アルゼンチン、ウルグアイ・ビジネスセミナー開催に40人が参加して開催

在ウルグアイ日本国大使館並びにジェトロサンパウロ事務所、ブラジル日本商工会議所共催のアルゼンチン、ウルグアイ・ビジネスセミナー開催は、2019年3月19日午後2時から4時まで40人以上が参加して開催した。

進行役はジェトロサンパウロ事務所の二宮康史次長が務め、初めに商工会議所副会頭で企画戦略委員長のジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長が、既にアルゼンチン、ウルグアイビジネス環境視察ミッションには10社以上が参加を申し込んでおり、地の利の良いウルグアイは南米の物流拠点、今年のアルゼンチンは10月に大統領選挙で注目を集めており、百聞は一見に如かずとミッションへの参加を促した。

初めに在ウルグアイ日本国大使館 の眞銅竜日郎特命全権大使は、「ウルグアイの魅力と投資環境 ~小さくてもキラリと光るウルグアイ~」と題して、2018年12月に安倍総理がウルグアイに史上初の公式訪問、2018年は日本移住110周年記念式典にホセ・ムヒカ前大統領並びにルーシア・トポランスキ―副大統領が出席、在住日系人460人のうち85人が安倍総理との懇談会に出席。ウルグアイ産の日本への牛肉輸出解禁、酒造・南部美人の久慈社長が震災復興と日本酒の南米市場展開をテーマにセミナー開催、ウルグアイ向け日本酒輸出開始。パロ・セラピー・ロボット開発者の柴田博士を招いて普及活動開始、ジェトロの石毛理事長がウルグアイ訪問。また今年10月の大統領選挙の主要政党・候補者を紹介した。

ジェトロブエノスアイレス事務所 の 紀井寿雄所長は、「アルゼンチンの最新政治経済情勢 ~大統領選をどう見るか~」と題して、マクリ政権誕生直後の2017年上半期まではビジネス環境改善に着手、2017年下半期は政治・経済両輪の安定、経済指標の改善、議会中間選挙の勝利でピークに達し、2019年10月の大統領選挙での再選が確実視されていたが、2017年末期から2018年第1四半期は政権後半戦の挑戦、2018年第2四半期に米長期金利3.0%突破で為替危機に突入、IMFと融資枠合意及び融資前倒し、マクロ経済指標悪化によるマクリ政権の躓きで、今年10月の大統領選挙が不透明となっていると説明。

マクリ政権の目先の優先順位として為替の安定として1ドル40ペソ以内の為替レートの抑制、月間平均2.5%目標のインフレ率の鎮静化、年率40%以下の政策金利の抑制、経済成長よりも財政再建の優先を目指している。

今年8月11日の大統領選挙の予備選挙、10月27日の本選挙、11月24日に決戦投票としてペロン急進派のフェルナンデス前大統領の出馬、ペロン穏健派、与党連合カンビエモスのマクリ大統領出馬による三つ巴戦シナリオ、フェルナンデス前大統領の不出馬のシナリオ、ペロン急進派のキシロフ元経済相の出馬シナリオ、ペロン穏健派と与党連合カンビエモスのマクリ大統領の一騎打ちシナリオについて説明。

また日本とアルゼンチンの「黄金の4年間」の2016年から4年連続の首脳の往来予定、60社に達するアルゼンチン日系企業リストを紹介した。質疑応答では昨年のウルグアイのGDP伸び率、アルゼンチンの通貨不安、インフレが下がらなかった理由、IMF金融融資の必要性、クリスティーナ前大統領の不出馬の可能性、アルゼンチンの為替危機による通貨の海外逃避、アルゼンチン危機にもかかわらず、勝ち組の分野などが話題となった。

在ウルグアイ日本国大使館 の眞銅竜日郎特命全権大使

ジェトロブエノスアイレス事務所 の 紀井寿雄所長

左からジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長/ジェトロサンパウロ事務所の二宮康史次長

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

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