今年第1四半期の航空機メーカーエンブラエル社は15機のジェット機納入(2023年4月26日付けヴァロール紙)

2023年第1四半期のブラジルの航空機メーカーのエンブラエル社は、前年同期比7.14%に相当する15機のジェット機を納入している。

今年第
1四半期のエンブラエル社は商業用ジェット機7機を納入、そのうち5機は E195-E2モデル、2機は E175モデルとなっている。

また今年第1四半期のエンブラエル社はエグゼクチブジェット機を8機納入、そのうち4機は Phenom 300モデル、2機は Phenom 100モデル、残り2機は Praetor 600モデルであった。

エンブラエル社の今年3月末の商用ジェット機及びエグゼクチブジェット機などのバックログ金額は、前年同期比並みの174億ドルを記録している。

エンブラエル社の今年3月末の受注残は281機、そのうち189機は E195-E2モデル、85機の E175モデル、7機は E190-E2モデルとなっている。

昨年のブラジルの粗鋼消費はトップ10から圏外へ(2023年4月24日付けヴァロール紙)

世界鉄鋼協会(WSA)の発表によると、2022年のブラジルの粗鋼消費は、2,480万トンを記録したメキシコに追い抜かれて、世界トップ10から圏外に落込んでいる。

ブラジル国内の鉄鋼製品消費は10年以上低迷しており、2013年の鉄鋼消費は2,800万トンを記録したが、2015年から2018年の経済危機時には1,800万トンまで落ち込んでいた経緯があった。

高止まりしているインフレ指数や金利、クレジット部門の縮小、低迷している消費など経済危機の影響で、ブラジル国内の鉄鋼製品の消費が低迷している。

2022年の世界の鉄鋼製品消費ランクでは中国が9億2,100万トンで断トツ、インド、米国、日本、韓国、ロシア、トルコ、ドイツ、イタリアが続いている。

ブラジル鉄鋼協会では、今年のブラジル国内の鉄鋼消費を前年比マイナス1.0%の2320万トンと予想している。

過去10年間のブラジル人の一人当たりの年間の鉄鋼製品消費は、100キログラムから125キログラムの範囲で推移している一方で、中国の鉄鋼製品消費は500キログラムを突破、韓国は1トンを上回っている。

2023年の世界の鉄鋼生産は、前年比2.3%増加の18億2,000万トンが見込まれているが、2022年はロシアによるウクライナ侵攻、世界的なインフレ高、中国政府によるCovid-19パンデミックゼロ政策の悪影響を受けていた。

世界鉄鋼協会(WSA)は世界的なインフレは、鉄鋼製品需要を抑制するが、2024年は大半の地域での鉄鋼需要の増加を見込んでいる一方で、中国の鉄鋼需要は低迷すると予想している。

鉄鋼メーカー団体は2023年の粗鋼生産を下方修正(2023年4月17日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼協会は、今年第1四半期の鉄鋼製品の需要低迷しており、2023年のブラジル国内の粗鋼生産、鉄鋼製品の輸出及び輸入ともに見直しを余儀なくされている。

昨年11月の今年の粗鋼生産は前年比1.5%増加が見込まれていたが、13.75%の高止まりの政策誘導金利Selicやインフレでブラジルの国内経済の低迷、不透明な海外の金融市場などの影響で、今年の粗鋼生産は前年比マイナス1.0%の2,320万トンに下方修正している。

今年3月の鉄鋼製品需要は僅かに回復したにも拘らず、今年第1四半期のブラジル国内の粗鋼販売は前年同期比2.0%増加、粗鋼消費は3.4%増加している。

今年3月の鉄鋼製品輸出は前年同月比マイナス6.1%、粗鋼生産はマイナス6.8%を記録した一方で、鉄鋼製品輸入は、22.2%の二桁台の増加を記録している。

今年のブラジル国内の鉄鋼製品販売はマイナス0.7%の2,010万トン、粗鋼生産は2.0%増加の3,465万トン、輸出は7.6%増加、輸入は2.5%増加が見込まれている。

2026年までの鉄鋼業界の投資総額は、新規プロジェクト、近代化や拡張工事など406億レアルに達すると予想されている。

ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権時の2009年の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムは、2019年~2022年のジャイール・ボルソナロ政権時に“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムに改名して大衆住宅建設を行っていた経緯があった。

ルーラ大統領は更新した大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムの暫定令MP発令で、政権終了する2026年迄の4年間に200万軒の大衆住宅建設及び100万人の新規雇用創出を謳っている。

今年初め2か月間の機械・装置販売は減少(2023年3月27日付けヴァロール紙)

ブラジル機械装置工業会(Abimaq)の発表によると、2023年初め2か月間の機械・装置部門の純売上は、前年同期比7.1%減少の421億レアルに留まっている。

今年初め2か月間の機械・装置部門の内部純売上は、前年同期比13.2%減少の312億レアル、2月の機械・装置部門の内部純売上は、前年同月比13.5%減少の161億レアルであったが、前月比では7.1%増加を記録している。

今年初め2か月間のブラジル国内での機械・装置生産及び輸入機械・装置の消費は、前年同期比12.7%減少の527億レアル、2月の消費は11.6%減少の271億レアル、前月比では5.9%増加している。

今年初め2か月間の機械・装置輸出は32%増加の21億ドル、2月の輸出は24.5%増加の11億ドル、前月比では7.6%増加している。

一方今年初め2か月間の機械・装置輸入は5.3%増加の40億ドル、2月の機械・装置輸入は4.2%減少の18億ドル、前月比では11.9%増加している。

今年初め2か月間の機械・装置の貿易収支は、前年同期比13.9%減少の19億ドルの赤字を計上、2月の貿易収支は7億8,776万ドルの赤字を計上している。

今年2月のブラジルの粗鋼生産は前月比9.1%減少(2023年3月16日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼協会(IABr)の発表によると、2023年2月のブラジル国内の平板鋼、棒鋼、特殊鋼などを含めた鉄鋼製品生産は前月比9.1%減少の250万トンに留まっている。

今年2月のブラジル国内の鉄鋼製品販売は 7.2%減少の150 万トンに留まった。 輸出は10%増加の110万トン。 鉄鋼製品の国内販売と輸入を合わせた見かけの消費量は、9.9%減の180万トンに達した。 鉄鋼製品輸入は 13.8% 減少の32万5,000トンに留まっている。

今年初め2か月間の累積鉄鋼製品生産は前年同期比5.8%減少の530万トン、前記同様鉄鋼製品の国内販売は2.6%増加の310万トン、また鉄鋼製品輸出は4.9%減少の200万トン、鉄鋼製品輸入は16.5%増加の70万2,000トン、鉄鋼製品消費は2.4%増加の370万トンを記録している。

ブラジル鉄鋼協会(IABr)発表の鉄鋼業界の信頼指数は、インフレや金利で先行き不透明感が強い一方で、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”の新規プログラムが依然として不透明となっているために、僅か32.7ポイントに留まっている。

2022年のブラジル国内のアルミ消費は前年比0.7%減少の157万トン(2023年3月6日付けヴァロール紙)

ヴォトランチン金属グループ傘下のブラジルアルミ会社(CBA)は、2022 年はアルミニウム消費の冷え込みが特徴的であったが、アルミの需要は引き続き健全なレベルにあると説明している。

ブラジルアルミ生産協会(Abal)の発表によると、2022年のブラジル国内のアルミ派生品消費は前年比0.7%減少の157万トンを記録したが、2023年のアルミ消費は前年比3.5%増加を予想している。

2022年第 4 四半期に消費財セクターは前四半期比増加したが、建設業界は高止まりしているインフレ指数及び給付金支給減少で先行き不透明である一方で、包装関連向け消費は堅調に推移している。

昨年第4四半期のアルミ輸入は前四半期比で増加、中国のアルミ需要拡大でアルミ製品の原料コストが上昇した一方で、メーカーの収益は圧迫されている。

今年1月の世界の粗鋼生産は前年同月比マイナス3.3%(2023年2月22日付けヴァロール紙)

63カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟しているベルギーのブリュッセルに本部のある世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2023年1月の世界の粗鋼生産量は、中国の粗鋼生産が回復しているにも関わらず、前年同月比マイナス3.3%の1億4,530万トンに留まっている。

今年1月の中国の粗鋼生産量は前年同月比2.3%増加の7,950万トンと世界の粗鋼生産の約55.0%を占めている。

2022年の中国の粗鋼生産は、COVID-19パンデミックゼロ政策の導入による主要都市のロックダウンや不動産業界の問題発覚による粗鋼需要の収縮で前年比マイナス2.2%を記録していた。

今年1月の世界の粗鋼生産トップ10のうち8か国で前年同月比マイナスを記録、ドイツはマイナス10.2%と二桁台のマイナスを記録、韓国マイナス9.8%、ロシアはマイナス8.9%を記録している。

またインド、日本、米国、ブラジルもそれぞれマイナスを記録したが、世界8位の粗鋼生産を誇るトルコはマイナス17.6%、2月初めに大震災に見舞われた影響で、道路、鉄道や港湾などのインフラ設備が壊滅的なな影響を受けているために、2月の粗鋼生産は大幅な減産が見込まれている。

今年1月のブラジルの粗鋼生産は、前年同月比マイナス4.9%の280万トンと世界鉄鋼協会(Worldsteel)は発表している。一方今年1月のイランの粗鋼生産は、前年同月比27.7%と大幅増加の270万トンを記録して、トルコを抜いて9位に上昇している。

昨年のブラジル国内の平板鋼販売は前年比3.9%増加と若干予想を下回った(2023年1月24日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)の発表によると、2022年のブラジル国内の鉄鋼卸売業者による厚板、冷間、熱間圧延や亜鉛メッキ材などの鋼板販売は、前年比3.9%増加に留まって、ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)予想の前年比4.0%~4.5%増加を若干下回った。

昨年1年間の鉄鋼卸売業者による厚板、冷間、熱間圧延や亜鉛メッキ材などの鋼板販売は予想を下回ったが、圧延鋼販売は前年比10%増加、亜鉛メッキ鋼板は10.3%増加を記録している。

昨年12月の鉄鋼卸売業者の鋼板販売は前年同月比マイナス1.7%増加の25万7,000トン、前月比ではマイナス11.6%と二桁台の減少を記録している。

昨年のブラジル国内の建設業界、黄色物向け機械・装置業界、農業機械やトラック部門は平板鋼の需要を支えたが、自動車業界向け鋼板販売は半導体不足や電子部品不足で需要が低迷していた。

昨年12月の鉄鋼卸売業者はブラジル国内の市況低迷で前月比マイナス14.5%に相当する24万2,800トンの鋼板購入に留め、また前年同月比でもマイナス2.3%に留まっていた。

鉄鋼卸売業者の昨年1年間の鋼板類購入は373万トンに留まったが、亜鉛メッキ材は13.1%と二桁増加、厚板鋼板は6.9%増加を記録していた。

昨年12月の鉄鋼卸売業者の鋼板類の在庫は81万7,000トンと3.2ヶ月の在庫に相当しており、正常在庫を僅かに上回るレベルに留まっている。

ナショナル製鉄所に追従してコンペチターは今年初めに10%前後の値上げを敢行(2023年1月5日付けヴァロール紙)

ナショナル製鉄所(CSN) は2023年年頭に自社の鉄鋼製品の値上げを発表したが、コンペチターのアルセロールミッタル・ツバロン製鉄、ウジミナス製鉄所は追従する形で自社の鉄鋼製品の値上げを決定している。

ナショナル製鉄所(CSN)では自社鉄鋼品の価格を平均10%前後の値上げを行うが、熱間圧延鋼、冷間圧延鋼、コイル、パッケージング用錫メッキ材料、亜鉛メッキおよび塗装済み材料などの製品ラインに適用される。

鉄鋼業界関係筋によると、ArcelorMittal Tubarão は、エスピリット・サント州のセーラ製鉄所及びサンタ・カタリーナ州のサン・フランシスコ・ド・スル製鉄所で製造する熱間圧延、冷間圧延、およびコーティングされたコイル製品を今月4日から約10%の値上げを実施している。

またブラジル国内の自動車メーカー用の平板供給の主なサプライヤーのウジミナス製鉄所は、今月16日から鉄鋼製品の種類によるが、9.0%~12.0%の値上げを実施すると供給先の顧客に通達している。

ミナス州内の鉄鋼メーカーは、今年1月初めから自動車メーカー向けの鉄鋼製品の値上げを発表しているが、その他の産業界向けの鉄鋼製品値上げは4月に予定されている。

鉄鋼メーカーと自動車メーカーとの値上げ交渉は昨年までは年1回であったが、鉄鋼製品生産向け原料である鉄鉱石や石炭の国際コモディティ価格変動や国際市場の価格変動により、今後は半年に1回の交渉に変更されている。

この年2回の値上げ交渉の説明には、世界的なシナリオの不安定性や、ドル為替に対するレアルの変動も含まれるが、主に中国からの輸入品と比較して国産品のプレミアムに影響を与える。

CSN は来年初めから鉄鋼製品販売価格を10%値上げ(2022年12月15日付けヴァロール紙).

鉄鋼価格は、過去 30 日間にわたって世界的に全般的な回復を示しており、これに伴い、ナショナル製鉄所CSNは、2023年1月1日から自社の鉄鋼製品の10%値上げを同社営業担当重役のLuiz Fernando Martinez氏は示唆している。

過去30日間の米国、ヨーロッパおよび中国での鉄鋼製品価格は回復傾向を示し、利益率回復に繋がっている。しかし2023年のブラジル国内の政治経済情勢は不透明にも関わらず、来年のブラジル国内の鉄鋼製品需要の回復を見込んでいる。

米国の国内の鉄鋼製品需要は、インフラ整備部門の投資プランの見直し、自動車部門を直撃している半導体の供給問題の正常化などの要因で、2023年7月のトン当たりの粗鋼価格は800ドルから820ドルに達すると予想されている。

中国ではこれほど多くの鉄鋼メーカーが損失を被ったことは過去に一度もなく、利益率と業績を回復したいという熱意があるとマルティネス氏は指摘している。

来年第1四半期及び第2四半期は、ブラジル国内の粗鋼の需要回復が見込まれており、現在の1トン当たりのブラジル国内の粗鋼価格は575ドルから585ドルで推移、プレミアムは11.0%前後で推移している。

CSNは来年1月1日から1トン当たりの鉄鋼製品価格を10%値上げ、プレミアムは12.0%を維持するとマルティネス氏は説明している。

ブラジルの鉄鋼製品の輸入は依然としてCSNにとって大きな障害になっているが、保護主義を擁護するわけではないが、競争力に関しては対称的であるとマルティネス氏は指摘している。