サンタカタリーナ視察見学会に40人が参加

2013年7月26日(金)~28日(日)、相互啓発委員会(遠藤秀憲委員長)主催のサンタカタリーナ視察見学会が行われた。会員及び関係者40名が参加。配偶者、家族同伴も多く参加し、多彩なメンバーとなり、ドイツ、イタリア、ポルトガル系移民が多いブラジル南部に位置するサンタカタリーナ州で経済発展に貢献している日系のヤクルトとサンジョアキン農業協同組合(SANJO)の2社を見学した。

26日早朝コンゴニャス空港を出発したグループはフロリアノポリス空港に到着後、バスで標高1300mにある人口16万余の都市ラージェス市へと向かった。昼食後、同市にあるヤクルトのリンゴジュース工場に到着。アンジェロ・ミゲル・バルボーザ工場長と品質管理担当のフェルナンダ・ボルジェス氏に迎えられた。先ずレクチャールームでバルボーザ氏からブラジルがリンゴ生産世界第9位、1980年代JICAの栽培技術支援でブラジルでもふじリンゴ生産が可能となった事や工場概要の説明を受け、その後2グループに分かれ6万6千平方メートルの敷地内を見学。78年にヤクルト社を中心に設立されたフルッチカーザ社を92年にヤクルト社が吸収合併、混濁タイプとクリアタイプのリンゴジュースの他リンゴのエッセンスも製造、消費者向けはもとよりデザート等加工食品の利用を目的に企業向けへも販売している。60トンのリンゴが収容可能な原料投入槽、洗浄、トリミング、破砕、ベルトプレス(搾汁)、パスチャライゼーション(殺菌)、冷却機の工程を一通り見学した。徹底された衛生管理と最新技術による最適化で少人数でも稼働できるストラクチャーが注目された。また、見学中ヤクルト商工社長の天野一郎会議所副会頭からの補足説明もおこなわれた。

27日にはホテルで朝食後、ラージェス市から90キロ離れたブラジルでも数少ない雪が降る町として知られているサンジョアキン市へ。サンジョアキン農業協同組合(SANJO)では清水信良理事長、マサト・タカシカ副理事長、ロベルト・ヤスシ・カトウ財務部長、ヴォウネイ・フランシスコ・ブックハウザー・ジュニア アグリビジネス部門マネジャーに迎えられ、応接スペースにて紹介ビデオを上映後、敷地内見学へと向かった。コチア産業組合解散後、1993年に組合員たちが自ら出資し立ち上げられたSANJOは当初1万5千トンのリンゴ生産、現在は4万トンのリンゴ生産している。フランスから取り入れた最新鋭の機械により洗浄、選別などが行われる。洗浄用の水は1年間同じ水を再利用できる技術を導入しているなど環境保護にも取り組んでいる。一方ワインは発酵、熟成(樫樽とステンレスタンク)、瓶詰め、倉庫などの設備を見学した。最後に試飲ルームへ案内され、サンパウロ市で毎年行われるワイン国際見本市Expovinisで「トップテン2012」の国内白ワイン部門で優秀賞に輝いたMaestrale Integrusをはじめ、ロゼ、赤ワイン、リンゴで作る蒸留酒などまろやかな味から濃いものまでを試飲する事が出来た。帰りの際、同組合の売店にはサンパウロでは未だあまり普及していないSANJOワイン等を購入する参加者らが殺到した。

視察会参加者には見学先の2社からバラエティーに富んだ自社製品のプレゼントが贈呈され、遠藤相互啓発委員長から各社代表者へ感謝状のプレートとささやかな手土産が贈られた。

視察会最終日の28日は人口47万人の州都フロリアノポリス市内見学を行った。同市のシンボルであるルシリオ・ルス橋、カテドラル・メトロポリタナ、公営市場などをエピソード豊富な現地ガイドの説明を聞きながら巡り、最後には牡蠣養殖場を見学した。

3日とも快晴に恵まれた視察見学会の終わりには遠藤委員長が作成した71問に及ぶクイズネタの中から10問を選定し、多数得点者らに簡単な景品が配られ賑わい、28日夜フロリアノポリス空港を発った。

昨年のマナウス経済特区視察見学会に続いて同見学会も成功裏に終わったものの、次回に向けて常に改善を求める為、帰聖後、遠藤委員長より参加者へアンケートが実施され、平田藤義事務局長からは特に女性参加者へ紀行文の寄稿募集が行われた。

~ 視察会参加者 鴨島幸子さんの感想文 ~

出発前に50年ぶりという寒波が来ていたため、友人に「凍って帰ってくるんじゃない?」などと冷やかされながらの出発でしたが、幸いサンタカタリーナでは天候に恵まれ、充実した3日間を過ごすことができました。

到着した空港では、顔見知りの方、初めてお目にかかる方とも和やかにお話しができ、親切な添乗員さんの案内のもと、とても良い雰囲気でバス旅が始まりました。
牛がのんびりと歩く草原など、サンパウロとは全く違う風景を眺めながら、最初の見学地ラージェスに到着しました。
ラージェスのヤクルト工場では、りんごの甘い香りが漂う中、りんごが浮かぶプール(洗浄中)、ジュースの大型絞り器などを、女性社員の方の丁寧な説明と共に楽しく見学させて頂きました。衛生管理が行き届いていることに、大変感銘を受けました。

翌日は再びバスに乗り込み、パラナ松が群生している山岳地をサンジョアキン農協へと向かいました。
農協に到着する直前で、ガウーショのお祭りパレードに遭遇しました。町の人々が自慢の愛馬に跨り、誇らしげに行進している様子は、とても見応えがありました。楽しいハプニングでした。
農協では、りんごの洗浄、選別、保管。また、ワイン製造の過程も見学させていただき、ワインの試飲もさせていただきました。
日系人の方々の長年の努力でりんご事業が成功し、さらに事業を拡大すべく活躍されているご様子に感動いたしました。
普段からミッキーマウス印のSANJOりんごを購入しているので、清潔な工場、近代的な設備を見せていただけて良かったです。

その後、農協から一路フロリアノポリスへ。
ホテルに到着したのは、名物エビ料理の夕食を済ませた後、22時過ぎでしたが、ホテルの皆さんにウエルカムドリンクと日本風な素敵な飾り付けで迎えていただき、大変嬉しく思いました。

最終日のフロリアノポリスは穏やかな雰囲気が漂う美しい街でした。コパカバーナを思わせる海岸線、古い街並み、真っ青な海と空。ガイドさんの説明も楽しく、初めてのサンタカタリーナはとても良い印象でした。
楽しみにしていた牡蠣ランチでは、レストランのご主人自らが採りたての牡蠣をその場で開けてサービスしてくださいました。ボートで海に出て、牡蠣の養殖場も見せていただきました。潮風がとても心地良かったです。

今回の見学会では、たくさんの会員の皆様とお話ができ、大変有意義に過ごさせていただきました。
また、見学先では沢山のお土産もいただき、歓迎してくださったこと大変感謝いたしております。
遠藤様始め、役員、事務局の皆様には大変お世話になり、心より御礼申し上げます。

かもしま

 

(Fotos: Seidi Kusakano/CCIJB)

 

バルボーザ工場長(右端)より説明を受ける参加者-左端に立っているのは天野社長とボルジェス氏

 

 

左からプレートを贈呈した遠藤委員長と受け取る天野社長とバルボーザ工場長

 

 

ヤクルトリンゴジュース工場にて記念撮影

 

 

SANJOのリンゴ工場

 

 

ワインを熟成させる為の樫樽

 

 

遠藤委員長から記念プレートを受取る清水理事長

 

 

エルシリオ・ルス橋をバックに記念撮影

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=38350