ゲーデス元農相を迎えて昼食会が4月13日に開催

定例懇親昼食会が4月13日に131人が参加して開催、知識豊富で親日家のゲーデス元農相のアグリビジネスの講演に聞入っていた。

 商工会議所の定例懇親昼食会に、ゲーデス元農相を迎えて4月13日正午からインターコンチネンタルホテルに131人の会員化参加して開催された。 司会は平田藤義事務局長が毎回の手馴れた進行手順で滞りなく進め、ルイス・カルロス・ゲーデス・ピント元農相が「農業とブラジルに於けるアグリエネルギー」と題して、幼少の頃から日本人と接し、大学はピラシカーバ農大に進んだが、学友の30%は日系人であり日系人と共に農業を学んできたと述べ、日系人の努力、能力、組織力がブラジル農業の発展に大きく貢献したことを目の前で見ており、日系人のブラジル農業に対する貢献は疑う余地がないことは目に見えていると強調した。

初期の日本人移民は農業分野で計り知れない貢献をしており、若い世代のブラジル人は日本のハイテク産業しか知らないが、60年代のJICA支援によるセラード開発など日本移民のブラジル農業に対する貢献は計り知れないと述べ、GDPの27%はアグロビジネスからの生産であり、ブラジル貿易の輸出の37%は農業関連であり、この15年間で2倍以上に増加した。

2002年と昨年では99%も農業関連輸出が増加しており、世界で唯一、木を1本の切ることなく1億ヘクタール耕作地拡大が可能な国であり、現在、1億2,000万ヘクタールに2億頭の牛を放牧しているが、これを1へークあたり1.3〜1.4頭に引上げると、7,000万ヘクタールの放牧地が耕作地に変換可能でアマゾン流域に及び心配がないと強調した。

広大な耕作可能な国土、恵まれた気候及び豊富な水資源を有しているブラジルは世界でも唯一残されためぐられた国であり、また1960年代の石油危機でアルコール車開発に着手していたブラジルは、新車のフレックス車販売が80%以上に達する現状であり、テクノロジーの蓄積がアフリカやアジア諸国の砂糖キビ栽培の技術蓄積を有しており、砂糖キビ栽培での技術面での協力には欠かせない存在になっている。

 先日の訪日時に色々な政府関係者や実業家と話合ったが、将来的に日本でのバイオ燃料10%の混入の可能性の感触を掴んだが、ブラジルはエタノール供給を独占する意図は持っておらず、熱帯圏の貧しい国もエタノール生産になることを歓迎しており、エタノール生産では最大供給国ブラジルがリーダーシップをとって世界の供給国を引っ張って行きたいと述べた。

 この30年間の農業生産技術の進歩で収穫量は2倍になっており、栽培面積は今までの50%で充分賄える可能性が十分であり、また小型水力発電所建設では再生可能エネルギーで汚染発生させないエネルギー開発で、将来の夢である水素からのエネルギー取得までは主流になると思われる。

 ブラジルの食肉輸出は伸びているが口蹄疫感染で、日本、韓国や米国への浸透が難しいが、日本の食肉検疫は世界で最も厳しくて簡単には食肉輸出できないが、ブラジルはすでに牛肉輸出では世界トップとなっている。 またブラジルと米国やヨーロッパとのFAT締結では、農業部門の合意が障害になっており、ヨーロッパでは農業の平均補助金は34%、米国は18%であり、日本は58%と世界トップであるが、ブラジルは対照的にニュージーランドの2.0%に次ぐ3.0%で世界でも最も農業部門は解放されているが、農業問題が立ちはだかっている現状ではドーハの進展はなく、G20のリーダーを自認しているブラジルはメカニズムを早急につくる必要があると述べた。

 また世界の国々はブラジルの熱帯雨林伐採による砂糖キビ栽培を非難しているが、実際にはブラジルは世界でも最も森林破壊の少ない国であり、欧米諸国から非難される森林破壊は行なわれていないと強調して講演を終え、盛大な拍手を受けた。

 昼食会は特別ゲストのゲーデス・ピント元農相、大竹茂日本大使館行使、西林万寿夫サンパウロ総領事がそれぞれ紹介され、押切フラビオ日伯法律委員長が4月20日に開催される税制セミナーの案内及び月例会の参加を呼びかけた。

 引続いて対会議所代表交代挨拶では、日立ハイテクノロジー・ブラジル社の山田修三新社長,フジフィルム・ブラジル社の野田芳雄新社長、ホンダ・サウスアメリカ社の峯川尚新社長がそれぞれ着任挨拶を行なった。

 続いて新入会員紹会ではマットス・ムリエール・ケストネール法律事務所のマルセロ・アントニオ・ムリエール代表、クイック・トラベル・アジェンシアのマサキ・フミオカ代表、ブッシュマン弁護士&コンサルタント社のマルクス・ヴィニシウス代表がそれぞれ新入会員挨拶を行なった。 

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