2020年の展望ですけれども、市場としましてはやはり、引き続き安価品の攻勢が続くというところで、様々な対応をしていく一方で、若干景気が上向きになったのも影響しているかもしれないですけれども、個人嗜好の変化があるということで、そういったところにどうやって対応していくかというのが2020年の課題だというようなご説明を聞いております。
2020年の各社さんの予想ですけれども、残念ながら19年ほど全てが増加というわけではなくて、不変の会社さんが非常に多いというところで、やはり販売促進をしていくのもコスト等かかっていきますので、そのあたりの対応と、あと価格競争ですね、こちらにいかに対応していくかというところに注力していく必要があると感じておられる。
簡単に全体のまとめをさせていただきますと、19年ですけれども、売上増加しましたというふうにご回答いただいたのは52市場のうち25市場で約半分。国内景気ですけれども、こちらは非常にポジティブな印象をもたれている会社さんが多いと。新製品の上市ですとか、新規顧客の開拓、こういったところにも進展があったと。
一方で、コストですとか、そういうところでの価格を含めた競争が激しいというお話しをたくさんいただきました。また19年、アルゼンチンの方の、まあアルゼンチンだけではなくて他のラテンアメリカ諸国も非常に不安定な状況でしたけれども、こちらの方の影響も一部見られるというような印象です。
2020年の展望。こちらも52市場のうち27市場ということで、約50%超が売上増加というふうにご回答いただいています。全体として、売上増加ですとか不変へのシフトというのが見られるんですけども、あとですね、高機能品ですとか新規顧客の開拓を引き続き、19年で成功した部分を20年も続けていくというようなご説明をいただきました。
価格競争が非常に厳しいですので、こちらについてどうやって対応していくのかというところが非常に課題になっている。それぞれ業界によって対応の仕方違ってくると思うんですけども、コストを削減するですとか、売価を対応していくとかというところでどう対応していくかというのが課題かなと。また、こちら2月1週目に化学品部会を開きましたので、その時にまだ新型コロナウィルスの影響というのはほとんどなかったんですけど、その時でもすでに、いくつか心配があるということでコメントをいただいていました。昨今、あれから1カ月くらい経っていますのでその状況も少し変わってきていると思うんですけども、こちらも注視していかなければいけないというような状況です。
副題のところですけども、各社さんからいくつかお話をいただいて、他の業界の方と重なっていますけれども、特に、その場で話題になった移転価格税制の改善ということで、いかに国際標準の移転価格税制をブラジルにも展開してもらえるかというところでかなり話題になりました。それ以外のところに関しては他の会社さんと同じような感じかなと思います。
以上です。

司会
青木さんどうもありがとうございました。いまご説明いただきました説明に関しまして、会場の中からご質問のある方、挙手をお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。お願いします。

発言者
ボルソナロ政権下で農薬の承認の迅速化、簡素化を図っていると聞いていますけど、日本の企業とか業界にメリットは、、

青木部会長
今すぐにメリットというのは中々出てこないんですけれども、変えて行こうという機運は感じています。ただ一方で、農薬に限らないんですけれども、Anvisaの認証ですとかそういったところはやはり時間もかかったり、進展状況が見えないとかですね、ここにも明瞭化と書かせていただきましたけれども、そういった問題がありますので、その点に関しては引き続き注視していきたいと思っております。

司会
ありがとうございます。他にご質問等ございますでしょうか。青木様、あらためましてありがとうございます。

電機・情報通信部会
小渕洋 部会長代理
ただ今ご紹介に預かりました、わたくし小渕と申します。部会長の中田が急遽登壇できなくなりましたので、代理で発表させていただきます。記憶に間違いがなければ、確か半年前にも同じ状況だったんじゃないかなと思いまして、これが最後だと私思っていたらば、今回も皆さんの前に登壇できてとてもうれしく思っております。それでは発表いたします。
まず部会のアンケート結果、このご報告を申し上げたいと思います。昨年2019年度の回顧は、半年前、8月の時点の展望と比べて、全体的に悪化してしまっているという状況でございまして、これは思ったほどブラジル経済が回復しなかったことの表れだというふうに考えております。
一方で今年2020年の展望ですが、去年よりも悪化すると考えている企業は一社もなくですね、回答いただきました全部の会員企業が今年は維持ないしは改善するだろうというふうに前向きに考えておる状況でございます。
次に、ビジネスに影響を与えたもの、去年の回顧では、まず一年間を通して続いてしまいました通貨レアル安による影響のコメントが最も多かったというのが挙げられます。それから続いて、隣の国のアルゼンチンの政治・経済の不安定さ、これを挙げる企業も非常に大きかったと。それから、ボルソナロ政権の改革の遅れといった政治的要素がこのふたつに続いたということでございました。また、どちらかというとネガティブなコメントが多かった一方で、不景気を脱出した感があるというふうに述べられた会員企業ですね、改善の兆しを感じている会員も何社かあったという状況でございます。
次に今年の展望でございますけれども、既存ビジネスの拡大、それから新規ビジネスの獲得を目指す。それから、政府による改革が終わりまして公共案件が活発になることへの期待。これらのような前向きなコメントが今年に対して目立つということをお書きしておきたいなというふうに思います。
それから一方ではですね、引き続きでございますけれども隣のアルゼンチン、それから米中関係も含めました内外の政治経済全般的な不透明への懸念というのが聞かれたという状況でございます。
次に市場。ブラジルの3件の市場を代表に出しております。このページはTV市場です。TV市場は2018年のワールドカップ以降好調を維持している状況でございます。対前年比ではワールドカップ特需の影響で前年割れしてしまったというのもあるんですが、全体的に販売台数はこのTV市場、好調をキープしていると言えるところです。一方で右側のオーディオの方は中国・韓国勢の市場への参入、それから需要が伸び悩んでいるということが背景にあり、苦しい時期であったという状況です。
続きまして主要な家電製品です。TV以外の家電製品。これはマナウスの生産の推移の話ですね。ブラジル経済が回復基調にあることを示すように、2016年を底に全体的に、ここにある色んな商品、全体的に売上は伸びてきているという状況です。ただし国外の経済が不安定なことにより、いつまでこの比較的好調な状態が続くのか懸念があるというふうに見ている次第でございます。マナウス全体の売上における電機電子機器は全体の27%を占めておりまして、パソコンだとかの情報機器が22%、それからバイク、15%、これが伸びてきておりますので、ここにある電気電子機器の売上比率が少しずつですけれども減少傾向にあるというのが特徴で挙げられます。
次はブラジルのファクトリーオートメーションの市場動向を示したものです。これを示すために、自動車産業だとかに左右されますので、そのデータを挙げて間接的に述べさせていただいているデータなんですが、いわゆるファクトリーオートメーションですね、インダストリアル部門が自動車産業に非常に左右されてしまいますので、このデータを使って説明させていただいている次第です。
ブラジルのGDPは2017年よりプラスに転じていますが、インダストリアル部門のGDPは1年遅れてですね、2018年よりプラスになっている。それから自動車生産台数は2016年が底で、昨年約300万台まで回復してきたところでございますので、工作機器の輸入台数も回復してきている、こういう傾向にございます。これらの回復の傾向によってファクトリーオートメーションシステムのマーケットは、2020年、今年は成長するというふうに期待されている次第でございます。
ITクラウドについて述べさせていただきたいんですが、2019年はクラウド型の決算やWeb会議システムなどの業務で使用するアプリによるネットワークの品質や容量の需要が増加し、あとはこれらのセキュリティ対策、これらの投資が非常に増加してきているので、この市場の景気は回復する傾向にあります。2020年もこの傾向は続くと見られておりまして、またアメリカのAmazon社がブラジルで2億ドルのクラウド投資を予定するなど、市場は拡大の見込みとなっています。世界のクラウド市場全体を見ますと、Amazon社とMicrosoft社の2強が非常に大きな部分を占めておりますけども、3位以下を含めて各社伸びている状況であることで、ITクラウド市場というのは非常に拡大傾向にあるという状況でございます。
ブラジルにおけます携帯電話回線の契約数について説明させていただきます。携帯電話、ブラジルの市場は首位を走るVivoの一人勝ちが続いている、この1社のみが契約数を伸ばしている。一方、4Gの契約数では各社が急激に増加をさせており、4Gのネットワークへの移行は順調に進んでいるという状況です。5Gの世界ではなくてまだ4Gが半分くらい、ようやくなってきているというのがブラジルの携帯でございます。また、Vale社がですね、ブラジル初のPrivate LTE、これは4Gの自社ネットワークの技術なんですけど、Valeが進めているというような事例がございまして、4Gへの投資がいま盛んに行われているというような状況でございます。まだ5Gの前の4Gがこういう状況だというふうにご理解いただければよろしいかなというふうに思います。
次は、通信可能なエリアを示すカバレッジを人口比で見ているものでございまして、前の世代の3Gで99.8%で、4Gでも96.9%まできていて、3Gと4Gのネットワークでほぼ、人口に対するカバー率というものはほぼほぼ100%に近くなってきているということが確認できます。カバー率は3Gと4Gの両方で100%近くなってきているというのがブラジルの状況です。
一方で、右側ご確認いただきたいんですが、国土の何%にこの携帯の電波が届いているのかというのを見ますとですね、ブラジルは72%、69位ですね。69位で72%ということで非常に低いんですが、これはご想像できるかもしれませんけど、国土の中にアマゾン地域なんかが含まれていて、ここには人がいない、電波が届く必要のないエリア、これが加算されておりますので、カバー率は低く出ていますが、全体的には相応に高いかなというふうに理解している次第です。
次に5Gの開始状況について説明させていただきます。これは先程吉田さんの方からちらっとお話しがありましたけども、昨年の8月のシンポジウム以降あまり変化がない、あまり多くは語れないのが状況であります。ブラジルではですね、今年2月に5Gの周波数の割り当て入札のパブリックコンサルテーションがスタートいたしました。まあ入札が早ければですね、今年の末ないしは2021年の初めに開始するというふうにブラジル政府も見こんでいるような状況でありますので、少しまだブラジルにおける5G対応はもう少し先になるのかなと見られている次第です。ブラジルのこの5Gの、巨大市場ではありますけども、中国、米国、欧州も開始しておりますので、各国が非常に注目しているところでありますので、ぜひ我々も見ていきたいと考えている次第です。
次に、先程は携帯電話でしたが、固定回線、固定電話の契約数についてです。これは右肩下がりに減少中で、ご想像の通りだと思いますけども。一方でですね、ブロードバンド回線の方は増加しているという状況であります。
ビジネス環境の変化ということで説明させていただきます。まず最初にマナウスフリーゾーンを取り巻く環境に触れさせていただきます。マナウスフリーゾーンに影響を与える物として他国とのFTAが挙げられますが、昨年はメルコスール、および韓国、EUとのFTAが順調に進んでいます。今年に入り、EU内部で一部メルコスールとのFTAに対する反対の声、それからメルコスール内でもアルゼンチンの新しいフェルナンデス政権、これがメルコスールに反対する動きを見せているなど、順調に進まない可能性が出てきているという状況下ですね、日本勢としては韓国勢、EU勢に対抗するために、日本メルコスール間のEPAの迅速な締結が期待されている。一方で、マナウスフリーゾーンですが、競争力を維持するためにも、ブラジル政府による税制恩典が重要ですので、現政権が今年実行するであろう税制改革、それと強力な税制恩典ができるのか、ブラジル政府の動きも引き続きウォッチしていく次第でございます。
それから、中南米ですね、米中関係の影響についてご説明させていただきます。昨年5月以降、アメリカ政府による中国企業への禁輸措置が進められています。こういった中国のリスト入りしてしまった企業は、それぞれの市場で大きなシェアをすでに持っているという状況でございますので、これらの企業と取引のある機関、企業は対応策に今後も追われる可能性があり、現時点でも非常に大きな影響を与えているというふうな状況になっています。先程述べましたブラジルの5Gについて言いますと、やはり米国、それから中国の両方の政府がですね、ブラジルの政府にそれぞれアプローチをすごくかけていまして、ブラジル政府はどういうふうに対応していくのか、非常に大事な検討を進めているというふうに我々聞いております。まあブラジルのみならずですね、その他の中南米諸国も同じでして、日本勢としても中国・アメリカの動きを見据えた活動をブラジルのみならず中南米でもする必要があるというふうにみています。
コロナウィルスによるビジネスへの影響について述べさせていただきますと、まあ最近ニュースで話題が多いんですが、ブラジルでも注目度が上がってきている。われわれ関係でいきますと、2月末にバルセロナで予定されていました世界最大の通信事業者の展示会、MWCというのがあるんですが、これがコロナウィルスの関係で中止になってしまいました。各社のビジネスに大きく影響するというようなこともございました。海外出張を自粛する動きや、それからサプライチェーンの中で中国で作っている製品、部品がとどこおる事態が我々の業界でも出てきているという状況でございます。長期化するようだとですね、在庫がつきるおそれがありますので、今後対策の実施を考えている状況でございます。
最後に、商工会議所、それからブラジル政府、日本政府の皆皆様にお願いを簡単に述べさせていただければと思う次第でございます。
まず米中関係、それから隣のアルゼンチンを含めて、国内外の政治・経済が不透明なため、世界情勢、ビジネス環境のモニタリング、情報収集、これまでやっていただいていることを引き続きですね、お願いしたいと思う次第でございます。
それから2点目は、他国・地域に劣後しないためにも、日本・メルコスールのEPAの促進をお願いする次第でございます。
一方で、ブラジル国内で生産を行っている企業としては、ブラジルに対し恩典の維持、それから、繰り返しになりますがEPAの促進など慎重な対応を日本に対して図っていただきたいと思います。
最後になりますが、日本・ブラジルの間でこれまで以上に連携してですね、両国に資するインフラ・ビジネス環境構築、整備の推進をお願いしたいと思います。ありがとうございました。

司会
どうもありがとうございました。それでは会場の皆様から質問を受け付けたいと思いますけども、いかがでございましょうか。

発言者
コロナウィルスの中長期的な影響について。

小渕部会長代理
ありがとうございます。まあ私の私見になってしまうところもありますので、その前提でお聞きいただければ。もちろん、対面しないで色んなものができるという意味では5Gの技術というのが急がれるというのはあると思います。ただそれは、コロナがあるなしにかかわらず、世の中の趨勢というか需要として出てくると思いますので、あまり大きなインパクトというのはないかなと。早目にどんどん導入しないといけないという、スピードがつくという意味ではあると思います。

司会
ありがとうございます。その他ご質問ございませんでしょうか。

発言者
ちょっと答えにくい質問で恐縮なんですが、サプライチェーンの話ですね。対応策をいろいろ考えているということで、中国製部品のですね、調達、中国以外からも融通してもらって、それがとどこおった場合、どんな対策が考えられるのかという、一般論としてもし何かあれば教えていただきたいのですが。

小渕部会長代理
一般論としては、中国のみならず、他の地域にリスクをdiversifyしときなさいという話なんだと思うんですが、それが先にできてなくて中国に発注していた場合はやはり影響は多少は受けるかなと。投資をするのにやはり時間がかかってしまうので、影響は出ざるを得ないかなと。それから、生産の部分はですね、多少の遅れはあったりしても、少しずつ戻ってきている、私どもの周りでは見えていますので、ただこれがどのくらい、コロナが長期化するかとか、ないしはもっとむずかしい局面が出てくるとか。究極的にはやはりサプライチェーンのリスクをdiversifyさせて対応するしかないなというふうに思っているので、調達手段を活性化する。全地域に広がっていくとそれも回らなくなることも想定されますので、非常に回答が難しいご質問だなど。代わりにウルトラCがあればぜひ。

司会
ありがとうございます。本日9名の方が電話回線でご参加されているというということで、在宅勤務、テレワークが非常に多くなっていまして。野口さんの方からキーワードで、ITクラウド、ブロードバンド、こういった話があった訳なんですけども、どうなんでしょうか。こういうコロナウィルス騒動をきっかけに仕事の仕方ががらっと変わる潮目になるかもしれないなというような。まあプラスの側面もあるのかなと思いながら部会のお話しを聞かせていただきました。情報通信部会のお話し、時間の関係もありますのでここまでにさせていただきたいんですけど、どうもあらためましてありがとうございました。

司会
それでは続きまして食品部会の発表に移りたいと思います。食品部会の佐々木部会長よりご報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

食品部会
佐々木達哉 部会長
食品部会の部会長を拝命しております、ブラジル味の素の佐々木でございます。よろしくお願いいたします。次のページお願いいたします。
こちらが本日の発表内容になります。次のページお願いいたします。
こちらが食品部会の会員企業様の社名でございます。主登録17社、サブ登録44社で、61社の企業様にご加盟をいただいております。その中でグレーで示しております企業様から今回アンケートを頂戴いたしまして、部会の中でもアンケート内容を議論し、本日の発表内容についてまとめたものでございます。次のページお願いいたします。
まず市場および会員企業状況ということで、何枚かでご説明します。
食品業界に非常に密接に影響しております小売市場全体の動きでありますが、2016年以降回復基調が続いておりまして、2019年も継続しているという状況でございます。
一般のスーパーマーケットについては少し落ち気味ではございますが、前回のこの会議でもご紹介しました通り、キャッシュ&キャリーと言われます大型の業務用のスーパーが伸長しておりまして、これは統計上も出ておりますし、各社様からのレポートの中でもその状況が明らかになっているということで、全体を押し上げる大きな原因になっているというふうに思います。
また外食の市場については、一時期不透明感が出ましたけれども、基本的には安定して拡大傾向が続いているというふうに統計データ上も出ております。次のページお願いします。
市場および会員企業様の状況ということで2枚に分けてご説明します。
まず1枚目は調味料、醤油、酒類、コーヒー、チョコレート、即席麺といったところでございます。
調味料については、家庭用全体微減の中でキャッシュ&キャリーは伸びているということが特徴かなということ。
また、醤油につきましては、現地メーカーの台頭もあり、輸入醤油は厳しい状況が続く中で、後ほども触れますけども、現地加工の液体調味料の販売を強化する中で、このことが徐々に成果につながりつつあるという報告もございました。
酒類については、清酒の市場は数%の成長と推測されますが、第4クォーター以降になって消費の回復基調が見られるということであります。
またコーヒーにつきましては、原料のコーヒー生豆が歴史的な豊作が続いておりまして、原料・製品共に相場が低推移ということであります。国内の消費は伸びが鈍化し価格競
争が激化するということですが、輸出品については国際競争力を維持しているということでございます。
チョコレートについてですが、業務用の市場にですね、海外の大手さんの参入もありまして、かなり競争が激化しているということで、為替、原料相場等々の変動もある中で価格が中々上げられないということもあり、非常に厳しい環境であるというようなご報告をいただいております。
即席麺につきましては、家庭用全体では横ばいという流れの中で、キャッシュ&キャリーが伸びているということと、世界の中でも何カ国かで即席麺を展開しているNestleさんがMaggiブランドの即席麺、これはブラジルからの撤退を昨年発表しておりますということで、大きなニュースもございました。次のページお願いします。
乳酸菌飲料ですが、こちらは後ほど触れますが、消費者の低価格志向が継続する中で、マーケットの中では安価な類似品や大容量品の販売が目立つということであります。
外食については、これはラーメンの事例になりますけども、市場は全体として伸びているということで、専門店も徐々にではあるが増えてきたということがあります。
それから少し飛ばさせていただきまして、BtoBの素材のところですけども、こちらはサブ会員の皆様からも情報をいただきまして、先程の部会の発表にもありましたが、健康志向やナチュラル志向に繋がる需要は堅調に推移をしておりまして、一方でコモデティーな素材は価格競争が激化しているという状況ということでございます。市場状況に絞ってご紹介させていただきました。次のページお願いいたします。
こちらは、これからのキーワードということになります。市場の今後のポイントということでありますが、どの部会でも触れられております新型コロナウイルスの影響、それから為替の変化等々の状況が大きく影響いたしまして、これは現時点では不透明と言わざるを得ないこともございます。またボルソナロの政権の運営の国内市場に与える影響も、良い面悪い面両方ございますが、これも中々予測できないという中で、まあ変化にどう備えるかということが各企業の共通の心持ちであるということが一つということと、あとは食品の中でも、一般のお客様、消費者のニーズの変化が少し見られますので、ここをどうやって見据えて準備していくかということが非常に重要だろうということでございました。これにつきましては、この後少し実例をご紹介しながら触れていきたいというふうに思います。次のページお願いします。
まず、将来の環境変化への備えということでございますけども、これは景況感にかなり敏感に影響を受ける業種でございますので、現場の創意工夫によってコストを下げると。あるいは資産の効率化ということで、アセットライトというようなことを心がけるということ。それから今回、何社かの会員様からのレポートにありましたが、企業の提携ですとか統合によって組織力を強化して、サービス領域の拡大していくという事例がございました。具体名を下に書かせていただいておりますけども、これは先程の機械金属部会でもご紹介のあった事例も含まれておりますが、こういった傾向がでてきていると。
それから2番として激しい為替変動への対応と。これも今に始まったことではございませんけども、備えていくしかないだろうというようなことでございます。
ここから少し、各会員企業様の実例も踏まえながらご紹介をしたいと思います。
まず、新たな市場トレンドや消費者ニーズを見据えた準備ということで、まず新たな消費者ニーズの探求ということで、二つ事例を挙げております。
まず外食ですが、これは一幸舎さんの例でございますが、夏場対策メニューの積極投入ということで、ラーメン、これは日本でも同じですけども、夏場の売上をどう維持するかということが非常に重要という中で、日本の技術と現地の嗜好をあわせながら、夏場の新しいメニュー展開に意欲的に挑戦されているということで、つけ麺あるいはカレー餃子等の販売が好調ということでございます。ぜひお試しいただきたいと思います。
一方で、残念ながら、満を持して投入した冷やし中華は受けなかったということで、この裏に数々の失敗がということでございますが、こういったトライをしていくことが非常に重要ということであります。
また、醤油につきましては、醤油と書きながら醤油ベースにこだわらないということになっていますけども、新しい液体調味料ということで、前回キッコーマンさんの事例として「ワサビマヨネーズ」の事例を紹介し、これが好調ということでありましたが、さらに続きまして、「ハバネロマヨネーズソース」や「オレンジソース」がラインナップを拡充し、ブラジル人の新たな需要を掘り起こされることに成功したということでございます。次のページお願いします。
同じく新たな消費者ニーズの探求ということで、即席麺、カップヌードルでございますが、こちら即席麺の領域ではまだまだ袋麺が中心の中で、カップ麺の割合が徐々に増えている、かつ伸びているということでございます。その中で、昨年、カップヌードルのカレーを発売いたしました。カップヌードルのカレーは日本では上位に入る売れ筋でございますが、ご案内の通りブラジルではまだカレーが一般的ではない中で、新しい挑戦ということでございますと。試行錯誤を始めておられるということでございまして、特にサンパウロ地区を中心に重点的な取り扱い拡大を図っておられるということですので、ぜひお見かけになった際には試していただければ、応援いただければと思います。
また、調味料の例では、シュラスコ用の「AJI-SAL」、これはアジシオですね、が非常に好調ということでございまして、後ほど出てまいりますけども、ブラジルは非常に塩分摂取が多い国という中でアジシオが売れる事を素直に喜んでいいのかという部分はございますが、塩100%に比べて塩と味の素の組み合わせは塩が抑えられるということで、うまみの部分が満足感をサポートするということが、どのぐらい効いているか分かりませんけども、非常に好調でございます。日本に対しては、Aji-Salは調味料ではなくてシュラスコ用のメニュー調味料であるというふうに説明していま切り抜けておりますけれども、非常に好調ということで、こちらは関連陳列と申しまして、シュラスコ用の炭ですとか、トングとかナイフとか網の周りに並べるという販売手法をとって地道に広げておりますので、ぜひこちらも、ご覧になりましたら、あこれだということでお勧めいただければと思います。次お願いいたします。
同じく新たな商品技術ということで、こちらはイグアスコーヒー様の事例ですが、20年8月からフリーズドライ商品の増産を開始するということで、より付加価値の高いフリーズドライ製品の増産により、商品ポートフォリオの見直しを図るということを予定しております。
次のページ。こちらは健康志向ということでございます。減塩・減糖・減脂といった健康志向、それからナチュラル志向の強まりは、ブラジルにおいても確固たる動きになってきております。その中で、こちらのナガセさんの事例ですけれども、機能性の糖質・酵素剤と、現地需要に対するソリューションの創出することで、減糖やクリーンラベルといったナチュラル志向をとらえて、数々の提案を実施されているということであります。
また、乳酸菌飲料、ヤクルトさんにおかれましては、「プロバイオティクス」の概念の普及ということで、こちらも先程述べました通り、まがいものに近いようなものが出てくる中で、正しいプロバイオティクスの概念を普及すると言うことで、YouTubeを使って健康関連の情報を発信したり、健康教室の開催を積極的に行われているということでございます。プロバイオティクスは腸内の細菌環境の改善でございますが、ご存知の通り免疫の改善につながります。コロナウィルスの対策にも有効と、いま言い切るわけにはいきませんけれども、毎日の積み重ねが免疫を高めるという代表的な例でございますので、ぜひ一日一本飲んでいただきたいと思います。
次のページでございます。こちらは前回も少し触れましたが、高付加価値志向ということで、低価格化と高付加価値化の二極化ということであります。こちらはアズマキリンさんの例ですけども、低価格帯の清酒を大幅リニューアルして、競合品と同価格帯でありながらもを維持しながら、圧倒的な中身品質を実現して、この部分がかなり販売大きく増加したということと、あわせまして、若年層向けのスパークリングな清酒のようなものも出しプレミアムをとっていくということで努力をされておられます。
最後のスライドになりますけども、食品部会、非常に一致団結して、企業の垣根を越えた積極的な交流や連携をやろうということで、工場見学ですとか、情報交換会等の企画もぜひしてほしいという声もいただいております。Team Japanとして、ブラジルの社会への、あるいはブラジルの消費者への貢献ということを図っていきたいと思います。規制変更、為替変動、コロナウィルス等、非常に逆境も多いですけども、また東京オリンピックが影響が多い業者さんも多い中で現在まだ開催について不透明な部分もあると思いますけども、開催を信じて2020年を乗り切っていきたいなというふうに望んでおります。以上です。

司会
佐々木部会長どうもありがとうございます。日々たいへんお世話になっている商品がずらりということで、ご説明たいへんどうもありがとうございます。それでは会場の皆さんからご質問を受けたいと思います。ご質問の方は挙手の上お願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
そうしましたら、ちょっと私の方から代表質問ということで。7ページのスライドですけども、これからのキーワードということでですね、消費者ニーズ(インサイト)の変化を見据えてということで3点挙げておられると思うんですね。新たな消費者ニーズの探究と、あとは健康志向。3番目は志向の二極化、高付加価値と低価格ということで3点挙げておられるんですけども、佐々木部会長の私見でも構わないんですけども、一つだけポイントを挙げるとされるとどれになるのかなということを教えていただけないでしょうか。

佐々木部会長
これはいずれも大事なポイントというふうに会員企業様からも情報をいただいていますが、まあ、私見も入りますけども、やはり、他の部会さんの中でも情報がございましたが、健康志向、ナチュラル志向については、これはグローバルのトレンドでございますが、ブラジルにおいてもグローバルと全く変わることなくこの志向が強まっている事を日々肌で感じております。減塩・減糖・減脂、ナチュラルというところについては、すでにグローバル企業さんもブラジルにおいてそういう商品を展開されておりますし、日本企業においてもそういう商品を品ぞろえを急いでいるというところもございます。またナチュラル志向についても、売り場を見ていただけますと、いわゆるオーガニックですとか、あるいはそういった商品が非常に増えているということも皆さんもお感じになられると思いますし、あとはちょっとここに書いてありましたけども、今グローバルのトレンドの中で非常に大きいと言われているエシカルと呼ばれます、倫理的消費の世界が、食品の世界でもかなりきております。これはプラスチックの使用を抑えるですとか、あるいは袋のロス削減ですとか、そういった取り組みに取り組んでいる企業を応援しようという動き、これ実はブラジルの中でも増えてきておりまして、ブラジルは他の国と違うという見方は全く通用せずに、グローバルと非常に同じ歩調を歩んでいるということが、特に最近際立ってきているのかなというふうに感じて、ここにきちっとついていくことが本当に必要だなというふうに感じております。

司会
どうもありがとうございます。それでは食品部会の説明をこちらで終了させていただきたいと思います。佐々木部会長ありがとうございました。

運輸サービス部会
今安毅 副部会長
いまご紹介に預かりました、副部会長を務めさせていただいております今安です。よろしくお願いします。
運輸サービス部会です。5つのそれぞれの業界から発表をまとめておりまして、若干長い時間となりますけどもご了承ください。
まず、スライドの文字がちょっと小さいので、左側、ピンクのところが外航コンテナの貨物輸送量の推移ですね。真ん中、緑が完成車輸出入台数の推移。一番右のブルーの方はばら積み主要貨物の輸出量推移で、これを見ながらお聞きいただければと思います。
では、まず海運業界です。海運業界については、ブラジルに主に関係するコンテナ輸送、自動車輸送、ドライバルク輸送、いわゆるばら積みの現状について簡単に説明いたします。
2019年の回顧についてご報告します。まずコンテナ輸送ですが、マーケットは堅調に推移し、2018年と比較し、ブラジル外航コンテナ輸送量は3.1%増加しました。米中貿易戦争に伴うトレードパターンの変化、割安な為替、一次産品の生産量の増大を受け、南米東岸の輸出は旺盛であり、スペースには逼迫感が見られました。
次にブラジルの主要貨物である自動車の輸送ですが、ブラジル国内の新車販売台数は279万台と前年を8.6%上回る好調でしたが、2019年の輸出台数は前年比マイナス32.1%。輸入は同マイナス4.1%と微減となりました。この輸出の激しい落ち込みは、自動車輸出の約7割を占めるアルゼンチンの経済危機によって新車の販売が急減しているためです。
続いてドライバルク輸送です。2019年のブラジルからの輸出量は5億9156万トンと、前年比マイナス6.5%でした。特に1月に発生したVale社の鉱山ダム決壊事故による鉄鉱石輸出の急減、中国における豚コレラの大流行で飼料輸入が減少するなどの影響が顕著でした。3クォーター以降は鉄鉱石輸出も回復基調にありましたが、上期の減少をカバーするにはいたりませんでした。
続いて20年の展望です。コンテナ輸送ですが、ブラジル経済は緩慢ながらも成長が続くことが予想され、貨物量も増大を見込んでいます。
次に自動車輸送ですが、完成車輸送は、南米各国の経済成長の不確実性、鋼材価格の引き上げ圧力など課題はあるものの、慎重ながら楽観的な見方を示しています。
次にドライバルク輸送については、Vale社の鉱山ダム決壊によって閉鎖していた鉱山の操業を順次再開してきており、前年超え輸出量が見込まれています。穀物に関しては前年並みに推移すると見られています。砂糖は国際価格低迷などの影響を受けて、他作物へ転作する動きが一部で見られますが、順調に育成している事から、サトウキビ生産量はわずかに増加するものと見込まれます。しかし製糖業者がエタノール生産を強化する動きがあり、砂糖の生産量、輸出量はともに前年比横ばいで推移すると見込まれます。
次に、国連の船舶による大気汚染防止規則の改訂で、2020年1月1日より船舶からの硫黄酸化物排出規制が全世界的に強化されました。同基準を遵守するため、船舶燃料を高価な低硫黄燃料へ切り替える準備を周到に進めていましたが、十分な検討期間を設けたこともあり、懸念されていた供給不足による大きな混乱もなく乗り越えることができました。割高な低硫黄燃料を使うことによるコスト増についても、概ね理解をいただいており、この場を借りてあらためて御礼申し上げます。
最後に新型コロナウィルスの影響について、現時点では限定的ながら、中国での工場の操業停止が長引けばブラジルでの生産業にも波及し、貨物輸送量に影響が出てくるものと思われます。次のスライドをお願いします。
次のスライドのグラフもちょっと字が小さいので。左の青いグラフ、輸出取扱数量推移。右の赤いグラフが輸入取扱量推移。下が原油・ジェット燃料価格推移となっています。
次に航空貨物業界です。2019年の回顧ですが、まず世界動向は米中貿易摩擦の影響を大きく受け、貨物重量は2009年のリーマンショック以来の低い水準となりました。また成長率では2012年以来のマイナス成長に転じました。航空貨物業界の2019年は非常に困難な年になりました。米中貿易摩擦の影響はアジア発着路線の貨物減少が34.6%と、非常に大きなインパクトを残しています。
南米の動向もマイナス成長。ブラジルの主要空港はグアルーリョス、ビラコッポスの輸出入取扱数量を見ますと、輸出入ともに2017年、2018年の実績を下回りました。
燃油費の動向は、2019年下半期、原油とジェット燃料の価格は全体的に低調に推移しました。これは世界的な需要の低迷と供給のバランスがとれているためです。
次に2020年の展望について、まずIATA、国際航空輸送業協会が年初に航空会社CFO、貨物責任者を対象にしたアンケートを実施し、その結果、対前年増加するが減少を上回る結果となりました。これは米中貿易摩擦の融和による貨物数量復調の明るい兆しに起因しているのですが、その後発生した新型コロナウィルス拡散により、状況は一変したと考えます。
中国ではまだ操業再開を見合わせている企業も多く、また1月末より欧米各国航空会社が中国発着便のキャンセル、その他地域の減便も予定されており、結果的に貨物供給スペースの激減によるスペースの取り合いで、一部運賃高騰が顕著になっています。
サプライチェーンが崩れ、部品、製品の供給に遅れが生じ、世界経済に大きな影響を与える可能性がある一方で、納期遅延の代替輸送として航空貨物輸送が飛躍的に伸びる可能性も想定されます。
燃油費の動向ですが、2020年、航空会社の燃油費は低減すると予想されています。理由として、ジェット燃料価格は今年の原油価格とともに下落しているためです。
最後に、航空貨物業界にもデジタルトランスフォーメーションの波が押し寄せています。これはeコマース市場への対応、ビジネス機会拡大や効率化を求め、航空業界でデジタル関連の投資が次々と行われているからです。オンライン予約の提供のプラットフォーマーの代表として、アメリカのFlexport社やドイツのcargo oneは徐々にパートナーとなる航空会社数を拡大。一方、本来航空貨物フォワーダー、国内輸送業者の範疇まで航空会社が取り組み始めてきています。各社生き残りをかけデジタルトランスフォーメーションを推進した新たな事業モデルにより、航空業界のビジネス生態系が変わっていく節目の年になると考えます。次のスライドをお願いします。
その他貨物業界です。2019年の回顧ですが、まずボルソナロ政権の下、インフラ関係は大きな飛躍が見られました。27案件、94億レアルの投資、54億レアルの助成金の創出は、インフラ省が実施したコンセッションプログラムの初年度の成果です。トラック運転手の待遇改善は進まないものの、懸念された目立ったストライキは発生せず、物流面への影響はありませんでした。
一方、陸上輸送トラック業界全体としては堅調に推移していると思われます。例えばメルセデスベンツのトラック販売は2021年まで予約が埋まっている状況で、業界が投資に転じていると考えられます。
次に、パラグアイからの輸入で、メルコスール免税が反故にされ、輸出入ともに申告が約1週間停止となった事例がありました。その後、審査が厳格になり、関税コードの審査、場合によっては罰金が発生しました。背景は不明ではありますが、密輸事件が摘発があったのではないかと推測いたします。
さて、2020年の展望です。新型コロナウィルスによる経済活動停滞が長期化すると、部材調達、他国への生産シフトといったサプライチェーンの変更等が発生し、貨物の集中、スペースのひっ迫、新規の物流ルート構築等により、物流コスト増が懸念されます。
連邦政府はインフラ省主導の下、2019年の実績を上回る44案件の民間へのインフラオプションを計画、投資額は90億レアルを目標としています。
輸入税関申告システムが導入されるのは2020年と言われておりますが、実際に導入されると想定できない事態が発生する可能性があり、輸入者は通関業者と密にコミュニケーションをとることが肝要です。
最後、ブラジルの通販やeコマースは拡大基調にあり、倉庫需要増、バイク便を含めた小口配送網のインフラ整備が課題となります。新聞記事、O Estado de Sao Pauloによると、サンパウロ市内から30キロに位置するカジャマール市は計130万平方メートルの倉庫群ですが、倉庫市場が激化して価格が上昇し、最も価値がある地域の倉庫として、高級オフィス外にちなんで「倉庫エリアのファリア・リマ」との呼び名がつきました。ちなみに2019年の第4市半期のリース料は1平方メートルあたり21.87レアル。これは前年同期比13%上昇しています。一大消費地であるサンパウロ市の至近であることに加え、主要高速道路へのアクセスが良いなど、戦略的なロケーションであることが要因で、国際企業の関心を集めている理由となっています。アマゾン配送センターがここに設立したのもカジャマールです。そしてこの傾向は今後さらに拡大すると思われます。
次のスライドに参りまして、航空会社です。2019年回顧として、まずIATA、国際航空輸送業協会が公表する航空需要をまとめてあります。指標は、旅客需要を表すRPK、有償旅客キロ、生産量を示すASK、有効座席キロ、その他、座席利用率、座席利用前年対比の4つの指標を横に並べています。
さて、伸び率の上位から順に、アフリカ、アジア大洋州、欧州、米州、ラテンアメリカ、中東の順になっています。現象として、RPKの上位、需要の高い上位ですね、アフリカ、アジア大洋州は逆にロードファクターが低いところが目立ち、需要が旺盛で規模を急拡大した割にはお客さんの入りがついていっていないことがうかがえます。一方で各国の国内線の状況、下の方にありますが、見ますと、好調なブラジル、日本がそれぞれプラス1.6%、プラス1.8%に対し、ロシア、中国はその上を行き、プラス3%、プラス3.7%。アメリカにいたっては何とプラス10.5%と、好調経済による内需が活発であることが読み取れます。
次に2019年の総括において、まあ今まで不況不況と言ってきてはいたものの、今の状況となっては非常にこれでも健全だったなと回顧しています。ではなぜそう思うのかといいますと、次に2020年の展望にいきますけれども、これはもう様相が一変しております。がっくりしております。現在発生している新型コロナウィルスの影響を、実はもろに受ける業界の一つと我々言えます。
ということで、真ん中に新型コロナウィルス発生と。まずIATA、国際航空輸送業協会は現地時間の2月20日、ついこの前ですね、新型コロナウィルスの影響による2020年損失額の推計という恐ろしいものを出しています。世界の航空会社全体の合計は、損失の合計ですね、約293億米ドル、約3兆2807億円になると予想。面白いのは主力のアジア大洋州ですね。この病気が始まった発祥に近い。この損害額が287億ドル、約3兆1136億円。全体の数字とあまり変わっていないという、恐ろしい。驚くべきは中国国内の損失ですけれども、中国国内のみで128億ドル、約1兆4336億円。全体の3分の1ぐらいの数字になっています。
また、影響の大きいアジア太平洋のRPKですが、発表によると、ウィルスの影響により13%減少すると。2020年ですね。今年、元々の予測値はプラス4.8というふうになっていましたので、行って来いでマイナス8.2%減ということをIATAは報告しています。IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアック事務総長、CEOは、今年は2008年のリーマンショック以来の需要低下を引き起こす可能性があるということも発表しています。
これはですね、この数字を見るとまだまだちょっと甘いというような感じが、私は感想を持っておりまして、これはともかく全航空会社の集計データではあるんですけども、平均の数字はまあこんなものかという損害額になっているという印象を持っています。ということは、我々は実感としては今、とりわけアジアの航空会社においてはより一層被害が大きいというふうに実感を始めています。
日本の各航空会社、個別では、全日空が3月28日まで中国線週間165あったのを81に減便、日本航空も同期間で中国、韓国、台湾、週112便あったものを41便まで減便しています。
また、アジアの主要な航空会社として、シンガポール航空、キャセイパシフィック航空、キャセイドラゴン、このへんは中国、発生源に近い所ですが、これは国内線もあわせると30から50%の減便になっています。これ、昨日発表があったばかりですが、ついにデルタ、UAも日本行きの便を4月30日まで減便という発表を昨日しております。アメリカンは飛んでいます。ただUA、デルタはそういうふうになっています。ついに日本も汚染国のような扱いになっています。
日本の国内どこも悲惨です。中部国際空港では1月と比較し、便数が6割以上落ち込んでおり、関西空港にいたっては週間計画便数の80%にあたる495便が欠航しています。さらに、旅客便キャンセルは実はその、機体下部のベリーと呼ばれるところに積まれる貨物の物流の停滞にもつながる懸念があります。
いま、JALの話で恐縮ですが、日本から中国向けの貨物が急増しておりまして、なぜか、特需になっております。ただ、飛んでいないもので、スペースが何週間も積めていない、搭載できない状態で、空港への搬入制限をかけております。こういう状況になっております。ではどうしているかといいますと、他社貨物便への振り替え、それと他社貨物便チャーターを買い取っている、スペース確保に奔走している。損害は計り知れない数字となりそうです。
最後に、ブラジルの市況に戻りまして、今のトピックスとして新航空会社の参入ですが、3月29日よりバージンがロンドンへデイリーを飛ばします。6月からはAzulがビラコッポス=JFKを開設。他にもヨーロッパ系の会社が5社ほど国内線に参入しています。若干明るい材料ではありますが、ちょっとタイミングがどうかなというところがありまして、いずれにせよシェアが若干少ないために全体の価格等に与える影響はかなり少ないだろうと。いずれにせよ、2020年は現時点まったく見通しが立ちませんが、一つ明確なのは厳しい年になるということです。
では次のスライド。最後のスライドですが、旅行業界になります。2019年の回顧として、まず国内航空券の発券枚数は前年対比プラス1.7%、売上額がプラス14%でした。発券枚数に対し売上額が顕著な伸びを示した原因としては、国内線単価の高騰が寄与したものと思われます。一方、国際航空券は発券枚数がマイナス8%、売上額がマイナス0.9%と、やはり出張減の影響で発券枚数は大幅に減少。ただ売上額はドル高レアル安の進行もあってレアル換算後の前年対比では微減程度にとどまりました。これデータはABRACORP、ブラジルビジネス旅行代理店協会の集計です。
次にホテル業界。ホテル業界の使用率は前年対比プラス4.1%。販売可能客室数あたりの客室売上、RevParはプラス10.9%と好調でした。これデータはInFOHB、ブラジルホテル業界フォーラムのデータです。
次にインバウンドとアウトバウンド。イベントを含む旅行業界の多岐にわたる業務のうち、今年はどの分野をとっても低迷しました。特に主力のブラジルから日本へのアウトバウンドや、その逆、インバウンドですね、が著しく減少しております。非常に苦しい状況となっております。なお、国内航空券は先程、プラスで良いという数字になっていますが、最近はウェブなど直手配ですので、旅行会社の単価には含まれておりません。
次に2020年の展望です。全体的な見通しとしては、ボルソナロ政権の経済政策が成果を発し始め、ブラジル国内の経済が好転すれば、レジャーや出張の需要も増えますので、今年はぜひそうなってほしいと願っておりましたが、ところが次の2020年の展望は、コロナウィルスです。やはりコロナウィルスで早速アジアおよび日本行きを取り消されるお客様が発生しています。また、日本国内の数々のイベントも軒並み中止や延期が余儀なくされており、今後感染が日本国内でさらに拡大していけば、日系旅行代理店にとっては大きな脅威となることは間違いありません。
インバウンドは今年、ブラジルでは際立った大規模イベントがないため、引き続き低迷。アウトバウンドは当初はオリンピック・パラリンピックということで期待されていたわけですけども、ただでさえ料金が、日本の旅行、ホテル代等々高いのに、もしこのコロナウィルス拡大のタイミングにぶち当たった場合は、ほぼブラジルからの個人客の伸びは見込めないと考えています。
ブラジルの航空市場でありますが、100%外資の航空会社の参入が最近認められましたので、既にノルウェーのnorwegianやチリのスカイエアラインやジェットスマート、アルゼンチンのフライボンデイがブラジルに参入し、今年はさらにスペインのグロバリアも参入ということです。これらの航空会社のシェアは極めて小さいので、先ほど申し上げたように、すぐには運賃引き下げにつながるということはありません。
最後、2020年の上期のトピックスです。ブラジル保健省が警戒感度を高めるため、新型コロナウィルスの感染の疑いのあるものの定義を発表しました。対象は発熱および呼吸器系の異常(咳や呼吸困難等)があり、それら症状の発症から14日以内に、16カ国とありますけども、主要なところだけ、中国、日本、韓国、イラン、イタリア他、16カ国・地域への渡航歴がある人と指定しました。長期滞在者については、ブラジル入国時には搭乗便や乗り継ぎ経路、空港滞在時間を聞かれるというふうになっておりますけども、ただこの確認は今のところブラジルでは入国制限等を表すものではなくて、疑い症例の早期発見や迅速な対応を容易にする意味で行いますとなっています。決して入国制限は意味していないということですね。
最後、LATAM航空とDelta航空グループが戦略的パートナーシップの提携を発表しましたということで、今年たぶん、AlianceからLATAMが出ちゃうと思うんですが、ではどうなるのか、今までと何が変わるのか、この情報はマーケットにはほとんどないので、旅行業界から、何かあったら説明補足してほしいと。しかたないので、JALとの関係についてだけ少し補足しますと、本社からの最新情報ですが、LATAM航空グループは4月30日付けでワンワールドを脱退しますと。ただ、スカイチームにはいかず、引き続きワンワールド航空会社との個別の提携を継続するということです。5月1日以降のJALとのコードシェア路線、便名ともに現行通り。便名も変わりません。マイル積算も利用可能。LATAM運航でもJALコードシェア便名さえついていればフライオンポイントもつきますというふうになっています。つまりワンワールドの特典以外は5月1日以降従来通り提携を続けるとしています。まだLATAM側の正式な発表待ちではありますけども、発表次第旅行会社を経由して皆様に周知して参ります。
以上、これで運輸サービス部会の発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

司会
ありがとうございました。それでは会場の皆様から、今出てきました運輸サービス部会の説明につきましてご質問を受けたいと思います。いかがでございましょうか。新型コロナウィルスの影響を非常に受ける厳しい状態だという情報共有をいただきまして誠にありがとうございます。それでは時間の都合もございますので、運輸サービス部会の発表を終了させていただきたいと思います。あらためましてありがとうございました。

司会
これが最後の部会となります。前半から通じて10番目の生活産業部会となりますが、今川部会長よりご説明いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

生活産業部会
今川尚彦 部会長
生活産業部会の部会長の今川です。本日はよろしくお願いします。非常に長時間の参加で皆さんお疲れでしょうから、ささっとご報告したいと思いますので、最後までがんばってお聞きください。
それでは、まず始めにですね、当部会は旧建設不動産部会と旧繊維部会が一緒になりましたので、若干ちょっと内容にですね、ばらつきがありますけども、例年通り、まずは各部会員のアンケートの結果を基にした各部会企業の現状についてと、次に業界の傾向としての建設業界と不動産業界についてのお話しをします。最後に繊維業界より、これも毎年同じような内容になりますけども、リビング関係の国際展示会の様子を報告させていただきます。
まずご覧のグラフですけども、これは部会員6社の2017年をベースとした2018年、2019年の受注実績、それと2020年の予測になります。業績が最も伸びているのが、前回のシンポジウムでもご紹介させていただきましたけれども、エネルギー関係のD社です。D社がこの2年間の売上、非常に、約15倍ということで、大きな成長をされています。今年も非常に大きな大型案件の受注を見込んでおられるということです。
次に左側のA社、B社。こちらは建設関係になりますけども、昨年の実績では多少の開きがあるんですけども、今年の予測としてはほぼ同じぐらいの伸びということになっております。ただ、案件としては増加が見うけられるんですけども、工事案件がいまだに小型、小工事、さらに厳しい価格競争の中ということが近辺の大きな課題となっております。
続いて賃貸住宅およびオフィス斡旋業のC社になります。こちらも一昨年、昨年ともに増、今年はさらにもう少し伸びるという予測になっております。
続いて、先ほどD社の説明をしましたので、その横のE社になりますけども、こちらはエンジニアリングプラスチック事業、あとバイオ事業を主体にしておりますけども、昨年は約10%の伸びで、今年もほぼ同率を見込んでおります。
最後に医療、身の回り品のF社は、昨年は5%の伸びでしたけども、今年もほぼ同じぐらいの予測ということになっております。
総じて言いますと、各社2020年は業績が改善に向かっていくということを予測をしております。
それでは次に業界ごとの傾向について説明いたします。まず建設、不動産の順で述べさせていただきます。
まず建設業界です。ご覧のグラフは2018年まででございますけども、建設部門のGDP、それと全体のGDPを比べたものです。緑色がこれが全体のGDP、紫色が建設業界のGDPを表しておりますけども、実に5期連続でマイナスということが続いておりました。2018年は全体が1.1%、最終的には1.3%という成長率になりましたけれども、建設に置いてはマイナス2.5%、さらにマイナス3.8%ということで、2018年までは非常に厳しい建設業の時代でした。
それに対しまして、昨年、これは第3クォーターまでの数字しか出ておりませんけども、全体のGDPが1.1に対して1.7%。通年予測、近々最終が出ると思いますけれども、全体が約1.2%に対して、建設が2%ということで、実に6期ぶりにですね、昨年はプラスに転じたということになっております。
大きな要因としては、住宅の需要が非常に高まっております。2020年、今年はさらに3%という予測も出ております。
一方ですね、民間企業の設備投資、まあ建設投資ですね、これは非常に残念なんですけど、日系企業を除きですね、昨年後半より徐々に建設投資というのは増えてきております。ただ、大幅に落ち込んだ工事需要の回復、5年連続低下しておりますので、まだ工事需要の回復には至っていません。非常に厳しい受注競争も続いているんですけれども、これが続けばですね、まあ業界自身の復活が見えてくるかなと。まあ来年、来年というか下期の次回の報告の時はさらに良い報告ができることを期待しています。
続きまして、建設就業者数についてです。これも2013年から18年まで約120万人の雇用者が減っております。この状況は、昨年やや増えまして、緩和されております。2019年上期の雇用者数は6万5000人増えております。通期としましては14万5000ということで、全体が60万人、昨年雇用者数が増えておりますけども、その4分の1が建設従事者ということで、建設業が雇用者数増の牽引をしたということが言えると思います。
雇用者数が増えたことで、2019年末の建設就業者数は205万人を超えて、これでもまだ全体就業者数の5%という状況です。雇用者数の増加は、数字としてですね、まあようやく建設業の回復が始まったのかなということが思われます。
続いて不動産部門についてです。先程建設部門の今年のGDP予測が3%ということでお伝えしましたけれども、公共工事や民間投資の伸びに比べまして、住宅不動産部門が非常に大きく影響をしております。ご覧のグラフは2017年の1月から2019年の9月までの全国のマンション販売戸数と成約戸数の累計になっています。販売が青線、成約が緑の線となっていますけども、ともに右肩上がりに伸びているのが分かります。
サンパウロ住宅組合によれば、昨年のサンパウロ市の新築マンション市場は、販売で5万5000戸、成約で4万4700戸。2018年と比べてそれぞれ約50%伸びております。最近は特に目立つのが、低所得者層のマンションと、それと一戸あたりの面積が45平米、非常に小さな物件が増えているということです。
続きまして、住宅不動産の好況の背景には、これも今まで皆さんの発表からでもあったと思いますけども、金利の低下があります。以前は二桁だったSelicの金利ですけども、2017年以降切り下げが続いてですね、昨年末には4.5%、今年2月には過去最低の4.25%まで落ちております。これによって、ブラジル不動産開発協会によれば、住宅ローンの決済額が1年前に比べて25%から30%ぐらい下がっていると。安く借りれるということですね。このためローン申し込みが非常に増えています。基本金利が1%下がるごとに、ローンの申し込みが280万件増えるというふうに言われています。特に中古物件のローン申し込みが殺到しているということです。
それと、あとジェトゥリオ・バルガス大学の調査では、今後5年間の住宅ニーズは全国で1400万戸。景気が本格的に回復するまで住宅価格は抑制気味で推移すると見られており、住宅不動産市場はしばらく好況が続きそうです。
市場の好況は不動産ファンドにも支えられています。銀行金利の低下で、利回りに不動産ファンドが人気を集め、2017年までは700億レアル程度だったのが、2018年には860億レアル、2019年の10月までで1000億レアルを超えているという、過去最高の記録を今更新しております。
続きましてマンションの賃料についてお話しします。ご覧のグラフはサンパウロの市内のマンション賃料の推移で、青が賃料、上のグレーの方が総合物価指数です。昨年の第1四半期ぐらいまでは横ばいだったのが、第2四半期に入って徐々に賃料が上がっていっているとおいう状況が続いております。やはり、全体景気が昨年中期、後期にかけてですね、復調をしてきているというのがここに表れてきているのかなと。あと、部会企業様によれば、皆さんがよく住んでおられるパライゾとかジャルジン・パウリスタの辺りというのはですね、非常にニーズが高くて、今さらに家賃が上昇を続けているということをお聞きしております。
建設不動産部門の報告は以上となります。
最後に、旧繊維部会からは、これも毎度同じようなタイトルでありますけども、ドイツ・フランクフルトで開催されたリビング関係の国際的な展示会であるheimtextilの最新情報をお伝えいたします。ご覧頂いているのがメインテーマのコーナーになります。
今年のカーテンやソファーのカラー傾向は、ブルーとアースカラーという自然色になっております。ちなみに昨年のカラー傾向はグリーンとピンクということでした。
今年は、自然色がカラー傾向ということと因果関係があるかどうか確認していませんけども、この会場で目立ったことと言えば、やはり環境への配慮ということが大きく打ち出されておりました。SDGs、持続可能性という言葉が会場を席巻していたそうです。
ペットボトルをリサイクルしたポリエステルの使用はブラジルでも増えてきております。SDGsはこの先、全産業、全業界、全世界の共通言語、トレンドとなると思います。ブルーや自然なカラーでリサイクル素材や天然系の素材を使用することがリビングの製品にも広がってきています。
ちょっと内容的に建設と繊維ではまったくつながりがなかったんですけども、それぞれの発表をさせていただきました。以上で生活産業部会の発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

司会
今川様、まことにありがとうございました。それでは生活産業部会の今のご説明に対してご質問、コメント等ございましたら挙手していただきたいと思います。特にないようですので、こちらで生活産業部会の説明を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

2019年下期の業種別部会長シンポジウム

2019年下期業種別部会長シンポジュームテープおこし記事掲載

2019822日、インターコンチネンタルホテル)

テーマ:「2019年上期の回顧と展望」

副題:「内外の環境変化にどう対応するか」

発表順序:(発表者および発表順は必要に応じ変更の可能性も御座いますので予めご承知おき下さい)
前半の司会: 讃井慎一(さぬい しんいち)総務委員長
13:00~13:05    開会挨拶     村田 俊典 会頭
    
13:05~13:35    ①  金融部会    津田 双羅(つだ そら)    部会長         (ブラデスコ)
13:35~14:00     ②  貿易部会    猪股 淳(いのまた じゅん)    部会長    (伊藤忠)
14:00~14:25    ③  機械金属部会    山田 佳宏(やまだ よしひろ)    部会長     (三菱重工)
14:25~14:50     ④  自動車部会    下村 セルソ(しもむら せるそ)    部会長    (トヨタ)
14:50~15:15     ⑤  コンサルタント部会     吉田 幸司(よしだ こうじ)    部会長     (KPMG)
xxxxxxxxx コーヒーブレイク (15分) xxxxxxxxxxxx    
後半の司会: 大久保 敦 (おおくぼ あつし)企画戦略委員長
15:30~15:55     ⑥  化学品部会     村松 正美(むらまつ まさみ)    部会長    (PILOT PEN)
15:55~16:20     ⑦  電機・情報通信部会    髙田 正純(たかた まさずみ)    部会長    (NEC)
16:20~16:45     ⑧  食品部会     佐々木 達哉(ささき たつや)    部会長    (味の素)
16:45~17:15    ⑨  運輸サービス部会     湯原 慶(ゆはら けい)    副部会長     (日本郵船)
17:15~17:45    ⑩  生活産業部会(建設不動産・繊維)     今川 尚彦(いまがわ なおひこ)    部会長    (戸田建設)
17:45~17:50       講評    野口 泰(のぐち やすし)総領事    在サンパウロ日本国総領事館
17:50~17:55       閉会の辞    讃井慎一(さぬい しんいち) 総務委員長            

各部会発表資料掲載

Pdf  金融部会    津田 双羅
   Pdf  金融部会 フェルナンド・オノラット・バルボーザ
Pdf  貿易部会    猪股 淳
Pdf  機械金属部会    山田 佳宏
Pdf 自動車部会    下村 セルソ
Pdf コンサルタント部会     吉田 幸司

Pdf  化学品部会     村松 正美
Pdf  電機・情報通信部会    小渕 洋
Pdf  食品部会     佐々木 達哉
Pdf  運輸サービス部会     湯原 慶
Pdf  生活産業部会     今川 尚彦

   Pdf ALL Presentation

 

前半司会

讃井慎一郎 総務委員長

                             

 皆さんこんにちは。いま定刻の1時になりました。ほぼ皆様おそろいでいらっしゃるようですので、定刻通り始めさせていただきたいと思います。ご着席の方をお願いいたします。

 では改めまして、こんにちは。時間になりましたので、本年度、2019年度下期の部会長シンポジュームを始めさせていただきたいと思います。私、本年度カマラで総務委員長を仰せつかっています、みずほ銀行の讃井でございます。よろしくお願いいたします。前半司会をさせていただきまして、後半はですね、隣におられますジェトロの大久保さんにバトンタッチをさせていただきたいと思いますので、長時間になりますけどもお付き合いいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは早速ですが、冒頭にですね、ブラジル日本商工会議所村田会頭より開会のお言葉を頂戴したいと思います。村田さん、よろしくお願いします。

 

開会挨拶

村田俊典 ブラジル日本商工会議所会頭

                             

 皆様こんにちは。開会に当たりまして、私の方から一言ご挨拶を申し上げたいと思います。今日は、まだちょっと総領事いらっしゃっていませんけれども、野口総領事がいらっしゃいまして、ブラジリアの大使館の方からはですね、濱坂参事官、塩野書記官がいらっしゃっておられます。また後ほど講評をいただくということになっていますのでよろしくお願いいたします。

 それから、昨年の下期の部会長シンポジュームで在外日本人商工会議所の活動というテーマで基調講演を行っていただきました城西大学の川辺純子副学長と、ご主人であられます早稲田大学川辺信雄名誉教授にもご参加いただいています。大変ありがとうございます。

 さて、ボルソナロ政権がスタートしてですね、8カ月が過ぎたところでございますが、年金改革法案が下院で可決されるなど良いニュースもございますけども、依然として低迷する景気や、高いレベルでの失業率などを背景に、環境は依然として厳しく、我々会員企業はですね、経営の舵取りに苦労を重ねている日々だと私も推察しております。

 この部会長シンポジュームは、我々会員企業がですね、部会横断的に情報を共有して経営に役立てるという大きな意味をもっております。各部会におかれましては、事前準備も含めですね、たいへんご協力いただきまして、ありがとうございます。

 我々を取り巻く環境は、ブラジルの、先程申し上げました政治・経済情勢に大きく影響を受けるのはもちろんのことでございますが、イノベーション技術をはじめとした新しいビジネスの台頭、および旧来型ビジネスの終焉など、ビジネスモデルの変化も見落とせません。

 また、世界を見回しますと、米国と中国の貿易戦争、日本と韓国の問題、それから近場ではですね、アルゼンチン選挙の行方など、ジオポリティカルな問題が湧き起こっているという環境にあると思います。また、6月末に締結されたメルコスール・EUのEPAが我々会員企業に与える影響もですね、無視できないと思います。

 今日は、このような環境変化にどのように対応していくかというテーマでですね、各部会の皆様に発表をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 なお、先日行われました日伯経済合同委員会では、日・メルコスールEPAに向けた共同声明を署名し、昨日経団連日本ブラジル経済員会の飯島委員長より菅官房長官に建議書を提出していただいております。これもですね、我々商工会議所が一丸となって動いた成果の一つでもあると思いますし、これからも早期締結に向け引き続き努力を重ねていきたいと思っております。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 簡単ではございますが、開会の挨拶といたします。よろしくお願いいたします。

司会

 村田会頭ありがとうございました。副題等々にご紹介いただきました通りですけども、やや不透明な状況でですね、10の部会から活発なご発表をいただきまして、質疑も含めて皆様にご参加いただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは順に、プログラムにそってですね、ご発表をいただきたいと思います。まずは金融部会様からの発表をお願いいたします。こちら、津田副部会長に加えまして、特別にブラデスコ銀行のチーフエコノミストのフェルナンド・オノラット様にもお話を頂戴できるというふうにうかがっておりますのでよろしくお願いいたします。30分でお願いいたします。

 

 金融部会

津田双羅 副部会長

                           

 皆さんこんにちは。金融部会副部会長を務めておりますブラデスコ銀行の津田でございます。本日はご多忙の折お集まりいただき、誠にありがとうございます。私からはシンポジュームのテーマでございます「2019年上期の回顧と下期の展望」を念頭に、ブラジル経済動向、銀行業界動向、保険業界動向について簡単にご説明をさせていただきます。また、本日はブラデスコ銀行チーフエコノミストのフェルナンドを招いております。私の発表の後、フェルナンドより今後のブラジル経済動向について詳しくご説明を申し上げます。

 一つ目のスライドです。金融部会メンバーによる各種経済指標に関する2019年、2020年の予測数値を纏めております。前回の予測値とは、GDP成長率と政策金利の2点が大きく異なっております。

 まずGDP成長率ですけれども、前回2月のシンポジュームの発表時点では2019年が2~2.8%、2020年が2.5~3%と、各行とも成長の加速を見込んでおりましたが、今回の予測値では2019年が0.8~1%、2020年が2~3%と、若干の下方修正をしております。緩やかな景気回復局面との見方は不変ではございますが、年金改革を含め新政権の各種政策の実効性が不透明な中、消費・投資ともに力強さを欠いたことに加え、ダムの決壊事故や米中貿易摩擦といった内外の逆風が想定以上に影響した結果と考えております。

 続きまして、年末の政策金利ですけれども、こちらも、世界経済成長の減速や、それに対応するための欧米を中心とする主要国の緩和的な金融政策、並びにブラジル国内の経済成長率、インフレ率の伸び悩み等々を鑑みまして、ブラジルでも更なる金融緩和が想定され、2019年は5~5.5%、2020年は5~6%程度を予想しております。

 続きまして次のスライドでございます。こちらのスライドは金融部会の各社の今後の見方についてコメントをサマリーしたものです。アンケートの内容は前回同様、ブラジル経済に影響を与える内外の要因は何か、また今後どのように変化していくことが予想されるかという点です。

 まず1項目目の、ブラジル経済へ影響を与える内的な要因は何かという問いへの回答ですけれども、こちらは前回と同様、構造改革をどこまで実行に移せるかという点がポイントという点で意見が一致しております。ブラジルは政府主導から民間主導へと経済モデルの変革の過渡期にあると考えておりますが、構造改革を着実に実行していくことが、内外の信認を取り戻し、本格的な個人消費の回復や企業の投資活動の活発化等の民間の活力回復へと繋がるものと考えております。先般の年金改革の議論の進展は係る意味でも意義深いものであったと捉えております。

 では、続きまして外的な要因は何かという問いですけれども、こちらはどちらかというとネガティブで、国際社会の不透明な状況というのは2019年以降も引き続き続くことが想定され、ブラジルへの影響も避けられないリスク要因と考えております。特に米中貿易摩擦、アルゼンチン情勢はブラジルへの影響も大きく、特に注意が必要と考えております。

 最後の項目は、短期、中長期の夫々の時間軸でブラジル経済がどのように変化していくと考えられるかという問いかけですけれども、こちらは、短期的には引き続き内外にリスクを抱えつつも、各種構造改革を着実に進めることで、ブラジルの将来への内外の信頼を取り戻すということが考えられると思っております。足元の年金改革に関わる一連の議論の進展は、政権が掲げる各種構造改革の実現可能性への期待を高めるという意味でも意義があり、本格的な経済回復への切欠となる可能性もあると考えております。

 また、中長期的には、各種構造改革そのものによって、産業の競争力が向上し、持続可能かつ強靭な経済へと変化していく可能性もあると考えております。

 続きまして、銀行業界動向です。まず貸出残高の推移ですけれども、2019年上期の個人向け貸出は、引き続き緩やかな回復基調、法人向け貸出は鉱工業セクターの資金需要が若干弱含み貸出残高が減少しております。

 次のスライドは業界全体における平均貸出利鞘の推移になります。足元、個人向けは、クレジットカードの分割払い等の資金需要増加により若干利幅が拡大しておりますが、法人向けは、2017年以降は政策金利の引き下げや、金融機関による審査の厳格化、クレジットポートフォリオの改善等を背景に、貸出利鞘は縮小傾向にございます。政策金利の低下とも相まって、法人様の資金調達コストという点では過去最低水準となっていると思います。

 続きまして不良債権比率。2017年6月以降は景況感の回復に伴い企業業績も改善に向かい、法人向け、個人向けともに不良債権比率は改善傾向にございます。不良債権比率の低下により、金融機関の貸出余力が出ており、各行とも引き続き積極的な融資スタンスを取っていることがうかがわれます。

 なお、スライドにはございませんが、2016年以降公的金融機関の貸出シェアは一貫して減少しておりまして、2016年時点では45%以下でございました民間金融機関のシェアが、足元では50%を超える水準まで増加しております。ブラジル経済のエンジンとして民間の役割が拡大している事がこういったところでも確認できるかと思います。銀行業界といたしましては、引き続き信用創造を通じてブラジルの発展に貢献して参りたいと考えております。

 続きまして保険業界です。2019年上期の保険市場の動向についてご説明いたします。まず保険料収入ですけれども、保険市場は2016年の1.5%を底に、2017年は4.2%、2018年は6.6%の成長を実現してきました。2019年上期も、5.5%と少し鈍っておりますが、なお成長トレンドにあると言えます。

 次のスライドで保険種目別にご説明いたします。ご覧の通り、自動車保険を除きますと、いずれの種目も二桁、または二桁に近い高い成長を維持しております。一方で自動車保険につきましては、強制保険であるDPVATの保険料率の引き下げを主因として、8.3%のマイナス成長という結果になりました。ただし、この強制保険を除いてみましても、自動車保険の成長はほぼ0%と、競争環境の激化や代替市場への契約流出等の影響が大きいことがうかがわれます。

 次のスライドは保険種目別の損害率のデータです。全体では損害率が50.4%と前年同期で3.3%悪化しております。保険種目別でみますと、自動車保険はブラジル全土における治安状況の改善により車両盗難が減ったことを主因として、損害率が2.2ポイント改善しました。一方で他の保険種目では、2018年に比べて今年の年初は降雨量が多く、水害が多く発生したこと、また昨年の5月はトラック業者のストライキがあり、物流が停滞したことの反動等により、損害率は大幅に悪化しております。

 最後のスライドですが、今後の保険市場の成長見通しについてご説明いたします。2019年のブラジル保険市場は損害保険、生命・傷害保険ともに引き続きプラス成長が予測されていますが、ブラジル経済の全体の成長鈍化、また競争環境の激化を要因として、年初予想から大きく下方修正されております。一方でブラジルにおける保険の普及率は日本や欧米に比べると低い状況にありますので、中長期的には中間所得者階層の増加により保険市場はまだまだ成長余地が大きいと考えています。

 本シンポジュームの副題の通り、ブラジルの内外環境は変化の途上かと思います。かかる変化に適応し、機会として活かすためには、歴史に学びつつも、固定観念に捉われず、今起きていることを冷静に分析し、柔軟かつ迅速に戦略を組み立てて実行に移すということが重要と考えております。この後のフェルナンドの発表が、少しでも皆様のブラジルの環境理解、更には事業のご発展のお役に立てますと幸いと存じております。

 私の発表はこちらで終わります。ご清聴いただき誠にありがとうございました。

 

フェルナンド・オノラット ブラデスコ銀行チーフエコノミスト

                        

 皆さんこんにちは。本日このシンポジュームでお話しできることを嬉しく思います。経済シナリオについてお話しできることを光栄に思います。私どもブラデスコにとって、日系コミュニティとの関係はとても深く、私は特に、個人的に、皆さんの文化、歴史に大きな敬意を感じています。日本語で話すことはできないため、本日はポルトガル語で話し通訳されます。ご出席の皆さんに感謝します。こちらでお話しできることを誇りに思います。

 皆さんがお持ちの印刷された資料はこの発表のより完全な資料ですが、時間の関係があり、20分に限られていますので、発表はより短いバージョンとなります。そのため画面でご覧になる資料では記載されていない部分があるかもしれませんし、発表の順番も必ずしもお手持ちの資料と同じではありません。

 最初に申し上げることは、ブラジルは今日、数十年単位で最も大きな経済的変革の時期にあるということです。現在ブラジルで進んでいる経済政策の変化が、この国を我々がこれまで慣れた国から今後の数年間で新しいブラジルへ変える変化だと認識することは大げさなことではありません。

 主要な変更は公的部門と民間部門の関係に見る事ができます。過去数十年のブラジルは経済における大きな公的支出に慣れていました。民間部門は常にそれについていく存在で、プロセスの主導的位置にありませんでした。ボルソナロ、パウロ・ゲデスによる新しい経済政策は、実際はテメル政権の時に始まったものですが、経済における公的部門の規模を減らし、民間部門を発展させることを提案するものです。それが新たな経済の本質です。

 それは意思決定がありその結果になったのではなく、ブラジルの巨大な財政不均衡の結果として意思決定がなされたものです。日本の公的債務も大きい数字ですが、ブラジルのGDP比70%という債務は新興国としては大変大きなものです。この公的債務によってもたらされた成長の限界が、汚職や不適切な資本配分を生みだしてきた公的部門主体の経済モデルから、民間部門が成長のリーダーになるためのモデルへ変える意思決定を導きました。そのために重要な最初のイニシアチブがテメル政権の2016年に定められた歳出上限でした。過去30年間、年にインフレ率を6%上回っていた公的支出は、今後20年間インフレ率のラインでの増加率、つまり実質的に年0%の増加率となります。皆さんグラフでご覧のように、4年間増えておりません。

 しかしながら歳出上限を設けながら持続可能な成長を実現する為には、社会保障制度改革が必要です。社会保障制度改革法案は下院で承認されたばかりで、我々は10月に上院で最終段階を終えることを期待しています。私はいつもこの比較を挙げるのですが、ブラジルは社会保障に日本と同じくらいの支出をしてきました。法案がまだ承認されておりませんので、今も支出しているということです。我が国の人口に占める高齢者の割合は日本の3分の1であるにもかかわらずです。ですから我々は社会保障制度改革を必要としてきました。ブラジルはGDP比で日本と同じ割合の支出をしてきたのです。

 改革がなされれば、国の公的債務に関するあらゆるシミュレーションで、債務の低下傾向が確認出来るでしょう。これは、以後の話の中で、投資格付けに関して話す際に肝心なことです。歳出上限と社会保障制度改革は、ブラジルを再び返済能力のある投資適格な国へ引き上げる可能性が有ります。公的債務の減少の見通しが立てば、十分実現可能です。

 その一つの結果として、客観的な債務削減の見通しは、ブラジルの金利を考える上で大変重要な変化です。皆さんご存知のように、ブラジルは歴史的に世界で最も金利の高い国でした。昼食で津田さんと、どれだけの日本の個人投資家がオリンピックやワールドカップに先立つ時期に資金をブラジルに投資したかに関して話しました。一つの要因は、ブラジルが世界で最も高い金利を払っていた国の一つだったからです。海外からの投資は良いことですが、高金利のみを理由にした投資は、我々の経済にとっては必ずしも良いこととは言えません。過去数年の深刻な景気後退に苦しんだ経済に伴って政府の支出が減る中で、ブラジルにおける金利は大きく下がりました。10年物の名目金利で年約14%のレベルを抜け出し、現在では7%のレベルまで下がり、表の一番下の段にある新興国の平均の水準となっています。この金利環境は、現政権の戦略の基礎となるものです。国による信用供給の柱の一つであるBNDESが、ブラジル経済における重要な存在であることを少しずつやめようとしています。替わりに、民間銀行と資本市場がブラジル経済に資金を供給しなければなりません。それには市場金利が低くなり、BNDESで利用されていた様な補助金等が必要無くなってこそ可能となります。その為、金利の低下は意味があるのです。 ご参考迄にブラジルの30年間の実質金利を示します。2050年の実質金利は過去最も低い3.5~3.7%です。

 我々が予想する金利の低い経済における主要な結果は、公的部門主導の信用供与から、民間部門主導の信用供与への変化です。例えば新興国を見た場合、クレジットに関してブラジルはGDP比70%で、新興国全体の半分の水準です。これは、ブラジルが高い金利環境の中、公的部門が信用供与を主導していたことが背景となっております。低金利の環境下、民間部門からの信用供与を拡大する余地は、特に資本市場で大きくなります。皆さんの会社でも、この流れは理解しておいた方が良いでしょう。なぜなら、資本市場はこれから数年間に際立った形で進展していくからです。

 ブラジルが斯かる構造的な変化の局面に入る中で、経済は既に幾つかの回復の兆候を示していることを述べたいと思います。これらの兆候は未だ控えめで、経済はゆるぎない形では成長しているとはいえません。私たちは2014年から2018年の間、ブラジル史上最悪の景気後退の中にありました。この間、国民一人当たりの所得は10%縮小しました。経済学的な観点からは、ほぼ不況とみなされていました。これはブラジルの経済政策の失敗の産物であり、世界の経済環境に責任があるものではありません。ブラジルの経済政策の間違いの結果でしたが、その間違いは16年より正され始めました。この間違いを正し始めた時、雇用が創出され始めました。雇用は17年の8800万人から、ほぼ9400万人となりました。この期間にほぼ450万の雇用が創出されました。これらの雇用は多くの場合非正規で、質の良いものとは言えませんが、少なくとも何らかの所得を産み出しています。現在、失業率は下がっていません。なぜなら新たな労働者、若者が労働市場に入ってきているからです。

 しかし、グレーのラインつまり雇用創出の変化は、企業に大変興味深い示唆があります。それは、GDPの60%を占める国内消費の先行きを図る主要な指標と考えられるからです。皆さんご覧の通り、失業率は一定の状態にあります。12.7%です。我々は、就業意欲を喪失した人を合計すると25%程度になると見ています。しかし、皆さんが失業率を見る際、労働参加者が増えていることも勘案し、この期間にも雇用が生み出されているという視点を失ってはなりません。雇用の創出は個人の所得向上に繋がり、個人消費の拡大が期待出来るでしょう。また、企業の観点から見ると、高い失業率は、敢えて直接的な言い方をするならば、給与を抑えた状態で労働力を保つというプラスの効果もあるでしょう。費用の観点からは、給与面で大きな引き上げ圧力がなく事業拡大が出来る環境は、この場におられるブラジル企業、日本企業が高い競争力を保つために重要なことです。

 また、家計、企業の債務が減少していると報じられています。2016年には、経済回復のための大きな逆風、大きな問題は企業、家計の債務の水準でした。足元では過剰債務の問題はなくなりました。銀行は、新規に信用供与する準備ができています。なぜなら、企業でも家庭でも債務の水準が大きく下がっているからです。実際に信用は拡大し始めています。グレーのラインを見ると、過去12カ月間の企業に対する信用は名目で約15%拡大しています。この企業の信用拡大の重要な部分は、金融市場ではなく資本市場から来ています。その下の、14%近く増加している個人向けの信用拡大は、不動産関連のクレジットに大きく基づいています。これはブラジルにとって大変重要なニュースです。なぜなら、今日のような低金利の環境下であれば、住宅購入へのクレジットは今後数年間で大きく伸びることが期待されるからです。事実、現在の水準である6%の低い金利であれば、ブラジルの500万の世帯が不動産のクレジット、更にはモーゲージまで得る事が可能になります。

 青い線の小売売上を見ても分かると思います。これはクレジットに結びついており、グレーの線は収入、雇用により結び付いていますが、クレジットに依存する部分はすでに改善しつつあります。雇用の増加はわずかであるため、収入に結び付いた部分の改善は緩やかですが、どちらも今後数年間で増加していくでしょう。先程お話しした、我々が大変期待している不動産部門は、例えばサンパウロにおける不動産販売のデータで、サンパウロにおける住宅のストックは減少していることが確認出来ます。サンパウロは今日不動産部門において最も活発な都市であり、それゆえこのグラフを用意しました。

 最後から2番目となる、市場についてお話しします。市場はすでに、2016年に始まった構造改革のアジェンダに関連してブラジルの評価を上方修正しております。一番右の棒グラフのカントリーリスク、CDSをみると、ブラジルの今日のカントリーリスクは、ブラジルが投資適格の格付けを得ていた2007年から2014年の期間、左から2番目と同じ水準となっています。市場は既に、ブラジルが投資適格国であり得ると見ています。これはとても重要なことです。

 実際に、一番右のブラジルの外的なリスクに関する指標をみても、ブラジルの対外債務は低く、外貨準備の水準も高く、経常赤字も低くなっています。つまり、全ての指標が、我々の経済の外的リスクが、我々より信用の格付けの良い他の国よりも良いということを示しています。ブラジルの国の信用格付けは上げられる日も遠くは無いと考えます。メキシコと比較すると、ブラジルのリスクはメキシコより年わずか10ベーシスポイント(0.10%)高いだけですが、ブラジルの信用格付けはメキシコより5段階下となっています。我々は、上院で社会保障改革法案が承認された後、今年中にもブラジルの格付けの引き上げの可能性も有ると想像しています。経済成長の回復が順調に進めば、来年末までに次の格上げ、また現大統領任期の最終年が近くなる頃に、ここでご紹介する様な諸改革が進めば更なる格上げもあるかもしれません。市場は確実にこうしたブラジルの改善を先取りしています。ブラジルの株式市場は過去12カ月間で、私がご紹介したような見通しに関連して最も大きく上昇しています。

 また為替は、ブラジルは新興国の中で最も発展した為替市場を有しています。より大きな奥行きと流動性があります。ですから、世界にボラティリティがあれば、それは他の新興国の場合よりも大きな割合でブラジルレアルへ影響します。それゆえ現在は1ドル4レアル、4.05レアルとなりました。また、ブラジルの金利が大きく下がったことも有り、ブラジルの通貨に対する関心が低くなっていることも影響を与えています。然しながら、我々としては国際的な経済環境が正常化し、ブラジルの成長が再び力強さを取り戻せば、ブラジルレアルは現在の新興国の平均からシュミレーションされる1ドル3.60レアルのレベルに戻ると予想しています。

 発表時間は残り5分となりました。ここで構造改革のアジェンダについてお話しします。ブラジルは現在、民間部門が主導する経済成長モデルへの変革期にあります。民間部門が積極的な投資へと舵をきるには、政府は社会保障制度のみならず、その他の改革を進める必要があります。

 私はよく社会保障制度改革は財政の崖から我々を遠ざけるものだと言います。社会保障制度改革はFiscal cliffという大きな崖からの転落を避ける為に必要な改革ですが、それ自体が必ずしも国を成長軌道に乗せるものではありません。ブラジルを成長軌道に乗せるのは、低金利、生産性の改善を促す改革、そして疑いなく、民間部門からの投資を促進する改革アジェンダです。

 これらの改革のリスト全てを話すことは時間の関係で出来ませんし、本日の私の目的ではありません。スライドには、ビジネス環境改善を見据えた改革の一環として、コンセッション、民営化に関するものを示しています。ブラジルは世界で最も閉鎖された国の一つですが、ブラジルは大いに経済を開放したいと望んでいます。商工会議所会頭の最初のお話にもあったと思いますが、私は日本語は解しませんが、メルコスール、EUということは分かりました。先のメルコスール・EUのEPAはブラジルのビジネス環境にとって非常に重要な契機と考えます。我々は我々の経済を開放することを望んでいます。

 その他、需要の拡大や財政の改革もあります。より広範な改革が必要となります。私はよくこのように言うのですが、「紙はいかなる情報も受け入れます。それらを紙から取り出し、実行に移すことが必要だ」と。私はまた、このように言いたいと思います。「国会や政府をみると、現在は過去数十年の中で、ブラジルが改革へ進むうえでも最も好機に有る」と。改革の幾つかが進めば、需要を刺激し、拡大に転じることが期待出来ます。

 冒頭、ブラジルの長期金利が既に大きく下がったことを示しましたが、短期金利は更に下がるでしょう。なぜなら、インフレが中央銀行のインフレターゲットの下限より低い状態だからです。現在6%のSelic金利は5%まで下がると我々は推定しています。金利が4%まで下がると言うことは、非常識でも不可能でもないと言えるでしょう。金利は今年中にも5.5%、来年には5%以下まで下がる可能性があります。それは、消費者や企業に大変重要な構造的変化を産み出します。これらはもちろん改革の行方次第です。ブラジルはまだ低金利を確立していませんが、その調整に向けて歩んでいます。

 国会で今後数カ月の間により多くの時間を要すると我々が考えているのが税制改革です。全ての詳細に触れる時間はありませんが、基本的に税制改革は、消費と財産にかかる税金を簡素化するものです。ブラジルは漸く付加価値税、Vat Taxを持つことになるはずです。それは、州と企業の間の税務戦争、混乱を終わらせることに役立つでしょう。法人税の引下げという一つの柱があります。その為に政府は資金源が必要です。所得税金が下がるという柱も考えられます。今後12カ月間にブラジルで行われる議論に注目する必要があります。なぜなら、現時点で詳細は決まっておらず、議論に多くの時間が要するものの、着実な進展が期待されるアジェンダだからです。税制改革は、税金を簡素化することで競争力を得るという点で、ブラジルに有意義なものです。税制改革は税負担の水準を減らすことではありません。制度を簡素化することです。しかし、簡素化することで国は企業へ競争力のある経済環境を整え、例えば貿易の開放等のアジェンダで企業が多国との競争で苦しまないで済むような道が開かれます。

 民営化のアジェンダについては、ブラジルは、道路や港湾、鉄道、空港といった分野で約2000億レアル相当の資産を今後4年間で民営化するでしょう。とても大きなアジェンダであり、需要を後押しするために重要なアジェンダです。なぜなら政府は歳出上限が有る中、十分な投資することができません。民間部門がこれらの民営化によって行うことになります。

 貿易の開放は、既にお話ししたように、今後数年間で拡大し、経済が開かれていくでしょう。メルコスールとEUのEPAだけでなく、その他の相手とも交渉が纏まりつつあります。ブラジルは世界で最も閉鎖的な国です。我々は貿易開放を通じて投資を呼び込む必要があります。それは現政権の改革アジェンダを通じて目指している基本的な方向性に合致しております。

 これらの改革により、我々は、ブラジルの経済成長率は2から2.5%に回復すると推定しています。これは、コモディティの景気がブラジルの経済を後押しした最も良い時期を除いた過去の平均を少し上回る数値です。2.5%の成長を想像することは大いに理にかなっています。

 最後にリスクについてお話しします。国際経済/社会の不確実性に伴う、世界経済成長の還俗はブラジルのGDPを引き下げる可能性があります。現時点では予見できませんが、今日の主要なリスクです。また、ブラジルの官から民へ経済の成長ドライバーを変化させる構造改革が、ブラジルの経済成長へ一時的にフラストレーションを産み出すリスクがあります。

 また、皆さんの企業はブラジル国内の州と直接的に関係しています。州は財政的に大きな困難にあります。我々は中期的にはリスクだとみています。大きなものではありませんが、一つのリスクです。政治的なボラティリティのリスクは常にあります。我々は監視する必要があります。

 また、疑いなく我々を妨げるのが、ブラジルの低い教育水準、生産性、技術力です。二つのグラフをお見せします。右は2015年の世界におけるブラジルの算数の試験の成績です。ブラジルは最も低い国の一つで、ブラジルより貧しい国と比較されるレベルでした。ビジネスがし易い国のランキングでも、例えばメキシコより低くなっています。この中で日本は2番目でした。

 また、例えば経済におけるロボットの比重をみても他の国々よりずっと低くなっています。ブラジルは技術を僅かしか取り入れていない国と言えるでしょう。

 最後のスライドになります。我々の見通しです。建設的と考えられるシナリオを共有したいと思います。まだ不確実性は残る道のりですが、我々は、ブラジルが外国の投資家、ブラジル国民、雇用の創出、そしてもちろん経済全体のために良い見通しをもたらすことができる転換点にあると思います。ありがとうございました。

司会

 津田部会長、あとオノラット様、たいへんありがとうございました。よろしければご質問を受け付けたいと思いますけれども、ご質問のある方、挙手をいただけますでしょうか。よろしいですか。

 金融部会、最初のご発表ということで、マクロ経済の状況ですとか、あるいは年金改革後の民営化だとか税制改革、この辺りの明るい話題についても触れていただいたのかなというふうに思います。私も銀行に勤めていますけども、あと触れられていなかったことがあるとすると、まあ銀行全体が、ネットバンクだとか仮想通貨だとか、そういった、新しく金融自体が変わってきているというところがあるのが一つと、あとブラジル固有の話だとすると、レアルの国際化ですとか、外貨との兌換性だとかですね、この辺りというのが今後もしかしたら話題になってくるんじゃないかなというふうには思っております。何かそのあたりコメントありましたら一言いただければと思います。

津田副部会長

 ありがとうございます。まず、イノベーション。金融の世界でのイノベーションはおっしゃる通りで、銀行としての在り方そのものを変える可能性もある変化の一つと我々も捉えておりまして、ブラデスコも、Inovabraというイノべーションを促進するような組織を設けて取り組んでいるところでございます。今の段階では、金融機関としてのミッションそのものまでが変わるとは未だ思っていません。やり方、ツールとしては、イノベーションも取り入れ乍、少しずつ在り方は変わっていくとは思っておりますけれども、ミッションとしては引き続き皆様に寄り添う形で、社会であり企業であり、その発展に役立っていくというのが我々金融機関の本命かなと思っております。

 レアルの国際化、これはまだ実は懐疑的に私は見ておりまして、大変申し訳ないですけれども、ここで具体的に申し上げられることは現時点ではございません。申し訳ございません。

司会

 ありがとうございました。私が言いたいことを言いたかっただけなんですけども、空気の読めない質問になってしまいまして申し訳ありませんでした。それではこれで金融部会様からの発表を終わりとさせていただきます。改めて拍手をお願いいたします。

津田副部会長

 ありがとうございました。

司会

 ありがとうございました。それでは続きまして貿易部会の方からのご発表をいただきたいと思います。猪股部会長、よろしくお願いいたします。予定では25分間ということで承っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

貿易部会

猪股淳 部会長

                       

  皆さんこんにちは。貿易部会の部会長を務めております伊藤忠商事の猪股と申します。本日はどうぞよろしくお願いします。早速ですが、貿易部会のプレゼンテーションを始めさせていただきたいと思います。

 最初に総括といたしまして、半期ごとの輸出入額の推移を表にしております。青の棒線が輸出額、緑の棒グラフが輸入額を示しております。2019年の上期につきましては、2018年の下期よりも落ち込んでおります。かつ2018年上半期と比べましても、若干ではありますが輸出入額ともに落ち込んでいるという状況になってしまいました。

 貿易黒字の金額は、前年同期でいきますと2018年の上期が299億ドルに対しまして、2019年、今年の上半期は261億ドルという貿易黒字になっております。

 為替に関しましては、2019年の上期の期中平均は3.84レアルという状況でございました。皆さんよくご存知の通りの状況ですが、新政権への期待感から、1月は3.7レベルで推移していたんですが、その後年金改革法案成立の不透明感からレアル安に振れまして、以降、成立見通しが出てきたことでレアル高に振れたんですが、アルゼンチン大統領選予備選の結果を受けまして再びレアル安が進行しまして、足元は4.03レベルということになっております。

 続きまして、輸出入の中身を見ていきたいと思います。こちらは、商品別の輸出でございます。2019年上期は、前年同期、2018年上期に比べまして、金額・数量ともに若干減少しているという状況でございます。

 輸出については、3点ポイントを挙げさせていただきたいと思います。まずブラジルの輸出の過半を占めます一次産品についてです。

 大豆につきましては、米中貿易戦争の影響で輸出増加しているんじゃないかと思いきや、前年同期比でマイナスという結果でした。しかし、私どもとしましては、全体のトレンドの流れとしましては、アメリカの対中輸出減をブラジルがまかなっている、取り込んでいるという状況に変わりはないというふうに考えております。中国は、去年の7月に25%の報復関税を米国産大豆に課した訳ですけども、その結果、アメリカからの対中輸出は3000万トンが半減したと言われております。一方ブラジルからの輸出は、これは全世界ベースですけども、輸出は2018年が8360万トンです。それに対して17年は6800万トンでしたので、実に1年間で1500万トン増えているという状況になっておりまして、やはりアメリカの落ち込んだ分をブラジルが取り込んでいるという状況になっていて、その状況は今でも変わっていないと思っております。

 ただし2019年の上期につきましては、中国の豚コレラの影響、中国の需要を当て込んだ生産増加による在庫増ということが重なり、数量、金額ともに減という状況でありました。

 下期以降ですが、アメリカの対中大豆の輸出再開がどうなるか今まったく分からないという状況である中、ブラジルの大豆輸出は今のアメリカの減を取り込んだ状態で継続するというふうに考えております。従いまして、この大豆につきましては、中国の需要が最大の懸念点になろうということでございます。

 一次産品の二つ目、鉄鉱石でございます。鉄鉱石につきましては、皆さんよくご承知の通りの、Valeのダムの決壊事故がありました影響で、数量は昨年同期比で10%落ち込んでおります。ただし、特にオーストラリアからの出荷不安がございました関係で市況価格が非常に好調であったということで、輸出金額自体は増えているという状況になりました。

 ポイントの3点目はですね、乗用車、自動車関連でございます。金額的にもインパクトが大きい訳ですけども、約40%の落ち込みということで、アルゼンチン向けの輸出不振が数字に表れてきているというふうに考えております。

 続きまして主要国別の輸出でございます。19年の上期はやはり中国が1位となっております。ただし伸び率は1%ということでそんなに大きくはなかった訳ですけども、これは金額ベースですけども、鉄鉱石の輸出金額が伸びた一方で、大豆の落ち込みがあってですね、それが相殺しあって輸出増減率が1%にとどまってしまったものというふうに考えております。2位のアメリカは12%と前年同期比伸ばしましたけども、中を見ていきますと、原油の輸出がこれに寄与したということになっておりました。

 それから、アルゼンチン向けについては皆さんご承知の通りの状況でございます。あと、オランダの落ち込みも結構あるんですけども、これ、オランダ向けの中身を見ていきますと、大豆かすと鉄鉱石ということで、統計上はオランダに出てくるんですけども、やはり最終消費地である中国の需要環境を反映した結果がここに表れているというふうに考えております。

 続きまして輸入でございます。2019年の上期は、前年同期比、総額・総量ともほとんど増減なしという状況でございます。中を見ていきますと、原油の輸入が増えている一方で自動車関連の落ち込みが大きかったというような中の入り組みがございました。

 続きまして、主要国別の輸入の状況です。中国からの輸入があいかわらず1位でございます。昨年同期比で、実に20%も増えている訳でございますが、これ内訳を見ていきますと、この輸入統計の中で浚渫船とかプラットフォームという項目に括られる部分が非常に大きく伸びておりまして、この19年の上期に、大型輸入が一つ二つあったことによって数字が大きく跳ね上がっているという考えております。

 金額規模は大きくないんですけども、インドからの輸入も伸びておりました。原油以外の石油という輸入統計上の項目が伸びていたという状況であります。

 続きまして、2019年上期の対日貿易についてでございます。日本向けで一番大きいのは鉄鉱石になるわけですけども、鉄鉱石についてはやはりValeの事故の影響で金額ベースで12.4%の落ち込みという結果でございます。ただこれ、表にはしていませんけども、数量ベースだと実に20%も落ち込んでいるという状況でありました。金額が12.4%でおさまっているということで、先程と同じように、数量は落ちたんですけど価格が高かったので、数量ほどの落ち込みは示していないという状況だと思います。

 その他、鶏肉、コーヒーです。それから、今は落ち着いていますけども、市況が良かったパルプも対日貿易の輸出としては伸ばしているという状況でございます。

 輸入でございます。輸入につきましては顕著でございまして、自動車部品、乗用車の落ち込みが非常に大きくなっているということで、やはりアルゼンチン向けの自動車の影響はここにも出ているんだと考えております。

 続きまして直接投資でございます。19年上期につきましては、下の左側の棒グラフ、青い部分が上期になるんですけども、ご覧頂いて分かります通り、実は2011年以降で最低の直接投資額が2019年上期であったという状況でございます。やはり、1月にボルソナロ政権が誕生して、その政策動向の行方を見るべく様子見状態であったというふうに受け止めております。

 直接投資、ブレイクダウンしていきますと、特にフランスとカナダが大きく伸びている訳ですけども、ブラジルの経済省の発表資料によりますと、4月に総額86億ドルというペトロブラスのガスの供給システムの買収をフランスとカナダの企業でやっているんですけども、その一部がここに反映されているんだろうということでございます。

 その他、オランダ、ルクセンブルク、それから、この表の中ではその他にまとまっていますけど、ケイマン諸島とかバージンアイランドからの投資も下げ率が大きくなっております。前回のシンポジュームでも話がありました通り、この辺からの投資というのは裏に中国がいるんであろうというふうに見受けられる訳ですけども、米中貿易戦争、中国の国内景気の不振からやはり中国からの投資もちょっと一服感が出たのかなというのが19年上期の状況だったんだろうというふうに、これは推測ですけども、考えておるという次第でございます。

 続きまして業種別の直接投資でございます。石油・ガス採掘関連の投資が落ち込んでいます。それから、金額的には小さいんですけども、ITサービス関係の投資は、大体毎回プラスで出てきております。金額は小さい訳ですけども、やはりブラジルのスタートアップ企業、ブラジルというのはITの参入障壁が低いというふうに言われてますけども、スタートアップ企業などのIT関連には今後も注目していく必要があるんだろうなと考えております。

 次に日本からの直接投資でございます。2017年の底を抜けまして、2018年は17年比増、19年上期についても、18年を超える勢いではあるんですけども、ご覧になられて分かる通り、金額的には過去に比べても大きいものではございません。この先、世界経済が後退局面で、地域的にもアルゼンチンの大統領選の行方がどうなるか分からないという不透明感がある中で、日本からの下期の直接投資がどうなるか、環境的にはそう簡単ではないのだろうと考えております。

 続きまして2019年上期の回顧でございます。先程来話が出ております通り、19年の成長率予測は、期初は2.51%であったものが、現在は0.8%台後半、7月末では0.82となっております。0.8%台後半というのが今の見通しでございます。新政権の政策運営を見極めるという動きが強かったのがやはり19年の上期の総括なのではなかろうかというふうに考えております。

 続きまして2019年の下期の展望でございます。年金改革法案につきましては来月上院で可決される見通しが非常に強くなっているという状況でございます。それに続く、税制改革、それからまさに今推進せんとしております民営化によって、小さな政府が実現できるかどうかというようなことも含めまして、国内の活性化をどこまで進められるかということに下期は注目していきたいというふうに考えています。

 一方で、世界的な景況不透明感はさらに高まると考えております。欧米と中国での景気減速傾向、それから米中貿易摩擦、アルゼンチン大統領選の行方など、今の時点では非常にネガティブとなる要素が多く、やはり大幅な景気回復は期待しにくいというのが2019年下期の状況であろうというふうに考えております。特に、輸出・輸入とも1位を占めます中国の景気動向がブラジルに与える影響は引き続き注視していく必要があると考えております。

 最後に、貿易部会で内外の環境変化にどう対応するかというアンケートをとらせていただきましたが、その結果を抜粋したものを皆様のご参考までに資料としてここに提示させていただいております。

 下期は不透明感が強くなる中で、日々のトレードで申しますと、販売先の与信の状況をなどを、より細かくリスクを見極めて、かつ今のリスクを見直していくのが求められていくのが2019年下期の我々が置かれている環境なのではなかろうかというふうに考えております。

 私からは以上でございます。

司会

 はい、ありがとうございました。ぜひご質問を頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。貿易部会ということで、モノですとか、資本の流れという中で非常にコンパクトにご説明いただいたと思います。たいへんありがとうございました。あと昨今、関連するところで言うと、おそらく、先程も出ていますけども、日・メルコスールのEPAというのが今後長期的な課題になると思いますし、欧州とのEPAが大きく前進したという中でですね、これからということなんだと思いますけれども、何か具体的に手を検討されていることですとか、動き始めていること、事例などもしあれば、教えていただければと思うんですが、いかがでしょうか。

猪股部会長

 非常に景況感が弱くなってきますと、多くの企業さんの体力がだんだん小さくなっていってしまう環境の中で、平たい言葉で言いますと、日々の商売、トレードの中で、貸し倒れとか、商品代金の回収に支障をきたすようなことがないように手を打っていかないといけない。一企業の活動としてはそういうところですね。そういうところから見直していこうということはしています。日・メルコスールは、交渉は進むんだと思うんですが、一方でブラジルがメルコスールから抜けたらどうなるんだろうという不安もありますし、交渉の行方は見守るものの、メルコスール自体の動きというのも見ていく必要もあるかなと思います。

司会

 はい、ありがとうございました。ほか、よろしいですか。それでは貿易部会様からの発表をこれで終わらせていただきます。改めまして、ありがとうございました。

 続きまして、機械金属部会様からのご発表をお願いいたします。山田部会長から25分の予定でお願いいたします。私の質問は出尽くしましたので、皆様ぜひ、質問を考えていただきながらお聞きいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

機械金属部会

山田佳宏 部会長

                          

 皆様、こんにちは。ブラジル三菱重工の山田でございます。機械金属部会長を務めさせていただいております。

 当機械金属部会は多岐の事業分野に携わっておられます機械および金属に関連するメーカー、それから関連する商社の方々を中心としたメンバーで構成をされております。本年8月現在で約40社の皆様に主要部会メンバーとして登録をしていただいております。

 今スライドを示しておりますけれども、今回のシンポジュームでの発表に当たりまして、事前に各社の状況に応じてレポートをまとめていただき、また7月の31日には部会を開催して情報および意見の交換を行いました。私はこの部会に何度か出席しておりますけれども、今年の4月、5月ごろにですね、先程も話が出ておりましたけども、日・メルコスールEPAの関係でも部会の会合を開きまして、あらためて、機械金属部会と一言で言うんですけれども、実は多種多様な会社さんの集まりでございまして、HTSコードで言うと確か機械と金属で、大分類か中分類としては二つぐらいになるんですけれども、当部会の内容としては非常に多種多様です。具体的にはここに出ております通りですね、どういうふうにグルーピングするかというのは非常に難しくて、作っているものなのか、納めている先なのかとか、ちょっとうまくできないところはあるんですけれども、一応その辺はだいぶ大ざっぱにまとめますと大体こんな感じということでございます。

 今スライドに表示されておりますけれども、当部会が関係する会員会社さんの、いわゆる事業分野といいますか、製品分野というのは、計17分野ということです。ですので、ちょっと一概にまとめるのは難しいところはあるんですけれども、いずれにしましても皆様、ブラジルの製造業を足元から支える役割を担っておられるというふうに認識をしております。それでは内容について発表させていただきます。

 構成としましては、まず、ちょっとこれまでの話と一部かぶってしまいますけれども、当部会の事業環境に関係するマクロ指標について簡単にご説明をさせていただきます。引き続いて、セグメント別にですね、鉄鋼以下6つのセグメントの状況を説明させていただきます。このまとめ方は本年2月のシンポジュームの内容と基本的に同様でございます。最後に、副題であります「内外の環境変化にどう対応するか」ということで、部会メンバーの意見を総括させていただきます。

 それではまず、マクロ指標ということで、最初はブラジルの鉱工業生産の状況をグラフにまとめたものでございます。ブラジル地理統計院の資料です。先程ご説明いただきましたブラデスコのフェルナンドさんのお話と大分かぶるんですけれども、このグラフは2015年以降、今年の6月までの状況を示しております。

 皆さんご承知の通りですし、またご覧いただきます通り、2016年まではマイナスが続き、2017年に入ってプラスに転じました。2018年もそれが継続するというふうに期待をしておりまして、去年の5月のトラック運転手のストライキの後も、いったんは持ち直したかのように見えておりました。ところがその後、年末にかけてマイナスが続きまして、今年に入ってからもですね、昨年を上回りそうな雰囲気ではないのではないかというふうに思われます。棒グラフの右から2番目、2019年の5月のところが前年を上回っておりますけれども、これは昨年5月のトラックストの影響で鉱工業生産が大幅にダウンしたために、見かけの数値がこういうふうになっているのではないかというふうに思われます。

 実は、これから各セグメント別にご説明しますけれども、大体この鉱工業生産指数の動向に、当部会の会員会社さんの景況感もほぼ一致をしているということでございます。

 次に土木建設の指数を示したグラフをご覧いただきたいというふうに思います。これもブラジル地理統計院の資料でございます。これは、2012年を100として、その後の推移を折れ線グラフで示しております。

 それぞれの年でデコボコはございますけれども、傾向としては2017年に向けてずっと低下が続き、2017年で底を打ち、その後ですね、上がったり下がったりしておりまして、ちょっと安定しているとは言い難い状況が続いております。2019年に入りまして若干上向き加減になっている模様ですけれども、ご承知の通りの昨今の景況感の中で先行きの見通しとしては不透明ではないかというふうに思われます。

 それでは引き続きまして、ここから各セグメント別の状況についてご説明をさせていただきます。まず、一番最初が鉄鋼でございます。ブラジル鉄鋼協会がまとめておられます数値を使っております。このスライドの左上、ちょっと小さくて恐縮ですけれども、2015年から2018年までの年間の粗鋼生産の推移、それから2019年の見込みを示しております。その右に、表ですけれども、2019年上半期の粗鋼生産、国内販売、輸出を前年との対比で示しております。

 まず、左のグラフからお分かりいただけます通り、粗鋼生産量は2016年に底を打った後、2018年までは対前年比で増加をしております。ところがですね、右の表を見ていただきますと、2019年に入りましてから粗鋼生産量は前年を下回っております。これは自動車輸出用の需要が減少したということが主な原因のようであります。

 下期につきましても、ご承知の通り、Valeの事故に起因する原料価格の高騰、それから鉄鋼需要の伸び悩みによりまして、生産・販売ともにですね、厳しい状況が継続するというふうに思われます。ちなみに、ブラジル鉄鋼協会は2019年の鋼材の見かけ消費量の見通しを、4月は対前年プラス6%というふうに発表しておりましたけれども、7月にはプラス2%ということで、6%から2%に下方修正をしております。

 ただ一方でですね、このスライドの一番下のところですけれども、ブラジル鉄鋼協会は、鉄鋼業におきまして今後5年間で90億ドルの設備投資が見込まれるということも発表しております。ただ我々部会メンバーの感覚としては、近い時期にですね、こういった積極的な設備投資案件が動き出すという様子はないということでございます。

 続きまして電力セグメントについてご説明申し上げます。こちらはエネルギー研究公社の資料でございます。左の棒グラフが2015年から昨年までの電力消費量の推移と2019年上期の前年との対比を示しております。右側の棒グラフが、2018年と19年のそれぞれ上期の電力消費の内訳を示したグラフです。内訳はここにあります通り、産業用、住宅用、商業用、その他というふうになっております。

 2019年の上期の傾向としましてはですね、ちょっと棒グラフ見にくいんですけれども、住宅用と商業用の電力が伸びているということで、電力消費は回復傾向にございます。この傾向は下期も同様というふうに思われますが、当部会の関連企業が関係しますバイオマス関連の新規案件の動きは依然として低調でございます。

 次に建設機械について申し上げます。スライドの上の方にグラフを示しておりますけれども、これも2012年を100として建設機械の生産実績を折れ線グラフで示しております。この資料から、やはり2017年までは生産の減少が続いて、その後回復傾向にあるということをご理解いただけるというふうに思います。

 そうした中で、2019年上期の回顧としましては、建設機械の国内販売はレンタル向けが好調であるということですとか、先程ちょっとグラフを示しましたけれども、昨年底を打った建設需要の好転などによりですね、前年比でプラス28%増ということで、当初予定を大幅に上回っております。一方、農業向けにつきましては、予算不足に伴います、政府金融の支援が中断されたといったことの影響で伸び悩んでおります。それから輸出につきましては、アルゼンチン向けの減少が大きく足を引っ張って減少をしております。

 下期の展望ですけれども、国内需要につきましては土木・建築向け、それから農業関連、砕石・窯業・セメント向け、それからレンタル・アウトソーシング向け、いずれも堅調に推移する見通しでございます。一方、輸出につきましては、米中貿易摩擦の悪影響を無視できず、動向を緊密に注視する必要があるというふうに考えております。

 続きまして、自動車産業に関連するセグメントについて申し上げます。資料としましては、左上に自動車生産協会がまとめました自動車生産台数の棒グラフを、その右に自動車の新車登録、輸出、生産の2019年上半期の、前年つまり2018年上半期との比較を示しております。詳細につきましてはこの後の自動車部会様の発表に委ねますけれども、特に右のグラフから読み取れますのは、前年同期比、前年同期比を黄緑色の折れ線グラフで示しておりますけれども、これは新車登録、輸出、生産の前年同期比なんですけれども、真ん中の輸出がですね、前年同期比40%も落ち込んでおりまして、これの影響で上期の生産につきましては対前年比で少しだけ増えるという状況にとどまっております。

 という自動車生産の動向を背景に、当部会としましては、自動車産業に関連する分野がいくつかございまして、そのうちのまず切削工具について申し上げます。この切削工具は、ただ今申し上げました主力ユーザー様であります自動車産業の動向を反映して、前年同期比を若干上回ったものの徐々に受注が鈍化する傾向にございます。下期につきましては、先程来話が出ております米中貿易摩擦の懸念はありますけれども、自動車業界様以外の、航空機ですとか、建設機械、それからエネルギー、それから新しい分野としてメディカル等へのですね、拡販に伴って、引き続き需要が増加する見通しであります。

 次に、回転機械において重要な部品となりますベアリングについて申し上げます。このベアリングにつきましても自動車の状況と連動して、2019年上期の後半からですね、急速に冷え込んでおりますが、一方で二輪車向けは堅調でございます。また一般産業機械向けは、多くの企業が新規投資を控えまして、上期の半ばから受注が急速に減っております。下期につきましては、二輪は引き続き堅調でありますものの、自動車、一般産業向けは回復は期待薄でございます。

 次にドライブシャフトですが、ドライブシャフトにつきましても自動車生産の動向に連動して上期は前年の同期を下回っております。下期は景気回復の期待感はありますものの、上期の落ち込みはカバーできない見通しでございます。

 次に潤滑油ですけれども、上期につきましては自動車、フォークリフト向けの初期充填オイルの増加により、対前年比で大幅に増加しております。一方、工業分野につきましては、お客様の使用量削減に伴いまして減少しました。下期も上期と同様の傾向が続く見込みです。

 最後に金属加工用の油剤ですけれども、上期につきましては消費量がそれほど拡大しない一方で、コスト削減を目的とした消費量削減活動とかがお客様において行われました関係で苦戦をいたしました。下期につきましても、景気先行き不透明感に伴い厳しい状況が続く見込みでございます。

 続きまして、農業・産業機械関連のセグメントについてご説明をさせていただきます。上にですね、ブラジル地理統計院が発表しました、関連する機械類、つまりエンジン、汎用機械、トラクター、工作機械の生産動向、これも2012年を100とした指数で表した資料を準備いたしました。この4つの製品、それぞれによりまして、若干傾向は異なっておりますけれども、最初の方に申し上げました鉱工業生産指数ですとか自動車生産と中期的にはおおむね同様の傾向。つまり2018年から回復傾向に入ったものの、2019年に入ってから陰りが見られるという傾向が見て取れるというふうに思います。これを参考にしていただきながら、当部会メンバーが実際のビジネスを通じて感じております点を中心に状況をご説明いたします。

 まず小型ディーゼルエンジンですけれども、上期は多気筒、つまり日本製と発電機セットの販売は回復しましたけれども、横型の単気筒が大きく落ち込んで、対前年比で若干の減少となりました。下期につきましては、農作業機械メーカー向けが振るわず苦戦が予想されます。

 次にトラクターですけれども、上期はBNDESの農業向け低利融資が停止状態となっているということにより低迷いたしました。下期につきましては、この融資の再開ですとか良好な農作物の収穫に伴いまして、需要は上向く見通しですけれども、年間では昨年を下回る見込みでございます。

 続きましてポンプですけれども、年初は需要に力強さが見られましたが、現状は足踏み状態で、上期はほぼ昨年と同レベルです。下期につきましては、経済成長見通しの下方修正に伴いまして先行きは不透明でございます。

 最後にレーザー切断機ですが、依然として厳しい状況が継続しております。

 それではセグメント別としては最後になりますけれども、石油・ガス、紙パルプ産業関連のセグメントの状況についてご説明申し上げます。資料としましては、上のグラフにブラジル地理統計院が作成しました石油製品、紙パルプなどの生産実績を、2012年を100とした指数で表したものを左側の折れ線グラフで示しております。それから右側にブラジル紙パルプ産業協会が発表しております紙パルプの生産動向のグラフを準備をしております。

 まず、左側ですけれども、石油製品の生産実績を赤い折れ線グラフが示しております。昨年末に発表されましたペトロブラス社の5カ年計画におきまして、年間3隻のFPSOの建設計画が含まれておりまして、需要拡大の期待が増えております。

 次に、紙パルプの生産実績は左側の青いグラフですけれども、パルプの需要の拡大によりまして、ほぼ一貫して対前年比で増加する傾向にあるのが見て取れるというふうに思いますが、右側のグラフをご覧いただきますと、輸出につきましては昨年を下回る傾向にございます。

 当機械金属部会の会員企業はこれらの石油・ガス、紙パルプ産業において使っていただいております製品を扱っておりまして、ただ今申し上げましたこれら産業の動向を前提に関連分野の状況をご説明いたします。

 まずボイラですけれども、紙パルプ業界の中規模プラントとかボイラの更新計画、それから製紙業界のすでに使っておられますボイラの大型メンテナンス工事等の動向を注視して参ります。

 次にプラント・工場用の制御システム・機器ですけれども、上期は鉄鋼メーカーの保全投資の回復、それから石油・ガス上流分野の新規設備投資、パルプ産業におけます生産拡大投資等に伴いまして受注は堅調でした。下期も同様の傾向の見通しでございます。

 次に移動式のクレーンですが、上期はレンタル会社向け、製紙業界向け、マイニング業界向け等によりまして前年を上回る見通しです。下期につきましては、製紙、マイニング、エネルギー、石油・ガス業界設備、こういった業界の投資の動向を注視して参りたいというふうに考えております。

 以上、当部会を取り巻く環境について、2019年の上期を振り返り、また2019年下期を展望いたしました。最後に、「内外の環境変化にどう対応するか」という副題に対する部会メンバーの見方を紹介をさせていただきます。これは会員の皆様からご提出いただいた内容を部会長としてまとめさせていただいたものです。まず、最近のトピックスの理解について申し上げます。

 これまでにも何度も話が出ておりますが、社会保障改革法案の下院の通過は確かに明るいニュースであるというふうに私どもも受け止めております。しかし一方でですね、実際の実現時期がいつになるのかということについては今の時点では不透明ですとか、先程のブラデスコ様のご説明にもありましたが、これだけでブラジル経済が本格回復するわけではない。例えば税制改革とか、その他の構造改革も必要という状況でありまして、当部会の会社にとってただちにこれに基いて何かアクションがとれるかというと、そういう訳ではどうもなさそうだということでございます。

 次に、EU・メルコスールのFTAの合意についてですが、これに伴ってですね、いろいろ何か対応する必要があるよねということにつきましては、当部会の共通認識であります。例えばブラジルの国内生産をもっと増やすとか、メルコスールの他の国を活用することによってコストを減らすとか、あるいは逆にブラジルからもうちょっとヨーロッパとかに持っていけないかとかですね、まあ色々アイデアはあるんですけれども、しかし、これまた具体的検討を開始するというのにはちょっとまだ時期としては早いのではないかと。

 ということで、当部会にとりましてマクロな環境変化は何なのかということを考えてみました。大きくは二つあると思います。

 一つ目はですね、ブラジルが自由貿易政策を推進するということはほぼ確実というふうに思われておりまして、これに対応するためですね、ブラジルコストの削減ですとか、低い生産性を改善するというための施策は必ず実行されるということではないかということです。

 それから二つ目ですけれども、これともちょっと関連するところがありますけれども、世界的な潮流であります、ESG投資ですとか、それからICT、あるいはAIを活用するという波はですね、ブラジルにも押し寄せて来ております。ちょっと具体的な内容は申し上げられませんが、ともすると、ICTとかAIというと、どちらかというと、例えば銀行さんの仕事ですとか、そういうようなどちらかというといわゆるモノづくりじゃない方の報道なり関心が強いのではないかというふうに思いますけれども、実は機械分野でも、ICTはもちろんなんですけれども、AIを使ってもっともっと新しい事ができるんじゃないかというような話は出ておりまして、そういう意味で、世界的な大きな波が必ずブラジルにも来るというのが私どもの共通認識でございます。ということで、私どもとしましては、足元で生産性の向上を図りつつ、今申し上げましたようなマクロの環境変化に応じたビジネスチャンスを模索するというふうに考えております。既にいくつか萌芽は出ているのではないかというふうに思います。

 今の2点目は、先ほど讃井様から金融部会についてご質問があった話でもちょっと関連しておりまして、日々入って来るブラジルの、あるいはメルコスールも含めた南米大陸の動きはウォッチしつつもですね、もうちょっとグローバルで大きく起きている変化をうまく活用できないかというのが我々の認識でございます。

 ご清聴ありがとうございました。

司会

 はい、山田さんありがとうございました。よろしければご質問いただければと存じますが。ありがとうございます。マイクをお願いいたします。

発言者

 どうもありがとうございます。2点ちょっとお聞きしたいんですけれども、1点目は鉄鋼のところでですね、対前年比粗鋼生産量がマイナスということなんですが、米中の貿易摩擦の関係で、中国産の鉄鋼にアメリカが関税をかけているという状況がある中で、そういう中国の鉄鋼というのがブラジルに入ってきているという状況があるのかどうかということとですね、もう1点は、農業・産業機械関連のセグメントのところで、トラクターのところにBNDESの農業向け融資が停止状態という、この理由というか背景を教えていただければと思います。

山田部会長

 1点目は、メタルワンの加藤さんいらっしゃったら詳細は補足いただきたいと思うんですけど、ご心配のようなことは結果としては起きていないというふうに聞いております。ちょっと補足していただけますか。

メタルワン 加藤氏

 ご質問の件については、まだ、中国の鉄鋼が、例えば大量にブラジルに入ってきているというふうな流れはですね、まだ起きてはいません。実は昨日ブラジルの鉄鋼協会の会議にも出たんですけども、まあその話題にもなったんですけど、ブラジルの鉄鋼業界も、中国のものが大量に入ってきてですね、値段が下がるという部分は非常に警戒していますし、おいそれとそんなふうな感じでですね、ブラジルが中国の鉄鋼を大量に受け入れるというのは足元ではないんじゃないかなというふうに思っております。よろしいでしょうか。

山田部会長

 ありがとうございます。2点目のBNDESの件なんですけど、ヤンマーの北原さんいらっしゃいませんか、今日は。ちょっと、聞いた話では、まあ結局お金がなくて、ちょっと一時中断しているけど、下期になったらまた始めるようなことが割と頻繁に起きるというふうに聞いております。

司会

 はい、ありがとうございました。大変良いお話だったと思います。私もお聞きしていまして、前半の方は厳しいとか苦戦とか、下回るとか低調とかですね、やや暗いお言葉が多かったんですが、後半に紙パですとかペトロブラスさんだとか、こういった明るい話がありそうで、長期的にはESG、ICT、AIと、まだまだ拡大の余地があって、ブラジルに来ているというのは、これも皆さんお持ちのことだと思います。何と言っても色んな広い業界に影響が表れる中で細かくお聞かせをいただきまして大変ためになりました。ありがとうございました。山田さん、ありがとうございました。あらためまして拍手をお願いいたします。

 それでは続きまして、自動車部会様からの発表をお願いいたします。下村部会長よろしくお願いいたします。

 

自動車部会

下村セルソ 部会長

                       

 皆さんこんにちは。自動車部会の下村と申します。私から自動車部会の報告をします。今回は、上半期の振り返りと下半期の展望などについて、四輪と二輪の順に説明します。

 まず、はじめに四輪の振り返りです。新車市場についてです。19年の上半期は昨年度の同時期と比較すると約12%増加しました。当初の予想をわずかに上回る結果となりました。下半期は、年金改革の実行、金利の低下、低いインフレーション、FGTSの引き出し解除などにより消費者の需要はさらに高まるものと予想されます。一方では、ダイレクト・セールスが占める割合も高くなっており、販売増加に大きく貢献しています。

 続いて月別の販売台数です。今年の前半は当初の予測よりも好調でした。このトレンドが継続すれば、Anfaveaは当初の年間売上の予測をさらに上回る販売に到達すると予想しております。

 次に生産と輸出です。19年の上半期の生産台数は147万台でした。国内市場が好調でしたが、アルゼンチン向けの輸出が減ったため、前年よりも少し減りました。輸出台数については、主な輸出国はアルゼンチンの市場が縮小し、前年比38%減でした。

 次に新車・中古車別の市場です。このグラフから新車需要が伸びていることが分かります。中古・新車トータルで1300万台を超え、順調に伸びています。

 次に下半期の展望です。こちらは2019年の予測です。国内市場は先程申し上げたように、年金改革、金利低下、低いインフレーション、FGTS引き出しの解除などにより販売が増加傾向となり、自動車部会では約280万台の生産で前年比9%増を見込んでいます。生産・輸出台数については、アルゼンチンの影響もあり、減少する可能性があります。

 続いて長期展望です。長期展望としては、重要なテーマはこちらになります。モノ、人の流れを変える自由貿易協定、大気汚染防止のための排ガス規制、将来のビジネスモデルであるモビリティサービス。本日はこの3つの説明をします。

 まず、はじめに貿易交渉の状況ですが、新政権の市場開放路線により、ようやくヨーロッパとの交渉が政府的に合意を迎えました。自動車に関する詳細はまだ確認中ですが、ヨーロッパメーカーは国産車の競争力強化、完成車の関税削減による輸入車の増加を予想され、日本メーカーは厳しい競争にさらされる様相です。日系の部品メーカーも大きなダメージを受けることが予想されています。カナダ、韓国との交渉も進展しており、カナダは今年中、韓国は来年中間までには締結すると予想されています。中身はまだ公表されていませんが、どちらにも自動車が含まれています。昨今ではアメリカと貿易協定の協議を開始する合意に至っており、こちらもブラジルの政府の強い要望により進展がみられるでしょう。

 アルゼンチンの選挙結果が貿易協定の交渉に及ぼす影響を注視する必要がありますが、日系自動車メーカーにとっては、日本との協定がないことは競争力が劣る原因となり、大きな痛手となります。自動車部会としては、日・メルコスールEPAの早期の交渉開始に向けた活動を後押ししていきたいと考えております。

 次は排ガス規制についてです。今年初めにも説明させていただきましたが、昨年末、環境省の委員会で2022年、2025年以降の排出ガス規制の大枠が決まりました。ブラジルの自動車メーカーにとって規制導入のタイミングがとても厳しいので、販売できなくなる車種が出てくる可能性があります。

 こちらの地図でご覧ください。ブラジルは中南米各国と比較すると唯一米国基準の規制を採用しています。ディーゼル車のOBD燃料も漏れの自己診断装置の場合はヨーロッパより厳しいアメリカ基準を採用しており、こちらも開発のための十分なリードタイムではなく、大きな課題となっております。

 こちらは一例ですけれども、自動車に対するNMOGの規制値をヨーロッパ規制のEuro6と比較したものです。ご覧の通りL7およびL8の排出規制は、特に2017年からヨーロッパよりもさらに厳しいものとなっており、達成するには自動車メーカーが大きな電動化が必要となってきます。L7からL8への移行期間もヨーロッパの5年間に比べ、ブラジルは3年間となっているため、開発リードタイムと高額の投資を要します。このように、内容が大変厳しく、リードタイムも少ない事がお分かりいただけると思います。これからの規制導入のタイミングが現実に即したものになるよう、引き続き政府に働きかける必要があります。

 それでは、グローバルにおける環境の変化について説明します。皆様ご存知の通り、自動車産業はCASEと呼ばれて、技術革新によってIT・交信・サービス業などこれまでと事なる業種との競争が進み、自動車メーカーからあらゆるモノやサービスへとつながるモビリティカンパニーへと変革してきています。これを、我々は100年に1度の大変革期と呼んでおり、競合が他の自動車メーカーではなくGoogleやAmazonに広がるなど、20年前、30年前には考えもしなかったことが次々と起きています。来年の東京オリンピック、パラリンピックでもそのトレンドをいくつか取り入れたモビリティの提案をさせていただいておりますので、ちょっとビデオをご覧ください。

(※ビデオ上映※)

 ブラジルでも金融や公的サービスなど様々な分野で新たなサービスが普及し始めており、モビリティ分野においてもUberなどシェアリングサービスが先進国並みに普及しています。この1年で、patineteやレンタルバイクも急激に普及しております。大変革時代に対応していくためには、素早い対応が不可欠となってきております。

 このような状況に対し、今回のテーマである「内外の環境変化にどう対応するか」について日系ブランドの取り組みを説明いたします。

 EPAについては、日本政府やブラジル、アルゼンチン政府に対して、早期交渉開始に向けて継続的に働きかけを実施していくことが重要です。同時に、開かれた市場でも競争力が持てるよう、税制改革などの構造改革の必要性を訴求し続けていきます。

 Proconveについては、規制導入のタイミングが現実に即したものになるよう、政府や関係機関に働きかけていくことが大事です。

 また、今後拡大するモビリティサービスにも積極的に取り組んでいき、電動化にも力を注いでいきたいと思います。

 日系メーカーの取り組みの事例です。電動化に向け、日産は7月にブラジルを含むラテンアメリカ4カ国で電気自動車のリーフを発売しました。トヨタも5月にフレックス燃料ハイブリッド車のカローラの生産・販売を発表しました。ガソリンでもエタノールでも走るフレックス燃料ハイブリッド車の生産は世界初、トヨタ発の試みです。同様に、カーシェアリングサービスは、トヨタはアルゼンチンにて昨年11月にトヨタモビリティサービスを開始しております。ブラジルでも今年中にモビリティ関連のビジネスを開始する予定でおります。

 今日お話したことを次のスライドでまとめます。こちら、本日のまとめとなります。

 続いて二輪業界について説明します。まず生産・販売についてです。二輪市場の上半期の販売は53万台で、前年比117%となりました。クレジット販売の増加が貢献しています。国内市場の販売増加に伴い、生産も前年を上回りました。一方、輸出はアルゼンチン経済の減速により、前年比50%となりました。

 こちらは登録ベースの月別の販売です。先程申し上げた、クレジット販売が増加したこともあり、全ての月で前年を上回りました。下半期も引き続き堅調に推移すると予想されております。

 最後は、二輪販売の支払い形態別の推移です。緑のグラフはローンによる販売比率を示していますが、金利が低く抑えられてローン販売が占める割合が大きいことが分かるかと思います。金利の安定や失業率の改善で販売が増え、今年も二輪市場のさらなる回復を期待しております。

 これで私の発表を終わります。ありがとうございました。

司会

 下村部会長、たいへんありがとうございました。どなたかご質問あられる方おられましたら挙手を。お願いします。

発言者

 日本大使館の濱坂でございます。ご説明ありがとうございました。排ガス規制につきまして、少し教えてください。この問題、非常に難しいと、自動車部会の中でずっと議論されてきたと承知しております。この中で、日系ブランドとしまして、規制のリードタイム、その内容、これに対しましてブラジル当局の理解を求めているということですが、この内容につきまして二つ考え方があると思います。例えば他の中南米同様に、ユーロ5、まあユーロ5はユーロ5で大変ですが、ヨーロッパ基準に求めていくのか、今の規制の骨子案、この中で特に難しいもの、例えば例示にありますようなORVRとか、こういったものを取り除いていく、どちらのアプローチを今お考えになっているのかというのが質問の一つ目でして。もう一つ、この規制に対します、特にヨーロッパメーカー、フィアットやフォルクスワーゲン、ヨーロッパメーカーはどのように対応しているのか、教えて下さい。

下村部会長

 質問ありがとうございます。今ですね、この件について全カーメーカー、同じ意見です。これは良い事です。Anfaveaの中では全部一緒になっていて、まずL7、L8ありまして、L7の中にはORVRとかそういうことが、まずディスカッションやっているのは、ORVRはさっき説明にあった通りですね、ガソリンスタンドに行く時にはガス出るんですよね。それを出ないようにORVRを車に付けましょうと。だけどそうしたらですね、新しい車しか対策にならないんです。我々たちは、そうじゃなくて、ガソリンスタンドがなおったら前の車、今の車全部対応できるんじゃないかと、今アプローチしております。だから、そういう意味では、本当の目的がそういうガスのエリミネーションをやるのだったら、もっとeffectiveなことは、車じゃなくて、ガソリンスタンドの方がいいんじゃないですか、今、と考えております。これが一つですね。ただ、じゃあ政府がですね、Anfaveaが払ってくださいと、そういうディスカッションに今なっているんですけども、まあこうなっています。これがL7の状況で、今何とかそれを、エリミネーションは考えております。L8の場合は、ちょっと、グラフを見る通りすごく厳しいと。もう一つは、せっかくですね、ブラジル政府、Rota2030をアナウンスしました。で、Rota2030のスケジュールと今のスケジュールは合っていないんですよ。Rota2030がもっと、5年間でリーズナブルなリードタイムになっておりますので、合わせて下さいと。せっかくRota2030で言ったことを、守っていないのか、だからRota2030の一番良い所は、そういうプレディクタビリティですね。もうちょっと将来を見ながらそういうフォーカスをちゃんとできるようなせっかくのプログラムなので、その中でこういうレギュレーションでちょっと合っていないのは良くないんじゃないですかと今アプローチしております。

司会

 はい、ありがとうございました。非常に実情にそった質疑をいただいたと思います。たいへんありがとうございました。自動車のところで言いますと、ビデオにもありました通りですね、世の中で言われています単に乗るだけではなくて生活に密着したと、こういったところが改めて見えましたし、色んな産業に影響があるのかなというふうに思いました。あと、ご説明は短かったですけども、二輪車の方については実績が非常に堅調であるということで、これは非常に日系の関係の方も多いというふうにうかがっておりますので、明るいニュースじゃないかなというふうに思います。たいへんありがとうございました。拍手をお願いします。

 それでは続きまして、コンサルタント部会ですね。前半、コーヒーブレイク前の最後のコメントになります。吉田部会長の方からよろしくお願いいたします。

 

コンサルタント部会

吉田幸司 部会長

                     

  皆さんこんにちは。コンサルタント部会長をさせていただいております、KPMGの吉田と申します。時間通りですとあと10分ぐらいしかないので、時間通り終わらなかったら大変申し訳ないんですけども、なるべく短くポイントをまとめてお話しさせていただきたいと思いますので、最後までお付き合いいただければと思っております。

 最初のページは他の部会長の方々がお話しされておりますので、割愛させていただきます。2ページ目からになりますけども、これ、前回ですね、2月の時にもご紹介させていただいたんですが、何かといいますと、KPMG、私どもの属しているグループですが、年に1回ですね、世界各国のCEOの方に今の景気はどうですかという質問をさせていただいているアンケート結果というところになります。

 年に1回、前回は2月にご紹介させてもらったんですが、毎年1月か2月にさせていただいているものですから、ちょうど今回の上期のタイミングに結果が間に合ったということで、ちょっとご紹介させていただいているものになります。今回はですね、前回、日本が入っていなかったじゃないかというようなコメントもあったものですから、今回は最初から日本を入れさせていただきました。

 今回の調査はですね、全世界で64カ国の2535人のCEOの方から回答をいただき、このうち日本は100人。ブラジルは50人となっております。一つおことわりしたいんですが、グローバルというところがあるんですけども、グローバルのところについては、これ64カ国全部ではなくて、11カ国を選んで1300人のCEOの方のコメントだけになっておりますので、64カ国ではなくて11カ国とお考えいただければと思います。

 今後3年間ですね、自分が成長していく自信があるとかですね、世界が成長していく自信があると答えた割合がどうかというところなんですけども、こちら、日本は結構低めになっていると。グローバルもそれなりに低めになっている。これ実際ですね、ブラジル、高めになってはいるんですけども、ブラジル、実は、去年同じ調査をした時には53%でしたと。それが今74%になっていると。自国のところですね、ブラジルが成長していく自信があるかどうか。これは76%。昨年79%ということで、自国にはあまり変わりはないんですけども、非常に自信があるというところになってくると、9%から42%まで増えているということで、ブラジルの経営者は非常に世界経済に自信を持ってきていると。

 何が大きく違うのかなというところなんですけども、やっぱりボルソナロ大統領、去年のタイミングではまだ大統領が誰になるのか分かりませんでしたというのが、新しい大統領になったと。これからやっぱり経済良くなっていくんじゃないかというふうに思った経営者の方が多かったんじゃないかなというところですね。

 一方で、自社のところですね。前回は自社の成長に自信があると言っていたのが100%でした。今回は88%になりましたということで、世界が伸びます、国が伸びますと言っているのに、自社についてだけは自信がありませんという方が12%いたということで、なぜ下がったんだろうとちょっと考えたんですけども、一つだけ思い当たるのがGDPの成長率。年初2.8%と出てました。自社が2.8%以上今年伸びるだろうか、3年間GDP以上伸びるだろうかと思った時に、ちょっとブラジル人保守的になって、そこまで伸びないというふうに考えた経営者がいたんじゃないかなと想像したところになります。

 あと、今後自分が成長していくに当たってですね、何が最も脅威になるかと。いくつかの選択肢があるんですけども、そこから一つだけ選んでくださいという質問をしました。グローバルと日本、非常に結果が似ています。特に一番上ですね、昨今の地球の状況を表していると思うんですけども、気候変動リスクが今後リスクとして一番高いんじゃないかと。まさにですね、フランスとかの異常気象もありますし、このブラジルにおいても確かに、最初冬すごく暑かったのに今寒くなっていたりとかですね、やっぱり異常気象という状況が起きているというのは言えるんじゃないか。それに対して、グローバルと日本については、やはりここに対しては今後のビジネスにリスクがあるというふうに考えているということが言えると思います。

 一方、ブラジルですね。これ、実は気候変動リスク、出てきていません。どうだったんだろうかと色々見ましたら、一応選んだ経営者はいましたと。二人でしたと。結局4%ですね、50人中2人だけが気候変動リスクが今後高まっていくというふうに考えていたという結果になっております。

 もう一つご紹介させていただきたいのが、これですね、最近よく言われているところだと思うんですけども、低酸素、クリーンテクノロジーに対する世界の流れを予測して取り組めるかが自社の成長になると、最近のこの環境を考えたことが自社の成長になるかというところですけども、ちょっと日本の結果は出ていなかったんですが、グローバルとブラジルだと明らかにブラジルの方が低いというところで、やはり日本の企業さん、日本も気候変動が非常に激しくなっているものですから、そういう意味では日本企業さん、この気候変動に対して非常に取り組みが進んでいるという意味では、ブラジルがこの率が低いというところを考えると、日本企業さん、この環境ビジネスでブラジルに入って来る余地はあるんじゃないかと個人的には思ったところになります。

 ただですね、皆さんニュースでご存知だと思うんですけども、今アマゾンの方で今までにないぐらいの火災が生じています。ボルソナロ大統領が言っているのは、何か環境団体が変なことを言っていると、あれは別に火事じゃないというようなことを言って、ボルソナロはどちらかというと環境保護よりも開発を重視していると言われておりますので、ボルソナロ大統領がいる時は、この環境の部分については話がもしかすると進まないかもしれないというふうに言われているんですけども、将来的にはやはりこの環境のところというものは注目を浴びていくはずであるというふうに言えるんじゃないかなというところになります。

 次のところですけども、昨今のビジネス環境を考えると、非常に早くビジネスが変わって行っているという中で、じゃあそのビジネスを自分が変えていくのか、今までの市場を自分が壊して変えていくのか、もしくは、相手が行くのをそのまま追随していくのかというところになるんですが、そのところについては、日本は結構控えめですね。59%となっています。実際これは去年48%でしたので、率は上がってきているんですけども、ブラジルは76%ということで、やっぱり自分が壊していくんだと、自分がフロンティアになるんだという意識が非常に強いんだなとここで感じ取られたところになります。

 そのためにはやっぱり失敗はどうしても出てきます。やっぱり、新しい事を挑戦する、100%うまくいく訳はありませんと。特にシリコンバレーの用語で良く言われているのは、皆さん聞いたことがあると思うんですが、Fail fast、失敗しながら始めるというのがよく言われています。これがGoogleが成功した秘訣とも言われていますし、Amazonの社長も何十億ドルも損失を出したというふうに言われておりますので、Fail fastというのが受け入れられる土壌があるかどうかというところが、ひとつ、この市場を破壊していくところで非常に重要なキーワードになるのかなと。失敗から学ぶ社風を作っていくかどうかというところについては、大体グローバルもブラジルも日本も高いと。一方でそれを受け入れる土壌が既にできているかというところなんですが、日本人、中々、控えめなところがあると思うんですけども、失敗を受け入れていると言い難いと。41%しかありません。ブラジルは70%ということで、土壌はもうできているよと、いくらでも失敗してもいいよと言っている経営者が、一応結果としては多かったというところになっております。

 CEOアンケートの中をもうちょっとご紹介させていただきたいんですけども、レジエンスという言葉を皆さん聞いたことありますでしょうか。2013年度のダボス会議の時にこの言葉が出てきたかと思います。一般的に国際競争力が高い国=レジリエンス力が高い国というふうに言われておりまして、日本は違いますというふうなダボス会議の時の報告書になっています。

 このレジリエンスって何か、そのまま訳すと回復力というふうになるかと思うんですけども、日本語で何かいい言葉がないかなと考えた時ですけども、イメージだと七転び八起きというのがやっぱりぴったりくるのかなと。やっぱりビジネス、右肩上がりで上がっていく訳ではありません。失敗することもあります。失敗して下がるんですけど、それを打ち破って上がっていくということで、こけても立ちあがるというふうに考えていただければ分かりやすいのかなと。じゃあこけても立ちあがって、どのビジネスを本当にやっていくんだというところのアンケートとしては、日本企業についてはコアの事業を守ることが一番大事ですと。ブラジルは結構分かれておりまして、その中で私が個人的に着目したのは、やっぱり市場を壊していくんだと、本当に新しい事をやっていくんだという比率が非常に高いと。24%になっていました。

 一方で、じゃあ壊していくんだったらスピードというのは非常に大事だなと思った時なんですけども、そのスピードというものが企業の存続を左右するかとなってくると、結構意外とブラジルは60%で日本よりも少なかったと。ここらへんについては、すみません、なぜ少ないのかまではですね、私も色々資料見たんですけども、自分でも考えたんですが、中々ちょっと思い浮かばなかったところではあるんですが、自分がフロンティアとして頑張っていくけども、まあスピードは別にそこまでじゃないよという意味では、ブラジル人の気質をもしかすると表しているところなのかなというふうに思ったところになります。

 CEOの調査の最後のところになるんですけども、こちら挙げさせていただいたのは、いま時代が変わっていきます、各部会長の方からもありましたけども、働き方も変わっていきますと。そうすると、人に求められる能力というのは必ず変わってきますと。であれば、その人が、働き方が変わっていったことによって求められる能力が変わっていくことに対して、企業としてそれをちゃんと教育していきますかというところに対して、4割以上の従業員に対して教育しているかというところですと、グローバルだと82%なのが、ブラジルは結構低く68%になっていたと。社内で育てていくという人が7割ぐらいはあるんですけど、グローバルから見たら少ないと。じゃあ、十分新しいスキルを持った人が街中にいるのかなと、労働者マーケットにいるのかなというところいなった時に、ブラジルの経営者としてはそんなにいませんと。新しい技術を持った人を雇おうとすると難しいと答えているのが66%になっているというところでは、これはコンサルタント部会の話にもなったんですが、これからの企業さん、生き残っていくためには教育が非常に大事だと。国の教育ではすごい時間がかかると、20年、30年かかってくるという意味では、自ら企業さんが従業員を教育していくことが大事じゃないかと。それによって会社を強くしていくという中では、いまブラジルの企業の中では、教育をやってスキルの習得を予定しているというのは68%と他の国よりも少ないという意味では、日本企業さんは残念ながら結果がなかったんですけども、日本企業さんはやっぱり教育を大事にするかと思いますので、皆さんの会社でブラジル人の方に対して教育をやっていくというのは、今後皆さんの会社が強くなっていくための一つの方策かもしれないというふうに思ったところになります。

 ここで一応CEOのアウトルック調査について終わらせていただくんですが、それ以外にも実は、サイバーセキュリティの件とか、中国の一帯一路政策についてどう思うかとか、色々項目があったんですが、ご興味あればまた別途お話しさせていただければと思います。

 ここからちょっと視点を変えまして、コンサルタント部会の副部会長の今井さんの方からご提供いただいたデータになるんですけども、ブラジルに海外の会社が投資していく時にどういう手法を重要視していきますかという中の一つとして、JPモルガンが出している新興市場証券指標というのがありますと。これを見ていただくと、ルセフ大統領の政治混乱の時はリスクが上がっていましたというところが、直近ではだんだん下がってきていますと。どれぐらい下がっているのかなというところで、確かにブラジルがBRICsと言われたころよりはちょっと高いかもしれないんですけども、だんだん下がってきているという意味では、この指標だけ見ると、外資から見ると投資をしていくというのはもしかすると魅力的に映るかもしれないというふうな一つの指標になっております。

 続いてBOVESPA指標と海外直接投資というところなんですが、皆さんご存知の通りBOVESPAはどんどん価格が上がってきました。ただ、上がっていった中としては、国内の機関投資家とかの投資が多くて、海外からの投資は下がって行ったというところで、リスクとしては下がっているはずなのに、株式市場への投資というふうに見ていくと、国内機関投資家が増えて海外からは逃げて行っているという状況になっていったというところになります。

 ではブラジルの株式市場というものをですね、他の海外の市場と比べたらどうかというところになります。この点線で囲っておりますMDBとか、あと隣のYTBのところを見ていただければと思うんですが、どのぐらいブラジルの株式市場が価格が上がったか、時価が上がったかというところなんですが、時価の上がり方については、日本とか韓国、アジアは中々低いんですけども、ヨーロッパ、アメリカと比べるとブラジルの株価の上がり方というのはそんなに遜色ないのかなと。

 一方で、株を投資していく一つの指標として使われる、このPEと書かれているところなんですけども、株価収益率ですね。株価を一株当たり利益で割った時の指標がどうですかと。これ一般的に、14~20が適正数値だと言われています。そういう意味では、ブラジルは11.87、という意味では、株式市場としては投資するには魅力的、価格がちょっと安いふうに出ていると言えるのかなと。もしかすれば、リスクが高いからやっぱり株価が上がりきっていないというふうに言えるのかもしれないというところですね。ちなみにNasdaq、23.8とちょっと高めになっているんですが、Nasdaqはアメリカですけども、新興市場となっておりますので、どちらかというと期待高の銘柄が多いものですから、Nasdaqは通常一般的には高めの数値になると言われているところになります。

 そういうブラジルの株式市場ですけども、じゃあこの上期に上場した会社が何社ありましたかというところになります。残念ながらブラジルの上場した会社は2社しかありません。一つは、皆さん利用したことがあるかもしれませんが、スポーツ用品をやっているCENTAURO、ここが上場しました。もう一つが、一応民間の電力会社としては契約者数2番目を持つと言われておりますNEOENERGIAというところの2社しかブラジルの株式市場に新たに上場した会社はありませんでしたというところになります。

 今後ブラジルの株式市場に新しくどういうところが上場する予定をしていますかというところを少し調べたものになります。下3つはですね、Caixaが4つの民営化をすると言っているところの3つになるんですが、上から2つ目、3つ目ですね、ここのSmartFit、皆さん見たことがあると思うんですけども、フィットネスですね、今上場をねらっておりますし、あと、私個人的には使ったことがないんですが、このVivaraというジュエリーの会社ですね。私はお店の中にも入ったことがないんですが、一応旗艦店はモルンビーショッピングの中に入っていると言われていますが、そこも今後上場していこうということで、Vivaraについては既に上場申請書が出されていて、10月に上場を予定していると言われているところになります。それでもやっぱり数は中々ちょっと少ない感じになってくるんですが、じゃあこれを世界と比べたらどうかというところが次のスライドになります。

 グローバルのIPOの動向。特に今年2019年度はアメリカにおいてIPOバブルと言われております。実際件数もですね、6月までにアメリカ97件、日本もそれなりに多いんですが、日本は38件ということで、世界的にIPOの件数が非常に多くなっていると。どういうところが多かったかといいうところですけれども、多分皆さん大体名前を聞いたことがある、有名なところだと思うんですが、Beyond Meatですね。非常にこれについては上場の時から株価が非常に上がったところになります。あと、上場して投資家をがっかりさせた銘柄として代表株として言われるのがUberとLyftと。皆さんよく使われていると思うんですが、Uberについては結局、上場してもこの第2四半期も赤字でしたということで、Uberは一度も今まで黒になったことがないというところですけども、上場していると。

 で、今後ですね、一応上場されると期待されている会社名をこちら下に6つほど挙げさせていただきました。皆さん知っている会社ってありますでしょうか。多分有名なところではAIRBNBとかは有名だと思いますし、その下のWEWORKというところも皆さんご存知かと思うんですが、この中でですね、一つ色々調べていきますと、右側のRobin Hoodという会社があります。これ、モバイル株取引ということで、2013年に会社ができましたと。で、これ、最近資金調達をしましたと。この資金調達をした結果、どれぐらいの時価総額があったかとなってきますと、8200億でしたと。日本の会社の今株式市場に上がっている上場会社で8200億となってくると、どのような会社があるかというのを調べてみますと、大成建設さん、これが8251億円、日本の株式の中で151番目でした。この上に来るのが出光興産さんが8300億円ということで、たった6年でこのような会社の規模にも追いついてきているというような会社が今後上場してくる会社としてアメリカに控えていると。あとですね、この左側の一番上のPLANTIRというところについては、日本のOKWAVEという会社が実は出資をしているんですが、ここについては上場する時に、今410億ドルと言われておりますので、4兆5000億ぐらいの価値が出るんじゃないかというふうに言われておりまして、そういう意味では今後アメリカにおいては非常に上場株の期待も高いものがあると。ただ、今まで上場株の有望だと言われていたWEWORKについては、結局この第2四半期も赤字でしたということで、WEWORKって本当に価値があるのかというのはちょっと疑問点がつくというのが最近噂されているところになります。

 あと、株価収益率の比較というところで、先程言った株価収益率がアメリカとブラジルを比較してどうかというところです。これ、何を取ってきてあるかというと、ブラジル会社でアメリカに上場している会社の株価収益率を取ってきているものになります。結局、なぜアメリカに上場するのかというと、お金がすぐ回収しやすいからと言われているところを証明しているところになると思うんですが、PagSeguroについては株価収益率が36倍とか非常に高い率になっているんですが、ブラジルで上場している会社は一番高くても21倍というところで、やっぱりブラジルよりもアメリカで上場した方がお金という面では企業家にとっては良いと。ただアメリカで上場すると株主からのプレッシャーも高いですし、規制当局からの規制も厳しいというところで、そっちがあっても高いお金を取りにくるのか、まあそこまでではないブラジル市場に上場するのかというのは、これは企業家さんの判断かなというところになります。

 ブラジルのスタートアップ企業、今まで投資額というところで一例を見ていましたけども、ソフトバンクさん、最近よく言われていると思います。ソフトバンクさんの投資がありましたという中で、ソフトバンクさんが南米で50億ドルの投資をすると発表された後、ネットで色々調べた限り、今のところソフトバンクさん、合計で南米に投資している金額はRappiも入れて20億ドルぐらいだと思いますので、ソフトバンクさんまだ30億ドルぐらい投資できる枠を持っているというところになりますので、まだまだソフトバンクさんは盛んに投資してくるのではないかなというふうに個人的には思っているところになります。

 すみません、ちょっと時間がないので。時間があれば税制改正をお話ししようと思っていたんですが、飛ばさせていただきます。

 ブラジルにおけるスタートアップ企業、最近よく言われていると思うんですが、新しい企業形態ができていますというところを少しだけご紹介させていただければというふうに思います。

 今回ですね、どこの市場をお話しさせていただこうかなと考えました。よく言われるFinTechもあります。ブラジルなので農業系のAgritechもありますと。あと、それ以外にやはりHealthtechもあったりとか、あと2018年度からかなり注目を浴びてきている法律関係のLegaltechというのもありますと。そういうのがあったんですが、今回はRetailtechとEdTech、小売と教育のものについてピックアップさせてもらいました。他のところについてもしご興味があれば、今後のシンポジュームでお話しさせていただきますし、個人的にもお話しさせていただければというふうに思います。

 ではなんでこの二つを取ってきたかというところなんですが、Retailtech、小売ですね、Amazonが出てきましたと。実際Amazonを利用された方がAmazonのサービスはひどいと、こんな小売は伸びないということを仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、Amazonが本格進出で出てきましたと。あと奇しくも、昨日ですね、メキシコ駐在されている方はご存知かもしれないんですが、FEMSAというメキシコの大手の小売りが、ブラジルのシェルのガソリンスタンドを運営しているRaizenと組んでコンビニ事業をやっていきますということで、メキシコの会社が本格的にブラジルのコンビニ事業に入ってきたということもあって、こちら、小売りついては元々ブラジルはポテンシャルが高いと言われていた所はあったんですが、投資も実際起きてきているというところで挙げさせてもらったところになります。

 あとEdTechについては先程お話しさせてもらいましたけども、ブラジルで従業員さんに教育していくことが大事じゃないかと。これが企業さんにとって、今後企業の競争力を高めていく一つになるんじゃないかとお話しさせてもらいましたので、このEdTechについても取り上げさせてもらいましたというところになります。

 じゃあRetailtech、ブラジルは今Retailtechどんな感じかというところなんですが、会社数、調査の結果ですけども、FinTechは553社ということですが、Retailtechについては269社というところで、まだまだ小さいです。ただ、Retailtech、ポテンシャル高いと言われていたんですが、どれぐらい高いかと示すところとしては、やっぱりインターネットユーザーが非常に多いですよとか、eCommerceの占有率が4%しかないと。アメリカは10%だと。実際、このeCommerceの成長率を見た時には、ブラジルはこれは12%伸びましたと。伝統的なところは2%しか伸びていないというところについては、eCommerceについては非常に伸びていっている。あとブラジルでインターネットでものを購入する人は、皆さん既に購入されていると思うんですが、購入数量が増えていくというところでは、Retailtechというところについては非常に今後伸びていくことが期待されるんじゃないかというところになります。

 代表的な会社、どういうところがあるかと、実はこれいくつか用意しているんですけど、時間もないので割愛させていただければと思うんですが、一つだけご紹介させてもらうと、このWinwinという会社ですね。どういうものかというと、アプリを入れると、ショッピングモールとかどこか近くに行くとその近くの店舗にある割引券、クーポン券がぽこっと入ってきますというものをブラジル人が開発しましたと。アイデアとしてはポケモンGoから来ましたという意味では、日本人のアイデアがブラジルのスタートアップ会社によって利用されたというケースで、中々これ面白いケースだなというふうに思ったところになります。

 あとEdTtechですね。EdTechは今どういう市場になっているかというところですが、会社数については364社ありますと言われております。ただ、コーポレートビジネス、会社に特化したものについては8%しかなくて、初等教育がほとんどですというふうに言われているところになります。ただ、一応ブラジル、先程言いました、教育していくかという比率、グローバルからは低いんですがそれでも7割ぐらいあったという意味では、ブラジルの社員教育というのはやっていくということは、ブラジル人は考えているというところは一つ言えるのかなというふうに思います。そういう意味ではEdTechに対する期待値というのはブラジルでも非常に高いんじゃないかなと思うところになります。

 それでは、あとはスタートアップ企業との協業というところで、どういうところの協業があるかというのをいくつか紹介させてもらっているんですが、時間の関係で一つだけ紹介させていただくとですね、皆さん行ったことありますでしょうか、ブラジルにもAmazon Goのような無人店舗がありますと。最初は2017年にビトリアの方でできたんですけども、サンパウロには今年の3月にできました。私行ってきました。無人店舗なので、どうやってやるんだろうなと思って。アプリも何もダウンロードしないで行ってしまったがためなんですが、お店の前でQRコードを読み取ったら、クレジットカード番号もそこで入れないと当然入れないんですけども、お店の前で携帯を持ってクレジットカードを持って立つのはちょっと勇気がなかったので中には入らなかったんですけども、一応ブラジルにはこうやって無人店舗ができている。実際Amazonn Go、アメリカには今13店舗、将来的には何百店舗も広げていこうとなっているかと思うんですが、Carrefourもこういう試みを今始めているというところで、新しいビジネス形態がどんどんブラジルには出てきているということが一つ言えるのかなというところになります。

 あと、EdTechのところもですね、インターネットを使って教育をやっていくというところについて今非常に盛んになっているというケースがこちらになるというところです。

 最後ですね、それ以外の分野でも非常に色々と、新興企業と伝統的な企業が組んでやっているビジネスがありますというところの紹介になります。特にVale、ダムの事故があったと思うんですが、そのダムを使わずして選鉱できる技術の会社、Newsteelというのがあるのを、そこを買収していると。それが本当にうまくいくと、Valeのああいうような事故は将来なくなるかもしれないというところで、そういう意味では、先程言った七転び八起きではないんですけども、何か壁に当たった時に打ち破る一つの手としてこういう会社があるのかなというふうに思ったところになります。

 最後にというところなんですが、基本的には景気の波がありますと。景気の波にブラジルをあてはめると、こちらですね、株価は上がってきている、景気回復の途中にあるんじゃないかと。そういう意味では、アメリカはもうかなり株価も上がりすぎていて、景気も好調だと言われているのであれば、今後ブラジルはアメリカに向かっていく可能性もあるんじゃないか、という意味では、非常に苦しい時かもしれないんですが、新しいビジネスも起きているこのブラジルにおいては、皆さんの努力によって今後さらに皆さんの会社が伸びていく可能性もあるんじゃないかというところになります。

 以上、駆け足になったんですが、私の方のセミナーは終了させていただきます。

司会

 ありがとうございました。ご質問よろしいでしょうか。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、吉田部会長たいへんありがとうございました。時間がないと何回も仰っていただいて、税制改革の説明を飛ばしてでもスタートアップ投資の話をされたということで、ブラジルもずいぶん変わってきたなというふうに、それだけ興味のある話題だったんじゃないかなというふうに思います。ありがとうございます。今ですね、3時30分でございます。予定3時15分でしたけど、15分遅れではございますけど、まあ根拠はないですが帳尻はたぶん合うと思いますので、予定通り15分間休憩をとらせていただきます。3時45分にこちらにお戻りいただければと思います。吉田部会長たいへんありがとうございました。

 

コーヒーブレイク

 

後半の部

司会 大久保敦 企画戦略委員長

                               

 時間になりましたので、これより業種別シンポジュームの後半に入りたいと思います。私、後半の司会を務めさせていただきます企画戦略委員長の大久保でございます。Jetroサンパウロ事務所の大久保でございます。よろしくお願いいたします。それでは、早速ですね、化学品部会の発表から入りたいと思います。村松部会長より発表をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

化学品部会

村松正美 部会長

                  

 皆さんこんにちは。化学品部会部会長を務めます、パイロットペンの村松と申します。本日は余計な事はさておいて、化学品部会のアンケートの調査の内容についてご説明したいと思います。

 式次第にのっとりまして、化学品部会、8つの市場がございますが、それを6つの市場に決めまして発表したいと思います。それと、まとめ。最後に副題、内外の環境変化にどう対応するかということを発表していきたいと思います。

 化学品部会所属企業・団体は全部で75社ございます。アンケートに協力いただきました企業・団体は21社で、そのうち工場保有が10社ございます。アンケートにつきましては、8つの市場の売上と利益をそれぞれ、増加、不変、減少の3つの表現で回答いただきました。ただし、増加、減少につきましては、どのぐらいの増加なのか、どのぐらいの減少なのかについては細かい資料はございません。表現として増加、不変、減少の3つで表現しております。

 それでは、その8つの市場はどんなものかと申しますと、一つは輸送関連、自動車、二輪車など。ヘルスケア関連、食品、化粧品、医療品など。それと農業関連、農薬、飼料、酵素など。そして印刷関連、インキ、製紙など。機器関連、電気電子、医療など。それとコンシューマを対象とした筆記具、接着剤、潤滑剤など。それと建設関連、服飾関連となって、8つの市場がございます。本日はこれから6つの市場をとらえまして、状況をご報告いたします。アンケートの総数は40件でありました。

 それでは、8つの全ての市場、2019年上期の振り返りを見ていきたいと思います。売上で22.5%が増加と答えられております。悪くなっていない、不変を含めますと67.5%。利益は、増加と答えられたのは8%。不変を含めますと全体で55%と回答を得ております。

 それでは下期、どうなるんだろう、どう臨みたいというところにおきましては、47.5%が売上の増加を見込んでおりまして、不変を含めると85%が回復を望んでいるというデータが入っております。利益は37.5%が増加と見込み、不変を合わせまして85%と回答を得ております。データから直接読み取ることはできませんが、細かい各会社のデータを見ますと、下期、楽観的な見方はまだできないのかなというような感じを受けております。

 それでは市場ごとに、上期どうであったか、下期どうなるだろうというところをご説明したいと思います。

 まず輸送関連。自動車、二輪などですが、用途は内外装のプラスチック部品、エンジン用シール材、樹脂添加剤などとなっております。売上が増加したと答えられたのは15.4%と低く、不変をあわせて約70%、69.2%の回答を得ております。輸送関連では、皆さんもご存知のように、アルゼンチンの景気後退などで市場が低迷しているという回答を得ております。利益面でも、増加が15.4%、不変を含めますと61.5%の回答を得ております。売上の減少の主な要因は、やはり先程申しましたアルゼンチン向けの輸出の不調、あるいは新モデルへの展開がなかった、あるいは価格競争が激化しているよという回答を得ております。

 それでは下期どうなるんだろうと、どうしたいというところを含めまして、発表いたします。下期では売上増が増えて、不変が減っております。売上増は25%、不変を含めると69.2%、約70%。わずかに復調は望んでいるという状況になっております。利益面では23%が増加と見込み、不変を含めると84.5%と、維持が増えると見込んだというデータが入っております。自動車分野では売上増の原因に挙げられたのは、下期新規採用があるだろうと、増加するだろうと見込み、新規採用に期待するとしたデータと、あるいは新規メーカーへの拡販もねらっているよというようなデータもいただいております。逆にマイナス面におきましては、やはり輸出市場の回復の遅れ、あるいはエタノール市場の下落、さらにはますます激化する価格競争、これが予測されるというようなデータをいただいております。

 続きましてヘルスケア関連。食品、化粧品、医療品など。用途は食品添加剤、包装フィルム、改装着色剤、それと一般医薬品などとなっております。まず上期はどうであったかといいますと、売上が増加したと答えられたのは42.9%の回答を得ております。ヘルスケアでは商品が健康志向ニーズが増加したと、こういうことを挙げておりまして、また化粧品市場は非常に堅調であったと、需要が堅調であったと回答を得ております。利益面では増加が28.6%の回答を得ております。逆に、やはりアルゼンチン向け輸出の減少や、原材料の高騰、これによって利益が減ったということが言われております。また、ヘルスケア関連でも価格競争が厳しくなっているということも挙げられております。

 下期展望では、売上増加が75.4%と高くなっております。不変を含めますと85.7%。市場回復の望みを強めているという状況が見て取れます。利益面では42.9%が増加と見込み、不変を含めますと85.7%と、さらなる回復を見込んでいるというデータが上がっております。売上が増えたその要因に挙げられたのが、国内需要の堅調、また健康志向ニーズのさらなる増加、それと新規取引先の開拓も進めているよというような話をいただいております。逆にマイナス面では、やはりアルゼンチン向けの輸出の減少、あるいは原材料の高騰といったことが挙げられ、厳しい面ものぞかせております。

 次に農業関連。農薬、飼料、酵素などであります。用途は殺虫剤、殺菌、除草剤、飼料添加剤などとなっております。まず上期の回顧ですが、売上が増加したと答えられたのが50%であり、不変を含めると62.5%でありました。農業関連では顕著な伸びがあったということでデータをいただいております。反面、ジェネリック攻勢や、中国製品の供給不足、あるいは高騰といったことが挙げられております。売上増の主な要因は、やはり好調な農業生産、ここにきての大豆の需要の拡大、綿の作付面積の拡大といったことが売上増になったという回答を得ております。利益面では37.5%が増加と回答を得ております。

 それでは下期どうなるんだろうと。展望におきましては、売上増加が62.5%、上期を上回る予測をしております。不変を含めますと87.5%と、さらなる市場の回復の期待を強めているというデータが上がっております。利益面では50%が増加と見込み、不変を含めますと87.5%と、期待を大きく寄せているというデータが上がっております。売上増の要因に挙げられたのが、大豆需要、好調な農業生産、あるいは綿の作付面積拡大を期待といったことや、ソフト面では農薬審査登録処理の若干の短縮が好材料として、期待として挙げられているという情報もあります。反面、やはりジェネリック品の激化が予測され、価格競争もさらなる厳しさが出るとも予測されております。

 続きまして印刷関連。インキ、製紙など。用途は出版、パッケージ用インキ、印画紙などとなっています。上期の回顧につきましては、売上増加したと答えられたのは残念ながらなく、安定需要があったとして不変が75%を占めたという状況です。反面、やはりマイナス面は価格競争も厳しいよと、ここでもそのようなデータが上がっている。あるいは原材料の高騰が挙げられております。利益面では50%が減少として回答があり、非常に厳しさを浮き彫りにしております。

 下期の展望では、売上増加が50%と回答があり、不変を含めますと100%と、市場回復の期待を強めております。利益面では50%が増加と見込み、不変を含めますと75%と、これもまた期待を高く寄せているという状況であります。売上増の要因に挙げられたのが、販売品目の増加や新規案件の増加、売上実施を検討しているといったような内容の回答が寄せられております。反面、価格競争のさらなる激化、これが予測されると回答が寄せられております。

 続きまして機器関連。電気・電子機器、医療機器などであります。用途は眼科治療用デバイス、あるいは透析装置、外装部などとなっております。まず2019年の上期の回顧ですが、売上が増加したと回答したのはゼロで、厳しさが伝わる内容になっております。不変を含めますと75%。状況は変わらなかったというデータであります。利益面では売上と同じく厳しく、マイナス面ではドイツ、アジアメーカーとの競争の激しさが増えたこと、あるいは人件費高騰があったよということで、市場の回復の遅れを指摘しております。

 それでは下期の展望につきましては、売上が25%で、不変を含めると100%というデータがあり、市場の回復の期待を強めているということであります。利益面では25%が増加と見込み、期待を大きく寄せているというデータになっております。売上増の要因に挙げられたのは、競争力のある価格づくり、あるいはテクニカル営業強化を急ぐとしております。反面、上期と同じように、ドイツ、アジアメーカーの動向が非常に気になるという回答も上がっております。やはり、価格競争もさらに激化するだろうというようなデータも上がっております。

 次にコンシューマ。お客さん相手の筆記具、接着剤、潤滑剤などであります。用途は個人用筆記具、あるいはビジョンケア材料となっております。まず上期どうであったかと申しますと、売上が増加したという回答は残念ながら得られず、不変であったという厳しい回答が寄せられております。利益面では50%が増加、50%は減少と、分かれたデータになっております。マイナス面は市場の減少や購買力の低下が挙げられております。また、その一因として安価なインドや中国製品の攻勢が強まり、さらにコストダウン対応が迫られているという状況が伝えられております。

 それでは2019年の下期、その展望はどうであるかというと、売上増加が50%と回答があり、不変を含めると100%ということで、市場回復の期待を強めているというデータが上がっております。利益面でも50%が増加と、強い回復見込みを期待しているというデータが寄せられたということであります。売上増の要因に挙げられたのは、一つには新規製品の投入、機械化によるコストダウン対策、これをやっていこうということであります。反面、市場の減少や購買力減少はこのまま続くんだろうというデータが上がっております。また、中国製品の動向と価格競争の激化を懸念しているというデータも上がっております。

 それでは化学品部会の全体を見てみますと、上期と下期、それぞれやはり業種によっては好調なものもあれば、回復の遅れ、あるいは下期においては農業関連は好調維持といったデータが上がっておりますが、全体的にはやはり楽観的な見方はできないかもしれないという状況のデータが上がっております。脅威といたしましては、やはりジェネリック品の攻勢、それと中国、インドの安価製品の台頭というようなデータも上がっているということであります。その対策として、下期にやはり新製品の拡販をやっていきたい、ニッチ市場の開拓をしたい、営業強化、取引先の開拓といったものが挙げられております。

 続きまして副題、内外の環境にどう対応するかということにつきまして、各企業から挙げられた関心事としてまとめてみました。

 まず、農薬登録審査の短縮ということで、許認可プロセスの簡素化あるいは敏速化を望むということで、関心事として寄せられました。最近は若干スピードが上がったというようなお話も聞いておりますが、やはりさらなる改善が必要だというふうに関心事として寄せられております。

 続きまして、規制緩和。これは一つには広告表現の規制緩和を求めると。具体的には一般医療品の販売の広告規制において、世界的に見て非常に厳しいと。ここをグローバルレベルまで緩和を期待したいという関心事が寄せられております。その中に、広告表現の規制緩和として、タレントの起用なども考えているよというような関心事を寄せられたということです。

 それと、もう既に皆様ご存知の、年金・税制改革の動向はどうなるのかと。それと、物流需要の増加を期待しているよということで、それぞれの関心事が挙げられて、ちょっとまとまりがつきませんが、副題として列挙させていただきました。

 以上で化学品部会の発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

司会

 村松部会長どうもありがとうございました。全体としては、まあ色々業種によって違いはありますけれども、2019年下期というのは、楽観はできないけど上期よりは良くなったということで、若干アルゼンチンの動きとかですね、足を引っ張る動きがありますけれども、やはりヘルスケアですとか、農業が良いと言われていましたね。それからあとはヘルスケア等ですね、内需関連は比較的いいんじゃないかと、そういった印象を受けました。脅威としては、ジェネリック品の攻勢とか価格競争ということで、新製品拡販や市場開拓、営業強化、取引先の開拓といったところが課題としてあって、あと内外環境の変化への対応として、まあ去年も出ていましたけどね、農薬登録の審査を短縮するということ、これ今回初めて出ていましたけど規制緩和ということで、広告規制の緩和というのは今回初めて出た動きだったかと思います。

村松部会長

 まだ世界レベルより厳しいという回答をいただいております。

司会

 それから年金・税制改革の動向ということで、ちょっとコンサルタント部会で時間がなくて省略されましたけど、関心があるということかと思います。以上の発表につきましてご質問のある方、挙手をお願いできればと思います。いかがでしょうか。では、質問ないようですので、化学品部会の発表は以上とさせていただきます。もう一度盛大な拍手をお願いいたします。

 それでは、引き続きまして電機・情報通信部会の発表に移りたいと思います。電機・情報通信部会は、今年の6月ですか、電気電子部会から名称を変更しまして、運輸サービス部会の情報通信の企業さんが電気電子部会の方に入られて、名称が電機・情報通信部会ということになっておりますので、また新しい内容の発表になるかと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、小渕部会長代理ですね、発表をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

電機・情報通信部会

小渕洋 部会長代理

                  

 ただ今ご紹介に預かりました、小渕と申します。私どもの部会はですね、電気電子部会と称しておりましたが、今大久保さんから仰っていただいた通り、この6月より電機・情報通信部会と部会名を変えさせていただきまして、部会長はNECの髙田でございますが、本日は都合がつかず、誠に申し訳ございません。私NECの小渕と申しますが、代理でプレゼンさせていただきたいと思います。あとですね、大久保さんの方からご紹介がなかったので、新しい部会の名称、前の電気電子の気は気体、gasの気だったんですけど、機械、machineの機に変わりましたので、こちらもあわせて新しい部会名、よろしくお願い申し上げます。

 まず、最初に部会の中のアンケート結果の方からご報告申し上げさせていただきたいと思います。今年の2月の時点で2019年のですね、通年の展望をさせていただきました。その展望と比べて、今回の半年経ったところのアンケートではですね、部会の中の販売動向が改善すると回答いただいた企業の割合が残念ながら減ってしまったという状況でございまして、維持ないしは悪化という回答をいただいた企業の割合が少々増加してしまっていると、こういうのが上半期終わったところのアンケート結果でございます。

 このアンケートの結果はですね、3つぐらい理由が挙げられると思うのですが、販売動向改善が少なくなってしまったアンケートの結果としては、まず一番目に、年初に期待していたほどブラジルの景気が回復しなかった。それから2番目に、レアル安の価格をですね、国内の販売・サービスの価格に転嫁できないという環境が続いているということと、それから3つ目に、隣のアルゼンチンの経済危機が、ブラジルから対アルゼンチンビジネスをやっておられる企業が多いのですが、そのビジネスに隣の国のビジネス環境が影響してしまった、というふうにして私ども分析をしております。

 また、このアンケートでコメントが多数あったことをちょっといくつかお話しさせていただきたいのですが、一つ目が、日本とメルコスールのEPAの早期締結への期待、これがまず一つ目。それから、2番目に韓国ないしはEUとメルコスールのFTAが進捗の状況、これについてのコメントが多数ございました。韓国やEUとですね、メルコスールのFTAが先行してしまいますと、日本企業はメルコスール域内でビジネスの環境で非常に不利になるということでございますので、日本とメルコスールのEPAの早期締結が急務だという意見が非常に、まあご想像の通りだと思いますが、非常に多かったということをここで述べさせていただきたいと思います。また、あと皆様もご注目されていらっしゃると思いますけども、ブラジルの年金改革、それから税制改革の動向ですね、これも当然ながら国内の景気に大きな影響を与えるというふうに判断を我々も、している部会の会員企業が多くてですね、引き続き当部会内でもモニタリング、注目していきたいと、こういうアンケートのコメントが多かったということでございます。

 次にですね、当部会の業界の動向について触れさせていただければと思います。まずはですね、ブラジルの国内のセルラー、携帯電話の回線契約数、ちょっとこれについて触れさせていただければと思います。ブラジルの携帯電話回線の契約数は、総数でですね、約2億3000万回線でございます。これはですね、ほぼ世界の人口に比例するのですけど、1番が中国、それからインド、アメリカ、インドネシア、続いて世界第5位がブラジルであると、こういう回線数になっております。

 左のグラフでございますけど、ブラジル国内のVivo社が7000万回線以上で1位を誇っていると。ClaroとTIMが6000万回線で激しい2位争いを演じているという状況でございまして、その下のグラフ、左の一番下がこれが民事再生中のOiでございますけれども、4000万回線弱ですね、ということで大きく差が開いているということでございます。

 それから右のグラフはですね、これは4Gの回線契約数でございますけど、ブラジルでは第4世代と呼ばれる4Gのですね、回線が急に普及してきていると。各社の契約数はここ2、3年で増加が急になっている。グラフで見ていただくと分かる通りでございまして、大体ですね、ブラジル国内のセルラー、携帯電話の契約の約半分、ざっくり半分がいわゆる4G、第4世代に移行していると、こういう姿になっているということでございます。

 巷では5G、5Gと言われているのに、前のページで言ったようにようやく半分4Gになってきたというのがブラジルなんですが、世界全体に目をちょっとここで転じさせていただくと、皆さんご存知の通り第5世代、いわゆる5Gと呼ばれているサービスが段階的、少しずつではあるんですけどスタートしています。というのが他の国、先進国の状況でございます。4Gから5Gになると通信速度が大体100倍に上がると言われております。それから同時にですね、接続できる端末の数がかなり増加するということと、我々が色んな端末を見て行って応答で感じる速度も約10倍以上に向上すると。これが4から5になると起こる現象だと言われていて、別の言葉で言うと、光ファイバーだとか有線とですね、そんなに遜色のない通信がこのモバイルの世界でも可能になると言われて、世界が劇的に変わりますよと、IoTとかそういう世界などで画期的な変化が5Gになると起きると言われています。

 今年の4月3日にですね、アメリカと韓国で、両国が競うような形で世界最初の5Gの商用サービスが、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、スタートされました。ただしですね、速度も対象地域も限定的でございますので、今後、もっと、出てくるスピードとかエリア、そういったものが拡大、増加していくということで、まだ5Gも始まったばかりだというふうにご理解頂ければよろしいかなと思います。では日本ではどうかということでございますが、日本での5Gですけども、今年の夏、日本の夏、キャリア各社が順次5Gのプレサービスを開始して、来年の東京オリンピックまでに商用の5Gサービスを開始したいということで予定していると、こんな状況が日本でございます。

 ひるがえってブラジルでございますけども、ブラジルでの5G対応ですが、先月ちょうど5Gに関する意見公募というのが実施されまして、来年3月には通信事業者向けのですね、5Gの周波数割り当ての入札が行われるという予定でございます。ちょうどそういう5Gに関する動きがブラジルでも起きたということで、来年に周波数の割り当てが入札されると、こんな状況でございます。あとブラジルではですね、中国企業のファーウェイが5Gの基地局、これは5Gになると基地局をたくさん作らないといけないんですけども、その製造工場の建設のためにブラジルに8億ドル規模の投資をすると発表しています。なので、今後本当にそれが実現していくのか、実行されるのかというところを注目したいなというに考えている次第でございます。

 携帯の話はちょっとやめまして、次、固定回線ですね。固定回線の方の契約数について触れさせていただければと思います。ブラジル国内の固定電話の回線契約数は、これ左のグラフですが、日本と同じに減少傾向、やや減少傾向ですと。それから、右のブロードバンド回線、これはインターネット回線でございますけど、これは逆に増加傾向にあるということでございます。固定回線が減少している一方で、ブロードバンドの回線は増えていると、こういうことでございまして、大手のですね、ブラジル国内の通信事業者には大きな変化はないんですが、一方でこのインターネット回線のブロードバンドの方は中小規模のプロバイダの会社、このOthersという灰色のところのグラフがぐわっと伸びているんですけど、こういったところ、例えばブラジルでいうとAlgar社とか、そういった企業が契約数を伸ばしてきていると、こういう姿が展開しています。

 次のページに行かせていただきます。これは携帯・固定通信事業のですね、企業の売上推移でございます。売上に目を向けますと、業界全体でみるとですね、携帯、固定どちらもほぼ、ざっくりですけど横ばいに推移しているところです。ただし、民事再生中のOi、第4位のOi社の売上は低下してしまっていると、こういうのが構図でございます。

 次にですね、ITデバイスの売上に触れさせていただきます。携帯電話、いわゆるガラケーですね、それだとかあとはPC、パソコンの売上は減少傾向です。一方で、まあ皆さんご想像もされてて実感もあるかなと思いますけど、いわゆるスマホ、それからタブレット、こういったITデバイスの売上は引き続き増加していいると、こういうマーケットでございます。

 通信インフラですね。右の通信インフラ関係への投資を見ますと、通信事業者のネットワーク投資、これが引き続き上昇をかなりしているということと、それから先程も触れさせていただきました、来年以降の5Gですね、第5世代の5Gのインフラの投資が来年以降始まれば、さらに通信事業者の投資が高まっていくんじゃないかなと、こう期待している次第でございます。一方でですね、世界のネットワークインフラの投資トレンドは、通信機器のハードウェアからクラウドに移行してコストを抑えようというこういう動きもございますので、ブラジル通信事業者が今後どういったですね、選択をしていくか、どういうふうに推移していくか、この点でも注目をしているということを触れさせていただきました。

 次にですね、ブラジルのITサービスとかソフトの支出の傾向という切り口で見させていただきますと、IT関連のコンサルですね、どうやって設計していくかというコンサルだとか、実際にそれを設置していくインプリメンテーション、それから、いわゆるマネジメントクラウドサービスとかのサービスへの支出は非常に、グラフを見ていただくと分かる通り、これも増加しているということで、中でもIT関係のコンサル、それからマネジメントクラウドへの支出は今後さらに増加するというふうに見ております。それから、ソフトウェアがありまして、これは経営管理ソフトへの支出、例えばここにも書いてあるんですけど、ERP、これはエンタープライズ・リソース・プランニングだとか、SCM、サプライ・チェーン・マネジメントとかのこういった経営管理ソフトですね。経営管理系のソフトというのも投資が各企業さんはしてきていて、これも今後伸びていくんじゃないかというふうに予測しています。

 次に、テレビをはじめとしました家電の方について触れさせていただきます。

 テレビはですね、昨年のワールドカップロシア大会、この特需がございましたので、去年販売台数が非常に伸びました。それから、ワールドカップ以降もですね、昨年度並みの水準をこのテレビは例えば維持していたんですが、今年の4月ぐらいに入ってから減速してきているという傾向が残念ながら見られているという状況でございます。それからオーディオですけども、オーディオは逆にワールドカップ大会以降にマーケットが回復してきて、以降横ばいで推移してきたという動きがありました。あと製品の中の特色でいくと、スリーボックス型といったやつ、本体があってスピーカーが別々にある、これをスリーボックス型というんですけども、そういったオーディオの販売台数は減少しているんですけど、いわゆるワンボックス、一体型になっているものについては引き続きブラジルでは好調になっているという様相を呈しております。

 ちょっと切り口を変えまして、マナウスフリーゾーン、Zona Franca de Manausについてちょっと、業界の中でこういった意見が出てきたので、触れさせていただく次第です。

 連日のようにですね、韓国とかEUとメルコスールのFTAの報道がされております。これらFTAが韓国とかEUの方で先行して発効してしまいますと、このマナウスのフリーゾーンで工場を持って作っておられる企業のメリットが非常に少なくなってしまうと。高い国内のロジコストの分が不利になってしまうのではないかという声がかなり出てきています。マナウスフリーゾーンがですね、さらに発展ないしは維持していくためにはインセンティブが不可欠なわけでございますけども、ボルソナロ政権が今やろうとしている年金改革に続く次の重要な施策である税制改革と、このマナウスのフリーゾーンへのインセンティブをどういうふうに、この税制改革とフリーゾーンへのインセンティブを併存、共存させていくのかというのがキーになるかなというふうに我々見ている次第でございます。

 それから、じゃあ具体的にブラジル、ボルソナロ政権がこのフリーゾーンに対してどういうふうに発言しているかということでございますけれども、先日、この税制恩典、それからインセンティブは非常に重要だというふうにコメントしていたこともございますので、今後それが具体的にですね、どういうふうになっていくのかということに引き続き着目していきたいというふうに考えている次第です。

 次ですね。韓国とメルコスールのFTAです。昨年9月から韓国とメルコスールの間でFTA交渉がご存知の通り進められています。この交渉はおそらく来年の中頃に終了をするかなという見通しでございますが、そうしますと例えばSamsungだとかLGのですね、韓国メーカーがウォン安を前面に出した低価格販売攻勢、これを展開し、さらにしてきて、シェアを伸ばしてくるんじゃないかということでございますので、韓国とのFTAが締結されますと電子製品、それから自動車およびその部品も当然そうだと思いますが、さらに安く韓国から輸入されることになり、ますます韓国勢が勢いづくということになるかと思いますので、早期の日本とメルコスールの間のEPAの締結が急務というのがアンケートでも非常に多かったということでございます。

 それから、すみません、また違う話題で、米中関係の影響がこの中南米に、ブラジルを含む中南米にどういうふうになるかと、ちょっとこれについて触れさせていただきます。

 米中関係、悪化していますと。中南米は基本的には親米路線をとっているということではあると思うんですが、一方でですね、中南米にとっては中国は非常に重要なパートナーだということもあり、関係が強化しているように見えています。例えば、中国の通信機器メーカーである、ファーウエイと同じような会社であるZTEという企業がありますが、それはですね、アルゼンチンのサンサルバドール市から市の中の監視システムを既に受注して、導入をしております。この中国のZTE社はですね、たびたび報道にも出てきますけど、ウイグル地区の監視システムにも関わっているということでですね、情報セキュリティの面から米国政府がこのアルゼンチンの案件に懸念を示しているというようなこともみられるということですね。

 それからあと、アメリカによる禁輸措置問題で今話題になっている中国のファーウェイですけども、先程述べさせていただいた5G、第5世代の関連のプロジェクトから、中国のファーウェイの締め出しをブラジル政府としては行わないというのをですね、先日ブラジルのアミルトン・モウラン副大統領は発表したということもありますので、親米路線はとっている中南米ではある一方、中国はビジネス上の重要なパートナーとして排除していないということが起こっているということをちょっと触れさせていただきます。

 中国勢が中南米においてこういった営業活動を強化しておりますので、今後日本勢も官民一体となって、ブラジル政府筋とのですね、関係構築を引き続き行っていきたいなと、行う必要があるというふうに我々認識しております。

 最後のページになります。最後に要望について触れさせていただきたいと思います。

 日本とメルコスールの間の、これも繰り返しになっていますけども、日本とメルコスールの間のEPA締結の促進、これをぜひお願いしたいなということと同時にですね、ライバルでございます韓国、それからEUとメルコスールの間のFTAの進捗のモニタリングを引き続きお願いして、引き続き情報をいただければなというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。

 それから、隣のアルゼンチン市場ですね。ブラジルからビジネスを行っている企業もたくさんございますので、アルゼンチンはこの間予備選があって厳しい状況だというふうに認識しておりますので、今後もこの大統領選挙の動向も含めて、引き続きアルゼンチンの政治経済動向をウォッチして、それから情報をご共有いただければなというのがご要望事項、お願いになります。

 それから、最後になりますが、中国・韓国勢の、繰り返しになりますがアグレッシブな動きがございますので、これに対応するためにですね、日本勢も一体になって活動を引き続きしていきたいというふうに考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 以上になります。ありがとうございました。

司会

 小渕様、どうもありがとうございました。ただ今のプレゼンにつきましてご質問のある方、挙手をお願いできればと思います。いかがでしょうか。

小渕部会長代理

 私この部会に移って日が浅い、一部の方は分かっていらっしゃると思いますけど、あまり難しい質問をされるとですね、商工会議所さん経由でご回答させていただきますとなるかもしれませんが、お手柔らかにお願い出来ればと思います。

司会

 じゃあ、特にいじめたいという方はいらっしゃらないようなので。一応、小渕様のプレゼンですね、若干増加・維持が割合が減ったということですけれども、テレビなんですかね、そこはですね。この部会、電気電子部会の時には、日本・メルコスールのEPAというのはですね、だんだん回数を追うごとにですね、声が強くなってきたかなという印象がございます。その影響というのはやっぱり韓国・メルコスールのEPAの交渉が来年半ばに合意するのではないかといった懸念と、あとEU・メルコスール、まあフィリップスですかね、そういった競合が激化する懸念があるといったことなのかなというふうに考えております。また、アルゼンチンの動きのモニタリングという話がございましたけれども、ちょっとここはですね、対応していきたいと思っておりましてですね、来月、9月の17日にですね、アルゼンチンセミナーをですね、商工会議所の方でやりたいと思っております。うちの紀井所長がこっちに来ると言っておりますので、ちょっとセミナーをお願いしたいと思っておりますので、ぜひ参加をいただければと思います。あといろいろ宿題も他にいただいておりますので、この辺はですね、商工会議所、それから大使館様、それから総領事館様と色々話し合いながらですね、前向きに検討できればというふうに考えておりますので、ご協力を今後よろしくお願いできればと思います。以上、盛大な拍手をもってですね、終了したいと思います。ありがとうございます。

 引き続きまして食品部会の発表に移ります。佐々木部会長より発表をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

食品部会

佐々木達哉 部会長

                   

今年の7月から前任の黒崎に代わりまして食品部会長を拝命いたしました、ブラジル味の素の佐々木でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。夕方も大分遅くなって参りましたので、食品部会は分かりやすい身近な事例を多めに入れるスライドで対応しておりますので、ぜひお楽しみいただければというふうに思います。

 まず発表内容ですが、このような形になっておりまして、前半に会員の企業様からいただいたアンケート結果ですとか声に基づいたまとめ、それから最後に副題ということで、内外の環境変化にどう対応するかということについてお話しをいたします。

 こちらが食品部会の会員の企業様でございます。左の方の箱が食品部会を主登録にされているところで17社。それ以外にサブ登録ということで、他の部会に入っていらっしゃいながら食品部会にも登録いただいている会社さんが42社ということでございます。グレーになっている会社様から今回、アンケートであったり資料の提出を頂戴したということでありますので、ご紹介をさせていただきます。

 まず市場および会員企業状況ということでございますが、小売市場ということで、食品部会、小売の状況と非常に密接な関係があるわけでございます。2016年以降の回復基調が19年も継続ということでありますが、流通の動向というところに少し変化が起きておりまして、いわゆる一般のスーパーマーケットのところが少し伸びが鈍い、止まっているという一方で、キャッシュアンドキャリーという大型の業務用スーパーの業態、ロードサイド等でC&Cと書いた看板をご覧になる方も多いと思いますけども、この部分が伸びてきております。これは統計上もこういうデータが出ておりますし、各社様からの状況の報告の中でもこういう実感があるという声を多くいただいておりまして、このところが大きな変化なのかなというふうに思います。キャッシュアンドキャリーの形態は日本でもありますけれども、総じて、業務用の商品とかも含めて販売をしておって、単価が安いという傾向がありますので、ここが特徴の一つということになります。

 また、外食の市場については安定して拡大傾向が続いているということで、市場統計等を見ると、景気動向が悪いので、外食を控えて内食にというようなデータも一部見られますけれども、大きなトレンドとしては外食の拡大傾向は続いているというふうにみてよいのかなと考えております。

 これから2枚ですが、会員企業様からいただいた、それぞれの所属する業界の市場の動向と会員企業様の状況ということであります。調味料、醤油、酒類、コーヒー、チョコレート、即席めんといったのがまずこのスライドでございまして、やはり全体的に家庭用の商品の状況は微減もしくは横ばいというところがある中で、先程触れましたキャッシュアンドキャリーのところが伸びているという声もいただいておりますし、あとは、後ほど出てまいりますけども、いわゆる二極化といって、プレミアムをお求めになるお客様と低価格をお求めになるお客様が完全に分かれてきているということ。これはブラジルだけではなくて、グローバルでこういう傾向に食品はありますけれども、このブラジルにおいてもそういう傾向が出てきていると。後ほど事例をご紹介いたしますけれども、こういったところが目立つところかなと。

 それからコーヒーにつきましては、国内の市場拡大中。また、原料のコーヒーの生豆の豊作が続いておりまして、相場も低位で推移ということで、前半のパートの中の商業統計のところでもご紹介ございましたけれども、コーヒーについては非常に、輸出のインスタントコーヒーも国際的に競争力が維持できているという状況であるということでございます。

 それから二つ目ですけども、乳酸菌飲料、外食、農産加工、B to Bの素材、あるいは関連業種ということで、こちらからも動向をいただいております。この中でいくつかキーワードとして挙げておりますけれども、これも先程のプレゼンにございましたが、いわゆるナチュラル志向といったトレンドに対して、非常に根強い、もしくはきわめて強い志向の伸びというものを感じるというところが出てきておりまして、これも今後の大きなトレンドの一つであろうというふうに実感をしております。これもブラジルだけということではなくて、グローバルにほぼ同じ状況になっておりまして、ここは非常に食品にとっては大きな変化というふうに私自身も考えております。

 これからのキーワードということで、市場の今後というふうになりますけども、3つ挙げております社会保障制度改革等、政権の運営の行方次第ではありますけれども、景気全体は回復基調にあり、今後も緩やかな成長は期待できるのではないかというような声が多かったと思います。一方でやはり先行きの不透明感というものは残っているのも事実で、企業としてはこういったところへの変化への対応は必須であると状況としてはあまり変わらないということと、ライフスタイルの変化に伴いまして、お客様、消費者のニーズに新たな変化が来ているということで、品質へのこだわり、あるいは健康志向、ナチュラル志向、あと二極化といったようなところがトレンドとしてかなり出てきているのかなと感じております。

 この環境変化への備えということで、会員企業様の事例でありますけれども、まずは景況感の変化に対応できる基礎体力の強化ということで、現場の創意工夫による継続的なコストダウン、あるいはキャッシュフローの管理等というところに非常に注目が集まってきていること。あと為替変動への対応については、これまでもこういうふうに取り組んでおりますけれども、やはり為替感度を高めて状況を常に分析するというようなことが必要であろうということ。あとは、3番目に挙げておりますけれども、表示規制や税制変更への備えということで、ここについては次のスライドでも紹介しておりますが、いかに迅速に正しい情報を収集・対処するかということがキーということになります。これは、情報はですね、正しい情報というのは中々難しくて、かなり人によって持っている情報に質に差があるということもありますが、例えばこのあと触れます表示規制については、各社さんが持っている情報をうまく情報交換したり勉強会等することで、よりお互い、部会全体としての認識を強めて行こうということが部会の中でも確認されましたし、関係省庁との取り組みについても、オールジャパンチームということで一体となって取り組んでいくということを是非やりたいというような声が上がっております。

 この表示規制ということで一枚紹介しておりますけれども、こちらは食品の栄養成分に関する警告表示規制ということで、FOPラベリングというふうに書いております。砂糖ですとか、ナトリウム、まあ塩分だと思っていただいて構いません、それから飽和脂肪酸といった栄養成分をですね、ある水準を超えて含む食品には、警告表示を商品のパッケージの前面に行うというものでありまして、二つの方式があり、ここで示しています黒いマークを前面につける方式と、信号機のように赤青黄色でタイプということで、すでにこういう法規制が導入されておりますペルーですとかチリではこの黒いマーク方式、エクアドルは、通常信号機方式と言っていますけども、こういった方式ということであります。見ていただいてお感じになると思いますけども、非常にこの黒いマークがつくとですね、なんか体に悪いものだというイメージがストレートに伝わるということで、先日私も導入されたペルーのマーケットを見てまいりましたが、売り場の数多くの商品にこういった黒いマークが付加されており、なおかつ黒いマークがつくことで、お客様がお買い上げになる回転個数は明らかに落ちているというような店主の声もいただいております。

 これ、今ブラジルが一応検討途中に入っておりまして、どちらの方式をとるかということも含めて、今情報を収集しているところでありますが、非常に食品業界にとっては影響の大きい法規制というふうになります。これ、法規制ということでいうとそうなりますけれども、グローバルにいわゆる健康志向が強まっている中で、こういった形で国民の健康を守ろうという動きはラテンアメリカ以外にも起こっているわけでありまして、これは法規制に対して正しく理解することはもちろんですけれども、これを受けて我々としてどういうふうにこれにうまく対応していくかということを当然考えていく必要があるだろうということであります。ただ、非常にこれは影響の大きい法律だなというふうに感じております。

 それでは、続きまして副題のカッコ2番ということで、内外の環境変化にどう対応するかということで、新たな市場トレンドやお客様のニーズをとらえた施策ということで、いくつか事例を挙げてご紹介をいたします。

 まず、確かな品質へのこだわりということで、一部のものについては日本発のブランドの価値の認識ということになりますが、そうでないものも含まれます。ここのスライドで紹介しておりますのは、外食のチェーンということで、一幸舎さんですね。リベルダージに店がございますけれども、主力の豚骨ラーメンにこだわらず、お客様の嗜好に合わせてラインナップを展開して、非常に業績がよろしいということで、フランチャイズ展開を既に検討されているということと、2号店の検討も開始されているということで、どこの地区に出すかというのは一応情報をいただいているんですけど、まだ確定ではないということで、居酒屋スタイルにしたいということのようでございますが、楽しみにしていただければというふうに思います。

 それからキッコーマンさんの事例ですけれども、醤油ベースの液体調味料だけにこだわらないということで、わさびソースを発売されたということであります。ブラジルのお客様、わさびにあまりなじみがないというふうに思われるんですけども、やはり、ちょっと食べてみたいなと、ただこれまできっかけがなかったというところをうまく提案されましてですね、ハンバーガーですとかディップソースに使うということで、好評を得て、こういったトライアルもされているということでございます。

 それからコーヒーのところでは、先程触れました通り、コーヒー自体は非常に好調でありますが、その中でイグアスコーヒーさん、フリーズドライの乾燥設備への投資ということで、いわゆる凍結乾燥スタイルの品質の高いコーヒーになりますが、付加価値の高い製品を増産して、商品のポートフォリオの見直しを図られておられる。

 それから三井アリメントスさんについては、ドリップコーヒーの新発売ということで、ブラジルのナショナルメーカーとしては初めて一杯取りのドリップコーヒー、日本だと最近なじみがありますけども、カップの上に一杯ずつぱかっと置いてですね、お湯を注ぐというスタイルです。ブラジルのお客様にとってはなじみがないわけですけども、逆にお湯さえあればどこでも飲めるというところを提案するということで、こちらも反応は上々で、こういったトライアルもされておられると。

 それから、即席めんのところでは、カップヌードルでありますけども、市場シェア、数量・金額とも好調ということでございます。カップめんが全体を牽引されているということで、昨年シーフードを発売されましたけれども、今度はカレーを発売されるということで、もう発売が決まっておられるということでございますが、ブラジルでカレー味を出すにおいて非常に本社との間でたいへんなバトルがあったというふうに聞いております。その辺の経緯は浅野社長にぜひ聞いていただければと思います。新しい商品ということと、補足情報といいますか、前回のこのシンポジュームで浅野社長が自らご出演されたTVコマーシャルが非常に好評だったというご紹介をしたというふうに聞いておりますけれども、実は8月25日がラーメン記念日ということだそうでございまして、これはチキンラーメンが発売された日が8月25日ということで、それに関連付けたキャンペーンということで、それを展開されて、今度は脇役でありますというふうに仰っておられますけども、再びデジタルコンテンツに浅野社長が登場されるということで、ちょうど昨日からですね、日清食品さんのFacebook、InstagramあるいはYoutubeで公開が始まったということで、脇役とはなんなのかというのを是非興味のある方は実際にご覧いただければというふうに思います。ちょうど今日に合わせたかのように昨日からオンエアが始まっているということなので、ぜひご覧いただければと思います。ただ、ああいったキャンペーンはものすごいフォローがついてですね、新しいアイデアとしては非常にユニークな成功事例ということで、グローバルにも有名になってきました。こういった取り組みを続けるということ。

 それから、弊社におきましては、調味料と書いてありますけれども、調味料というよりは、いわゆるトップアスリートの皆様を支援するということで、日本でビクトリープロジェクトということで展開してきたプロジェクトをブラジルにおいても開始をいたしました。アミノバイタル、あるいは栄養バランスを考えた「勝ち飯」というメニュー展開ということで、ブラジルのオリンピック、パラリンピックを目指すアスリートの方々の支援を具体的にスタートさせていただいているということでございます。

 それから、健康志向ということでは、例えば機能性の糖質・酵素剤というナガセさんの商品についても、これについても現地パートナーとの共同開発によって、減糖ですね、糖分を減らす、あるいはクリーンラベル等の食品領域におけるソリューションの提案をされているということ。

 それから、3番目ですけども、高付加価値志向と低価格志向の二極化への対応ということでは、東麒麟さんについては低価格帯の清酒を大幅にリニューアルされて好調ということで、競合のお酒のメーカーさんと同じ価格帯なんですけども、圧倒的に品質が良いというところが実現できたということで、プレミアム価格帯と低価格帯の両輪で市場開拓を進めるという戦略を進められておられます。

 それから、新たな流通チャンネルへの対応という事例では、乳酸菌飲料、ヤクルトさんでありますけども、主力品のヤクルトの40のライトというものに、通常は6本パックで売られていますけども、これの3本パックというものを発売されました。6本パックだとスペースがなくて入らなかった小さい店とかの開拓もこれで可能になるということで、そういった工夫が新しいチャンネルを開拓するというところに非常に分かりやすい成功事例になっているのかなというふうに思います。

 ということで、最後に、ということになりますけれども、チームジャパンとして、企業の垣根を越えて積極的な交流や連携をやるということで、これは食品部会の会員の企業様に工場見学をしていただいたと聞いておりますけども、そういう機会を。あるいは先程の法規制といった共通の問題に関する情報交換会等をやって、お互いの強みをいかした情報交換と、あとはビジネス上の協業なんかも可能性を模索していきたいということで、最終的には事業を通じてブラジル社会、消費者への貢献ということを、変化を見極めて対応しながらも成長していこうということを目指していきたいというふうに考えております。

 以上になります。

司会

 佐々木部会長どうもありがとうございました。ただ今の発表につきましてご質問のある方、ぜひとも挙手をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。チームジャパン、年々強化されていて、非常に熱いなというふうにですね、毎回毎回そう思っておりまして、特に、チームジャパンってジャパンが入っていますので、日本のブランドの価値を再認識して、やっぱり日本のこだわりとかですね、日本人がもっているお客様への配慮とかですね、そういうのが商品のパッケージなんかにも生かされていたり、あと日本が得意とするチームワークで色々情報交換しながら対応していくということでですね、非常に素晴らしい取り組みなのではないかなと感じた次第でございますので、チームジャパンの発展を祈念してですね、ぜひジェトロの方でも参加させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それではただ今の発表に盛大な拍手をもって終了したいと思います。

 続きまして、運輸サービス部会の発表に移りたいと思います。湯原部会長、発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

運輸サービス部会

湯原慶 副部会長

                      

 皆さんこんにちは。運輸サービス部会で副部会長をやっております、日本郵船の湯原と申します。よろしくお願いします。では早速発表に進みたいと思います。

 まず海運業界の方から発表させていただきます。ブラジルに主に関係するコンテナ輸送、自動車輸送、ドライバルク、ばら積み輸送について2019年上期の回顧を報告いたします。まずコンテナ輸送ですが、ブラジル、アルゼンチンの経済低迷にもかかわらず、マーケットは堅調に推移し、2018年上期と比較し物流は増加しました。特にセカンドクォーターは顕著です。これは為替安によるものと見ております。

 次に自動車の輸送ですが、2019年上期のブラジル輸出台数は前年同期比の約42%減、輸入は昨年並みとなっております。この輸出の激しい落ち込みは、ブラジルの自動車輸出の約7割を占めるアルゼンチンが2018年半ば以降深刻な経済危機に直面しており、国内販売が減少したことによって同国向け輸出が大きな打撃を受けたものという結果となっております。

 続いてドライバルク輸送ですが、ブラジルの主要貨物の輸出量推移はこの左のグラフの通りです。上から鉄鉱石、穀物、砂糖の折れ線グラフになっております。お気づきの通りですが、鉄鉱石の輸出が、グラフでは5月までの数字で6月の数字は含まれていないんですが、セカンドクォーターが急激に落ち込んでおります。これは1月に発生したVale社の鉱山ダムの決壊事故による影響です。これにサイクロン来襲による豪州産鉄鉱石の輸出減も重なり、特に鉄鉱石輸送に従事するケープサイズといわれる15万~30万デッドウェイトトンの大型船舶の船舶需要が急激に緩み、上期のスポット市況が暴落いたしました。汎用性のある7~10万デッドウェイトトンのパナマックスといわれる中型船型の市況も、この大型船型の市況にある程度ひきずられる格好で、ファーストクォーターに底打ちはしたものの、様々な要因で横ばいが続いております。挙げられるとすれば米中貿易戦争の影響がありますが、中国におけるアフリカ豚コレラの大流行による飼料輸入減が響いているものと見られます。2019年上期の南米穀物輸出は前年比増加しましたが、ブラジルの輸出量は前年を下回っております。

 続いて19年下期の展望です。コンテナ輸送ですが、米中貿易摩擦や世界経済の低迷のおそれもあって、またアルゼンチンの大統領選などの不確定要素があるものの、需給は何とか持ちこたえるのではないかと予測しております。

 次に自動車輸送ですが、ブラジルで自動車を製造しているメーカー各社は新規市場の開拓に努力していますが、同国最大の完成車輸出先であるアルゼンチンの消費が麻痺状態、次期大統領選の前哨戦の結果改革後退派が頭角を現し、将来の経済への悪影響も懸念され、引き続き厳しい状況が続くものと思われます。

 ドライバルクの輸送については、上期は厳しい状況が続きましたが、下期は輸送需要は比較的緩やかに回復していくものとみられています。Vale社の北部ダムの増産や、ミナス・ジェライス州ブルクツ鉱山の操業再開などによるブラジルの鉄鉱石輸出増が市況回復のドライブ要因になると期待されています。そして、鉄鉱石供給の回復が中国の輸入増にもつながるとみています。一方、米中貿易戦争は特に南米からの穀物輸送需要増への期待を抱かせますが、中国、ベトナムでのアフリカ豚コレラの流行によって飼料としての穀物需要が減っている事なども影響し、それほど増加しないものと思われます。

 最後に、国連の船舶による大気汚染防止規則の改訂で、2020年1月1日より、船舶からの硫黄酸化物排出規制が全世界的に強化されることになっています。同規則順守にはいくつかの対処方法がありますが、世界的規模でできる現実的な対応策としては、高価格な超低硫黄燃料への切り替えを行うしかなく、運航コストが上昇することになります。船会社は常日頃からコスト削減に努力しておりますが、この運航コスト上昇を全て引き受けることは経済的には成り立たないことから、ご利用いただく荷主殿にも相応のご負担をお願いせざるを得ない状況です。具体的には船会社から荷主殿のご担当には説明させていただいている、もしくは説明させていただくことになりますが、何卒ご賢察賜り、ご理解いただきますよう、この場を借りて改めてお願い申し上げます。

 続いて航空旅客業界に移りたいと思います。まず2019年上期の回顧ですが、航空需要としてブラジル民間航空庁Anacのデータから旅客需要、RPK、有償旅客キロと、座席供給量、ASK、有効座席キロ、座席利用率、搭乗客数の4つの指標を国際線と国内線でそれぞれ示しております。ここにある数字の国際線は、ブラジルの航空会社のデータのみとなっていますので、ご承知おきください。

 ここにある数値を見ると、南米の航空業界を取り巻く環境は良さそうにも見えますが、そもそも、有償旅客キロは運送量、有効座席キロは生産量の伸びを示す指標ですので、そこに客単価、売上利益率などが伴わないと、生産能力は大きく伸びたけど売れず安売りして収支は赤字になるのと同じで、この指標だけでは航空会社の収支の良し悪しは判断できません。実際に、至近の12月にAviancaブラジル航空が民事再生手続きをとりましたし、アメリカン航空のリオ=ニューヨーク線からの撤退などがありましたが、業界情報によると、南米路線を就航しているそれ以外の外国航空会社にも収支状況が厳しい会社があると聞いています。

 ここで、国内線のサンパウロ=マナウス間の平均運賃と国際線のサンパウロ=東京間の平均運賃を例にとりたいと思います。すいません、お手元の資料ではなく、前のスライドをご覧になっていただきたいんですが、サンパウロ=東京間の方が、距離が7倍なのに、なぜ運賃が同じぐらいになるのかということをちょっとご説明したいと思います。理由としては南米特有のコスト構造があります。毎年CPIで5%程度ずつ着実にコストが上がり、グアルーリョス空港の発着料も高いため、ブラジルを本拠とする航空会社は高コスト構造になるのですが、Aviancaが破たんしたことによって国内線が寡線化し、競争のない路線で価格をつり上げて、そのコストアップを吸収する傾向が見られ、国内線は価格が上昇していると考えられます。しかし、国際線は運賃は国際競争力にさらされているため、料金は簡単には上げられず、短距離線の国内線と長距離線の国際線が同じぐらいの運賃になるというような状況が起きています。そのため、国際線を就航している航空会社は、常にコストアップ分をどこで削るかということに頭を悩ませ、機材費や預け荷物の制限の強化などサービスの見直しを迫られるという構造になっております。

 続いて下期の展望ですが、南米に進出している日本企業の皆さんの懐事情も同様に苦しいらしく、従来はJALのビジネスクラスの常連企業の中にも、LATAMコードシェア便名での発券が散見されるようになってきました。例えば、一部のレグをアメリカンやJALが運航しているフライトでも、LATAMで通しで発券をすれば比較的安い運賃で購入することができますが、その場合には次のような障害が発生いたします。

 例えばLATAM運航便は旅行会社やウェブで事前に指定できる座席が少ないため、JALで発券した場合にはLATAMに頼んでご指定のお席を手配することは可能なんですが、これがLATAMで発券した場合にはそういった対応はできないということになります。また、手荷物のミスコネクションやダイバートなどトラブルが発生した際にも、JALで発券いただければJALからLATAMに掛け合うことができるんですが、LATAMで発券した場合には、これはJALとしては裏でカバーリングを実施してお手伝いすることができません。あと、本人の認識がなく、価格のみでコードシェア便名で発券をすると、年間のフライト数などの要件を満たせず、翌年のマイレージの更新時にステータスが下がってからあわてることになるなど、自己管理が難しくなっております。

 最後に、内外の環境変化への対応という点で、自助努力への具体的な取り組みについてお伝えします。競争環境が厳しい中、これからも引き続き、安心して日本まで乗り継げる日本品質のサービスを地道に継続していきたいと思います。また、現地通貨決裁のクレジットカード使用でたまるポイントをJALの航空券と交換できる制度を開発しています。そして、クレジットカード会社と提携し、航空運賃を分割払いできる制度の導入も進めております。

 続いて物流業界に移りたいと思います。まず2019年上期は新政権による景気回復への期待に伴う物流増を見込んでいたものの、1月~4月の累計取扱量は全ての輸送モードで前年に比べて低調に推移しました。年金改革反対といった抗議行動は各地で発生するも、税関など公的機関のストライキ発生はなく、物流停滞は発生しませんでした。3月末にトラック運転手が、原油の国際価格高騰による国内燃料の上昇、政府の補助金拠出による燃料価格据え置きが年度末で終了したことに起因して、再びストライキを示唆しました。しかしボルソナロ大統領がディーゼル油の値上げ調整頻度を調整するといった対処案を示したため、パラナ州で40台程度のトラッカーが抗議運動をした以外は大きな混乱もなく、沈静化しました。ただし、根本的な解決にはなっておらず、今後もストライキの要因になる可能性を秘めています。経済回復が大きく進展する材料も見当たらず、航空業界、海運業界いずれも輸出入のスペースは余剰であるため、運賃高騰にはつながっておりません。

 あと、ロジスティックスコンサルタント会社、ILOS社の調査で、2018年6月から2019年4月までの内航船、カボタージュの取扱量は前年同期と比較して18.2%の増加と発表されました。2019年第1四半期に限りますと、21%増になっているということです。内航船の取扱量が増加した要因は、ひとつに2018年5月末のトラックストライキの影響、二つ目にトラック運賃の値上がりによる貨物が海上輸送にシフトしたものと考えられています。

 かかる状況下、インフラ省のタルシジオ・フレイタス大臣は、政府として内航船利用の推進を明言しています。その内容は、1、今後2、3年以内に内航船の取扱量を現在の3倍にすることが目標であるということ。2、内航船利用によるトラック長距離輸送を短距離輸送に代え、トラック運転手のコスト、運行時間の削減を図るというものです。

 内航船利用の推進にあたる課題は次の4点と考えています。1、内航船を運航する会社が10社程度しかいない。2、主な取扱貨物は肥料、ボーキサイト、セルロース、鉱石類で、工業製品の輸送での使い勝手をいかに良くするか。3、運賃およびリードタイムの改善。4、内航船の規制および税制の変更です。国内輸送の60%をトラック輸送に依存するブラジルでは、トラック輸送の高コスト化、運転手の高齢化、道路整備をはじめとしたインフラ整備拡充の代替としてモーダルシフト、つまり内航船の利用の推進は理にかなっていますが、内航船を利便性のある身近な輸送手段にするためには、環境整備を含めさらなる投資と時間が必要と考えます。

 木製の梱包材を使用した輸入貨物が空港・港に到着した際の検査が厳格になっています。検査が厳格になった理由は、農務省、MAPAの検査で昆虫が見つかったことに起因しています。木製の梱包材は国際基準であるISPM15で定められた熱処理、あるいは燻蒸処理スタンプが必要なんですが、最近スタンプが不鮮明であるという理由で梱包材の積み戻し手続きをしないと輸入貨物が引き取れないという事態も発生しています。余計なリードタイム、コストを避けるためには、輸出者とともに定められた処理の実施の徹底、あるいは木製以外の梱包材の使用の検討をお勧めいたします。

 あと、サンパウロ市内の橋梁の破損および、安全基準に達していない橋のメンテナンスに伴って、道路の閉鎖が続き、交通渋滞が蔓延化したことにより、市内物流に影響を与えました。

 以上が上期の回顧です。続いて下期の展望に移ります。

 物流業者への米中貿易摩擦のインパクトは大きく、サプライチェーンの変化に合わせた物流ネットワークの拡充や、プラットフォームの整備が必要と考えます。緊迫した中東情勢が原油価格を左右するため、航空、海上そして陸上輸送の燃油費に多大なインパクトを与えます。最終的には物流コストに反映されるため、注視が必要です。昨年起きたトラックストライキを再び発生させないため、政府の適切な対策を切望します。

 そして、税関システムの導入が遅れています。本年末には導入の見込みでありますが、現時点では確約されていません。新システム導入による混乱を最小限に抑えるためには、貨物量が少なくなる年末に導入するのがタイミング的には良いと考えますが、2020年2月に延期になるものとも言われています。

 あと、従来からの要望ですが、通関、貿易関係の各法令の見直し、手続き簡略化への動きに期待します。海上輸送においてはMARPOLの条約改正に伴う、船舶燃料の硫黄濃度規制強化が2020年1月から実施されるのに伴い、燃油費の上昇が見込まれます。そして、空港、港湾、道路インフラ整備の促進にも期待をしております。

 今年、旧運輸省を継いでインフラ省が設立され、タルシジオ・フレイタス大臣が就任しました。ブラジルは世界経済フォーラムで発表された世界競争力レポートのインフラ面でラテンアメリカ9位、世界で81位でした。同大臣は、国際競争力を高めるため、まずラテンアメリカの交通インフラのリーダーになることをビジョンとして掲げていますが、実現に向けた行動力に大いに期待したいと思います。

 次に、航空貨物業界の2019年の回顧です。世界の動向としては、主要地域を中心に荷動きが鈍化しています。左側のグラフは2014年から現在までの世界航空貨物量の推移になります。赤線が実績、青線が季節調整後の輸送量を示しています。

 2019年の業界全体のFTK、貨物トンキロメートルは、2019年初めには前年比3.5%伸長するとの予測でしたが、6月末には0%に見通しを下方修正しました。つまり2018年と同レベルになると予測しています。貨物主要レーンであるアジア=太平洋間の停滞が主要因ですが、他地域の動きも同様に鈍化しています。米中貿易摩擦の影響が大きいと言えます。南米の動向は、この地域の政治的および経済的な不確実性にもかかわらず、低伸長ではあるものの、前年比1.3%の増となっています。

 ブラジルの動向はIATAブラジルが発表した2018年7月から2019年6月の実績に基づきますが、対前年比で1.68%のプラスとなっています。レーン別では欧州向けが好調である一方、北米向けが低迷しています。特筆すべき点としては、ブラジル発コロンビア向けが二桁の伸長となりました。主要な輸送品目は医薬品、化学品、自動車部品が挙げられます。同期間、ブラジル発の航空貨物は貨物需給がひっ迫しておらず、値上げ要素はないものの、燃油費は中東情勢の影響を直接受けるため、継続的に不確定要素となります。航空施設のインフラ整備が特段進んだという訳ではありませんが、空港での貨物搬入・搬出の遅延等は発生しておりません。

 続いて下期の展望です。IATAは今年の世界の航空貨物業界マーケットの見通しを2018年並みへと下方修正しました。先行きの見えない米中貿易摩擦、世界景気の停滞が背景にあります。米中貿易摩擦によるインパクトは大きく、サプライチェーンの変化に合わせた物流ネットワークの拡充やプラットフォームの整備が必要と考えます。米中貿易摩擦がブラジル=中国間の荷動きにどのような変化を与えるのか、動向を注視したいと考えています。コスト面では、2019年下期は燃油費が上昇傾向にあるとの見通しです。その理由として、中東情勢の不安および船舶燃料のIMO2020規制導入に伴う価格上昇圧力が挙げられます。

 このIMO2020は船舶燃料の規制なんですが、新規制で定められた低硫黄の船舶燃料は、航空燃料であるジェット燃料と同じ中間留分の石油精製カテゴリーにあたるため、需要が大幅に上昇し、その結果価格上昇につながると考えられています。輸送業界の燃料需要は世界経済の動向に左右されます。景気が堅調に推移すれば輸送業界からの需要が高まり、その逆であれば燃油価格上昇圧力が緩和されます。ただし、IMO2020の開始は、石油需要の歴史において比類のない需要シフトをもたらずイベントであり、どの程度石油市場に影響を与えるか不確実です。しかし、燃油費は航空会社の最大の費用項目であり、各社ともリスク管理戦略に組み込んでいますので、現時点で燃油費の上昇の可能性は非常に高いと言えます。

 あと、税関システムの導入に伴う航空需要に与える影響は限定的と考えています。

 ブラジル航空業界を支えているのは欧米とのトレードであり、欧米の景気に大きく左右されます。景気の低迷時には利用者のコスト削減意識の高まりと相まって、航空サービスの需要が低下する傾向にあります。かかる状況下、業界で生き残るためには、新たな需要の掘り起こし、利用者のニーズに合致した低コストサービスの開発・販売が必要であると考えており、鋭意取り組んでいく所存です。

 あと6分50秒ですので、もう少し辛抱しながらお付き合いください。

 最後に旅行ホテル業界です。2019年上期の回顧ですが、ABRACORP、ブラジル・ビジネス旅行代理店協会の発表では、第1四半期は国内線の発券枚数が8.8%増、売上額は11.3%増と顕著な伸びを示しました。一方、国際線は発券枚数がマイナス0.57%、売上額がマイナス4%と微減となりました。航空会社別で見ますと、売上額では国内線はGOLが35.6%で1位、Azulが32.2%で2位、LATAMが23.6%で3位でした。国際線の売上高ではLATAMが19.1%で1位、アメリカンが13.8%で2位、ユナイテッドが11.2%で3位でした。やはり便数の多い航空会社が上位を占める結果となりました。

 Aviancaブラジル航空が経営破たんした影響で、2018年4月から2019年4月の1年間で国内線運賃が平均で30.9%上昇しました。Aviancaが運航していた路線に限っては、その上昇率は39.9%でした。

 我々日系旅行代理店にとって、日本からブラジルに来る旅行者の地上手配業務は商売上、常に大きな割合を占めてきました。しかしながら、あいかわらず日本からブラジルへ来る旅行者は減少傾向にあります。2013年から2017年までの4年間にブラジルへ来た日本観光客の推移をこの数字で表しておりますが、2016年はオリンピックがあったため前年よりも増えておりますが、それ以外の年は日本旅行者数が年々減っていることが分かります。2018年は前年比5%ほど日本旅行者が増えていますが、これはブラジルが日本人に対し短期滞在目的の電子ビザを発行し始めたことにより、商用と観光の区別がつかなくなったため、商用目的の渡航者の数字も含まれているものと分析できます。

 先日、NHKがサンパウロ在住日本人が殺された事件を報道した際に、ブラジルでは日本人や日系人が標的になっているといったおおげさなニュースを流したり、「これでわかった!世界の今」という番組でボルソナロ大統領が銃の規制を緩和しようとしているというニュースを紹介した時に犯罪現場の生々しい画像を見せたりしていましたが、こういうニュースは当然、視聴者にブラジルは危険だということを強く印象付けます。ニュースを見た日本の家族が心配して電話をしてこられたという方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。結果、日本からブラジルに来る旅行者は減少傾向にさらに拍車をかけることになり、旅行代理店の商売もいっそう厳しくなることが懸念されます。

 今年7月19日に、日本で南米、特にブラジル向けのアウトバウンド業務を専門に手掛けていたウニベルツールという旅行社が49年の歴史に終止符を打ち、廃業しました。これも日本からブラジルへの旅行者が減ったことが大きな原因と考えられます。

 次に2019年下期の展望です。全体的な見通しとしては、社会保障制度の改革案が9月中にも上院で可決される見込みとなり、それによってブラジルに対する国際的な信頼が回復、ブラジルへの投資が増え、経済が好転することが期待されます。旅行市場もその恩恵を受けて旅行数が増えることが期待できます。

ラグビーワールドカップが9月から日本で開催されますが、ブラジルはラグビーが盛んではなく、もちろんワールドカップにも出ませんので、このイベントによる恩恵は全く見込めません。ちなみに、アルゼンチンはワールドカップ参加国なので、アルゼンチンからは大量のサポーターが日本を訪れるものと思われます。

 あと、東京オリンピック開催まで1年を切り、ブラジルでのチケット販売も開始されました。ご参考までにブラジルのオフィシャルサイトのリンクがこちらに書いてあります。オリンピック期間の航空運賃はもう出ていますので、下期は問い合わせが増えることが期待されますが、実際にオリンピックを日本までわざわざ見に行く人も少ないと思いますので、東京オリンピックによる恩恵はこれもあまり期待できません。

 あと、100%外資の航空会社のブラジル国内線への参入が認められました。既にAnacが第1号として、グローバリア系のエアヨーロッパに対して運航許可を出しています。ブラジル国内線を就航する航空会社が増えることで、競争が促進され、運賃が下がることが見込まれています。

 ブラジルの景気があいかわらず低迷する中、上半期もこの狭い日系マーケットの中で十数社の旅行代理店が、わずかな手数料や国際民間航空局、IATAが定めた支払期日よりも長い期日をオファーするといった、決して健全とは言えない状況の中で顧客の争奪戦を繰り広げております。そのため、旅行代理店の経営状況はさらに厳しくなっています。この状況は改善されるどころか、逆に悪化の一途をたどっています。こういった状況の中、各旅行代理店が健全な競争ができるよう、いかに差別化を図っていくかが引き続き今後の課題と考えています。

 最後にトピックスを二つ紹介します。新移民法になって外国人登録証がRNEからRNMに切り替わりましたが、RNMにはブラジルに入国した年月日が記載されておりません。よって、RNEからRNMに切り替えた人で、ブラジルに10年以上居住している人は、JRパスを購入する時にRNMと一緒にRNEのコピーの提示が求められるようになりました。RNMに切り替える時にはRNEのコピーを必ず取っておきましょう。

 国内線は受託荷物の個数によって運賃が異なるということは今や当たり前になりましたが、国際線の航空会社でも受託荷物を有料にするところが出てきましたので、予約の際には注意が必要です。詳しいことはご利用になられる旅行代理店にご確認ください。

 以上です。

司会

 湯原部会長、どうもありがとうございました。多岐にわたる、情報通信が抜けてもかなり多岐にわたるプレゼンになっているかなというふうに思います。ただ今のプレゼンにつきましてご質問のある方、挙手をお願いできればと思います。いかがでしょうか。後半まだ誰も質問されていませんけど、いかがですか。よろしいですか。それではですね、盛大な拍手をもって運輸サービス部会の発表を終わりにしたいと思います。

 それでは最後の発表になります。生活産業部会、今年1月から生活産業部会として、今回2回目になります、生活産業部会の発表に移りたいと思います。今川部会長よろしくお願いいたします。

 

生活産業部会

今川尚彦 部会長

                       

 生活産業部会部会長、戸田ブラジルの今川です。今年、生活産業部会は、建設不動産部会と繊維部会が合併しまして新しくできた部会です。生活産業部会としましては今年として2回目の発表となります。まだ中々ですね、建設不動産と繊維ということで接点が見出しにくくて、今回もですね、旧部会それぞれの発表をあわせたような内容となりますので、ご了承ください。それと、ちょっと私事ですけども、昨日から風邪をひいていまして、朝から大量摂取で薬を飲んで何とかこの場に立っているんですけれども、途中でしゃべれなくなったらスターツの森口さん、よろしくお願いします。

 生活産業部会はですね、主に部会員は16社あります。16社あるんですが、非常に多岐にわたっておりまして、建設、不動産、あと繊維のほかにですね、エネルギーサービス、ファスニング、エンジニアリングプラスチックなど非常に多種多様です。そのために、業種ごとの動向としては非常にまとめにくくてですね、半期ごとに実施しているアンケートの回答を基に、まず一つ目としましては各部会員企業の現状をお伝えします。続いて、二つ目として旧建設不動産部会の業界の概況をお伝えして、さらに三つ目としてはEcogen社さんのビジネスモデルの紹介、最後に旧繊維部会さんからカーペット市場についてのお話をさせていただきます。

 それではまず、ご覧のグラフですけれども、こちら各会員企業の昨年と今年の上期、それと下期を含む来年の予測を2017年比で表したものです。業種が多岐にわたるため、業界ごとではなく、企業ごとに説明をさせていただきます。左側4社は旧建設不動産部会員、右側が旧繊維部会員となっています。

 まず旧建設不動産部会は、上期は建設のA社、一番左側ですね、A社が一昨年比で40%まで上期は落ちています。B社は130%と伸ばしていますけれども、下期および来年以降はですね、同水準もしくは増加という予測をしております。ただ、リセッション前と比較しますとまだまだ低水準な状況ということが言えます。いずれも、これまでの発表にもありました、各産業界からの工事の請負を中心としていますので、各産業界の設備投資動向に大きく影響を受けるということです。

 次に不動産のC社についてですけれども、一昨年比で昨年、今年ともに倍近くに伸ばしております。ただこちらもリセッション以前の業績と比べますと、まだまだ低い水準から抜け出せていないということが言えます。

 次に、見ていただいて目をみはる部分だと思いますけども、エネルギーサービスのD社、こちらがですね、その他の会員企業とは比較にならないような急激な売上増を示しております。今年が28倍、来年については60倍という非常に大きな予測を立てております。同社については後ほどまた成功例として紹介をさせていただきます。

 次に、右側の旧繊維部会4社についてですけれども、G社を除いてあまり大きな変化がないと、増減がありません。言い換えれば、リセッション時からいまだ大きな回復がないということが言えます。2016年に繊維業界から撤退したG社はエンジニアリングプラスチックをメインとする新事業に取り組んでおります。ただこちらは自動車生産台数の減少、伸び悩みに影響を受けまして、昨年から今年にかけて落ち込んでおります。ただ、下期、来期は回復する見込みであるという報告を受けております。

 今回、シンポジュームの副題である環境の変化について、どのようなものがあり、どう対応しているかについては、各会員企業よりご覧の内容が上がってきております。業種や事業により、業績に影響を及ぼす変化は様々です。

 国内変化においては、建設業はやはり各産業界の設備投資動向に影響を受けるため、建設請負業のみからの脱却が大きな課題となっております。

 ガスエネルギーサービス業においては、ガス価格の影響を受けるため、ガス以外のエネルギーを扱った事業への多角化を図っています。

 繊維業界は業界全体が落ち込んでおり、厳しいながらも高付加価値の商品の開発、あと販売促進に努めています。

 国外の影響としては為替という回答が最多でありました。これに対し、内製化や地場材料の調達、あと、全世界的にグループ全体で調達して変動幅を抑えるといったような対策がとられております。

 不動産企業においては、ブラジル進出日系企業へのアテンドをメインとしていますので、日本の景気とあと不動産価格、国際情勢などが影響をしております。対策としては、今後ブラジル企業や各個人への事業拡大を模索しているということです。

 続いて、エンジニアリングプラスチックとアグリビジネスを展開する部会員は、世界的にいま脱プラ、脱化学農薬といった国際世論ですね、あと気候変動といったものが影響を受けるというのがあがっております。

 以上が部会員の現状をお伝えしました。続きまして建設・不動産部会から業界の概況をお話しいたします。まず建設業界についてです。

 建設部門は常に不況のあおりをまともに受け、回復も他の業界に比べてずいぶん後に回復してくるというのが常です。GDPの成長率を示したご覧のグラフですけれども、緑色の棒グラフが全体のGDPを表しています。これに対しまして、紫色が建設部門です。2014年以降ですね、建設が極端にGDPが下がっておりまして、2017年以降、全体では回復していますけれども、いまだに建設部門としてはマイナス成長が続いているという状況です。

 2019年の第1四半期は全体が0.2%のプラスだったのに対しまして、建設はいまだマイナスの2.2%でした。第2四半期の全体GDPは、今月の頭の中銀の発表によればマイナス0.13%ということでしたが、その他のFGVのモニターによれば0.2%プラスということで、近々発表される国立地理統計院のGDP発表、これが最終公式発表で分かると思いますが、どちらにしてもあまり良い結果が出ていないということになります。これに対しまして、建設部門の第2四半期も引き続きマイナス2.2%ということが現在見込まれております。これにより、2014年からですね、5年にわたって建設部門ではマイナス成長が続いておりますけれども、まだまだ引き続きプラスに転じない、非常に厳しい状況が続いております。危機的状況にあるのではないかというふうに思っております。

 次に、建設に携わる就業者数ですね、これについてです。8月初めに公表された統計によれば、建設部門の上期の新規雇用は約6万5000人上昇と。昨年下期と比べて約3%増ということでした。ただ、2013年から18年の5年間で120万人の就業者数が減っております。これも他産業と比べても非常に際立った減少幅だと思っております。これに対しまして、2019年上期はですね、6万5000人増えてはおりますけれども、過去5年間の減から比べると約5%ですね、回復したというに過ぎない状況で、まだまだ建設需要、あとそれに従事する建設従事者の需要がないというのが言えます。

 先程から述べていますように、建設業の回復というのはやはり、他産業のですね、好調な業績に伴うものが非常に多いです。ですので、やはりブラジル全体のですね、目に見える回復基調、これがなければ中々回復はできないのかなというふうに感じています。経済回復のスピード感が今なかなかない。ややもするとリセッションにまた入ってしまうという可能性を秘めている中で、やはり公共工事・事業を含めて各業界の投資意欲がなかなかは上がらないというのが見て取れると思っております。また、今後将来にわたり安定成長がなかなか見込めないという中で、建設業界各社は体力勝負に入っているというふうに感じております。先程も述べたように、建設請負業のみからの事業形態から脱却しなければならないというふうに、非常に強く感じている訳です。

 続きまして、不動産市場の概況についてお話しいたします。こちらはサンパウロ市に限っての報告となりますので、ご了承ください。

 サンパウロ市のマンション市場は2018年以降回復をしてきております。2014年から2017年の成約数は1万6000戸~2万3000戸と低調でしたが、昨年は約3万戸を記録し、今年はさらにそれを上回る勢いとなっています。月当たり3000戸程度で推移しておりましたが、6月に6300戸を記録し、上期の累計は1万8000戸を上回っております。市場としては好調な状況になっております。市場供給数と売却数のバランス指標である成約率、こちらも上昇傾向にあり、6月は単月で21.5%を記録しております。

 あと、まあ皆さんの関心にも関わって来ると思います、賃料についてですけれども、賃料につきましては物価上昇程度の家賃上昇が見られます。あと、サンパウロ市の南部の辺りの新築物件は非常に人気が高くて、賃料の上昇率も高い傾向にあります。ただ、日本の、皆さんのよく住まわれているパウリスタ地区ですね、この辺りは非常に、新しいアパートの供給が少なくてですね、古い建屋が非常に多い。その分賃料は横ばいで進んでいるということです。ただしですね、コンドミニオとかIPTUとかっていうのはですね、毎年10%程度上がっていっていますので、住居費としてはやはり上がっていっているというのが現状でございます。サンパウロ市のアパート、マンションに対してですね、事務所関係についてはかなり不調な状況です。空き物件も多くなってきていまして、その分、築年数が古い物件であったり、価格交渉ができる、逆に皆さん、企業的にはですね、事務所の家賃、賃料を交渉する時期にはなっていると思います。

 以上がサンパウロ市の不動産市場の概況報告でした。続きまして、3つ目はですね、Ecogenさんの、これをビジネスモデルの一つとしてですね、皆さんにご紹介をいたします。先程もちょっと述べましたけれども、今年、来年と急激に売上を伸ばされている企業様で、どういうことが成功につながったかという、少しヒントになればと思って報告させていただきます。

 まずEcogen社はですね、英国ブリティッシュガス傘下企業の子会社として2002年にサンパウロで設立をされております。約17年前になりますね。2012年に東京ガス子会社と三井物産が共同出資し、ブラジルの天然ガス利用設備を活用したエネルギーサービスの専門業者となりました。その後、2016年に東京ガスが全株式を譲渡し、三井物産の100%子会社となった会社です。

 事業としましては、熱源より電力と熱を生産し供給するコジェネレーションシステムサービスです。2015年以降は天然ガスだけでなく、バイオマスを使った蒸気の製造等、多角化を進めてきました。現在、サンパウロ州、リオ州を中心に、国内15州で78件のプロジェクトを遂行しており、主な客先が工場、ショッピングセンター、商業ビル、ホテル等になっております。

 Ecogen社は今年に入り、先程から重ねて報告しておりますけれども、急激に業績を伸ばしております。上期の売上が昨年同期の28倍と。来期が60倍ということになっております。この不況下にあって、驚異的に業績を伸ばしているのはなぜなのか。今回のシンポジュームの副題でもある、環境変化への適応のひとつの答えではないかということで、今回これを報告いたします。

 不況時には、どの企業もですね、まずコストの抑制、これにかかると思います。まず投資の初期コスト、それからランニングコスト、これらを絞っていくのが一般的です。こうした顧客ニーズをとらえるのが、三つのソリューションを挙げるEcogen社のサービスです。

 最もインパクトが大きいのは、初期投資のコストです。これに対するソリューションでありますけれども、ガス発電設備建設費をEcogen社が全て負担すると。それをその後数年かけてリーシングの形を取ることで、お客さんの方はですね、設備投資費用が不要になると。また、ランニングコストについても、まあブラジルでは電気代というのは非常に高いですから、安価な電気でランニングコストを下げていくということにも非常に魅力的なサービスということが言えます。

 また、先程の電気料についでですけれども、ガス発電および、あと分散型電力に対する優遇制度とかですね、再生エネルギーの活用といった色んなスキームでですね、コストカットを提案していくということをされております。さらに、電力の自由市場からの電力調達に関するコンサルティングサービスや、先程から述べている、初期の設備投資、建設、あとそれを運営、メンテナンスをしていくということについて一貫したパッケージでのサービスをされているということです。こうしたセールスポイントが、不況時でさらに効果を発揮し、受注につながっているのではないかというふうに推測をいたします。

 あと、同社によればですね、今年の業績急伸の主因は、政権交代という環境変化に慎重だった企業が、今まで様子見をしていたのが少し投資側に向いたと。さらに、先程もあったように、初期投資がいらないというようなですね、非常に魅力的なソリューション、あとそれにあわせて大型案件の受注が今回あったということです。かねてからの営業努力や企業戦略ですね、これが奏功していると言えます。この、初期投資をEcogen社さんが負担をしているんですけれども、まあこういうスタイルというのは中々、膨大な資金力がないとですね、中々できないので、どのような企業でもできることではないんですけれども、ただ、時代のニーズ、変化にあわせて業績を伸ばしているということは言えると思います。

 最後になります。最後は旧繊維部会の発表として、カーペット市場について紹介をさせていただきます。ここからの資料についてですけれども、これは旧繊維部会から出られた副部会長の、関西人の方が作成されたプレゼンテーションですので、ちょっと今までと雰囲気が若干変わりますので、ご了承ください。

 まず、ブラジルでもカーペットはたくさん生産されておりまして、50社以上のメーカーが約2500万平米の規模で生産をしております。2500万平米といってもピンとこないと思いますけれども、坪で言えば750万坪。東京ドームで言えば530個分ということです。で、関西人が作りましたので、関西人向けに言いますと、甲子園球場で言いますと640個分ということです。まあ中々ピンと、それでもこないですよね。ということです。

 使用される原料としましては、この場合、糸ということになりますけれど、約3万5000トンの糸が使用されています。この市場の中の数%を占めるプレミアムゾーンに入り込んでというのが、先程から述べている、繊維業界さんの高付加価値の部分ということになります。

 さて、カーペットにも非常に色々な種類があります。非常にオーソドックスなタイプ、あと織物を工夫した形のもの、あとジャガードタイプ、それから天然繊維をふんだんに使ったもの、その他、大きくは10数種類のカーペットが存在すると言われています。また、厚みについてもですね、非常に多種ありまして、事務所に使われているような毛足の短い5ミリ程度の厚みのものから、リビング等に使われる毛足の長いラグまで、これも非常に多くの種類がございます。あと、業界的にはですね、使用される素材としては、多種使用されておりまして、まあ強く軽さがあり値段の安いポリプロピレンから、ぬめりと光沢のある高級なナイロンが使用されたりしております。

 あと、カーペット糸のもう一つの特徴はですね、非常に太い、とにかく太い糸が使われております。皆さんが着ておられる衣服に使われているような糸の数十倍、あるいはもっと太い糸が使用をされております。これらの糸にはですね、色んな種類のカーペットを、お客様に対して提案を、開発をしております。現在の開発のキーワードは、ウールライク+ソフトということであります。このソフトというのが、衣料全般的に、そして世界的に現在言われていることでございます。

 ブラジルは非常におしゃれな国でですね、そして住まいについてもそのおしゃれ感を演出するのが非常に好きな国民性というか国です。リビングや寝室、そして玄関、トイレなど様々な場所に、色々なカーペットを敷き詰めて、皆さん利用されております。

 最後、皆さんにおかれましてもですね、ブラジル生活で、カーペット一つで生活空間変わりますので、ぜひおしゃれな生活空間に、新しいライフスタイルに挑戦されてみてはいかがでしょうか。

 以上、生活産業部会の発表とさせていただきます。ご清聴ありがとうございます。

司会

 今川部会長、どうもありがとうございました。ただ今の発表につきましてご質問のある方、いかがでしょうか。結局後半は質問が出ていませんけれども、それではですね、生活産業部会の発表を以上で、盛大な拍手をもって終了したいと思います。

 以上で、前半5部会、後半5部会、計10部会の発表をすべて終了いたしました。内外の環境変化にどう対応するか、最後の生活産業部会でですね、その答えがなぜか、コスト削減需要のビジネスと。やっぱり環境変化でやはりコストを削減しないといけないといったところをとらえてですね、そういった需要をとらえてビジネスをされたEcogen社のビジネスというのが非常に印象的だったかと思います。

 それではですね、ここで本日出席いただいております在サンパウロ日本国総領事館の野口総領事より、本日の各部会の発表につきまして講評等ございましたらお願いしたいと思います。それでは野口総領事、よろしくお願いいたします。

 

講評

在サンパウロ日本国総領事館

野口泰 総領事

                     

 こんにちは。長時間にわたりまして、ご苦労様でございます。私の方からですね、今日のシンポジューム、途中からの出席となりましたけれども、いくつかちょっとお話しをさせていただければと思っております。

 私、今年の4月の初めにですね、東京で行われました日伯賢人会合という、賢人というのはwise manですね、日伯両国の経済界の重鎮の方の会議に出まして、そこで非常に感じましたのはですね、日本の出席者の方から非常に問題意識としてありましたのは、いま世界でですね、非常に不透明感がただよっていると。まあヨーロッパはBrexitがどうなるか、そして米中の経済的な摩擦がある中でですね、こうした中でやはりブラジルというのが非常に魅力的になってきているんじゃないかと。人口も多く、天然資源にも恵まれ、農業のポテンシャルもあり、非常な潜在力を秘めるブラジルというのが、こうした、大きなエコノミーが不透明感がただよう中でですね、ブラジルへの注目を非常にされているんじゃないかなという印象を、日本側の出席者の話を聞いて思ったところであります。今年になってですね、ボルソナロ大統領、まあpro-buisinessな大統領がブラジルにできたということでですね、そうした期待を非常に感じたところであります。

 そしてブラジル側もですね、今回は閣僚クラスの方も出席されて、賢人会合ですね、ここでやはり日本に対する熱い視線というのを感じました。おそらくそれはですね、今ブラジルが非常に経済的には中国に大きく依存していると。輸出の3割は中国でですね、こうした中国だけに頼るといいますか、依存する体質はあまり健全ではないんじゃないかということでですね、そこでアジアの伝統的な友好国である、まあ日系社会もある、そうしたブラジルにとっての日本の重要性というのが高まっているのではないかというふうに感じたところであります。

 ボルソナロ政権は、大統領の方は日々いろんな発言がですね、取り沙汰されておりましてですね、まあ政治的にはちょっとごたごたしている面もあるのかなという感じもいたしますけども、かたや経済政策についてはですね、まあこれはボルソナロがかなり、パウロ・ゲデス経済大臣に任しているということもありまして、比較的まあ堅調といいますか、6月末のEUとのFTA交渉の妥結と。20年以上にわたって妥結に至らなかったのがようやくこの政権になってできたというは一つの成果ではないかというふうに思っております。もちろんこれから最終的な文書を詰めたり、あるいは批准手続きというのはまだまだ時間がかかるかもしれませんけども、まあ一つの大きな成果ではないかというふうに思っています。そして年金改革も下院を通過しましてですね、税制改革もいろいろ検討が進んでいるようでございます。そうした経済政策についてはですね、比較的堅調に推移しているのではないかというふうに思っております。

 そして今、ラテンアメリカ、中南米を見ますとですね、中南米の2大エコノミー、おそらくメキシコ、ブラジルだと思うんですけども、メキシコがロペスオブラドールという、左派政権になってですね、かたやブラジルが、保守政権といいますか、右派政権になった中でですね、これまでは全く逆だったんですね。メキシコが非常にビジネスがしやすいと、経済が自由化されていてしやすいという中でですね、日本企業がどんどん行っていて、日本企業数も今メキシコの方がはるかに多いんですけども、そうした大きなピクチャーがちょっと変わってきたかなと。メキシコが若干ビジネスがやりにくくなる中でですね、ブラジルの重要性というのが高まっている面もあるのではないかなというふうに思った次第であります。

 いずれにしましても、今日も何度も指摘がありましたけれども、日・メルコスールEPAのですね、交渉についてですね、日伯経済合同委員会、7月の終わりに開催されました合同委員会でも提言をいただきましてですね、たいへん重く受け止めております。何とか、こうした声を受けてですね、政府としても動かすように引き続き検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

 そして最後に、中国ですとか韓国の動きについていくつかお話しがありました。中国につきましてはですね、ご案内の通りドリア・サンパウロ州知事が8月の上旬に中国を訪問されてですね、上海にサンパウロの、事務所といいますか、サンパウロの経済代表事務所を設置する等、あるいはファーウェイの投資が発表される等ですね、色々動きが出てきたところであります。こうした中で、ドリア州知事はですね、9月の中旬には日本にも行かれるというふうなことを聞いておりまして、まあ日本との関係にもですね、意を用いておられるということをご紹介しておきたいと思います。

 そして韓国についてはですね、まあ日韓関係非常に厳しい所でありますけども、韓国はですね、8月の上旬に韓国文化センター、これはちょっとパウリスタ大通りから離れたところにこれまであったんですけども、それをパウリスタ通りに移転する形でですね、オープニングをされております。多分にジャパンハウスがパウリスタ通りにできたということもあって、移転されたというふうな見方もありますけども、非常に、韓国のK-POPをですね、前面に打ち出した文化施設になっておりまして、こうしたところでどういった、文化あるいは経済の推進をしていくかということも引き続き注目をしていきたいというふうに思っております。

 とりあえず私の方からは以上でございます。本日はどうもご苦労様でした。

司会

 野口総領事、どうもありがとうございました。それでは、本日、在ブラジル日本大使館より濱浜坂参事官、そして塩野書記官が出席しておりますので、お二人から挨拶とコメントをですね、もしありましたらお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

在ブラジル日本国大使館

濱坂隆 参事官

                  

 ただ今ご紹介に預かりました、在ブラジル日本国大使館の濱坂でございます。先程野口総領事の方から、内政、外政、包括的な講評がありましたから、私の方からも一言申し上げさせていただきます。

 大使館では、日本企業の支援、これを一つの大きな柱として掲げております。ただ残念ながら我々、大使館はブラジリアにありまして、これはブラジル政府との接点を持つという点では非常にアドバンテージはある一方で、中々日本の企業の方々の、どのような活動をされているのか、あるいはどんな課題があるのか、中々直接お話を伺う機会がありません。残念なことです。そうした中、今日のシンポジュームで皆様のお話を伺うことができました。非常にありがたい機会だと思います。この場をお借りしまして、カマラの事務局、プレゼンターの皆様、そして各部会に参加の皆様にありがたく御礼申し上げます。

 本日、業界ごとに様々な課題、大きなポイントとしてご指摘いただきました。自動車部会のプレゼンでは私も質問させていただきましたが、こうした課題、我々がブラジル政府関係者とお話しする場で指摘したり、意見交換したり、あるいは追加情報を得たり、こうした形でフォローしていこうと思っております。また、日本とブラジルの間には様々な政策対話、こういったダイアローグの機会があります。こうした機会を使って取り上げて、状況の改善、こういったことを図っていきたいと考えております。

 また、本日のサブタイトル、内外の環境変化、この要因として年金・税制改革の状況、韓国、EU、これらのメルコスールとのFTA、こういった情勢が何度か指摘されております。これに対しまして、我々どもも当然情報として追いかけております。何かの機会に皆様とその情報を共有させていただきたいと思っております。

 また、日本とメルコスールのEPA、これ先程野口総領事の方からもお話しさせていただきましたが、我々として非常に重たく受け止めているところでございます。今現在では検討中ということでございますが、皆様の企業活動に対して望ましい環境となるような形で進めていきたいと、そのように思っております。

 最後になりました。電機・情報通信部会より、官民一体の取り組み、こういった重要性が要望されております。それに対する大使館の答えとしては、ぜひやりましょう、この一言をもちまして私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

司会

 濱坂参事官、たいへん力強いお言葉をいただきまして、どうもありがとうございます。それでは、塩野書記官よりご挨拶ならびに、もしコメント等ありましたらお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

在ブラジル日本国大使館

塩野進 書記官

                   

 ただ今ご紹介をいただきました、日本大使館経済班の塩野でございます。国土交通省からこの6月に着任をいたしまして、本日初めてお会いする方もたくさんいらっしゃいますけども、今後とも様々意見交換させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。また本日は貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。着任したばかりでございますので、私から何かコメントということはございませんけれども、一つ思いましたのは、私国土交通省でこの5年、10年、建設業、観光業、それから海運業に関係する仕事をしてまいりました。その中で一貫して共通したテーマとして日本で取り組んで参りました、例えば働き手の処遇の改善、優秀な人材の確保、生産性の向上、あるいはICT、AIといった新技術への対応、こういったテーマについては本日もたくさんお話しをいただきましたので、日伯関係なく普遍的なテーマなのではないかなというふうに思った次第でございます。一方で、ブラジルの今後の見通しの中で、隣国アルゼンチンの動向ですとか、あるいはボルソナロ政権の税制改革をはじめとした構造改革の今後の進展、そういったことについても皆様からご関心事項としてご教授をいただきましたので、私どもしっかりブラジリアで情報収集をして、皆様と共有をさせていただきたいというふうに思います。今後ともよろしくお願いいたします。

司会

 塩野書記官、どうもありがとうございました。ただ今6時10分、ちょっと10分オーバーしてしまいましたけれども、以上で本日の業種別部会長シンポジュームを終了したいと思いますが、終了にあたりまして、閉会の辞を讃井総務委員長にバトンタッチしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

閉会の辞

讃井総務委員長

                             

 あらためまして讃井でございます。長時間にわたりまして、今日はお疲れ様でございました。大変ありがとうございました。前回申し上げたんですけども、ずっと高い所から座ったまま大変申し訳ございません。1分だけお時間を頂戴したいと思います。

 まずもって、本日お付き合いいただきました野口総領事、あと大使館の方から濱坂様、塩野様、ご参加いただきまして大変ありがとうございました。今回のセミナーでですね、各種要望というのがいくつか出てきておりましたけれども、税制ですとか、規則ですとか、特にEPAの課題、これについては先程総領事の話にありましたけども、日伯経済合同会議でも大きく前進をしている、こういった状況にあるかと思っておりますので、引き続き官民ご一緒させていただいてですね、カマラ、進出日本企業の、あるいは在ブラジル企業の盛りたてにいきたいというふうに思ってございます。

 あと、先程ご案内ありましたけど、9月17日ですね、アルゼンチンのセミナーということもご案内させていただいております。ブラジル、メルコスール、世界、あるいは産業構造、色んな意味で変化が起きているというのは踏まえつつですね、今後やっていければなと思います。

 皆様の発表自体はですね、目先不透明、どちらかというと暗い内容が多いかなと正直思ったところではございますけども、ただし民営化ですとかイノベーションだとか、新しいアイデアだとか、オールジャパンだとか、そういった言葉の中でですね、希望の持てるところというのは必ずあると思いますので、次回は半年後の2月に向けてということですけども、ぜひともカマラの活動を通じまして、皆様で力をあわせてですね、盛りたてていければなというふうに思います。

 一つだけ、今回のこの資料はおそらくカマラのウェブサイトに全てアップされると思うんですけど、ちょっと私も自分のところで思ったのは、若干資料が、明るくない部分も多いものですから、間違ったインプットにご本社なりなんなりならないようにですね、適宜見られる方を想像して、補足をしていただくというのが大事なことなのかなというふうに思いましたので、そこは考慮いただければというふうに思います。

 すいません、長くなりまして恐縮でございますが、今日は大変ありがとうございました。この後懇親会が外でご用意されているということですので、ぜひご参加いただければと思います。以上で終わります。ありがとうございました。

2019年上期の業種別部会長シンポジウム

2019年上期の業種別部会長シンポジウム

テーマ:「2018年の回顧と2019年の展望」
副題: 『成長への期待、変化への対応』
日時:   2019年2月28日(木曜日)
13時~18時 シンポジューム(途中コーヒーブレイクが入ります)
18時~19時 懇親会(カクテルパーティー)                  
会 場: ホテル インターコンチネンタル
(Hotel Intercontinental São Paulo , Alameda Santos, 1123 – Tel.: (11) 3179-2600 )

発表順序:(発表者および発表順は必要に応じ変更の可能性も御座いますので予めご承知おき下さい)
前半の司会: 讃井慎一(さぬい しんいち)総務委員長
13:00~13:05    開会挨拶     安田篤(やすだ あつし) 副会頭    (損保ジャパン日本興亜)
13:05~13:35    ①  金融部会    津田 双羅(つだ そら)    部会長         (ブラデスコ)
13:35~14:00     ②  貿易部会    猪股 淳(いのまた じゅん)    部会長    (伊藤忠)
14:00~14:25    ③  機械金属部会    植田 真五(うえだ しんご)    部会長     (三菱重工)
14:25~14:50     ④  自動車部会    下村 セルソ(しもむら せるそ)    部会長    (トヨタ)
14:50~15:15     ⑤  コンサルタント部会     吉田 幸司(よしだ こうじ)    部会長     (KPMG)
xxxxxxxxx コーヒーブレイク (15分) xxxxxxxxxxxx    
後半の司会: 大久保 敦 (おおくぼ あつし)企画戦略委員長
15:30~15:55     ⑥  化学品部会     村松 正美(むらまつ まさみ)    部会長    (PILOT PEN)
15:55~16:20     ⑦  電気電子部会    日比 賢一郎(ひび けんいちろう)    部会長    (ソニー)
16:20~16:45     ⑧  食品部会     黒崎 正吉(くろさき まさよし)    部会長    (味の素)
16:45~17:15    ⑨  運輸サービス部会     吉田 信吾(よしだ しんご)    部会長     (NYK DO BRASIL)
17:15~17:45    ⑩  生活産業部会(建設不動産・繊維)     今川 尚彦(いまがわ なおひこ)    部会長    (戸田建設)
17:45~17:50       講評    野口 泰(のぐち やすし)総領事    在サンパウロ日本国総領事館
17:50~17:55       閉会の辞    讃井慎一(さぬい しんいち) 総務委員長            

2019年上期業種別部会長シンポジウムの各部会の発表プレゼンテーション掲載

Pdf金融部会

Pdf貿易部会

Pdf機械金属部会

Pdf自動車部会

Pdfコンサルタント部会

Pdf化学品部会

Pdf電気電子部会

Pdf食品部会

Pdf運輸サービス部会

Pdf生活産業部会

Pdf全プレゼンテーション

2019年上期の業種別部会長シンポジウムテープおこし記事掲載

前半の司会 讃井慎一 総務委員長

 皆様、こんにちは。時間を少し過ぎておりますけども、天候の悪い中お集まりいただきましてありがとうございます。若干遅れていらっしゃる方がおられるので少しお待ちしましたけども、過ぎましたのでそろそろ始めさせていただきたいと思います。

 今日はですね、2019年上期業種別部会長シンポジュームでございます。私、本年度カマラの総務委員長を拝命しています、みずほ銀行の讃井と申します。前半進行させていただきますのでお付き合いください。後半はですね、企画戦略委員長の大久保さんの方に進行の方を渡したいと思ってございます。

 それでは早速ですけども、開会に当たりましてですね、安田副会頭よりご挨拶をいただければと思います。安田さんよろしくお願いします。

 

開会挨拶

安田篤 ブラジル日本商工会議所副会頭

 皆さんこんにちは。SOMPO SEGUROSの安田でございます。本日は土屋会頭がご不在ということでですね、私が代理で本会の開会のご挨拶をさせていただきたいと思います。

 今回のシンポジューム、キーワードは、お手元にありますように、経済成長への期待、それから変化への対応ということでですね、ここ3、4年、ブラジルの経済をご覧になった方はご承知の通りですね、2015年、16年、2年間マイナス成長、17年、18年は1%台の低成長ということで、まあ若干もやもやした時期が続いたんですが、今回新政権に替わったということでですね、潮目は変わってきているのかなというふうに思っております。

 まあ巷の景況感調査なんかでもですね、去年の10月ぐらいから大分改善の兆しが見えておりまして、今からちょうど半年前、前回のシンポジューム、2018年の8月、この時はちょうど大統領選の直前ということもあってですね、まあ選挙前の不透明感一色という感じでしたけれども、今回、明けまして2月はですね、まあかなり視界が良好になってきているということでございます。

 ブラジルにつきましては、2003年から長く労働者党の政権が続いておりまして、まあこの間、世界的にはTPP11であるとか、あるいは日本とEUのですね、EPAが結ばれたというような、世界は自由貿易の流れの機運に乗っていますので、まあ今回このボルソナロ政権になりまして、まずは国内の地固めということで、年金改革であるとか、財政改革等々を進めつつですね、まあブラジルも世界に羽ばたいていく時期だというふうに認識しております。

 これに合わせて当会議所もですね、この機会に攻めに転じたいということで、ただ攻めるにあたってですね、やはりそれぞれの業界ごとの特性がございますので、ぜひ今日の機会にですね、この業界の動きというのをですね、会員の皆様が共有できるような、そんな場にしたいと思っております。

 本日は各業界のですね、最前線でビジネスに携わっておられる方々がですね、各部会ごとにコンパクトな発表をしていただきます。総領事館からは野口総領事にお越しいただいて、後ほどご講評をいただく予定になっております。

 今日は前半5部会、後半5部会、間にお休みをはさんで10部会の発表になりますけれども、会議所の部会再編という意味ではですね、今回大トリを務めていただきます生活産業部会、これは以前の建設不動産部会と繊維部会が合体して新しい部会になっていますので、その辺が今回の違いかと思います。

 来週からカーニバル休暇ということで、お休み前の雰囲気。サンパウロの街並みもですね、サンバのバテリアの音なんかが聞こえてきて、ちょっとお休み的な雰囲気ではあるんですけれども、今日、お休み前にですね、皆さんぜひ頭の整理をしていただいて、来週以降、カーニバル休暇以降ですね、ブラジルはやはりカーニバルが終わらないとビジネスが始まらないというような雰囲気もあるので、来週以降すぐに現状にキャッチアップできるような、そんなご準備をしていただければと思います。

 あらためまして、本日、お忙しい中、皆様、雨の中ご参集いただきまして、本当にありがとうございます。これをもちまして私のご挨拶と代えさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

司会

 安田副会頭、たいへんありがとうございました。お話にありましたけど、今回の副題はですね、「成長への期待、変化への対応」ということで、前回から6ヶ月経ってですね、より皆様いろんなことに取り組まれていると、期待も込めてこういった副題にしてございますので、そのあたりを確認できればいいのかなというふうに思ってございます。庶務的なことですけども、今日は10の部会に発表していただきます。お手元にスケジュールあると思うんですけども、まあすでに5分遅れていますが、多少の前後はあるにせよですね、時間は意識いただきまして、ご発表いただき、あと質疑応答等もしていただければと思いますので、タイムキープの方はぜひご協力の方をお願いいたします。

 それでは早速、最初は金融部会の方からお願いいたします。津田部会長、よろしくお願いします。

 

金融部会

津田双羅 部会長

 皆さん、こんにちは。金融部会長を務めております、ブラデスコ銀行の津田でございます。本日は、シンポジュームのテーマでございます2018年の回顧と2019年の展望を念頭に、ブラジル経済動向、銀行業界動向、保険業界動向について簡単にご説明をさせていただきます。それでは3ページ目をご覧ください。

 本スライドの左側ではですね、2018年ブラジル経済の振り返り、右側で2019年の見通しについてポイントをまとめております。まず2018年の振り返りですが、2018年は世界経済全体が循環的な成長軌道にある中ですね、ブラジル経済も比較的良好な成長見通しの下、一年のスタートを切りました。しかしながら、2018年の中頃にかけて、ブラジル内外で各種リスクが顕在化した結果、年中頃以降は経済成長が減速し、2017年と同水準の経済成長率での着地となりました。

 結果的にですね、緩やかな経済回復基調は維持したものの、経済成長に力強さを欠いた背景といたしましてはですね、以下のボックスに記載させていただいております逆風があったと考えられます。

 まずは、国内の要因といたしましてはですね、ブラジルの大統領選挙の年であり、政治・経済の先行きに対して非常に不透明感が強かったことが挙げられます。大統領選という重要なマイルストーンを控えて、積極的な投資や消費は増加しがたい環境であったと考えております。加えまして、かような環境の下ですね、トラック運転手のストライキによってですね、ブラジル経済・社会の歪みや脆弱性が改めて顕在化し、国民の将来への不安を惹起したことも逆風となったと考えています。

 次に、経済成長を減速させたブラジル国外の要因として、米国金融政策と通商政策の影響を挙げられます。前者の米国の金融政策ですが、昨年は良好な経済環境を背景に、米国が金融正常化を目指して緩和的であった金融政策から引き締めに転じたことで、新興国からの資金流出やですね、新興国の通貨の切り下げが発生いたしました。ブラジルも他の新興国同様、相応の影響を受けました。

 後者の米国の通商政策に関しまして、懸念されておりました米国と中国の貿易摩擦が本格化いたしまして、双方で高関税措置を採る等の動きがございました。かかる動きは、経済成長の成長を妨げる一つの要因となり、ブラジルの経済成長へも負の影響を与えたと考えております。

 続きまして、スライド右側の2019年の見通しのポイントについてお話いたします。結論はですね、2018年と同様、緩やかな経済回復基調が継続するという見通しではございますが、背景が若干異なります。

 まず成長ドライバーですが、昨年は世界経済の好況に支えられた経済成長を想定しておりましたが、本年はブラジル自体のファンダメンタルの改善に牽引された成長を想定しております。2019年の世界経済の成長は減速する見通しであり、ブラジル経済にも相応の影響が出ると想定されます。昨年比、厳しい外部環境が想定される一方で、ブラジル経済のファンダメンタルは相応に強く、短期的な脆弱性は低くなっており、循環的な景気回復局面にあると考えられます。

 続きまして、リスク要因ですけれども、2018年と2019年ではリスクの質が若干変容していると考えています。2018年は、大統領選後、次にどのような政権により、どのような政策が進められるかというところが判断できない、きわめて不透明な環境でございましたが、2019年は政権も政策も相応に明確になったことから、政策そのものに対するリスクは後退し、政権による政策の実行力がリスクとして意識されるようになりました。したがいまして、2019年ですね、ブラジルが力強い経済成長を実現できるか否かを見通す上で最も注視すべきリスク要因は、今は新政権の年金改革をはじめとした政策の実現力に変わったと考えております。

 新政権が掲げている各種政策は、ブラジルの中長期的な潜在成長率を押し上げ、持続可能な成長を可能にすることにつながると考えられるものが多く、マーケットにも支持されております。同政策が実現できるとですね、ブラジルの経済成長を力強く後押しする追い風ともなり得ますが、反対にですね、政策の実現力に疑義が生じるような場合は、今の期待が不安に変わり、ブラジルの経済成長にとって逆風となる可能性もあると考えています。議会での年金改革法案の協議状況等、政策の実現状況をですね、一定のマイルストーンを置いて確認できるようになったことですね、確認することである程度先行きを見通すことが可能になったという点は、昨年と比較して改善した点と考えております。

 それでは続きまして、ここからは具体的な数字を追いながらご説明をさせていただきます。次のスライドは2012年以降の主要経済指標の推移と予測についてまとめております。次ページ以降ですね、一つ一つの計数についてはご説明いたしますので、ここでは説明を割愛させていただきますが、各指標とも2019年は改善するものと見込んでおります。次のページは、GDP成長率について推移をグラフにしたものです。

 2003年から2010年にわたる8年間のルーラ政権においては、リーマンショックの影響を受けた2009年を除いて、概ね年率3%から7%の安定した成長を遂げました。しかしながら、ジルマ政権では徐々に経済が減速、過剰な景気刺激策の反動もあり、2015年、2016年の2年間は景気後退となりました。2016年の大統領弾劾、政権交代を経てですね、2017年、テメル政権の下、緩やかな回復基調に戻りましたが、景気後退期の2年間、合わせて7%のマイナス成長分を打ち返すには至っておらず、景気後退前と比べると完全には経済は戻っておらず、依然として回復の途上にあると考えられます。

 2019年の予測値、2.8%と置かせていただいているんですけれども、こちらの予測値は、年金改革が採択されることをある程度前提とさせていただいております。2019年の前半は昨年と同程度の緩やかな経済成長を見込んでおりますが、まあ年金改革法案にある程度目鼻が立ったですね、年後半以降に、本格的に経済が加速していくのではないかというふうに予測しております。

 続きまして、経常収支です。労働者党政権下、積極的な財政、金融政策の下、内需拡大を図った結果、特に2007年以降のルーラ第二次政権以降ですね、赤字幅が拡大し、2014年には1000億ドル、GDP対比で4.2%の赤字を計上いたしました。一方で、2015年以降はですね、政府支出を抑えたことによってですね、過度な景気刺激策等の効果も剥落し、景気後退にも至ったというところがありますけれども、経常収支だけを見ると、経常収支の赤字幅は大幅に減少いたしました。今後、順調に経済成長が力強さを取り戻した場合は、経常収支の赤字幅が徐々に増えてくることも予想されますが、テメル政権以降ですね、政府予算に上限を設定しているということから、過度な政府支出を伴う景気刺激策等が採られる可能性は低い状況でございますので、当面はこの経常収支については健全な水準で推移すると考えております。

 続きまして基礎財政収支です。2013年までは黒字を維持しておりましたが、2014年あたりから景気減速の影響で税収が伸び悩み、支出のコントロールも中々難しく、赤字に転じ、そのまま現在に至っておる状況です。テメル政権の時にですね、歳出上限法の施行等、支出の抑制、財政規律の回復を図る取り組みを進めたことや、緩やかではあるものの景気が回復基調にあることを受け、徐々に赤字幅は減少傾向にございます。歳出上限法にてですね、支出のキャップですね、支出のコントロール自体はできる形になっておりますので、新政権のリーダーシップの下、年金改革法案が可決され、中長期的なブラジル経済の成長に必要な政府のインフラ整備等への予算が確保できるようになれば、経済成長が再び加速し、中長期的には基礎財政収支の部分もプラスに転じることが期待できるのではないかと考えています。

 続きまして、失業率の推移です。ルーラ政権下では失業率は低下基調にございましたが、2015年からの景気後退を受けて雇用調整局面に入り、失業率が11%から12%台の高い水準となりました。2017年後半以降ですね、雇用環境は若干ですが改善傾向にはございますが、引き続き高い水準となっております。失業率は経済成長の変化に少し遅れて反応する傾向がございますので、景気後退前までの水準への回復は相応に時間が要する見込みでございます。

 続きまして、消費者信頼感指数でございます。真ん中の青線で示されているグラフが消費者信頼感指数となっております。2015年に最悪の水準を記録いたしましたが、政権交代以降、少しずつ回復傾向にございます。昨年5月から6月にかけてのトラック運転手によるストライキによって、ブラジル経済や社会構造の脆弱性が露呈して以降、一旦減少いたしましたが、大統領選以降急速に回復しており、足元では景気後退前の水準まで戻ってきております。

 注目されるのは、赤線で示された将来への期待感の部分と、灰色、一番下ですね、灰色で示された現状認識の間に大きな乖離が生じていることです。消費者の将来への期待感がきわめて高いことがうかがわれる一方で、現状認識としてはまだまだ本格的な回復に至っていないと消費者は認識しているということが分かります。消費者信頼感指数は消費行動の先行指標とも言われておりますので、今後、実態もですね、少しずつ消費者信頼感指数の水準に近づいていくことが期待されます。一方で、新政権への期待が先行している部分もあろうかと思いますので、引き続き動向は留意が必要と考えています。

 続きまして、CDSですね。ブラジルリスクの増減を表す指標である5年物のクレジットデフォルトスワップと、対USドルのレアル為替相場の推移についてご説明申し上げます。クレジットデフォルトスワップは、2018年は大統領選の年であったことに加え、トラックスト等の影響もあり、不安定な動きとなりました。一時的に高水準となることもございましたが、大統領選後は減少に転じ、2016年の年初に450bpsを超えていたCDSが、足元では169bpsと景気後退前の水準まで戻ってきております。投資適格の新興国のCDSがだいたい130bps程度と言われておりますので、まあ相応にマーケットからの信頼は戻ってきていると考えられます。

 一方で為替につきましてはですね、ブラジル・レアルのボラティリティの高さについてはですね、皆様ご高承の通りかとございますが、過去5年間の推移を見ても、政治経済イベント等の影響を大きく受けて乱高下してきたことが分かります。2018年はブラジルの大統領選挙を控えた政治・経済情勢の不透明感に加えて、米国政策金利の引上げ、貿易摩擦の本格化といった外部要因もあり、レアルに下落圧力がかかり、特にトラック運転手によるストライキの際は、一時的に1ドル=4レアルに近い水準まで下落いたしました。大統領選以降は比較的落ち着きを取り戻し、足元は3.7近辺で推移しております。CDSのみがレアルの変動要素ではないためですね、一概には申し上げられませんが、マーケットからの信用力が高まっていることを鑑みると、今後、少しずつレアル高に進んでいくことが考えられます。しかしながら、年金法案が通らない等ですね、国内の政情不安が再燃するようなことになりましたら、再びレアル下落圧力が急速に高まり、1ドル=4レアルを超えるようなですね、レアル安局面へ突入することも想定されますので、引き続き動向には留意する必要があると考えています。

 続きまして、サンパウロ証券取引所の株価指数の推移です。ブラジルに対する投資家のセンチメントはここ2、3年で改善してきておりまして、トラックスト等で一時的に下振れしたことはあったもののですね、一貫して上昇基調にございます。足元では、歴史的な高値水準を更新し、10万ポイントの大台に迫る水準となっております。市場関係者の中ではですね、年金改革等の政策が実現されるような場合にはですね、12万ポイントに迫る可能性もあるというふうな声も出ておりますので、引き続き相場は堅調に推移するのではないかというふうに見ております。

 続きまして、インフレですね。棒グラフがインフレ率、横に入っている点線がインフレターゲットとなっております。2016年以降インフレを沈静化し、2017年にはインフレターゲットの下限に近い水準になっております。2018年は国内経済の回復、レアルの下落等を背景に、若干インフレ率が上昇。2019年は微増となる見込みです。

 続きまして政策金利の推移です。2016年のインフレ率の沈静化を受けて以来、景気刺激を目的とした金融緩和を進め、足元、6.5%まで下がっております。短期的にインフレ率が大きく上昇する環境にないことから、当面は現状の水準で推移することが見込まれます。

 続きまして、外国直接投資の推移です。外国直接投資は2015~17年まで、ブラジル経済の先行き不透明感が強い中ですね、低い水準で推移しておりました。2018年に景気後退に入る前のですね、2014年の水準まで回復いたしましたが、2019年もまあほぼほぼ同程度の水準となると見られております。

 次のスライド、こちらのスライドは金融部会所属の各金融機関にご回答いただきました、2019年、2020年の予測数値について、予測最大値と最小値というレンジで表記をいたしました。Focusと呼ばれる、100以上のブラジル金融機関の予測をブラジル中銀がまとめた指標トレンドもご参考までに比較しております。

 まずGDP成長率ですが、2019年が2~2.8%、2020年が2.5~3%と、Focusと同様ですね、各行とも緩やかな成長の継続を見込んでおります。一方、年金法案をどの程度織り込むかという点には違いがありですね、金融部会の参加メンバーの中でもレンジが開いている要因となっております。

 インフレ率は2019年が3.8~4.3%、2020年が4%と、概ね政府が定めるインフレターゲットのレンジ内に収まるものと見ております。

 為替レートは2019年が3.6~3.7レアル、2020年が3.6~3.8レアルと、足元の水準で比較的安定するものと見ております。

 年末の政策金利は、2019年が6.5~8%、2020年は若干金融引き締めに動き、7.5~8%へと、緩やかに金利引き上げに向かうものと予測しております。

 続きまして、ブラジル経済に関する金融部会参加社の今後の経済見通しについてコメントをサマリーしたものでございます。

 まず、一項目目のですね、ブラジルが本格的な経済成長に転じる契機となるものは何か?、という問いに対する回答が一つ目です。まずは、構造改革の実行ということで、社会保障制度改革、財政改革、税制改革、政府保有企業の民営化等をどこまで具体的に前に進めることができるかといった点がポイントとなります。かかる取り組みを着実に現政権が実行に移すことを通じて、内外マーケットの信頼を勝ち得、低インフレ、安定的な低金利環境を構築するとともに、本格的な個人消費の回復や企業の投資活動の活発化へつながるものと考えております。

 次の項目は、今後、ブラジル経済に影響を与える外的な要因があるとすれば何か、またどの様な影響か、という問いかけです。米中貿易摩擦やBrexit等の問題を背景に、世界経済の見通しが急速に不透明になってきており、実際に足元の世界の経済成長は減速しております。国際社会の不透明な状況は2019年以降も続くことが想定され、ブラジルへの影響も避けられないと考えております。

 個別国で申し上げますと、貿易、直接投資とも、きわめて重要な割合を担う中国の動向は引き続き注視が必要と考えております。また、本年は隣国アルゼンチンが大統領選挙という年でもございますので、同国の先行き不透明感が強まっております。もし、アルゼンチンの次期政権がマーケットの信認を得られないような場合には、一層の混乱が生じる可能性もございます。アルゼンチンがさらに厳しい局面となった場合は、隣国であり、かつ自動車産業等でもですね、非常に関係の深いブラジルにも相応の影響が出る可能性があると思われます。

 最後の項目。短期、中長期のそれぞれの時間軸でブラジル経済はどのように変化していくと考えられるか、という問いかけです。変化の方向性は以下二つと考えます。

 一つは、各種構造改革を通じて、ブラジルがビジネスフレンドリーな環境へ移行していくことです。政権は各種改革に真摯に取り組む姿勢を示しており、多くの国民は改革の必要性について認識しております。この環境で改革を着実に実現していくことができれば、短期的には市場の信認を得て、経済環境が安定し、本格回復へ移行することが期待できますし、中長期的には、教育、インフラ等への資金が適切に配分されることで、潜在成長率が引き上げられ、持続可能かつ力強い発展につながるものと考えております。

 二つ目は、ブラジルでも高齢化が進んでいくということです。各産業が高齢化社会に適応する中で、IOT、AI等の各種技術革新を通じてですね、生産性を引き上げると同時に、多くの関連する新しいビジネスを誕生させることが期待されます。ブラジルは先進的な発想や技術等を取り入れることには長けており、変革を受け入れる柔軟性にも富んでいると考えられますので、環境変化の局面に立ち向かった際にはその強みを発揮するのではないかと期待しております。

 では、かような変化にどのように備えるか、ということですが、日系企業としては、通常時にはスリムな社内体制を維持しつつも、潮目が変わった時に迅速かつ集中的に人、モノ、金を投下できるようにですね、準備しておくこと。常日頃から本社経営陣ともブラジルの状況を密に共有し、迅速に動けるような明確な戦略・戦術を決めておくことが大切と考えます。

 私ども金融機関といたしましても、適切にお客様の成長のお役に立てるように、世の中の動向を注視するとともに、安定的な資金の供給、的確な金融商品のご提案や、サービスのご提供、情報発信等に努めていくことが必要だと考えております。ブラジル経済動向のご説明はこちらで終わらせていただきます。

 続きまして、銀行業界動向についてご説明いたします。

 まず、貸出残高の推移です。2011年以降、毎年二桁ペースで増加しておりました融資残高合計は、2015年には6.7%と一桁の伸び、2016年以降はマイナスでございました。2018年は、個人向け貸出のみならず、法人向け貸出も回復に転じ、貸出は緩やかながらもようやく回復基調に転じたと考えられます。

 次のスライドは、業界全体における平均貸出利鞘の推移になります。2017年以降は政策金利の引下げや金融機関による審査の厳格化、クレジットポートフォリオの改善等を背景に貸出利鞘は縮小しております。

 続きまして、不良債権比率の推移です。2015年以降、景気後退による企業の資金繰り悪化等のですね、影響を受けて、延滞債権が増加していきましたが、2017年6月以降は景況感の回復に伴い、企業業績も改善に向かい、法人向け、個人向けともに不良債権比率は改善傾向にございます。この不良債権比率の低下ということがですね、金融機関の貸出余力につながるということもありですね、各行とも積極的な融資スタンスを示し始めておりますので、2019年はこれまで以上にですね、本格的にクレジットの回復が期待されるのではないかというふうに見ております。

 続きまして、保険業界の動向です。2018年、2019年の保険市場の動向についてご説明いたします。

 保険料収入ですが、ブラジルの保険監督庁であるSUSEPの統計データによりますと、2016年の1.5%を底に、2017年は4.2%、2018年は6.6%の成長を実現しております。保険市場の成長トレンドがはっきりと見て取れると思います。

  続きまして、保険種目別の保険料収入ですが、生命保険分野ではですね、10%と、引き続き高い成長を維持しております。生命保険のニーズが高まっていること、また、銀行セクターにおける個人融資の回復に伴い、団体信用保険が伸びていることが主な要因と考えられます。2017年にはマイナス成長を記録した自動車保険が、2%と弱いながらもプラス成長に転じております。また、保険料規模としては小さいですが、マリン分野も大きく伸びております。

  次のスライドは、保険種目別の損害率のデータです。全体では損害率が44.7%と、昨年対比2.2ポイントの改善を見ました。しかしながら、この大きな要因は、2018年年初の雨季に降雨量が少なく、水害があまり発生しなかったこと、また、5月のトラック業者のストライキや、6、7月のサッカーワールドカップで交通量が減少したことにより自動車保険の損害率が改善したことです。つきましては、表面的な数値ほどですね、実態は改善していないと思われますので、2019年の動向は引き続き注視する必要があると思います。

 最後のスライドとなりますが、今後の保険市場の成長見通しについてご説明いたします。

 2019年のブラジル保険市場の成長見通しは、損害保険、生命保険、傷害保険ともに引き続き高い成長が予測されています。ブラジルにおける保険の普及率は日本や欧米に比べると低い状況にありますが、中長期的に中間所得者階層が増加いたしますと、保険商品に対するニーズは高まってくると思われます。

 最後になりますが、足元、ブラジル経済はですね、循環的な回復基調にございますと。ございますが、なにぶん諸行無常でございますのでですね、再び難しい局面に直面するリスクは常にあると我々も理解しております。私ども金融機関といたしましてはですね、ブラジルの金融セクターの健全性はブラジルの強みの一つであると考えておりますので、目先の環境変化に右往左往するようなことはなくですね、お客様の事業の発展を一貫して支援できるように、これからも不断の努力を行って参りたいと考えております。長時間にわたりご清聴いただき、ありがとうございました。以上です。

 

司会

 津田部会長、たいへんありがとうございました。よろしければご質問ある方、挙手いただければと思います。いかがでしょうか。じゃあ1点だけ、15ページのところのですね、皆様ご関心あると思うんですけども、為替の予測ということだと思うんですけど、まあ見通しは3.6~3.8ぐらいということで比較的安定していますということなんですが、前回の発表が3.2~3.5ということで、半年前と全く外れていますよねというのはあるんですが、これは確か私の記憶ですと8月下旬に急激にレアルが下落して、取りまとめの都合だったというふうに記憶していますので、ただまあ一方で色んな事があるので、皆さん色んな情報を集めていただくのがいいのかなということが気付いた点。それと1点だけ、これは全て共通すると思うんですが、年金改革の、いろいろこれは見通しがありますけども、どのような前提で見通しを立てておられるのかというところだけ1点お知らせいただければと思うんですが、いかがでしょうか。

 

津田部会長

 ブラデスコとしてはですね、年金改革の程度にですね、まあいくつか段階があると思っているんですけれども、テメル政権の時に掲げていた年金改革案が大体真ん中ぐらいのレベル感の年金改革案で、いまボルソナロ政権下で提出された年金改革案というのは結構踏み込んだ内容のものになっていると考えておりまして、一方で、テメル政権がいろいろ譲歩して最後に出した年金改革法案というのが、かなり、まあ内容としては中身の薄い内容となっているというふうに見ているんですけれども、この3つある中では、ちょうど間をとったぐらいのですね、まあある程度国民としても受け入れやすいレベル感の年金改革法案が、今提出しているものほど踏み込んだ内容ではないものが通ったという前提で私どもは予想値を作っております。

 

司会

 はい、ありがとうございました。では、ご質問がないようでしたら金融部会からのご発言をこれで終了とします。たいへんありがとうございました。

 それでは、続きまして貿易部会の方からお願いいたします。猪股部会長、よろしくお願いいたします。

 

貿易部会

猪股淳 部会長

 高い所から失礼いたします。貿易部会の部会長を務めさせていただいております、伊藤忠商事の猪股でございます。早速ですが、18年の回顧と19年の展望ということについて説明させていただきます。

 まず、最初にですね、貿易額の推移でございます。前回同様ですね、半期ごとの貿易額の推移を示しております。左側の青い棒グラフが輸出額。右側の緑色の棒グラフが輸入額。また、この折れ線グラフが貿易収支を表しております。

 2017年のブラジルの貿易収支は、これは半期ごとですけども、通期で670億ドルの黒字ということでありましたが、18年につきましては、貿易黒字は通期で587億ドルということで、貿易収支は縮小いたしました。しかしながら、輸出額、輸入額ともにですね、上昇しておりまして、2016年の上期を底といたしましたところから、まあ回復基調が続いているのではなかろうかというふうに見ております。

 為替につきましてはこの下段に書いておりますが、17年の期中の平均は3.18レアルと。一方18年につきましては、為替の動向については皆さんご存じの通りでございますが、平均で3.68レアルということでございました。

 続きましてブラジルの輸出でございます。商品別に記載しております。輸出総額を見てまいりますと、金額ベースでは10.2%の増加。数量ベースでは2.3%の増加ということでございます。で、ここには数字を記載しておりませんけども、直近10年のピークでありました2011年、これ2560億ドルだったんですけども、ここに次ぐ輸出額ということでございます。

 輸出額の構成比ではですね、相変わらず一次産品が全体の49.7%を占めているということでございまして、国際市況に大きな影響を受けるという輸出構造は相変わらずでございます。

 一次産品につきましては、前年比18.1%、数量プラス4.5%増ということでございます。この中で金額構成が一番大きい大豆でございますが、大豆は金額で29.1%、数量で22.7%の増加でございました。金額を見てみますと、大豆は中国向けの輸出がこの大豆輸出の実に82%を占めたというのが18年の状況でございます。17年は79%でしたので、まあ中国向けの輸出が非常に大きいんですけども、17年からさらに伸びているということでございます。

 半製品を見てみますと、金額、数量ともに落ち込んではいるんですけども、非常に高い好調な国際市況を示しておりました木材パルプはですね、金額で31.6%、数量も10.6%という伸びを示しております。

 工業製品の中ではですね、まあ数量は落ち込みましたが、金額ベースではプラスと。中でも燃料油、いわゆるディーゼルオイルですね、が金額、数量ともに伸ばしまして、ご覧の通りの数字になっているということでございます。

 続きまして、向け先別の輸出でございます。輸出額の増加率が大きい国はちょっと分けて囲ってあるんですけども、やはり中国向けの伸びが大きく、35.2%前年比増ということでございます。17年と比べまして金額も大きく伸びておりまして、輸出の構成も5%伸びているということで、やはり米中貿易戦争によってブラジルの輸出における中国の存在感が増えた結果であろうというふうに見ております。

 対日輸出は、前年、17年は5位だったんですけども、18年は9位ということで、減少率はここに記載しております10ヶ国の中で最も大きく、マイナスの17.6%という状況でございます。

 続きまして輸入でございます。また商品別なんですけども、輸入総額は金額で前年比プラス20.2%、数量が2.3%増ということでございます。増加が目立つ品目としましては、一次産品では原油、それから小麦でございます。半製品ではアルミニウム、まあ金額的にはそんなに大きくはありませんけどもアルミニウムが40%増と。それから色々な合金関係が54.6%増という状況でございました。

 続きまして国別・地域別の輸入でございます。中国は2017年の下期にアメリカを抜きましてトップになりましたが、18年も27.1%輸入額を伸ばしまして、引き続き1位を維持するという結果になっております。一方日本を見ますと、日本は15.8%の増加で9位ということになっております。

 続きまして、日本の貿易に焦点を当てて説明させていただきます。左側が輸出でございます。輸出は前年対比で17.6%のマイナスということでございます。まあ全体はマイナスではあったんですけど、増加率が高い品目を見てみますと、大豆、木材パルプ、オレンジジュース、大豆かす等が挙げられます。減少率が高かった品目としましては、鶏肉、アルミニウムというのが挙げられます。鶏肉につきましては、まあ2017年に発生いたしました食肉のスキャンダルの影響がまだ引き続き残っているんだろうというふうに見て取れますし、アルミニウムにつきましては、これは一例ですけども、日本のナショナルプロジェクトでありますアルブラスという会社がございますが、これは新聞報道にもあったんですけども、原料のアルミナの調達にちょっと支障をきたしました関係で生産量減少と。それがそのまま輸出減につながったという側面はあるかというふうに考えております。

 続きまして輸入でございます。日本からの輸入でございますが、こちらにつきましては15.8%増加ということになっております。増加率が大きかったのは自動車、トラクター部品、乗用車。金額比は小さいんですけども、金属用のマシニングセンタとか工作機械がですね、非常に大きな伸びを示しているという状況でございます。

 続きまして直接投資でございます。左側のグラフは2011年からの直接投資額の推移を示しております。このグラフでいきますと、2011年が通年で695億ドルということで非常に高い数字だったんですけども、以降減少。ちょっと14年から持ち直したんですけども、18年につきましては13年を下回る、このグラフの中では一番低い結果ということになっております。やはり18年は、年初は期待感もあったんですけども、期中トラックストがございましたり、まあ大統領選を取り巻く不透明感がありまして、全体的に投資が抑制されたのではなかろうかというふうに見ております。また、各国別に減少で見てみますと、アメリカが33%減ということで昨年の1位から2位に落ちているということでございます。日本はですね、順位は12位ということですが、17年から比べますと109%ということで、増加率は伸びているという状況でございます。

 続きまして業種別の直接投資でございます。やはり一次産品が45%ということで伸びております。ただし金額構成比の大きい工業、あるいはサービス業というのは減少しております。サービス業につきましては41.6%の減少ということでございますが、その中でも金融、同補助サービスという項目が117.3%の増加。またITサービスが169.5%の増加ということで、増加率が目立っているという状況でございました。

 続きまして、日本からの直接投資でございます。これは10年間をプロットしておりますけども、10年間では2011年が最も直接投資額が大きく、14年以降は減少しておりました。18年は17年比で回復は見せましたが、まあ2倍以上伸びているんですけども、これグラフを見ていただくと分かる通り、依然低いレベルの直接投資であったということが言えると思います。

 続きまして、2018年の回顧でございます。これは先程ご説明ありました通り、18年の成長率は1.1%ということでございます。確定値待ちというふうに本表には記載させていただいておりますが、本日の報道によりますとこの1.1%が確定値ということになっております。まあ18年の年初はやはり経済成長への期待感があったわけですけども、途中から、まあ色んな不透明感と、一言で言ってしまいますけども、等々でですね、この期待感からは大きく落ち込む結果になったのではなかろうかというふうに考えております。

 為替につきましては、8月のシンポジュームの時点ではですね、18年の年末の為替をまあ3.7レアルというふうにお話しさせていただきましたけども、やはりその後、大統領選動向とかですね、米中貿易戦争、トルコショック、等々がございました関係で、安く推移しまして、年末は3.9ということで終了したという状況でございました。

 続きまして19年の展望でございます。19年につきましては、ボルソナロ政権が目指す財政改革、それから経済活動の自由化拡大、国営企業の民営化が、うまく進みますと、経済はやはり成長が期待されますし、我々日本企業としましても投資のチャンスが生まれてくるのではなかろうかというふうに考えております。

 このような前向きな経済環境の中で、GDP成長率につきましては、まあ18年の1.1%を上回りまして2.5%の成長は期待できるのではなかろうかというふうに見ております。実際、2月15日の中銀のアンケート結果を見ますと、2.48%の成長と。また1月21日のIMFの見通しでは2.5%という予測になっておりますので、まあこのぐらいの成長率が現段階では期待できるんだろうというふうに考えております。

 為替レートにつきましては、まあブラジルの金融政策に大きな変更はないというふうに考えております。足元は3.73レベルで推移しておりますけども、19年の為替レートは現時点では3.5から4の間というふうに我々としては考えております。まあアメリカの金利政策がですね、金利の上げ止まりというんですかね、というような状況が言われております。また、ブラジル経済の成長も期待されております。為替市場はこういうことはもう織り込み済みだというふうには思いますが、そういう中での3.7台、足元の推移ですので、やはりこのレベルを中心に動いていくと現時点では考えるのが妥当なんではなかろうかと。逆にこのレベルの推移で、我々の経営計画であったり、事業計画であったりというのを立てていくのがやはり妥当なのではなかろうかというふうに考えております。

 一方、国外に目を転じますと、ブラジル経済に影響を与えるようなアメリカ、ヨーロッパ、中国の景況感の悪化、米中貿易戦争、アメリカの内政やBrexitですね、等々、実際、経済動向に不透明感がない時はないと思うんですけども、ブラジル経済に影響を与える不透明感はやはり依然残っているというのがブラジル国外の状況ではなかろうかというふうに見ております。

 最後でございますが、まあ今回の副題であります「成長への期待、変化への対応」ということで、貿易部会としまして部会の各社の皆様にアンケートを取りました。この各社様の意見、アンケート結果をですね、簡単に取りまとめておりますので、皆様これを参考にしていただければというふうに思っております。以上でございます。

 

司会

 猪股部会長、ありがとうございました。ご質問、ぜひよろしくお願いいたします。多少時間が前倒しになっていますので、ご遠慮なくお願いできればと思うんですけど。すみません、進行の腕がなくて申し訳ありません。35ページのですね、もしお分かりになれば、今更なんですけども、オランダというのは輸出が非常に多いということなんですが、これ何か特徴的なものがあるんでしょうか。

 

猪股部会長

 このオランダからの投資の内訳というのは実は把握できておりませんで、ただですね、要は税務上の問題で、オランダを経由した投資がやはり増えているのではなかろうかなと。だから実態として、オランダからの投資というよりは、オランダを経由した投資というのが実態なのではなかろうかというふうに思います。

 

司会

 輸出もそうなんですかね。

 

猪股部会長

 輸出も、だから、輸出のインボイシングというんですかね、それで結構オランダとかルクセンブルグとかを使って輸出するブラジル企業は多いかと思います。

 

司会

 分かりました。他、よろしいですか。では野口総領事、ありがとうございます。マイクをお願いします。

 

野口総領事

 どうもありがとうございます。先程の質問と関連するんですけれども、投資をしている国のリストでですね、私もよく質問を受けるんですけれども、中国が入っていないというのがあって、これは先程も言われたように、色んな国を経由して入ってきているのではないかという見方もあるんですけども、そこについてはどういうふうに、理解といいますか、まあ対外的に説明したらいいのかというのを、お分かりだったらちょっと教えていただければと思っています。そういう第三国を経由した投資、要するに中国は色んな、電力セクターとか、そういうところでブラジルにも非常に多額な投資をしているというふうに報道をよく見聞きするんですけども、他方で国別の対内直接投資では中国という名前は出てきていない訳ですけども、そこらへんはどういうふうな形で中国の投資というのをこの表から読み取ればいいのかということですね。そういうところをもしお分かりだったら教えていただければと思います。

 

猪股部会長

 この中でですね、いわゆる投資を、経由国で、オランダ、ルクセンブルグ、バハマもそうですしケイマン、バージンというのは、やはり税務的な恩典がある国で、ここから中国を抽出するのは難しいと思うんですけども、実際その、色んな新聞発表とか見ていますと、やはりこれらの国の過半のお金の出元は中国なのではなかろうかというふうには考えております。

 

司会

 はい、ありがとうございました。他、よろしいですか。はい。それではこれにて貿易部会のご発言を終了とします。たいへんありがとうございました。

 それでは続きまして、機械金属部会、植田部会長からよろしくお願いいたします。

 

機械金属部会

植田真五 部会長

 皆様、こんにちは。ブラジル三菱重工の植田でございます。機械金属部会長を務めさせていただいております。当部会は多岐の事業分野に携わる、機械および金属に関連するメーカーならびに商社の方々を中心としたメンバーで構成をされております。本年2月現在で50数社の皆様に代表者として登録をしていただいております。

今回のシンポジュームでの発表にあたり、事前に各社の状況に応じてレポートをまとめていただきました。また、2月11日の月曜日には部会を開催して、情報および意見の交換を行いました。本日はその内容を発表させていただきます。

 まず私の発表の構成でありますけども、当部会の事業環境に関係するマクロ指標を説明させていただきます。続いてセグメント別に、鉄鋼、電力、建設機械、自動車およびその他の産業、オイル&ガス、ならびに紙パルプの状況を説明させていただきます。まとめ方は、昨年8月に開催された2018年下期のシンポジュームの時と同様でございます。最後に副題である「成長への期待、変化への対応」ということで部会メンバーの意見を紹介させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

 それでは、マクロ指標ということで、最初はブラジル工業生産の状況をグラフにまとめたものであります。これはブラジル地理統計院の資料です。2014年以降2018年末までを示していますが、ご覧の通り、2014年、15年、16年はマイナスが続いて、中でも15年と16年は、先程もありましたけれども、GDPのマイナス成長という非常に厳しい時期でありました。多くの企業の方々が大変苦労され、景気の回復を強く望んでいた時期でありました。

2017年に入ってプラスに転じ、18年もそれが継続すると期待をしておりましたが、5月に大きなマイナスとなりました。これはトラック運転手のストライキの影響であると理解をしております。その後、年末にかけてマイナスが続いておりますが、これは大統領選挙の前後、さらには新政権発足までの様子見ということが表れている結果だというふうに理解をしております。

 次は土木建設指数を示したグラフです。これもブラジル地理統計院の資料でございます。2012年を100として、その後の推移を折れ線グラフで示しています。それぞれの年ででこぼこはありますが、傾向としては2017年に向けて低下が続き、2017年で底を打ったものの、その後上がったり下がったりということで、安定しているとは言い難い状況だと思います。

 我々の部会が深い関心を示している設備投資意欲も全体としては戻りきっていないという意見も多く出されました。ただ、これまで手を入れることができなかった生産設備の老朽化対策としての更新需要等、一部に光が見え始めている業種もございます。新政権が発足して、さあこれから、という時に、ヴァーレの鉱山ダムの決壊や、大統領の子息に対するスキャンダル等、不安な部分もありますが、機械金属部会としては、何か変えてくれるだろうというボルソナロ大統領への期待感が具体的な表れとなり、経済の活性化につながることを強く願っています。

 ここからはセグメント別の状況を説明させていただきます。

 まず鉄鋼でございます。ブラジル鉄鋼協会がまとめている数値を使っています。左上に2014年から18年までの年間の粗鋼生産推移を示しております。その右側に昨年の粗鋼生産、国内販売、輸出を示しています。

 左のグラフから、2016年に底を打った後、17年に大きく改善をして、2018年も引き続き対前年比で増加いたしました。昨年8月の時点では、5月のトラック運転手のストの影響で減速が大きいのではないかと心配をいたしましたが、結果は若干ではありますが前年を超えることができました。

 また、国内販売は回復をしてきた自動車業界の牽引により増加傾向が続き、対前年比8.2%の増加となりました。

 輸出については対前年比で減少傾向が継続し、最終的には4%のマイナス。輸入は国内景気の回復により3.3%のプラスとなりました。

 2019年の展望といたしましては、景気回復に期待を寄せつつも、そのスピードは依然緩やかな見通しという状況下、自動車、機械設備ならびに建設部門での鋼材需要が復活してくると予想をしています。一方で、米国の通商拡大法232条の影響や、EUのセーフガード措置といった保護貿易に対する懸念は払しょくできない状況です。

 しかしながら、長い目で見れば、ブラジルの一人当たりの粗鋼消費量はまだまだ低く、今後の伸びしろは大いに期待できると認識しています。さらに、自動車分野での軽量化、EV化、環境対応等、鋼材需要分野における質的な変化も含めてビジネスチャンスの期待をしています。

 続いて電力です。こちらはエネルギー研究公社の資料です。左の棒グラフが2014年から昨年までの電力消費量の推移。右の棒グラフが2018年の電力消費の内訳を示したグラフです。

 2018年の回顧といたしましては、2017年に前年を上回る消費量となり、続いて昨年も対前年比で1.1%増加したということで、回復基調が続いておりまして、過去最高だった2013年、14年のレベルに近づいてまいりました。この資料の中には含まれておりませんが、昨年の電力オークションの結果を見ますと、風力や太陽光といった再生可能エネルギーによる発電が占める部分が多く、発電単価を大きく下げて増加しているという状況であります。昨年の5月時点では、前年同月比で、トラック運転手ストはあったのですが、まだその影響は出ていなかったのか、2.9%の増加を示しています。

 2019年の展望としては、汚職にまみれた旧労働者党政権下の政治経済の混乱から脱却し、堅実な経済成長を期待する中で、エレトロブラスの民営化や、PPIによる民間資金を利用したインフラ投資の拡大等、新政権の具体的取り組みの行方を注視しつつ、経済が回復した時に取り残されぬよう準備をしていく必要があると思っています。

 当部会関連企業が関係するバイオマス関連の新規案件の動きは依然低調でありまして、紙パルプや製鉄といった業界の業績回復が見られるので、これらの分野での新規プラントの受注や大型メンテナンス案件の具体化を期待しております。

 次に建設機械に関してです。これは2012年を100とした建設機械の生産実績を示す折れ線グラフであります。この資料からも、2017年まで生産の減少が続き、その後回復傾向にあるという推移をご理解いただけると思います。

 2018年の回顧といたしましては、国内販売は前年比プラス47%と、当初予想であった8%を大幅に上回る伸びを見せました。その理由としては、まずレンタルや農業向けが好調であったことが挙げられます。さらに言える事は、落ち込みが心配された選挙から年末にかけての時期に官公需が好調で、建設機械需要を下支えしたことがございます。そして、長年にわたった景気低迷による建設機械の需要減少が底を打ったと感じることができる点であります。

 続いて、今年の展望といたしましては、国内では昨年好調であったレンタル関係はその勢いを維持すると期待していますが、昨年後半の需要を下支えした官公需の落ち込みを懸念しています。

 一方、輸出に目を向けますと、米国経済の先行き懸念や米中摩擦の悪影響を受ける可能性も高く、予断を許さない状況と認識しています。

 しかしながら、もう少し長い目で見ますと、新政権による民営化をツールとしたインフラ整備の再始動の予感もあり、新技術、イノベーションを含めて一気に景気が加速する可能性もあるので、流れに遅れないための準備と構造強化を着実に進める必要もあると思っています。

 続きまして、自動車その他の産業関連セグメントです。資料としては、左下に自動車生産協会がまとめた自動車生産台数の棒グラフを、その上にブラジル地理統計院が発表したその他機械の生産動向、これは2012年を100とした指数で表した資料を準備いたしました。この資料からもお分かりいただけるように、上のグラフが示す当部会メンバーが関連している製品の生産動向の傾向は一定しておりません。したがって、当部会のメンバーが関わっている分野の状況を一口で語るのは非常に難しいところがございます。このグラフを参考にしていただきながら、当部会メンバーが実際のビジネスを通じて感じている点を中心に、昨年の状況と今後の展望を紹介させていただきます。

 まず切削工具に関してです。この製品の主力ユーザーは自動車産業であります。この自動車産業は長いトンネルからようやく抜け出し、回復傾向が鮮明化していることはこれまで申し上げてきた通りです。この自動車産業に加えて、農業、金型分野、航空機ならびに医療分野といったところも堅調に推移している状況下、切削工具の需要は昨年に続き今年も回復傾向が継続するものと期待しています。

 次に、回転機械において重要な部品となるベアリングでありますが、自動車の状況を連動して需要は回復傾向にあります。不安要素としては、お隣のアルゼンチンの経済混乱による同国向け自動車輸出の減少で、ブラジルの自動車産業が悪影響を受けて順調な回復に水が差されることであります。

 金属加工油剤や潤滑油に関しても、自動車産業の影響を受けてベアリングの同様の状況であると言えます。不安材料としては、ブラジル通貨であるレアルが安くなり、または原油価格高になることで、輸入原料の材料が急上昇することです。

 小型ディーゼルエンジンにつきましては、昨年は5月に発生したトラック運転手のストライキの影響で約1月間販売ができず、その機会を逸してしまった時期がありました。今年は輸送車両用の冷凍機や農業機械向けといった需要に対して、日本製の多気筒エンジンを中心として販売の回復傾向が続く見込みであると予想をしております。

 トラクター分野に関しては、2018年は前年同期との比較で105%と、2年連続の増加を示しました。2019年は農作物の収穫は概ね良好と予想されるものの、最大の輸出国である中国の経済動向とボルソナロ政権の対中政策を注視する必要があると思っています。販売全体としては昨年並みか若干上回るものと予想しています。

 ポンプに関しては、2018年は農業や一般産業向けが好調で、一昨年対比で増加するものと見込んでおりました。今年についても、新規投資や省エネ目的による設備更新需要により、業界として回復基調が維持されることを期待しております。

 プラント向けの制御機器関連としては、2018年は経済成長がプラスに転じたことを背景にしまして、ここ数年低調な推移を見せていた石油、石油化学、紙パルプや鉄鋼といった業種で既存設備の更新需要が増加したと感じています。また、石油・ガスの上流工程や、紙パルプ業界では新規投資も復活してまいりました。今年もこの傾向は継続するものと期待しています。ただ、製鉄業界においては既存設備の更新や最新鋭化といった動きは各社によって異なるので、しっかりと情報を入手して、臨機応変な対応が求められると思っています。

 移動式クレーンやレーザー切断機は依然として厳しい状況が続いておりまして、2019年もまだ種まきの時期であると認識しております。

 最後にオイル&ガスと紙パルプセグメントの状況です。資料としては、ブラジル地理統計院の石油製品、紙パルプの生産実績を、2012年を100とした指数で表したものを準備いたしました。石油製品の生産実績は赤の折れ線が示しています。

 2018年の市場の動きといたしましては、ペトロブラス社がコア事業である石油・天然ガスの開発や生産に資本を集中する中で、GDPのプラス成長は年初からの原油価格上昇を背景に、洋上の生産貯蔵設備であるFPSOの新規建設に対する期待感が高まりました。その一方で、内需に関わる下流の石油化学分野では投資は減少するという傾向にありました。

 2019年に目を向けますと、昨年末に発表されたペトロブラス社の5ヶ年計画において年間3隻のFPSOの建設計画が含まれており、需要拡大の期待が増しています。ただし、石油価格は昨年末より原油安に転じており、予断は許されない状況と言えます。

 紙パルプの生産実績は青い線が示しております。昨年は5月のトラック運転手のストによる一時的な影響はありましたが、パルプ需要全体の拡大により生産・輸出とも対前年比で増加する結果となりました。今年につきましても、紙パルプの大手企業が中規模のプラント建設計画を発表しており、ビジネスチャンスの拡大に期待をしております。

 以上、当部会を取り巻く環境について、2018年を振り返り、また2019年を展望いたしました。最後に、副題である「成長への期待、変化への対応」ということについて部会メンバーの見方を紹介させていただきます。各位から提出していただいた内容を部会長として私がまとめさせていただいたものです。

 これまで説明申し上げた通り、われわれ機械金属部会としては経済の回復は実感し、一部で業績回復に反映されているところはあるものの、ボルソナロ新政権の各施策の具体化が待たれる状況下、引き続き不安も払しょくしきれないということだと思っております。その中で、1.期待要素とポテンシャル、2.不安要素、そして3の変化への対応という、この3点にまとめてお話しをさせていただきます。

 まず、期待要素とポテンシャルでありますが、より鮮明な経済の回復と、民間主導、あるいは貿易拡大政策に大きな期待とポテンシャルを感じています。具体的な内容でいいますと、鉄鋼分野のところでも申し上げました通り、ブラジルの一人当たりの鋼材消費量は依然低位にあり、まだまだ伸びしろがあると期待できることや、ペトロブラスの設備投資計画が増加する中でのビジネスチャンスです。

 その半面で不安要素もあります。各種の改革や規制緩和にはとても時間がかかることは過去の歴史が証明しています。そして、期待感で膨れ上がっているボルソナロ新政権の実力はまだ未知数であることも、不安要素と言えばその通りです。それを考えますと、我々機械金属部会メンバー企業の業績を大きく左右するインフラ、建設市場の本格回復は今年ではなく、来年、2020年以降となるのではないかということも念頭に入れて事業運営をする必要があります。アルゼンチンとブラジル以外の南米諸国の景気動向や、米国の保護貿易の拡大がどこまでいくかという心配も現実的に存在します。

 それでは、我々としてこの変化にいかに対応するかでありますが、あまり前のめりになるのではなく、今年は新しい政権の力量を含めてその成り行きを見極める年と位置付けて、不安要素に伴って生じるかもしれないネガティブサプライズに備えた取り組みを継続しつつ、景気動向にかかわらず、持続的に成長して利益を出し続ける強固な企業体質を構築することが肝要であると思っています。

 その具体策としては、積極的な人材投資、または生産性向上と教育によるものづくりの強化といった地道な活動が例に挙げられると考えておりますが、各社おのおののサイズや実力に応じ、身の丈に合った諸対策を講じる必要があるというふうに思っております。

 ご清聴ありがとうございました。

 

司会

 はい、植田部会長、たいへんありがとうございました。ご質問ある方、挙手をいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

 

発言者

 ありがとうございました。丸紅の藏掛です。建設機械のところなんですけども、鉱山向けですね、マイニング関係の今年の需要についてはどういった見立てでしょうか。

 

植田部会長

 私、細かなその数字を手元に持っていないので、適切な答えにはなっていないのかも分かりませんけども、やはり景気が回復してくると、ブラジル経済を支えている鉱山分野はですね、伸びてくると。したがってそれに必要な建設機械というのはですね、現在彼らが持っている設備をしっかりメンテナンスしていくという活動に加えて、新しい機械も需要は出てくるものだというふうに、一般的な期待は持っております。

 

発言者

 ありがとうございました。

 

司会

 ありがとうございます。他、よろしいでしょうか。ご質問のある方は挙手をいただければと思いますが。

 

発言者

 こんにちは。2019年にブラジルでどの部門が最も有望かということについて、どのような見通しをお持ちでしょうか。

 

植田部会長

 はい。質問どうもありがとうございます。私の今日の発表の中でも申し上げたんですけども、機械金属部会、非常に多くの業種がありまして、今回、部会を通して意見交換した中ではですね、やはり、早く、そういう意味で数字が上がって来るのは切削工具の分野だというふうに思っております。とにかく工場を稼働する時に、そういった消耗品をしっかりと補充していくというのは重要なことであると考えておりますので、その点は早いと思っております。

 

司会

 よろしいでしょうか。他、ご質問のある方おられますか。はい。それでは植田部会長、たいへんありがとうございました。それでは続きまして自動車部会の方からお願いいたします。下村さん、よろしくお願いいたします。

 

自動車部会

下村セルソ 部会長

 皆さんこんにちは。自動車部会の下村と申します。私から自動車部会の報告をいたします。今回は、去年の振り返りと今年の展望などについて、二輪、四輪の順に説明いたします。

 まずは、始めに四輪の振り返りです。新車市場についてです。14年以降大きく縮小していますが、16年から回復しました。18年は257万台、前年比115%と大きく伸びました。経済回復と金利低下が消費者の需要を押し上げました。

 続いて月別の販売台数です。去年の販売は、トラックドライバーストライキがありましたが、それでも前年より良く、前年比14%増えました。後半は大統領選挙など心配な要素もありましたが、前年比115%増えました。

 次に生産と輸出です。18年の生産台数は288万台でした。国内市場が好調でしたが、アルゼンチン向けの輸出が減ったため、前年より少し増えるにとどまりました。輸出台数については、主な輸出国アルゼンチンの市場が縮小し、前年比82%でした。

 次に、新車・中古車別の市場です。このグラフから、中古車は横ばいで、新車所有が伸びている事が分かります。中古・新車トータルで1300万台を超え、順調に伸びています。

 続いてブランド別の台数とシェアです。フォルクスワーゲン、VWですね、新型Poloが好調で、前年比でシェアが2%増え、大きく成長しました。日系メーカーは、販売台数を伸ばしながらも、生産制約などからシェアを少し落としています。ただ、ここ数年のトレンドを見ると、Fiatなど欧米メーカーが台数シェアをかなり落としましたが、日系メーカーが台数シェアを伸ばしています。

 次に今年の展望です。こちらは2019年の予測です。自動車市場は経済回復に伴い引き続き拡大するものと見ています。生産も314万台で前年比9%増、輸出は59万台で前年比減と見ています。これは先程言ったアルゼンチンの市場が減るためです。

 続いて長期展望です。長期展望としては、重要なテーマはこちらになります。ブラジルの自動車産業の長期指針で、競争力強化に関わるRota2030、大気汚染防止のための排ガス規制、将来のビジネスモビリティであるモビリティサービス、そしてモノ・人の流れを変えるFTA。本日はこの4つを説明いたします。

 自動車政策については先回のシンポジュームで7月に発表された内容を説明しました。内容をおさらいすると、優れた技術の現地化に向けてR&Dとエンジニアリング投資が強化され、燃費改善やセーフティなどの技術の導入が促進されます。新たにサプライヤー育成プログラムも入っています。

 その後、12月に法令として正式に発効されました。インセンティブの対象や基準はブラジルでビジネスをする上で重要であり、日系メーカーが競争力のあるビジネスを展開できるように政府に働きかけていきたいと思っています。

 続いて排ガス規制です。去年11月、環境省の委員会で、2022年、2025年以降の排出ガス規制の大枠が決まりました。ブラジルの自動車メーカーにとって、規制導入のタイミングがとても厳しいので、販売できなくなる車種が出てくる可能性があります。これを避けるためには、規制導入のタイミングが現実に即したものになるよう政府に働きかけることが大事です。

 現在、グローバルでは自動車業界が100年に一度の大変革期を迎えていると言われる通り、Connected、Autonomous、Shared、Electricの流れでブラジルにも来ています。シェアリングやエレクトリックについては各社が実証実験を進めており、今後成長する分野を見据えて、業界を超えたプロアクティブな取り組みをしていく必要があります。

 日本では米国とのタッグ、協定や、東アジアにおけるRCEPが注目されていると思います。日メルコは、経済規模でGDP約8兆ドル、約4億人の大規模な経済圏であり、今後さらに成長する市場であることを考えると、日本にとても重要な市場だと思います。自動車部会としては、日メルコEPAの早期交渉開始に向けた活動を後押ししていきたいと考えております。

 続いて、日系ブランドの対応について説明します。先程話したように、Rota2030については、インセンティブを活用するため、今後発行される細則をしっかり見ていく必要があります。Proconveについては、規制導入のタイミングが現実に即したものになるよう、政府や関係機関に働きかけていくことが大事です。また、今後拡大するモビリティサービスを見据えて、業界を超えたプロアクティブな取り組みをしていく必要があります。州税やIPIについても、問題解決のため最大限努力していきたいと思います。今日話したことを次のスライドにまとめます。こちら、本日のまとめとなりますので、見て下さい。

 続いて、二輪業界について説明します。まず生産・販売についてです。二輪市場でも、去年前半から市場が回復し、後半もその傾向が継続。去年の販売は96万台です。前年比118%と7年ぶりに前年を上回りました。経済の緩やかな回復や、政策金利が低く維持されている事などから、特にローン販売で購買意欲が改善しています。一方輸出は、アルゼンチン経済の減速により、前年比83%となりました。

 こちらは登録ベースの月別の販売です。大統領の経済政策への期待が高まる中、18年後半は全ての月で前年を上回り、回復傾向がより鮮明となりました。

 最後に二輪販売の支払い形態別推移です。緑のグラフ、ローンによる販売比率を示していますが、金利が低く抑えられ、金融機関からの貸出が過去3年で最高水準ということもあり、ローン販売が伸びていることがお分かりかと思います。金利の安定や、失業率の改善で、販売が増え、今年も二輪市場のさらなる回復を期待しています。

 これで私の発表を終わります。ありがとうございました。

 

司会

 はい。下村部会長たいへんありがとうございました。では、ご質問よろしくお願いいたします。

 

発言者

 岡と申します。下村さんのコメントをちょっと聞きたいんですけど、たしかこの前、GMも撤退するっていうそういう噂も流れたし、Fordはサンベルナルドでもう工場を撤退しますよね。そのコメントをちょっとお聞きしたいんです。

 

下村部会長

 絶対そういう質問出るかと思ったんですけど。はい。FordとGMは、バックグラウンドは同じと思います。ブラジルの厳しい市場の中に今がんばっているんですけど、ただそれぞれのカンパニーのストラテジーはちょっと違うんですね。やっぱり、Fordがプロダクトが、いろいろあって、ちょっと悪くなっているんですね。GMはやっぱり、何とかがんばっていきたいけど、何とかもっとサポートをいただけるためにそういう動きをやっているかなと思います。ただ、日系メーカーですね、トヨタ、ホンダ、日産は変わらない。ブラジル、まあ今は、いつでもイサオが言っているようにこういう形ですけど、こういう形ですからね。絶対戻ると思っていて、しかも、さっき話した、この国がまだ伸びると思っていて、インベスティメントは続けます。例えばトヨタが去年インダイアトゥーバ工場に1Billion Reaisぐらいインベスティメントしまして、今年からハイブリッドFFVを生産します。ホンダも実は、今月かな、今月から、新しい工場でも生産が始まっているし、日産もどんどんエレクトリックカーを入れています。だからそういう意味では、日系メーカーはブラジルから出るつもりはありません。ちゃんとインベスティメントをやりますと、安心してください。ただ、ここにいる、色々うちのサプライヤーあるんですけど、一緒にがんばらないといけないので、よろしくお願いします。

 

司会

 はい、ありがとうございます。他、ございますか。どうぞ。

 

発言者

 いつもお世話になっています。谷口です。ひとつお聞きしたいのは、ブラジル政府に対して、電気自動車とかハイブリッドに対してね、もう少し恩恵がもらえるべきなところ、全然交渉がうまくいっていないのは、ANFAVEAの方でも、例えばGMとかフォードとかがあまり力を入れていないという意味なんでしょうかね。もう少し本当は、恩恵をもう少しもらって、例えばハイブリッドを買っても一時的にはIPVAの減税があったんだけど、今のドリアになってからまた高う決めてくれたんですけど、そんな邪魔をするような連中と何か交渉できないのかなと思ってちょっと悔しいんですけどね。それだけちょっとお聞きしたい。

 

下村部会長

 さっき私のプレゼンテーションで話した通り、これから大分変ります。日系メーカーはハイブリッドとか電気のところ、もっとできると思いますけどね。ただ、他のカーメーカーもできることはあるんですけど、たぶんまだ、他のカーメーカー、エタノールとかFFVはインベスティメントしまして、だからまだどうなるかはっきり決まっていないんですよ。たぶんまだ、そういう、FCAとかエタノールにフォーカスするかもしれない。いずれにしても、日系メーカーはやっぱりそういう新しいトレンド、エレクトリック、ハイブリッドについては、やります。インセンティブがなくてもやらないといけない。こういうトレンドになりますというのは、うちは見ているんですね。ただ、政府は去年12月に、たとえばRota2030の中にはハイブリッドFFVに、ブラジルで生産したら3%IPIリダクションできるという新しいルールができたので、そういう意味ではちょっとサポートしているかもしれない。ただ、新しい政府はそういうインセンティブがそんなにあれじゃないですから、まあこれからアプローチしましてですね、どうやってやるか、ちゃんとANFAVEAと一緒にやらないといけないと思います。ただ、先月、うちの社長がドリアと会って、ドリアがやっぱり、何とかサポートしますので、一緒に、インセンティブまでもらうとかそういう話ではなくて、だけどそういうトレンドにサポーティブな活動をできるだけはやりましょうと、そういうことはあります。ただ、言った通り、もうちょっとね、そういう新しい技術が、問題はボリュームですから、今ボリュームがないので、ちょっと助けないといけない。その後、ボリュームがあったら、助けなくても、皆やらないといけないと思っているんですね。だけど最初はやっぱりちょっとやらないといけないので、その辺がもうちょっと政府の理解をやらないといけないかなと思っていますので、はい、一緒にやりましょう。

 

司会

 はい、ありがとうございます。ではもう一つ質問、お時間ございますが、もう一方ぐらいいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。非常に、環境対応であるとか、モビリティであるとか、Rota2030とかこの辺りが具体的になってきているのかなというのが非常に、色んな情報が出てきているというのが私個人的には印象的に思いましたし、まあ今後、今おっしゃったような、より効果のあるといいますか、スピード感をもった対応にぜひ期待したいなと思うところです。ありがとうございました。それではこれで自動車部会さんからのご説明を終了とします。たいへんありがとうございました。

 それでは前半最後となります。コンサルタント部会の方からお願いいたします。吉田部会長、よろしくお願いいたします。

 

コンサルタント部会

吉田幸司 部会長

 本年度よりコンサルタント部会長をさせていただいております、KPMGの吉田と申します。前半最後ということで、ちょっとお疲れのところもあるかもしれませんけども、何とか時間通りに終わらせたいと思いますので、最後までお付き合いいただければというふうに思います。

 本日、たぶん、お手元に資料印刷されてお持ちになられている方もいらっしゃるかもしれませんが、すみません、昨晩にちょっと一部修正を入れさせていただいたところがございまして、ちょっとお手元の資料とスクリーンで一部違う所があるかもしれませんけども、その時はスクリーンの方を見ていただければというふうに思います。それでは、私の方からコンサルタント部会の内容についてお話をさせていただきます。

 まず、最初にですね、ひとつビジネス環境のお話をさせていただく中で、ご紹介させていただきたいところといたしまして、こちらですね、実は世界各国の1300人のCEOの方にアンケートを取らさせていただいて、その結果をまとめさせていただいたものとなっております。日本からは100名、ブラジルからは53名、ラテンアメリカ全体で見ると278名の方々からですね、ご回答をいただいた内容というところになっております。ちなみにこのアンケートをしたのは2018年の1月、2月ということで、ちょうど1年前ですね、1年前に各国のCEOがどのようにして経済を見ていたかというところの一つの参考数値として見ていただければと思います。

 世界とブラジルという形で比較させていただいておりますが、世界経済については3分の2の人が成長していくと。ブラジルは半分ぐらいの数値で成長していくというふうに見ていますよと。一方ですね、自分の会社が伸びていくんだというふうに見ているところは、グローバルでも強気だと思うんですが、90%と。一方でブラジルはですね、全員が絶対伸びるんだというふうに見ているというところです。中々これはブラジルらしいなというふうに思ったところです。

 一方、成長していくにあたって何がリスクかというところを質問させていただいたところ、まあグローバルは中々グローバルらしいなと思うんですけども、保護主義への回帰というところで55%というのが一番高いですよと。あとはですね、やっぱり最近の技術の進化が激しいものですから、破壊的技術のリスクとかですね、サイバーセキュリティのリスクが上がってきていると。一方、ブラジルですね、やっぱり自社の運用のところでオペレーションリスクが高いとかですね、あと、ブラジルらしいなというところなんですけども、金利の上昇というところがビジネス上のリスクというふうにブラジル人のCEOは見ているというのがこのアンケートから見て取れるかと思います。

 ちなみにですね、2017年度、実はアンケートさせていただいているんですけど、ブラジルで2017年度、58%の人がリスクだと言っていたのがですね、2018年で消えたものがあります。これですね、インフレーションの上昇ですね。2017年度はインフレリスクがあると思っていたのが、2018年度にはそれがなくなったというのがこのアンケートから見て取れるところだというふうになっております。

 これが1年前のCEOの方々が見ていた経済の見方というところなんですが、実際どうだったかというところで、地政学リスク、もう各部会の方が発表されていますけども、地政学リスクが高まりましたねとか、あとはトラック運転手のストライキ、あとボルソナロ政権の誕生といったところがブラジル経済にも大きく影響を与えているかなと。

 あと、コンサルタント部会らしくというところではあるかもしれませんが、法律や規制の改正もありましたと。税制についてはeSocialの適用、BLOCO Kが規模にかかわらず全面適用になったとか、あと税務申告のデジタル化の流れ、Rota2030の導入とかですね、法律ではデータプライバシーの導入とか、労働法の改正、まあ2017年度ですけど、ありましたと。あとは会計ですね。売上とか、金融商品会計基準。国際財務報告基準が変わったことによってブラジルの基準も変わりましたと。あと、2019年度、今年からはですね、賃貸、オフィスの賃貸も、これを、オフィスを使うという権利とオフィスを借りている事に対する支払い義務、これを両立てしないといけないという会計基準が今年、2019年度から導入になるということで、法律の部分も色々と変わっているというところが見て取れるかと思います。

 あと、ビジネスの変化といった時に、やはり最近の大きな変化ということで、デジタル化の流れというのが非常に大きな一つのポイントかなというところで、デジタル変革のところについても今回CEOのアンケートを取っておりますので、その内容についてこちら紹介させていただいております。

 この技術の革新によって自分のビジネスがなくなってしまう、いやいや技術革新によって自分のビジネスがさらに伸びるんだと、どう思いますかというところなんですが、グローバルではほとんどのCEO、95%がビジネスが伸びると。ブラジルは100%ですね。この技術革新が自分の会社をさらに大きくしてくれるんだ、成長させてくれるんだというふうに信じていると。

 また、AIですね。AIを導入することによって、日本ではAIの導入が仕事を奪うと。我々のような仕事もですね、AIが仕事を奪うランキングのトップの方に入って来るんですけども、まあそうは言っているところで、グローバルとブラジルではAIの導入がさらにビジネスを作っていく、雇用を生み出すんだというふうにポジティブに見ているというのがアンケート結果に出てきました。

 実際にじゃあ、AI、どこまでブラジル企業が取り組んでいるかというところについても、こちらアンケートさせていただいているんですけども、これがですね、私正直、AIはまだそんなに入っていないだろうと思っていたんですが、アンケート結果を見るとですね、一部導入とか、試験的に導入というので、足しても85%と。ほとんどの企業が何かしらのAIに取り組んでいるというのがブラジル企業の状況というところですね。これかなり高いなと、正直、びっくりしたところです。ただ、ご本人の意見なので、本当かどうかちょっとわからないところもあるんですけども、一応そういうような結果が出ているというところです。

 あと、AIの導入によって、どんどんデジタル化、人の手が入らなくなっていきますので、それによってどういうところを改善していくかと聞くと、大体皆さん、利便性が上がるとか、コストの削減とか、さらに成長していくだろうということで、AIに対して非常にポジティブな意見が多かったというのがアンケート結果になっております。

 今まではアンケート結果のご紹介になるんですけども、ここからちょっとスライド3枚ほどでですね、絵だけになっているんですけど、そんなの皆さん分かっているよというところかもしれませんが、最近のビジネスのバリューチェーンの変化というところについて簡単におさらいをさせていただければなというように思います。

 向かって右側ですね、右側の図が多分今までのビジネス形態というところになるかと思うんですけども、ものを作る会社さんであれば、サプライヤーさんからものを買って、そこを作って、お客さんに売っていくと。基本的にはバリューチェーンは上流から下流に流れていく垂直的バリューチェーンというのが一般的に言われている流れではないかなというところなんですが、最近ですね、皆さんアマゾンを使ったり、ネットを使ったり、色々されているかと思いますので、実体験されているかと思うんですけども、もうサプライヤーさんが直で顧客と結び付くと。で顧客側も、別に代理店とか企業さんを通さずに、もう直で連絡を取り合うということで、複数、ネットワーク的な、色んなところがつながるようなバリューチェーンに変わってきているというのが最近のビジネスの流れじゃないかなというふうに言えるかと思います。

 一つ、産業としてのご紹介、私がしゃべるまでもないかもしれませんけども、伝統的バリューチェーン、自動車ですと、OEMさんですね、自動車メーカーさんが自動車を作って代理店に売りますと。それを我々みたいな消費者が買いますと。で、買った後は当然自分たちはガソリンも入れに行きますし、政府に税金も払います、保険も入ります、ローンをするときには金融機関の方に行きますとか、あと修理だと工場に行きますというような、こういうようなバリューチェーンになっていましたと。それが、先程下村部会長からも話がありましたけども、モビリティサービスというふうな動きの中で、今後、車を所有して何か使うというわけではなくて、サービスとして見ていくと。またそのサービスをどうやって企業が見ていくか、サービスのチャンスをどう見ていくかというところで言われているのが、このデータアグリゲーションのところですね。データを集めて、それぞれターゲットに合ったマーケティングをやっていくと。その情報を使った上で、どのようなものがその顧客に向いているかというのをやっていくというところで、ますますこのバリューチェーンの方が変わって行っているというのが今のビジネスの流れかなというところになります。

 すみません。ちょっと話がポンポンと飛んでいくような感じかもしれませんけども、ここからは少しグローバル資本市場の変化というところについてお話させていただければと思います。こちら、どこの年代を取るかとかですね、どのタイミングで取るかによってちょっと順位が確かに前後するところもあるんですけど、ひとつ、世界の株式市場の時価総額というところについて、こちら比較させていただいております。

 2007年と2018年のトップ10と。なぜ2007年かというふうに思われるかもしれませんが、一応ですね、リーマンショック前ですね、リーマンショック前にどういうところがトップ10だったか。で、直近ですね。直近だと世界でどういう所がトップ10になっているかというところなんですけども、リーマンショック前ですね、エクソンモービルがトップ10でした。この時の時価総額が確か5000億ドルぐらいというのがトップ10となっています。それ以外もですね、シェルとかBPとか、エネルギー関係の会社がやっぱり大きいですし、やっぱりGEですね。最近はちょっとGE、昨年度は大きな減損とか株価を落としてしまったんですけど、という辺りが2007年時点では世界のトップ10として名を上げていますと。

 ところが2018年、約10年経った後ですね、どうなっているかというところなんですけども、皆さん良く使われているアップル、アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、フェイスブックといったデジタル、インターネットっていう会社がトップ10のしかもトップ5に入ってきています。これらトップ5の会社、時価総額は全ての会社が7000億を超えていると。特にアップルについてはですね、一時期1兆ドルを超えていたということもありますので、デジタルの企業についての時価総額というのはどんどんどんどん高くなっているというのが世界の株式市場の状況かなと。

 あと、有望株というところで、ちょっと一番左側に挙げさせていただきましたけども、皆さん、このうち全ての会社を知っているという方はどれぐらいいらっしゃいますでしょうか。正直、私全部知らなかったです。全部知らなかったですけども、色々調べていくと、確かに世界でも非常に成長有望株として見られていると。特にウーバーとか、これは皆さん利用されているんでご存じだと思うんですけども、ウーバーについては2019年度中に株を上場させようというような動きになっていますけども、ウーバーについては問題は赤字です。設立以来ずっと赤字ですと。大体株式市場上場する前は前の年黒字にならないといけないんですけども、ウーバーは赤字と。ただ、ちなみに南米諸国だけでは10%とかの利益が取れているらしいんですけども、アメリカの方でかなり熾烈な争いをしていて、アメリカで大きなマイナスを出していると。ただ、やはりウーバーについてはかなり注目ということで、今年中に上場するんじゃないかなというふうに言われているところです。

 という形で、非常に株式市場も10年間で大きく変わりましたと。実際皆さんの生活も、このような企業が出てきたことによって大きく変わったんじゃないかというふうに言えると思います。

 一方で、ブラジル資本の市場のところですね。ブラジルの株式市場のトップ10を、これも2007年と2018年で取ってみました。これを見ていかがでしょうか。結構ですね、2007年と2018年、あまり差がないんじゃないかなというふうに見られるところもあるかなと。特にペトロブラスにつきましてもですね、2007年だと1位、2018年だと2位にいっているとかですね、なっているかと思うんですけども、まあ変化としてあえて言えるとすると、やっぱり銀行さんが2018年度は結構上に来ていると。資源系が2007年ではあったのが、ペトロブラスとヴァーレだけになっているとか、2018年は銀行系が増えてきているというのが言えるかなと。

 あと時価総額もですね、これはドルで見てしまうとあれなんですけども、2007年は確かペトロブラスが820億ぐらいだったのが、2018年では600億ぐらいまで下がっているということもありまして、これは石油価格の下落とか為替の下落とかも影響しているかと思うんですけども、株価で見ると資源系は下がっていると。金融機関は逆に数も増えてきていますので、金融機関の時価総額は上がっているというのがブラジル市場かなと。

 実際ですね、株式の時価総額の全体の産業ごとに占める割合を見ていくとですね、金融機関は2007年度が11%ぐらいだったのが、2018年度には27%まで増えていると。あと、ここには書いていないんですけども、大きな変化として、教育系の企業とか、小売系の企業とかが、2007年度は上場会社がゼロだったのが、2018年度にはそういう会社が出てきているということで、ここの表には出ていないんですけども、ブラジルの株式市場も少しずつ変化が出てきているというのが言えるんじゃないかなというふうに見ているところになります。

 そういう中で、今度はユニコーン企業ですね。皆さん聞かれたことがあると思いますけども、ユニコーン企業というのは時価総額が10億ドル以上の新興の会社で、テクノロジーを持っていて、非上場、設立10年以内というところで言われていますけども、これ非常に小さくて見づらいんですけども、そのような会社がどのタイミングで誕生してきたかというところについて、一応時系列でグラフにしたものですね。どの会社が何というのは細かすぎるので、そこは割愛させていただくとして、ここで見ていただきたいのが、これは世界の動きですけども、2014年度以降にこのユニコーン企業というものがものすごく増えてきていると。ということは、2014年度以降でかなりのスピードでデジタル革新が起きているというのが、今のこの会社の数からも見れるんじゃないかなというところですね。

 ちなみに日本でのユニコーン企業、これはすでにユニコーン企業でなくなってしまったんですけども、メルカリがユニコーン企業としてありましたと。ただ、メルカリはもう上場してしまいましたのでユニコーン企業から外れているというところですね。

 じゃあブラジルのユニコーン企業、どういうところがありますかというところですね。これ、各社さんがどういうビジネスをされているかというところについては、ジェトロさんが昨年の11月ですね、2018年11月にスタートアップ企業の調査をされてそのレポートを出されておりまして、そこにも細かく書いておりますね。各社さんが何をやられているかはそれを見ていただければなというように思うんですけども、一応ブラジルでは7社のユニコーン企業が代表的に言われているというところですね。皆さんも99とかご存知だと思いますし、もしかするとフェイスブックとかでnubankですとぽこっと広告が入ってくるとかですね、pagseguroですとタクシー運転手にカードで支払おうとするとpagseguroの機械を持ってくるとかですね、ということで、身近なところに世界にも実はこのユニコーン企業が感じられるというところになってきているところかなと。

 ここには書いていないんですけども、これ以外にユニコーン企業だというふうに言われている企業が実はあります。これ、挙げていないのではですね、オフィシャルに実は発表がなくてですね、ニュースだけになっているんですけども、皆さんご存知でしょうか。ソフトバンクが投資したGympassですね。これ、ソフトバンクが投資したと新聞には出ているんですけども、ソフトバンクもGympassも発表していないので分からない、オフィシャル出ないので挙げていないんですけども、Gympassという会社がありまして、そこがユニコーン企業になっているんじゃないかというふうに言われているというところですね。

 あとここに、まだユニコーン企業に達してはいないんですけども、ユニコーン企業になるんじゃないかと言われているのが、もしかすると利用されている会社もあるかもしれませんが、ContaAzulという会計のクラウドサービスですね。いま会計、外注されている会社さんがたくさんあるかと思うんですけども、外注じゃなくても中でやろうと、しかも経費を削減しようというところで、ContaAzulというのをもしかすると利用されている会社さんもあるんじゃないか。こちらも将来的にはユニコーン企業になるんじゃないかというふうに言われているところになります。

 ということで、ブラジルも、証券市場上位だけを見るとあまり大きな差はないように見えるかもしれませんけども、下位まで見ていくと色んな産業が出てきていますと。あとユニコーン企業も、数は7社で少ないんですけども、前のページで見ていただきました通り、世界も最初は少なかったのが2014年を境に爆発的に増えてきている。ということは、ブラジルもこのユニコーン企業、またはその前のスタートアップ企業というのがどんどんどんどん増えていく可能性があるというふうに言えるかなというところになります。

 またこれ、アンケートの方に戻るんですけども、こうやって新しい企業が今起きているという中で、その世界の1300人の経営者に、今後成長のためにどういう策が必要ですかと聞いたところで、ここですね、特にどっちがどっちという訳ではないんですけども、見ていただきたいのは、ブラジルの方だと3つ目と4つ目ですね。スタートアップ企業のためのインキュベータープログラムの策定、革新的なスタートアップ企業と連携ということで、新しく出てきた企業と連携していく、新しく出てきた企業に対してどうやってサポートしていくかというところが、今後の成長に必要だということが、グローバルの方のCEOも言っていますし、ブラジルのCEOも言っているというところになるかと思います。

 またですね、今後3年間の成長のために最も重要な戦略ということで、一つだけ選んでくださいとやった時なんですけども、グローバルもブラジルも第三者との提携が一番大事だと、そういう意味では、さっき話しをしたスタートアップ企業との提携、これはスタートアップ企業への投資をしていくということも非常に重要というふうに考えているというふうに言えるのかなと。あと、グローバルとブラジルで、あえて、大きな差はないんですけども、どこか差があるかなというふうに見た時に、グローバルはオーガニック成長、内部で育てていきましょうというところを強く意識している一方で、ブラジルはM&Aとかジョイントベンチャーというところで、外のどこか会社を買いましょうとか、外と手を結びましょうというところをちょっと考えているというのが一応言えるのかなと思ったんですけども、下の方に行くとですね、M&Aやる気ありますかと聞いたら、グローバルの方は27%なんですが、ブラジルはたった13%しかやるというふうに言わなかったということで、何か上のアンケートとちょっと矛盾しているような回答になってしまっているんですけども、このように、M&Aの方もブラジルの中では一応成長の戦略として考えているというのが、一応、数は少ないんですけどあるというところですね。

 実際M&Aがこの2018年度どうだったかというのが次のスライドですね。こちらですね、ずっと、このM&Aの件数の中には普通の買収以外にも増資も入っているので、他のもしかすると出てくる資料と数字が違うかもしれませんけども、何件あったかと。ブラジル国内の件数と海外からの投資という件数で、合計すると2018年度は最高件数でしたと、967件と。ただ、よくよく内容を見ていくと、ドメスティック、ブラジル国内での取引が多かったです。海外からの投資という意味では、やはり2018年度は様子見というところもあったかなというところで、件数は2017年度よりも減りましたというところがM&Aの実績ですというところに表れた数値になっております。

 ここまで色々と話が飛んできたんですけども、最後に一つだけ、今のデジタルの流れが進んでいるというところで、デジタルを取り入れて会社を改善してきたところを一つご紹介させていただければなというところで挙げております。聞いたことがあるかもしれませんけども、Aliarというところで、医療の画像診断センターの会社ですね。2011年度設立の2016年度上場した会社で、確か従業員が5000人。900人の医者と提携をしているという会社で、画像診断の医療センターと。こちらの会社ですね、困っていたことが大きく3つありましたと。

 すごいコールセンターに問い合わせと。どういう問い合わせがあったかというと、この保険適用になりますかとか、非常に単純なことがすごい数でコールセンターに問い合わせがありましたと。

 内部のコミュニケーション。患者さんが来ましたと。患者さんの症状によって、この人は軽いといったら青、ちょっと重いと黄色、重症患者は赤という色分けをしていて、赤の患者さんになると上司に必ず相談しないといけない。過去同じような症状であった人でも、赤になったら必ず相談しないといけないということで、本当は相談しなくてもいいような内容でも赤だから相談するということで、内部のコミュニケーションが非常に多くなっていましたと。

 あと診断予約ですね。診断予約を取ったんですけども、来ないとかですね。あと健康診断のような時、皆さん想像していただければいいと思うんですけど、健康診断とかで、前の日にご飯を食べてはいけませんよと言われたにも関わらず食べてくる患者さんと。実は私もやったことがあってこれ医者に怒られるんですけども、そうやって患者さんが結局言うことを守らずに来てしまって、その結果無駄な時間を過ごしてしまうということもあってですね、非常にコミュニケーションのところで苦労していた会社というところですね。

 この会社が、これをなくすために今どうやっているかというところで、絵だけなんですけども、どんどんデジタルを、今のテクノロジーを使いましょうと。予約を受け付ける時もサイトから入れてもらうとかですね。あと、チャットボットですね。チャットボットを使うことによって、同じ問い合わせだったら標準化して、標準化で答えられるようにする、内部も同じような質問であったらチャットボットによって標準化して同じように答えていくということを進めていきまして、ものすごい件数、連絡が減って、ものすごく効率的になったというふうになっております。

 で、この会社、今取り組みをですね、ずっとしていっているんですけども、その取り組みを始めたのが2018年の4月からと。ほんの1年ぐらい前ですね、今2019年で大分良くなって来まして、2020年度までに、これLIAって書いてあるんですけど、何かというとAIの名前ですね、このAIを作り上げてほとんど自動化にしていきましょうと。また、患者さんから問い合わせを受けるだけではなくて、患者さんの方にも有益な情報があれば発信していきましょうということで、どんどんどんどんデジタル、テクノロジーを使って患者さんへのサービスのレベルアップをやっていきましょうということを今この会社は取り組まれているというところですね。

 ですので、ブラジル企業も世界にもれず、テクノロジーに対しては非常に敏感に、新しいものをどんどん取り入れていこうという姿勢は、この会社の例からも見て取れるのかなというところになります。

 最後ですね。コンサルタント部会のまとめというところで、じゃあこのような中で、日系企業さんはですね、今後どのようなところにビジネスチャンスがあるのか、どういうことを考えないといけないのかというところなんですけども、今一度、じゃあなぜブラジルに来たのかなとか、今中国企業が非常に攻勢をかけてきているところもあるかと思うんですけども、今一度、自分がなぜブラジルに来て、じゃあブラジル人がそもそも何を我々に期待しているんだというところを見直すことによって、新たなビジネスチャンスというのが見えてくるかもしれない、とかですね。あと、非常に今、ダイソーさんとかすき家さんとか日本から受け入れられています。また、コンサルタント部会の中で話がありましたけども、おもてなし精神、日本のサービスというものが非常にブラジル人に受け入れられているということであれば、日本のこのブームを利用したビジネスということで、コンシューマーマーケットとかサービスというところについては、さらにビジネスチャンスがあるのかもしれない、とかですね。

 あと農業分野。ブラジルは農業分野が非常に大きな部分だと思いますし、多くの会社さんも投資されているかと思うんですが、この農業分野のところについても、今スタートアップ企業がどんどん出てきています。ドローンを使った、農薬を撒いたりとかですね、画像診断とかもどんどんやって、効率的に農作物を作っていきましょうということを始めるスタートアップ企業というのが非常にここに出てきていますというところもありますので、農業分野の元々のブラジルの強みのところにスタートアップ、日本のテクノロジーというのを組み合わせていけるのも一つの考えじゃないかと。

 あとは、やっぱりどこの部会も今言っておりますけども、今後の改革に対して備えていくことも重要じゃないかというところがコンサルタント部会のまとめというところになります。

 以上が私の発表となります。ありがとうございました。

 

司会

 はい、たいへんありがとうございました。皆様ご質問の方、よろしければ挙手の方お願いいたします。

 

発言者

 非常に画期的な報告をいただいて、ありがとうございます。質問はですね、ここで言うブラジル企業というのは当然外資系も含むという理解でいいのかなと考えているんですけど、その確認とですね、ちょっと日本と比較するとどうなるのかなといったところがちょっと気になってましてですね。スタンスの違いとか、例えば。一番関心があるのはスタートアップ企業との連携といったところで、どのぐらい関心があるのかというところですね。もし情報があればということで。一番聞きたいのは、実は皆様参加されている中でどのぐらい関心があるのかというのが本当は一番聞きたいところなんですけども、その辺分かる範囲でお願いできればと思います。

 

吉田部会長

 ご質問は、スタートアップ企業についてのところでよろしいですかね。

 

発言者

 そうですね。ブラジル企業、グローバルってありますけども、もし日本というカテゴリを加えた場合、どういった特徴的な違いがあるのかというのがもし分かれば教えていただければ。

 

吉田部会長

 実はこれ、日本のアンケートのやつもあって、最初入れていたんですけども、ちょっと時間的にも厳しくて取り除いたところがあるので、細かいものはもしご要望があればお渡しすることはできるんですが、日本企業とブラジルと世界の大きな違いというと、このAIのところですかね。まずAIによって雇用を生み出せる可能があるかないかというところについては、実は、ある程度日本の会社、AIによってなくなると言われてはいるんですけども、実は経営者に聞くと、AIがあっても雇用は増えると思っている経営者、これ実はそれなりにいましたと。一方で、AIをどれだけ導入しているかというところについては、日本企業はもうちょっと数が少ないというところが一つあったかなというところですね。あとは、今後の成長戦略というところについても、日本はオーガニック成長、内部で育てていこうという所が非常にパーセンテージが大きかったなというのが私の今の記憶のところになります。スタートアップ企業との連携のところについては、ブラジル、私も今回お話させていただく時に色々調べさせてもらったんですけども、結構ブラジルは政府を挙げてですね、スタートアップ企業を支えていこうという動きは最近かなり出てきているのかなと。また、民間企業の中にもですね、これジェトロさんの資料の中にも出てきてはいるんですけども、民間企業でもこのスタートアップを支えていきましょうということで、アクセレレーターとかですね、インキュベーターとしての活動をされている民間企業さんもたくさんありますので、かなりブラジルは、このスタートアップ企業を盛り上げていこうという動きはかなり見られるのかなと。一方、日本は正直、私はネットで見ても日本はやはりスタートアップが中々盛り上がっていないというような話は聞くことは聞いています。なぜその違いがあるのかというのは、そこまでは勉強不足で分かっていないところではあるんですけども。

 

司会

 はい、ありがとうございました。他にご質問よろしいでしょうか。はい。大変興味深いお話をたいへんありがとうございました。今スタートアップ等々ですね、どちらかというと日本企業全体が割と問われていることなのかなというふうに思います。一方でブラジルは割とオーナーの方が即断即決という、そういう傾向もあるんじゃないかというふうにちょっと思った次第ですけども、日本の進出企業の皆さんもたくさんおられますので、新しい時代に向けてがんばっていこうということなのかなと思います。それでは、コンサルタント部会の発表をありがとうございました。それではこれで10部会のうち5部会までご発表いただきました。予定通りでございまして、今3時15分ですけども、これから15分間コーヒーブレイクということで、お休みを取りたいと思います。3時30分にまたお戻りいただければと思います。ありがとうございました。

 

後半の部 司会

大久保敦 企画戦略委員長

 そろそろ時間になりましたので、これより業種別部会長シンポジュームを再開したいと思います。よろしくお願いいたします。私、後半の部の司会を担当させていただきます、企画戦略委員長でジェトロサンパウロ事務所の大久保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは早速、各部会の発表に移りたいと思います。またタイムキープ含めてですね、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。まず、化学品部会からの発表をお願いしたいと思います。村松部会長より発表をいただきます。村松部会長、よろしくお願いいたします。

 

化学品部会

村松正美 部会長

 今期、化学品部会の部会長を務めます、筆記具のパイロットの村松と申します。飛べないパイロットであります。よろしくお願いします。筆記具がなぜ化学品部会の部会長をやっているの、というところ、謎解きは別といたしまして、業界のただ今勉強をしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、化学品部会の8つの関連する部門がございますが、その中で6つほど紹介させていただいて、進めたいと思います。輸送関連、ヘルスケア関連、農業関連、印刷関連、機器関連、コンシューマー、そして総括と。最後に、メンバーの意見をまとめまして報告させていただきますが、副題として「成長への期待、変化への対応」ということで進めさせていただきます。

 まず、化学品部会のアンケートの調査内容についてご説明いたします。化学品部会所属企業は、団体を含めまして73社。アンケートに協力いただいた企業は、団体含めまして22社であります。そのうち工場を保有する企業が10社。アンケートにつきましては、8つの市場から売上と利益を増加、不変、減少というこの3つの表現で回答いただきました。その8つの市場は、先程申しましたが、輸送関連、自動車、二輪車など。ヘルスケア関連として食品、化粧品、医薬品など。農業関連といたしまして農薬、飼料、酵素などを含んでいます。そして印刷関連、インキ、製紙など。機器関連としまして、電気、電子、医療などを含みます。最後にコンシューマー、筆記具、接着剤、潤滑剤など。この分野からご説明いたします。その他には、建設関連、服飾関連となっております。アンケート総数は43件いただいております。

 それでは全体の報告から進めていきたいと思います。化学品部会の全ての市場をまとめた資料でございます。2018年の回顧といたしまして、化学品部会、8つの全ての市場を見てみますと、2018年の振り返りでは、売上が65%が増えていますよと回答いただいております。決して悪くなっていないけど不変だというのを含めますと、全体で86%という数字をいただいております。利益につきましては、増加と答えられた企業は全体の47%。不変を含めますと総体で77%という回答を得ております。

 そして、今年の2019年の展望、どう攻めるんだ、どうなるんだというところにつきましては、売上につきましては70%の企業が増加と見込んでおります。さらに不変を含めますと、実に98%が回復基調を見込んでいるという結果が出ております。利益につきましては、58%が増加と見込み、不変を含めますと、91%が回答されております。増加と不変を含めまして91%の回答を得ております。

 それでは、市場ごとに詳しく見ていきたいと思います。

 まず、2018年の回顧、輸送関連。自動車、二輪車などを含みます。用途につきましては、内外装のプラスチック部品、エンジン用のシール材、樹脂添加剤などを含んでおります。2018年回顧、振り返りには、増加したと答えられた企業が71%と高く、不変を含めますと86%で、輸送関連では市場が回復した、生産増につながっているという回答を得ております。利益面では、増加が50%。不変を含めますと76%の回答を得ております。

 売上増の主な要因といたしましては、新車種に採用された、あるいは新規需要、新規雇用獲得といった動きがあったと報告を受けております。しかしながら、マイナス面としては、価格競争が激しくなっているということを挙げております。二輪部門、二輪車はどうであるかというと、緩やかな市場の回復であったと振り返っております。マイナス面で、コスト低減要請が非常に厳しく、価格競争の激化を挙げております。総体的には、売上が増加したけど、反面、やはり価格競争、あるいはコスト削減要請というものが非常に厳しいというような報告になっております。

 それでは2019年、どうなるんだ、どう見ているんだというところでありますが、売上の減少は減り、不変が増えているという結果になっております。売上の増が64%。不変を含めますと93%と高く復調を見込んでいるという結果になっています。利益面では43%が増加と見込んでおりまして、不変を含めますと76%が維持・増えると見込んでいるということでございます。

 売上増の要因に掲げられております、新規採用、新規車種に期待するといったことと、新規メーカーへの拡販も狙っているということが挙げられております。逆にマイナス面でありますが、やはり価格競争がますます激しくなると予測し、二輪車部門ではコスト低減要請に対応せざるを得ないと。あるいは、価格競争がますます激しくなると予測しているということであります。かなり、売上は伸びますが、やはりメーカーとしての価格、あるいはコスト低減要請について対応していかなくてはならないという厳しい状況には変わりないという結果が出ております。

 続きましてヘルスケア関連。食品、化粧品、医薬品などでありまして、用途につきましては、食品添加剤、包装フィルム、海藻着色剤、一般医薬品などが含まれます。

 2018年の回顧につきましては、売上が増加したと答えられた企業が75%ありました。ヘルスケアでは、食品が健康志向ニーズが増したことを挙げ、化粧品・医薬品では市場が回復傾向にあったと回答を得ております。利益面では増加が63%の回答を得て、売上増の主な要因としては、新規得意先の開拓、あるいは営業活動の強化といったこと。さらに新規案件の増加があったと回答をいただいております。ヘルスケアでのマイナス面では、やはり価格競争が厳しくなっているということを挙げておられます。

 続きまして2019年の展望でありますが、売上が75%と前年と変わらず、しかし不変を含めますと100%と、市場回復を期待を強めているという結果が出ております。利益面では75%が増加するとし、不変を含めますと100%維持ができると見込んでおるということであります。売上の増の要因につきましては、新規開発案件が実績化すること、営業活動のさらなる強化、あるいは新規取引先の開拓をさらに推し進めるといったような報告を受けております。また、残念ながらマイナス面ではやはりここでも、価格競争がさらに厳しくなるというような話も伺っております。

 次に農業関連。農薬、飼料、酵素などを含んでおります。用途は殺虫剤、殺菌、除草剤など、診断薬原料などを含んでおります。

 まず2018年の回顧。売上が増加したと答えられた企業が71%ありました。ほとんど変わらないよという企業を含めますと、全体で100%ということであります。増加と不変で100%。従いまして、農業関連では堅調な伸びがあったという報告を受けております。反面、ジェネリック攻勢や、アルゼンチンの干ばつといったことが挙げられております。そして、売上増のもう一つの要因といたしまして、販売品目の追加があったこと、新案件の増加もあったという回答を得ております。ここでも、価格競争についてはやはり厳しいということが挙げられております。今まで、各関連企業につきましては、価格競争におきまして非常に厳しいという回答を得ております。

 今年、2019年の展望、どうなんだろうということにつきましては、売上増と見込んでいるのは71%。前年と変わらず、不変を含めると、やはり前年と変わらず100%と。市場の回復の期待を強めているといったことであります。利益面では、43%が増加と見込んでおりまして、不変を含めますと100%と、さらに期待を寄せているというところであります。売上増の要因につきましては、市場の伸びを期待している、あるいは作付拡大を期待、アルゼンチンの回復を期待といったような内容と、さらに、販売品目の増加、あるいは新規案件の増加に力を注ぐといった回答を得ております。また、反面ですね、ジェネリックの激化が予想され、さらに価格競争のさらなる厳しさが出ると予測をしているということであります。

 次に印刷関連です。用途につきましては、パッケージ用インキ、あるいは印画紙などを含んでおります。2018年の回顧につきましては、売上が増加したと回答いただいたのは100%。回復が見て取られたということであります。売上増の主な要因につきましては、販売品目の追加があった、さらには新案件の増加もあったということで回答をいただいております。非常に好調なように見える業種でありますが、反面、やはり価格競争は厳しいということを挙げております。利益面では75%が増加したと回答を得ております。不変はゼロでありました。

 続きまして、2019年、どうなるんだろうということでありますが、売上増につきましては75%と、前年から減少が見られております。不変を含めますと100%と期待を寄せているところでありますが、さらなる市場の回復を強めてほしいと期待しております。利益面では75%と、前年と同様に見込んでおり、不変を含めますと100%と期待を強めております。売上増の主な要因としては、やはり販売品目の増加や、新規案件の増加、さらに、値上げを実施したいということで回答を得ております。やはり価格の競争のさらなる厳しさ、これも出てくるだろうという予測もしております。

 続きまして機器関連。電気、電子、医療などを含みます。用途につきましては、眼科の治療用デバイスなどが挙げられております。透析等ですね。まず2018年のどうであったか、振り返りにつきましては、売上が増加したと答えられた業者が25%と、非常に厳しさが伝わって来るアンケート結果であります。不変を含めますと100%。まあ変わらない、売上は伸びなかったけど去年とそう変わらないよというのを含めますと100%という状況であります。利益面では売上と同じく、やはり25%と厳しく結果を出しております。そんな中、市場が厳しい中、医療現場の需要が増えたことが挙げられております。厳しいんだけど、医療現場の要請が強かったと、需要が強かったということであります。反面、ドイツ、アジアといったメーカーとの競争が厳しさを増している、市場の回復が遅れているといったようなアンケート結果にもなっております。売上につながった要因といたしましては、一つには、競争他社が不在と、いないよということが挙げられております。また、マイナス面では、価格競争が厳しくなったということが挙げられております。

 2019年はどうかといいますと、売上増が75%と、大きく期待しているところであります。不変を含めますと100%。やはり市場の回復の期待を強めているといった結果になっております。利益面では75%が増加と。それを見込みまして期待を寄せているといったところであります。75%と期待している売上の増の要因につきましては、医療現場の需要の堅調な維持、あるいは市場の回復を期待する、既存事業の拡大にも力を注いでいこうということで、売上増の要因となるだろうとしております。しかし、反面、ドイツ、あるいはアジアのメーカーの動向がやはり気になるということが報告されております。また、価格競争もさらに激化するだろうという予測も立てているということであります。この業種につきましても、機器関連につきましても、やはり価格競争は避けて通れないといったようなアンケート内容になっているということであります。

 続きましてコンシューマー関連。筆記具、接着剤、潤滑剤など。用途は、筆記具全般、ビジョンケア材料、車両用タイヤなどを含んでおります。この分野では、売上が増加したと答えられたのが25%で、やはり厳しさが伝わってきております。不変を含めると75%。利益面では売上と同じく、25%と厳しい数字が出ております。そんな中、市場が厳しい中でありますが、輸送関連につきましては消耗品の需要増加があり、具体的にはトラック、バス、その他のタイヤの生産が増加したということが報告されております。マイナス面では、市場の統廃合による縮小、あるいは、中国製品の台頭が見られ、価格競争の激化があったと回答を得ております。利益面では、売上と同じく25%の増加にとどまりました。やはり厳しい市場であったということであります。

 2019年、今年はどうなるんだということでは、売上は50%まで回復するだろうという期待を寄せております。不変を含めますと100%。市場回復の期待を非常に強めているといったところであります。利益面でも50%が増加と見込みまして、期待を寄せているところであります。売上の増える要因に挙げられるものの中で、やはり輸送関係の消耗品の需要が堅調であるという見込みをされている。さらに、市場の開拓も推し進めたい。さらに、商品の認知度を向上させたいということで、売上向上を図っていきたいということであります。逆に、マイナス面としては、やはり、中国製品の動向、価格競争の激化というのは避けて通れないだろうというふうに見ております。

 続きまして、総括といたしまして、2018年の回顧、全体で見ますと、売上増加が43件中28件。65%の企業の方々から増加があったという結果を得ております。2019年の展望といたしましては、70%の企業が売上の増加を見込むという数字をいただいております。売上だけの数字を見てみれば、2019年度の回復が見られるといった数字であります。市場はどうであったかというと、18年につきましては、振り返ると、穏やかな需要の回復があったんじゃないかというような全体的なアンケート結果であります。そして、2019年の動きはどうかというと、回復傾向が進むんだろうと、まあ望むといったような回答を得ております。また、全体としますとやはり、価格の話が出ておりましたが、脅威といたしましては、2018年に出てきましたアジア圏の台頭、ジェネリック品との競合、2019年におきましても同じくアジア圏の台頭、続くであろうと。ジェネリックとの競合、これも脅威であるというような回答を得ております。

 2018年、それに対してどう対応したのかというのは、新規取引先の開拓、あるいは新商品の投入、コストの見直しをして対応を取ったというような報告をいただいております。

 2019年につきましては、さらに得意先の拡販、新規取引先の開拓、新商品の投入、コスト見直し、それにコスト低減を対応しなくてはならないというようなところが挙げられていると。

 続きまして、副題です。「成長への期待、変化への対応」ということで、許認可プロセスの簡素化、敏速化を望むということでありますが、聞き取り調査の中では、登録までに8年以上かかると聞き取りをいたしまして、業種の違う私は非常に驚いたということで、8年、あるいは10年というような期間を待たされるというのは非常に厳しいなという感じがいたしました。これも簡素化・敏速化を早急に望むといったところであります。

 さらには、税制改革。これにつきましても、まあ二重課税ですとか、そういうのを含めまして早期の改革を望むといったところであります。ビジネス環境の整備も同じく望むということであります。

 全体、その動向を見極めて、素早く行動に、いかに移せるかといった対応はしなくてはいけないんだろうなというようなことを考えております。

 せっかく壇上に登らせていただきましたので、化学品部会の中に入っている、ちょっとだけ筆記具の分野をご説明させていただいて、お時間を少しだけいただきたいなと思っています。

 筆記具の世界的なシェアから、あるいはブラジルのシェア、マーケットはどうなんだろうというところを簡単にご説明し、ボールペンの構造、あるいは、なんで化学品部会に入っているのかなということも解明できればいいなと思っています。

 まず、世界的な筆記具の市場といたしましては、数年前のデータなんですが、25兆円から28兆円ぐらいあると。現在では、まあそれより超しているんだと思うんですが、そのぐらいの市場があると言われています。世界のトップ5のシェア、トップ3のシェアだとちょっと出てこない企業があるので、ナンバー5までお話ししますと、ナンバー1はNewellという企業であります。この企業はアメリカに本社を置きまして、ブランドのマネージメントをするところです。具体的には、万年筆のパーカーだとか、ウォーターマン、これを有しております。メーカーを有しております。これがナンバー1。ナンバー2はBIC。かの有名な、フランスを代表する筆記具であります。現在はフランスには工場はありませんが、ナンバー2ということであります。BICにつきましては、某大統領がこよなく愛しているブランドであるということであります。

 ナンバー3はCrayolaという企業でありまして、これも米国に本拠地がありまして、特にクレヨンが強い文具メーカーであります。第4位、おかげさまで出てきました、パイロットが第4位であります。第5位がドイツの鉛筆メーカー、STABILO。第6位が同じく画材メーカーのドイツのFaber-Castellというところで含めております。

 それでは、ブラジルはどうであるかというと、ブラジルの市場は、まず筆記具、ボールペンの市場を言いますと、BICが70%、1レアルから2レアイスぐらいの価格帯ではBICが70%のシェアを取っております。当社はというと、まあ残念ながら数%といったところであります。

 その筆記具のカテゴリー、もう少し見ていきますと、マーカー、マジックとは決して言わないんですけど、マジックと言うと内田洋行になってしまうので、マーカー。油性マーカーの市場は、おかげさまで当社が80%をいただいております。そのうち、ホワイトボードマーカーにつきましては、70%のシェアをいただいていると。そのほかがBIC、それと現地メーカーということになっております。

 それでは、あまり長くなってしまうと怒られてしまいますから、ボールペンの構造だけちょっと簡単に説明させてください。ちょっとだけ。やめた方がいいですか。じゃあ後ほど、どこか機会がありましたら。どうもありがとうございました。

 

司会

 村松部会長、どうもありがとうございました。ちょっと後ほど、懇親会等でもですね、ちょっとその話題になればと思いますので、よろしくお願いいたします。ただ今の発表につきまして何か質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

 

発言者

 許認可プロセスの迅速化、8年、10年かかるとおっしゃいましたけど、この先程の分類でいきますとどこに属してます?医薬品とかですか。

 

村松部会長

 許認可プロセスにつきましては、農薬関係が、非常に時間がかかるよというようなアンケートをいただいておりました。

 

発言者

 分かりました。

 

司会

 農薬だと、ANVISAですか。ですね。はい、分かりました。よろしいでしょうか。では、化学品部会の発表は以上とさせていただきます。村松部会長どうもありがとうございました。

 それでは引き続きまして電気電子部会の発表に移りたいと思います。日比部会長より発表いただきます。よろしくお願いいたします。

 

電気電子部会

日比賢一郎 部会長

 皆さんこんにちは。電子電気部会で部会長を担当しています、ソニーの日比と申します。よろしくお願いします。電子電気部会ですけれども、まずは民生用の電気機器、あと産業機械、あとはアプリケーションとソフトウェアをベースにITのソリューションを提供している企業さんで構成されている部会です。ではさっそく今日のプレゼンを始めさせてもらいます。

 まずこちらが本日のアジェンダになります。まずはじめに市場および生産動向のアップデート。続きまして、毎回半期ごとに部会メンバーに対して行っている景況感調査の結果報告。そして、前回のシンポジュームでもご質問がありました、電子電気部会の特徴的な活動のひとつでもあるマナウス経済特区のオペレーション概要と課題点を、今回の機会を利用しまして少し紹介できれば思っています。そして最後に、本日の副題でもある「成長への期待、変化への対応」に則して、部会メンバーからいただいた商工会議所あるいは日本、ブラジル政府への要望の要約ということで締めたいと思います。では次お願いします。

 まず市場動向ですが、電子電気部会、取り扱いの業種が非常に多岐にわたっていまして、まとめるのは難しいので、今回はその中の一例としまして、まあ弊社の取り扱い商品なんですけども、テレビとオーディオ機器、またオーディオの中でもブラジルの北東部を中心に市場規模が比較的大きい、いわゆるミニシステムですね、の市場動向について簡単に説明させてもらいます。

 チャートの左側がテレビ、右側がオーディオの市場規模で、青線が販売台数の12カ月の移動累計、赤の横線が対前年比を示しています。ご覧いただけますように、赤の縦棒ですね、真ん中にあるところですけども、これが2017年の1月になりますが、両カテゴリーともに需要は2016年の末を境に対前年ベースで回復基調に転じております。またテレビは、皆さんご記憶にある通り、昨年の6月、7月にワールドカップがございましたので、そのおかげで特需があり、市場がその時期跳ね上がっております。一方オーディオミニシステムは、市場自体は現在も縮小傾向が続いているんですが、昨年末より各社が新商品、新カテゴリーを投入し、対前年比ベースでは年末から回復の兆しを見せているという状況になっています。

 続きまして、こちらのチャートが主要家電製品のマナウス経済特区での生産数量の推移となります。総じて、ほぼ全カテゴリーにおきまして、前年を超えるベースでの売上が推移しております。唯一電子レンジのみが対前年を下回っておりますが、これは一昨年、2017年からの市場在庫調整が昨年行われたと伺っております。

 続きまして、景況感調査の結果報告に移らさせてもらいたいと思います。冒頭でも説明しましたが、こちらは毎年半期ごとに部会メンバーに対し景況感の意識調査を行い、その結果をまとめたものです。ご覧いただければお分かりの通り、今回のアンケート調査では、18年の回顧、19年の展望のどちらにおいても、悪化と回答された企業の方はゼロで、全メンバーの皆さんが維持あるいは改善と回答されており、これからもビジネス環境は回復基調にあるということがうかがえるかと思います。では次お願いいたします。

 そしてこちらが部会メンバーからのコメントをサマリーしたものになります。まず18年の回顧ですけれども、トラックスト、レアル安、大統領選などネガティブ要因となるイベントはあったものの、各社の自助努力により、回答企業の全てが対前年でプラス成長を達成したという力強いコメントが多々ありました。また19年の展望につきましても、新政権による諸改革への積極的な取り組み等から、ブラジル経済状況の好転を期待し、19年に関しても引き続き売上成長を見込むというコメントが多くありました。そして、このモメンタムを維持・拡大させていくために、各社ともに販売施策を強化させていく、ただしその一方で、こちらに書いてありますような、政治経済、金利等のリスクに備え、各社ともに事業体質、資産管理等を引き続き厳しくしていくというコメントもいただきました。

 以上が景況感調査の結果報告となります。続きまして、本日もう一つの議題ですけども、マナウスのフリーゾーンに関してですね、今回の機会を利用して少し説明させていただきたいと思います。

 まず、マナウス・フリーゾーン。おそらくお耳にした方はいらっしゃると思うんですけども、Zona Franca de Manausですけれども、この制定の目的ですが、まず二つ、地域開発と国家保安の確立という2点が大義名分となっております。マナウスは、ご覧いただければ分かるように、ブラジル北部の国境に面しており、国防の観点からも大変重要な意味を持つ都市です。人口は200万人超の都市で、国内では7番目に大きい都市となっております。

 現在このマナウス経済特区に進出している企業は全部で400社超。そのうち日系企業が32社と聞いております。また、このマナウスゾーンがですね、法令にて制定され、実際に経済特区としてのオペレーションを開始したのがですね、記録を見ますと1967年の2月28日となっていまして、偶然にも52年前の今日がマナウスのオペレーションが開始された日となり、今日が52回目のアニバーサリーとなります。

 また、これまでの間ですね、幾度となくこのマナウスのフリーゾーンの税制恩典の期間延長がなされたんですけれども、現時点で法令上ではですね、2073年、たいへん長い期間ですけれども、までこのマナウスゾーンでの税制恩典は有効と法令上では制定されています。

 この写真を見ていただければ分かるんですが、先週ですね、野口総領事にですね、実際にマナウスまでお越しいただいて、パナソニックさんと弊社の工場を視察していただきました。それと同時に、今日発表しますオペレーション面での概要と課題点も共有させてもらいました。この場を借りまして野口総領事にはお忙しい所わざわざお越しいただいてありがとうございました。

 続きまして、一番重要なところなんですが、マナウス経済特区でどういう税制恩典があるのというところなんですが、実際税制恩典のルールは非常に、業種、オペレーション、形態により様々で、一言で言い表すのは非常に難しいんですが、今回はあくまでも一般的な情報共有という形で、大括りでこのようにチャートにまとめてみました。

 まずですね、一点目なんですが、マナウス経済特区に登記した企業に対しては法人税の25%が減免。続きまして、一番大きいインパクトがあるところですけれども、工業製品税、いわゆるIPIですね、が、マナウス経済特区で生産された部品に関しては100%免除。そして州税にあたるICMSですが、該当商品によりこのパーセンテージが違いますが、55~100%減免。また、マナウスに原材料として持ち込まれる素材部品に関しては、最大88%までの輸入関税の減免。そして、国が徴収するPIS/Cofinsですね、に関しても、3.65%までの減免となっております。繰り返しますが、このチャートはあくまでも、今回のために一般的なパーセンテージを利用したので、業種により個々違うので、今日は一般的なサマリーとしてご理解ください。

 続きまして、マナウス経済特区の現在のオペレーション概況ですが、まず左上のチャートですね、棒線のグラフがあると思いますが、こちらがマナウス経済特区での生産高になります。青の棒線がレアルベース、オレンジの棒線がドルベースになります。レアルベースでは2018年の生産高大きく伸ばしておりますが、ドルベースではほぼほぼ横ばいなのが見て分かるかと思うんですが、これはやはり為替の影響が一番あるんじゃないかと思われます。しかしながら、右下ですね、チャートを見てもらいますと、これはマナウス経済特区に持ち込まれた輸入材、これは黄色の棒線ですね、それとマナウスから輸出されたもの、こっち緑です、の推移のチャートなんですが、輸入材はドルベースでも、こちらはドルベースの棒線なんですが、ドルベースでもしっかり伸びておりますので、為替の影響はあるものの、各社ともに昨今の経済状況の好転に伴い、先行きのビジネス経済に向けた仕込みを行っているのではないかと思われます。

 続きまして、左下のチャートですけれども、こちらはマナウス経済特区で働く従業員の方の数の推移ですね。こちらも数年間ほぼ横ばいが続いていますが、まあ我々生産設備ですとか、常に生産効率を求めていますので、生産のオートメーション化、あるいはロボット等の導入により、生産面の効率化が図られているんじゃないかというふうに見ております。

 最後に右上の、経済特区の業態別の比率ですが、電気機器、パソコン、携帯を中心としたIT機器、二輪、オートバイですね、それとあと化学製品で全体の約8割近くを占めるという状況に今なっています。

 続きまして、まあこれだけ見るとマナウス、非常においしいビジネスだという感じなんですが、マナウスの経済特区でビジネスをするにはいくつかの制約があります。それをですね、今日一部ご紹介するとともに、ここにやはり大きな課題点も存在しておりますので、こちらも少し合わせて紹介したいと思います。

 まず、今までに説明してきた税制恩典ですね、を得るには、ある一定の割合で部品の現地調達をクリアする必要があります。これはPPBと呼ばれているんですけれども、具体的な例を挙げますと、例えば弊社の商品でテレビですと、テレビで税制恩典を受けるには、皆さん良くご存知、リモコンですね、リモコンは100%部品から現地調達、そして現地で製造しないといけないというルールがあります。あるいは、基盤の一部、あるいはメモリーの一部といった主要なコンポーネントにも現地調達のルールが課されています。最近のトレンドとしてはですね、この現地調達のルールが年々厳しくなってきています。現地調達の比率が上昇傾向にあります。問題はこの現地調達する部品自体のですね、質とコスト競争力が問題で、彼らは規制で守られているので、ここの技術革新が非常に遅れているんですね。なので、質・コストともに非常に、粗悪と言っては言葉は悪いんですけど、世界標準からするとやや見劣りするという状況です。なので、せっかく税制恩典を受けてもですね、この部分でかなり相殺されてしまう部分がある現実がございます。

 もう一点はですね、現在の装置組立産業ですと、部品の送付というのは、すでに部品サプライヤーから送付される時にですね、複数の部品を組み合わせて、モジュール化と呼ばれるんですが、モジュール化された形で送付されるのが一般的なんですが、マナウス経済特区ではあくまでもひとつひとつの部品単位の輸入、そしてマナウスでの組み立てが義務付けられております。これもひとつ作業効率の悪化を招いているという要因でもあります。

 もう一点ですが、経済特区は税制恩典を与えることで産業の誘致を図ることが目的なんですが、同時にですね、常にアマゾナス州の州の税制アップというターゲットも同時に持ち合わせているので、毎年のようにルールが変わるんですね。ルール改訂が行われます。このルール改訂が突然起こったりするので、我々としては非常に採算構造の確定、決めるのが難しい、あるいは先行きも不透明なので、結果として投資判断が難しいという課題もございます。

 こういったいくつかの課題点に関しまして、現在ですね、我々の電機業界を代表した産業団体でエレトロスというのがあるんですが、そこを通じてですね、マナウス経済特区の窓口機関であるSuframaという機関があるんですが、そこと今協議を重ねて改善を図っているんですが、ここはぜひとも、野口総領事も来ていただいたので、ぜひとも日本政府からも強いサポートをいただけたらなと思います。

 以上がマナウスのオペレーションの概要を簡単にまとめたものなんですけど、こちらが最後のページになります。本日の副題でもある「成長への期待と変化への対応」に則してですね、部会メンバーからいただいた、商工会議所、日本あるいはブラジル政府への要望のサマリーとなります。

 まず1点目ですが、前回のシンポジュームでも話題となった、日本とのEPA締結推進のところですが、特に産業機器の業界ですね、欧州勢の競合が非常に激しくて、欧州とブラジルとの間のEPAの動きにたいへん注目しております。ぜひ日本政府にお願いしたいのは、我々が、日本が優位にならずとも、少なくとも劣後しない環境は最低限確保していただきたいという要望が出てきております。

 また、先程述べました、昨今の米中摩擦の影響もあり、特に中国からの官民一体となったブラジルへのアグレッシブなアプローチが昨今顕在化していますが、日本もですね、負けないように官民が一体となった関係構築をぜひ進めてほしいというリクエストも出てきております。具体的にいくつかの例が出ているんですが、商工会議所を通じたオールジャパン連携。具体的には五輪と連携した日本の技術展、日本の省エネ技術紹介セミナーといったことなどをやったらどうかといった具体的なコメントも出てきております。

 最後ですが、先程ご説明したマナウスのところですけれども、マナウス特区でオペレーションをしている企業メンバーからは、先程述べた課題点に関してですね、やはり税制恩典ルールの適正かつ公平な運用をぜひともお願いしたいというリクエストが出てきております。

 電子電気部会からは以上です。ご清聴ありがとうございました。

 

司会

 日比部会長どうもありがとうございました。ただ今の発表につきましてご質問のある方、挙手をお願いできればと思います。よろしいでしょうか。それでは電気電子部会の発表は以上とさせていただきます。日比部会長、どうもありがとうございました。

 引き続きまして、食品部会の発表に移りたいと思います。黒崎部会長より発表をいただきます。よろしくお願いいたします。

 

食品部会

黒崎正吉 部会長

 味の素の黒崎でございます。よろしくお願いいたします。

 本日はこの大きく3本立てで、1に食品部会会員企業、2に市場および会員企業状況、3に本日の副題「成長への期待、変化への対応」という形でご報告させていただきます。

 まず、食品部会企業でございますけれども、食品部会も様々な業態で構成されていると。特徴はですね、懇親会ですか、の参加率がきわめて高い。前回もそうだったんですけど、一方ですね、このシンポジュームへの参加率が低い。ちょっと寂しいというところがございますが、非常に明るい部会ということで、みんな前向きにがんばっておるという部会でございます。

 市場概況ということでございますが、まず小売市場全体は2016年以降緩やかな回復基調が継続しております。ただし、一般のスーパーは落ちております。対前年、18年度95%になっているというふうに見ております。一方、キャッシュ&キャリー、これは本来業務用スーパーからスタートしておるんですけれども、低価格で販売しておると。で、今は一般消費者にも開放しておると。これが対前年で118%ほど伸びていると。そういったことで全体の底上げがなされて、小売市場は伸びているという状況。つまり、流通構造の変化も同時に起きているということでございます。当然、消費者は低価格志向がさらに強まっている、プラス、品質へのこだわりというのもさらに強くなってきているというのが状況でございます。また外食市場については、対前年で108%程度ということで、安定的な成長が続いているというふうに見ております。はい、お願いします。

 続きましてセグメント別会員企業状況ということでございますが、まず最初に、やはり18年度、食品部会の企業もトラックストライキの影響が大きく出ました。ただ、リカバリーをですね、各企業とも非常に迅速に努力をしたということ。また、メーカーでございますので、為替変動、原料輸入、あるいは、業態によっては国内販売、あるいは輸出といったことで、為替影響がですね、ポジ、ネガ双方に期を追うごとに出ているという状況でございます。また、大統領選後はですね、市場が新政権を好意的に受け止めて、消費も好転しつつあるというふうに見ております。

 それでは、主な企業状況ということでございますが、調味料、これ弊社でございますけれども、こちらの方の市場は先程申し上げた通り、活動状況としましては主要商品でシェアアップというのが図れてきているという状況でございます。

 次にしょうゆ、これキッコーマンさんですけれども、やはり輸入しょうゆは輸入コスト等に加え流通マージン、ご存知のようにこの国は非常に高い。で、現地メーカーとの価格差から厳しい競争が続いていると。ただし、右側にございますけれども、新たな手をキッコーマンさんもどんどん打って、始めてきていると。これは後ほどご紹介させていただきたいと思います。

 酒類。こちらもですね、こちら東麒麟さんですけれども、市場としてはやはり低価格志向と。じゃあそこにどう手を打っていくのかというのが去年の課題でしたけれども、18年度、具体的な手を打って、19年度につながる対応が東麒麟さん取られていますので、これも後ほどご紹介したいと思います。

 コーヒーにつきましては、これは三井アリメントスさんとイグアスコーヒーさんでございますけれども、コーヒーについては豊作による生豆価格下落により競争は激化も、国内市場は103%で拡大。輸出インスタントコーヒーも国際競争力を維持といったような状況の中で、それぞれ、18年度、あるいは将来に向けての工夫をされていますので、後ほどこれも紹介させていただこうと思います。

 即席めん、これ日清さんですね。総需要はやはり、キャッシュ&キャリーですね、全体を押し上げていると。18年度すばらしいのは、金額シェアで過去最高を更新中と。これ、コミュニケーション戦略も相まってですね、非常に良い効果が出ているということでございます。これも後ほど少し紹介させていただきます。

 食肉のNHフードズん。鶏肉ですね。生産量はトラックストライキ等の影響で調整が行われ、対前年微減という状況でございますが、新たな取り組みをですね、右にございますようにNHフーズさんも取られ始めているということで、攻めの方に移っているという状況でございます。

 乳酸飲料。こちらはヤクルトさんでございますが、ヤクルトさんの商品は独特の商品でございますので、市場として中々捉えられないというか、ヤクルト自体が市場と。とはいえ、似ている商品の競合はあるという中での戦いということでございます。

 香料。食品添加剤等ですね。高砂香料さん等ですけども、前年に比べて好転の兆しということでございます。右にございますように、日系企業のイメージをしっかり活用した戦略を進めていこうという状況でございます。関連業種、こちらにございます通りですね、ありますので、ご覧ください。

 それでは次に、これからのキーワード、市場の今後のポイントを我々なりに分析、整理した内容がこちらでございます。

 一つ目、他の部会でもございましたけれども、景気は回復基調にあり、新大統領就任によってですね、市場は歓迎ムードと。急激な成長はですね、市場、望めません、というふうに見ております。ただし、緩やかな成長が期待できるだろうと。まあそういった中で流通の力関係、構造も変化してきていますので、そこも見逃さずに対応していく必要があるであろうと。

 片カッコ2でありますが、一方、とはいえまだまだ先行きに不透明感が残ることも事実であろうと。為替相場、食品関連の場合、表示規制ですね、の問題、あるいは、どこも一緒ですけど税制、あるいはトラックストライキ等ですね。我々としては、企業として不測の事態に備えたリスク対応は必須であろうということでございます。

 3点目。また消費者のライフサイクルの変化に伴って、消費者自身のニーズが新たに変化してきていると。そして、先程申しましたように、品質へのこだわり、あるいは健康へのこだわりといったことがさらに強くなってきていると。

 大きく3点挙げていますけども、先程も言いましたように、低価格志向の強まり、高付加価値や品質へのこだわり、そしてデジタルツールの普及と多様化が与える影響も非常に大きくなってきているということでございます。

 それでは、ここから副題の「成長への期待、変化への対応」を踏まえて、これからのキーワードはということでございますが、食品部会としては大きく二つに整理させていただきました。一つは、三つの戦い。もう一つは、リスクマネージメントの強化ということでございます。

 一つ目の三つの戦い。三つをどういうふうに選んでいるかといいますと、一つは当然ですけれども競合との戦い。そのためには消費者ニーズの掘り起こし、さらなるですね。スペシャリティ―による差別化。つまり、付加価値をどうつけていけるか。真似されないものをどう作っていけるか。単に商品だけではなくて、サービス等々も含めてですね。そして、低価格志向に対しての価格戦略ということです。単に価格競争に入らない価格戦略といったものをどう作り上げていけるかというのがポイントになってくるだろうと。

 二つ目は、時間との戦い。こちらの方はスピードとタイミングというふうに我々の中では整理しております。一つは製品サービス開発のスピードアップですね。許認可も含めた開発のスピードアップ。事業環境ほんとうに早く変化しますので、変化への迅速な対応をどうできるのかということ。これはスピード。三つ目。成長の機会を逃さないということですね。こちらの方はタイミング。まあ、チャンスが来たら、がばっと掴むということですね。中々、チャンスが来たら、がばっと掴まないと、すっと前を通り過ぎるともう中々掴まえられませんのでね。色んなケースがございますが、成長の機会を逃さないと。

 三つ目は固定概念との戦いと。どうしても我々、過去の成功体験、失敗体験から、知らないうちに固定概念を作っておりますけれども、この変化の激しい中で、どうそれを我々自身が打ち破っていけるかということが大切だろうと。そういった意味では、一つ目は既存ビジネスの強化と革新。そして二つ目は、さらに踏み込んで新たな製品、あるいはサービス、事業ポートフォリオの進化といったことにチャレンジしていく必要があるだろうと、メーカーとしてですね。三つ目。デジタルトランスフォーメーションと書いておりますけども、これから先、もう既に始まっておる訳でございますが、まだどの企業も十分な対応ができていない。あるいはデジタルトランスフォーメーション対応とそれをどう活用するかというレベルにはまだまだこれからというところですので、固定概念を打ち破っていかにこれをですね、メーカーとして取り組んでいくか。逆に言うと、固定概念、特に年を取ってきている人たち、私も含めてなんですけど、頭かたい訳ですよね。デジタルトランスフォーメーションとか言われても、ふんなんて言って。分からないことを限界にしないようにですね、我々リーダーとしてやっていく必要があるだろうということでございます。

 それでは、この三つの戦いに沿ってですね、ちょっと各社の具体的事例をご紹介したいと思います。

 まず一つ目ですけれども、競合との戦いでございますが、これは東麒麟さんの例です。東麒麟さん、清酒で低価格競合品に非常に悩まされていた訳ですけれども、実は東麒麟さん、18年度に低価格帯清酒の大幅なリニューアル、これは競合に価格でミートしつつ、圧倒的な品質差を出していると。価格だけではありませんと。消費者に合わせて低価格は用意したけれども、価格競争にさらに入らないような品質差異というのを作って行ったということであります。そして同時に、これまでの高価格帯、フードサービスも好調ですので、高価格帯の清酒も売れる訳ですね、その両輪で回していくという取り組みでございます。

 しょうゆ、キッコーマンさんの例でございますけれども、こちらも先程ありましたように、輸入、非常にマージンかかる。そして、ブラジルには非常に伝統的なブランドの低価格のしょうゆがある。そしてブラジルの人はその味に慣れているという中で、苦労されておりますけれども、非常に東麒麟さんと似た戦略であります。液体調味料。新コンセプトの現地志向の、価格がミートするもの。しかも差別化ができるもの。ということで、現地の志向に合わせたものを、やっぱり伝統あるしょうゆという一つのコンセプトを乗り越えていくというのは非常にたいへんな訳ですけれども、そこを乗り越えての商品開発。と同時に、写真にございますように、非常においしい、我々にとっておいしい新鮮な、常にですね、しょうゆも、これも高価格ですけれども、両輪で回していくということでございます。

 これ、競合との戦いでご紹介させていただいておりますけども、ある意味では固定概念との戦いといったようなこともあったかと思います。

 あと、キッコーマンさんでいうと、キッコーマングループの中のJFCさんがブラジルに本格参入。事業拡大路線にこれからさらに入っていくということで、食品部会、全面的に応援をしていきたいというふうに思っております。

 競合との戦い。続きましては、コーヒー、三井アリメントスさんの例でございますけれども、グルメコーヒー、カプセルコーヒーの拡充ということで、こちらの方は逆にブラジル人のニーズに合わせて、高品質を重視する製品ラインナップを拡充しているということでございます。

 チョコレート。これハラルドさんですけども、母体の不二製油さんが油の技術をもっていらっしゃると。その技術を使って、ブラジルでのチョコレート市場に新たな商品を展開していこうと。スペシャリティ―ですね。それが、日本ではない、チョコレートピザドッセ、チョコレートのピザですね、そういったチャレンジを始められているということでございます。

 競合との戦い、多いんですけど、ヤクルトさんの例でございます。プロバイオティクス普及の取り組みと。これは競合との違い、商品品質のレベルの違いというのをしっかり敷衍していくと、普及していくという取り組み、そこで差別化を作っていく。これは非常に地道な活動を続けていらっしゃると。ただし継続は力なりと。これを継続していくということでございます。

 食肉、NHフーズさんでございますけれども、ウルグアイに拠点を移すと。ブラジルからですね。南米リソースを集中と。で、欧州および米国の巨大市場に加えて、食料需要が急増するアジア市場に食肉を提供。海外売上の拡大の加速をめざすということでございます。これによって、まあ大胆な判断をされた訳ですけれども、田島社長ですね、こちらの、ウルグアイに引っ越すということに相成りました。田島社長はブラジルの方が好きだそうです。そうなので、食品部会継続して関係を維持していこうということにいたしております。

 次、時間との戦いでちょっと挙げさせていただいておりますのが、これもヤクルトさんの事例でございます。ご存知のように、ヤクルトさんの強みはヤクルトレディですね。これ、IT技術を駆使して、現場情報、売りの情報をタイムリーに電子伝票で集約すると。それによって、動き方を瞬時に決められるという取り組みに入ってらっしゃってきています。こちらは時間との戦い、スピードということでもあるし、過去の固定概念というものを打ち破ってということでもあるかと思います。

 NHフーズさんも、時間との戦いでは、先程他の部会でも出てきましたけれども、商品の登録ですね。発売の期間をどう短くできるかといった取り組みをしている。

 次は弊社なんですけれども、あまりにも環境変化が激しいし、リスクが多い訳なので、これは何とかせないかんというので、New Action Planという簡単な仕組みを、私自身が作っちゃいました。社内で。何をやっているかといいますと、常に課題、常にリスクというのを、常に洗い出している。各部門がですね。それを常に統合して早く手を打っていくという、最初はうまくいきませんでしたけども、何とか機能するようになってきたということで、ちょっと僭越ながら入れさせていただいております。

 最後、固定概念との戦いでございますけれども、これはイグアスコーヒーさんの例でございますが、IT技術を活用した製造メンテナンス管理等の強化によるさらなる製造効率の向上ということで、ここでもデジタル活用というのが始まる、さらに強化していく。AIの活用も含めてですね、さらに進化がこれからされていくということでございます。

 固定概念との戦い、味の素ですが、アミノバイタルというのを売っておりますけれども、ちょっと、高いんですよね、あれ。で、粉体なので、日本人にはいいんですけど、ブラジルの方にちょっと飲みにくいとかね。アミノバイタルは粉体だと思い込んでいる訳ですね、勝手に企業として。だから、粉体にこだわらないぞと。そこは固定概念を破るぞと。e-Commerceだけで売っていたんですけど、まあ一部PLゴルフ場とかありますけども、やっぱり一般のスーパーにも置こうと。ポンジアスーカル10店選んで、交渉して、これ食品部の方がアミノ酸部じゃなくてやっている訳ですね。で、10店に入りましたと。1週間置きましたと。ある店、4個売れましたと。でもポスデータ見たら、売れているのは本当は2個なんですね。2箱なんです。要は2箱万引きにあっている訳ですね。まあ、これをどう見るかと。やっぱり、ポテンシャルはあるんじゃないかと。でもちょっと高いぞということなので、現地生産に向けたスタディを加速しています。これは、コマーシャルですけどね。19年度中には半額ぐらいの価格で皆さんにご提供できるようにがんばりますので、ぜひお使いください。

 固定概念との戦い、最後、これは日清さんの素晴らしい例です。一つはですね、即席めん業界のスペックと相いれない乾麺の、規制ですね、重量規制みたいなのにあっていた訳ですね。これ、今までは受け身でそれに合わせるパターンが多かった訳ですけども、自らロビー活動を展開。で、スープを含む即席めんですね、ラーメンはその規定の対象外にすると。だから重量も非常にフリーに販売できるようなことができて、この業界には貢献しているというのが一点。

 もう一点、今日ぜひご紹介したいのがですね、新たなコミュニケーション戦略です。Youtube、Facebookを活用したユニークなコミュニケーション戦略を構築。これ、シリーズになっているんですけども、ブラジル人消費者に対して、これからもお好きなようにラーメンを調理してください、こういう調理の仕方しかないんですよではなくて。ブラジルの消費者の方の味覚は非常にレベルが高いということと、あともう一つは、やっぱりブラジルの皆さんは非常にですね、ユーモアを解する方々だと。そこにジャストミートして、YoutubeやFacebookを活用したコミュニケ-ション戦略を展開されているということでございます。

 これ、懐かしい写真でございますが、日本放送系だったと思いますけど、欽ちゃんが司会をやっているスター誕生、日曜日にやっていたと思うんですけどね。これ若い方はご存知ないと思います。これ、私が中学校のころ、青春時代ですよね、毎週楽しみに観ていましたね。野口総領事も昔ご覧になっていました?スタ誕ですね、そうですね。色んなスターが誕生いたしましたよね。やっぱり野口総領事もご覧になっていたと。平田事務総長はちょっと年代が上ですよね。そうですね。失礼しました。まあ、この前は映画からスターが出ていた訳ですね。そして、スター誕生に代表されるようにテレビからどんどんスターが出て行ったと。テレビの時代ということですね、当時。そして今は、ということで、これが日清の浅野社長です。これ、Youtube、Facebook、SNSですね、デジタルです。これ、製作費はですね、正直にはおっしゃっていただけませんでしたけども、ものすごく安い値段で作ったそうです。そして、Youtube、Facebookで、2月の最近の時点で1500万回の動画再生が記録されています。さらに伸びています。

 これ、たぶんこの中でもご覧になった方いらっしゃるんじゃないかと思うんですけども、ご覧になった方ちょっと手を挙げていただいてよろしいですか。ありがとうございます。野口総領事ご覧になっていますか。若い方の方が多いのかと思ったらそうでもないんですね。すばらしいですね。1500万回、さらに伸びています。私、一応調べてまいりました。1500万回がどのぐらいの意味を持つのか。正確には僕の部下が調べたわけですけども、例えば、2年前に大ヒットした「君の名は」という映画。これは日本だけでなくて世界中、特に人口の多い中国で爆発的にヒットした「君の名は」という映画、ご存知ですよね、皆さん。私も日本出張の時5、6回観ましたけども。これの予告の動画再生が1600万回。もうすぐこれを、浅野さん抜きます。ちなみにですね、もうちょっと感覚的に、人気がある歌手で、歌で再生されている、調べました。氷川きよしの「きよしのずんどこ節」。150万回。もうめじゃないわけですね。あとはですね、ちょっと前にはやったピコ太郎の一番再生された動画が1.3億回。まだ開きがあるんですね。ただ、日清さん、これからシリーズでやりますので、2、3年後にはこれも抜くかもしれません。ということで、食品部会の中では浅野さんのことをザ・スターと呼ばせていただいておりまして、この前の懇親会の時にですね、浅野さんの隣に座って、ザ・スターとか言ったら、いや黒崎さん、たいへんなんですよと。PL行ったらキャディさんが全員私のことを知っているんです。私、ブラジル中でどうも面が割れているようです。やっぱり身の安全を守らなきゃいけませんからね。注意してください、ということで、リスクマネージメントも大切よということを確認しあった次第でございます。

 で、リスクなんですけれども、リスクマネージメントの強化もセットだよということでございます。一つは為替変動リスク。為替感度をしっかり見て、一喜一憂、どうしてもしちゃんですけど、できるだけしないように。為替が振れて利益が変わる訳ですけれども、うまく行っているのか行っていないのか、為替感度をしっかり見ておかないと評価を間違ってしまいますので、ぜひそういったことを我々していこうと。

 あとブラジル特有のリスクですね。こちらにあるようなリスクでございますけども、こちらの方は食品部会で勉強会を開いて、勉強していこうじゃないかということでございます。

 3番目。将来的な環境変化へのリスク対応ということでございます。これは基礎体力の強化、他の部会でも発表、同じ内容ございましたけれども、我々もこれが必要だろうと。それは、やはりメーカーですので、現場での創意工夫でのコストダウンということもございますし、やはりキャッシュマネジメントの強化ということが今後非常に重要と。PLだけではなくて、BSキャッシュフロー、そして全バリューチェーンで何が我々できるかといったような取り組みをさらに強化していくということかと考えております。

 事業運営、事業を成長させる事業マネジメントと、リスクマネジメントは、別物ではなくて、表裏一体でやっていかないと、どこかでつまずくだろうというのが我々の考えで、リスクマネジメントの強化ということでございます。

 最後に、食品部会、Team Japanとしてがんばっていこうと。企業の垣根を超えた積極的な交流、これは食品部会にとどまらず、他部会ともということです。そして、互いの強みを生かした協業、アライアンスみたいなことですね、ができないか、これからちょっと模索していきたいね、という話になっております。我々の事業を通じてブラジル社会、消費者への貢献、を通じてさらに成長と。で、リスクに十分に備えながら成長の機会を逃さずチャレンジしていこうということでございます。ご清聴ありがとうございました。

 

司会

 黒崎部会長、どうもありがとうございました。前回三つの戦いという言葉が出てきて、今回さらに、非常にバージョンアップしてですね、具体的な取り組み事例、そしてYoutubeの話も出てきて、非常に参考になったかと思います。ただ今の発表につきましてご質問のある方、いかがでしょうか。挙手をお願いします。よろしいでしょうか。はい。それでは食品部会の発表は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして運輸サービス部会の発表に移りたいと思います。吉田部会長、よろしくお願いいたします。

 

運輸サービス部会

吉田信吾 部会長

 それでは運輸サービス部会の説明の方に入らせていただきます。NYKの吉田と申します。よろしくお願いいたします。

 当部会なんですけれども、物流、航空貨物、海運、航空旅客、旅行・ホテル、そして通信ITと、6つの細かいセグメントに分かれております。それぞれのセグメントについて、18年のレビューと、19年の展望についてご説明させていただいた後でですね、「成長への期待、変化への対応」というテーマについてですね、改めて業界まとめてご説明させていただきたいというふうに思います。

 まず、一つ目のセグメントであります物流なんですけれども、皆様の認識している物流という言葉とですね、業界内の物流、あるいは物流業界という意味はですね、若干意味が異なるかもしれないので、ちょっと補足説明させていただくと、物が動くものを全て物流というふうに理解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで言う物流というのは、主にBtoB、かつDoor to Doorのビジネスを営む、主にフォワーダー業、通関とか倉庫業といったものを含むフォワーダー業のサービスのことを指しております。

 この業界の18年の回顧でございますが、最大のトピックはですね、やはりトラック運転手のストライキというところかと考えております。特にですね、業界として採り上げたいのはですね、ストライキそのものというより、このストライキによって顕在化した物流インフラの脆弱さだというふうに考えてございます。ストライキで停滞した貨物がですね、港湾に多くたまり、そして動き出した時にですね、その荷物、大量の貨物をさばききれなかったこと。いわゆる港湾ターミナルのキャパシティの問題。それとですね、その滞ったことから、緊急性が増して空港に流れた貨物が、また今度は空港で停滞してしまったという、この問題が非常に大きかったのではないかというふうに考えております。ここにあります写真、これはカンピーナスのビラコポス空港の混雑状況を撮影したものでございます。それを踏まえてですね、2019年の展望の方に移りたいと思います。

 まずですね、一般的な話を申し上げますと、2019年は経済の伸長とともに輸出入の貨物ともに増加するというふうに期待しております。加えまして、ブラジルの方もe-Commerceが年々盛んになってきておりまして、いま規模は2兆円程度の規模なんですけども、さらに拡大していくということで、自然増でいくとですね、中々ここで期待できるというところでございます。ここでですね、期待されるのが、やはり、先程2018年の回顧で触れました空港・港湾のインフラの一層の整備ということになります。ここは非常にブラジル政府頼みになるところが大きいんですけれども、ここ数年のインフラ投資ですね。空港・港湾といったところへのインフラ投資のトレンドを見てみると、実は2014年をピークにですね、右肩下がりとなっているというところでございます。ここでですね、新政権に替わりまして、これがどう動くかというのが我々の注目事項でございます。

 すみません、ちょっと昨日気づいたので、資料を代えられなかったんですけども、この数字が3桁間違っていまして、これ、80kビリオンというと日本円で日本の国家予算並みになってしまうんですけども、これはkを除いてですね、2018年でいいますと27.8、28ビリオンレアイスということで、日本円で約8000億円ぐらいですね。それぐらいの投資であったということでございます。

 ストライキというのは非常に我々懸念事項ではございますけれども、まあ明るい話題といたしましては、昨年から始まっておりますPortal Unico。これ、昨年は輸出ブロックの方が稼働開始したんですけれども、今年はいよいよ輸入のところが、輸入ブロックの方、DU-IMPというのが始まり、これによってですね、プロセスが大幅に改善されるということが期待されます。

 あとですね、海上貨物につきまして、一つ、これ2020年の話なんですけれども、SOx規制というのが始まりまして、これがどういうふうに動くかと。おそらく2019年の後半ぐらいから具体的な事が分かってくると思いますので、ここも我々としては注視していかなければいけないと。お客さんにもかかわってくる非常に大きなポイントだと考えております。

 続きまして、海運業界の方に移ります。コンテナとドライバルク、それと自動車船という三つの切り口でご説明させていただきます。まずコンテナはですね、これは基本的には景気連動産業でございまして、2018年はですね、割と堅調に動いたというところでございます。ドライバルクにつきましてもですね、比較的堅調に推移していたんですけれども、年末にですね、ちょっと中国の景気の方が減速して、軟化傾向にあるという今の状況でございます。自動車船。ここは先程も説明がありましたけれども、アルゼンチンの経済危機というのを原因にしてですね、第3四半期から大幅に減っているというような状況でございます。

 2019年の展望ですけれども、コンテナ船はですね、まあ先程も色々なご説明がございましたけれども、中国経済の減速ですとか、米中貿易戦争の行方とかですね、Brexit等々の不安定な要素はあるのですけど、GDPの成長に連動してこの業界も伸びていくのではないかという割と楽観的な見通しを持っております。ドライバルクにつきましてはですね、これはもう完全に中国の景気次第という非常に相関関係が高いものなんですけども、加えましてですね、先日起きましたブラジルの鉱業ダムの決壊によって生産そのものが減ってしまうのではないかというところがいま気になっているところです。また、経済が上向けばですね、ブラジルのレアルは強くなりますので、それが結果として一次産品の価格を押し上げて、競争力を下げるというところは懸念されるところかというふうに思います。

 航空貨物の方でございます。航空貨物、世界的に割と堅調に伸びている業界でございます。全世界で3.5%ぐらい伸びたんですけれども、南米の方はさらに伸びが大きくてですね、北米-南米、この縦に南北を結ぶ航空貨物に関しては5.4%ということで、世界の平均の成長率よりも大きかった。加えましてですね、量は少ないんですけれども、南米間ですね、ブラジル-コロンビアだとか、ブラジル-チリといったところというのは10%伸びていると。これ、ひとつの原因はですね、ストライキによる反動というところはあるのですけれども、一方で自然増のところもあってですね、ここは非常に手堅く2018年は伸びたというところでございます。

 2019年の展望につきましても、引き続き好調であろうと。全世界的にも18年並みの伸びが期待されているというところでございます。また、ブラジルについてはですね、米中貿易摩擦によるプラスの効果があるというちょっと期待もしているというようなところです。全体的に、ブラジルの航空貨物はですね、調子は良いのですけれども、マイナス要因としてはですね、やはり輸出入のインバランスがですね、非常に大きいと。要は入って来る貨物の方が多くて、中々出ていくものが少ないというところでですね、価格にそれが反映されてしまうと。まあ我々業界として期待するところはですね、航空貨物というのは元々運賃負担力のある、高付加価値のものを運ぶための手段になりますので、ブラジル発のそういった高付加価値の競争力のあるものがですね、ブラジルから出てくるというところに期待したいというふうに考えております。

 航空旅客の方に移ります。2018年の回顧ですけれども、実は国内線、国際線ともにですね、数も増えて売上も増えていると。ただ、国際線の方に注目していただきたいんですけれども、実はですね、売上を使用者数で割った単価は実は下がっていると。ここに航空旅客の中々苦しい現状が見て取れます。すなわちですね、非常に競争が厳しいと。コストは皆さんご存知の通り年々上がる中でですね、国際競争、中東勢ですね、中東勢なども入ってきて非常に、売上の方は頭打ちになっている中でですね、非常に厳しい競争を強いられていると。それが証拠にですね、昨年の12月にAvianca、これはAviancaのブラジル法人になるんですけれども、ここが民事再生法を申請したりですとか、あるいはリオの駐在員の方が割と頻繁に使われていると聞いているんですけれども、リオ-NY間のアメリカン、これが撤退してしまったというあたりでですね、非常に、あまり景気の良い話が聞こえてこないというようなところでですね、中々解決の糸口が見えてこないというふうに聞いております。

 2019年の展望といたしましてはですね、ちょっと悲しいかな、航空会社のLCC化が進むというようなことを言われております。すなわちですね、コストも下げられない、料金も上げられない中でですね、料金を細分化して、安い運賃で乗られるお客様に対してはですね、荷物代を取ったりですとか、座席指定、これは元々はただだったんですが、そういったものを取って生き残りを模索していくような状況になっているというところでございます。

 旅行・ホテル業界。ここ、ちょっとですね、航空の話が、前の資料とは母集団が全然違うんですけれども、大体傾向としては同じですね。国内線は発券枚数も売上高も単価も全部上がっているという状況。国際線については、発券数と売上高は上がっているけれども、単価については下がっているというような状況でございます。ここで注目すべきはですね、三つ目のホテルのところでございまして、稼働率、平均宿泊費、ともに実は上がっております。当然売上高の方も上がっている訳なんですけれども、割とずっと辛い状況だったホテル業界にひとつ光が差してきたというような感じがしております。あと、この業界に属します旅行代理店の方からもですね、色々コメントをいただいているんですけれども、中々、特に日系のですね、代理店さん、10数社の旅行代理店に関しましてはですね、狭い日系マーケットというところでですね、非常につばぜり合いをしているような状況が続いてですね、中々厳しい状況にあるという状況だと、これが続いているというふうに聞いております。

 この業界の2019年の展望でございますが、一つ我々として希望を持っているのがですね、ボルソナロの新政権の優先課題の一つに観光促進があるというふうに聞いているところでございます。具体的にどのような施策が出されるのかというところまではまだ分かっていないのですけれども、一説によればですね、日本人に対して観光ビザの免除の検討をしているというような話も聞こえておりまして、こういう話があるとですね、少し日本からのお客さんなんかについても起爆剤になるのではないかというところを期待しております。また、ブラジル発の観光に関して言えば、景気が良くなればですね、ドル安レアル高というところが進みますので、それによってですね、海外への旅行者も増えてくるのではないかという期待をしているというところでございます。

 ここでですね、がらっと変わりまして、通信IT業界の方のご説明をさせていただきます。通信ITにつきましては、さらにですね、モバイル業界、それと通信業界と分けてご説明させていただきたいと思います。SIMカードのキャリア間接続料の値下げによって、二つあったSIMを一つにしたりするというようなこともあって、数字だけを見るとですね、前年比3%と、携帯電話契約数が前年比マイナス3%となっているんですけれども、実質的にはそういったSIMの一本化みたいのがありますので、実際は堅調に伸びておりましてですね、普及率も現在110%と、かなり高い水準にございます。性能の方に関しましてもですね、2G、3Gから、どんどん4Gの方にですね、移行して、マーケットとしては緩やかに成長しているというふうに認識しております。

 この2018年でですね、目立った傾向というのは、今までの、いわゆる携帯電話というよりはですね、IOTの契約者が飛躍的に伸びているというところでございまして、2018年の成長率というのはですね、前年比で約21%ということでですね、台数にして約400万の契約が増えたということになります。2017年がこの半分ぐらいだったというので、この成長というのはかなり大きいと言えるかと思います。

 キャリア別のマーケットシェアにつきましては、Vivoが32%、Claro25%、TIM24%、Oi16%というところでございます。

 2019年の展望の方に移ります。今ちょっと我々が業界として注目しているのはですね、LPWAという、低消費電力、そして広範囲のそういうサービス帯なんですけれども、これの認可というものに我々業界としては注目してございます。これ非常に使い勝手の良いサービスになるんですけれども、ブラジルでも2018年初めに認可される予定だったものがですね、遅れていて、今後の進展についても不透明というところです。これが一つ、大きな注目事項でございます。

 もう一つ、5Gですね。5G、これについてもですね、もうそろそろ、本当であれば導入される予定だったんですけれども、これもですね、もう1年ぐらいまた遅れるのではないかというような話になっております。5Gの導入というのは、世界的には2019年から20年ぐらいというふうに言われておりますので、残念ながらですね、ブラジルというのは周回遅れだと言わざるを得ないというふうに考えております。日本の総務省相当でありますAnatelの認可がもう少しすみやかに進むということを今この業界としては願っているというところでございます。

 モバイルは以上でございまして、通信の方にいきますとですね、2018年はだいたい、インターネットユーザーも1000万ユーザー増えて、いま1億5000万というところでございます。この数、絶対数で言えばですね、当然南米では1番なんですけれども、まだ契約率という、人口に占める割合という意味ではまだ下位の方にいるという状況なので、言い換えればまだここに成長の余地があるというところかと思います。この業界の注目すべき点はですね、割と大手3社、NET、Vivo、Oiがですね、メジャーな会社なんですけれども、これを足しても70%ぐらいで、他の中小が非常にシェアを伸ばしているという傾向が見て取れます。2019年の展望ですが、光ファイバー網エリア拡大や、通信品質の改善というのが期待されているというところですね。

 今のモバイル、通信、総括いたしましてですね、IT業界全体として見ますと、2018年、非常に多くの企業がビジネス成長をしましたと。老朽化の設備の更改ですとか、クラウドサービスの利用ですとか、セキュリティの導入といったところでですね、大きな成長を見せたと。こういった中で見えてきた課題というのは、ITの進歩の激しい中でですね、それをコントロールできる人材、ITエンジニアの確保。それとインフラですね。高品質、広帯域の通信回線の確保というのが課題となって、それがまさに2019年の我々が取り組んでいかなければいけない課題だというふうに考えております。

 以上を踏まえましてですね、テーマの方に移らせていただきたいというふうに思います。これも6業界、ちょっとセグメントごとにご説明させていただきます。

 まず物流につきましては、非常に自然体で、経済の成長とeコマースの拡大というところで成長が見込まれる一方でですね、インフラの脆弱さが露呈し、また政治改革への反発に伴うストライキというのが懸念されるというところでございます。対応といたしましては、まずは、他力本願なんですけども、ブラジル物流インフラの拡充という所に期待したいと思います。そのためにはですね、ボルソナロ政権の政権運営の方に期待したいというふうに考えております。あと、Portal Unicoですね。先程申し上げた、輸入ブロックのですね、導入というものが、早く、そしていい形でですね、導入されることを我々としては願っているというところでございます。

 海運につきましては、まずコンテナなんですけれども、ここは純粋にコンテナの貨物は増えていくと考えております。その中で我々がすべきこと、日系キャリアとしての強み発揮というところなんですけど、元々日系キャリアはですね、日本のメーカーさんの海外進展とともに歩んできた歴史がございます。いまコンテナというものがどんどんコモディティと化している中でですね、我々はいわゆる、現地の工場にジャストインタイムで届けるという使命感を持っておりますので、それを強みとしてですね、日系企業さんと一緒にここは成長していくチャンスだというふうに考えております。

 自動車輸送はですね、輸入は今後、経済が良くなれば輸入は増えるんですけれども、まあアルゼンチンのショックのようなことがありまして、輸出が下がっていくという事態が想定される中で、ここは臨機応変に、サービスを改編しながら生き延びていくということかと思います。

 バルクにつきましては、これはもう完全に中国の経済次第というふうに考えております。

 航空貨物。これはですね、引き続き成長が継続されるというふうに考えておりますし、米中貿易摩擦による漁夫の利を得るというところもちょっと実は期待しております。その中で、輸出入のインバランスによる運賃の上昇を懸念しているというところでございます。まあ我々の願いとしては、アウトバウンド貨物のですね、これは非常に業界の思いなんですけども、運賃負担力の高い工業製品、こういうものがですね、ブラジルで作られていくことに期待しているというようなところでございます。

 航空旅客はですね、先程申し上げましたように非常に厳しい状況が続いておりますので、この景気回復によってですね、好循環、ポジティブスパイラルの方に変わるということを、今我々としては期待しております。景気が回復して、航空機需要が増え、便の消席率が上がってですね、単価増、というところをですね、考えております。一方、日系キャリアとしてはですね、戦略の絞り込みを行っていまして、高単価の顧客層への高品質サービスの提供ということで、例えば現地通貨決済の自社カードを開発したりだとか、現地で購入可能な自社ウェブを開発したりとかいう方向に今舵を切っているというところでございます。

 旅行・ホテルもですね、2019年は比較的明るい見通しを持っているんですけども、ドル安レアル高による海外旅行者増と販売の成長というところを期待しているんですけれども、こういう時こそですね、ホテルに関しては設備投資。やはり、例えばリオなんかではかなり老朽化の激しいホテルが多いですから、そういったところでですね、もっとちゃんと設備投資をしていくチャンスと捉えると。代理店につきましては引き続き厳しい競争はあるのですけれども、お客様のニーズにかなった商品の提供と、そのための豊富な知識、経験の獲得というのをしていかなければいけないというふうに考えております。

 最後ですね、IT通信。ここはIOT分野の成長というのが2019年としては考えられております。それに限らずですね、色々なところでの成長が見込まれますことから、まずはレベルの高いITエンジニアを確保すること、それと高品質かつ広帯域の通信回線を確保するというところが課題になってくるんだろうというふうに考えています。

 ちょっと業界のセグメントが細かく分かれておりまして、全体としてちょっと総花的な資料になってしまったんですけれども、何か皆様のお役に立てれば幸いでございます。以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

 

司会

 吉田部会長、たいへん多岐にわたる分野でございますけれども、非常に成長への期待、変化への対応というテーマにつきまして、非常に分かりやすく簡潔に取りまとめて発表いただきまして、どうもありがとうございました。ただ今の発表につきましてご質問のある方、挙手をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは運輸サービス部会の発表は以上とさせていただきます。吉田部会長、どうもありがとうございました。

 それでは最後の発表となります。生活産業部会の発表となります。今川部会長より発表いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

生活産業部会

今川尚彦 部会長

 ブラジル戸田建設の今川です。本日大トリの発表をさせていただきます。非常に長時間のこの会議、最後、皆さんお疲れでしょうけれども、最後まで辛抱してですね、聞いていただけたらと思います。

 今年1月末に、建設不動産部会と繊維部会が合併しまして、新しく生活産業部会が発足しました。部会長を務める事になりました。どうぞよろしくお願いいたします。生活産業という名の部会ですが、建設不動産業界と繊維業界の接点を見出すことはたやすいことではなく、本日の発表は旧両部会の発表内容をあわせたものとなりますので、ご了承ください。

 まずは建設不動産業界の概況、繊維業界の概況、最後に生活産業部会の紹介をさせていただきたいと思います。

 それでは建設不動産市場の概況についてご報告します。ご覧のグラフは、2010年から今年の予測まで、10年間のGDP成長率の推移を示したものです。グレーが全体のGDP成長率、オレンジが建設、青が不動産となっています。中央銀行が2月15日に発表しました2018年のGDP成長率は1.15%でした。本日発表された数字は1.1%となっております。年初は2.4%程度が見込まれていましたが、5月のトラック運転手のストライキ、長引く政情不安等で下期にかけて減速。直近予測の1.3%も下回る結果となっております。2019年の予測としましては、新政権が推し進める年金制度改革等が成功すれば、2.5%程度の成長が見込まれるとされています。

 不動産は、昨年と今年のデータがございませんが、2017年までの動きは全体とほぼ一致した成長率を示しております。一方、建設は2014年から5年間に累計21%減退をしております。全体がプラスに転じた2017年以降もマイナス成長が続いております。2018年はマイナス2.6%前後でしたが、今年は何とか1.3%程度の成長が予測をされております。

 建設市場は他産業同様、2014年下期から不況に見舞われましたが、主要建材の生産量を見ればその落ち込みぶりがはっきり分かります。ご覧のグラフはブラジル地理統計院が実施している工業生産調査における、セメントの消費量と、鉄板コイルの生産量です。建設市況の指標となるセメントと鉄板コイルの生産量は、リセッション前の2012年を100とすると、2018年まで約7割程度まで落ちております。

 建設業界はどの国においても不況のあおりをまともに受け、回復も他産業より遅れるのが通例です。先程金属部会様からの発表にもございましたけれども、2020年以降の回復というふうになると思っております。ブラジルの現状は、2017年まで続いた景気低迷に加え、公共工事の大幅な減少と政界汚職事件が大きく影響しております。公共工事は過去の財政失策と、景気低迷に伴う歳入減で大幅に削減され、いまだに再開のめどが立っていません。

 次に建設コストの変動について説明いたします。年々確実に発生するインフレにより、建設コストも上昇しております。その中で特異なのは、人件費の上昇です。グラフは2007年から2018年までの建設コストに対する人件費と材料費の比率の変化を表したものです。2014年にリセッションが始まり、建設業界が低迷しているにもかかわらず、人件費は年々上がり、不況にあえぐ建設業界をさらに圧迫する一因となっております。

 次に、建設就業者の数について見てみます。上のグラフはブラジルの全体失業率です。直近の調査では、昨年第4四半期が11.6%となっておりました。最もひどかった1年前の13.7%からは2%の減で、改善はしつつあるものの、あいかわらず高止まりが続いています。下のグラフは建設就業者数の増減を表したものです。建設部門は2014年以降、正規雇用者を減らす一方で、過去4年間の離職者数は累計100万人に上っております。昨年は5年ぶりに増に転じましたが、1万7000人にとどまっており、ここ数年間で大幅に減少した建設就業者数の回復にはまだまだ程遠い状況でございます。

 次に不動産市場について報告いたします。2015年、16年と低迷したものの、持ち直しをしてきております。これを後押しするのがマイホームの購入です。政策金利は昨年2月に6.5%まで下がり、1年間変動をしておりません。過去2年間はインフレも低く、持ち家購入の動機となっております。グラフは2015年から18年の退職金積み立て制度、FGTSと、連邦貯蓄銀行の不動産融資の申込件数と総額です。FGTSの方は変動幅が小さいですが、連邦貯蓄銀行のSBPEは2016年、17年と落ち込んだものの、2018年、昨年は大きく増えております。

 上のグラフは、2017年1月から昨年9月までの全国の新築マンション販売と制約の累積件数。下のグラフは同期間の市場供給数です。上のグラフの通り、発売、制約ともに伸びているため、下のグラフの市場供給数は減り、近年目立っていた売れ残りマンションの数が減って、供給バランスが改善されてきていると言えます。

 次にマンションの平均価格についてですが、昨年第3四半期までの直近15ヶ月の上昇率を見てみますと、2017年3月を基準とした際に2%から7%の上昇率で推移しております。昨年7月以降は全国建設コスト指数、INCCを下回り、最近は約2年前の価格水準となっています。平均価格は地域によりばらつきがありますが、全国平均では平米あたり6123レアルでありました。

 次に賃料の推移を見てみます。FIPEZAPの統計はオーナーの取引希望価格をまとめたものであり、実際の賃料とは若干違いますが、分かりやすく賃料として今回説明をさせていただきます。先程のマンションの平均価格同様、賃料はここ1年間は2%程度の上昇率で推移しており、総合物価指数と比べても低い水準です。今年に入ってからも、ほぼ動きがなく、この傾向は当面は続くと見られています。

 以上、簡単ですが、建設不動産部門の概況を報告させていただきました。続いて、旧繊維部会からいただいた繊維業界の傾向を報告いたします。

 2018年は紡績の主原料である原綿が急激に高騰し、繊維業界、そして紡績業界を直撃いたしました。いまだに原綿のポジションは厳しいものがあります。それに対してこれからどうするかということですが、相場に左右されない定番商品からの脱却と競争力の強化、より強固な企業体質づくりを行う必要があります。このたびは全社の相場商品からの脱却についてご紹介いたします。

 ブラジルの繊維業界は、Tシャツをはじめとする丸編みが40~50万トンの糸を1年間で消費をしております。デニム関係が20万トン、タオルが10万~15万トン、その他10万~20万トンとなっております。あわせて約100万トンの市場ですが、ここに上位数%のプレミアムな市場を形成、創造したい、そう考えております。本日は、デコラソンという、生活に密着した、そしてやすらぎを与えるソファーやカーテンの市場に対してのプレミアムな開発を紹介いたします。

 こちらは、今年1月にフランクフルトで開催されたハイムテキスタイル展です。多くの情報をここで収集し、開発につなげ、お客様への情報提供を行います。こちらの赤枠に注目してみます。こちらを拡大しますと、生地のカラーと外観、形状のサンプルとなっております。そして、サンプル群の中でも赤色のこの生地に注目してみますと、生地の表面の凹凸感等がございますが、これを研究して、下のような新しい、このような糸の形を考え出して開発していくということになります。同様に、このカーテンについても、細かくクローズアップしてみますと、繊維の業界ではロングスラブと言っておりますが、この形状を参考に新商品開発を行ってまいります。そして、唯一無二の商品でプレミアムゾーンを形成したい、市場に新しい価値を提供したいと考えております。

 最後に、情報提供の一環としまして、今の注目カラーをご紹介いたします。現在の注目カラーはピンク系とグリーン系になっております。先程のイベントにおいても、例えばソファーとかカーテンですね、ピンクやグリーンでリビングのカラー構成を提案するブースもたくさんございます。一方で、確かにこれらのカラーは存在しますが、摩訶不思議な部分もございます。このように、日本では至極当然の活動をこのブラジルでも行い、プレミアムな生活環境のご提供につながればと考える次第です。

 最後に、まあ今年からですね、新しい生活産業部会というものができまして、この生活産業部会の今後の取り組みについて少し紹介させていただきます。

 旧建設不動産部会と旧繊維部会が統合ということでも、中々その接点というのは見つけることが難しくて、我々部会会員もですね、非常にまだとまどっている状況です。しかし、生活産業という言葉に注目すれば、新たな視点での展開が可能になるのではないかと思っております。

 これは、経済産業省の、子供向けのホームページです。皆さんちょっと頭が疲れていると思いますので、この簡単なやつで行きたいと思います。生活産業とは、人間が快適に、便利で、安心して、楽しく暮らすこと、全てに関わる複合産業となります。その中でも一般的には、衣食住および環境、娯楽などにおいて、一般消費者を顧客対象とするビジネスを指しております。製品で言えば、私たちの日々の生活に密接に関係する製品全てとなります。経済産業省の定義では、繊維、アパレル、服飾品、住宅、建材、住宅設備、家具、インテリア、生活、スポーツ用品、伝統的工芸品等とされています。この中の繊維、アパレル、服飾品は旧繊維部会に深く関わっております。住宅、建材、住宅設備は旧建設不動産部会に直結をしております。しかし、それだけでは全体を網羅しているとは言えません。生活産業は、業種を横断して、私たちの生活の質の向上をもたらす重要な複合産業です。繊維と建設不動産だけで生活産業部会を構成するよりも、多くの関連企業に広く参加していただくことで充実した部会になると考えております。

 我々は活動方針としまして、会議所内会員ならびに、関連業界への有用な情報の発信を掲げております。特化した業種にとらわれず、幅広く全体を見渡せる部会として存在し、情報を共有していきたいと思っております。情報交換会や勉強会も予定しており、関心のある方には広く開いていきたいと考えております。もちろん、懇親会やゴルフコンペも予定をしております。

 現在、商工会議所事務局でも、その他の部会の再編成を考えられております。主要部会員のみならずですね、準部会員でもオブザーバーの参加でも結構です。この機会にぜひ入会をご検討いただければと思っております。以上で発表を終わります。長らくのご清聴ありがとうございました。

 

司会

 今川部会長、どうもありがとうございました。ただ今の発表につきまして、ご質問のある方、挙手を。お願いいたします。マイクをお願いします。

 

発言者

 疲れているところ質問してごめんね。だけど、ちょっと本当に疑問に思ったのが、あれだけ失業率が高いのに、なんで人件費が高くなっているの。というのが、正直言って、他の業界みんなね、再ネゴしちゃっているんだよね。もうお前たちの給料高すぎて払えないから、今後続けるためには給料下げるしかないと。今回GMもそれをやっているんだよね。だからそういったところで、御社の業界だけがなんでこんなことができるのかなと、ちょっと不思議なもので、すみません。

 

今川部会長

 ご質問ありがとうございます。我々というか、建設業界についてですけれども、非常に、作業員とかですね、人手というのが非常にかかっております。で、我々、当然、弊社の社員だけのみならず、現場には色んな協力会社のスタッフがいたり、作業員がいるんですけれども、彼らは組合に守られておりまして、毎年、業績に関係なくですね、給料が上がっていきます。ですので、弊社のスタッフを入れ替えてもですね、中々、建設コスト全体のコストとしては上がっていくと。ですので、先程もちょっと説明しましたように、ここ数年間で、元々は材料費の方が高い比率を示していたんですけれども、今は逆転しまして、建設費にかかる人件費の方がウェイトを占めているというのが現状です。まあこれはブラジルの法に守られた労働者保護の形が表れているのかなと思っています。

 

司会

 はい。他に質問ございますでしょうか。いかがでしょうか。はい。それでは生活産業部会の発表は以上とさせていただきます。今川部会長、どうもありがとうございました。

 以上で、前半5部会、後半5部会、計10部会の発表を全て終了いたしました。最後に、時間が5分ぐらい余る結果となりましてですね、ちょっと時間はあるんですけれども、今回、2018年の回顧と2019年の展望、そして副題のテーマは「成長への期待、変化への対応」となっており、各部会から様々な発表がなされたかと思います。各業界の景況感としてはですね、やっぱり2019年は18年よりも若干いいのかなというふうな感触がですね、確認できたかと思いますけれども、やはり国内景気にかなり頼っている部分があって、外部環境は必ずしも良くない、不透明なところがあると。あと、アルゼンチンの影響なんかもございますので、予断はできないといったことが挙げられるかと思います。

 まあ、一部業界ではですね、例えばブラジルの社会変化に対応している、例えばヘルスケアですとか、そういったところは底堅くですね、成長が期待できるといったことが言えるかと思います。そうした、中々、リスクへの対応というところも、やっぱり重要になってきますので、そうした中でですね、やはり、発表の中で特に印象的だったのは、利益を生み続ける強固な企業体質といった指摘が挙げられたかと思います。その具体例としてですね、人材投資ですとか、コスト見直し、生産性の向上、教育、そして、例えば営業力の強化ですとか、新商品投入ですとか、それから、デジタル化、イノベーションへの対応とか、そういった課題が挙げられたかと思います。あと、日系としての強みというのもですね、指摘があったかと思います。

 あと、今後の景気のところですけども、かなり年金改革への期待、構造改革の先頭に立つ年金改革への期待、ここの動向がですね、やはり重要視されているなという。まあこれが実現できないとですね、その他の構造改革が中々進んでこないといったところかと思いますので、ちょっとその辺はですね、期待でもあり、リスクでもあるということではないかというふうに考えております。

 あと、発表の中で色々ご要望もいただいておりましてですね、ビジネス環境、特に許認可、8年、10年かかってようやく認可されるとか、そういったところを迅速化、簡素化してほしいとかですね。あと、税制改革。それから、電気電子部会ではですね、欧州・メルコスールEPAに劣後しないことといった要望が挙げられております。また、オリンピックと連携した日本技術展をやったらどうかとかですね、省エネセミナーをやったらどうか、あとチームジャパンへの取り組みとか、そういった具体的な要望とか取り組みが挙げられたかと思います。

 では、本日ですね、特別に出席いただきました在サンパウロ日本総領事館の野口総領事に、本日の各部会の発表につきましてですね、講評、コメントをいただければと思います。それでは野口総領事、よろしくお願いいたします。

 

講評

野口泰 在サンパウロ日本国総領事館総領事

 皆さんこんにちは。長時間にわたりまして御苦労さまでございます。

 私、着任しましてからこれが3回目のカマラのシンポジュームでございますけれども、これまで2回と比較するとですね、かなりポジティブと言いますか、皆さんの表情も明るくなったかなという感じがいたしております。まだまだ不透明感はぬぐえないところはありますけれども、色んな意味で、先程大久保所長の方からもお話がありましたが、明るい兆しもちょっと見えてきたかなという感じがいたしております。

 確かに昨年はですね、トラック運転手のストとか、あるいは大統領選挙の帰趨がどうなるか分からないという不透明感が漂う中でですね、日本企業さん、様子見というふうな状況が強かったと思います。その後ですね、大統領選挙がありまして、ボルソナロ新政権が1月から発足をしております。

 ボルソナロ政権ですね、非常に経済の自由化というのを政権の大きな柱として位置付けておられると思います。非常にプロ・ビジネスな政権が誕生したのではないかと。まあ税制を簡素化するとかですね、あるいは、今日も日本企業さんがご苦労されている色んな許認可とかですね、輸入の審査とかですね、そういったビューロクラシーをできるだけ排除していくということもおっしゃっておりますけども、まだ総論にとどまっていまして、中々具体的な各論にまでまだ踏み込んでいない状況ではありますけれども、こうしたボルソナロ政権の経済自由化の政策、方針というのをですね、今後フォローしていきたいというふうに思っています。

 特にですね、繰り返し言及のありました年金改革でございますけれども、私がニューヨークのマーケットを見ておられる方なんかとお話ししますとですね、ニューヨークのマーケットでもブラジル経済を見る時に、一丁目一番地が、どうも年金改革が議会を通るかどうかと。これが通ればですね、国際的なマネーが本格的にブラジルに注目をするのではないかというふうな感じがいたしております。ただ、これが通らなければですね、非常に失望感が広がって来るのかなということでですね、その年金改革についての動向を見極めて、フォローしていきたいというふうに思っております。

 今日は、ここで活動しておられる日本企業の皆様方のですね、見方というのをたいへん勉強させていただきました。実は昨年の半ばぐらいにですね、JBICさんがですね、日本企業の本社にアンケート調査をした結果というのがちょっと印象に残っていますので、ご紹介をいたしますと、ブラジルというのはここ20年ぐらい、ずっと中長期的な有望国のトップ10に入っていたんですね。一番良い時は上位5位以内にも入るという、そういう、非常にやはり、新興国として注目を浴びていたんですけれども、昨年の調査ではですね、とうとうトップ10から落ちてしまったようでして、12位に落ちてしまったということだったようです。

 ただ、若干ブラジルに対する見方というのが、ちょっと上向きになってきているといいますか、下げ止まっているのかなという数値も出ておったようでして、ブラジルでこれから企業活動を活発にしますという日本企業さんの比率がですね、2011年以来ずっと下がってきたのが、昨年の調査では若干上向いてきたと、比率が上向いてきたということで、そういった意味でも明るい兆しはあるのかなというふうな感じがいたしております。

 こうした、ボルソナロ政権ですね、本格的な政権が誕生したということで、日本政府、特に官邸の方もですね、非常にブラジルの動きに注目をされておられます。1月にはですね、スイスのダボスでダボス会議が行われまして、ボルソナロ大統領にとって初めての国際的なデビューになったわけですけども、そこでもやはり、安倍総理がですね、ボルソナロ大統領と初めての会談をされる等ですね、日本政府としてもこの政権と本格的にがっつりですね、つきあっていきたいというふうな意向を示しております。特に今年は、日本がG20の議長国にもなっておるということで、5月にはG20の財務大臣会合が日本で行われてですね、パウロ・ゲデス新経済大臣もですね、ぜひお越しいただきたいというふうに思っておりますし、さらにG20の首脳会議がですね、6月の下旬に大阪で行われまして、これにつきましてはボルソナロ大統領は安倍総理大臣に自分は出席しますというふうに仰っておられますので、こうしたハイレベルの対話を通じてですね、ボルソナロ政権の具体的な政策というのがですね、さらに判明をしてくるのではないかというふうに思っております。

 いずれにしましても、ボルソナロ政権、最初の6ヶ月が勝負だと言いますか、まあロケットスタートと言いますかですね、この最初の6ヶ月に矢継ぎ早に改革をしていきたいというふうなことでですね、年金改革もですね、この6ヶ月でどうなるかというのが、非常に注目をされているところだと思います。

 そして日本とブラジルの間ではですね、インフラについてのインフラ会合というのを、まあこれは日本企業の皆さん方にも入っていただきましてですね、今年の前半にもですね、また第3回目のインフラ会合を、おそらく日本で開催をすることになろうかと思います。こうした対話を通じてもですね、日本としての、ブラジルのインフラプロジェクトへの関心とか、あるいはブラジルの新政権がどういったインフラについての政策を打ち出してくるかというのをですね、聴取できればと思っていますし、7月には、下旬にですね、ここサンパウロで日伯の経済合同委員会というのも開かれてですね、そういったところでブラジルの新しい政権の政策というのが見えてくるのではないかというふうに思っております。

 今日の発表でですね、日・メルコスールEPAについてのご要望、あらためて承ったところであります。実は昨年来ですね、カマラの方でタスクフォースを作っていただいてですね、官房長官にも要望書をいただいているところであります。実は昨年のアルゼンチンでのG20の会議の時にですね、安倍総理が出席される時にですね、ぜひ前進を図ってほしいというようなご要望であったんですけども、残念ながらその時にはですね、はかばかしい前進というのは図られてはおりません。ぜひ今年にですね、私としては何とか前に進めていきたいというふうに思っておりますが、

 まずですね、ブラジルのボルソナロ政権がですね、このメルコスールに対してですね、まあ若干政権の中では、メルコスールとしての交渉というよりかは、バイの交渉、ブラジル一国での交渉というのをほのめかしている発言も時々耳にしております。今のところは、メルコスールとしてFTAをやるというふうな方針に変更はないというふうなことにはなっておりますけども、そうしたブラジル政府のですね、メルコスールとの距離の置き方といいますか、そういったものも、今後見極めていきたいと思っていますし、そして今年はですね、日本は選挙の年になっております。

 EPAの交渉を始めるとなるとですね、非常に政治的にセンシティブな品目があるということで、日本政府の中でもですね、やはり政治レベルの方々にご相談をしていかなければならないわけですけども、今年は亥年でありますけども、12年に1回ですね、統一地方選挙と参議院選挙が同じ年にあると。今年は4年に1回の統一地方選挙が4月に行われまして、7月には参議院選挙が、3年に1回の参議院選挙、4×3で、12年に1回、亥年はですね、必ず大きな選挙が行われる年になっていまして、こうした選挙の年の中でですね、各省の政治レベルともご相談しながら、日・メルコスールEPAというのをですね、どういうふうに動かしていくかというのを引き続き検討していきたいというふうに思っております。

 そして、ソニーの日比社長の方からですね、マナウスのフリーゾーンで活動されておられる日本企業の取り組みに関しまして、現地の調達の比率の向上を求められているという、非常にご苦労されている中でですね、私も現場に行きまして、関係者のお話を聞きまして、あらためて困難さというのを感じたところでありますけれども、ちょうどこの業界団体と言いますか、エレトロスのですね、会長さんがですね、3年前までマナウスにおられまして、マナウスの総領事館が日本に招へいをしたことをきっかけにですね、非常に日本とは良い関係にあるということで、ぜひこうした会長さんにもですね、この問題意識をぶつけていきたいというふうに思っております。

 いずれにしましても、次回は8月に行われるということだと承知しておりますけれども、8月にはですね、年金改革法案が無事通ってですね、日本企業さんの様々な前向きな動きをまたお聞きする機会になればというふうに思っていますので、最後にそうしたことを祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。本日はどうもご苦労さまでした。ありがとうございました。

 

司会

 野口総領事、どうもありがとうございました。以上で本日の部会長シンポジュームを終了するにあたりましてですね、閉会の辞を讃井総務委員長にですね、バトンタッチしたいと思います。讃井総務委員長、よろしくお願いいたします。

 

閉会の辞

讃井慎一 総務委員長

 讃井でございます。本日は半日、長い間たいへんお疲れ様でございました。冒頭申し上げるあれだったんですけども、私ども、こんな高い所から、座ったままで、たいへん、半日間失礼いたしました。野口総領事におかれましては、ご講話いただきまして、コメントもいただきましてたいへん感謝しております。ありがとうございます。

 今ご案内ございましたけども、次回のシンポジュームは8月に予定されております。全般的には非常に明るい兆しがあるのかなというふうに私も思ってございますので、今後、半年後にですね、またこういった、カマラの一番大きなイベントの一つでもありますので、情報共有ができる場を楽しみにしているというところでございます。

 一点だけ、先程来いろいろとコメントありましたけども、まあ世の中、第4次産業革命だとかですね、産業構造の変化とか、こんなことが言われておりまして、日々の事業の中ではですね、当然ブラジルはどうするんだという話はあるんですけども、やはり世界中で起こっていることはブラジルでもやはり起こっているのかなというのは、これは、バリューチェーンの話があったりですね、Youtubeの話があったりだとか、色んな事がございましたので、あるいはむしろブラジルの方が、スピードだとかそういったところで優れていて、場合によっては学ぶところもあるのではないかなというふうに思ったところです。この辺りは既存のビジネスとは別にですね、今後のチャンスじゃないかなというふうに思いますので、このたびは私も非常に印象深く思ったところだったので、コメントさせていただきました。

 そういった意味では、生活産業部会ということで新しい部会として初めてご発表いただきましたけども、年初来申し上げていますが、部会の所属会社の社数であるとかですね、事業の内容の見直し、この辺り、より活発に活動していく中でですね、色んな見直しを今、総務委員としてですね、事務局とも、あるいは皆様ともご相談しながら進めているところ、こういったのも自然な流れなのかなというふうに思いますので、色々とご相談をさせていただきたいなというふうに思います。

 簡単でございますけども、皆様のご発展と申しますか、半年後にまた明るいご報告会ができるようにということを祈念しまして、ご挨拶とさせていただきます。たいへんありがとうございました。

 それで、ご案内と思いますけども、この後、出たところで懇親会がございます。有料でございますけども、お一方80レアルということでありますが、ふるってご参加いただければと思います。あらためまして、たいへんありがとうございました。

 

2018年下期の業種別部会長シンポジウム

                 2018年下期の業種別部会長シンポジウムのテープおこし記事掲載中

テーマ:「2018年上期の回顧と下期の展望」
副題:「大統領選を直前に控えて〜変化の時期への準備と戦略は」
基調講演:川辺 純子 城西大学副学長
日時:   2018年8月23日(木曜日)
13時~18時 シンポジューム(途中コーヒーブレイクが入ります)
18時~19時 懇親会(カクテルパーティー)                 
会 場: ホテルマクスードプラザ
(Maksoud Plaza – R. São Carlos do Pinhal, 424 – Bela Vista, São Paulo – SP   Tel.: (11) 3145-8000)

前半の司会: 木下 誠 (きのした まこと)総務委員長  
13:00~13:05 開会挨拶 松永 愛一郎 会頭    
13:05~13:25   基調講演: 川辺純子 城西大学副学長(20分) テーマ: 在外日本人商工会議所の活動 ―アジアを中心に―
13:25~13:50 ①  金融部会 安田 篤(やすだ あつし) 部会長    (損保ジャパン) 
13:50~14:15  ②  貿易部会 猪股 淳(いのまた じゅん) 部会長 (伊藤忠) 
14:15~14:40 ③  機械金属部会 植田 真五(うえだ しんご) 部会長  (三菱重工) 
14:40~15:05  ④  自動車部会 下村 セルソ(しもむら せるそ) 部会長 (トヨタ) 
15:05~15:25  ⑤  コンサルタント部会     西口 阿弥(にしぐち あや) 部会長  (EY) 
         
xxxxコーヒーブレイク (15分)xxxx    
         
後半の司会: 大久保 敦 (おおくぼ あつし)企画戦略委員長
15:40~16:05  ⑥  化学品部会  羽田 徹(はねだ とおる) 部会長 (日本曹達) 
16:05~16:30  ⑦  電気電子部会 日比 賢一郎(ひび けんいちろう) 部会長 (ソニー) 
16:30~16:55  ⑧  食品部会  黒崎 正吉(くろさき まさよし) 部会長 (味の素) 
16:55~17:20 ⑨  運輸サービス部会  矢澤 吉史(やざわ よしもと) 部会長  (NTT) 
17:20~17:45 ⑩  建設不動産部会  今川 尚彦(いまがわ なおひこ) 部会長 (戸田建設) 
17:45~17:58   講評 野口 泰(のぐち やすし)総領事 在サンパウロ日本国総領事館
  コメント 山中 修(やまなか おさむ)公使 在ブラジル日本国大使館
  着任のご挨拶 真鍋 尚志(まなべ たかし)公使 在ブラジル日本国大使館
17:58~18:00    閉会の辞 木下 誠 総務委員長              

 

シンポジウム記事 → http://jp.camaradojapao.org.br/news/atividades-da-camara/?materia=18695

 

Pdf金融部会

Pdf貿易部会

Pdf機械金属部会

Pdf自動車部会

Pdfコンサルタント部会

Pdf化学品部会

Pdf電気電子部会

Pdf食品部会

Pdf運輸サービス部会

Pdf建設不動産部会

Pdf全プレゼンテーション

 

                2018年下期の業種別部会長シンポジウムのテープおこし記事掲載

 

前半司会

 

                     

                              木下誠 総務委員長   

 そろそろ開始時間になりましたので、これより2018年下期業種別部会長シンポジウムを開催いたします。私、前半の部の司会を担当させていただきます、総務委員長で三菱UFJ銀行の木下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。後半は企画戦略委員長の大久保さんに司会をバトンタッチさせていただく予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、シンポジウム開会にあたりまして、松永会頭よりご挨拶を頂戴したいと思います。松永会頭、よろしくお願いいたします。

 

開会挨拶

                    

                      松永愛一郎 ブラジル日本商工会議所会頭

 2018年度下期シンポジウムに多数お集まりいただきまして、たいへんありがとうございます。また本日は、多数のゲストの方にも参加していただいております。簡単にご紹介させていただきますが、まず最初に、川辺信雄早稲田大学名誉教授、ならびに、奥様の川辺純子城西大学副学長様にご参加をいただいております。川辺名誉教授の方はですね、ブラジルの自動車産業、これについてのご調査のために今回ご来伯されたということでございます。奥様の純子副学長様にはですね、当地の日系の商工会議所の活動についてのご調査ということでいらしていただいています。とりわけ、純子副学長はですね、アジアを中心とした在外の商工会議所の活動について造詣が深く、本日も基調講演としまして、在外の商工会議所の活動についてご講演をいただだくことになっております。我々商工会議所のメンバーとしてもですね、参考になるということで、非常に楽しみにしております。よろしくお願いします。

 続きまして、ブラジリアの大使館より山中公使ならびに真鍋公使にもご参加をいただいております。さらに、当地からですね、サンパウロの総領事館の野口総領事にもお越しをいただいております。皆様には恒例ですが、シンポジウムの最後にご講評をいただければというふうに思っております。また、最近ご着任されました真鍋公使には着任のご挨拶の方もよろしくお願いします。

 加えて、パラー日系商工会議所から山中副会頭にも今日お越しいただいております。遠いところありがとうございます。

 商工会議所の一つの目玉となっていますシンポジウム、これは半期に一度開催をさせていただいております。業種別の部会長様に、経済分析、業界分析、今後の動向等をですね、各社プレゼンをいただくという建て付けになっております。今回の副題は「大統領選挙を直前に控えて-その準備と戦略は」ということになっております。各部会長の皆さんからもそういった視点でのプレゼンが為されるものと思っております。私も非常にその内容に興味を持っているところでございます。

 さてブラジルですが、もう大統領選挙も間近でございます。本命不在と言われている大統領選挙でありますけども、新しい大統領には是非、構造改革の手を緩めず、このまま推進をしていただいて、中長期的な経済発展を達成するように、そういった運営を切に期待するところでございます。

 また、ブラジル以外に目を転じますと、トランプ政権の米国第一主義、あるいは今盛んに報道されております米国と中国の貿易戦争、あるいはトルコ、イランといったような地政学リスク、そういったものが顕在化をしておりますが、一方で地域の経済連携という動きも非常に顕著になっております。既に報道の通りではございますが、日本・EUのEPA、あるいはTPP11というものはもう既に基本合意されております。一方でRCEPについても議論が深まっているというふうに仄聞をしております。

 こちらのメルコスールでございますが、アルゼンチンのああいう経済状況といったものはございますけども、メルコスールとしましては、EUとのEPAを推進をしていく、続きまして韓国、あるいはカナダとのEPA交渉も開始をするというふうに報道されております。そういった中ですね、皆さんご存知の通り、我々商工会議所としましても、そういった他国に遅れることなく、日本・メルコスールのEPA、この早期の実現に向けての活動を強化しているところでございます。今日のプレゼンの中でもですね、そういった日本・メルコスールEPAといったようなところがリファーされるんじゃないかというふうには思っております。

 また、今回のシンポジウムなんですけども、会員以外の方にも自由にご参加をいただいております。また、今日いろいろと投影する資料ですが、こちらの方についても商工会議所のホームページにアップさせていただきます。ですので、会員以外の皆様でもブラジルでの経済活動を推進をしようという方々にも裨益するような、そういった努力をしているところでございます。

 最後になりますが、今日のシンポジウムに備えていろいろとご準備をいただきました部会長の皆様、ご関係者の皆様、厚く御礼を申し上げまして、私の開会の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。

 

司会

 松永会頭、どうもありがとうございました。それでは続きまして、今回特別にご参加いただきました城西大学副学長の川辺様よりご講演をいただきたく思います。それでは川辺様、お願いできますでしょうか。

 

基調講演 

             

                            川辺純子 城西大学副学長

テーマ: 在外日本人商工会議所の活動 ―アジアを中心に―

 皆様、こんにちは。城西大学副学長の川辺でございます。結婚式以来こんなに高い席に上がるのは久しぶりでございまして、たいへん緊張しております。また本日は、このサンパウロで、しかも商工会議所の活動に参加されている皆様の前で商工会議所の話をさせていただくというのは、たいへん光栄に思っています。

 私が商工会議所の研究をしていると言いますと、商工会議所が研究の対象になるんですか、というお話をよくされます。私がこの研究をしようと思ったのは、マレーシアに滞在している時、主人がマラヤ大学で1年間教えましたので、その時初めてアジアの日本人商工会議所へお伺いしたことがございます。その時に、商工会議所、何をやっているんだろうと思ったのが研究の始まりでございます。その後ですね、商工会議所を研究している人がたまたま誰もいなかったものですから、まあニッチな市場で私が研究をすることになりました。

 今日は20分ということですので、まず商工会議所について、どういうところなのかというお話しをしまして、次にアジア全般における日本人商工会議所、どれぐらいあるかというようなことを話をしたいと思います。それから、私すでに何ヶ所かの商工会議所を研究していますので、マレーシアと、それから香港、この二つを事例にですね、この二つがどういう活動をしているのかということをご紹介したいと思います。最後に、いま世界が大きくグローバル化していますので、商工会議所も非常に大きな課題を抱えていると、今後どういう方向に行ったらいいんだろうということを少しお話しをさせていただきたいと思います。

 まず、商工会議所ですけれども、日本にももちろんございます。世界中にあります。基本的には商工会議所法に基づき、市など一定地域の商工業者によって組織される、自由会員制の非営利法人というふうに定義されています。ただし、海外における場合は、商工会議所法に縛られない場合もございます。会社法で会議所をつくっているところもあります。それから、非営利法人という場合もありますし、団体ということもあります。というふうに、色んな使い方がされていますので、必ずしもこれが定義というわけではありません。

 ただし、目的は一緒です。商工業の改善・発展です。それから、会議所の財政はですね、会員の皆様の会費によって賄われている。それから活動も、会員の方が計画して実施されているという特徴をもっています。

 組織と活動についてちょっとお話しをしますと、会員の皆さんが共通の課題をやっぱり抱えている、それを組織というものを通じて何らかの形で解決をしようというものです。それから、執行部と呼ばれる指揮部門が活動計画を立てていきます。そして、事務局の統一管理の下に、基本的には部会、業種別の部会ですね、それから委員会が中心になって計画を実施していくというものです。

 ひとつ事務局について言いますと、アジアにある商工会議所の事務局はだいたい3つのタイプがあります。一つは、地元の方が事務局として担当されている。それからもう一つは、日本から、日商とか、東商とか、そういうところから事務員を派遣してもらっているというところがあります。それからもう一つは、そのどちらでもなく、JETROが事務局を兼ねて運営をされていると。大体こういう3つの事務所があると思います。

 それから、2番目にですね、アジアにおける日本人商工会議所ですけれども、これは日商のホームページから調べましたら、大体、世界には86カ所、いま商工会議所があります。ただし、海外の商工会議所は日商に報告義務はございませんので、実際はこれよりも多いです。この中で、欧州、北米、大体17、18ですけれども、そのうち最も多いのがアジアなんですね。29カ所商工会議所がございます。

 そのアジア地域の内訳が隣の表です。韓国、中国に3カ所、香港、台湾、フィリピンにも3カ所あります。カンボジア、マレーシア、それからシンガポール、タイ、インドネシア、インドには4カ所ございます。バングラディシュ、スリランカ、パキスタンには2カ所ございます。ミャンマー、ベトナム、3カ所。ラオス、UAE、ネパールとなっております。

 ここに一応商工会議所と書きましたけれども、各地域では呼び方はそれぞれです。商工会議所といったり、日本人、あるいは日本という場合もありますし、日本商工会、あるいは日本人会の中に商工部あるいは商工会というものがあるものも含めてこれだけのものがあるということです。

 それで、私は商工会議所があるところはどこでも研究対象になるので、アジアだけではなくてトルコにも行ったことがございます。トルコは西と東、それから南北の十字路ですので、非常にビジネスチャンスとしては日本企業がこれからどんどん出て行くところなので、ここは間違いなく商工会議所ができると思っていたんですけれども、ちょっと時期尚早でですね、まだ日本人会の中の商工部としてしばらくやっていくということでした。そうこうしているうちにトルコの政治的リスクが起こりまして、しばらくはちょっと商工会議所は無理かなというふうに思います。

 それから、この中ではバンコクの日本人商工会議所の50年史というのを書きました。それからミャンマーも行きまして調査をいたしました。調査をする時に、じゃあ何に基づいて書いていくかといいますと、基本的には理事会の議事録です。それから、会報を出していらっしゃるところが多いので、会報をずっと見ていきます。これは比較的研究がしやすいんですけれども、中には会報が出ていない商工会議所というのも多くあります。例えばミャンマーとか、それから香港もそうですね。そういう場合は、事務局、あるいは執行部にお願いをして、こういう研究をしているんですけれども内部資料を見せていただけませんかという形で、これはミャンマーと香港は調査をしてまいりました。

 それでは続きまして、マレーシアと香港の事例のご報告をしたいと思います。基本的にはですね、アジアにある日本人商工会議所の役割は何なのかと考えた時にですね、二つ考え方があると思います。一つは、進出先国の政府が日本企業に何を求めているのか。もう一つのタイプは、日本企業が何を求めるのか、というふうに二つに分かれるのではないかと思います。

 一つのタイプ、タイプAとしますと、政府が非常に日本企業に大きな役割を求めているのがタイ、あるいはマレーシアです。それから、政府は経済には、市場には介入しない、レッセフェール経済を展開している香港では、ほとんど日本企業に政府は何もまあ期待をしないというふうに考えていいと思います。

 まずタイプAの方をご説明しますと、アジアの途上国の場合は、企業がない、あるいは企業化が育っていないという時に、外国の企業を工業化の推進役として求めていくことが多々あります。マレーシアはその例です。そうすると、商工会議所の役割というのは、政府が日本企業に求めている政策の実行に協力すると同時に、その過程で日本企業は様々な課題を抱えていきますので、その間での調整の役割をしているというのが見られます。

 それから、香港のようなタイプBの場合は、その調整の役割は必要ないので、日本企業が何を求めているのかというところが焦点になります。その場合は、日本企業は、香港なら香港におきまして、地場の企業、あるいはアメリカ、イギリスといった多国籍企業との競争、これに勝っていかなくてはいけない。というところで一番重要になってくるのが、まあ情報であろうというふうに思います。そうすると、会議所の役割は、情報を提供するということになると思います。ただしこの情報も、時代が変わりますとまた変化していきますので、その都度その都度その求められる情報を提供していく、あるいは収集していくということになると思います。

 それではまず最初にタイプAのマレーシアの事例をちょっとご紹介したいと思います。マレーシア日本人商工会議所は、通称JACTIMというふうに皆さん言っています。こちらは1983年に、中曽根首相とマハティール首相とのトップ会談で決定したというふうに言われています。が、もちろんこれが実現するためには、現地の日本企業が長い間ですね、商工会議所の設立を待っていたと、願っていたという事情がもちろんあります。それで、マレーシアの場合は商工会議所法ではございません。カンパニーアクトといいまして、会社法で設立がされています。現在の会頭はですね、パナソニックの井水さんが会頭をされています。会員は現在585社でございます。設立された時は121社でしたから、大体、5倍まで行きませんけどそれぐらいに増えているということが言えます。

 会議所活動の基本と成る部会ですけれども、マレーシアには7部会あります。それから、部会を超えて共通の問題を解決する時には委員会というものを作りますけれども、この委員会が8つあります。この部会の内容とか委員会の内容を見ますと、おそらくその国の特徴というのが良く出ているのではないかなというふうに思います。

 それから、JACTIMの特徴はですね、地域にも部会があるということなんです。マラッカとジョホールとペナンとペラに部会がございます。JACTIMのもう一つの特徴としましては、実は第2代鈴木一正会頭は22年間会頭職にありました。この方は時のマハティール首相と個人的に非常に強いつながりがあったと、関係を構築されていたというのが背景にありまして、こういう関係の下にJACTIMは活動をしてきました。

 具体的にですね、次にJACTIMの活動をご紹介したいと思います。マレーシアの場合は、マレーシア政府が政策を変化することによって、日本企業に求める役割は変わってきていると。大きく分けて二つに分けられるというふうに思います。

 マレーシアは、多民族国家というのが非常に大きな影響を与えておりまして、戦前はイギリス資本、それから移民で来た中国人ですね、この方達が資本蓄積をしていたわけですけれども、戦後になると、多民族国家であるというところから、人種暴動が1969年5月に起きます。そうすると、この人種暴動が起こったことによって、マレーシア政府は、この原因は商業的に高い地位にある中国人と農業、漁業にある貧しいマレー人との間の暴動であるというふうに考えまして、マレー人を将校部門に引き上げたいというところで、ブミプトラ政策というものを打ち出してきます。これはマレー人優遇政策というふうに言われていまして、基本的には、資本所有、それから雇用においてマレー人30%、その他のマレーシア人40%、それから外国人40%というふうに数値目標が義務化されます。

 その時にですね、マハティール首相がルックイーストという形で、重工業を推進していくために日本企業を相手に選ぶわけですね。ルックイーストは日本の、その当時大きな発展をしていた日本に学べということですから、日本の経営、技術、それから勤勉な働き方、こういうものを日本に学ぶという形で日本企業にずいぶん大きな期待を寄せますし、政策として出してきたわけですから、これに応えないわけにはいかない。その時に、現地の日本企業はたいへん困るわけですね。というのは、1970年代の初めには大きな反日運動が起こっていまして、この反日運動だけは二度と起こしてはいけないと。しかしルックイーストを実施していく上で、日本企業のプレゼンスが大きくなってくる、あるいはルックイーストへの協力が足りないというふうになってくると、また反日運動が起こってくるのではないか。

 こういう、相手が政府の場合に一企業では対応できない、そのためにはやはり公的な組織が必要だということで、日本人商工会議所を立ち上げていきます。その時に、先ほど言いましたように、中曽根首相、それからマハティール首相の力が大きかったことは言うまでもありません。

 それで、じゃあマレーシアが推進しようとするHICOMを推進していく上でどういうことを実際にしていくかというとですね、一つはマレーシア政府と通産省、あるいは色んな省とのですね、対話を開始していきます。それまでは定期的な対話というのはやっておりませんでした。これを定例化していきます。

 それから、政府に対して直接、政策提言をしていきます。2000年までに6つやっていますけれども、例えば外資政策だとか、それから労働改正法に対する提言だとか、日本企業側にとってこういうふうにしてほしいというような要望、あるいはこういうふうにしたらいいということを提言という形にして、マハティール首相に出しています。この提言は、マハティール首相から要求される場合と、JACTIMの方から提言する場合と、両方のケースが見られます。それで、この時期の提言活動でJACTIMが誇りに思っているのは、100%外資の出資を認めさせたということを非常に強調されています。

 あとは、ベンダー・デベロップメント・プログラムという、中小企業育成政策なんですけれども、これはマレー人の中小企業を育成しようという政策です。これに対して現地の日本企業は、アンカー企業として、現地のマレー人の中小企業を指導して技術を教えていくというようなこともやっています。これが第一段階です。

 2000年以降になりますと、アジア通貨危機でマレーシアも大きな打撃を受けます。それから、グローバル化が進展してきます。そうすると、マレーシアの政策もですね、大きく変わってきています。アジアの中で進展する自由貿易、グローバル化、そういうものに対応するために、産業の高度化というもの、あるいは競争力の強化、そういうものを全面的に打ち出してきます。そうすると、JACTIMの役割というのは、ルックイーストへの協力、政府への協力ということからですね、マレーシアと共に経済発展をして、競争力をもっていこうというふうな役割に変わってきます。

で、その政策変更の下でですね、具体的にJACTIMがやっているのは、マレーシア文化支援、マレーシアの企業としてですね、よき企業市民として存在するんだということで、JACTIMファウンデーションというのを創立20周年につくっております。これは元々経団連がやっていたもので、JACTIMはマレーシアの窓口だったんですけども、20周年を機に独立して、金銭的にも財政的にもJACTIMが持とうということをやっています。これは会員全員加入です。強制的に加入をするということです。

それから2番目に、中小企業支援策。地元の中小企業を育成するということで、中小企業に支援をしています。これは日本の日商あたりからも支援を得て、個別に技術指導をするとか、そういうことをやっています。それから、雇用マッチングということで、日本企業と現地の人との職の橋渡しですね、こういうことも最近はやっています。ですから、JACTIMの役割も2000年代以降ですね、大きく変わってきている。それはやはりマレーシア政府の政策が変わったからだと言うことができます。

 それでは、これとは全く逆にですね、市場経済の下で活動している香港の事例をご紹介したいと思います。香港日本人商工会議所は1969年に設立されました。この母体はですね、日本人クラブの中にあった経済部、こちらから独立をしたものです。だんだん法人会員が増えてくるとですね、日本人会では対応できなくなってきて、商工会議所を作ろうということでできたものです。こちらは法的根拠は商工会議所法という法律の下に設立をされました。現在は住友商事の桜井さんが会頭をされています。

 こちらの会員は、最初、69年は99社だったんですけれども、今は655社に増えています。香港の場合は部会がたいへん多くて13部会ございます。その中には分科会というのも入っています。分科会というのは、部会の中をさらに細分化して業種ごとに集まった分科会という理解です。こちらですと、ライフコミュニケーションだとか、そういうところが少しよそと違うところかなというふうな感じはします。委員会は5つございます。

 香港の場合の、特徴といいますか、大きな影響を与えた出来事というのは、やはり香港の中国返還です。それまでは香港の中のことだけを考えてやっていればよかったのが、今度は中国を視野に入れなくてはいけなくなった。しかも、一つの国の中で二つの制度が採用されているというところで、香港にとっては中国というところが大きな活動範囲として入ってきます。

 その香港の活動の内容についてご紹介したいと思います。香港の場合は、政府が日本企業に何かを特別に求めるということはありませんので、まあ自由に、平等にやってくださいということで。ただし、香港が置かれた政治的、あるいは経済的変化によって、今度は日本企業の方が求める情報が変わってくるという状況が起こってきます。これが大体二つぐらいに分けられまして、50年代から出て行きますけれども、一つは中継貿易から加工貿易へ移っていくと。そうすると、従来ですと、日本の海外進出はまず商社が出て行って、次に金融、運輸が出て行く。次に製造業が出て行く。そしてそれに従って、それを補完するサービス業というのが出て行きますので、香港の場合もやはり商社が最初に出て行っています。それが加工貿易へと変わってくるので、製造業がうんと増えていきます。その中で、基本的には、例えば業界ごとの講演会だとか、あるいは視察旅行だとか、そういうことをやってきました。

一番大きな出来事というのは、1980年代中ごろからですね、香港返還というのが非常に大きな課題となってきます。その香港の返還に関して、香港の商工会議所に特徴的だと思われるのは、中国のある日本商工会議所と交流会を開いているということなんですね。そこにある、北香交流会といいますけども、1990年から2000年まで19回にわたって情報交換会をしています。これは北京の大使館、それから商工会議所、それから香港の領事館、それから香港の商工会議所、この4者がですね、協力をして、開催してきた交流会です。その中で、香港は中国のことを知りたい、中国は香港を通じて中国のことを知ってもらいたいという思惑がありまして、具体的には例えば、中国政府の外資政策だとか、あるいは金利政策だとか、あるいは農業政策だとか、そういうふうな情報交換をしています。

 それで、97年に返還されるわけですけども、香港の日本企業の活動範囲というのは、どんどんどんどん、華南経済から中国本土へと広がっていくわけで、北香交流会の次に、広東省にある日本人商工会議所、11カ所12団体ありますけども、そことの交流会を開いて、広東省の経済の情報を得ようと。それから広東省の方はですね、香港商工会議所を通じて、中国政府の方に何か問題があった時にものを言ってほしいというような思惑がありまして、交流会を始めています。ただし、この交流会はですね、やっぱり広東の方が負担が大きいということで、6回の会合をもって終わっております。

 というふうに、香港の場合は、香港政庁の政策によって日本企業こういうことをしてくださいというのはないので、日本企業が求める情報な何なのかということを中心に活動しています。

 以上、簡単にJACTIMと香港日本人商工会議所をご紹介しましたけども、この二つを比較してみますと違いが大きく見えてくると思います。マレーシアの場合はやはり、まあ香港もそうですけど、歴史というものが非常に大きな役割を果たしている。で、マレーシアは多民族国家であったということ。で、中国資本を中心に使うことができなくなった。その代わりを果たしていくのが日本企業。で、その時に日本企業は政府の政策実行への協力を求められるわけですけれども、問題もたくさん生まれてきます。その問題を解決する方法として、商工会議所が調整の役割を果たしたと。

 ただし、もしかしたらマレーシアの場合は特別かもしれない、というのは、この鈴木会頭とマハティール首相とのたいへん強い個人的な結びつきというのが背景にあるからです。しかし、大なり小なりタイでもこういう傾向が見られますので、タイもマレーシアと同じように、日本企業に対して大きな役割を期待しているということが言えます。もう一つ言えばですね、マハティール首相が返り咲きましたので、で日本にももう2度も来て、またルックイーストということを強調されていますので、またJACTIMの役割は大きくなるかもしれません。

 香港の場合はですね、基本的にはこれはレッセフェール経済ですから、自由に競争してください、そのために必要な情報を自分達で集めるということです。香港の場合はですね、講演会、情報交換会、いろんな形で情報交換・収集を行っています。

 ただし、JACTIMも、それから香港の場合もですね、日本大使館の役割非常に大きいです。それからJETROの支援もたいへん大きいです。ですから、官民、合同といいますか、協力体制でやってきているということが言えます。

 こうやって違いは見られたわけなんですけれども、現在両者ともグローバリゼーションというものにどういうふうに対応していこうかということを今求められています。

 アジアで何が起こっているかというと、通貨危機を契機にですね、グローバリズムに対応するためには地域全体で協力しなくてはいけないということで、地域統合が起こってきています。地域の中で自由貿易を推進していこうと。これも、色んな枠組があってですね、色んな枠組の中でそれぞれに対応していかなければいけない。

それから産業の高度化。例えば宇宙ビジネスだとか、バイオ医療だとか、ICT、こういう産業育成をねらっています。その方法としては、政府はクラスター政策というものを出してきているわけです。その中で、多国籍企業として日本企業はここでもやっぱり大きな役割を果たしていくと。こういう時代になった時に、地域における日本人商工会議所の役割、こういうものがですね、変化してきているのではないかというふうに思います。

 見てきましたように、会議所にはタイプAのもの、政府と日本企業の調整機能を果たす商工会議所、それからタイプB、情報収集・提供サービス型の商工会議所がございます。これはもちろんこのまま残っていくと思います。ただし、活動範囲が一国の中にとどまらなくなってきています。それから、アジア全体が、世界の工場、あるいは世界の市場として大きな役割を果たしてきておりますので、その中で協力と、それから競争が起こる中で、日本企業もいろいろ対応されているわけですけれども、それを代表する商工会議所、どういうことが求められているかというと、一つはですね、アジアの場合は一国ではなくて、在アジア日本人商工会議所全体として協力、連携して問題に対応するということが考えられます。実際に在アセアン日本人商工会議所連合会というのがもうできあがっておりますので、こういうところで情報交換、あるいは協力して、何かお願い事をしていくとかですね、提言をするとか、そういうことをしています。

 それから、日本人だけではなくて、地元の商工会議所、あるいは他の機関、外国の商工会議所、こういうものをITを使ってネットワーク化をして協力体制を作るということもできるのではないかというふうに思います。それで、問題が多様化して、広域化しておりますので、このような方法を使って、これから個々の課題に商工会議所は挑戦をしていくのではないかというふうに、アジアの例ではそういうふうに思っております。

 それから、本商工会議所に関してはですね、これから是非研究をしてみたいというふうに思って、今回来たわけです。タイプAかもしれないし、タイプBかもしれないし、あるいは他のもう一つのタイプCというのがあるのかなというふうに思いながらですね、チャンスがございましたら研究を是非させていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

 

司会

 川辺副学長様、本当にありがとうございました。それでは各部会長からの発表をいただきたいと思います。発表者の皆様におかれましてはですね、時間オーバーされる可能性もあると思いますので、その際は司会の方からですね、合図をさせていただきます。是非タイムキープにご協力いただければと思います。それでは、まずはじめに金融部会の安田部会長より発表をお願いしたいと思います。安田部会長、よろしくお願いいたします。

 

金融部会

           

                               安田篤 部会長

 皆さん、こんにちは。本年度、金融部会長を務めております、損保ジャパン日本興亜の安田でございます。本日は、ブラジルの経済動向、それから銀行業界動向、あとは保険業界動向ということで、3本立てで簡潔にご説明をさせていただきたいと思っております。

まあ大統領選直前ということでですね、先行きなかなか見通しにくい時期ではあるんですけれども、今日の副題であります、「変化の時期への準備と戦略」という切り口に少しでも近づけるようにお話しができればと考えていますので、20分ほどお付き合いください。

じゃあまず最初のスライド。こちらの方にですね、上期のブラジルの経済を振り返った上で下期がどうなっていくのかというところですね。10月に大統領選挙を控えているということで、政治面での不透明感があるものですから、経済面では若干停滞気味の時期になるということを予想しております。

それから、世界経済全体の動きについては、循環的な成長軌道に乗ってはいるんですけども、ブラジル経済自体がいま緩やかな成長性を示している一方でですね、ブラジルの内外のいろんなリスクというものが顕在化しておりまして、目先の経済成長の見通しに若干の下方修正、これを加えざるを得ないというふうに考えています。

 経済成長の見通しを下方修正した主な外的な要因は二つありまして、一つは米国の金利政策ということでですね、これはあらかじめ想定されていたことではあるんですけれども、米国が金融の正常化を目指して政策金利を上げ始めた結果、ブラジルをはじめとした新興国からの資本の流出であるとか、あるいは新興国の通貨の切り下げ、これが発生しております。

ブラジルは潤沢な外貨準備をはじめ、ファンダメンタルの方は比較的しっかりしているということに加えてですね、中央銀行が適切に市場と対話をしているということもあって、いわゆる通貨危機のような状態に陥るには至っておりませんけれども、他の新興国と同様ですね、資本の流出であるとか、あるいはレアル為替の切り下げということもありますので、相応の影響を受けているということでございます。

 それからもう一点、二点目はですね、米国の通商政策ということで、これは米国と中国の貿易摩擦、これが本格化しておりまして、双方で高関税措置を採るということが実際に見られております。こういった動き、世界経済全体の成長を妨げる要因になっておりまして、例えばアメリカだけでもそのGDPの成長率を0.5%ぐらい引き下げているというふうにも言われておりまして、ここにもまあ注意が必要だと考えます。

 あと内部要因、これはブラジルの内部要因ということなんですけれども、大統領選挙を控えてですね、政治的に不透明感が高まっている中、先般のトラック運転手のストライキ等々ですね、経済・社会のゆがみ、これがですね、脆弱性を浮き彫りにしたということで、国民の将来への不安が惹起されたというような現象が起きております。

 それから基礎財政収支。要はお金の方なんですけども、これは引き続き赤字基調が予想されておりまして、特に年金改正をはじめとする諸改革、これに実際に手を付けるということが先決と考えております。実態的には、今年はちょっと難しいので、来年以降、新政権の課題になるというふうに見込んでおります。

 それから失業率の方ですね。これも今12%台のところで高止まりという感じがしておりまして、まあ本格的な消費の回復には現在至っていないということとですね、世界的に新興国のリスクオフの動きがレアル為替の弱含みの要因になっていまして、ブラジルの国内の政策金利、これも6.5%というところで、まあこれ以上下げるのは厳しいかなという状況にまで来ていると。

 こういった状況の中で経済の回復の契機として望まれるシナリオというのはですね、まずは新政権、安定政権が着実に構造改革を進めていくということが第1点。それから外的要因の鍵となるのは、特に貿易、あるいは直接投資におけるブラジルと中国の関係、これの関係次第ということも言えるかと思います。また、今後の経済に変化を与える要因としてですね、実態にそぐわない規制を緩和する、あるいは撤廃する、あるいは新たな技術革新による産業構造の変革、こういったものが求められております。

 全体的な話は今みたいなところなんですけども、次のスライドから少し具体的なケースを追いながらですね、ご説明をさせて頂きたいと思います。

 このスライド、これは2012年以降の主要経済指標の推移と予測についてまとめております。特にですね、約半年前の本年3月1日時点で、このシンポジウムで予想した数字と今の変更点を中心にご説明をさせて頂きたいと思います。

 まずは上のところのGDPの成長率というところですけれども、世界経済の改善、あるいは国内の各種景気刺激策等を背景としましてですね、景気の拡大が加速しておりまして、2018年は2.7%のプラス成長を予測しておったんですけども、先ほどご説明したような、米国の利上げであるとか、あるいは貿易摩擦等々でですね、世界経済の成長が減速しているということと、ブラジルの国内でもスト等の影響がありまして、現時点では2018年のGDP、まあ1.1%ぐらいということで、前年2017年の実質の伸びと同じぐらいの数字にまで下方修正をするに至っております。

 それから、ブラジルの経済の将来に対する不安というのが根強くてですね、内需の低迷を背景にしまして、貿易収支の方は黒字幅が年当初に想定していた金額よりも若干拡大をしておりまして、600億ドル程度を見ております。それから小売の売上動向指数については、年初予想3%と見ていたんですけど、これを少し下回る2%ぐらいになるのではないかと言われています。

 それからレアル安の展開、これがですね、予想よりも強く進んでおりまして、インフレ率の予想率を若干上方修正して4.1%ぐらいのインフレを見ているということであります。

 それからSelic政策金利。これはですね、まあインフレを抑えてきた過程の中でですね、これまで一貫して利下げの局面を現出して参りましたけども、まあここにきてレアル通貨を防衛する必要が出てきたということで、現行の6.5%程度の水準で下げ止まっているということでございます。

 続きまして、各指標の推移、これをちょっと中長期的なスパンで見ていきたいと思っています。まずは次のスライド、GDPの成長率の推移でございます。これはですね、2003年から2010年の、8年間のルーラ政権において、リーマンショックの2009年の例外を除いてはですね、概ね年率で3%から7%の比較的安定した経済成長を遂げてきました。ただ、2015年からのジウマの第二次政権以降ですね、2年連続のマイナス成長に転落しまして、2017年以降は緩やかなプラスということで、新たな方向性を模索していると、こういう状況であります。

 次のスライド、これは経常収支の推移でございます。これは、ルーラ政権の下ですね、まあ積極的な財政、あるいは金融政策の下にですね、内需の拡大を図ってきた結果、特に2007年ルーラ第二次政権以降についてはですね、赤字が拡大致してきて、2014年には1000億ドル、GDPでは4.2%の赤字を計上しています。一方で2015年以降、これはですね、経常収支の赤字幅、着実に減ってきておりまして、以前のような政府主導による投資とか、あるいは景気刺激策、こういったことに大きく依存することなく、足元のGDPというのはほぼほぼ実力通りかなというふうに見ております。

 それでは次のスライドは、プライマリーですね、基礎財政収支、対GDP比ということです。2013年まで黒字を維持しておりましたけども、2014年あたりから景気の伸び悩みということでですね、法人税等々の企業からの税収が減ってしまっているということに加えて、労働者党政権、長く続いておりますので、まあ支出のコントロールができていなかったということで、赤字基調に転じたまま現在に至っているということで、現政権の下で色んな改革の実現を準備してきておりますけれども、中々この結果が出るには至っていないというのが実情です。

 次のスライドは失業率推移ですね。これはですね、ルーラ第一次政権の2003年ごろから失業率、じわじわと低下してきたんですけども、2015年の景気低迷、このあたりから数字が逆行しております。企業側は2017年ぐらいからは雇用の調整局面に入ってきたということで、失業率の方は二桁第、11%から12%台の高いところで推移しています。まあ2017年後半以降ですね、雇用環境改善の兆しはございますけども、現在2018年の見込みについてはやはり12.5%ぐらいを見込んでいるということでございます。

 次のスライドは、消費者の信頼感指数というところですね。この指数は2015年ぐらいに最悪の水準を記録して、その後、少しずつ回復の基調にございます。ただ、今年の5月、6月、色んな、トラックストライキであるとか、社会構造の脆弱性の露呈とか、こういったことがございまして、消費者指数というのはこれに敏感に反応してちょっと悪化しているというのが現状でございます。

 次のスライド。こちらはCDSですね。いわゆるクレジット・デフォルト・スワップ、ブラジルのリスクの増減、これを指標で表したものでございます。これとブラジルのレアルの為替、これを比べ合わせておりますけれども、過去5年間の推移を見ましても、色んな政治経済イベントに左右されているということが分かります。

 2017年につきましては、テメル政権の政策への市場の信任ということでですね、為替は比較的安定的に推移しておりましたけども、この2018年に入って、大統領選挙を控えてですね、政治・経済情勢きわめて不透明ということに加えて、米国の金利の引上げ、貿易摩擦問題といった外的な要因が加わってですね、レアルに下落の圧力がかかっているということです。特にトラック運転手のストライキの時にはですね、一時的に1ドル=4レアルに近い水準に下落しました。

 中央銀行は、市場と対話しながら効果的な市場介入を行って、一応1ドル=3.7~3.9レアルぐらいの、いわゆるボックス圏の中で安定的に推移してきておりましたが、大統領選前後でのイベントの発生であるとか、あるいは外的なレアル下落圧力というのが強まれば、やっぱり1ドル=4レアルの壁を超えてしまうんじゃないか、というような原稿を先週ぐらいにちょっと用意していたんですけど、今週に入りまして、まあ案の定レアルの方は4を超えているというような状況でございます。

 クレジット・デフォルト・スワップの方なんですけども、これは2016年に政治的な混乱が一服したことでですね、それ以降一環して減少の傾向にございましたけれども、2018年、為替とほとんど同じような動きをしておりまして、まあ直近でトルコリラの大幅下落等々もございまして、現在は300bps前後で推移しているという状況でございます。

 次のスライドはBovespa、サンパウロ証券取引所の株価指数移です。こちらはですね、ブラジルに対する外からの投資家のセンチメント、まあこの2、3年できわめて改善はしておりまして、トラックのスト等で一時的に上下はいたしましたけれども、8月の上旬は、いわゆる歴史的な高値と言われる80000ポイント、この大台を越える水準で推移しておりました。ただまあ、直近の内外要因、あるいは新興国リスクの高まりということで、現在では75000から78000ぐらいの水準で推移しております。

 次のスライドはインフレ率の方の動きでございます。棒グラフの方がインフレ率、それから横に入っている点線の方はインフレのターゲット、これを示しております。インフレターゲット、現在は下限が3%、上限は6%ということで、2016年以降インフレはまあ収まってですね、17年にはインフレターゲット下限に近い水準まで来ております。2018年も、国内経済の回復、あるいはレアルの下落等を背景に若干インフレが高まるかなというような見通しをしております。

 次のスライドは、政策金利、Selic金利。こちらの方はですね、2016年以降インフレが沈静化して以来、景気の刺激を目的とした金融緩和というのを進めておりまして、足元は6.5%程度ということですけれども、直近、新興国通貨が狙い撃ちされているということで、例えばお隣のアルゼンチンなどは通貨防衛措置として政策金利を一気に5%上げるというような、極めて荒っぽいやり方をしているということもあって、ここにきてブラジルの方も利下げの局面はそろそろ底かなというふうに見えます。

 次のスライドは外国直接投資の推移ということで、これはブラジルの中銀が発表している外国直投の推移で、これは直近3年間、だいたい700億ドル台の水準をほぼほぼ維持しておりまして、2018年も同様のレベルになるというふうに見ています。

 それから次のスライドですけども、これは金融部会に所属しております各金融機関様の方にご回答頂いて、2018年、2019年の予測数値、予測については最大値と最小値というレンジで表記をしております。ご参考までに、そこにあるFocusというのはですね、これはいわゆる、ブラジル中銀が100以上の金融機関の予測を基にまとめた指標トレンドということで、あわせて横に並べて置いております。

 まずGDP成長率の予想ですけれども、2018年については1.1%~1.5%ぐらいのレンジ、それから2019年については2%~2.5%ぐらいのレンジを見ております。いずれも、中銀のFocus同様ですね、緩やかな成長が継続するだろうというふうに見込んでいる中でですね、前回発表させて頂いた今年の2月時点の予想と比べると、成長のスピードが鈍化しているということが見て取れます。

 それからインフレ率の方ですけれども、こちらの方は2018年が4%~4.1%ぐらい、2019年は4.2%~4.25%ぐらいということで、これは政府が定めているインフレターゲットのレンジとほぼほぼ見合っているということです。

 為替レートにつきましては、2018年が3.6~3.95レアル、それから2019年については3.6~4.0レアルというふうに見ております。これも半年前ぐらいの前回予想と比較しますと、まあ内外の情勢が変わっているということで、レアル安のさらなる進行を今回見込んだという形になっています。

 それから年末時点での政策金利につきましては、今年度2018年度末は6.5~6.75、2019年は若干金融引き締めの方向に転じて、7.25~8.5%ぐらいということで、まあ緩やかな金利引き上げに向かうものというふうに予測しております。

 次のスライド、こちらの方はですね、金融部会の金融機関様の方にですね、今後の見方についてコメントを頂きまして、これをサマリーしたものでございます。

 まず最初の一項目。「大統領選をはじめとする政局展開が不透明である中、本格的なブラジル経済の回復、その契機となるものは何か」という問いに関するご回答です。

 まずはですね、構造改革への継続的な取組みと実行、これが1番ということで、具体的には社会保障制度の改革であるとか、税制改革、財政改革、あるいは政府保有企業の民営化、労働改革、企業コンプライアンスコストの低減、投資促進のための2国間協定等々、こういったものをどこまで具体的に前に進められるかというのが鍵になると思います。

 このような取組みを通じまして内外のマーケットの信認を勝ち得ることによって、レアル為替の切り下げ圧力を落とし、あるいは低インフレ、安定的な低金利環境の構築、本格的な個人消費の回復に繋がるものというふうに考えています。また、貿易、こちらの方は特に中国向けの輸出の伸び、これを本格化すること、これもまあブラジルの成長ドライバーとしては重要なことだというふうに考えております。

 次の項目、これは、今後、ブラジル経済に影響を与える外的な要因があるとすれば何か、またどの様な影響なのか、という問いかけに対する答えです。

 米国金利の引き上げを含みます、グローバルな金融政策の正常化に伴ってですね、世界的な金融引締めの動きというのは実際すでにアルゼンチン、トルコ等々、元々その経済基盤が脆弱な新興国からのキャピタルフライトを招いておりまして、ブラジルでも昨今のレアルの減価が進む中ですね、影響が顕在化しているということでございます。引き続き、世界的な金融緩和の政策が一気に巻き戻しの局面に入ることで、グローバルな資産アロケーション、これを見直しする可能性がある中ですね、各国の動向にはいましばらく注意が必要というふうに考えます。

 また、EUの政治動向であるとか、米国、中国、ロシア、北朝鮮、中東等々のいわゆる地政学リスク、こういったもの、国際社会の不透明な状況である中ですね、これが2018年以降も続くということを想定しておりまして、こういったリスクが顕在化した場合にはやはりブラジルへの影響も避けられないというふうに考えています。

 個別国で申し上げると、やはり中国の動向、これは引き続きよく見ていかなきゃいけないということで、中国からの直接投資に限らずですね、様々な国からの直接投資、これがブラジルに対して出てくれば、これは良い意味でひとつの転換期になるというふうに思っています。

 それから最後、もうひとつの項目。これは、ブラジル経済は今後どの様に変化していくかと、またこういった変化に日本勢としてどのように変化に対する準備、戦略をしていくかという、こういう問いかけでございます。

 一つは、ブラジル自身が各種構造改革を通じてですね、マーケットフレンドリーな環境を整備するということ、これにどれだけ努力を重ねるかという点でございます。労働法の改正を含め、色んな改正に本格的に取り組む、こういった姿勢は見せているので、多くの国民は改革の必要性を強く認識しておりますので、大統領選の結果にかかわらずですね、改革路線、これは大筋では続いていくだろうというふうに考えます。この流れの中でですね、持続的に改革が実現できれば、ブラジルコスト、あるいは実務運営上の障害等々、こういったものが緩和されて、ブラジルのイメージ、これを大きく塗り替えられるチャンスがあるというふうに思います。

 二つ目。これはですね、ビジネスの価値基準というのがですね、モノからサービスに動いていく中でですね、IOTであるとか、AI、ロボティクス等々の新しいテクノロジー、こういったことを駆使することによって、ブラジルの産業構造、これを飛躍的に変えてですね、多くの新しいビジネスモデルの誕生につなげるということがポイントになるかと思っています。

 ブラジルは幸いにして、そういった先進的な発想であるとか技術を前倒しで大胆に取り入れるということにかけては長けておりまして、変革を受け入れる柔軟性もあるので、そういった技術的な革新の環境変化、こういった局面に立ち向かった際には強みが発揮できるのではないかというふうに思います。

 では、こういった変化の時代、どのように備えられるかというところですけれども、通常時にはスリムな社内体制を維持しながらもですね、ここぞという時ですね、いわゆる潮目が変わった時にですね、迅速かつ集中的にヒト・モノ・カネというのを投入できる準備。特に日系企業の場合はですね、常日頃から本社の経営陣に対して、どういったタイミングでブラジルにベットをするのかと、あるいはこういうタイミングだったらしないのかということをですね、あらかじめ十分に打ち合わせしておきながら、いざという時に迅速に動けるような、こういった明確な戦略・戦術を決めておくということが重要かというふうに思っています。

 私ども金融機関といたしましても、こういった変革の時代の中でですね、いかにタイムリーにお客様のお役に立てるかということを常に意識しながら、安定的な資金の供給でありますとか、あるいは適切な金融商品のご提供、サービス等々に努めることを改めて認識しつつ、ブラジル経済動向のご説明を終わらせていただきたいと思います。

 続きまして、銀行業界と保険業界の業界動向について簡略的に説明をします。

 まず銀行業界の方ですね。最初のスライド、これは銀行の貸出残高の推移です。2011年以降、毎年二桁ペースで融資残高というのは増えてきましたけれども、2015年には6.7%と一桁の伸び、2016年以降はマイナスになっております。2017年は、個人向けの貸出は若干増えておりますけれども、昨年に引き続いて景気低迷による企業資金のニーズが落ちているということと、金融機関の保守的な与信運営等々ございまして、法人向けは全セクターにおいて減少。2018年上期はですね、個人、法人共にですね、前年並みの水準で推移しているということで、貸出残高の方はようやく底打ち感が見えたかなという感じでございます。

 次のスライドは、新規与信に対するですね、平均利ざやの推移ということで、これは2017年、政策金利自体が引き下がったということでですね、個人向けを中心にですね、貸出の利ざやは縮小しております。

 次のスライドは不良債権比率ということで、これは2015年以降、景気低迷が続く中ですね、企業の資金繰り悪化等々の影響を受けて、いわゆる延滞債権というのは増加しておりましたけども、2017年6月以降景況感の回復が少し見えてきたということで、個人・法人共に不良債権の比率は改善しております。

 銀行業界については、リーマンショック以降今年ちょうど10年目ということで、節目の年なんですけども、IMFのレポートにおいてですね、世界景気が停滞するリスクが指摘される中ですね、足元の先行きの不透明感は若干強まっているということで、いまのところ、世界経済、あるいはブラジル経済が一気に致命的な危機に陥るという兆しはございませんけれども、引き続き注意、警戒が必要というふうに考えています。

 ブラジルの金融セクターについてはですね、その健全性というのが一つの強みになっておりまして、銀行業界としては、目先の環境変化、これに右往左往することなく、お客様の事業を持続的に支えることのできるように引き続き不断の努力を重ねて参りたいというふうに思っています。

 最後に保険業界の方のご説明をいたします。最初のスライド、これはですね、いわゆる保険料収入の推移ということで、2018年1月-6月累計の保険料の収入の伸びというのは前年同期比で6.3%プラスということで、昨年、同期間比ではプラス2.7%ということで、改善の兆しは見えております。ただ、マーケットの成長の予測と比較すると若干下回っているというのが現状でございます。

 次のスライドは、保険種目別の保険料収入でございます。種目別ではやはり生命保険の分野が10%超の伸びを示しております。まあ雇用が改善してきたということに加えて、企業の新規ベネフィットの導入であるとか、あるいは団体信用保険、こういったものが好調に推移しているということで、あとは、これまでマイナストレンドであった自動車保険、こちらの方もですね、まあインフレ率並みには回復していると、こういう状況でございます。

 次のスライドは、損害率の方ですね。損害率の方はですね、2018年1-6月の累計で43%ということで、昨年比では2.8%ぐらい損害率は改善しているということでございます。

 それから次のスライドに行きまして、ブラジルの保険市場の成長の見通しということですけれども、こちらの方は、2018年の保険市場の成長見通しということで、これは損害保険、生命・傷害保険共にですね、対前年を上回る成長を予測しております。

 2018年以降のブラジル経済の先行き、若干の薄日が灯っているようにも見えておりますけども、政治的な不透明感を中々払拭はできていないということで、失業率は高止まり、個人消費も中々戻ってこないということで、景気回復の兆しが中々見えない中で保険業界もですね、まあ若干厳しい状況が続くのかなというふうには見込んでいます。

 ただし、中長期的に見ますと、社会構造が変わっていく中で、ブラジルというマーケットの中での保険商品のニーズというのは間違いなく高まっていくというふうに見ておりますので、まあこの辺を中長期的に見ながらですね、保険業界としても今から準備を進めていくというふうに考えております。

 以上、私の方からの金融部会からの発表でございます。

 

司会

 ご質問、ご意見等おありになる方、挙手をお願いできますでしょうか。はい、ありがとうございました。このような不透明な時期にですね、マクロ経済の見通しを話すというのは非常に難しい作業だったかなと思いますけども、安田部会長、本当にどうもありがとうございました。

 

安田部会長

 どうもご清聴ありがとうございました。

司会

 それでは続きまして、貿易部会の猪股部会長より発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

貿易部会

           

                            猪股淳 部会長

 貿易部会長を務めております、伊藤忠商事の猪股と申します。早速ではございますが、ブラジルの貿易環境に係ります2018年の上期について振り返りたいと思います。

 こちらに示しておりますグラフは、半期ごとの貿易額の推移でございます。左側の青色が輸出額、右の緑色が輸入額を示しておりまして、折れ線グラフは貿易収支と。またですね、真ん中より下の方に赤い線が引いてありますが、こちらは貿易収支の黒字ラインを示しております。

 17年のブラジルの貿易収支はですね、670億の黒字ということで、2年連続で黒字幅を更新しているという状況でございます。2018年上期につきましては、貿易黒字は、やや縮小してはおりますものの、輸出額、輸入額ともに上昇いたしまして、2016年上期の底からはですね、回復している状況が見て取れるということでございます。

 一方、安田さんのお話しにもございましたけれども、5月の全国のトラックストライキ、あるいは通貨安の影響、それから10月の大統領選等々と、貿易環境も不透明感がただよっているというふうに考えております。為替につきましては、ご説明あった通りですけれども、17年の期中平均が3.18レアルと。これが今年の4月以降どんどんレアル安が進みまして、ついには4を突破してしまったという状況でございます。

 次のスライドで、18年上期の輸出入についてご説明したいと思います。

 輸出動向につきまして、商品別に展開しております。この表ではですね、輸出商品を一次産品、半製品、工業製品の3つに大別しております。それぞれの輸出額の構成比では、一次産品がですね、やはり全体の約半分、48%を占めております。まあブラジルの貿易構造はですね、国際市況に大きな影響を受けがちな構造に何ら変化はないということでございます。18年の輸出総額は、数量ベースでは2.1%となっておりますが、金額ベースでは5.6%のプラスということでございます。

 続きまして、輸出、向け先別の輸出でございます。表の左側がですね、上位10カ国。右が地域別の構成比を表している円グラフになります。日本向けはですね、第9位で5.2%の減少ということでございます。また、右側の円グラフから分かりますことはですね、やはり比率として中国、欧州向けが比率高いんですけれども、全体としてやはり地域に偏りがない、向け先のバランスが取れた輸出体制が構築されているという状況は上期も継続しております。

 続きまして、商品別の輸入動向でございます。輸入総額につきましては、数量は昨年比5%のマイナスではありますが、金額では17.2%のプラスというふうになっております。金額構成で見ますと、やはり工業製品が全体の8割以上を占めておりまして、その中でも特に大きな増加が目立つ品目といたしましては、これは増加率ですけれども、中国からの輸入を中心とする送受信機。これは数量でも34.6%というふうに大きな伸びを示しておりました。今度、燃料油ですね。アメリカからの輸入を中心とする燃料油のディーゼルですけれども、こちらは金額・数量ともにですね、大きく伸びているというのが上期の状況でございます。

 工業製品に続く構成比を占める一次産品の中では、やはり原油、天然ガスがですね、数量・金額ともに増加しているのが見て取れます。半製品系では銅ですね。銅版、アルミニウムがやはり金額・数量ともに増加しているというのが上期の状況でございます。

 輸出と同じく、輸入の主要相手国でございます。左側の表ですが、2017年下期にですね、アメリカを抜き去りまして、中国が輸入相手国のトップになったわけですけれども、18年上期もですね、金額を伸ばして、1位のポジションを維持しているという状況でございます。日本は輸出と同じで、9位というポジションでございます。

 右側の地域別の構成比でございますが、これも輸出と同じでやはり中国、ヨーロッパからの輸入が多い状況ですが、やはりバランスの取れた輸入が図られているということが見て取れるかと思います。

 続きまして、日本にフォーカスいたしまして、対日貿易でございます。左側が輸出でございます。昨年比ですね、伸び率としましてはマイナス5.2%ということでございます。鉄鉱石、それから鶏肉、コーヒー豆、アルミニウムが輸出額を減少させているという一方で、大豆、航空機関係、大豆関連ですが大豆かすの輸出が伸びているという状況でございます。

 一方、右側に目を転じまして、輸入でございます。輸入につきましては、合計で26%の伸び率を示しました。特に伸びが大きかったのは、工作機械ですね。これがですね、700%近い増加ということでございます。その他ですね、自動車、トラクター部品、乗用車というものの輸入の伸び率が目立っているという状況でございます。

 続きまして、直接投資についてでございます。左側のグラフはですね、2011年から直接投資額を半期ごとに表しておりますが、話しはですね、年間と半期とちょっと混ぜながら話したいと思いますが、隔年ベースで見て行きますと、2011年、直接投資は695億ドルというのを記録いたしました。以降ですね、12年、13年と減少したのですが、14年から持ち直しました。ただ、皆さんご記憶に新しいと思いますけども、16年上期にぐんと落ち込みましてですね、それが徐々に持ち直しまして、17年は2012年と同じレベルまで回復してきております。しかしですね、貿易の状況と異なりまして、2018年の上期を見ますとですね、16年の上期と同水準というふうになっております。

 右側が国別の直接投資の内訳ですが、この中で特に下落が目立つのがですね、アメリカ。金額的にもインパクトが大きいですが、アメリカからの投資額減少が顕著に見て取れるというのが2018年上期の直接投資の状況でございます。

 続きまして、業種別に直接投資の内訳を見てまいります。一次産品の伸び率がですね、126%弱ということで、合計では構成比の大きい工業、サービスが減少したため、一次産品が伸びているものの、全体では約29%のマイナスというのが、直接投資の伸び率というか、マイナスですね、下降があったのが2018年上期でございました。

 工業関係では、化学・木材・木材紙パルプ・紙製品が186%の伸び。非鉄金属鉱産物が100.8%の伸びと、投資が大きく伸びておりました。サービス業ではですね、投資は合計で減少しているんですけれども、その中でも伸びた業種が、金融、約320%、倉庫・運送関係が270%強ということで、全体ではサービス業関係は落ち込んでおりますが、業種別で見ると、非常に直接投資が伸びている分野もあるということでございます。

 続きまして、日本からの直接投資の推移でございます。この10年間ではですね、2008年、2011年あたりに投資がどんと大きく伸びておりますが、2014年以降はですね、減少しております。2018年の上期はですね、17年に比べると回復したという状況ではございます。すでに2018年の上期の状態で、2017年の年間の投資額を上回っているという状況ではございますが、金額、棒グラフの大きさをご覧いただくと分かる通り、やはり日本からの直接投資は減少傾向にあると言わざるを得ないというふうに考えております。

 続きましては、2018年のブラジルの貿易環境に関わる下期の展望ということについてでございます。金融部会の安田さんからもご説明がありましたが、やはり不透明感が非常にあるというのは皆さんご承知の通りだと思います。不透明感があることを背景にですね、やはりGDPの成長率は下方修正になっているという状況で、年初ほどの景気の期待感というのは薄れていると言わざるを得ないと思います。為替につきましても、足元のレベルが回復してくるというのは非常に考えにくいと。これはやっぱり、アメリカの金利の上昇含みを残した金利据え置き、トルコの地政学的な問題ですね、それから短期的には、大統領選挙の世論調査でも為替が上下するぐらいなものですから、やはりレアルが高い方向に進むというのは非常に考えにくいので、今、下期、ここ数カ月ですけども、やはり今の4を中心とした、4をちょっと下回るとは思うんですけども、まあ単なる予測ですけども、レベルで推移していくんだろうということが予測できるのではないでしょうか。

 ただ、不透明感はありますけども、経済自体がマイナスに転じるというシナリオはやはり考えにくいということで、2018年の下期の貿易環境はですね、いま足元の状況が継続していくのではなかろうかというふうに考える次第であります。

 まあ、不透明感、不透明感ということで、これも皆さんご承知の通りではあるんですけども、やはりブラジルの大統領選挙、米中の貿易戦争の動向と、あと最近出てきていますトルコの問題等々ですね、やはり不透明感があると。もちろんアルゼンチンの情勢も不透明感に一役を担っているということでございます。 

 ただ、不透明感と言いましても、まあ貿易という観点でみますとですね、例えば米中貿易戦争などは、ブラジルなど南米は農産品の輸出を行っておりますので、米中貿易戦争の、恩恵というわけでもないんですけども、中国向けの輸出増という恩恵が出てきているのも事実であります。なので、不透明感はあるんですが、マイナスばかりとも言えないというのが貿易の環境ではなかろうかというふうに考えております。

 最後ですね、「大統領選挙を直前に控えて~変化の時期への準備と戦略は」ということでございます。こちらにつきましてはですね、今月初めに貿易部会で懇談会を開催いたしましたが、そこで準備と戦略という点に関しましてですね、参加者の皆様からこのような意見が出されました。それを列記しております。皆様のご参考になればと思いまして、1枚スライドにさせていただきました。

 私からは以上でございます。どうもご清聴ありがとうございました。

 

司会

 猪股部会長、どうもありがとうございました。ただいまの発表につきまして、ご質問、ご意見等ございますでしょうか。特にございませんでしょうか。どうもありがとうございました。

 それではですね、引き続き機械金属部会の発表に移らさせていただきたいと思います。植田部会長より発表いただきます。植田部会長、よろしくお願いいたします。

 

機械金属部会

                  

                                                      植田真五 部会長

 皆様こんにちは。ブラジル三菱重工の植田でございます。機械金属部会長を務めさせていただいております。

 当部会は、機械および金属に関連するメーカー、並びに商社の方々を中心としたメンバーになっております。今回のシンポジウムで発表するにあたりまして、事前に各社にレポートをまとめていただき、またですね、部会を開催して情報および意見の交換を行いました。本日はその内容を発表させていただきます。

 構成といたしましては、まず、当部会に関係するマクロ指標を説明させていただきます。続いて、セグメント別に鉄鋼、電力、建設機械、自動車およびその他の産業、オイル&ガス、紙パルプおよび業務用空調、こういったセグメントの状況を説明させていただきます。最後に、副題である「大統領選挙を目前に控えて~変化の時期への準備と戦略は」ということでまとめさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、マクロ指標ということで、最初はブラジル鉱工業生産の状況をグラフにまとめたものです。ブラジル地理統計院の資料です。2013年以降今年の7月までを示していますが、ご覧の通り、2014年、15年はマイナスが続いて、皆様も大変苦労された期間でありました。2017年に入ってプラスに転じ、18年もそれが継続すると期待をしていましたが、7月に大きなマイナスとなっています。これは、5月に発生したトラック運転手のストライキによって国内物流が混乱し、原材料の入荷ができなかったり、製品の出荷が滞ってしまったと、こういったことが大きく影響していると思っています。加えて、本日の副題にもありますように、大統領選という政治・経済的にも大きな影響を与えるイベントがあるだけに、当部会としても気を揉む現下の状況であります。

 次は土木建設指数を示したグラフです。これもブラジル地理統計院の資料です。2012年を100として、その後の推移を折れ線グラフで示しています。それぞれの年ででこぼこはありますけれども、傾向としては、2013年から17年に向けて右肩下がりの状況で、底を打った後、17年の後半からプラスに転じているということなんですけれども、まだ設備投資意欲は低いと言える状況ではないでしょうか。選挙直前は案件が動かない、とよく言われますけれども、選挙後も、新体制が有機的に動き出すには時間がかかり、それまでの期間はですね、不透明な時期が続くのはないかと考えております。

 後で別の資料を用いて説明いたしますが、当部会においては、この指数とビジネスの関係が深い建設機械を扱っておられる各社も、回復傾向は見られるものの、不安は払拭しきれないというような状況というふうに考えております。

 ここから、セグメント別の状況を説明させていただきます。まず、鉄鋼であります。ブラジル鉄鋼協会がまとめている数値を使っています。左上に2013年から17年までの年間の粗鋼生産推移を示しております。その右に、今年の5月までの粗鋼生産を示した表を準備しています。

 上期の回顧としてはですね、左のグラフから、2016年に底を打った後、17年に大きく改善をして、2018年も引き続き対前年比で増加はしているんですけれども、やはり5月のトラック運転手のストの影響、これ今までの2人も述べておられましたけれども、そういったことの影響で減速しているというような状況であります。

 国内販売は、回復をしてきた自動車業界の牽引によって増加傾向にありますが、先ほどのグラフでお示ししたように、建設業界等依然として需要が低迷しているところもあり、盛り上がりに欠けているといったような状況であります。

 輸出については、対前年比で減少傾向。輸入は国内景気の回復を期待して、若干増加傾向にあると見ていますが、世界市場は5億5000万トン分の余剰生産があって、その半分、2億8000万トンは中国と言われております。したがって、今後の為替動向によって大きく変化する可能性もあるとブラジル鉄鋼協会は懸念を示しているという情報もございます。

 下期の展望といたしましては、4つの観点から不透明な状況が続いており、引き続き今後の動向を注視する必要があると思っております。4つと申しますのは、まず、これまでも何回か申し上げたトラック運転手ストの影響に伴う景気の停滞でございます。2つ目はまさに10月の大統領選挙。3つ目は、お隣のアルゼンチンで起きている通貨安に伴う自動車等の輸出販売への悪影響、ということです。最後はですね、4つ目は、アメリカの保護貿易措置が及ぼす世界的な影響と。こういったことでございます。

 続いて電力でございます。これはエネルギー研究公社の資料でございます。左の棒グラフが2013年から昨年までの電力消費の推移、右の棒グラフが2013年、14年、および17年の電力消費量の内訳を示しています。

 今年上期の回顧といたしましては、ブラジルの電力消費は左のグラフが示すように、2017年に前年を上回り、今年の5月までの1年間の消費量で見ましても、特に産業用の増加によって前年同期を上回っているというような状況でございます。5月時点での前年同月比では、トラック運転手ストはあったんですけれども、まだその影響は出ていなかったのか、2.9%の増加を示しています。産業別に見ますと、これカッコの中の数字でございますけれども、自動車がプラス13.4%、化学がプラス5.4%、プラスチックがプラス3.8%、金属がプラス3.4%となっております。

 下期の展望としては、エレトロブラスの民営化が遅れている等ですね、電力設備投資を巡る動向が不透明で、引き続き状況を注視する必要があると思っております。また、当機械金属部会の企業が関連しているバイオマス関係の発電設備はですね、新規の案件の動きはまだまだ低調が続くのではないかというふうに予想されておりまして、アフターサービスに力を入れていく必要があるというふうに見ております。

 次に、建設機械であります。先ほどマクロ指標として土木建設指標をお示しいたしましたが、ここでは建設機械生産実績をグラフで表しています。ブラジル地理統計院が、鉱物採掘および建設機械・装置として分類している数値でございます。

 上期の回顧といたしましては、土木建設指数と同じように、建設機械自体の需要も2017年まで落ち込んでおりましたが、2018年の1~5月の需要は、製品分野によっても異なりはするんですが、対前年比で20~30%、またはそれ以上の増加が見られるといったこともあります。輸出に目を転じますと、米国向けがアルゼンチン向けの減少を補うという、ほぼ同様の傾向も示しております。

 他方、下期を展望いたしますと、これまで官公需が増加して建設機械の需要を下支えしていたものが、選挙直前直後の公共工事ストップによって減少に転じる事や、不透明な政治情勢が経済界の投資心理に微妙な影響を及ぼしていることから、上期の勢いが継続するのかどうか、これも慎重に見極める必要があると思っております。また、輸出につきましては、米国の保護貿易措置や、IMFの支援を受けているアルゼンチン経済、この影響を注視することが肝要というふうに思っております。

 続きまして、自動車その他の産業関連セグメントです。資料といたしましては、左下に自動車生産協会がまとめた自動車生産台数の棒グラフ、その上にブラジル地理統計院が発表したその他産業機械の生産動向。これは2012年を100とした指数でございますが、その資料を準備しております。機械金属部会のメンバーは非常に多岐にわたっておりますので、一口で語るというのは中々難しいところがございます。この2つのグラフを参考にしていただきながら、当部会メンバーの肌感覚といいますか、実際ビジネスを行う際に感じている状況をご紹介させていただきます。

 まず切削工具に関してです。この業界の主力ユーザーは自動車産業でありますが、色々なところで言われております通り、自動車の生産は回復してきております。大いに期待したいところではありますが、先にも申し上げたトラック運転手のストの影響や、大統領選を控えた微妙な時期ということから、先行きの不透明感は払拭しきれないという大きな捉まえ方をしています。その中で、農業機械や金型分野は比較的堅調に推移をしているというふうに見ております。切削工具分野としては、不安はあるものの、需要は今後も上向いて、下期もこの傾向が継続するものと予想をしております。

 次に、各種の回転機械に使用されるベアリングでありますが、これも自動車生産の状況と連動して、需要は横ばい、あるいは回復傾向と予想しています。今後、下期としては、現下のレアル安がどこまで行くのか、大統領選挙の行方がどうなるか等によって、こういった不安要素によってですね、前年と比べて余り大きな伸びは期待できないのではないか、微増というような見通しを立てています。

 金属加工油剤・潤滑油の業界に関しましても、自動車生産に連動して比較的堅調に推移をしていると見ていますが、その伸び率が鈍化傾向を示しているという若干不安要素もございます。課題は、レアル安と原油高に伴う輸入原料価格の急上昇というふうに見ております。

 小型ディーゼルエンジンの市場全体としては、上期・下期とも落ち込み傾向であると分析しておりますが、日本製の多気筒エンジンは堅調な見通しを持っております。トラクター分野は、ブラジル経済の回復とともに2017年に需要が戻りましたが、今年に入って再び落ち込んでいるというふうな状況です。下期に関しても、やはり大統領選挙の結果が、農業省の政策にいかに現れて、その投資心理にどのような影響が与えられるのか、こういった不透明感を感じております。ポンプに関しては、回復傾向にあるものの、全体的には足踏み状態と言ったところでしょうか。

 また、プラント向けの制御機器関連としては、2017年にプラスに転じたGDP成長率、原油高、およびパルプ需要の増加等に伴って、石油とか石油化学、紙パルプ、鉄鋼といった業種で現状設備の更新投資に対する投資意欲の回復傾向が見られるんですが、最終的な投資決定までには時間を要するものと、引き続き市場をよく見る必要性を感じております。

 次にオイル&ガスと紙パルプセグメントの状況です。資料としては、ブラジル地理統計院の石油製品・紙パルプ等の生産実績を2012年を100とした指数で表したものを準備いたしました。石油製品の生産実績は赤色、紙パルプは青の折れ線グラフで示しています。

 市場全体の動きをしては、今年1月にはバレル=60ドルだったものが、7月に70ドル近辺になったように、原油価格がですね、引き続き上昇してくるものというふうに見ています。また、ペトロブラスの投資計画もございまして、オイル&ガス市場はガス生産とかガス処理設備といった上流分野でのプロジェクトが活性化する予想がありますが、まあ大統領選を控えて大型の投資は先送りされる傾向も感じています。一方で、下流である石油・ガス化学は設備を縮小する傾向が見られておりまして、日本からの機器輸入は当分先になるのではないのかなというふうに考えております。

 紙パルプ業界においては、需要は拡大傾向にあるものの、トラック運転手ストの影響もあって、直近の生産は減少傾向にあると言えます。ただ、紙パルプ大手企業が中規模プラントの計画を持っているというような情報もございますので、これに期待をしたいというふうに考えております。

 最後は業務用空調セグメントです。ブラジル冷凍空調協会から入手した業務用空調の需要の推移でございます。これは、冷凍トンというですね、冷凍能力を表す数値を縦軸に取った棒グラフとなっております。

 2017年に若干の回復を見せて、下期から空調機の需要時期である今年の初頭までその傾向は続きましたが、需要期が終わったということと、これまで述べました色々な不安による経済回復の鈍化ということがございまして、上期は前年比103%とわずかな増加にとどまっています。今後は、10月の大統領選挙とか、気候にもよりますが、10月以降の需要期に5%~10%伸びてくれるということを期待をしております。

 以上、当部会を取り巻く環境を2018年上期および下期にわたって見て参りました。最後に、「大統領選を直前に控えて~変化の時期への準備と戦略は」という副題に対する部会メンバーの見方を紹介させていただきます。これは各位からいただいた内容を私部会長としてまとめさせていただいたものです。

 これまでご説明申し上げた通り、各指標では、数年間のトレンドの中では景気回復傾向は確かなようですが、一方で不透明感が拭えないというのが正直なところだというふうに思っております。しかし、ここでブラジルというのをもう一度見直して考えた時に、まあブラジルというのは、為替レートの変動を含めて、政治・経済的には常に変動と先行き不透明はつきものであるということで、何かが変わるたびに一喜一憂して、やり方を変えるというものはいかがなものかと、決して得策ではないというふうに考えております。会員企業が各関係先との長期的・継続的な信頼関係を構築し、維持する事が不可欠であると考えております。さらに、大統領選直前に活発に議論がされるようになった日本・メルコスールEPA締結等の新しい動きを通じて、ブラジルの製造業に貢献するという視点も必要ではないかと思っております。

 ご清聴ありがとうございました。

 

司会

 植田部会長、どうもありがとうございました。ただいまの発表につきまして、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。特にはございませんでしょうか。それでは、植田部会長、どうもありがとうございました。

 それでは続きまして、自動車部会の発表に移りたいと思います。下村部会長より発表いただきます。お願いいたします。

 

自動車部会

                    

                                                     下村セルソ 部会長

 皆様、こんにちは。自動車部会長の下村と申します。これから自動車部会の報告をします。よろしくお願いします。今回は、今年の上期の振り返りと下期の展望について、四輪、二輪の順に説明いたします。

 はじめに、四輪の上期の振り返りです。

 新車市場についてです。12年以降、大きくシュリンクしていますが、16年から回復しました。18年上期は約117万台、前年比114%と大きく伸びました。輸入車の比率は12%と、Inovar Autoの輸入車制限の解除もあり、7年ぶりに前年を上回りました。

 続いて月別の販売台数です。1月~4月は前年比120%と大きく伸びました。5月、6月はトラックドライバーストライキがありましたが、それでも前年を超えました。

 続いて生産、輸出です。上期の生産台数は144万台、前年比114%の好調です。輸出台数については、上期として約38万台と過去の最高でした。

 次に、新車・中古車別の市場です。中古車市場も新車同様に前年を上回りました。中古車、新車トータルで1200~1300万台レベルです。

 続きましては、ブランド別の台数とシェアです。テーブルを見てください。5 年前からトレンドを見ていくと、Fiatなど、これはBig4、欧米メーカーが台数・シェアを落としていましたが、日系メーカーが台数・シェアを伸ばしています。ここはちょっと頑張っております。ただ、今年の日系メーカーは、市場拡大に追いつけずシェアを少し落としています。

 次に下期の展望です。こちらから2018年の予測です。

 国内市場は大統領選挙の不安がありますが、先回の通り250万台程度を見込んでいます。前年比112%で、昨年に引き続き拡大する見込みです。

 生産・輸出台数については、生産は302万台、輸出は77万台と、先回予測から少し減らしています。これはトラックドライバーのストライキの影響でReintegraがリダクションしたことや、アルゼンチンの市場が減るためです。ただ、前年比ではいずれもプラスになると見ています。

続きまして、長期展望についてです。

 まずはRota2030についてです。前回のシンポジウムでは、Inovar Autoに比べて次の点が変更になると話しました。WTOで問題になったIPI罰則の軽減、より長期スパンでプログラム、セーフティ、コネクティビティ、新しい技術分野の強化、などです。2月から3月に発行する見込みたったのですけど、そこから大分遅れまして、7月6日にやっとRota2030のprovisional measureが発表されました。

 内容は先回説明したものから大きく変わっておりません。まず、生産工程の現地化要件がなくなります。そして、すぐれた技術の現地化に向けてR&D、エンジニアリング投資が強化されます。また、燃費改善やセーフティについては新しい技術の導入が促進されます。新たにサプライヤーの育成プログラムのイントロダクションをされます。

 また、Rota2030の発表と一緒にエコカー向けのIPI減税が発行されました。こちらは11月から始めます。今までの排気量から、燃費とCurb Weightの分類に変わりました。問題は、下の通り、今と比べてハイブリッドやPHV、ベネフィットはほとんど受けてないです。11月の施行までまだ時間があるので、さらなる税制優遇を政府にお願いしていく必要があると思っています。

 続きまして、今回のテーマである、変化の時期における日系ブランドの対応について説明します。

 まずはじめに、ここで伝えたいのは、次の政権にかかわらず、自動車政策やフリーポリシーはすごく大事ということです。RotaとIPIは先ほど話しましたので、EPAについて話します。

 メルコスールと日本のEPAについては、昨年からカマラでタスクフォースをつくったり、EPAのアンケートをやったりなど、いろんな活動をしてきました。アンケートの回答率は、自動車部会では100%、全体では70%でした。そのうち、日本とのEPAを必要と言ったのは84%とたいへん高かったです。

 一方で、日本サイドには、アメリカのFTAやRCEPがあります。メルコスール・日本のEPAのプライオリティが下がるのではないかと心配しています。11月にはブエノス・アイレスでG20もありますので、自動車部会としては、ヨーロッパ、 韓国とのEPAに遅れないように日本政府にできるだけ早く交渉を始めてもらいたいと思っています。

 今日お話したことを次のスライドにまとめます。

 今年後半は、Rota、IPI、EPAなど大きな動きがありますが、サプライヤーを含めた自動車業界は、長期的な視点に立って環境変化に負けない事業体質を自分たちでもつくっていく必要があると思っています。

 最後に、今日お話した内容に関連する、これまで行ってきたブラジル政府への提言です。コスト削減、競争力強化につながる抜本的な取り組み。自由貿易の促進。長期的なdirectionを持った自動車政策の発行。業界全体がワンチームとなって、引き続き政府に提言していきますので、どうか皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

次、二輪です。まず、生産・販売についてです。

 二輪業界もようやく市場が回復してきました。1月~6月の販売は45万台、前年比112%と、年の前半としては7年ぶりに前年を超えました。二輪のお客様となる所得層でも、失業率の改善から購入マインドが高まっています。また、輸出も前年比127%となったので、生産台数は49万台、前年比117%となりました。

 こちらは登録ベースの月別販売です。1月~6月は、3月以外はすべての月で前年を上回りました。金利が低くなっているため、クレジット販売が少しずつ回復しています。今年後半は大統領の選挙がありますので、今後の状況をしっかりと見ていく必要があります。

 最後には、支払い形態別のグラフです。緑はローン販売比率です。厳しい状況が続いていますが、少しずつ回復していることがわかるかと思っています。金利の安定や失業率の改善でローン販売が増加し、年後半も市場がさらに回復することを期待しています。

 これで私の発表を終わります。ありがとうございました。

 

司会

 下村部会長、どうもありがとうございました。ただいまの発表につきましてご質問等ございますでしょうか。ぜひとも積極的に議論して参りたいと思いますので、何かございましたらお願いいたします。特にございませんでしょうか。それでは自動車部会の発表は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 そうしましたら、続きまして、前半の部最後になりますが、コンサルタント部会の発表に移りたいと思います。西口部会長よりお願いいたします。

 

コンサルタント部会

                    

                                                        西口阿弥 部会長

 皆さん、こんにちは。コンサルタント部会のEYの西口です。どうぞよろしくお願いします。

 まずは、コンサルティング会社の実績について話したいと思います。大きく二つに分けられまして、ビジネスサービスとコンサルティング会社のサービスに分けました。

 ビジネスサービスについては、法律、会計、ITメンテナンス、セキュリティーシステム、広告、人材派遣、自動車リースのサービスとなります。

 下の表のコンサルティングサービスでは、監査、税務、コーポレートファイナンスなどのサービスとなります。

 ビジネスサービスとコンサルティングサービスは、2014年度をめどに伸びております。ただし、コンサルティングサービスに関しましては、2015年はペトロブラス汚職事件、政治経済不安定による企業のコスト削減により、コンサルティングサービスはマイナスの伸びとなっております。特に、ぜいたくなサービスと言われていたデジタル関連のサービスは先送りされた模様です。監査や税務、それ以外の企業のコスト削減やプロセス改善などのコンサルティングサービスについてもマイナスとなりました。

 コンサルティングサービスの今までの動向とチャレンジについて話したいと思います。2016年から2017年までは一般的にブラジル投資案件は減り、企業戦略に関わる事業のポートフォリオのマネージメントや、事業戦略にかかる業務は減りました。2016年からは汚職防止対策のためのリスク分析や、その防止ポリシーの構築、コンプライアンスなどのサービスは増えておりました。2017年には特に事業のリスク、オペレーションのコスト削減についてのサービスが増えました。

 2017年から2018年前半は、デジタルソリューション業務についてのサービスは金融機関やバックオフィスにも導入が多くされるようになりました。特に、投資した資本に対しての利益分析が必要、コスト削減や販売拡大が課題となっている場合には、データーアナリティクスに関するサービスも増えております。データーアナリティクスに関しては、人事などでもリテンションのための従業員の行動の分析や、社内の労働裁判の提訴傾向を分析するようなデーターアナリティクスのサービスも新しく出てきました。

  ロボティクスについてのサービスは、大企業、あるいは中小企業でもマニュアル業務が多い企業が導入している傾向にあります。AIについてはまだ議論に留まっており、実際サービス提供はほとんどありません。

 コンサルティング会社の課題について話したいと思います。特に監査法人の業界で言いますと、いまトランスフォーメーションの時期と言われています。特に会計、法律、税務に関わる業務で、オートメーション化する範囲は多くあります。その際にどのような業務をオートメーション化するか、それによって減少する伝統的なサービスの代わりにどういった新しいソリューションを出せるかが課題となっております。

 また、政治・経済不安定により、社内での投資も先送りとなり、どこへデジタル関連などの戦略的な投資を行うかも課題となっております。特に税務やコンサルティングサービスのノウハウを生かし、ソフトウェアやテクノロジー会社と一緒に、システムやツールをパートナーシップによって開発をしています。どのようなソリューションをどの会社と一緒に開発していくかというのも大きなチャレンジとなっております。

 サービスの地域でのスタンダード化とは反対に、各国に合ったサービス、カルチャーに合ったサービスを提供することが重視されるようになりました。例えば、ウェブナーを使って、効率的にサービス量の削減のため好む国もありますが、face to faceで話す国ではそういったサービスの提供の仕方も変わってきます。

 経済不況に伴い、競合会社や顧客からのプレッシャー、またはサービスによってはコモディティ化され、どのように差別化をして、サービスに付加価値を与えることができるかというのも課題となっております。

 コンサルタント部会での会合では、大統領選について簡単に説明を行ってはどうかという意見がありましたので、簡単に紹介したいと思います。

 この表は、大統領候補者の政治的立場が分かるものが左にあり、右の表には8月20日現在に行われた支持率調査の結果と、ご参考のため下の段には候補者の簡単な紹介となります。

 こちらの支持率の調査はルーラが出馬しないことを前提に、副大統領候補のフェルナンド・ハダジが候補となった場合の、8月20日現在のIbopeの調査となります。PT党では、獄中にある元大統領ルーラも立候補しております。ルーラが2審でも有罪判決が出ているので、立候補が無効になる判決が出ると思われます。しかし、ルーラが出馬可能となった場合には、8月20日現在、ルーラの支持率は37%、ジャイル・ボルソナロが18.8%、マリーナ・シルバ5.6%、ジェラルド・アルキミン4.9%、シロ・ゴメスは4.1%となっております。10月7日の選挙に備え、ルーラが出馬しない場合、右翼のジャイル・ボルソナロの支持率が1位となっております。

 ブラジルは、第1次選で50%以上の得票がないと2次選がございます。マーケットにはオープンのジェラルド・アルキミン、ブラジルのセントロン、つまり小さな党の集まりがございますが、その支持を得ております。その支持によって、8月後半に始まるTV放送時間でのキャンペーン時間も長く取ることとなっており、メリットがあると言われております。

 右翼のボルソナロは、ブラジルのトランプと言われています。マイノリティのアタック、刑罰に関する姿勢、軍事政権の支持者であることから、支持率もありますが、不支持率も高いと言われております。ソーシャルメディアに力を入れており、フェイスブックでも500万以上のフォロワーがいます。

 シロ・ゴメスは元PT党。マリーナ・シルバも元ルーラ政権の環境相であったため、投資家からの人気はございません。

 一般的には、まだ誰が当選するか分からないと言われております。ハダジ、アルキミン、ボルソナロ、シロ、マリーナ・シルバは2次選に行く可能性がある候補者であると言われております。

 コンサルタント部会での会合では、ブラジルでの成功するためのヒントがあるのではないか、特に上場企業で最近株が値上がりする企業について、ヒントがあるのではないかと話し合いました。

 EYのストラテジストと話した際には、ブラジルではいくつかのヒントがあると言っておりました。

 まずは、デジタルとフィジカルチャンネルの組み合わせです。2017年から2018年7月末までの上場企業の株の上昇を見ても、Magazine Luizaは2位となっております。Magazine Luizaは1975年、小さなプレゼントのお店から始まり、今は全国740店舗、9つのディストリビューション・センターを持っています。今は販売のチャンネルとして、お店、インターネット販売、電話での販売、ソーシャルメディアでも販売をしております。インターネット販売は2017年はグループ全体の26.3%を占めました。

 顧客とつながるサステナビリティでは、会社内のサステナビリティだけではなく、顧客が消費する商品にサステナビリティを体験できる場合のことを指し、環境に関してのサステナビリティはNaturaがその例と言えます。詰め替え用の容器を販売することで、プラスチックも54%の節約、商品にもアマゾンの自然の植物などを利用したり、オーガニックのアルコール使用などが挙げられ、顧客もそれを体験できるようにしています。

  良いサービスを超えるカストマーエクスペリエンスでは、良い商品・サービスだけではなく、競合と差異化を図ることが難しくなっており、スターバックスの例のように、サービスや商品だけではなく、良い体験も大切ではないかと言われています。ブラジルのFleuryの戦略は、カスタマーエクスペリエンスを考え、ブラジル企業ホスピタリティー団体では200企業のうち、6年間連続でホスピタリティーのあるナンバー1の企業に選ばれております。子供の遊び場や、女性用の店舗もございます。

 デジタルによる利便性ですが、おなじみのUberやタクシー利用の99Taxiは皆さんご存知だと思います。Pão de Açúcarでは、去年の中旬から新しいアプリを設け、元々のPão de Açúcarの会員の顧客の消費の習慣を分析し、顧客の購入の多い商品にディスカウントを設けております。インターネット販売も行っております。

 最後に、顧客のライフサイクルに沿って顧客のニーズを予測するアマゾンは、ブラジルでは匹敵する企業はありませんが、何かヒントとなるのではないでしょうか。

 最後に、コンサルタント部会での会合では、日系企業様へ、ポジティブで投資のヒントとなるメッセージを伝えるべきではないかということで、話し合いで出た点をお話しします。

 まず、先ほど申し上げました、ブラジルで成功しているケースを分析。先ほどのスライドで、過去7カ月で株価が値上がりしている上場企業や、成功しているケースを分析すると、会社や事業などに何らかのヒントがあるのではないでしょうか。戦略、商品、サービス、コストダウン、効率向上のヒントが得られるのではないかと考えました。

 日本ブームの活用。ジャパンハウスの無印良品が好評であったことや、すき家、ラーメンなどがブームの中、日本ブームをうまく利用できる手はないでしょうか。ブラジル市場にあった工夫をし、活用できるのではないかと話し合いました。

 Rota2030。こちらについてはもうご説明ありましたが、皆さん分析されておりますが、インセンティブプログラムを最大に活用することが大切だと思います。

 最後に、長期的にはインフラへの投資。大統領選後、政治経済、良い兆しが見えるといいのですが、インフラはまだブラジルでは不備であること、PPPで投資するチャンスがあると言われております。

 コンサルタント部会では以上となります。

 

司会

 西口部会長、どうもありがとうございました。ご質問、ご意見等あれば、積極的にお願いできればと思います。どなたかございますでしょうか。西口部会長どうもありがとうございました。

 これで前半一旦終了ということなんですけれども、ちょっと時間がありますので、私の方から簡単に前半のまとめということでお話しをさせていただきますと、2018年の上期につきましてはですね、5月のトラックドライバーのストライキまでは比較的順調だったけれども、その後、米中の貿易戦争であるとか、トルコを発端としたエマージング売りに巻き込まれて、大統領選の先行きの不安もあいまってですね、不透明感が高まって為替が急落。下期は総じて軟調な展開を予想する方が多かったかと思います。それに対する準備、戦略ということなんですけれども、まあそうした環境下にあってもですね、ブラジルのアップダウンに一喜一憂せず、企業自身の強みを生かすことを考えて、やるべきことを着々と進めるということで、やるべきことというのはですね、例えば本邦企業間の連携であるとか、地域、例えばメルコスール等、地域を面で捉えた戦略の推進、また、Rota2030等ですね、にかかわるブラジル政府向けの政策の提言等、こういったお話だったかと思います。

 大久保さん、何か、もしコメントがおありになれば。

 

大久保敦 企画戦略委員長

 急に振られてしまったんですけれども、あとですね、為替リスクのミニマイズというのが、変化への対策としてよく話が出ていたのと、あとは長期的な信頼関係構築ですとか、やはり一喜一憂しないという話しも出ていたかと思います。あと、自動車部会の方ではですね、日・メルコスール、EU、韓国とのFTAに劣後しない内容を早く、交渉をですね、進めていくというような、色んな要望もたくさん出ておりましたので、そういったことがクローズアップされているのではないかなと思います。あと、日本ブームの活用とかのアイデアも出て、これも面白いなというふうに考えております。以上でございます。

 

司会

 はい、ありがとうございました。後半はですね、先ほど申し上げました通り、大久保さんに司会の方をバトンタッチしたいと思います。拙い司会でしたが、どうもありがとうございました。そうしましたら、後半はコーヒーブレイクをはさみまして、今15時20分でございますので、15時35分から、15分間お休みを入れてですね、再開したいと思います。どうもありがとうございました。

 

コーヒーブレイク

 

後半の司会

                    

                                              大久保敦 企画戦略委員長

 これより2018年下期業種別部会長シンポジウム後半戦ですね、こちらの方に移りたいと思います。よろしいでしょうか。はい、では後半の部を始めたいと思います。よろしくお願いいたします。私、後半の部の司会を担当させていただきます、企画戦略委員長のジェトロの大久保でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。それでは早速、各部会の発表に移りたいと思いますが、タイムキープを含めてですね、皆様のご協力をお願いできればと思います。

 まずは化学品部会から発表をいただきたいと思います。羽田部会長より発表をいただきます。羽田部会長、よろしくお願いいたします。

 

化学品部会

                  

                                                     羽田徹 部会長

 (※冒頭音声なし)。よろしくお願いします。早速始めさせていただきます。化学品部会ですが、自動車などの産業向け素材からですね、食品などの消費者向け製品まで、非常に多岐にわたる市場に関わっております。よってですね、その市場一つ一つ、全部お話しすると、たいへんなことになってしまいますので、かなりまとめる形でお話しさせてもらいます。それと、他の部会さんと重なるところ、むしろ依存するところ、多いということで、マクロ的な業界動向分析というのはここでは割愛させていただきます。

 いつものように、当部会ではですね、アンケート形式をとりまして、メンバー皆さんの業績推移ですね、それと取り組みというのをベースにお話しを進めていきたいと思います。

 今回もアンケートをとっております。20社から44件の回答を得ております。その中から、多い順に上から、今日は3つ、輸送関係、ヘルスケア関係、農業、この3つを話したいと思います。

 まず全体の話になります。参考のために左側に前回のシンポジウムの結果を載せておきました。前回ですね、メンバー皆さんに対して、2018年、皆さんの業績どのように推移すると思いますか、という問いをしております。その結果です。約8割のメンバーがですね、売上・利益ともに増加するであろうというふうに見通しておりました。今回のアンケートの結果が右の2つになります。

 上期、実際にどうでしたか、業績推移は上期どうでしたか、ということ。もう一つ、下期、どのように推移するとお考えですか。そういった問いに対するアンケートの結果です。半期ごとと年間というのを単純比較は難しいんですが、今回の結果、少し気になるところが、不変、減少を見込む割合が少し増えてきてしまっているかなというところだと思います。では具体的に見て行きます。

 まず輸送ですね。自動車関係の部材となります。前回シンポジウムではほとんどの会社さんが増加を見込むという結果でしたが、今回、上期、実際に前回の予想通りとなっております。下期については、減少を見込むところ、1社出てきましたけれども、基本的には当初予想通りかなと。先ほどからもあります、自動車の増産、これに伴う販売増というのが主な増加要因なんですけれども、他に例えば、欧米メーカーへの攻略成功したというような、まあ新規開拓ですね、とか、部品メーカーのニーズに応える形で輸入在庫ビジネスを始めましたと。少しリスクをとる取組みが始まっている、そういう理解をしました。ただ一方で、特に韓国勢ですが、価格競争が深刻化しており、今後の懸念として示されておりました。

 続いてヘルスケア。食品・化粧品・医療品周りの材料となります。2018年見通し、前回シンポジウムですね、この時には全社が増加すると見込んでおりましたが、今回はちょっと違った形で返ってきております。

 この分野、販売時期に季節性があるので、簡単には申し上げられないんですが、ちょっと気になるところをこれで見る限りは、減少してしまった、もしくは見込むというところが出ているところですね。実際には全ての分野で回復傾向にあるとのことです。そのトレンドを逃さないように、販売チームの増員に取り組んでいるところもございました。一方で、価格競争、特に欧米ですね、が激化するというようなことが懸念として挙げられていました。また、一部原料の高騰ということで、利益を圧迫していると、そういった事例がございました。

 続いて農業分野になります。これは農薬でほぼ構成されております。ブラジルの農業、GDPの2割ぐらい占めるわけですが、依然好調です。昨年農業生産が史上最高を記録したわけで、ブラジルGDPのプラスを牽引いたしました。今年、そこまで行かないけれども、史上2番目レベルの農業生産が見込まれております。その部分については非常にポジティブです。

 しかしながら、その農業生産を支える農薬についてはちょっと違った見方をしております。私、農薬業界に身を置いておりますので、少し、ここの部分はですね、良い機会だと思うので、マクロ的なところからお話ししたいと思います。

 まず、これですね。農業に利用可能な水と土地が、どこに、どれだけ豊富にあるのかの世界地図です。水玉が大きければ大きいほど水が豊富にある。赤が濃ければ濃いほど、農業利用できる土地が大きいと、そういうふうにご覧ください。

 水に関してはブラジルが断トツトップです。赤いところ、ロシア、アメリカ、ブラジル、土地が豊富にあるということですが、農業を考える時にもう一つ重要な条件、気候条件ですね。その観点から見ると、ロシア、アメリカというのは非常に厳しい冬があると。一方ブラジルではそういったものがなく、年平均で1.8回作付けができると言われております。それらのことから、ブラジルというのは農業に最も適した国であると言われており、今後の人口増加に伴う食糧増産の需要を支える世界の台所としてブラジルが期待されているわけです。

 そのブラジルの国土になります。8億5100万ヘクタールありますが、この円の左側、約半分がですね、森林、川、浸水地帯となっております。ここはもう手をつけてはいけないエリアになっています。そして時計回りに、市街地、住宅地、工場地帯ですね。そして次に赤いところ、これが農業用地になります。7800万ヘクタール。結構大きなスペースで放牧地があります。そして小さいですが、林業用ということになっておりまして、一番下の空白のパイですね、ここが不毛の地と言われるセラードを中心とした遊休地となっております。

 ブラジル農業、まだまだポテンシャルがあると言われておりますが、その理由です。ちょっとサークルがずれておりますが、まずこの下のパイ、遊休地を農地として有効利用可能だと言われております。もうひとつ、放牧地、これも一部有効利用可能だと言われております。田舎に出張される方、ご存知だと思いますけれども、広大な土地にですね、牛が悠々と放牧されていると。アメリカと比べると、面積あたりの牛の数というのはブラジルは非常に少ない。つまり土地をもうちょっと有効活用できるわけですね。そういったことから、農業転用ができると期待されています。これらもろもろを合計すると、現状の農地を3倍強にできると言われております。

 そういったポテンシャルを背景に、ブラジルの農作物の今後の作付けの見通しがこういうふうに出ております。最も大きな作物、大豆の話をしますが、左上ですね、これまで大体年間平均成長率5%で順調に伸びてきております。これ、イメージでどんなものかというと、日本の全国水稲面積ぐらいのサイズがですね、毎年増えてきているというのが、ブラジルの大豆でございます。で、今後も引き続き安定して伸びていくというふうに見られております。

 この背景には中国需要の高まりがございます。今の米中貿易摩擦をみていると、このスピードというのはもっと早く増えていくのかなというふうにも考えられます。

 このほか、コーン、シュガーケーン、ウィートなども増えていくと見られております。ほかにコットン、コーヒーとございますが、この6作物で、ちなみに、ブラジル農薬商品の約8割カバーしております。

 その農薬です。これ世界市場になりますが、大体年間ですね、500億ドルから600億ドルの間にあります。世界ナンバーワン市場がブラジルとなっております。続いて、アメリカ、中国、日本というふうになっております。そのブラジル農薬市場における農薬メーカーのトップ10ランキングをここに紹介したいと思います。

 今ですね、農薬業界、業界再編が起こっております。これ、我々の農薬ビジネスにもどう影響してくるのかというのは非常に分かりません。そういうこともあってですね、ここは業界再編、グローバルなですが、そういったこともあわせて紹介したいと思いますが、ブラジルナンバーワン、バイエルです。これ、アメリカのモンサントという会社を買収して一気に1位に躍り出ています。買収金額が660億ドル。信じられない金額ですが、1位に出ております。今年の6月、ようやくですね、世界各国の独禁法審査が通って、ようやく一つの会社として稼動を始めたばかりです。

 2位に陥落したのがシンジェンタ。これ元々、ノバルティスとゼネカの合併企業ですが、2年前に中国のケムチャイナがR&Dをベースにした会社がほしいということで、420億ドルで買収しています。

 そして3位にダウ・デュポン。これはお互い生き残りをかけて合併したわけですが、これも6月にですね、無事合併完了ということで、一つの会社としてようやく稼動を始めたところです。そしてBASFなどと続くんですが、7番目にUPL、これインドの会社ですが、この会社、今月の頭にですね、9番目にあるArystaというアメリカの会社を42億ドル、現金で買収するということを発表しました。

 ということで今、農薬業界というのはこういうことが起こっています。

 ちなみにブラジル市場で10位に位置しているのが日系のIHARAという会社です。これは日本の農薬関係会社の共同出資の会社です。ちなみに弊社もその1社になっております。

 ここで2つ申し上げたいんですけれども、まず一つ目、この業界再編。非常に多額を投資して、合従連衡進んでいます。今後ですね、この投資回収のために、非常に積極的な戦略で市場に出てくると思われます。その影響がですね、我々のブラジルビジネスでどういうふうに出てくるのかというのが、分かりません。戦々恐々としているところです。

 もう一つ、ジェネリックの台頭というところです。この表ですね、青枠と黄色枠に分けております。青枠はR&Dをベースにした会社になります。つまり、年間何十億円レベルの研究開発投資をして、新規の農薬を生み出そうと努力している所です。黄色枠、特許切れ化合物、いわゆるジェネリックですね、これをベースとした会社になります。このグラフ、3年の販売推移なんですが、青枠見ていただくと、R&Dの会社、軒並み売上を落としております。一方で黄色枠、ジェネリックをベースとしている会社、これが売上を伸ばしてきているということで、我々日系、R&Dベースですが、非常に大きな課題を突きつけられているのが現在の状況です。

 では、農薬市場の見通しになります。過去3年、少し足踏みしていました。天候不順だとか、病害虫の発生がなかったということで、流通在庫の問題が大きくありました。ここにきて在庫消化が進んだと言われていまして、回復基調に入りました。作付面積の拡大に伴って農薬市場も安定して伸びていくというふうに見ております。

 回顧と展望、農業分野に戻ります。申し上げましたように、農業生産、作付面積、非常にポジティブであります。それに伴う形で農薬市場も安定して伸びていくというふうに見ておりますが、当部会としてはですね、あまり楽観視はできないというような結果になっております。その理由が、ジェネリックの台頭と、大手の合従連衡による影響の不安感というところでございます。

 では全体の総括に参ります。大方の市場で回復基調にあるのは事実です。これまで通りの地道な営業活動、コストダウン、続けつつ、輸入在庫ビジネスの開始とかですね、そういった新規事業の構築、また人員を増強するというような少し前向きな、リスクをとった取組みを始めております。

 一方で、ジェネリックを中心とする中国、そして韓国、欧米との価格競争の激化というのが課題として挙げられておりました。部会懇談会の中でも、まあ何となく、コンサバ感が漂っていたんですが、多分その要因がですね、大統領選挙の後の影響が、まあどうなるのか分からないということで、そういったものが多く横たわっていました。

 それらを総合的にまとめると、この下期というのは、まあ攻める準備はしつつも、少し様子見かなというふうな言葉でまとめることができると思います。

 最後になりますが、変化の時期への準備と戦略はということで、部会メンバーの皆さんから回答をいただいて、それをワードクラウドにかけましたところ、出てきたキーワードがこの上の部分になります。事業、需要、為替、大統領などなどですね。

 メンバー皆さんの取組みというのをですね、これらキーワードを軸に集約してみました。とにもかくにもですね、大統領選、どうなるのか分からないと、その後の影響というのは不透明であるということで、一喜一憂せずにですね、これまでの取組みというのを粛々と続けていくというのが、まず基本中の基本にありました。とはいうものの、市場回復基調にもありますし、大統領選後も、需要、それが本物化するであろうという期待もありますので、需要拡大に期待してですね、在庫の確保に努めるところ、また、工場増産のための投資を検討しようと考えていらっしゃるところ、ございました。また、投資環境の整備が進むと期待してですね、M&Aなどの可能性を探るというような体制をご検討始める会社さんもいらっしゃいました。最後になりますが、まあ為替がどちらに動くか分からないということで、周辺国への輸出の強化に取り組んでいらっしゃるところ、また、原料を国内品に切り替えようと検討されているようなところがございました。

 はい。以上になります。ありがとうございました。

 

司会

 羽田部会長、どうもありがとうございました。ただいまの発表につきまして、ご質問のある方、挙手をお願いできますでしょうか。はい、よろしくお願いいたします。

 

発言

 羽田さん、どうもありがとうございました。三菱商事の松永です。今のご説明でですね、ブラジルは非常に、農薬なんかのポテンシャルが大きいと。その一方で、ジェネリックだとか、大手の合従連衡、なかなか厳しいなということなんですけれども、今のプレゼンにはなかったんですけれども、以前私がちょっと聞いたのはですね、結構ブラジルの場合は、輸入通関じゃなくてですね、不正の密輸ですね、農薬もかなりあるというような話を聴いたことがあるんですね。ただ、今のプレゼンにそこに触れられていないというのはですね、非常にそれ、量としてはnegrigibileなのか、あるいは当局がしっかり取り締まってですね、この辺の密輸が減っているのか、その辺のことをちょっと教えていただければと思います。

 

羽田部会長

 ご質問ありがとうございます。減っておりません。パラグアイあたりから入ってきます。ブラジルの登録制度、非常に厳しいものになっています。登録制度そのものでですね。反面、その周辺国というのはまた違った登録制度がございますので、ブラジルの審査にもかかわらず、周辺国、登録取得できるケースがあります。そういったものが平気で国境を越えて入ってきております。まあ、約1割ぐらいじゃないかと言われています。よろしいでしょうか。

 

司会

 ほかに、はい、お願いします。

 

発言

 島津製作所の的場といいます。ちょっと本題からは外れる、どっちかというと枝葉末節の質問かもしれませんけど、農薬のことを詳しくご説明いただいたので。先週のニュースでちょっと気になるニュースがあったんですけど、除草剤のグリフォサートが使用禁止になるかもしれないという、背景には何かアメリカの損害賠償の問題があるみたいなんですけど、あんなメジャーな除草剤がほんまに使用禁止になると、ブラジルみたいな大規模農業にとっては致命的なんじゃないかとちょっと心配なんですが、ご専門家的にはどんな見方をされているか。

 

羽田部会長

 これを使えないとなると、多分、思ったような収穫できないと思います。ブラジルの農業、大打撃だと思います。これもですね、グリフォサート、再評価にずっとかかっているんですけども、Anvisaがなかなか評価進まなかったという背景があります。で、まあ周辺国の動きもあるんでしょう。そういったことから、連邦裁判所だったと思うんですけども、もういいかげんに評価始めなさいということで、ちょっとドラスティックな命令を出したのかなというふうに受け取っております。ただ、こうするとブラジル農業壊滅しますので、農業省を中心にですね、マッジ大臣自らですね、このオーダーを覆す準備を今しているところだとコメントしたりですね、業界挙げて反論したりしております。これは当然農薬業界だけではなくて、使用する農家さんたちもですね、なくなるとたいへんな事になりますので、そういったことで、ちょっとどうなるか分かりませんけれども、大豆播種というのが9月から始まりますので、それまでに何らかの結論が出てくるのかなというふうには見ております。

 

司会

 はい、ありがとうございました。もう一人。

 

発言

 日本経済新聞の外山と申します。ちょっと1点教えて頂きたいんですけど、為替、足元のレアル安がですね、化学品業界、特に農業界に与えるインパクトというのをですね、ちょっと教えていただきたいんですけれども、結構私取材をしていると、為替安で輸出競争力が増えるみたいな話も聞く一方で、そういう、農薬とか肥料とか、輸入しているものがコスト増になるというあれで、どっちでも良くないよねというような話はよく聞くんですけれども、ここら辺、売っている側の業界からするとどのようなインパクトがあるんでしょうか。

 

羽田部会長

 非常に難しい、複雑な質問なんですが。おっしゃる通り、こちらの、特に大豆農家ですね、大豆を売る時にはドルでやっていますので、レアル安というのは非常にポジティブではあります。けれどもおっしゃる通り、農業資材というのはほぼ輸入ですので、レアル安ということで、コスト高になっているのも事実です。農家の利益率が下がっていると言われています。一つには、レアル安ではあるものの、大豆の価格がですね、昔ほど上がってきていないということがあります。それと、トラックストにあったように、ロジコストが非常に上がっておりますので、そういったことから利益率が下がっているというのは事実です。ただ、今、中国とアメリカの貿易摩擦ありますので、そういったところで、今、大豆がブラジル産注目されていますので、そういったところで、大豆の価格自体が上がれば非常に農家にとってもいい傾向に入ると思います。よろしいでしょうか。

 

司会

 はい、よろしいでしょうか。それでは、羽田部会長どうもありがとうございました。

 引き続きまして、電気電子部会の発表に移りたいと思います。日比部会長より発表をいただきます。日比部会長、よろしくお願いいたします。

 

電気電子部会

                   

                                                       日比賢一郎 部会長

 皆さん、こんにちは。電気電子部会の日比と申します。よろしくお願いします。電子部会はですね、まず民生品、あと産業向けの電気資材を取り扱う企業の皆様、あとは電子部品を取り扱う企業の皆様、あとはソフトウェア、アプリケーション、ソリューションを取り扱う企業の皆様から構成されている部会です。毎年恒例なんですけれども、電気電子部会もですね、アンケート調査と、一度部会を開きまして、今日はそのアンケートの結果と、あとは部会でいただいた色々なコメントを中心に発表させていただきたいと思います。

 まず、今回のテーマである2018年上期回顧と下期展望ですが、始めに前回のシンポジウムの時の電気電子業界の事業環境をおさらいしたいと思います。

 当時は過去数年続いていたブラジルのリセッションから一筋の灯が見え始めた状況だったかと思います。違った表現で言えば、どん底、底打ちといった状況から、回復の兆しが見えてきた時期とも言えるかと思います。ただし、事業領域、商品カテゴリーによって回復のスピードが違っていたのも一つの特徴でした。またマクロ的には、ブラジルの大きな課題でもある財政赤字の問題が大きな懸念点でもありました。

 続きまして、昨今の事業環境でございますが、一時は安定感を見せていたブラジル経済でしたが、グローバル市場では米国の金利政策、米中での貿易戦争。そしてブラジル国内では、皆さんもコメントが多々ありましたが、5月のトラックスト、混迷する大統領選からの政情不安によるブラジル・レアル安、また、低空飛行を続けている国内の景気回復等が、我々の業界成長に影響を与えつつあります。

 こちらのチャートは、我々の業界の液晶テレビと携帯電話の小売販売の推移を示したチャートになります。ご覧いただけますように、液晶テレビに関しましては、昨年の3月以降堅調に需要は回復しております。特に今年の4月以降ですね、皆さんよくご存じのサッカー・ワールドカップがございまして、そこでの特需が大きく業界を伸ばす一つの要因になっております。

 その一方で携帯電話。携帯電話といえば世界的に伸び盛りのカテゴリなんですが、こちらは昨年の2月にプラス成長に転じておりますが、昨今伸びが鈍化傾向にあり、直近では対前年比でほぼ横ばいといった状況が続いております。

 こちらのチャートは、主要家電製品のマナウス経済特区での生産数量の推移になります。左から、液晶テレビ、携帯電話、電子レンジ、エアコン、そしてオーディオとなります。それぞれでこぼこはありますが、経年推移でみますとどのカテゴリも成長基調にあると言えるんですが、その中でも、売上を継続的かつ堅調に伸ばしているカテゴリとしては液晶テレビとエアコンが挙げられるかと思います。特に液晶テレビ、これは弊社でも扱っている商品なんですけれども、特に都市部ですね、都市部では4Kテレビや大型インチの商品。そして地方では中・小型の液晶テレビがよく売れており、ブラジル全土にわたり特徴のある商品構成で需要が増えているのが特徴と言えます。次のページに移らせてもらいます。

 こちらのチャートは2018年2月時点と、今回での、上期の回顧と下期展望のアンケート結果の推移を示したチャートになります。ご覧頂いてお分かりの通りに、2018年2月時点に比べ、今回のアンケート調査では、18年上期回顧に関しては、改善と回答いただいた企業メンバーが2月より大幅に増えているのが特徴ではないかと思います。その一方で18年度下期展望になりますと、改善から維持に回答を変えた企業メンバーが増えており、やはりこの辺りは昨今の政情不安、レアル安といった政治経済環境の変化を敏感に表しているのではないかと思います。

 さらにここをもう少し深堀りしてみますと、18年上期回顧で改善と回答された企業メンバーのコメントをいくつか抜粋しますと、消費の回復、需要の回復、設備投資の回復、自社努力の成果といった、経済の回復を感じ取ることができるコメントが多くあります。

 一方ですね、18年下期展望のところで維持と回答された企業様のコメントを見てみますと、景気回復の当社想定からの遅れ、大統領選による不透明感の増大、それに関連して政府向け需要ですね、政府向け商談の停滞、耐久消費財需要の腰折れ、レアル安による値上げ、といったコメントが出ており、内容が先行きの不透明感、直近経済の閉塞感、停滞感といったトーンに変わっているところが印象的だと思います。

 ここでサマリーなんですけれども、18年上期に関しましては、耐久財・消費市場の回復と自社努力によるプラス成長。特に産業向けビジネスは顧客の需要拡大に伴い堅調に推移、といった攻めの状態でしたが、一方18年下期に関しましては、景気回復の遅れ、レアル安、大統領選の不透明感による投資の抑制あるいは見直し、事業体質のさらなる強化、バランスシートの管理強化といった守りの姿勢に変わってきているかと言えると思います。

 ただし今後に関しましては、景気の穏やかな回復と、市場の将来性への期待をしながら、販売力の強化をしつつ、顧客基盤をしっかりと作り、生産面においても、設備投資、人員の強化は、状況をしっかり見つつもタイムリーに行っていきたいとコメントする企業のメンバーの方々が多く見受けられました。

 次ですね、シンポジウムの副題ですが、「大統領選を直前に控えて~変化の時期への準備と戦略は」というテーマなんですが、当部会でコメントしていただいたものはこちらに書いてあるんですが、昨今大統領選の行方に対する深い不透明感はありますが、それに対応して、レアル安、為替ですね、に対しての対応。あと政府支出の抑制に対する対応。これは具体的には、政府のみではなく、民間からの取り込みも積極的に行っていく。あとは状況の悪化、改善、この両面ですね、を想定した準備を怠らないといったようなコメントをいただいております。

 最後になりますが、当部会から商工会議所、ブラジル政府、日本への要望ということで1枚用意しました。こちらのサマリーですが、政治・経済・為替・治安の健全化・安定化への努力。新規事業や輸出拡大へのインセンティブの積極的・継続的な供与。もろもろの税制面での優遇・改善。ビジネスインフラ・環境の整備。ファイナンス、ファンディング、パートナリングの支援・連携促進。あと、欧州、韓国とメルコスールのEPA締結の動きが出ていますが、これに遅れを取らない日本・メルコスールEPA締結に向けての迅速なアクション。といったようなコメントをいただいております。

 私からは以上になります。ありがとうございました。

 

司会

 日比部会長、どうもありがとうございました。ただ今の発表につきまして、ご質問ある方、挙手をお願いします。よろしいでしょうか。それでは皆様、拍手でもってですね、電気電子部会の発表を終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、食品部会の発表に移りたいと思います。黒崎部会長、発表をお願いいたします。

 

食品部会

                  

                                                    黒崎正吉 部会長

 味の素の黒崎でございます。よろしくお願いいたします。食品部会の方からは、この3つの柱で本日はご報告をさせていただきます。はい、お願いします。

 こちらが食品部会会員企業ということで、44社。色んな業態で構成されておりますので、部会の議論もですね、色んな視点でのポイントが出てきて、非常に勉強になると。ただ、これを一つにまとめるというのは大変難しいという特徴でございます。ただ、議論の後ですね、懇親会に入りますと、saudeの発声とともに一瞬にして一体感が生まれるといった特徴を持つ部会でもございます。それでは早速次のポイントに入って参ります。

 二つ目はこの3点で、市場および会員企業の状況と、あるいは頑張りといったところをご報告させていただきたいというふうに思います。こちらの方がですね、市場全体の状況、我々がとらえております市場全体の状況ですけれども、売上高伸長率については16年度以降ですね、直近に至るまで緩やかな回復基調という状況でございます。特に、これ最近明確に気づいてきたところなんですけども、キャッシュ&キャリー、これAssaiであるとか、Atacadaoといったチェーン店でございますけども、相対的に店頭価格が低い大型の業務用スーパーという位置づけでございますが、業務用だったのが今は一般消費者の方も自由に使える、どんどん一般消費者の方がそっちに流れているという業態、キャッシュ&キャリー、こちらの方が非常に伸びていると。これが全体を、緩やかな成長を押し上げているという状況でございます。

 今まで主力だったスーパー、あるいは大型スーパーの状況はどうかというのがこちらでございます。これはNielsenデータでございますけれども、Nielsenはキャッシュ&キャリーまでフォローできていないんですね。そういう中で、ご覧いただけますように、全体としてはまだマイナス成長です。その中で、飲料、あるいは食品といったものもマイナス成長という状況でございます。この1枚目、2枚目で何が言えるか、これ2つあるというふうに我々考えております。

 市場全体は緩やかな回復を示しておりますけれども、流通の中での力関係といったものがどんどん変わってきていると。そういった意味では、我々各社、販売面、あるいは販売戦略、流通戦略というのはきちんと合わせて行かないと遅れをとるぞ、という点が一つ。また、消費者の起点で見て行きますと、引き続きといいますか、よりですね、消費者の方々の低価格志向というのが強まってきている。これは今後も続くであろうと。さらに、その低価格志向の中でも、品質についてはよりこだわりが消費者の方々強くなってきているという傾向が見て取れるというのが市場の全般的な状況でございます。

 それでは次にですね、会員企業の現状、活動状況、成果といったところですけれども、ここにございますように、やはり食品部会もですね、18年上期、トラックストライキ影響などで景気の不透明感が増している中、会員企業は各々の課題対応と機会を生み出す取組みを継続しておると。全体を通しますとこういうふうに言えるだろうと。

 今回は9例、11社の事例について具体的にポイントで皆様にご報告をしたいというふうに思います。表の左側は18年上期市場動向ということでございます。右側が、会員企業の成果と課題。課題、あるいは挑戦、チャレンジということでご覧ください。

 一つ一つポイントでご説明しますが、調味料につきまして、これ弊社の例でございますけれども、5月のトラックストライキ、大きな打撃を受けましたが、6月、概ね回復ということで、全体では良い状況になってきている。ただし、レアル安、輸入原料のコストアップへの対応、あるいは消費者ニーズに対応した製品開発が必要だというのが課題でございます。輸入原料を使っている各メーカーは共通の課題をこういうふうに持っているということでございます。

 次に、しょうゆ、これキッコーマンさんですけれども、当地での使用形態、味覚、嗜好に合わせて開発した「しょうゆ液体調味料」、これはしょうゆではなくて、しょうゆ液体調味料という製品コンセプトの下、新たなプロダクトポートフォリオの策定をされたと。まあ攻めですね。よって、これからのチャレンジは、日系のみならず、ブラジル人の方々、消費者の方々にブランド認知の拡大をどうしていくかということが大きなチャレンジになっているということでございます。

 酒類。こちらは東麒麟さんの方ですけれども、東麒麟さんの方は販売面、流通面の戦略をさらに強化されて、売上拡大につながっているという成果を出されています。

 コーヒー。こちらは、国内は柔軟な価格対応と付加価値型商品の拡売もあり、好調に推移。輸出品も成約率が向上というふうに報告しておりますが、これは2社ございまして、ブラジル国内市場、付加価値型商品次々に発売されているのが三井アリメントスさんで、売上拡大が続いているという攻め。で、輸出品ですね、これはインスタントコーヒーと生豆でございますが、特に生豆の方で成約率が去年に比べてぐっと上がっているというのがイグアスコーヒーさん。要は、機において敏と申しますか、タイミングですよね、それをがっちりとらえて、アジア勢との戦いがあるわけですけども、そちらに価値を進めているということでございます。ただし、輸出、やっぱりこれトラックストライキの後、他でもございましたけども、輸出向け税還付制度見直しですね、これへの対応が今後の課題になっているといったようなことでございます。

 次にチョコレートですけれども、これはハラルドさんでございます。トラックストライキの影響で売上ちょっと落ちてますけれども、利益面は改善をしているということ。で、今チャレンジをされているのが、やっぱりチョコレートはイースターの時期の卵型のチョコレートは1年の中で相当な量を売っていた、それがちょっと平準化されてきちゃっているわけですね。年間を通していかに売れていく製品を開発していくかというところへのチャレンジが始まっているということでございます。

 即席めん。これは日清さんでございます。これはカップヌードル「シーフード」の上市、これが好調と。これやっぱり、食品はおいしさが一番の基本でございます。そして、ブラジルの消費者の方においしいと思ってもらえる商品を出すことができたということでございます。

 食肉。こちらにつきましては、NHフーズさん、日ハムさんでございますけれども、日本向けの鶏肉は回復傾向。あと、南米諸国向けの肉の増加。国内では食肉原料、例、ラーメン周りの材料で、先ほどコンサルタント部会の方から日本ブームを活用しろという話がございましたが、すでにNHフーズさんはこの取組みに着手ということでございます。

 乳酸菌飲料。こちらの方はヤクルトさんでございますけれども、トラックストライキの影響を最も大きく受けた企業の一つです。やっぱりトラックストライキは、賞味期間が短い商品、例えば野菜とか果物のようにですね、ヤクルトさんも短いわけですね。そこでの打撃というのは、売上面では取り返しできませんけれども、この間にも生産部門での各種コストダウン、利益力の強化ということに取り組まれたということでございます。新たなチャレンジも、ヤクルトさんの中では、宅配ビジネスモデルの革新ということで始まっているということでございます。

 あと、食品添加剤、香料。こちらは高砂さんとナガセさんですが、対前年実績増と。両社とも良い成績で来ているということでございます。現地系顧客や中小規模顧客等へのアプローチ枠を拡大していると。攻めに転じているということでございます。あとは、新たなる製品開発というのが今のチャレンジと。

 今11社をご紹介いたしましたが、非常に厳しい環境の中でもそれぞれですね、こうやって成果を出し、課題を明確にしてやってきているということが言えると思います。

 そういったことを踏まえて、市場の今後のポイントを3点整理しております。

 1点目はどの業種も一緒ですね。不透明感、大統領選を控えた不透明感、これは同じでございます

 2つ目。ライフスタイルの変化に伴い、新たな消費者ニーズが顕在化してきていることに加えて、特に食品・飲料についてですね、先ほど申しましたように低価格志向の強まりが見られる。これは当面継続していくだろうと。低価格志向でしかも質を求めるニーズは高まってきている、あるいは細かくなってきているという状況でございます。

 3点目は、一つはトラックストライキ以降も課題は残っているということ。まあ、再発もあり得るだろうというふうに見ております。あとはやはりレアル安。輸入原料のところですね。これ共通して言えることです。あるいは税制。様々なリスクへの対応がこれからさらに迫られるであろうというふうなポイント。この3点が今後の見方でございます。

 そういった中で、これからのキーワードということで食品部会で選びましたのは、3点。リスクへのしっかりとした備え。ブラジル人消費者の方のニーズへの徹底適合。3つ目が、1、2を踏まえたポジティブなチャレンジをやっていこうということでございます。

 それでは最後の副題。今の3つのキーワードにそってご説明いたします。

 一つ目はリスクへのしっかりとした備えですけれども、まあリスクへの備えの徹底強化ということでございます。非常に具体的な話で申し上げれば、トラックストライキ再発、これに対してどう備えていくか。我々1回学んだわけですので、いかにそれをきちんとより強く準備できるかということでございます。

 二つ目。こういった中でやはり、企業として利益創出力の強化をいかにやっていくか。先ほどのヤクルトさんの、現場の創意工夫による製造コストダウンといったことが典型ですけれども、それを各社やっていくということ。あるいは、為替動向に応じた適切な原料買付けや、現地調達比、他の部会の発表でもありましたけれども、比率のコントロール。あるいは、複数購買を徹底的に進めていくといったことは急務ということでございます。

 3点目。やはり利益だけではなくて、PLだけではなくて資産効率をどう強化していくか。ROAあるいはキャッシュマネージメントをいかに強化していくか、キャッシュをよりどう生み出していくかといったところにも、このリスクが多い中、あるいは変化の中でチャンスが多い中に備える上では必要かなということでございます。

 総じて申し上げれば2つ。一つは徹底的にリスクを洗い出していこうと。それは臆病なほどに洗い出していくと。臆病なほどに洗い出して何も起こらなかったら、ばかじゃないの、じゃなくて、それでよかったんだと思うことだと思っております。

 あと、トラックストライキがございましたように、ピンチをどう力に変えていくかということかと思います。ピンチはいろいろ、またやっぱり想定しても起きると思いますので、それをチャンスに、あるいは力に変えていくぐらいの意志を持っていくことが必要かと思います。

 ブラジル人消費者ニーズへの徹底適合。二つ目でございますが、こちらの徹底適合は大きく二つの視点で整理いたしました。

 一つは、スペシャリティーの追求による競争力強化。ここで申し上げていますスペシャリティーというのは、他社、あるいは競合他社が真似できない、あるいは真似しにくいことをスペシャリティー、つまり別の言い方をすると、それによって付加価値がつく、さらに言えば適正な利益がとれる、なぜならばスペシャリティーによって価格競争に入らなくていいということでございます。スペシャリティーの追求というのが一つの視点でございます。

 例えば、即席めんで先ほど、シーフード、ブラジルの消費者の方に受けていると、日清さんですね、申しましたが、それもスペシャリティー。なかなか真似ができない味。だけど、こちらにありますように、もう一つは、生産R&Dだけではなくて、販売面。要は今まで他のラーメン会社が手をつけていないチャネルへの拡売。これもスペシャリティーなんですね。スペシャリティー×スペシャリティー。これはさらに強くなるスペシャリティーですということでございますので、こういった取組みを日清さんがされているということでございます。

 食肉。NHフーズさん。先ほど申し上げましたようにラーメンもありますけれども、実はブラジルのお肉屋さんに行くとブロックのお肉が多いんですけれども、スライスされたお肉が非常に少ないですよね。そこにやっぱり、利便性といったところに目をつけられたスペシャリティーが展開しているというのがNHフーズさん。

 食品添加剤。これ長瀬さんの例でございますが、トレハロースというスペシャリティー素材をいかにより活用していくかという視点でのチャレンジが始まっています。日本ではお餅や麺に使われる素材でございますが、ブラジルの消費者に合わせていく。ブラジルでスペシャリティーを作るという点では、チョコレートやケーキといったところへ使えないかというチャレンジが今始まっていると。これもスペシャリティーだと思います。

 しょうゆ、キッコーマンさん。先ほど申しました通り、新たなチャレンジが始まっているわけですけれども、これは新たな製品戦略、あるいは製品コンセプトづくり、プロダクトポートフォリオの転換によって、しょうゆ液体調味料でブランド認知を高めていこうということのチャレンジでございます。我々メーカーですので、最終的には究極のスペシャリティーはブランドかというふうに思います。そういったチャレンジが始まっているということでございます。

 ブラジル人消費者ニーズへの徹底適合ということで、二つ目の視点はですね、ブラジル人社会の変化への適切な対応ということでございます。一つ目は健康志向ですね。こちらは減塩、減糖、それ以外にもいろんなチャンスがこれから出てくるということでございます。

 二つ目、消費者行動の変化。先ほどの説明でもご報告しましたが、ハラルドさんの例で、新たな季節性に左右されない商品開発へのチャレンジと。

 三つ目。Facebook、SNSの普及。これに我々は、食品部会、あるいは我々企業がどう応えていくのか。単なるワンウェイコミュニケーションじゃなくて、2ウェイをどう活用していくのか。食品部会、全般的にはデジタル対応は多分遅れていると思いますけれども、デジタルの波はもう受けざるを得ない。何がどう変わるか分からないということは、しっかり備えて、さらに活用していけるようなレベルに我々なっておく必要があるだろうと。SNSの普及がなければ、今回のトラックストライキもあんなに大きなものにならなかったわけですよね。そういったことも踏まえてやっていこうということでございます。

 3点目ですね。リスク、あるいは消費者ニーズの1、2を踏まえた上で、ポジティブなチャレンジを、食品部会としては、それぞれのスタンスでやっていこうということでございます。

 事業環境の変化をチャンスと捉えたチャレンジということでございます。一つは既存ビジネスモデルの見直し。これは例で、先ほどヤクルトさんのですね、受発注、宅配の仕組みを変えていこうと。SNS、スマートフォン、インターネットを活用してですね、この伝統的で強かったやり方を変えていこうと。したがって、ヤクルトレディの動きも変革していこうという取組みにチャレンジされています。これも非常にポジティブなチャレンジということかと思います。

 あるいは、エリアの視点で言うと、ラテンアメリカにもっと出て行こうと。こちらの方は、長瀬さんやNHフーズさんが既に開始されています。他の企業も追っていきたいというところでございます。

 三つ目ですけれども、プロダクトポートフォリオ、さらには事業ポートフォリオの進化と革新ということでございます。従来の事業ポートフォリオに捉われない新たなビジネスへの挑戦ということ。まあビジネスモデルを作っていくというぐらいの志を持って、東京本社に輸出していくぐらいのですね、そういうモデルでチャレンジしていければというふうに思います。

 ポジティブなチャレンジということでございますが、まあチャレンジにつきものなのは何かというと、失敗でございます。私もたまに、部下に、チャレンジする、なんて言って、しますと言うわけですね。お前、でも失敗するかもしれないよ、どうするのと、すると、覚悟を決めていますと言うんですね。まあそれはいいからと、確かに必要条件かもしれないがと、毎回覚悟を決めて毎回失敗していたんじゃ、これは何にもならんと。ということで言うと、やっぱりポジティブなチャレンジをする上で、失敗した時にその失敗を失敗で終わらせないといいますか、失敗してそこから機会を作る、あるいはそれをどうつなげていくといった、シンプルな方法論を各社持って戦っていくべきだろうというふうに我々考えているということでございます。

 それでは最後でございますけれども、食品部会、Team Japanとしてがんばっていきたいということでございます。互いの強みを生かした協業や、連携の可能性を模索、これからしていきたいなというのが、食品部会の議論のひとつの結論でございました。例えば、長瀬さんがお持ちのスペシャリティー素材、トレハロースを、我々ブラジルのチームの中で、他のところでも使えないか、それで一緒に協業できないかといったようなこと。あるいは、この表にございますように、食品部会だけではなくて、他業種部会との可能性はないだろうかといったようなことも、これから模索していければというふうに思います。そして、事業だけではなくて、コーポレート部門、あるいは人事部門、労働関係の部門。カマラさんで労働部会がすごくよく頑張っていただいていると。それをいかに我々活用できるのかなといったような視点も含めた連携の模索をこれから是非やっていきたいと。そしてそれは、結果として(2)にございますように、事業を通じてブラジル社会、消費者への貢献をしていこうじゃないかという志を持っていきたいと。もちろん事業から出てきた利益の一部をCSRで活用していくということは継続でしょうけれども、ここのポイントは、事業を通じて、メーカーなので、商品なのか、サービスなのか、あるいはプラスアルファ、何かできるのか、ブラジルの社会・消費者に貢献していくということをベースに頑張っていきたいと。それが成長のサステイナビリティを支えるものになるだろうというのが食品部会の考え方でございます。

 最後に、食品部会としては、Team Japanとしてそういったベースを持ちながら、3つの戦いをやっていこうじゃないかということでございます。一つは、競合との戦い。徹底的に勝ち抜くこと。そこにはやっぱりスペシャリティーが必要であろうと。で、スペシャリティーは一つだけではなくて、掛け合わせるスペシャリティーができれば最高だろうと。そしてブランド価値を高めていくということ。

 二つ目は、時間との戦い。時間との戦いの一つはですね、やっぱりスピードですよね。今まで2年かかっていたもの、これをいかに1年でできるか、1年かかっていたものをいかに半年でできるか。いろんなリスクがある、そして環境変化は非常に激しい、あるいは速度を増している、その中でいかに我々はスピードアップできるのか。これが一つの勝負だし、もう一つの時間との戦いの視点では、タイミングですね。いくつかの食品部会の企業でタイミングをバシっと捉えて良い業績に結び付けている事例がすでに出てきておりますけれども、タイミングを逃さない。よく、チャンスの女神は前髪しかないと申しますけれども、通り過ぎたらもうつかめない、チャンスが来た時にがばっとつかまえるということをやっぱり意識して、やっていくということかと思います。

 最後3点目、3つの戦い、固定概念、既成概念との戦い。我々、個としても、組織としても、成功体験、失敗体験に基づいて、知らないうちに固定概念、既成概念ができているというのが現状だと思います。特にやっかいなのは成功体験ですよね。それをいかに破っていくかということが大切な戦い。なぜならば、固定概念、既成概念が我々のチャレンジをさせない一番の原因になるのではないかなというふうに思っています。

 こういったことで、Team Japanとして食品部会、明るくですね、がんばっていくという所存でございます。ご清聴ありがとうございました。以上です。

 

司会

 黒崎部会長、どうもありがとうございました。ただいまの発表につきまして質問のある方、ぜひ挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。はい、では松永会頭よろしくお願いします。

 

質問

 三菱商事の松永です。黒崎社長、どうもありがとうございました。日系の食品業界の方がですね、非常に努力をされているというのが良く分かりました。また、食品に限らずですね、色々示唆に富んだアドバイス、最後の部分など非常に参考になるかと思いました。ありがとうございます。今のプレゼンに、直接関係ないかもしれませんけれども、先週、今週とですね、日本の国会議員の先生がこちらに結構いらっしゃってまして、いくつか質問を受けて私自身回答ができなかったんですけど、まず一つは先週、宮腰総理大臣補佐官がいらっしゃって、泡盛をぜひ輸入したいということとですね、やっぱり芋焼酎、なんで輸入できないんだ、みたいな話があったんですね。私も黒崎さんと同じでウィスキー派なので、あまり芋焼酎とか関心は高くないんですけど、あれは若干、何かの成分が高すぎる、だから入れないというんですけど、そんなに健康にですね、本当に被害があるのかどうか、良く分からないし、本当のところはですね、ああいうところはやはりカシャッサなんかを守ろうとしているのか、その辺の、どうしてあんなにあそこだけ厳しいんですかと、いつ輸入再開できるんですかというのが一つ。もう一つがですね、まさに昨日なんですけども、平木経産省政務官がいらっしゃって、平木政務官から受けたご質問はですね、ここのブラジルのスーパー、商品棚を見てもですね、例えばアメリカだとかヨーロッパのメーカーさんのお菓子や食べ物はたくさんあるんだけど、日本のが少ないですよねと。あれはどうしてですかと、こういうご質問を受けたので、もしお分かりになればちょっとその辺をお話しいただければと思います。

 

黒崎部会長

 はい。まず芋焼酎、非常に大切な質問だなと、個人的にも。正直言って、よく知りません。昔は大丈夫だったんですよね、海童とか。

 

発言

 一定の基準が決められていて、他の焼酎は大丈夫なんですけど、芋焼酎はなんか引っかかってしまうということで、そもそもその基準が何の根拠があってできたかというのは次の宿題にしてください。

 

黒崎部会長

 二つ目の、日本のお菓子ですね。少ないですよねということですけれども、これもちょっと、本当は正直言って良く分からないんですけれども、ただ、例えば日本のチョコレートですね、私いつもスーツケースいっぱいお土産で持って帰って部下たちにあげるんですけど、ものすごくやっぱりおいしいと言うんですよね。本当はチャンスあると思うんですけれども、日本のメーカーさんの意欲の問題なのか、あるいは税制上どうなのかというのは、ちょっと確認してみないと分からないと思います。ちょっと残念ですよね。

 

司会

 他に質問ございますでしょうか。はい、よろしいでしょうか。ちょっと、日本食材が並んでいないというのは、私どもの努力不足というのもあるかもしれないので、頑張っていきたいと思います。それでは、食品部会の発表は以上とさせていただきます。黒崎部会長、どうもありがとうございました。

 引き続きまして、運輸サービス部会の発表に移りたいと思います。矢澤部会長より発表いただきます。よろしくお願いいたします。

 

運輸サービス部会

                   

                                                        矢澤吉史 部会長

 運輸サービス部会、NTTブラジル、ウィスキー派の矢澤でございます。よろしくお願いします。前回ですね、時間制限オーバーでたいへんご迷惑をおかけしましたので、なるべくスライドを減らしまして、時間制限内に収まるように進めたいと思います。よろしくお願いいたします。

 運輸サービス部会は6つの業界の集合体でございます。物流、航空貨物、海運、航空旅客、ホテル・旅行、で我々IT・通信という、実にall inclusiveな業界になっています。今回の発表資料も6つの各業界チームの方にですね、作って頂きまして、発表になります。よろしくお願いいたします。

 まずですね、物流でござ