土曜日, 1月 22, 2022

【「アメリカの非難には根拠がない」とファーウェイ現地法人】

10月19日からブラジルを訪問しているアメリカ政府の代表団が、電話通信機器メーカーのファーウェイ(華為)を非難してブラジル政府に対し国内市場で同社の営業を制限するよう求めている問題で、同社が反発している。ファーウェイのマルセーロ・モッタ国内サイバーセキュリティー担当部長はエスタード紙に対し、アメリカの非難には「全くもって根拠がない」と反発、さらに、同社が個人データにアクセスできてそれを中国政府に渡すことが義務付けられているという同社への批判も否定した。この非難の応酬は、ブラジルが第5世代移動通信システム(5G)に対する周波数オークションを2021年半ばに控えて、活発化している。入札への参加が認められるのは、移動体通信事業者で機器メーカーではない。だがファーウェイは、国内市場でエリクソンとノキアと鎬を削る3大サプライヤーの一角を占める大手なのだ。これまでのところ、ファーウェイが5G導入の波に乗るのを妨げるものは何もない。例えばサンパウロとリオデジャネイロで5Gの主な商用ネットワークでヴィーヴォは、既に同社の機器を導入している。国家安全保障対策室(GSI)は既に5Gネットワークを導入する際に導入すべきサイバーセキュリティーの要件をリストアップしているが、ここでは一切、ファーウェイを排除していない。だがこの問題の最終判断は、ジャイール・ボルソナロ大統領が下すことになる。(質問)アメリカの国家安全保障会議(NSC)メンバーのロバート・オブライエン氏の発言、すなわちブラジル政府と国内企業のデータがファーウェイの設備を通じて中国政府によって「盗み見される」可能性があるという主張を、ファーウェイはどのように受け止めましたか?(マルセーロ・モッタ)10年以上も前から一切の根拠もなく言われてきたことなので、その非難があたかも当然のようになされている。当社は、最優先事項としてサイバーセキュリティーとプライバシーを掲げている。当社のガバナンスは、多数のグローバルな、そして地域のトランスペアレンシー・センターによってテストを受けてきた。これら一連の努力は、顧客と取引先、政府に対して信頼性と安全性を提供する機器を背製造するために不可欠なものだ。(質問) 中国の法律に対する恒常的な批判があります。すなわち、あちらの政府が求める場合にファーウェイはデータを引き渡さなければならないということです。その義務は、実際に存在するのでしょうか?(マルセーロ・モッタ)いいえ。そして、そのような法律や義務も中国国内には存在しない。現行法はいずれも等しく、同国で事業を展開している電話通信分野のサプライヤーに適用される。すなわち、世界のすべての大手のプレイヤーということだ。その上、当社は単なる機器のサプライヤーだ。そして当社は、当社の顧客が直接扱うデータに直接的にはアクセスできない。従って当社は、個人データには一切アクセスできない。(質問)では、接続においてセキュリティー及びプライバシーの保護という観点で、ファーウェイがブラジルに提供できる保証は何でしょうか?(マルセーロ・モッタ)当社は、270件以上のセキュリティー及びプライバシーに関する認定を受けている。定期的に試験を実施している顧客に加えて、このような認定メカニズムはブラジル政府に対しても公開されており、第三者の根拠のない意見に左右されることなく顧客自身が独自に利用可能なツールを使用し検証できるということを強調することも重要だ。(質問)10月19日からブラジルを訪問しているアメリカ当局者による代表団からは、中国以外の企業が供給する設備を調達する場合、ブラジルの電話事業会社に対して資金を提供するという申し出があった。ファーウェイも同様に設備の調達に対して融資するようなオプションがあるのでしょうか?(マルセーロ・モッタ)当社は機器に対する融資は行っておらず、顧客は自由に資金を調達できる。ただ、資金を調達するということにはすべてコストが付随するということ、競争の自由が制限されることだけは指摘しておきたい。(質問)ブラジルやその他の国々でファーウェイの事業を制限しようとするアメリカの試みに対してどのように対応するつもりでしょうか?(マルセーロ・モッタ)当社が提供する機器は革新的で、競争力があり、エコ(低消費)で、インテリジェントで、安全だ。これらは当社の顧客が求めるもので、しかもコストは低減している。従って、幾つかの市場でこれらの機器のプレゼンスがないことは、僻地などにおいて小規模の通信事業会社のコストを2倍から5倍に引き上げるという、ブラジルで発生すべからざる事態を招くことになる。(2020年10月21日付けエスタード紙)

【ブラジルで5Gから中国企業を排除すべくアメリカが電話事業会社の投資に対する資金提供を約束】

ブラジルを訪問したアメリカの代表団が攻勢を仕掛けており、国内で導入する携帯電話ネットワークの新システムにファーウェイ(華為)ではなく中国以外の企業を採用するよう求めている。その背景には、第5世代移動通信システム(5G)に対する主導権争いと、それによって生み出される可能性のある経済発展がある。ブラジルで導入される第5世代移動通信システム(5G)から中国企業のファーウェイ(華為)を排除する攻勢としてアメリカは、国内電話通信業界に対する「あらゆる投資」に資金を提供する意向を表明した。ブラジリアを訪問したアメリカ当局の代表団が、10月20日に言及した。アメリカ側はこれ以外にも、最先端の通信技術である5Gのインフラ整備から中国資本を排除することも併せてブラジル政府に要求した。反中国姿勢を打ち出したアメリカの直接的な働きかけについてブラジルの外交筋は、世界の経済的覇権を争って旧ソ連を相手に展開していた冷戦の改訂版と受け止めており、ワシントンがしばらく示してこなかった経済開発に対する同盟関係の提案を明確に示したものとなっている。アメリカと中国の対立の背後には、5G技術に対する主導権争いがある。アメリカは、世界で初めて4Gの利用を可能にした国であるが、これは、FacebookとNetflix、Googleの親会社であるアルファベットなどのアプリケーションのエコシステムの導入と発展に不可欠なものだった。これらの企業は、アップルとマイクロソフト、アマゾンと並び、世界のでも有数の企業価値のある企業と位置付けられている。他方、ファーウェイは現在、スウェーデンのエリクソンとフィンランドのノキアの先を行く、5G向け中核機器の主要サプライヤーである。アメリカにはもはや大規模メーカーが存在せず、主に、北欧のこの2社のサービスに依存している。アメリカ資本のシスコとクアルコムは引き続きこの業界で事業を展開してはいるものの、中核機器を製造していない。「大体の選択肢が存在しないという誤解があるが、存在しないというのは誤りだ」と、国家安全保障会議(NSC)のジョシュア・ホッジズ西半球担当暫定シニア・ディレクターは今回、ブラジリアで報道関係者を招待して行われた会合で発言した。さらに、「そこには競争があり複数の選択肢を選ぶことができる。アメリカは、それに対して資金を提供する準備ができている」と強調した。「中国は(情報へのアクセス)を支持していない。香港で何が発生したか(1997年にイギリスから中国に返還された際の約束を反故にしてメディアの統制と自由を制限する国家安全法が6月に施行された)を見てほしい。アメリカは、中国がどのようにこのデータと技術を国政に利用するのかという点を懸念しているのであり、この技術を利用するユーザーに対して懸念しているわけではない」という。5Gの技術5Gは、第5世代移動通信システムである。これは、現在稼働している第4世代の4Gと比較して、最大20倍の通信速度を保証する。ホッジズ・シニア・ディレクターは、アメリカがブラジルと互恵関係のパートナーでになり得ることをと示したいとコメント。その上で、ブラジルがより強くなるよう希望しているのであり、中国との関係において「ブラジルの主権侵害」を希望していないと付け加えた。「我が国はここへ来て中国のように恫喝するのではなく、選択肢を示しているのだ。我が国は、『中国と取引しないように』と言っているのであり、ブラジルが他のパートナーに出会うこと、ブラジルの皆さんと我が国の同盟がさらに強まることを希望しているのだ」という。このブラジルのマスコミ関係者を対象にしたインタビューでは、米国輸出入銀行(Eximbank)のキンバリー・リード頭取と米国国際開発金融公社(DFC)のサブリーナ・タイシュマン理事が、ブラジルの電話通信会社による5Gネットワークの拡充及び機器の調達への融資として、それぞれ1,350億ドルと600億ドルの予算を確保することを強調。「業界のあらゆる投資に融資できる資金は十分に確保されている」と付け加えた。情報分野で、中国企業の台頭は、既にファーウェイだけにとどまらない状況だ。中国製アプリは過去数年、Whatsappと同様のメッセージアプリWechat、10億人のユーザーがいるTiktokなど、若年層を中心に熱狂的な広がりを見せている。こうした状況への対応として、InstagramはReelsをリリースした。いずれの中国企業も、身売りするかさもなければアメリカ市場から締め出されるかを選ぶことになると、アメリカのドナルド・トランプ大統領の直接的な圧力を受けている。5G問題に加えて、ファーウェイ・ド・ブラジルの排除は電話通信サービスのコストの上昇を招きかねない。同社は既に20年以上もブラジル国内で事業を展開しており、電話通信キャリアの主要サプライヤーの1社になっている。国家電気通信庁(Anatel)の資料によるとファーウェイは現在、2G及び3G、4Gの移動体通信ネットワークのインフラで、スウェーデンのエリクソンに次ぐ35%のシェアを持つ。言い換えると、国内の移動体通信ネットワークを利用した通話あるいはデータ通信は、現時点でほぼすべてファーウェイの機器を経由していることになる。ファーウェイは政府内でも同様に強い存在感を示している。同社の設備は、様々な官公庁のネットワークとデータセンターで使用されている。なおアメリカは、今回のブラジルで行ったものと同様のスピーチを通じて、カナダやオーストラリア、ニュージーランド、インド、日本、さらにイギリスといった国でファーウェイを締め出す説得を成功させた。他方、ドイツとフランス、スペインは同社の参加を制限しないという判断を下した。「そこには競争があり、利用可能であり、アメリカは、それに対して資金を提供する準備ができている」国家安全保障会議(NSC)のジョシュア・ホッジズ暫定西半球担当シニア・ディレクター談トランプ米大統領の再選問題外務省で行われた会合でジャイール・ボルソナロ大統領は、アメリカの代表団に対してドナルド・トランプ大統領再選の就任式典に列席を希望すると発言した。ボルソナロ大統領はさらに、彼のこうした励ましは「真心から」のもので、隠すものでもないという。その上で同大統領は、アメリカとの良好な関係を強調した。「それが神の思し召しであるなら、アメリカ国内で間もなく再選される大統領の就任式典に出席する。私は、その気持ちを隠しはしない。真心からのものだ」とコメント。さらに発言の最後にボルソナロ大統領は、「神の思し召しがあるなら、12月に再びお会いしましょう」とアメリカの代表団に別れの挨拶をした。(2020年10月21日付けエスタード紙)

【ブラジルと米国が米大統領選の直前に貿易協定を締結】

アメリカの大統領選挙が目前に迫る中、同国のドナルド・トランプ大統領とブラジルの同盟関係を示すべきだというボルソナロ政権の主張のもと、ブラジルとアメリカが10月19日、二国間の輸出入における手続き及び官公庁の煩雑な作業を簡略化する協定に署名した。両国政府は、通商の活性化を目的とした3通の議定書に署名した。これらの対策は、工業を中心に民間部門から支持を受けているもので、良き規制慣行分野と汚職対策分野も含む。パウロ・ゲデス経済大臣とエルネスト・アラウージョ外務大臣など、ボルソナロ政権の関係者らは、常にアメリカとの自由貿易協定(FTA)の締結を模索することを希望してきた。ただ、政府関係者が抱くこの大望の前には、メルコスールの規定、すなわち、加盟国が独自に通商条約に署名してはならないという条文が立ちはだかっている。この制限を踏まえて両国の当局者らは、輸入税率の引き下げは含まないが通商に対する障害の撤廃につながる煩雑な手続きを問題とする、いわゆる非関税問題と呼ばれる部分で協議をスタートすることで合意したのである。フォーリャ紙に関して複数の関係者が、ブラジルとアメリカは、連邦および州が過度の規制を導入しないことを保証するための規定に加えて、例えば商品の通関手続きの時間を短縮するといった取り組みを約束した。同じく、両国政府は、二国間貿易に影響を与える規定を公布する前に民間部門に対して意見招請を約束する仕組みが議定書に盛り込まれると関係者はコメントした。さらに、両国政府の輸出入に関する規定をインターネット上で簡便に公示するための指導も、議定書の一部として盛り込まれる。ただし、民間部門が大きな期待を寄せていた項目のひとつは、ブラジルの当局者らが交渉の進展に言及し間もなく発表されるとコメントしていたにもかかわらず、協定からは除外された。これは、認定事業者(AEO)と呼ばれるもので、連邦収税局とこれに対応するアメリカの内国歳入庁により、信用でき低リスクであるとみなされる特定の輸出業者に対して両国の税関当局が通関業務を迅速に行うというものである。10月19日に発表される文書は、両国の行政が今回の共通認識を完成させるためのコミットメントを示すものになる。議定書の発表は、アメリカとの戦略的同盟関係を強化すべく練られた2日間の取り組みの集大成になる。必然的なアライメントと呼ぶこの議定書をワシントンと協議することによって得られる恩恵が、地政学的な分野にとどまらず国内の民間部門にも及ぶことをブラジル政府は期待している。19日から20日にかけて、ジャイール・ボルソナロ大統領とマイク・ポンペオ米国務長官、ロバート・ライトハイザー米通商代表らアメリカ側の高官も出席するブラジル・コネクト・サミットにおいて様々なオンライン・カンファレンスが開催される。ブラジル・コネクト・サミットの開会式に寄せたビデオメッセージでボルソナロ大統領は、自身とトランプ米大統領の同盟関係に対してポジティブという総合評価を下しつつ、19日に署名が交わされた「3件の包括協定」についても「両国間の商取引の関係をさらなる成長をもたらすことになる」とコメントした。ただし今回の貿易に関する協定は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックでブラジルとアメリカの二国間貿易が大きな打撃を受け、また、トランプ米大統領がアメリカ市場に輸出されるブラジル製鋼材への規制を導入するというタイミングと重なった。アメリカ商工会議所(Amcham)によると、二国間の貿易高は2020年1―9月に、この期間としては過去11年で最悪のわずか334億ドル(前年同期比-25.1%)にとどまった。こうした状況を受け同会議所は、対米貿易においてブラジルが過去5年、あるいは6年で最大の貿易赤字を計上することになると予想する。両国の交渉担当者らは、2020年3月にトランプ米大統領とボルソナロ大統領がフロリダ州のマール・ア・ラーゴで会談した後、貿易協定を締結するための協議に着手していた。その際に両大統領は、両国の行政府が主導して非関税協定を締結する方針を承認した。この時にブラジル側は、11月3日の米大統領選までに協議が完了するかを懸念していた。トランプ米大統領の再選が阻止された場合、アメリカ政府は政権の移行に照準を合わせることになるためだ。しかも、民主党から立候補しているジョー・バイデン候補が次期米大統領として選出されホワイトハウスの主になれば、同候補がこれまでにボルソナロ大統領の環境政策を批判していることから、新たな障害になりえる。この協議をサポートしてきたブラジル政府関係者の話では、署名が交わされたことで議定書は今後、国会での批准に進む。貿易に関する議定書への署名を支持してきた団体のひとつ全国工業連合会(CNI)は、この貿易円滑化協定がテコ入れの対象とする官公庁の煩雑な手続きという足かせによって、貿易にかかわるコストが最大14%増大していたと話す。CSNのコンスタンザ・ネグリ・ビアスッティ通商政策担当理事は、「我々は、今回の協定がまとまったことを極めて有意義なものと受け止めている。それは、ブラジル工業にとって中核的な市場のひとつであるアメリカとの経済統合を具体化する実利的な対策だ」とコメントした。一方、Anchamのアブラン・ネット執行副会頭は、今回の議定書は、二国間の貿易を支援する好機を生み出すものだと指摘した。「これは非関税問題で構成された議定書であり、非常にテクニカルであるが、企業の日々の慣行に加え、ブラジルとアメリカの間の通称に対して、極めて大きな恩恵をもたらすものだ」と同執行副会頭はコメントした。なお、ブラジルとアメリカが署名を交わした議定書は以下の内容を含む。    商品の通関業務完了までの期間を短縮することへのコミットメント    州及び連邦政府が、過度の規制を導入しないことを保証する各種規則    二国間貿易に影響する規則の公布に先立ち民間部門に対して意見招請の実施    税金及び手続きを含めた二国間の輸出入の規定をインターネット上で簡便に公示するための指導    電子文書類の優先的使用    税関協力の拡大    認定事業者(AEO)に関する合意の締結に向け取り組むことの確認    腐敗防止に対する共同コミットメントの再確認    腐敗行為を告発した人を保護するための手続き(2020年10月19日付けフォーリャ紙) 

【2020年8月に国内で合併と買収( M&A )が前年同月比+65%の112件を記録】

PwCブラジルのレポートによるとブラジル国内で2020年8月に112件の合併と買収(M&A)が実施された。これらは不況と事業の継続を主な理由にしており、成長戦略に基づくものではなかった。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによって引き起こされた経済危機の最悪期が過ぎ、法人の取引減少に加えて事業の再編や財務のリバランス、競争力の維持など、この間に浮上してきた課題に対処する必要性が高まったことを受け、国内では、過去に例を見ない件数の合併と買収(M&A)につながっている。その結果、2020年8月にブラジル国内では、件数ベースで前年同期比+65%となる112件を記録した。前年同期のM&Aは、68件だった。エスタード紙が独占的に入手したコンサルティング会社PWCブラジルのレポートで示されたもので、8月の件数としては、おおよそ過去20年で最多のペースだったという。一般的にM&Aは、そのベースに事業の成長を視野に入れて計画される。だがPWCブラジルの経営パートナーであるレオナルド・デローゾ氏は8月のM&Aについて、企業が自社の生き残りに主眼を置いていたと説明する。「企業は、生き残りをかけて戦略的に取り組む必要から、M&Aに動き始めた。もはや以前のように、より大きく成長するとかより投資を拡大するとかいった理由で実施する戦略的な取り組みではなくなっている」と同氏は話す。その上で、「企業は事業の一部を売却することで経営に資金を投入できるパートナーの資本参加を受け入れ、多くの場合は資産の一部売却を通じて断行される構造的なコストの大幅削減に向け、何らかの法人と合併することを余儀なくされた。企業として生き残り、パンデミック後には成長路線に復帰する道筋をつけるための戦略的な取り組みが始まったのだ」と付け加えた。結果として、その数か月前にはブラジルで発生したパンデミックにより打撃を受けていたM&A市場が、8月には再び活発化するという傾向を示した。「収入不足という事態に直面したこれらの企業の多くが、自社の事業を再編する必要に迫られた。支払いを停止し、内部留保の保全に努め、人員を削減し、労働時間の短縮に踏み切り、営業を実質停止してサプライヤーに対する支払いもストップした。その結果、事業の継続にリスクが生じ始めているのだ。内部留保を確保していた大企業は、この期間に現金預金を切り崩し続けた。そして内部留保を確保していなかった企業に残された解決策は、負債を再交渉するか、あるいは端的に廃業するかだった」とデローゾ氏は言う。8月の件数が後押しする形となりブラジル国内のM&A件数は、2020年の1―8月に595件を記録、この期間の最高記録を塗り替えた。デローゾ氏は、M&Aが年末までに1,000件を上回ると予想している。2019年のM&Aは912件で、年間としては過去最高件数を記録していた。M&Aのプロフィール2020年1―8月に国内の投資家によるM&Aは、前年同期比+24%で過去最高の426件を記録した。他方、外国人投資家によるM&Aは151件で、前年同期を4%下回った。世界規模で影響を与えている現在の経済危機の特徴から、外資系の企業グループは、それぞれが基盤を置く市場で困難に直面していると、デローゾ氏は話す。結果としてこれらの企業グループは、既に事業網を構築している国、あるいは事業を展開済みの国への対処を優先している。なお、地域別に見るとブラジル南東部に、8月までに発表された2020年のM&Aの66%が集中している。件数としてもこの地域のM&Aは前年同期比+16%を記録した。中でもサンパウロ州は、1月から8月にかけて行われたM&A全体の過半数(52%)が集中している。(2020年10月14日付けエスタード紙) 【スタートアップへの投資がM&Aを牽引】国内の合併と買収(M&A)において、IT業界は少なくとも過去5年、件数ベースでトップを走る業界だ。2020年の場合、1月から8月にかけてこの業界のM&Aは222件を記録した。PWCブラジルの経営パートナー、レオナルド・デローゾ氏によると、「その多くがスタートアップ、つまりエンジェル投資だ」という。ユーロファルマの国内向けファンド、ニューロン・ベンチャーがこのほど、サンパウロ州ヴィニェード市のスタートアップ、ジャストフォーユーに投資した。同社は、顧客向けにパーソナライズされた製品の開発にAIを活用する。ユーロファルマのエルトン・ピニェイロ・デ・カルヴァーリョ起業及びデジタル事業担当理事は同ファンドの状況について、「常に何らかの『デューデリジェンス』を実施している。現時点で3社あるいは4社を評価中だ」とコメント。投資に対して400万レアルを上限としているニューロン・ベンチャーは、2020年に入ってからだけでも、ピシコロジア・ヴィヴァとロック・コンテントに投資している。ヘルスサービス業界では、サビン・メジシーナ・ジアグノスチカ・グループが7月、健康管理ソルーションを提供するスタートアップ、プロントメジ資本の12%を買収してクリニックと病院、製薬会社、保険会社を統合している。サビン・グループのリディア・アブダラCEOは、「2020年が、これまで実施してきた買収で統合を進める1年になると受け止めている。過去2年で(買収したのは)9社だ」という。(2020年10月14日付けエスタード紙) 

【消費に対する租税の包括的改革を州政府が支持】

連邦税である社会統合計画負担金(PIS)と社会保障負担金(Cofins)を商品サービス取引社会保障負担金(CBS)に統一する法案をパウロ・ゲデス経済大臣が国会に提出した後、州政府の代表者らは、消費に関連した租税をすべて含めた包括的な改革の提案に対する支持を表明した。過去には、州知事が州税の柱である商品サービス流通税(ICMS)の簡略化に対する提案を葬り去り、結果として、これを州間の対立と税制戦争の道具にしてしまった経緯がある。これに対して市長らは、市税のサービス税(ISS)に対して独自裁量を確保し続けること、あるいは統合する場合には市の歳入とする交付金の比重拡大を希望している。上下両院の国会議員で構成する合同委員会が、税制改革に関する2件の憲法改正案(PEC)の検討に着手している。この2件のPECはいくつかの差異が存在するものの、ICMSだけでなくISSを商品サービス税(IBS)に統合するという点では共通している。下院のロドリゴ・マイア議長(DEM:民主党=リオデジャネイロ州選出)は7月22日、改革にICMSを含めることに過半数の知事から指示を受けているという過去に例のなかった状況を強調するとともに、この追い風を利用すべきだとコメントした。全国財務局長連絡協議会(Consefaz)のラファエル・フォンテレス事務局長は、「消費に対する税金はすべてひとくくりに同時に議論すべきだというのが我々の見解だ。それぞれの租税の移行は個別に段階を踏む必要があるとしてもだ。我々はただ、一連の議論でこれらをくくることを希望している。これらの法律の可決を細分化した場合、全体的な解決を複雑にする。理想形は、消費に対する税金に対する統合法を確立することだろう」とコメントした。だが市長らは、ISSをこれらのPECと距離を置くという、国政の現場と対立する見解を支持している。サンパウロ州カンピーナス市の市長で全国市長戦線(FNP)の会長を務めるジョナス・ドニゼッテ市長は、「FNPの立場は、市税、とりわけISSを改革から引き続き除外しておくことを支持するというものだ。我々は、市税がすでにスリム化されていると受け止めている」という。FNPは、人口8万人以上の市を代表する組織である。FNPのジルベルト・ペーレ事務局長は、市役所が改革に抵抗している背景には、これまで成長を続け今後も成長が見込まれるサービスに対して将来的に発生する税金、市役所として活用できなくなるということへの懸念があると説明する。「(統合するという)提案は、現時点での想定を前提にしている。このため、将来的に期待される税収増に対しては、あらゆる補償が不十分なものになる。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックも、サービス分野の経済活動を加速させている」とペーレ事務局長は説明。さらに、「これは最も将来が有望で、今後最も大きく伸びる税金。なぜなら、サービスは最も成長しているからだ」と付け加えた。市役所は、税金の納付のために5,500もの異なる(しかもそれぞれに独自の徴税の規則がある)法律に企業が対処するためのコストが存在していることを認識はしており、そこで、ISSを徴収するための税率と期日、附帯的な義務を統一する補完法の導入という代替案を提案している。小規模の市役所をまとめる全国市区連合会(CMN)は、補償を条件に改革にISSを含めることには反対してない。CMNのグラデミール・アロルディ会長は、「現在の税収額に対する我々自治体の貢献は、23%だ。ISSが今後も税収増を見込める有望なものであれば、この比率はそれに応じて増加する。仮にISSが統合税に包含されるのであれば、我々の確保する税金は、この比率を上回るものでなければならない」という。連邦政府の経済スタッフによってPIS及びCofinsを統合するCBSの税率が12%と提案された後、様々なアナリストが、ICMSとISSのパッケージングが既定路線となっている付加価値税(IVA)の税率が最悪の場合35%まで上昇すると警鐘を鳴らしてきたことに関して、Consefazのフォンテレス事務局長は、全体の税率に対して評価を下すのは時期尚早だとコメントした。同事務局長によると、「より小さな税率を算出する様々な手法も存在する。IVAとして30%以下の税率で解決できる可能性はある」という。改革に取り組む戦略には疑問が残るアドリアーナ・フェルナンデス*税制改革をめぐるパウロ・ゲデス経済大臣と国会のムードは、「休戦」といったところだが、これをどう審議していくかの戦略では疑問点が多い。ゲデス経済大臣は、手始めに社会統合計画負担金(PIS)及び社会保障負担金(Cofins)の統合を可決するよう圧力をかけているが、国会の有力議員らは、これらを上下両院に対して提出済みの憲法改正案(PEC)に加える方が良いと受け止めている。これら有力議員らは、国会内で支持を集め票を取りまとめるべく票読みをしている。ゲデス経済大臣の提案に含まれている12%という税率にはサービス業界から批評が噴出しており改革推進への抵抗を高めた。企業は、ゲデス経済大臣の提案がサービス業界の税負担を拡大させ、その後は給与税を免除する環境も失われかねないと懸念している。サービス業界は、商品サービス取引社会保障負担金(CBS)の創出と、税率の引き上げを相殺する手段として大臣が約束した給与税の免除を個別に法案化して国会に提出することに不信感を募らせている。対して知事らはすでに、より包括的な改革案を支持する立場を鮮明にしている。審議に関する指針に関して、23日夜に予定されたダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパー州選出)との協議で合意に達した模様だ。連邦政府が21日に提案を示していこう、実際面としては、上下両院で設立した合同委員会内で、下院の憲法改正法案(PEC 45)と上院の憲法改正法案(PEC 110)を統合するという改革の審議には何らの進捗も見られていない。アルコルンブレ上院議長はこの1週間、沈黙を守った。一方のロドリゴ・マイア下院議長(DEM=リオデジャネイロ州選出)は、最近発生した経済大臣との誤解を解こうという態度を見せたが、理想は「支持票を固めるために取り組みつつ」PECとして可決することだと発言した。税制改革の担当者、アギナルド・リベイロ下院議員(PP:進歩党=パライーバ州選出)は、7月第5週にも最初の協議を実施するよう希望している。合同委員会の副担当者で評価担当者のジャジョール・オリンピオ上院議員(PSL:自由社会党=サンパウロ州選出)は、エスタード紙に対して事実上何も決まっていないとコメントした。すなわち、「次のようなことは言える。つまり、会議の日程は完全に白紙だ」。さらに、7月第5週は国会が休会に入らないとしても一層「不活発になる」と強調。「失われた1週間になるだろう」と付け加えた。*ジャーナリスト 

ゲーデス経済相は年内の税制改革承認予想、CPMFの税制支持(2020年7月5日付けUOLサイトより抜粋)

7月5日日曜日のCNNのインタビューで、パウロ・ゲーデス経済相は、年内の税制改革承認を信じている。しかし連邦政府の税制改革の詳細は明らかにしなかった。ゲーデス氏は国会で支持してくれた改革派を称賛、紹介したい。同氏はデジタル取引に関する課税としてデジタルCPMF(金融取引暫定賦課金)呼ばれているが、新しいCPMF税ではないと否定している。これは最も過酷な給与に課される税金を軽減する最良の方法であると説明。彼にとって「給与に課される税金は最も残酷で、醜く、不愉快な砂のような税金でデジタル取引でこの課税システムを代替」で麻薬取引人や武器取引人など誰も逃れることができない。汚職関係者も逃さないと説明している。税金の置換理想は新たな税金を創ることではなく,置き換えること。民政移管から35年間の社会民主、過去5年間の軍事独裁政権の経済政策を批判、自由民主の税制改革を経験する時と指摘。税制改革の柱は「個人富裕層への更なる課税と企業の減税」で雇用の創出と毎朝起きた時に願っているとゲーデス氏は説明している。安全な税制は課税システムの簡素化、利益に対する減税と配当金に対する増税と指摘している。800万人を正規雇用プログラムに含めるCOVID-19パンデミックで3,800万人の非正規雇用並びに3,300万人の正規雇用が明らかになった。この3,800万人の非正規雇用のうち非常に脆弱な700万人~800万人を正規雇用に組み込みたいと指摘。「それぞれ良い面だけを取り出し、排他的にならず」と前政権の良いところは採用。エドゥアルド・スプリシー元上院議員(PTSP)が開発した所得創出プログラムを引用して、「FHCは奨学金学校でシステムを小規模ではじめ、ルーラはボルサファミリアを進めた」と説明した。ゲデスによると、彼が卒業したシカゴ大学のリベラル経済ラインは、常に社会的な側面を持っている。

90日以内に4件の大型公社の民営化プロジェクト実現とゲーデス経済相は語った。(2020年7月6日付けGlobo紙)

CNNとのインタビューで、連邦政府の民営公社売却は予想よりも遅れているが、必ず実現すると強調。ブラジルCNN とのインタビューで、政治グループによって上場企業先が取決めされるのはジャイール・ボルソナロ大統領とセントロン(Centrão:中道多数派)の急接近が影響しているのではと経済相に質問された。ゲーデス氏は連邦政府の目的にはこのリスクは存在しないと否定している。この疑問に対して“大統領がセントロンと呼ばれる中道多数派を探したのは民営化への談合? それは違う。我々は30日、60日、90日以内に4件の大型民営化を行う”と強調した。経済相は、どの公社が売却されるか詳述しなかったが、連邦政府では主要公社の主な収入源に相当する子会社の売却と強調した。我々は素晴らしい資産を抱えている公社を擁している。例えば連邦貯蓄金庫の子会社がよい例です。今年は新規株式公開IPOで200億、300億、400億、500億レアルで資金調達。ブラジル中央電力公社(Eletrobras)よりも遥かに大きいとゲーデス氏は説明している。先週、国会の弁護士達は連邦最高裁判所(STF)にペトロブラス石油公社の製油所売却の差し止め要請書を提出している。差し止め要請書には主要公社を少しずつ売却するために幽霊子会社設立に等しい“ホワイト民営化”に相当すると担当者は批判している。昨年6月に連邦最高裁判所(STF)は、連邦政府による公社子会社の民営化を国会の支持で承認していた。しかし、親会社の売却には国会議員の承認が必要。先週の要求は、連邦政府がこの裁判所の承認を回避したと非難している。経済相は郵便局がパッケージに入るかどうか尋ねられた。ゲーデス氏は入ると回答したが、何時郵便局が売却されるかは言わなかった。郵便局は既に民営化リストにに入っている。税制改革とCPMFCNNとのインタビューで、ゲデス氏は日曜日に再び給与支払い免除に代わる金融取引に対する税金の創生を擁護した。システムと旧CPMFの比較のための議論の停止に不満を述べている。'ゲーデス氏はまた、政権は国会に包括的な税制改革案を送り、この改革案が今年後半に承認されることを期待していると述べた。税制改革について議論する前に、ロドリゴ・マイア下院議長(DEM-RJ)は、下院はこれらの路線に沿っていかなるプロジェクトも導かないと述べた。

ポスト・パンデミックのブラジル:復興 (話し手:パウロ・ゲデス経済大臣 2020年7月5日CNNユーチューブ放送から抜粋)

ウィリアム・ワック:私たちの特別番組、「ポスト・パンデミックのブラジル:復興(O Brasil pós-pandemia: A retomada)」へようこそ。ブラジリアのスタジオには、私と、同僚で総合司会者のラファエル・コロンボがおり、パウロ・ゲデス経済大臣へのインタビューを行いたいと考えます。まずは大臣に歓迎の意を表するとともに、大臣は時間を無駄にするのを好まれないのでさっそく、最初の質問を。パウロ・ゲデス大臣、あなたは、決して誰もうらやみはしないと断言できそうなジレンマを抱えておられます。国民の所得が落ち込んだことで支援を継続する必要があります。過去に行われたことのない様々な改革を実施する必要があります。支出し投資する必要、これは更に大きな規模でということです、が求められています。同時に、歳出上限規定により支出を抑える必要があります。そこで大臣、あなたはこの山積している問題の山の中をどのように分け入って進もうというのでしょうか?パウロ・ゲデス経済大臣:どうもウィリアム。今も我々の主敵が公的支出のコントロール不足だというパンデミック発生以前に下した診断が有効だと、我々は認識している。従って既に我々は、年金制度改革を実施し、政府にとって2番目に大きな利払いを削減する利下げを行った。前者では2019年に7,500億レアル、それ以降は年間600億レアルから500億レアルの支出削減を上積みするよう、年金制度を改革した。2番目に大きな支出は利払いで、我々は官営銀行に対して利下げを奨励、緊縮財政を通じてではなく各種ポリシーの改正を通じてより低い水準で均衡する金利を設定できるようにした。私がそう主張する根拠は、期間全体を通じて金利がより低く、為替がよりドル高のレートだということだ。我々は、不労所得者のパラダイスという状況を終わらせようと取り組んでいる。というのも、過去のこの組み合わせは破局的な組み合わせだっただろう。当時、通貨政策は非常にタイトで、財政政策はルーズだった。従って、金利ははるか上、為替は低いレート。これで脱工業化が加速した。破壊的な条件で雪だるま式に膨張する負債につながった。我々は同様にこのトラップを解体し、これにより金利は急落した。現在の金利は2%弱であり、新型コロナウイルスがなければ2.5%で、同様に低い状況だ。そして最後に、3番目に大きな支出である公務員給与があり、我々は、この完全に混乱した状況下でも対策を推進しようとした。行政改革を断行しようとしたが、先に進めるのは不可能だった。連邦政府による国民へのコミットメントを推進しようとしたが、先に進めるのは不可能だった。そこで我々は、州及び市に対して公的資金を地方交付する反対条件として、健康対策費ということを明確にしてこれが公務員の給与の引き上げに消費されないようにした。これに関して私は、開戦前に勲章を与えるべきではないという表現まで使った。我々は新型コロナウイルスと戦っている。資金は、健康分野で使われるべきで公的機関の職員の給与の引き上げで希釈されるべきではなかった。するとこの会議についても、内容が外部に漏洩した。会議で私は、良かれ悪しかれ我々が3つの支出を管理することになるからこの混乱でも私たちの誰もが主敵とする支出の拡大が阻止される方向に向かって道を誤ることはなく、少なくとも敵のポケットに手榴弾を忍び込ませることに成功したと発言した。我々が主要な支出を制限したその時、新型コロナウイルスが襲来した。さてこれは、君が指摘した別の問題だ。新しい挑戦であり、以前には存在していなかった。リセッションに対する需要の落ち込みという従来型の課題ではない。なぜなら、供給も同様に後退したのだから。経済がシュリンクした。供給が後ずさりし、需要も同様。すべてが縮小した。従ってこれは、過去に経験したことのないショックであり、世界経済においてこのようなショックはかつてなかったものである。国際的な生産チェーンに統合されていないという以前の災いがこの時は福に転じた。10年、15年、20年にわたって発展の足かせになっていたこの問題が、むしろこの時には、グローバル・チェーンに統合されていないことが幸いし、ブラジルでは国外で発生したのと同様のショック状態には至らなかった。当初は国外のショックに直面してブラジル経済が10%のマイナス成長でその3分の1、3.5%前後が国外のショックに由来するものだと言われていた。ブラジルの輸出は、前年上半期とほぼ同水準だ。ブラジルの対米輸出は減少、アルゼンチンのような他の主要相手国への輸出も減少、欧州への輸出もわずかに落ち込んだ。だが中国への輸出は大幅に増加した。アメリカに1ドル輸出する間、中国には3ドルを輸出している。中国は、食肉を必要としている。我々は輸出を拡大中で、鉱物資源の輸出も同様に増加している。従ってある部分では国外のショックがブラジルには到達しなかった。また既に、あらゆる予測において、成長率がもはや10%も落ち込まないとして見直しに入っている。それはおよそ、6強だ。これは、国外の影響がより小さく暴力的なものにならないという、政府の当初の予測に近いものだ。だがいずれにせよ、政策面では劇的な変化だった。我々は構造改革を策定していたところだったが、緊急支援に取り組む必要が生じた。我々は対応部署を組織して緊急支援を発表した。ただこれには批判が多かったように思う。建設的なものであれば批判も大いに役立つのだがね。ただ、パンデミックが公式に宣言されたのは3月11日で、その直後に講じられたという点を考えると、不適切な批判も少しあるように思う。最初の2週間、3週間で我々は、法定準備預金を削減して市場に2,000億レアルを供給した。1,500億レアルの融資、1,000億レアルのクレジットラインを設定した。連邦貯蓄銀行(CEF)により1,000億レアル、社会経済開発銀行(BNDES)により500億レアル。その後更に、1,500億レアルの恩典及び年金の早期給付を実施した。同様に勤続期間保障基金(退職金積立制度)(FGTS)の保険金と、連邦税及び小・零細企業向け税及び賦課金統合納付制度(Simples Nacional)における税金の納付期日を延期した。従って政府は5,000億レアル規模の支援、つまり資金を投入するか納付期日の延期により5,000億レアルを、わずか数週間で構築したのだ。更に憲法に認められた範囲内上の余地もある。これは当時、連邦最高裁判所(STF)の判事が承認し戦時予算法案が批准されていなかったことによる。ラファエル・コロンボ:法人はこの資金を受け取ったのでしょうか、大臣? 個人の場合、ちょっと混乱を目にしましたが…。パウロ・ゲデス経済大臣:はい。法人は初動で即座に。それは、連邦税を徴収せず、更にFGTSの保険金に対する納付期日の延期を通じて直ちに資金が彼らの手に残ることとなり、この資金が既に企業間で循環している。ラファエル・コロンボ:そして小・零細企業(MPE)に対する信用供与は…。パウロ・ゲデス経済大臣:それは第2章だ。そしてそのパフォーマンスは、我々の期待に反するものだった。従って私が第1章と呼ぶ憲法に基づく法体系の枠内の対応段階、別に法を定めて公式に対策資金を予算として確保する以前の段階で、1兆レアルの半分規模を動員した。つまり憲法に基づく法体系の枠内での対応、すべて憲法を侵害することなく我々が実施したのは、5,000億レアルだった。話したように、3,500億レアルが法定準備預金の縮小、クレジットラインの拡大によるもので、更に最も弱い人たち、高齢者に対して我々は2度に分割して給付される13か月給付の1次給付と2次給付の前倒しと、SimplesとFGTSの納付期日の延期で1,500億レアルだ。そのすぐ後に、特別支出を可能にする国権発動、戦時予算体制に入った。我々は1,500億レアルの緊急支援を立ち上げた。この資金は、経済がバイタルサインを維持し、実際にそれを回し続けていくためのものだ。これは月間500億レアル強を3か月にわたって継続し、従って1,500億レアルだった。更に1,500億レアルを州及び市に対して実施し、合計で3,000億レアルだ。更にプログラムを通じて500億レアル、これは非常に成功したプログラムで緊急給付(Benefício Emergencial)と名付けられ、雇用を維持するためのものだった。アメリカで5週間に3,000万人が解雇される一方、ブラジルではこのプログラムによって1,000万人の雇用が守られ、現在までの計算では1,200万人、1,200万人の雇用がこのプログラムによって守られた。しかもこの何10億レアルという支出の雨あられの中、このプログラムは相対的にわずかな金額、総額500億レアルの支出を想定するこのプログラムは今のところ200億レアルという支出で1,200万人の雇用を維持したのである。ウィリアム・ワック:大臣、お話し中ですがここで少しこちらから。大臣は今、更に大きな出血の事態を回避するために大臣と政府がどのように対応したのかについて非常に詳細なお話をされました。ただ、私たちが皆、それを十分に知っていることを大臣もご存じのことと思います。そして、今回の特別企画のタイトルです。どのようにブラジルは復興を進めていくのか、大臣自身も先ほど、その規模が未だに十分に判明していないパンデミックという予測不能な打撃を受けたとおっしゃりました。そして誰もが抱えている疑問は、私は今この時に何をすべきなのか?ということなのです。復興に向けて我が国は、2つのことを同時になすことを強いられています。ちょうど大臣が説明された納税者登録証(CPF)及び全国法人登録台帳(CNPJ)の、緊急支援を最低限度継続する義務があります。同時に、我が国は、民間資本を呼び込むために投資し、資金を投入する必要があります。そこで、大臣の意見を伺いたいと思います。財政に対する縛りを最低限維持するという、大臣がその立場を代表者する側として。大臣は、私たちにあなたがどちらに進もうとしているのか示していただけますか?パウロ・ゲデス経済大臣:我々は、この混乱の中でいかなる時も進むべき道を見失うことはなかった。我々は主要な支出に圧力を加え続けるという見方を維持している。あの混乱の中の最後の瞬間、州と市に対して資金を交付しなければならなかったあの時、公務員給与の引き上げを阻止したのをあなた方も見られたでしょう。それは、3年にわたって公務員給与を引き上げなかった、初めての政権です。発足初年は引き上げられなかった。現在の2年目も調整はなし。3年目の来年は特別支援金で州政府を支援する見返りとして大統領が拒否したのはまさにその部分だ。この膨大な支出は、GDP比12%という基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字と名目赤字、赤字の全体で、GDP比16.5%、ほぼ17%に達する。我が国は、新興国の平均水準と比較して2倍という規模の支出をしており、先進国の平均水準と比較しても10%上回る。このため私は、批判は時に悪く受け取り誇張されたものだと考えている。将来について少し話す前に、現在、何が起こっているかについて話そう。経済活動が井戸の底を打ったのは、4月だったように思われる。5月を4月と比較すると、オンラインで発行された会計監査用販売伝票(Nota Fiscal eletrônicas)から見た企業の取引は既に4月を2桁水準で上回っていた。従って5月は既に、4月をほぼ2桁も上回ったということだ。そして6月は、最初の20日間で既に5月の水準を上回った。それだけでなく、6月は2019年6月も上回った。そしてこのことは、年明けに発表した興味深い数字との類似性も裏付けるものだ。我々は当時、税収が想定を20%上回り、経済成長率は+2.4%と予想していた。従ってブラジルは、既に浮揚し始めていたのだ。あらゆる人がそうじゃないと言い、パンデミックはただの…と言う。このやり取りは、セルフ・サボタージュという国技じゃないかね。違う、成長なんかしていないと言う人がいるが、経済活動は実際に加速していたし、様々な業種で2桁の伸びを示していたのだ。民間による信用供与はあの時、同様に2桁で成長していた。だから私が、「ところで、そのビジネスは民営化する必要があるぞ」と言ったのは、某銀行に対する不満の表れだったのだ。なぜなら民間の信用供与はパンデミックの渦中でも官営銀行の信用供与よりも迅速に成長していたのだ。しっかりと機能している官営銀行を君たちは必要としている。私の発言が漏洩した際にも、別の誤解が生じた。それは、公的資金により航空会社を救済するという、大企業に対する対策だ。政府は信用市場を様々なセグメントに分割した。その最初のセグメントは、中小企業に対するものだ。320万人の小企業の経営者に連邦収税局が連絡を取った。これらの経営者が選んだ銀行に対してSimplesを適切に期日を守って納付している納税者であると連邦収税局が伝えるために何かを要求するのではなく、このように経営者に声をかけるのは初めてのことだった。320万人に声がかけられた。そして次のように伝えられた。「銀行へ行き、月商の平均の30%まで引き出してよい」。というのも、それが国家零細・小規模企業支援プログラム(Pronampe)だからだ。それが支援プログラムのPronampeで、小・零細企業と中堅企業を支援するもので第1弾は159億レアル。それから投資保証基金(FGI)により中堅以上へ1億レアル。更にその後、ようやく大企業への支援に乗り出した。つまり政府がやったことというのは、ケース・バイ・ケース、業界ごとへの対応ということだ。例えば航空業界は大企業だ。内容が漏れたその会議は閣僚級会議でもあり、私は、次のように発言した。すなわち、「我々は公的資金を支払わないし、大企業に資金を与えるものでhないしタダで配るものでもない。我々は大企業を支援することから利益を確保しなければならない」と。ブラジルの世論は、その他の国が行っているような対策を容認しない。例えばアメリカでは、企業を救済するために資金を投入することを認め、与える。航空会社の存続を保証するため、「さあ、ここに10億レアル、20億レアルあるから持っていけ」ということをする。ブラジルの世論は、横領と腐敗行為のスキャンダルがあって以降、そうしたことを許さない。従って大企業を支援しようと考えるのであれば、適切な手段、転換社債に訴える必要がある。これは、アメリカでウォーレン・バフェット氏が例えばゴールドマンを救済するために使用した手段だ。このため我々は、可能な限り、大手航空会社の資本の10%か15%、20%を購入することとし、それが値上がりすればその株式を、つまり転換社債を株式に転換して50%とか100%とかの利益を確保する。私はそう言ったのだ。大企業に対して我々は、支援はするがそこから金も得るのだと。ウィリアム・ワック:ちょっと。ちょっと、この部分に関して私に言わせてください。というのもあなたは現段階で、復興に向けていくつかの道筋を示しておられます。あなたは今、例えば政府がどのように航空会社を支援するか、あるいは復興において大企業を支援するかを例示されました。多くの人が恩恵を受け、企業が一連のプログラムを通じて恩恵を受けつつあることに疑問の余地はありません。ただ多くの人が抱えている大きな疑問は、将来がどうなるのかということではないでしょうか。私が話しているのは、被雇用者と雇用者たちで、彼らは今、パウロ・ゲデス大臣に対してある疑問を抱いています。すなわち、パウロ・ゲデス大臣、朝に目覚めて枕から頭を持ち上げた時、あなたはどのような改革をまず思い浮かべるでしょうか?ということです。パウロ・ゲデス経済大臣:現在の我々が抱えている重大な懸念は、もし君が昨年の段階で尋ねたなら、財政赤字と極めて高い金利、制御を失っている歳出と答えただろう。だが今現在、信じ難いことにそれではない。歳出は異常なほどに高いがそれは私の安眠を脅かすようなものではない。現在、中核を構成する要因は次のものだ。すなわち、雇用及び所得、健康と雇用、所得だ。それでは、我々は何をすべきで、日常的に何を考慮すべきなのか? 大量失業に直接的に作用するためのプログラムだ。ブラジルでは、目に見えない形で大量の失業者が発生しつつある。既に3,800万人が非正規雇用として事実上の雇用状態であった。そこへCOVID-19が到来してその見えざる現象を明らかにした。3,300万人が正規雇用、3,800万人が非正規雇用だというこの現象の大きさを白日の下にさらしたのだ。従って非正規雇用の労働市場、庭師や清掃人、資本や技術なく働いている人、一方は資本もなくはさみで芝生を刈っている人たちで、もう一方はブラジリアの庭園を管理する企業のために働いている人たちだ。そちらは現場に行くバイクを持ち、芝刈り機があり、はさみよりずっと高い生産性を確保している。芝刈り機で芝を刈り、生産性は高く、収入も大きく、社会的包含の対象の一員だ。このような事情から、我々の現在の課題は、社会における立ち位置を引き上げるためのスロープを作ることだ。ブラジル国民は転落した。我々は緊急支援のネットワークを立ち上げた。私は、これらについていろいろと語りたいのだよ、ウィリアム。私は人々の考えを次のようにまとめるため、ひとつ明確にしておこうと思う。すなわち、最初に我々は改革に取り組んでいたのだが、ブラジルに巨大隕石が落下し、このため我々は緊急対策へと舵を切った。そして君がしっかり発言してくれたように、我々は今、それを脱するためにまとまる必要がある。職場への安全な復帰とそれがいつなのかだ。ラファエル・コロンボ:今それは出口ではありません、大臣。出口の確保には時間がかかるでしょう。なぜなら、我々はそれを、すべての人に対する雇用を一朝一夕には作れないからです。そして同時に、これらの人を路傍に置き去りにすることもできません。この2つの道をどう両立させようとお考えでしょうか? 大臣は、レンダ・ブラジル(Renda Brasil:ブラジル所得支援計画)に関して言及されました。この新しい社会福祉プログラムの立ち上げについて、大臣には少し時間を割いて、あらゆる人たちに雇用を創出するために経済が力強く反応するようになるまでの間、これらの人たちに対して政府がどのように対処するのか説明いただきたく思います。パウロ・ゲデス経済大臣:ただ誰も混乱することのないよう、新たに組織化を進めるということだ。第1章は、歳出に打撃を与えるようなものだった。我々は巨大隕石の直撃を受けた。我々は第2章にいる。それは、1,500億レアルという資金の州と市への分散化であり、1,500億レアルの緊急支援であり、2,000億レアル以上の信用供与、更に今1億レアルの緊急支援の拡大、この支援は2か月で1,100億レアルに拡大する。(ラファエル・コロンボ:そしてそれが推進される)そう。我々がここで行う支援は、更に2,000億レアルの信用供与が始まれば2か月あるいは3か月を支える。つまり言えることは、我々の支援の手は、この2か月あるいは3か月と我々が想定する緊急時に幾層もあり、当初の感染マップも増加を想定していたもので、3月に国内で始まった感染が4月から5月、6月、7月の一部まで感染を拡大、9月には突然、感染の拡大と同様の勢いで感染が縮小する。これが最新の見通しとして保健省が提出したものだ。同省を持した過去2人の保健大臣、テイシ保健大臣とマンデッタ保健大臣らが陳述していたのは、大きく感染が拡大した後に今後2か月あるいは3か月で高止まりすれば社会的隔離の新局面に入ったことになる。この最初の感染の波を克服し、ブラジルは今、経済に打撃を与えている第2波に直面しているのだ。パンデミックが始まった時、我々はまさに見えないものの探索を開始し、 3,800万人の隠れたる存在を発見し、その中で当初は恐らく800万以下と見積もっていたものだ。我々はまだそれがどれだけになるか知らない。3か4か、5か、正確にどれぐらいか。だが、これらの人たちはまさに、か弱い個人なのだ。身障者、そして高齢者、交差点の飴売り、既に年齢がいっているために職を得ることが困難な人たちである。であるから、これらの人たちを保護しなければならない。彼らは保護されるべきなのだ。そして彼らは、ボルサ・ブラジルとして家族手当(ボルサ・ファミリア)に加えられるべきだ。そこで我々が最初に手を付けたのは、120万戸を加えることだった。24時間で、100万にプラス20万の家庭をボルサ・ファミリアにさっそく加えた。我々は、不正調査のためのフィルターを置いてその後に給付する代わりに、過剰に認可することを望む。そのための時間がない。政府はすべてを加える。大統領は次のように言っている。「1人のブラジル人とて置き去りにしない」と。そうであるから、すべてをボルサ・ファミリアに加える。それで今、ようやくフィルタリングを実施しており、件数が拡大する。3か4、5つの社会福祉プログラムに集中しようとしているところだ。そしてそれは、より強力かつしっかりと狙いを定めたひとつのプログラムで推進する。ウィリアム・ワック:大臣、少しここで、まさにその話に関連してこちらから知的に挑発させてください。大臣のキャリアをよく知る人にとって非常に興味深いことですが、大臣の働きにはその根底に、大臣がかなり以前に読まれたある有名な著作家の言葉があります。私はその作家をそれほど好きではないのですが、ジョン・メイナード・ケインズという、事実が変化する時に私は意見を変えるという人で、事実が、彼に対する判断を下しました。そして大臣は私たちにそのこと、軌道修正の重要なデモンストレーションを見せてくれました。言いたいことはこうです。大臣は、計画ばかりで進まなかった懸案を推進し、ブラジルをより反映した国にすると提案した政府内で役目を引き受けられた。そして大臣は、途方もない規模の危機に踏み倒されてしまった。大臣は、その現実を認識されています。今、すべての注意を社会問題に注ぐことを強いられています。貧しい人々を支援し援助するより大きなネットワークの必要性を感じておられることをリスナーに対して1分また1分と最後の答えに関して大臣は説明されましたが、それには、大臣は財源を必要とします。私があなたに少し品のない言葉遣いをしているのは、ブラジル社会全体がそれに資金を提供しなければならないからです。俎上に乗せられた提案のひとつは、税制改革です。これは、大臣が少し前に返答の中で言及されたこの方向転換にまさに対応するのに必要なすべての財政的な余裕を作り出します。税制改革で優先しようとお考えの部分はどこでしょうか。そして、大臣の在任期間中にそれを見届けられる可能性はあるのでしょうか。パウロ・ゲデス経済大臣:政府は2020年内に税制改革を可決させると私は考えているが、さて、ここで私はひとつ、しっかりと明確にしておこうと思う。それは次のようなことだ。高学歴のエコノミストと私がふざけて言ったりするわけだが、我々のヒーローたちは依然として学位課程におり、博士課程ではケインズだったり、ジェームズ・ミードであったり、ジェームズ・トビンだったりしたのであり、彼らはすべてサミュエルソン、ケネス・アロー世代、いずれも新古典主義に挑戦したエコノミストの世代だ。フリードマンはケインズが手掛けたアイデアに対する生き残りで、その後の後継者はすべてノーベル賞を受賞したトーマス・サージェント、ロバート・ルーカスの恩恵を受けるという、巨大なシカゴ学派のエコノミストの一団なのだ。さて、シカゴ学派は常にこのように優れた人材を排出しており、セオドア・シュルツ、ゲーリー・ベッカー、ジェームズ・ヘックマンなど、いずれもノーベル賞を受賞。同様に人の重要性について説いており、将来の貧困と困窮を根絶するための若者への投資の重要性、それは単に社会保障によるカバーだけでは不十分だと主張している。同様に、教育、幼児教育への投資も不可欠で、幼いころから教育するほど個人の生活に対する受容能力を高めるとしている。私はその成果物だ。人生を通じて公立学校で奨学金を受けて学んだのであり、すなわち妄信は少ない。ブラジルの政治におけるこの分極化は、ステレオタイプを生み出しただけだった。ああ、リベラル派、それは自由民主主義だ。優れたリベラル派のエコノミストなら、その人物は増税よりも政府支出のコントロールを好むものだ。ブラジルが30年、40年にわたって途切れることなく公共支出を拡大してきたことで税負担を過度に引き上げることにつながった。個々に税科目を雪だるま式に設立し、2度のハイパーインフレを経験し、モラトリアムへと至り、最終的には財政の大穴という墓穴を掘って1人の大統領を弾劾して放り込むところに至ったのだ。このため、それが進むべき道ではないことは明白だ。今、進むべき道は、別の場所だ。かつては公共支出のコントロールだ。それは良いが、今、健康危機という大きな影響を受けている。ケインズは、経済は道具箱のようなものだと発言した。君はそこへ行って18章を探して開き、そこに書かれてある道具で君の問題に対処したまえ。仮にあなたが今抱えている問題が大量失業、社会的格差で、この健康危機がそれをより明らかにしているのであれば、君は、正面からその問題に取り組まなければならない。今、君が安全圏から攻撃しているので私はひとつの例を挙げるとしよう。政府は基礎的財政収支でGDP比12%、財政赤字では恐らく15%か16%になると思われる規模の対策を講じる。だが、これらはすべて来年の対策で使われる弾薬にはしない。従ってこれらのクレジットは年内に実施され、年をまたがない。すなわち可決した財政政策は、12月3日までだ。12月31日にその黄金の馬車は再びカボチャに逆戻りする。そこで君が目にするのは、例えば、2021年には賃金が引き上げられないことであり、金利が引き続き低い水準で推移することであり、社会保障制度は、年金制度改革によって既に特権が拡大するという幻覚を抱かせるような歩調に対する出鼻をくじいており、従ってこれらすべてから2021年は平常のパターンに戻ることを示している。そのため今、健康対策費として州及び市に対して1億5,000万レアルを交付し、その対価として給与を引き上げないことを私は要求した。なぜなら彼らが給与を引き上げると言えば、2020年に健康対策の一時的な支出がある上に今の段階で2021年には恒久的な支出の拡大を想定することになる。とすればブラジルは既に、またも新たに財政問題を抱えることになる。従って我々は、そこには進まない。それは興味深いことだ。社会分野に資金を、それも緊急かつ特段の照準を合わせて使用できる。政府が採用するのは4件か5件の社会プログラムで、レンダ・ブラジルの枠内で調整、補強する。これはボルサ・ファミリア以上に実効力があり、より幅広く対処するものになる。更に所得移転もより高い水準となる。だがこれは、公会計に対して適切なものでなければならない。それが、最優先事項だ。ラファエル・コロンボ:しかし大臣は今、ウィリアムが税制改革に言及した際、そのことについては社会的にコンセンサスがあるように思われますが、 議論は、誰が税制改革で利を得、誰がそれを失うのか、 更に、税制改革に関してボルソナロ政権の意見と大臣の意見はどこにあるのか、 誰が勝者となり誰が敗者となるのかという点です。というのも現在、大臣は所得に対して、消費に対して、過度に課税されていることに同意されました。パウロ・ゲデス経済大臣:消費に対して過度に、そして所得に対して不十分にというのは、経済協力開発機構(OECD)の加盟国の反対、すなわち、先進国の反対だ。ラファエル・コロンボ:例えば所得税、所得税率設定、これには100%の矛盾があると。大臣はそこで3,000レアル強の所得を持つ人たちにてこ入れされるのですが、それは中産階級の個人とみなされているわけですね。パウロ・ゲデス経済大臣:ブラジルは、とりわけ依然として非常に低い水準の所得分位において、不平等の激しい国のひとつだ。今そう表現しているのは君の考え方次第なのだ。すなわち、仮に君が社会民主主義であれば、今、税金を引き上げようと考えて、低成長の罠に、これまでブラジルがはまってきたようにとらわれ続ける判断を下すのは自然なことだ。ブラジルは、30年前に税金を引き上げ、歳出を拡大した。政府は30年前よりも更に歳出を増やしている。政府は巨額の支出をしているが、その使い道は非常にまずい。ラファエル・コロンボ:すると、税金を確保するソースを変えなければならないということでしょうか?パウロ・ゲデス経済大臣:このため、我々が取り組むべきは、これまでの流れを踏襲する方向を志向する改革を進めるべきではないということだ。我々は、増税せず、税率の引き下げと税制を単純化する一方で税ベースの拡大を希望しており、自由民主主義的改革を推進しようと考えており、リベラル派とは、国をより早く成長させて人々が所得移転だけに頼ることなく仕事を通じて尊厳を得ることができるようにできると確信している経済人のことであり、従って非常に高い税負担は、ブラジルで起こったように同時多発的に様々な好ましくない要素と組み合わさっていく。そして極めて劣悪な質のサービスと比べて税負担が極めて重い。政府の支出は大きいが、不労所得者を優遇する社会保障hけの支出が大きく、不労所得者の天国となり、所得移転は起業家を後押しする代わりに既に金をため込んでいる人への移転になっている。同様に公務員の給与は、職種にもよるが民間部門の30%増し、40%増し、50%増し、時には2倍になっており、従って非常に多くを浪費し、その使い道も悪い。このためブラジルは、単純にクオリティーが劣悪な支出に対する財源を確保するために増税するという逃げ道を選んではならないだけでなく、低品質の助成を正しく削減しなければならない。既に所得のある人に所得を分配している、膨大な数の計画を抱える公共政策の再評価。つまり配当問題だ。より多くの資金を持つ人は資本家でありより多くの資本を持つが、彼らは配当に税金を支払っていない。そうなのだ。だが企業は払っている。だがそれは間違いだ。企業が支払う時、投資が減り、成長が削がれ、雇用の創出が縮小する。私は、企業の負担を低減し、そうして生じた金を配当として既に高額の所得を得ている誰かに支払い、その人がより多く負担することを望む。現在、サラリーマンは27.5%の所得税を支払っている。そして時に、既に百万長者である者、時には億万長者である者が、「私の会社が既に支払っている」という主張のもとに配当に対する税金がゼロになる。我々は、企業にこれを負担してもらいたくない。我が国は、企業が資本を蓄積し、投資し、雇用を創出し、ブラジルがより早く成長するよう仕向けていただきたい。我が国は、かの人、富める個人にもっと負担していただきたい。そうした訳であるから、税制改革で我々がてこ入れしている部分はこの種の修正なのだ。ウィリアム・ワック:大臣、まさにそこがポイントです。ブラジルの税制において改正すべきだと大臣がみなされる部分を詳細に言及していただき、大いに感謝しております。ジョークのひとつに、これは大臣も良くご存じのものですが、重税を狂気の沙汰と呼んではいけない。というのも狂気の沙汰のような出来事から我々は逃れることができるが税制から我々は逃れることができないからです。ですから私の質問は、次のようなものです。国会に提出されるべきとあなたがお考えになる部分は何でしょうか。PEC 45のベルナルド・アピー氏のあれこれでしょうか? それは上院で審議されたものでしょうか? 私たちは大臣が、例えば、個人的な交友関係、官公庁の優れた人材と立法府の議長に近しい人物との良好な関係を再び構築したことにとても満足しておりますが、これは、法案の審議を進めていく上で大臣の助けになるのでしょうか? 彼らは私たちジャーナリストに対して、政府は彼らが希望するままを提出はしないと発言しています。パウロ・ゲデス経済大臣:ちょっと、そうではない。事実を明確に理解するのを非常に難しくしているものに政争化があると私は考える。第1に私は、国会は政府を支援してきたと考える。そして政府からも多くの支援を受けてきた。というのも私は、何か変化があるたびに次のようなストーリーがあると認識している。すなわち、メルコスールの合意がかなうと『いや違う。それはずっと取り組んできたことだ』と言われるが違う。8年前からこれら止まっていた。欧州連合(EU)との合意には『それは既定路線だった』と。もちろんだ、20年前からの。年金制度改革が浮上すると、『それもまた、テーメル(前大統領)がやろうとしていた』と。そうだろうが、やらなかった。下水処理事業の民営化も『既に…』、違う。2、3年前から止まっていた。換言すれば、我々には取り組んでいるものがある。政府は取り組んでおり支援も受けているが、この改革は我々の支援によってあそこまで来た。我々は、タッソ・ジェレイサッチ上院議員(PSDB:ブラジル民主社会党)と1年にわたって取り組んだ。政府のスタッフと彼のスタッフが、当時双方から尊敬されていたジェルソン・ケルマン氏を連れてきて彼の抱える流域問題を解決する手助けをした。このように両スタッフは強い協力関係によって作業していた。だが写真撮影をする段になって、多くの写真を撮影して他人の価値を下げようとする人がいる。だがそれは問題ではなく、それが政治というもので、普通のことだと思う。それで私たちが挫けることはなく、むしろ税制改革がなぜこれほど遅れているのかを私たちは明らかにしたと言るだろう? こう言っていただろう。「ああ、1年遅れた。誕生日が巡ってくるぞ。パウロ・ゲデスは、提出し40日で決着すると言っていたのにな」と。では、私が40日で決着すると言っていた条件は何だったかな? 下院は6月末に1次表決で年金制度改革案を可決し、その際、翌週には2次表決を実施して可決すると発表した。その直後、上院のダヴィ・アルコルンブレ議長が次のような談話を発表した。すなわち、私は休会を見合わせ、その休会予定だった日程で1次、2次の表決を実施して可決する、と。そうであれば、下院が2次表決で可決するまでに10日、更に30日の休会が予定されていたのだから、私は40日で税制改革が決着するとコメントしたのだ。だが現実はこうだった。下院で2次表決は実施されず、政治的問題で調整は難航。恐らく、脅威にさらされているのを感じた大統領は否決されるのを避けるため、廃案となるのを避けるため撤回し、遅れに遅れ、ようやく11月末、ほとんど12月になって可決されたのだ。このため政府は、国会内での支持派の取りまとめを完全にやり直し、上院議長と下院議長と合意を交わし、ようやくすべてがうまくまとまった。そして我々はよくやり、首尾も上々だった。連邦協約のPECを3つに分割し、オリオヴィスト上院議員から集中審議対応PEC、オットー・アレンカール上院議員から基金PEC、マルシオ・ビッタル上院議員から拡大連邦協約PECとして上院に提出され、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長の全面的な支持を得て、下院の行政委員会に提出されること、同時に上下両院による税制合同委員会に提出されることに関してロドリゴ・マイア下院議長とも事前の合意を取り付けた。再びすべての歯車がしっかり組み合わさったのだが、そこへ新型コロナウイルスが入ってきた。新型コロナウイルスはブラジル経済に打撃を与え、ある意味でそれは歓迎すべからざる政治的リソースの損失だ。1年前から改革を待ち受けていると訴えたところでそれはお人よしが言うことで、政治家が求めているのは…。緘口令だね。議論そのものが禁じられた。議論というものは、例えば、オンライン取引税、金融取引税は認められるべきだと考えるが、なぜ禁じられるのかについて話すことが、正当な議論ではないか? そういうわけで、PEC...

【論評】将来において経済には、社会的利益の目的を達成するための生産性の再編が求められる(2020年5月13日付けエスタード紙)

ジョアキン・レヴィー*新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックがピークを過ぎれば経済が変化することは、既に誰もが認識している。緩やかに導入されるはずだった技術革新は、劇的に導入を加速した。経済の一部は完全にデジタル化されたか、デジタルインタフェースが大規模に導入された。資産経済の一角を占める金融業界は、融資の承認のようなビジネスの基本的判断を下すために人工知能(AI)を活用することを含め、デジタル化への移行を完了した。物品が構成要素として大きな比重を占める業界では、転換は販売形式、すなわちオンライン化として現れた。公共サービスも同様に、連邦貯蓄銀行(CEF)の支店には長い列ができているとは言え、この方向を向いている。治安面ではカメラの設置や携帯電話の情報、演繹アルゴリズム、公衆衛生ではオンライン診察、通信教育は通常の状況なら10年は掛かろうかというところをわずか2か月で最前線において機能するまでに躍進した。これらはすべて、公共及び民間の雇用に影響を与える。これらの変化に共通することは何だろうか? それが必要と認められた際に生産性が大幅に向上したことだ。では、その続きはどうか? この生産性の向上を継続的に後押しし、社会的利益という目的の達成のために活用すべく、経済は再編を続ける必要がある。19世紀に得られた偉大な経済的知見は、すなわち、富が分配されない資本主義経済の生産性の向上は富の集中と需要の不足につながり、持続的なものではないということである。より高い競争力を確保し競争相手に勝利しようと投資する企業の個人的なインセンティブは、持続不可能な形で導入されることがある。そうであるなら我々は、生産性向上の成果をどのように分配するかというポジティブな問題を抱えている。これが、過去80年の西洋の歴史であった。インフレあるいは資本逃避を発生させるだけにならずに公的債務あるいはマネタリーベースを増やすことを可能にするのがまさに生産性の向上だということは、新しい様々なセオリーでも変わっていない。だが、人々のイニシアティブを生産的な形で振り向ける方法を見つけることができずに肥大した債務だけを抱えてパンデミック前の世界に復帰しようと試みるだけでは、生産性の拡大は見込めない。リスクとなり得るのは、国家に収入が保証された人たちと、残りの人たちがこぞって潮流にあらがう貧困社会だ。これを今のブラジルにあてはめ解釈するなら、誰もが望んでいる発展水準にブラジルを到達させるため、全国的な下水整備など必須かつ不可欠になるとわかっている無数の取り組みに資金を供給すべく新技術の利用を容易にしてその成果を活用することである。それは、単にイノベーションを輸入するだけではなく、高い生産性を持ったサービスを通じた知的社会としての人材の育成と雇用を促進するということである。穀物輸出の大部分が家畜用の飼料用途のため、もし食肉の国際市場が環境問題に対する懸念や研究機関の何らかの代用肉が成功を収めれば、我が国の規格外ともいえる農業分野はリスクに直面することになる。では農畜産の統合だけで十分だろうか? より多くの大豆をバイオディーゼルに使うにしても、20年間の物流の電力化がその計算を狂わせないだろうか?COVID-19によって引き起こされた安全性に対する要求で引き起こされる世界的な生産チェーンの変化について、ここで考えてはどうか? 保護貿易主義を拡大させようというのではなく、安全な供給国としてブラジルをポジショニングさせるのである。ブラジルが足を踏み入れるアリーナは、競争が激しいものの、より高い教育を受けたブラジル人と実業家の新しい世代に雇用を生み出す機会も提供する場所だ。保健分野の投入財業界と設備業界はその先駆けになり、我が国の医薬品業界が再活性化するかも知れない。多くの選択が存在し、冷静な対処とオリエンテーションを民間部門は必要としている。技術はよりよい生活の扉を開けてくれるだろうが、それは口を開けていれば空から降ってくる物ではない。その導入に対するインセンティブの設置、物理的に作業を行うロボットあるいはアルゴリズムに取って代わられ生産能力が過去のものになった人たちへの影響をどのようにチャンスに変え、公正に扱うのかが求められる。何年も前のことだが、人気作家のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、農業が人類に飛躍的な進歩を可能にしたが、生活の質ではむしろ大多数の人々にとって狩猟民だった過去との比較でマイナスの影響を生じさせたと述べた。もし世界が、まだ誰もそれがどのようになるのか誰も知らない新しい社会のありようについて構想しなければ、歴史は繰り返すことになる。その挑戦に立ち向かい、世界の中で新たな立ち位置を確保する勇気を持ち、すべての国民をそのより良い世界に取り込むことこそ、私たちが抱くべき大志であるべきだ。政府と労働者、実業家、科学者、金融業者らをまとめる調整作業に加えて、多くの取り組みと発想が求められるのが明らかだとしても、である。(2020年5月13日付けエスタード紙)*元財務大臣

自殺行為につながりかねない経済分野のCOVID-19対策(2020年4月3日付けバロール紙)

 対策は、オーバードーズで毒にならないよう、薬効が得られるように慎重に定義すべきである。 またその努力は、経済を止めるのではなく促進する方向に振り向けなければならない。会社の現金預金の急激な減少という状況に対し、対策は、一連の議論が訴訟に発展するのを避けるために信用供与を緩和し支払いを迅速化させることを含め、現金預金を再構築させるものであるべきだ。 民事再生の可能性を拡大したり、差し止め命令による契約内容の修正を求める訴訟のハードルを引き下げたり、支払いを停止させるような他の措置を講じたりすることは、自分の足を撃つ行為になるだろう。 企業の債権者もまた企業なのだという自明のことを、我々は思い出す必要がある。仮にあらゆる人が支払いを停止するなら、受け取る人はいなくなり、この危機はさらに長引く。現金預金が不足していることは事実であるが、不払いは、取引先も受け取ることができなくなるために状況をさらに悪化させる。 これらの論争が司法に持ち込まれるなら、裁判所というリングの中で、ありとあらゆる人が同時に、契約内容の修正を求める被告と原告の2役を演じ、民事再生を求める債務者と債権者の2役を演じることになるだろう。 では、どうするべきか? 民事再生及び破産法は、企業経営者から熱狂的に受け入れられ、2008年のリセッションから今日に至るまで、集団で再交渉するメカニズムとして利用することを彼らは学んできた。だが研究によると、民事再生は中堅及び大手企業に対して機能はするが、景気の後退期に直接的な打撃を受ける小・零細企業の活用はわずかである。 零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)のデータによると、ブラジル国内には2017年の時点で640万の法人が存在した。 この内、99%は、年商が480万レアル以下の小・零細企業である。 これらの企業は、国内の民間イニシアティブの正規雇用(1,610万人)の52%を雇用している。しかも、事業家ポータル(Portal do Empreendedor)によると、370万人の個人事業主がいる。 法人の99%を占めるにもかかわらず、個人事業主と小・零細企業が民事再生制度を利用することは稀である。ブラジル法情報学協会(ABJ)がサンパウロ州を対象に実施した研究によると、これらの企業が民事再生の枠組みを利用するのはわずか20.4%にとどまる。これらの法人には法律で特別な手続きが認められているのに、である。またこの研究では、2010年1月から2017年6月にかけて、州全体でこの枠組みが利用されたのはわずか7回(分析は合計906件を対象に実施された)である。特筆すべき大失敗だ。 民事再生が経済危機の処方薬で、99%の企業が小・零細企業であるなら、彼らがその制度の利用を主導すると考えるのが普通だ。そうなっていないのは、その手続きが複雑でコストが高すぎるからだ。それは、竜巻が入り江に到達して、小舟が最初に沈没するようなもので、むしろ指標からは、沿岸警備隊が中規模の船や遠洋航海船だけを救助し、地元の漁船や小さな船を彼らの運任せに放置していることを示している。 では、プログラムはどうあるべきか? 議論すべきことは多々あるが、前提条件は次のようなものだ。すなわち、代償無しに支払いの停止あるいや猶予があってはならないということ。実業家には、割り当てられ事前に定められた割引を通じて、支払いの再開にインセンティブを与えるべきである。迅速に支払うほど、より大きな割引が適用される。個人事業主と小・零細企業に対して優先的に対処すべきである。そして、司法の管轄外で行われなければならない。 ここで先の研究でABJが示した問題にも言及しておく。民事再生の「空走期間」が360日ということだ。この日数には、支払いが始まるまでの2年の免責期間は含めていない。更に悪いことに、債権者から承認された民事再生計画には、最大80%の債務の減免と、債務消化年数が20年に達するものまで存在する。 民事再生は、本当の意味での債務の償還だ。 仮に我が国がこの道を選択するなら、3年間に及ぶ経済の停止にばかばかしい程度の支払いが付いてきて、展望を失うだろう。契約内容の修正を求める訴訟も、同様の命運が待っている。金額の減免が言い渡される可能性が極めて高い最終判決が出るまでに4年。そして、この係争中に多くが破産するだろう。 結論は非常だ。契約内容の修正を求める訴訟を選択した場合、現金預金は再構築されず、支払いは不可能になる。そして一部の人が擁護するようにこの訴訟が一般化すれば、この危機の影響は半世紀にわたって尾を引き、ブラジル経済は救済されるどころか絞首刑に処されるだろう。 従って、一部の法案が提案する方向に沿う形で破産法の改正だけに依って解決を目指すようなことは避けなければならない。その道は袋小路だ。解決策は司法の管轄外で、あくまで、訴訟は傍流にとどめて進められるべきである。国家の役割は、経済の車が息を吹き返し市場の歯車が再び回り始めるよう、外科的手法で短期的に、強力だが素早いひと押しを与えることだ。(2020年4月3日付けバロール紙) マルセーロ・ゲデス・ヌーネス弁護士でサンパウロ・カトリック大学(PUC-SP)法学部教授、ブラジル法情報学協会(ABJ)会長 

【行政改革案で政府が勤続年数を元にした昇進・昇給の廃止を提案】

国会提出の提案では懲戒解雇の場合の年金給付の廃止も盛り込む。 連邦政府が国会に送致を予定する行政改革案で、いわゆる「ペンドゥリカーリョス(ロゼットの意味)」と呼ばれる恩典付与制度をてこ入れし、ブラジルの公共サービスにおいて依然として一般的な慣行である遡及的な給与額の調整を廃止させる方針である。この提案は、連邦及び州、市の公務員に対する規定に効力を及ぼす。禁止されるペンドゥリカーリョスのリストには、勤続年数だけを基準とした昇進及び序列の実施がある。連邦政府は外にも、処罰の一環として年金給付の禁止を提案する。現在、服務上の義務違反を犯した場合に一部の公務員は、年金納付期間の比率に応じた年金受給額を定めて「強制退職」処分を受ける。改革では、公務員の年金受給資格が剥奪される。連邦政府の経済スタッフはこれを、道徳的措置と受け止めている。ペンドゥリカーリョスは公務員の昇給を加速させる支援あるいは恩典である。こうしたペンドゥリカーリョスの一部は、連邦公務員には存在しないが州政府や大都市の市役所で制度として生きながらえているものがあり、現職の公務員だけでなく退職者への支払いという形で財政を圧迫している。ブラジル国内では、年金受給額を上乗せできるように委員会の役職を公務員が「持ち回り」で担当している地域も存在する。経済省のデータによると、11州で既に、経常純収入(RCL)の60%を上限とする財政責任法(LRF)の規定を上回って人件費を支出している。連邦政府は、憲法修正案(PEC)を通じて、公務員のキャリアに益する「行き過ぎた」恩恵の誘導と位置付けた状況への対処に照準を合わせる。さらにPECでは、30日の休暇をブラジルの全公務員を対象に標準化することを想定している。なおこの改革では、裁判官と検察官、国会議員は対象外である。行政改革の第1段階において、これらの公務員は改革の対象から除かれる。当該の公務員に対する規定の変更を定める権限を有するのは、国会議員に限られる。 公務員試験 連邦政府の行政改革案では、公務員試験はもはやキャリア公務員の決定的なスタート地点にはならない。公務員試験の合格者は、一定の期間の勤務の後に初めて、キャリア公務員として認められる。それまでの段階では、当該の役職に対する適性を評価する期間となる。この評価期間はまだ定まっていないが、2年から3年の間で調整中。専門試験に対しては、一切変更は加えない。現在、公務員試験に合格してキャリア公務員になる人は、それ以前に、わずか0.2%しか解雇されない実務公務員(実習公務員)としての経験を持つ。この実務公務員の99.8%は、公務員としての地位で雇用が継続されている。連邦政府の経済スタッフらは、このポイントを行政改革の本丸と位置付け、PECに盛り込む。彼らの判断の根拠は、専門試験を合格してもその役職に適任ではない公務員がいるという点である。連邦政府は、段階的に改革案を国会に送致する判断を下した。PEC意外にも法律と政令に関して、改正案を送致する。キャリア計画と初任給に対する変更は、PECには盛り込まない。経済省のパウロ・ウエベル脱官僚主義及びガバナンス、デジタル政府担当特別局長は、最近のインタビューで、PECを2月に国会へ送致すると政府の見通しについてコメントしている。同特別局長によると、連邦政府はこれらの規定の全てを2022年までに可決、施行するのを想定しているという。2019年にジャイール・ボルソナロ大統領は、「よりマイルドな」内容を要求して提案の国会送致を先送りした。大統領は提案内容に含めることのできない争点として次の3つを指摘した。すなわち、雇用の安定性を失わせること、現職公務員に対する勤続期間の変更、またはポスト数の変更である。言い換えればこれは、現職の公務員に対する解雇の提案が行われないということである。だが連邦政府は、新規に採用する公務員の雇用の安定性に対する制限を提案する。連邦政府は、イギリスとアメリカ、メキシコ、カナダ、ポルトガル、オーストラリア、コロンビアで採用されているモデルとの比較研究を実施した。2024年までに現職の公務員の21%が定年退職するため、連邦政府は、今後数年で公共サービスにおける人的リソースの管理を改善するチャンスがあると受け止めている。上院独立監査協会(IFI)のフェリペ・サルト理事は、「人件費は、歳出の上限、あるいは緊急憲法改正案(国会に対して公共支出の一部を削減するために国会に送致される提案)と呼ばれるものが可決された場合の状況に、強い関連性を持たせるべきだ。こうすることで、国家改造に向けたアジェンダの推進に緊急性が高まる」と話す。IFIは2019年末、国会議員に対する補助金の改革に関するレポートの最初の一部を発表した。第2部の編纂もすでに進んでいる。(2020年1月27日付けエスタード紙)

【2020年のブラジルと世界、そしてあなたの財テク】

国際的な緊張が高まるムードの中でもブラジルは成長に大きな将来性を備えている。ただし、成長の達成には各種の改革を継続していく必要がある。2020年がオクタン価の高い1年になることに疑いを持つ人が仮にいたとすれば、そのような人たちには48時間で終止符が打たれたはずだ。1月2日に米軍の攻撃でイランのカッセム・ソレイマニ司令官が死亡し、世界の金融市場を揺るがす両国の緊張関係が高まり始めた。ブラジルでは、この緊張関係によって証券取引市場が値下がりしただけでなく外国為替相場もドル高レアル安が進み、燃料価格とインフレ、政策金利の動向に疑念が生じはじめた。これらは全て、1月10日以前のことだ。地政学的な緊張は常にブラジル人の財テク資産に影響を与えてきたが、それでも2020年にこの問題が与える影響は、とりわけ、変動利回り商品に投資する170万人、すなわち2018年の投資家人口の2倍に達した人たちにとって重くのしかかってくる。2020年は、株式市場に投資する投資家が増加し続けると見られている。そして確実なことは、経済と政治の方向が、これらの投資ポートフォリオとその他の投資家全員に干渉するという点だ。つまりそれはマーケットが、とりわけ世界的規模の不確実性の影響を受ける1年になる傾向を示している。ブラジルは、こうした緊張の高まる環境下にあっても、大きな将来性がある。経済成長が加速し、金利も引き続き史上最低水準で維持されると見られる。今回の特集でエザメ(EXAME)誌がインタビューした金融市場の60人の人たち(アナリストとファンドマネージャー、ファイナンシャルアドバイザー、エコノミストなど)の意見を平均すると、このような見通しは大きな投資機会につながる組み合わせである。元中銀理事でファンドマネージャーのマウアーの経営パートナーであるルイス・フェルナンド・フィゲイレード氏は、「世界が深刻な景気後退期に入らない場合、ブラジルが受ける影響は小さいか何も影響を受けないし、何かひとつのまっとうな理由に影響されるのではない。我が国の金融市場は重要性が低くとても貧相だからだ」という。エド・クチマ氏は、世界最大のアセットマネージャーで7兆ドルを管理するブラックロックでラテンアメリカの株式ポートフォリオの責任者である。「過去数年、ブラジルの成長に関して大きな期待が生じてはすぐに落胆に取って代わられてきた。この観点から見ると、もしブラジルが必要とする構造改革が国会で可決されれば、国内総生産の高い成長の礎になるだろうし、それが再び外国人投資家を引き付けるだろう」とクチマ氏はコメントした。予測される不安定要素の中心の中でも中心となるのは、アメリカの大統領選挙である。アメリカ経済は、仮に共和党のドナルド・トランプ大統領、あるいは民主党の元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏のような反市場主義の候補者が選出された場合には恩恵を受けるだろう。左派のバーニー・サンダース上院議員、あるいはエリザベス・ウォーレン上院議員のような人物が当選する可能性を高めるなら、ボラティリティーを高める可能性がある。事態が切迫していることで、少なくとも2021年から誰がホワイトハウスを主導していくのかが判明するまで、アメリカと中国の貿易戦争は後回しされる政策として扱われる。その結果、中国政府には、金融バブル対策と重点分野の開発促進など、経済分野の重要な調整作業を進める時間的余裕が生まれる。中国は2020年に6%をやや下回る経済成長が予想されている。一方でイギリスは、欧州連合(EU)からの離脱に向けた準備を進める間、新しい多国間協定をまとめる取り組みに時間を奪われる見込みだ。ブラジル証券取引所(B3:Brasil Bolsa Balcão)のデータによると、変動利回り商品市場から引き揚げられた外国人投資家の資金は、2019年に85億レアルを上回った。反対に、国内の投資家がより大きな役割を担うようになり、個人投資家の人数は2018年のほぼ2倍の水準となる170万人に拡大した。年間を通じてこれらの投資家は、900億レアルに達する42件の新規株式公開と増資に参加するチャンスを得た。ブラジル金融及びキャピタル市場機関協会のデータに基づくとこの規模は、2010年に次ぐ史上2位となる販売規模である。B3のジルソン・フィンケルステン社長は、「2020年について当市場は、発行株式の規模ではなく発行数の増加を予想している。それは、当市場が中堅企業の上場にインセンティブを与えるのを計画しているからに他ならない」という。年間の累積でサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は31.6%の値上がりを記録しており、値上がりが今後も続くだけの勢いがある。複数の専門家が、経営が国内市場との結びつきの強い企業の株式を中心に値上がりしてIbovespaが2020年末時点で130,000ポイントを上回ると予想している。不動産市場が回復したことで、とりわけ下半期には不動産投資ファンドが運用を復活させた。これらのファンドの販売額は、2019年に前年比2倍の360億ドルに達しており、こうした伸びは2020年も維持する見込みだ。変動利回り商品が次第に投資家を惹きつけたため、一方では固定利回り商品がその比重を縮小させた。2018年に社債の発行は全体の89%を占めたが、2019年には68%に縮小した。有価証券の発行が減少する可能性はあるが、2019年10月時点で7億4,500万ドルを管理していたイタウ銀行のルーベンス・エンリッケス頭取によると、引き続き良好なリターンを確保できる可能性はあるという。エァメ誌と共同でゼツリオ・バルガス財団(FGV)の金融研究センターが実施した調査でベスト・アセットマネージャー・オブ・ザ・イヤーに6年連続で選ばれたアセットマネージャーのトップに立つエンリッケス頭取は、「そのために重要なことは、長期債を探すことだ」と話す。しかし2020年に資本市場が利益を生み出す市場であるには、行政改革と税制改革の可決に向けて政府が議会から支持を確保することが重要だ。この部分のリスクは、そのプロセスには長い時間が必要で、しかも市長・市議会議員選挙前に時間を確保できない点である。後に残されるのは、低金利と抑制されたインフレ率、アメリカの選挙に伴って発生する先行きの不透明感からくる為替に対する圧力という1年である。エザメ誌が意見を集めた経済コンサルティング会社3社、MBアソシアードスと4E、テンデンシアスは、2020年に関する可能性の高いシナリオとしてこのように状況を分析した。これら3社は、この基本的シナリオ通りになる可能性を、およそ65%としている。この場合、GDP成長率は+2.3%前後(2021年にはさらに上昇する傾向)で、政策金利は年利4.75%に若干引き上げられ、ドル為替相場は1ドル=4.11レアル近辺となる。このシナリオでは、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利に対する判断を保留し、中国経済は減速するのを考慮に入れている。「世界経済がこのままかやや改善するなら、ブラジルにはより多くの投資が集まる可能性は高いが、短期的にドルが大量に流入するというシナリオは考えていない」と、クレディ・スイスでブラジルの資産管理部門のシルヴィオ・カストロ部長はいう。ブラジルに対する外国人投資家の慎重な態度は、一部には、経済危機に見合われたアルゼンチンと抗議デモの舞台となったチリのように、2019年にその他のラテンアメリカ諸国に対する見通しが悪化したことが影響している。政府が財政均衡を脅やかすポイントまで国会との協調を図ることができなかった場合、経済に対する見通しは著しく悪化する。予想を平均すると、GDP成長率は+0.8%(MBアソシアードスに至っては-0.5%を予想)、インフレ率は+4.77%、金利は1.5パーセントポイント引き上げられ年利6.0%となる。他方、仮により楽観的なシナリオとして、行政改革と税制改革の国会可決に加えて民営化とコンセッションに進捗があれば、GDP成長率は+3.3%で、ドル為替相場は2020年末時点で1ドル=3.74レアルまでレアル高が進む。いずれのシナリオであっても、ポートフォリオを多様化していれば利益を確保できる。BNPパリバ銀行の変動利回り商品責任者、ジルベルト・ナガイ氏は、「証券取引市場には、教育分野や保健分野など例えGDPが成長しなくとも成長し続ける業界が存在する。外にも、とりわけ配電を中心にした電力市場、そしてショッピングモールと衣料品のような消費部門、レンタカー業界等も有望だ」と断言する。固定利回り商品の場合、固定金利証券が有望である。ファンドのペルセヴァラ・アセットのマネージャー、ギリェルメ・アブド氏は、「2045年と2050年償還のNTN-Bの利回りが、インフレに3.5%を上乗せしたリターンだ。素晴らしい収益性だ」と話す。主な投資機会については稿を改めて紹介する。同じく、ゼツリオ・バルガス財団(FGV)の金融研究センターが本紙のために独占的に実施した調査で明らかになった、国内の優良アセットマネージャーについても紹介する。それでは、続きを楽しんで欲しい!「新興国市場はもっと面白い」バンク・オブ・アメリカのストラテジスト、トーマス・ヴァンヴァキディス氏は、2020年は貿易戦争が休戦する1年になる可能性があるものの、アメリカの成長率はより低いものになると予想している。アメリカの株式市場は2019年、過去6年で最良のパフォーマンスを記録した。その成果の大部分は、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げする判断を下したお陰であり、この判断により株式市場は固定利回り商品市場よりも魅力的な存在になった。ただし2019年末にFRBは、2020年を通じて金利に対する判断を保留することを示唆した。その意味で、株式にはどのような状況が待ち受けているだろうか? バンク・オブ・アメリカの為替ストラテジスト、トーマス・ヴァンヴァキディス氏は2019年12月末、サンパウロを訪問した際に「FRBが機能を停止すればアメリカの証券取引市場ではボラティリティーが高まり、より厳しいシナリオが生じるだろう」とコメントした。「利下げは株式市場意外にも影響した。利下げがアメリカと中国の貿易戦争からアメリカ経済を保護することになり、この通貨政策が米中貿易戦争の激化を招いた」という。 エザメ誌 2020年の米中貿易戦争をどのように予想しますか?トーマス・ヴァンヴァキディス氏(T・V) 論理が勝つのであれば、両国間の緊張の高まりに終止符が打たれる可能性はある。それは二国間関係がドナルド・トランプ大統領の就任以前の状態に戻ると言っているのではないし、関税が引き下げられるということですらない。それは休戦だろう。このことは世界経済に対する確実性をより高めるべきで、従ってリスクが縮小し、そして新興市場の資産を運用することが投資家にとってより面白くなるはずだ。 エ誌 休戦が見込まれるのは今回が初めてではありません…。T・V 君のコメントの通りだ。だが関税の新ラウンドが中国だけではなく双方を傷つけるのは今回が初めてだ。アメリカは金融緩和策のおかげで潜在性を超えて成長してきた。ただ、利下げの影響は幕を下ろした。従って2020年にGDP成長率が+1.7%になる可能性がある。この数字はポジティブなものだが、それでも2%という潜在成長率を下回る。従って、仮に関税の新ラウンドがあるなら、成長率はさらに小さくなり得る。さらに選挙イヤーには経済成長率が重要だということを思い出すべきだ。一方で中国は、一部は米中貿易戦争から、そして別の一部は中国政府が推進する構造的な問題による減速で、2020年に+5.6%の成長を見込む。彼らの目的は、それが非常に必要とされる局面で、金融緩和策を使うことだ。エ誌 それに関連して、アメリカの選挙は為替にどのような影響を与えるでしょうか?T・V アメリカの選挙は年間を通じてマーケットのムードを形成するだろう。トランプ大統領が再選されれば、アメリカ通貨は強くなるだろう。それは、言わばパラドックスだ。というのも、大統領はアメリカ経済を刺激するためにドルは弱くあるべきだと主張するが、関税を引き上げるなど彼の採用する政策はドルを強める。同じ理屈で、もし彼が選挙で敗れる場合、こうした政策が見直される可能性があり、ドルは弱くなる。例えば民主党予備選挙のエリザベス・ウォーレン候補の場合、通貨はアメリカ経済を支援するためにより競争力を備えるべきだと公に発言している。エ誌 ではブラジルは、国際的なコンテクストの中でどのような位置にいるのでしょうか?T・V 世界的な先行きの不透明感が緩和されれば、2020年にはブラジルへ新しい投資の波が押し寄せるだろう。私が話をしている投資家の多くが、このところの改革の進捗と、ブラジルの成長の見通しについて好意的に話している。彼らがまだ立ち止まってブラジルに到着していないのは、国際情勢の見通しがより明瞭になるのを待ち受けているからに他ならない。ただ、どの新興国成長市場のパフォーマンスが2020年に良好になるかと聞かれた場合、私は常に、ブラジルがそれらのグループの中に含まれると断言している。この楽観主義派、外国人に限ったことではない。私がブラジルを訪問し始めて7年になるが、国内の投資家がブラジル経済に信頼間を示しているのは恐らく初めてのことだ。これら全ての状況から、当社は、2020年末時点のドル為替相場を3.84レアルと予想している。(2020年1月22日エザメ誌に掲載)

【連邦政府が政府調達を国外に開放へ】

パウロ・ゲデス経済大臣が、政府調達に関して国際的な協定に参加するとコメントした。ただし、このプロセスには時間がかかる可能性がある。ヨーロッパとアメリカ、中国、日本などが署名している政府調達に関する協定(GPA)に、ブラジルが加盟する。パウロ・ゲデス経済大臣が1月21日、ダボスで開催されている世界経済フォーラム(WEF)でブラジルのマスコミに対して発表した。「我が国の全ての調達に対して国外企業の参加を認める。これは彼らを同等に扱うということだ」と同経済大臣は説明した。ゲデス経済大臣によるとこの措置は、ジャイル・ボルソナロ大統領が選挙キャンペーンで公約に掲げた汚職撲滅の一環である。「ブラジルは、ベストプラクティスの一軍として、最初の同盟に参加するのを希望している。これは事実上、汚職に対する正面攻撃だ」と主張した。更に、「ボルソナロ大統領が選挙キャンペーンで掲げた重要な主張は汚職の撲滅であり、汚職の大部分が政府に関係すること、請負事業や公共工事、この種の事柄から生じていると我々は認識している」とコメントした。この判断が一方で工業政策の推進を妨げないかという質問を受けた同大臣は、「君が何を欲しているのかを知りたい」と応じた。「君は、ベストプラクティスを備え、最大限の投資を受け入れ、ビジネスでグローバル・チェーンに参画したいのか、あるいは、選挙キャンペーンの中に指摘された状況、すなわち、2億人の間抜けな人たちがゼネコン6社と6銀行、その他につくすという状態であり続けることを望むのかだ。ノーだ! ブラジルは消費者の犠牲の上に建てられた富豪の工場であっていいはずがない。そして今のブラジルがその状態なのだ」とゲデス経済大臣はコメント。同経済大臣は更に、ブラジルがより高い成長と競争、より良い機会、汚職の撲滅を求めていると発言。「GPAはベストプラクティスであり、政府が何かを調達するごとに全員が参加する。キャンペーンで合意をするようなこと、つまり、君が選出されるように私が手助けするからあとで公金をよこしてくれという取引はできなくなる」という。ゲデス経済大臣の発表は、デリケートな問題をはらんだ交渉の最初のステップであり、完了するまでに数年を要する可能性がある。財とサービス、公共工事に対する入札を外国企業に開放する目的について経済分野の複数の関係者がエスタード紙に対して、最終的により広範囲なサプライヤーを対象により良い価格でこれらのプロセスを進めることにあると説明した。政府の狙いは、政府が調達するあらゆるものをカバーすることにある。すなわち、公社と病院、大学で使用する注射器から機械と装置までが含まれる。「政府は、技術と中間投入財、更に日々の消耗品から交換部品まで、大口のバイヤーだ。そして政府と言う場合、これには、公社と事業団、財団、州、市役所が含まれる」と、経済スタッフ関係者の1人はコメントした。この人物によると、現状では、保護貿易主義と多くの業界のロビー活動によって、政府調達は不適切で高価なものになっていると認識されている。具体的日程は不透明 経済スタッフは、特定の日程に基づいて作業を進めてはいない。この多国間協定に最近になって加盟した国はオーストラリアであるが、その加盟プロセスが完了するのに5年を要した。中国は1990年代から、しぶしぶ交渉を続けている。加盟に向けて生じる障害の度合いは、協定に含まれる財及びサービスのリストに何が入り何を例外とするかを定義する際に生じるいくつかの業界と省庁の抵抗の規模によって変化する。政府関係者はオーストラリアのケースを指標として利用するのは困難と受け止めており、国毎に固有の特異性があるという考えを示した。「この5年の調整期間中、オーストラリアでは4回ないし5回の政権交代があった。このことは調整作業の足を引っ張っており、ブラジルに対するパラメーターとしては役に立たない。同時に、我が国の経済はより多様で、保護貿易主義的な考えはオーストラリア人よりも根深いものがある」という。政府は既に、諸外国の例にたがわず、保健分野と防衛分野で困難が待ち受けていると認識している。世界貿易機関(WTO)の政府調達に関する多国間協定への加盟プロセスにおいて、当該国がこの2分野に関して例外として扱うよう交渉するのは一般的だ。この関係者が強調するのは、この業界の中から具体的に何を外すのかを判断することにあると強調する。政府は、WTOのオプションである多国間協定に対する参加を、ボルソナロが主導する自由化アジェンダの重要なステップと位置付けている。ただし、協定への参加の意思は、今になって現われたわけではない。ブラジルは2017年から、協議に対して間近から充分に注意を払うという目的から、GPAのオブザーバーとして参加している。政府調達に対しても、WTO内で政府が照準を合わせている唯一の多国間協議ではないことも理解している。経済スタッフらは、情報技術分野で協定加盟国が相互に輸入税率をゼロに引き下げることを受け入れるのを含めた、この分野の協定についても評価を進めている。(2020年1月22日付けエスタード紙) 

【米大統領がWEFの50周年記念集会を開催】

ドナルド・トランプ大統領のスピーチは自画自賛と前政権への批判に集中。また中国との合意は前向きに評価。アメリカのドナルド・トランプ大統領が、ダボスで、世界経済フォーラム(WEF)の50周年祝典を選挙用のスピーチの場として利用した。世界各国から訪れたゲストで埋め尽くされた講堂で、トランプ大統領は50分にわたって自身の政権に関する話題を話し続けた。すなわち、過去に例のない繁栄を自身の行政の成果だとし、前回の経済危機以降の雇用の創出の価値を説き、自身をアメリカの労働者の守護者だと紹介し、楽観主義を説き、最後にはこのほど発表された1兆本の植林キャンペーンへの参加を宣言したのである。このキャンペーンは、「緊急事態にある環境の状況」に対する対処の一環として、WEFの創設者、クラウス・シュワブ教授が発表した。シュワブ教授によると、活動に対する呼びかけを締め切る前に、国際的な協力のプラットホームが必要である。トランプ大統領に先立って、スイス連邦のシモネッタ・ソマルーガ大統領も同じくビデオメッセージで、破滅に向かう世界でミツバチやその他の種が絶滅の危機に瀕していることを訴えた。同大統領は世界が燃えていると話し、アマゾン熱帯雨林とオーストラリアの火災をより劇的な例として言及した。同大統領は、「世界が燃え上がっている時、私たちは消防士だけをその対策に当たらせてはいけない」と結んだ。トランプ大統領のスピーチは、まるでフォーラムの半世紀が二次的な出来事であるかのような口ぶりで、ほぼ1時間を割いて彼の政権を通じた大統領自身の成果を話した。前政権について、アメリカ経済を破壊し、外交では、とりわけ国際協定においてでミスだけを犯したかのように言及した。勝ち誇ったように北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を引用し、日本と韓国、イギリスとの交渉を継続していくことを約束した。1年半の交渉を経て中国と近頃まとまった合意について、同大統領はとりわけ強調した。より大きな調達と為替の安定、知的財産の尊重に対する約束という中国政府側の譲歩に言及し、同国のリーダー、習近平国家主席との友情を祝った。「わたしと習の友情は特別なものだ。私がアメリカのためという立場にあるのと同様に彼は中国の立場に立っているが、そのことを除けば互いを敬愛している」。にもかかわらずトランプ大統領は、中国に対して課している関税の「大部分」に関して、「フェーズ2」として知られる「間もなく」交渉が始まる二国間協定の次の交渉が進められる間も引き続き有効だとコメントした。トランプ大統領は、前任のバラク・オバマ大統領の時代に始まった経済回復と、2017年1月に地震が就任する前に7年近くにわたって雇用が純増を記録していたことには言及しなかった。「偉大なアメリカの復活」という時代区分を謳う自身の政権と比して、前政権は停滞と貧困化、アメリカの弱体化を招いただけのように位置付けている。環境問題彼自身が否定している世界の温暖化に言及せず、トランプ大統領は悲観的な予測を批判、自身の政権が自然の保護に敢然と取り組んでいることを説明し、最終的に、シュワブ教授が前日に発表した1兆本の植林キャンペーンに参加することを宣言した。環境は、2020年の世界経済フォーラムの主要なテーマである。経済分野と政治分野、地政学分野、文化分野に対する恒例のディスカッションを取りやめることなく、今回の日程には自然保護への挑戦を扱った多数のセッションが設けられた。アマゾン熱帯雨林は、セッション全体のテーマだった。半世紀を数えたフォーラムを記念して、会合の公式開会セッションには、ローマ教皇フランシスコが間接的に参加した。このセッションの冒頭、ガーナ出身のピーター・コドボ・アピア・タークソン枢機卿が、WEFの50周年を祝うローマ教皇のメッセージを読み上げた。教皇は、私たちは家族の一員として私たちが置かれている状況をいかなる時も忘れてはならず、お互いを気遣うことは私たちの義務であるとコメントした。その上で教皇は、経済的な問題を強調し、あらゆる議論において刷新された倫理に基づく努力を求めた。ローマ教皇のメッセージは全体を通して、フォーラムの活動と国際的な協力と対話の重要性が中心だった。これに対してトランプ大統領の態度は、誕生パーティーの50本のろうそくに対する関心は非常に薄いものだった。(2020年1月22日付けエスタード紙) 

論評【ブラジル工業をめぐるドラマ】

税制改革案の可決と市場の開放に関して財界は口を挟むのをやめるべきだ。アフォンソ・セルソ・パストーレ*大きな困難を伴いつつブラジル経済は回復しつつあるが、工業生産は2010年から2013年に記録した平均的水準をおよそ15パーセントポイント下回って停滞中だ。この実績を、高い実質金利とレアル安の為替相場のせいにはできない。我が国は生産を刺激し資本流入にブレーキを掛ける低金利フェーズに入っており、コモディティー相場の下落と合わせて輸出を活発化する実質為替相場に向かわせる。我が国の工業が失敗した別の理由を探す必要がある。成功を収めた国の歴史は、多くの場合、異端派経済学と保護貿易主義が開発に対する推進力のきっかけになることを示しており、ブラジルもこの「法則」から外れていなかった。1948年から1953年にかけてブラジルでは輸入に対するライセンス交付が行われ、外貨調達に必要だった為替販売約束状(PVC)の競売に置き換えられた。資本財と比べて消費財により多くが割り当てられ、輸入品を代替して国産化するのを後押しし、このスキームは同様の構造を持つ関税制度が1957年に制定されるまで維持された。この段階で我が国は、これまでにない成長を記録した! ところが歴史は同じく、このフェーズが終了すればいずれの国も、韓国とその他の国々と同じく、国際貿易に対して開放しなければならないことを示している。1969年から1973年にかけて我が国は、貿易の自由化に向かうのだという幻想を抱き、コーロル政権下でも再びその幻想に浸ったが、いずれも短命に終わった。現実問題として、軍事政権だけでなく労働者党(PT)政権も、常に、ブラジルの発展で工業が果たすと思われた魔法のような役割を夢見たのであるが、市場の開放と効率の向上に対する刺激策を促進するとは決して約束したことがなかった。我が国は、付加価値に対して天文学的な関税を持つ状況に後戻りし自動車業界ではほぼ100%に達したのであるが、過去数年は、助成とローカルコンテント指標、国内最大手のチャンピオンを優遇するといった非関税障壁による保護主義にいそしんでおり、そのチャンピオンも幾つかは生き残れたがそれ以外は第1ラウンドで早々にノックアウトされた。だがより深刻なことは、開発を促進する手法として過去に工業化の基礎を築いた圧力が、社会的な目的ではなく私的な目的に使われる「縁故資本主義(クローニー資本主義)」に変化したことだ。中央集権化された意思決定と計画経済と比較して市場経済の持つ価値に対して揺るぎない信念を持っているが、私は、政府に対する役割として何らの貢献しないリベラル原理主義に対してはいくばくかの共感も持ち合わせていない。そのために私は、経済分野における政府の介入が常に良くないことだと主張する一派とは大きくかけ離れた立場に立つ。とは言え、財界が個別に判断したことが国全体の目的につながるようにする規則を作るのは政府であり、そのことは労働生産性の平均水準の上昇を最大化するのであって、そのために刺激策の導入は個別の企業に対してではなく社会に対して恩恵を最大化する投資が行われるように考慮すべきだ。ルーラ政権とジルマ政権で行われた過去数年にわたる縁故資本主義には、あるゲームのルールがあった。それはすなわち、特定の企業とって個別に良かったものごとはブラジルにとっても良いとするものだ。この2つの政権のいずれもが、我が国がなぜ発展に失敗したのかという理由に対する診断を実施していない。彼らはただ単に、影響力のある国会議員の誰かを伴うかどうかにかかわらず実業家が、どの、あるいはどんな投資が個人的な観点から収益性を失ったかという理由に対する「判断の根拠」を伝えにやって来るよう扉を開けっぱなしにしていただけだった。その話に政治的に影響力があるほど、メッセージの伝達者としては成功と扱われた。実業家らは、彼らの役割を果たした。結局のところ、企業内統治を成功させる責任は、彼らの株主に対して負うものなのである。ミスを犯したのは彼らではなく、政府だった。我が国の工業が必要としているのは、株主の利益とより大きな利益の追求を保護し、経営陣がこの国全体に恩恵を与える判断を下すためのルールである。財界人は、ベルナルド・アピー氏が提案した税制改革案の可決に関して口を挟むのをやめるべきだし、国際貿易で我が国の経済を開放するよう努力すべきだ。工業が再び発展する道はそこにある。工業部門はベルナルド・アピー氏の税制改革案を支持すべきだ。(2020年1月19日付けエスタード紙)*中央銀行元総裁、A.C.パストーレ& アソシアードスの経営パートナー。隔週で執筆中。

行政改革と税制改革を2月にも議会へ提出するとゲデス経済大臣がコメント

アメリカで10日間の休暇を過ごしたパウロ・ゲデス経済大臣が、1月13日にブラジリア入りし、各種の改革に対する取り組みを再開するとコメントした。同大臣によると、2019年末にジャイール・ボルソナロ大統領が国会送致にストップをかけた行政分野に関する改革の提案は、1月末から2月の初旬にかけて下院に送致する見通し。税制改革に関しても同大臣は、議会合同委員会によって検討することで合意がなされていることから、行政改革とほぼ次期を同じくして法案を提出する考えだ。ゲデス経済大臣は1月12日夜、エスタード紙との電話インタビューで、「大統領は引き続き献身的に改革に取り組んでいる。問題のひとつは政治面でのタイミングで、もうひとつは改革の内容だ」とコメント。「大統領はいくつかの提案を行ってそれらが採用された。(ロドリゴ・マイア)下院議長と(ダヴィ・アルコルンブレ)上院議長も同様に提案を行い、これらもまとめて扱っている。徹底して磨き上げた内容ながらその後に交渉で骨抜きにされるような改革案を送致する代わりに、事前の調整を進めているのが現状だ」と言う。行政改革において現在の公務員に対する既得権を維持することや、税制改革ではかつての金融取引暫定賦課金(CPMF)のモデルを踏襲した税金の導入を排除することなど、ボルソナロ大統領と各党のリーダーらが主張する修正を余儀なくされたが、この2つの改革案は、事実上、合意がまとまっている。ゲデス経済大臣によると、これらの法案の国会送致に対するゴーサインを大統領府から受け取った。舞台裏では、行政改革がチリ全土に広がったものと同様の抗議運動を後押ししかねないことに対して、ボルソナロ大統領が懸念を表明していると言われている。ゲデス経済大臣は過去数週間、行政改革に対する反発を乗り越えるために経済スタッフが他省と交渉してきたことも明らかにした。「我々自身、政府内においてすら、この改革が一般原則に基づいたものであると他省が確認するために彼らと協議する必要があった」と言う。さらに「様々な部署にいる公務員の多くも、同様に提案のチェックを希望し、それを確認できたことに満足した」と付け加えた。法案 2つの法案は、本質的な部分で連邦政府の経済スタッフが発表した最新版の方向性に従ったものになる。行政改革では、新規に採用する公務員の身分保障を制限するだけでなく、現在180に細分化されている職務を30まで削減すること、各自の実態に基づいた公務員の考課に関する新たなシステムの導入、現在わずか30%程度にとどまる初任時と退任時の給与額の差の拡大などが盛り込まれる。税制改革に関して政府は、憲法修正案(PEC)として国会に送致しない判断を下し、国会で既に検討中の2法案(バレイア・ロッシ下院議員によるエコノミストのベルナルド・アピー氏の研究をもとにしたものとルイス・カルロス・アウリー元下院議員のもの)に組み入れる手法を採用する。これについてゲデス経済大臣は、「様々な提案を統合する取り組みに協力する」と話した。こうした取り組みと並行して、経済大臣は、2019年11月に上院に送致した経済対策の進捗にも期待している。その他の変更点として、これらの包括政策では財源の使途に関する拘束力の廃止と脱指標化を確立する。さらに最大で180団体の政府系ファンドを解散させ、非常事態の宣言を可能にすることなどが盛り込まれている。財政問題 深刻な財政危機下で行政府は、公務員に対して最大で1年半にわたって賃上げの承認を阻止することができる。「これら全てを進めていくだろう。議会は、改革を受け入れた」とゲデス経済大臣は言う。このように楽観的な見方をしているものの、2020年10月に実施される統一地方選挙が国会での表決に影響を与え可決が先送りされるという声が、連邦政府内からも出ている。上院で政府リーダーを務めるフェルナンド・ベゼーラ上院議員(MDB:ブラジル民主運動=セアラー州選出)自身、行政改革及び税制改革の表決が11月以降になるとコメントしている。反対に、下水処理分野への投資拡大につなげて大衆への印象操作と選挙戦でのアピールを狙うため、下水処理事業を民間イニシアティブに開放する法案を優先しようという声が高まる見込みだ。(2020年1月4日付けエスタード紙)  

“能力のある女性はもっと高給を取らなければならない” 

          “能力のある女性はもっと高給を取らなければならない”                            ブルーツリーグループの青木智栄子社長は職場における男女間格差是正の必要性を訴えている。(2019年12月8日付けエスタード紙より抜粋)3万5000人が加入するブラジル女性グループでリーダーの青木智栄子さんは、ブラジル企業内での出世やサラリーの男女間格差をなくす重要性を訴えている。青木智栄子さんは、ブルーツリーグホテル網の創設者でブラジルでも最も有名な女性経営者。シーザーパークホテルやウエスティンホテル社長を歴任、また米国並びに日本、フランスで勤務。米国コーネル大学ホテル経営学を専攻。現在71歳の青木智栄子さんは、企業でのキャリアアップを目指す若者に忠告。“全ての女性にとって、今の職務は重要ではなく、働いている仕事内容を好きになり、自分に投資して他の人との違いを生み出す必要がある。それを超えると大きな幸福感に浸れる。また改めに新しいことに挑戦する”と説明している。質問“青木智栄子さんがホテル業界で仕事を始めた時の女性が置かれていた状況は?”回答“あの当時のホテル業界で働く女性は少なく、事務職に集中していた”“1988年にウエスティンホテルを買収する時に、私はシーザーパークホテルの副社長であったが、買収したホテル網には女性のエグゼクティブはいなかった。私はこのホテルには女性ジェネラルマネージャーはいないのか? と質問、彼らは漸く女性のエグゼクティブ採用に必要性を感じて採用した”質問“男性優先の職場環境を変える問題点は?”回答“私を見て下さい。日本女性、背は低く痩身。シーザーパークホテルではマーケティング取締役からキャリアを開始、その後社長に就任。業界内の会合に参加したが男性ばかりであったが、疎外感は感じなかった。しかし私自身が自分の能力不足を感じた。私はもっと勉強も必要性を感じ、また男性達は私の成長を助けてくれた”質問“この長い期間中のホテル業界の変化を感じ取っていたか? 女性が経営陣トップに立ったのはいつ頃?”回答“ホテル業界で女性が経営陣トップに立ち始めた時には私は既に社長であった。業界の多くの女性は観光・ホテル学科を専攻してキャリアアップ。特にマーケティングや営業部門などに進出してきているがまだエグゼクティブは少ない。私の会社では男女のジェネラルマネージャ―職は均衡を保っている。”質問“あなたは女性エグゼクティブのパイオニアであるが、エグゼクティブ環境に於ける女性の進出状況は?”回答 “社会はホテル業界以外にも更なる女性のリーダーを求めている。新しいマーケットへの女性の進出は重要であり、また今後女性のリーダーは急速に増加する。”質問“女性のリーダーやエグゼクティブはどのように増加するか? ”回答“私は3万5000人が加盟、また多くのエグゼクティブも参加するマガジン・ルイザ社を率いるルイザ・トラジャノ会長のブラジル女性グループの責任者、お互いに意見交換した相互援助している。日本では女性の社会進出は難しく、女性のエグゼクティブはほぼ皆無であるが、少しずつ変化してきており、東京都知事には小池百合子さんが就任しているが、その点ブラジルはパラダイス。”質問“女性のリーダー育成は企業それとも政府のイニシアチブ?” 回答“女性のリーダー育成の方程式はない。経験の必要性や公共ポリシーの重要性も。企業の重要性も。企業の大半のエグゼクティブは未だに男性。私は素晴らしい能力を発揮する女性を知っている。全ての分野での変革が必要。企業では男女共の50%の比率で選択することも一手。”質問“ブルーツリーホテルでは男女の格差均衡のポリシーは?”回答“ブルーツリーホテルグループでは女性に対する差別待遇は皆無。重要なことは結果を出すこと。キャリアアップを欲する従業員にはチャンスを与える。男性は女性に学び、女性は男性に学んでいる”質問“男女間での同一サラリーのフォーマットは存在するか”回答“男女間でサラリーが異なるのは不当。女性に能力があれば男性よりも高いサラリーを貰うのは当然。特に米国では能力次第。私のホテルグループでは能力次第”質問“若い人にキャリーアップに対するアドバイス?”回答“若い人にとって学ぶ意欲が最も重要であり、また男女ともに困難に立ち向かう勇気。現在は女性にとって昔に比較してキャリアアップは容易。全ての女性にとって今の職務は重要ではない。やっている職務を好きになること。またキャリアアップのために投資すること”と結んでいる。 

【新経済政策では小規模ビジネスに照準を合わせると経済省がコメント】

Sebrae全国本部は提案とソルーションの議論のための小・零細企業の常設フォーラムを受け入れた。経済省のカルロス・ダ・コスタ経済省生産性及び雇用・市場競争担当特命局長が10月2日、第2回小・零細企業の常設フォーラムの開催に当たって方向を示した。「小・零細企業を対象として含まない政策は存続しない。これが、現在の政府の行動原則である」という。フォーラムは国内すべての小規模ビジネスに対する支援と特別待遇を促進するのが狙い。今回は、フォーラムを構成する各委員会の収支と2020年の年次活動計画に対する提案のプレゼンテーション、その他の取り組みが示された。同局長によるとブラジルは、小・零細企業に関連した方策を推進する必要があり、組織的活動が基本的な重要性を持つという。カルロス局長の言葉を借りると、「我々は競争力と生産性を高める必要がある。このフォーラムは、我々が過ごす今この時のための中核である」ということだ。小・零細企業常設フォーラムに関して零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)のカルロス・メレ総裁は、ブラジルを現状に即して近代化させる絶好の機会だという。「誰もが成長を生み出すよう、ブラジルに求められるものが得られるよう、我々は取り組む必要がある」とコメント。メレス総裁はさらに、大統領府が10月1日に発表したアグロノルデステ(北東部農畜産振興計画)の詳細について、出席者と詳細に関する情報を共有した。Sebraeは、農畜産業の小規模生産者の知識と競争力を引き出すことに主眼を置いたこの計画で、パートナーの1団体でもある。計画では、少なくとも、2万5,000人の事業主が恩恵を受ける。「不況脱出の突破口は、小・零細企業(MPE)だ。我々がブラジルの問題を解決できる」と強調した。開会式には他にも、ジュリアーナ・ナトリエッリ小・零細企業及び企業・手工業開発担当局副局長と、グスタボ・エネ産業及び商業・サービス・イノベーション担当局長、ジョルジーニョ・メーロ小・零細企業支援に取り組む超党派議員戦線会長、エバンドロ・ナシメントSebrae評議会議長が出席した。フォーラムの新メンバーであるジュリアーナ・ナトリエッリ副局長とグスタボ・エネ局長は、提案された政策を議論するという機会を強調した。「MPEを取り巻く現実は異なっている。公共政策を策定するために、その最前線にいる人から話を聞く必要がある」とナトリエッリ副局長はコメント。その発言を受けてエネ局長は、「あらゆる現実に対処し生産性の拡大を促進する国家政策に向かって、我々は取り組んでいく必要がある。信用供与はコストに対してではなく、投資に対して行われるべきだ」と補足した。第3回ナショナル・クレジット・ウィーク会期中、第3回ナショナル・クレジット・ウィークを10月中に実施することが発表された。そのプログラムは、財務管理に関するアドバイスを希望する実業家を支援するための、対面型とバーチャル型のイベントを予定している。Sebraeの活動は、国立経済社会開発銀行(BNDES)とその他の金融機関とのパートナーシップによるセミナー、テーマ別講演会、信用供与のためのロードショー、ビジネスセッション、相談会、融資前及び融資後のワークショップ及びアドバイス、マイクロクレジット(少額融資制度)へのアクセス支援、小・零細企業向け担保ファンドのような担保オプションの紹介といったものがある。2019年10月には、主要なデジタルメディアで利用できるオンライン・コンサルティングと活動支援が始まる。フォーラム小・零細企業常設フォーラムは、補完法第123/06号(Lei Complementar 123/06)により定められ、政令第8,364/14号(Decreto 8.364/14)によって統制されているもので、連邦政府と小・零細企業を支援する国内の各種機関を橋渡しする役割を担う。26州1連邦区ごとに地域フォーラムが存在し、小・零細企業の発展発展を支える国家政策の評価と経過観察にとどまらず、その策定に対する指導とアドバイス、及び調整を目的に掲げる。運営及び調整役のトップは、小・零細企業及び企業・手工業開発担当局が務める。(2019年10月2日付けSebrae広報)  

【CPMF案で連邦収税局局長を罷免 連邦政府は連邦収税局執行部を入れ替えへ】

新税の導入案が下院の各党リーダーから批判の集中砲火を浴びた後、ゲデス経済大臣が連邦収税局のマルコス・シントラ局長を罷免。税制改革案を公式に明らかにしたことのない連邦政府であるが、ボルソナロ政権の発足から9か月を経て、この問題で大統領の経済スタッフ内から最初の犠牲者が出た。パウロ・ゲデス経済大臣が9月11日、租税の簡略化を目的とした税制改革の交渉が閉塞状況にあるのを打開するため、連邦収税局のマルコス・シントラ特命局長を罷免した。廃止された金融取引暫定賦課金(CPMF)と同様の金融取引に対する課税を基本モデルにした新税導入を支持していたことから批判を浴びたシントラ局長は、これ以前、ジャイール・ボルソナロ大統領による連邦収税局への介入に対する抗議として同局執行部が辞任も辞さないと表明して圧力をかけたことから、政府内でも孤立を深めていた。シントラ局長の罷免を利用して、ゲデス経済大臣は連邦収税局の組織再編と局執行部の刷新を進める見通し。ただし同局の改革は「その場の思い付き」で進められるわけではない。同局長の罷免は、11日のエスタード紙がオンライン記事で配信した。シントラ局長の退場で、政府が提案する税制改革からは「CPMFの看板」が取り払われる見込みだ。CPMFを熱狂的に支持するシントラ局長は、税制改革に関する政府の対話窓口になることを下院の各党リーダーから拒否され衝突。上院の各党リーダーと連邦最高裁判所(STF)、連邦会計検査院(TCU)も同様に、同局長を更迭するようゲデス経済大臣に強く求めていた。後任として税制改革の交渉を担当すると目されているのが社会保障及び労働局のロジェリオ・マリーニョ局長である。同局長は2017年に可決した労働制度改革の担当者であり、年金制度改革を2019年内に上院で可決するよう強く訴えている人物でもある。マリーニョ局長は既に、改革の最終案を準備するための政府作業部会の内々の協議にも参加している。ゲデス経済大臣はこれまでにも、仮にシントラ局長が新CPMFの設立に道を開くことができなければ税制改革の交渉で政府を代表する条件を満たさないと出席者らに伝えていた。事の発端シントラ局長の身辺が騒がしくなってきたのは1か月前、ボルソナロ大統領が連邦収税局のリオデジャネイロ地方長官の更迭を求め、家計に対する「無断の立ち入り」監査だと監査官たちを批判したことを受けて連邦収税局役員らが辞任をちらつかせたことからだ。当時、連邦組織において最も重要な機関のひとつである連邦収税局を管理できていないことは、経済大臣にとって明らかだった。罷免の引き金となったのは、連邦政府の税制改革案の要点についてマルセーロ・シルバ次官補が公式発表を待たずに10日にリークし、下院の各党リーダーらの怒りを買ったことである。下院では連邦政府の提案書が提出されるのを待ち受け、かつ、改革の主導権を巡って上院と「乱闘」を繰り広げている状況だった。同日夜には、ロドリゴ・マイア下院議長(DEM:民主党=リオデジャネイロ州選出)が経済省に足を運び、ゲデス経済大臣とマリーニョ局長と協議するに至った。エスタード紙の取材に基づくとマイア下院議長はゲデス経済大臣に対して、金融取引に対する新税の導入に対して公式に反対を表明すると伝えた。この協議前、下院で行われた協議で各党のリーダーらはマイア下院議長に対し、仮に下院議長がリークされた政府の提案に反対する態度を表明しない場合にはあらゆる国会審議が空転することになると伝えた。罷免前の11日朝、マイア下院議長とダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパー州選出)が、CPMFを復活させるという案を非難した。非公式な情報を公表する形となった次官補の発言に関してゲデス経済大臣は、当該の改革案に対する国民の理解を毀損したと受け止めた。ゲデス経済大臣はCPMFを否定する立場ではなかったが、その公表方法に問題ありと判断した。これ以前、CPMFをモデルにした新税の導入に対してゲデス経済大臣は既に賛意を示し、この新税を導入する代わりに給与税の廃止につながり多くの雇用が生まれると主張して大統領からも賛同を得ようと根回ししていた。罷免前日罷免前日の夜にシントラ局長は、ゲデス経済大臣とマイア下院議長の協議を待ち受けるために翌11日の始業後数時間の予定をキャンセルした。同局長は既に、次官補が新CPMFに言及し、導入すると認める発言を行ったことで多くの議論が沸き起こり、自身の進退にもかかわってくることを認識していた。政界やソーシャルネットワーク上では、CPMFの復活を批判する声が広がった上に、批判の矛先はとりわけ、大統領選の選挙キャンペーンを通じてこの税金に反対を表明していたボルソナロ大統領自身に向かうこととなった。11日にボルソナロ大統領はツイッターで、消滅したCPMFをモデルとする新税の導入という考えがシントラ局長を「罷免に導いた」とコメントした。大統領によるとゲデス経済大臣は、「要請に対して直ちに」シントラ局長を「税制改革案に対する見解の不一致」を理由に罷免した。ボルソナロ大統領は、「CPMFの再導入あるいは増税」という手法は税制改革案から外すという決定が下されたと明らかにした。見解の不一致税制改革は、あらゆる面から見解の一致が見られない批判の対象になっており、経済省によるこの問題への対処が雑然と進められていることを示唆している。連邦政府が提案に二の足を踏んでいる間、上院と下院がそれぞれに異なる憲法改正案(PEC)を提出して先に進んでいる。(2019年9月12日付けエスタード紙) 連邦収税局の組織改編で査察調査部門を分離する可能性も浮上ジャイール・ボルソナロ大統領とSTF、査察調査を受ける政治家が連邦収税局の組織改革を要求。金融取引暫定賦課金(CPMF)の新バージョンを導入することに広く反発の声が上がっていることを利用する形で、パウロ・ゲデス経済大臣が連邦収税局のマルコス・シントラ特命局長を罷免し、同大臣が検討してきた税務当局の組織改編プロセスに着手する。連邦収税局には港湾業務と空港業務、租税の課徴業務に携わる職員がおり、彼らがその業務を停止するだけの交渉能力を備えていることから、この改変は、連邦収税局内で新たな亀裂を発生させないためにも即断実行はしないと見られる。そこで浮上している案の1つは、税収業務と査察調査業務を切り離すことである。ただし、現時点では何らの判断も下されてはいない。連邦収税局に対する改革は、連邦最高裁判所(STF)の判事らと、査察調査を受けている政治家らが要求している。同様の圧力は、ジャイール・ボルソナロ大統領もかけている。2019年8月にボルソナロ大統領は、連邦収税局のマリオ・デホン地方長官(リオデジャネイロ州)とリオデジャネイロ州ポルト・デ・イタグアイー税務署長及びバーラ・ダ・チジューカ税務署長の更迭を決定した。大統領は当時、「彼らはバーレ・ド・リベイラに住む私の家族の財務状況に対する無断の立ち入り調査を行った」とコメントした。イタグアイー港の連邦収税局関税税務署は、港湾の水際で密輸と違法コピー品、製品価格の過少申告といった不正だけでなく、民間の武装組織の非合法活動や麻薬取引への対策を進める戦略拠点と位置付けられている。連邦収税局に対する政治任用により、税務当局を統括するより高いポジションにいる税務監査官らはこのように任用が行われた場合に解任されるリスクにさらされている。大量のスタッフが辞表を提出する事態を避けるため、シントラ局長は8月、連邦収税局の「ナンバー2」であるジョアン・パウロ・ラモス・ファッシャーダ副局長を罷免した。Sindifisco全国税務監査官労組(Sindifisco)は11日、シントラ局長の罷免後に声明を発表し、特命局長が任を解かれたことが税務当局にとっては「組織の方向を正しく修正する機会」を示すものだとコメントした。同労組によるとReceitaは、歴史的に最も混乱したと数えられる状況のひとつに置かれている。こうした状況に対処するため、「技術的かつ客観的、特定の人の意見に左右されないガバナンス」が求められていると強調した。さらに声明でSindifiscoは、当局が進める税務監査調査は、社会の期待に応えるための「貴重な資産」になると宣言した。なお2018年末にシントラ氏が局長に指名された際に同労組は、財務を司る大臣が税務監査官から連邦収税局のトップを指名するという2002年から続いてきた決まりを破るものだと、この人事を批判した。(2019年9月12日付けエスタード紙)   

論評【10年にわたって持続する工業の低迷】

アントニオ・コレア・デ・ラセルダ* ブラジル地理統計院(IBGE)が前週に発表した国内総生産(GDP)に関するデータが全体として予想をやや上回る水準だったことから景気回復への期待が高まっていたが、その後に2019年7月の国内工業生産が前月比-0.3%と落ち込んだとするデータが発表されたことでその期待が裏切られた形となった。それ以上に注意を引くのは、工業生産の現在の水準が、アメリカのサブプライムローン危機に端を発した金融危機の影響を強く受けた数年前(2009年1月)と等しいということだ。言い換えると、工業部門は長期の低迷状態にある。我が国は、脱工業化の初期段階にあり、GDPに占める工業の比重は現在およそ10%と限定的で、国際平均の16%や同様に工業の比重が低いと位置付けられるメキシコ(17.5%)と韓国(27.6%)のような国と比較しても低水準なのだ。相対的な比重の低下以外にも、工業生産の質という観点から問題を抱えていることが確認できる。すなわち、中程度から高度な技術を備えた工業がGDPに占める比重は、2009年には11.4%だったものが、利用可能な最新データの2017年には8.1%に低下したのだ。様々な要因が、こうした状況の背景にある。マクロ経済で扱う性質のものもあれば、競争を有利にする政策の欠如に関連したものも、さらには、ミクロ経済で扱う性質のものもある。基本金利は、名目水準で歴史的な低金利であり、理論的には、生産及び投資に対する関心を高めることに貢献するはずだ。ところが、その他の様相がこれに反対する力を生じさせている。第1に、ブラジルの金融市場の歪み、すなわち基本金利と最終的に融資先に課される金利の差が依然として断崖の上と下と言えるほどの差がある上に生産活動ではどのようなものであれ期待される収益性と折り合わないような状況が挙げられる。第2の様相は、生産性向上に対する設備投資は、予想される収益性と同様に将来的に拡大することが期待される需要によって動機付けられているという点だ。需要の回復を示すものは、何もない。まず、既に述べたように信用供与が消費者にとってこれまで以上に近付き難い状態だからだ。その上に、就職活動そのものを断念した人と定職に就けていない不安定な雇用状態の労働者は約3,000万人で、これらを失業者に加えて広い意味で計測した失業率は、これまで以上に上昇している。就労者の収入の調整率も同じく、中産階級の人たちの支出項目に位置付けられる代表的な品目、例えば健康保険の保険料や住居の共益費、学費などといったものの価格の値上がりに追い付いていない。こうした要素は、家計を圧迫し、消費能力を抑制する。それだけでなく、競争力に対する悪材料がある。例えばそれらは、官庁の繁雑な手続き、物流コスト、インフラの不備、税負担による影響その他、我が国と競合する圧倒的大部分の国々よりも劣悪なものだ。諸外国の通貨と比較してブラジル通貨レアルが切り下げられていることは我が国の不利をいくらか埋め合わせはするだろうが、即時性もなければ自働的に行われるものでもない。輸出のパフォーマンスというものには、現在よりもより大きなシェアを確保できる情勢を形成できるように、より積極的な戦略が求められる。国際的な経済危機と貿易戦争、為替戦争に直面し、市場の競争はこれまで以上に激化し、かつ困難な状況を生み出している。工業生産の現在の水準は、10年前、すなわち利益を得ようとわれ先に参加した人たちが引き起こしたサブプライムローン危機の影響を強く受けた時期に等しい。貿易競争力と科学力、技術力、イノベーション力に対する様々な政策を含む、より広い範囲を見渡し考慮した工業政策を掲げた行動計画を、工業の強化に向けた選択肢の議論に含める必要がある。その意味で、旧産業貿易サービス省(MDIC)が現在の経済省に統合されたことは、一部の人の期待とは裏腹に、そこにある問題を見えにくくしているように思われる。付加価値の生成と農畜産業界及びサービス業界との相互関係に対する重要性を考慮するなら、経済の回復に向けた取り組みは必然的に、工業の回復を通じたものになる。(2019年9月10日付けエスタード紙) *博士でサンパウロ州カトリック大学(PUC SP)教育学部理事、現全国経済審議会(Cofecon)メンバーで副議長、著書に「ブラジル経済(Economia Brasileira)第6版」(サライヴァ書店、2018年)などがある。