最終フォーカスレポートは、今年のIPCA指数を7.67%から7.54%に下方修正(2022年7月18日付エスタード紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、燃料関連減税の影響を受けて、3週間連続で前回予想の7.67%から7.54%に下方修正していた一方で、2023年のIPCA指数は15週間連続で前回予想の5.09%から5.20%に上方修正、1か月前の今年のIPCA指数予想は8.27%、2023年のIPCA指数は4.83%であった。

今年のIPCAの中央目標値は3.50%、許容上限値は5.00%に設定されているものの3年連続で許容上限値突破すると予想されている。また2023年のIPCAの中央目標値は3.25%、許容範囲は1.75%~4.75%、2024年及び2025年のIPCAの中央目標値3.00%、許容範囲は1.5%~4.5%となっている。

2024年のIPCA指数は前回同様3.30%に据え置かれたが、1ヶ月前の予想は3.25%、2025年のIPCA指数は、前回同様3.00%の据え置かれたが、53週間連続で据え置かれている。

先月の中銀の通貨政策委員会(Copom)では今年のIPCA指数を8.80%、2023年は4.0%、2024年は2.7%、政策導入金利(Selic)0.50%引上げて13.25%に決定していた。

今年末の政策導入金利(Selic)を前回同様13.75%に据え置いたが、2023年のSelic金利は、前回予想の10.50%から10.75%に引き上げている。1ヶ月前の予想は10.25%であった。

2024年末のSelic金利は4週連続で8.00%に据え置いたが、2025年末のSelic金利は4週間連続で7.50%に据え置いている。また国内経済活動指数の回復及び大統領選挙を前にした神風憲法改正案(PEC Kamikaze)の国会承認などの影響で、今年のGDP伸び率は前回予想の1.59%から1.75%に上方修正したが、1か月前の予想は1.50%であった。2023年のGDP伸び率は4週連続で0.50%に据え置いている。

また2024年のGDP伸び率は、前回同様2.00%に据え置いているが、1か月前の予想は1.81%。2025年のGDP伸び率も前回同様2.00%に据え置かれたが、1か月前の予想は2.00%であった。

今年5月のGDP伸び率はマイナス0.8%(2022年7月18日付ヴァロール紙)

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGVIbre)の調査によると、20225月のGDP伸び率は、前月比マイナス0.8%を記録したが、前年同月比4.4%増加、今年3月から5月の累計GDP伸び率は3.7%増加を記録している。

今年2月から4月のGDP伸び率は、前月比では3ヶ月連続で増加を記録したが、5月は鉱工業部門のGDP伸び率がマイナスを記録、インフレ及び金利の高止まりで一般家庭の消費減少が牽引して、一転してマイナス0.8%に反転しているとゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGVIbre)の Juliana Treceコーディネーターは指摘している。

今年5月の一般家庭の消費はマイナス2.1%を記録したが、前年同月比では4.7%増加、今年3月~5月の累積消費は5.8%増加、今年5月のサービス部門及び耐久消費財以外の小売販売は順調に推移していた。

5月の住宅投資並びに設備投資、公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は、前月比1.6%増加した一方で前年同月比ではマイナス2.0%、特に機械・装置セクターはマイナス6.9%と大幅に落ち込んでいる。

今年5月の財・サービス輸出は前月比マイナス7.6%、3月から5月の累計輸出は、鉱物及び農畜産部門が不振でマイナス5.4%を記録していた。また今年5月の財・サービス輸入は、中間財を中心に前月比マイナス1.6%、前年同月比ではマイナス5.1%、今年初め5か月間の累計GDP金額は、38,310億レアルを記録している。

経済省は今年のGDP伸び率を1.5%から2.0%に上方修正(2022年7月14日付けエスタード紙)

14日経済省経済政策局の発表によると、2022年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は、前回予想の1.5%増加から2.00%増加と0.5%の大幅な上方修正を行っている。

一方ブラジル国内の金融市場関係者とは異なる予想として、経済省では2023年、2024年並びに2025年のGDP伸び率を前回同様のそれぞれ2.5%増加に据置いている。

労働市場及び投資関連データは、2022年と2023年のGDP伸び率予測をサポートするのに役立が、今後も継続してモニタリングする必要がある。また特に、ロシアによるウクライナへの侵攻が及ぼす国際コモディティ商品供給に影響を与える世界的なバリューチェーン、財政状態の悪化、国際貿易とブラジルの支払いのバランスに対する紛争の影響。さらに、経済成長とインフレに対するパンデミックの影響は引き続き注視する必要がある。

中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は1.59%、2023年のGDP伸び率は僅か0.5%増加、ブラジル国内の金融市場では、2024年のGDP伸び率は1.8%増加、2025年のGDP伸び率を2.0%増加と予想している。

経済省では、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の7.9%から7.2%に下方修正した一方で、2023年のIPCA指数は、3.6%から4.5%と大幅な上方修正を行っている。中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のIPCA指数を7.67%、2023年のIPCA指数を5.09%を予想している。

今年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、許容範囲は±1.50%に相当する最低2.00%、最高5.00%に設定されている。また2023年のIPCA指数の中央目標値は3.25%、許容範囲は±1.50%に相当する最低1.75%、最高4.75%に設定されている。

経済省ではサラリー調整の指標となる2022年のインフレ指数の全国消費者物価指数(INPC)は、前回予想の8.10%から7.41%に下方修正、一方2023年の全国消費者物価指数(INPC)は、前回予想の3.70%から4.86%と大幅に上方修正している。

ゼツリオ・バルガス財団(FGV)の今年の総合物価指数(IGP-DI)は、前回予想の11.4%から11.51%に上方修正した一方で、2023年の総合物価指数(IGP-DI)は、前回予想の4.57%から4.55%と若干下方修正している。

5月の経済活動指数(IBC-Br)は前月比マイナス0.11% (2022年7月14日付ヴァロール紙)

20225月のGDP伸び率の先行指標となる14日の中銀発表の経済活動指数(IBC-Br)は、 前月比マイナス0.11%を記録、今年4月の経済活動指数(IBC-Br)のマイナス0.44%に次いで、2ヶ月連続で前月比割れを記録している。

ヴァロールデーター社による今年5月の国内総生産伸び率の最低予想値はマイナス1.1%、最高予想値は0.9%増加であった。

今年5月の経済活動指数(IBC-Br)は前年同月比3.74%増加、今年5月の過去12か月間の累計経済活動指数(IBC-Br)は2.66%増加を記録している。

中銀の経済活動指数(IBC-Brの計算方法は、ブラジル地理統計資料院(IBGE)によって計算される国内総生産GDPの計算方式とは異なり、中銀の経済活動指数(IBC-Brは、毎月ごとの頻度で経済活動の進展をより頻繁でモニタリングできるが、国内総生産(GDP)は、四半期ごとの頻度でモニタリングしている。

 

5月のサービス部門提供量伸び率は前月比0.9%増加(2022年7月12日付IBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、20225月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比0.9%増加を記録、今年初め5か月間のサービス部門の累計提供量は9.4%増加、今年5月の過去12か月間のサービス部門の累計提供量は11.7%増加を記録している。

また今年5月のサービス部門提供量レベルはCOVID-19パンデミック前の20202月の水準を8.4%上回っている一方で、201411月の過去最高水準よりも依然として2.8%下回っている。

今年5月のサービス部門提供量は前年同月比9.2%増加、過去15か月間連続で増加を記録、過去12か月間のサービス部門の累計提供量は、4月の12.8%増加から11.7%増加に縮小している。また3月の13.6%増加から継続して2ヶ月間連続で減少している。

今年5月のサービス部門提供量調査では、大枠の5部門のうち5部門全てで増加を記録、情報・通信サービス部門は、前月比0.9%増加と4月のマイナス2.5%から一転して増加を記録している。

また今年5月の情報・通信サービス部門は0.9%増加、過去3か月間の累計提供量は3.4%増加を記録している。またその他のサービス部門は3.1%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は1.0%増加を記録、前期同様に一般家庭向けサービス部門は1.9%増加を記録している。

今年3月から5月の四半期のサービス部門の前年同期比の月間平均提供量比較では、一般家庭向けサービス部門は2.6%増加、情報・通信サービス部門は1.1%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は0.8%増加、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は0.6%増加、その他のサービス部門は0.5%増加を記録している。

また今年5月の前年同月比のサービス部門提供量比較では、15ヶ月連続となる9.2%増加を記録、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は12.5%増加、一般家庭向けサービス部門は、レストラン、ホテル並びに外食部門、貨物の陸上輸送部門、一般航空旅客部門並びに海上輸送部門が牽引して39.0%の大幅増加を記録している。

前期同様に教育・研究機関などの公共サービス部門は9.6%増加、情報・通信サービス部門は4.0%増加、特にレンタカー、電子決済、エンジニアリングサービス部門、アルバイト部門、プロバイダーサービス、コンピュータープログラム開発部門などが牽引している。

 

2022年4月のIBC-Brが前月比-0.44% 6月のIC-Brは-0.95%

中央銀行は7月7日、2022年4月の中央銀行経済活動指数(IBC-Br)が前月比-0.44%だったと発表した。3月のIBC-Brは前月比+1.09%だった。

また4月を前年同月と比較すると、+2.23%。4月までの12か月でIBC-Brは、+3.46%を記録した。月次で集計される同指数は、常にレビューが行われるため月間での計測よりも12か月の累積指数の方が信頼性がより高いとされている。

また4月を期末とする四半期で見ると、3月を期末とする四半期と比較して、+0.45%だった。

IBC-Brは、ブラジル地理統計院(IBGE)が計測する国民経済統計(GDP統計)と異る方法論により計測される。中央銀行の指数はIBGEの分野別調査に基づくが、月次で計測され、経済活動の進捗をより高頻度で観察する。一方、IBGEのGDP統計は四半期ごとに計測され、より包括的な観察になる。

なお、今回のIABrは、7月5日に終了した中央銀行職員のストを受け、2か月遅れで発表された。

また中央銀行が同じく7日に発表した中央銀行コモディティー物価指数(IC-Br)によると、インフレに影響する原材料価格は、5月に+3.22%を記録した後、6月には-0.95%を記録。12か月で同指数は+32.13%を記録した。

IC-Brを構成する3つのサブグループの中では、農業コモディティーが6月に-2.27%、12か月では+21.94%を記録した。一方、金属コモディティーは6月に-5.20%で、12か月では+0.90%。さらにエネルギー・コモディティー(ブレント石油と天然ガス、石炭)は、6月に+4.85%で、12か月では値上がりが103.80%に達した。(2022年7月8日付けバロール紙)

連邦政府がリチウムへの新規投資の促進を目的とした政令を制定

連邦政府は、鉱物とリチウム及びその派生品の資源活動に対する法規を近代化することで、国内のリチウム生産で最大の埋蔵資源が集中しているとされるミナス・ジェライス州ヴァーレ・ド・ジェキチニョーニャ(Vale do Jequitinhonha)地域を中心に2030年までに150億レアル前後の投資につながると推算している。7月6日に公示された大統領令により、この業界における生産と取引に対する事前の承認と割り当て、制限が撤廃された。

リチウムは、例えば携帯電話端末と電気自動車(EV)が使用するバッテリーの、主原料のひとつである。エネルギー転換政策を見据え、再生可能エネルギーの貯蔵能力という観点からこの装置には、世界的な関心が高まり続けている。

鉱山動力省(MME)によると「大統領令は、グローバル・チェーンにおいて競争力のある形でリチウムのブラジル市場の開放と刺激を促進し、この資源の調査と生産、それにコンポーネント及びバッテリーへの加工と生産段階での生産能力の向上への投資の呼び込みを目的にしている」という。

今回の大統領政令が公布されるまで、この分野のプロジェクトは、MMEの外郭団体である国家原子力エネルギー委員会の事前の審査を必要とした。予測可能性を高めて国際市場で競争する条件を充実させることで、連邦政府は、ヴァーレ・ド・ジェキチニョーニャ地域のような潜在的に有望な生産地と目されながらも現状では経済的に貧しい状況に置かれている地域に投資を呼び込みたい意向だ。

ブラジルに進出してほぼ10年になる、カナダ資本のシグマ・リチウム(Sigma Lithium)は、既にミナス・ジェライス州のこの地域で事業を展開しており、このほど、グリーン技術による電池用リチウム精鉱の生産計画を拡張した。

バロール紙とのインタビューで同社のアナ・カブラル=ガードナー(Ana Cabral-Gardner)共同CEOは、今回の政令に賛辞を送るとともに、業界の主要な潜在的プレイヤーとブラジルが競争できるようになる「変革」だと位置付けた。

ブラジルは、その他の国でも発見されているようにリチウム精鉱の埋蔵資源が豊富な上、生産者の間で次第に関心が高まっているクリーンエネルギーが供給可能な数少ない国のひとつとして、アドバンテージを持っている。

「ブラジルはグリーン経済の牽引役になれる」と同CEOは指摘。その上で、「ブラジルの電力システムは環境負荷を発生させないことから、グリーン・ボーナスと位置付けられる。グリーン・オペレーションを確保できるなら石炭火力発電の排出炭素量の相殺にコストを支払う必要がなくなるので、ブラジルはこのチェーンの中間領域の事業を立ち上げるのに有利な土地だ。バッテリーからプレケミカルに至るチェーンで、4つのテーマとリンクしている」という。

鉱物探査に求められる要件を低減するという観点では、初期投資がより早く回収できるような政策を通じて新規投資に対するより高い安全性を国が保証しなければならないとシグマ・リチウムのカブラル=ガードナーCEOは指摘する。

なお連邦政府は、業界の近代化によって2030年までに、生産会社が年間1億レアルの鉱物資源ロイヤルティを支払うだけでなく、資源業界で約7,000人の直接雇用と生産チェーン全体で直接及び間接で8万4,000人の雇用が生み出されると期待している。(2022年7月7日付けバロール紙)

MEIとMPEが生み出す収入は年間4,200億レアル

零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)によると、個人零細事業主(MEI)と小・零細企業(MPE)がブラジル国内で生み出している収入は年間4,200億レアルで、この内前者が1,400億レアル、後者が2,800億レアルである。同機構が7月5日、小規模ビジネス・マッピング(Atlas dos Pequenos Negócios)のレポートの一部として発表した。

大きな金額の収入を生み出す一方で、低生産性と信用供与へのアクセスの難しさといった問題が、依然としてこれらの企業の大きな障害であり続けている。Sebraeのカルロス・メレス(Carlos Melles)総裁は共同記者会見で、「これこそ、我々のゴルディアスの結び目だ」という見方を示した。同総裁によると、ブラジルが加盟に向けて取り組んでいる経済協力開発機構(OECD)も、ブラジルの低生産性をこれらの企業の課題と認識しているという。

もうひとつのネガティブな面は、MEIとMPEが融資を受けづらいという問題だ。メレス総裁はこれについて、「根本的なところで、担保の問題がある」と指摘する。

同総裁によると、融資を受けようとするMEIとMPEでは多くの場合、担保になり得るのがわずか「車1台」あるいは自社の商品しかないという。

この問題を部分的にでも緩和するため、Sebraeと社会経済開発銀行(BNDES)は、来週(7月第3週)にもそれぞれが5億レアルを拠出してこれらの企業向けの保証基金を立ち上げ、最大180億レアルの融資を受けられるようにする。

Sebraeが発表した調査によると、ブラジル国内にはMEIが670万人、会社の事業が事業主にとって唯一の収入源になっているMPEが470万社存在する。

今回のマッピングでは、これらの企業がブラジル経済にとって重要な役割を果たしていることも示した。すなわち、ブラジルの国内総生産(GDP)の30%を占め、正規雇用の54%、2021年に創出された正規雇用の78%、現時点で存在する企業の99%を占めているのである。

Sebrae総裁はさらに、「人口が少なく貧しい市であってもMEIが誕生しているところでは、人間開発指数(HDI)が改善している」と付け加えた。(2022年7月6日付けバロール紙)

メルコスールとシンガポールが22年7月第3週にもFTA締結へ

経済省と外務省は、メルコスールとシンガポールの自由貿易協定(FTA)が近日中に締結されることが確実だと受け止めている。第11ラウンド貿易交渉が7月第3週(11日から17日)にアスンシオンで開催予定であるが、双方の主張で大きく隔たっていた部分は、既にすり合わせ済みである。

舞台裏ではブラジル政府が、アルベルト・フェルナンデス(Alberto Fernández)大統領が締結に抵抗感を示すアルゼンチンを、いくつかの点で説得する役割を果たした。この交渉は2018年に始まったが、その後の新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックで交渉ペースが鈍化。数か月前から積極的な交渉が再開され、ハッピーエンドを迎えつつある。

協議に直接的に関わった関係者によると、新たな貿易協定により二国/地域間貿易で扱う品目のおよそ90%に対して、輸入税率をゼロに引き下げる。シンガポールは2021年にブラジルから60億ドルを輸入しており、ブラジルの多国籍企業にとっては同国が、外のアジア諸国に商品を流通させるためのある種の玄関口になっている。人口約600万人で人口1人当たりの所得が世界的に大きな国のひとつであるシンガポールは、ブラジル製品の主な国外市場としては第7位を占める。

シンガポールとの貿易協定で非関税分野は、投資の円滑化とサービス業の市場開放、電子商取引に対する規制の3分野で既にメルコスール側が妥協、より幅広い合意になると交渉担当者は話す。

ブラジルに対するシンガポール資本の直接投資のストックは、ほぼ100億ドルに達している。これらの企業には、ケッペルオフショア(Keppel Offshore)とジュロン・シップヤード(Jurong Shipyard)の造船会社、ガレオン空港を経営するチャンギ(Changi)、パルプ工業のブラセル(Bracell)などがある。ソブリン・ファンドのGICは、高速道路のコンセッショネアに出資している外、下水処理会社のアエジェア(Aegea)、ヴィブラ・エネルジア(Vibra Energia:旧BRディストリブイドーラ=BR Distribuidora)にも資本参加している。

今回の貿易協定では、上記以外の分野、例えば政府調達分野や衛生規定、植物検疫規定などを含み、通関業務のスリム化、産地規定といったものも含まれる。

経済省貿易局(Secex)がこのほどまとめた研究によると、シンガポールとのFTAは、基本的シナリオとの比較分析において、対象となった65業種のうち58業種でブラジルの輸出を後押しすることになるという。輸出拡大に大きな可能性のある品目として同局は、食肉と野菜、果物、金融サービスなどを指摘した。

一方、シンガポールは非常に低い輸入税率を既に実践している。しかしFTAでは、輸入税率がゼロあるいはゼロ近辺に定めることが保証されるため、財の相互貿易により安全性が高まる。投資面では、合意は介入主義的な対策が講じられる可能性に対するハードルを引き上げることで、双方の「資本の所有者」に対してより大きな安心感を与える傾向がある。

シンガポールとのFTAにおいてセンシティブな問題のひとつは、原産地規定だった。これは、プロダクトが国産(メルコスールの場合は地域産)と認定されるために必要な、現地調達の割合を定めた規定である。アジアの小さな島のシンガポールは、全世界のサプライヤーから投入財を調達してきた経緯がある。

そこでメルコスールは、同国の製品に関して欧州連合(EU)と合意した条件を今回も導入することを決定、業種によるが製品によって最低で50%から55%の現地調達比率を確保していればシンガポール製と認める判断を下した。

またこの点が、まさにアルゼンチンとの間で生じた摩擦の大きな原因となった。フェルナンデス政権はメルコスール内の協議で、EUと合意したコミットメントについて、マウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領時代(2015―2019)のものでありシンガポールとは同じ判断を繰り返さないことが望ましいと発言していた。しかし関係者によると、アルゼンチンの当局者らが妥協し、この貿易協定の重要性について理解したのだという。

仮に交渉が妥結する場合、メルコスール(ブラジルとアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ)の4か国は、次回の首脳会談で合意を発表する意向だ。この首脳会談は21日、パラグアイが既に持ち回りの議長国となっていることからアスンソンで開催が予定されている。この会談には、ブラジルからジャイール・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領(PL:自由党)が現地を訪問、出席する予定だ。

この貿易協定は、2018年の大統領選の選挙キャンペーンで経済の開放を公約に掲げたパウロ・ゲデス(Paulo Guedes)経済大臣にとって、大統領選挙の投票日まで3か月を切ったタイミングで同大臣のPR要素になると期待されている。EU及び欧州自由貿易連合(EFTA:アイスランドとノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン)との自由貿易協定は、2019年に合意に達したものの、その直後に欧州側が、アマゾン熱帯雨林の森林伐採が大規模に行われている間は署名と批准を拒否する事態に陥って凍結されている。

さらに、例えばメルコスール=カナダ貿易協定やメルコスール=韓国貿易協定のようにブラジルが重視している別の貿易協定は、今のところ、規定をまとめるまでに至っていない。このためシンガポールとの貿易協定を現政権は、切り札と位置付けている。アジアの国々は、最近になって署名された地域的な包括的経済連携協定(RCEP)及び包括的・漸進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)という大規模協定の関係行である。前者は、中韓を軸としたアジア太平洋の協定。後者は、アジア太平洋諸国とカナダ、メキシコ、チリ、ペルーが参加している。いずれにおいても、日本とオーストラリア、ニュージーランドが参加している。加えて、シンガポールは世界貿易機関(WTO)に対して、27か国とのFTAを締結していると申告している。(2022年7月4日付けバロール紙)

2022年2―5月の失業率が過去7年で最低の9.8%に低下したとIBGEが発表

ブラジル地理統計院(IBGE)は6月30日、2022年3―5月に失業率が9.8%を記録して2―4月の10.5%から低下したとする継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表した。今回の予想は、エスタード紙が市場から集めた事前予想の平均(10.2%)だけでなく、下限(9.9%)も下回った。予想の上限は、10.6%だった。

Pnad Continuaで計測した失業率が10%を下回るのは、9.6%を記録した2016年1月(2015年11月―2016年1月)以来である。同様に、5月までの3か月間の失業率としては、8.3%を記録した2015年以来の低い水準となる。

2021年3―5月の失業率は14.7%だった。なお、2022年2―4月の3か月間の失業率は、10.5%。

国内の総失業者数は1,063万1,000人。希望する労働時間未満の条件で就労している人と、どうせ仕事が得られないと求職しない人(求職意欲喪失者)を含めると、労働者の希望に対して活用が不十分な労働力は、2,540万1,000人となる。IBGEのアドリアーナ・ベリングイ(Adriana Beringuy)労働・所得調査主任は、「これは、進行中の回復プロセスだ」と受け止めている。

失業率が低下したことについてLCAコンスルトーレス(LCA Consultores)のエコノミスト、ブルーノ・イマイズミ(Bruno Imaizumi)氏は、2022年上半期(1―6月期)に記録した経済回復の影響を受けたと分析しているが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生後、女性と高齢者を中心に一定数の労働者が労働市場に復帰していないことも影響していると指摘した。

今回の結果についてイマイズミ氏は、「5月の結果を2020年2月と比較すれば、依然として280万人が労働力人口の枠外に移っている。これらは、労働市場に復帰できなかった人たちだ」と同氏は話す。「パンデミックによって育児に関する支援と援助のネットワークが大規模に崩壊した時、最も打撃を受けたのが女性たちだった。高齢者のケースでは、年金の繰り上げ需給の外、COVID-19感染と感染後の長期にわたる後遺症への懸念が大きく影響している」と同氏は指摘した。(2022年7月1日付けエスタード紙)