シゲアキ・ウエキ元ペトロブラス総裁の岩塩下海底大油田発見の講演に120人が参加

11月の懇親昼食会は14日正午からインターコンチネンタル・ホテルに120人が参加、特別講演は1979年から1984年までペトロブラス石油公社で総裁を務めたシゲアキ・ウエキ元鉱山動力大臣が「最近のブラジル沖岩塩下海底大油田と天然ガスの発見について」と題して、カステロ・ブランコ大統領から始まった軍事政権から民政移管前の最後のフィゲレード大統領の20年間はペトロブラス総裁には軍部から選出されていたが、民間並びに日系人から初めて総裁に就任した。

ウエキ元総裁はペトロブラスしか7,000メートルの深海海底油田の開発技術を持っていないのかとよく質問されるが、石油メジャーはハイテク技術を持っており、ペトロブラストと同じレベルの技術を擁しており、米国メジャーのシェブロンはメキシコ湾沖300キロの深海7,000メートルから6万バレルの原油を生産している。

また岩塩下原油生産には生産コストが高く、コスト面からバレル当たり60ドル以下では採算が合わないと議論されているが、ペトロブラスのガブリエル総裁は原油価格30ドルまでは採算に見合うと見込んでいるが、私は採算コストを35ドルと予想している。

30年前のガイゼル軍事政権時のセルジッペ州内の石油生産コストは3.50ドルだったが、中近東からの輸入原油は2.0ドルであったが、ブラジル国内での石油開発を前進させるために継続、その後の国際石油価格は12ドルまで上昇、現在の石油価格は一時の150ドルから60ドルを割っているが、ペトロブラスは50ドルを割っても岩塩下原油開発を進めなければならない。

ブラジルの原油埋蔵量は岩塩下原油発見後に飛躍的に伸びているが、ロボン鉱業エネルギー相は1,500億バレル、ブラジル石油監督庁(ANP)では800億バレルを見込んでいるが、私は岩塩下石油埋蔵量を含まない埋蔵量はペトロブラスが発表している40億バレルから120億バレルが正しい埋蔵量と見込んでおり、1969年のペトロブラスは日産16万バレルを生産していた時期の埋蔵量は8億バレルであった。

ペトロブラス総裁時はリオ勤務であり、家族がサンパウロに住んでいるために、フィゲレード大統領に日産50万バレルまで生産を上げたら、辞任を受け入れてほしいと頼んで半年の任期を残して生産目標を達成したが、任期を全うしてくれと頼まれ、その御礼に日本、オーストリア又はブリュッセルの大使就任を進められたが、サンパウロに早く戻るためにオーストリア大使を選んだ。

2007年12月の石油埋蔵量は140億バレルが確認されており、日産180万バレルから190万バレルで自給率はほぼ100%に達しているが、外国の原油埋蔵量は減少してきているが、ブラジルでは上昇してきているが、エネルギー資源大国のブラジルの1人当たりのエネルギー消費は1,200キロワットから1,300キロワット、石油換算で年間1人当り8から9バレルに相当するが、米国では50バレル、日本はブラジルの4倍の35バレルに相当するので、自給率達ししても素直に喜べない。

世界の水力発電所、太陽光エネルギーなどの代替エネルギー、再生可能エネルギーは13%であるが、今後25年後には25%から30%に達すると見込まれているが、ブラジルの代替エネルギーは52%に達しており、特に水力発電所は5万メガワットで100万バレルの原油消費に相当するために、世界でも最もクリーンなエネルギー国となっている。

4ヶ月前にゴールドマン・サックス証券は石油価格を200ドルまで上昇すると予想していたが、石油価格が100ドルに上昇した時に、私の計算では1人当たりのエネルギー消費が年間50バレルX100ドルで5,000ドルに達して、サラリーの20%がエネルギー消費代では可笑しいと思っていたが、今では52ドルにまで下落、コモデティも30%下がっているが、今後もまだ下落すると予想している。

今後の経済については金融部門の9月の損害が7,000億ドルでサブプライムではなく、優良住宅ローンのプライムの損害が1兆ドルに達しているために大きな問題を抱えており、1969年の世界のGDPは12兆ドル、昨年のGDPは48兆ドルに達したが、金融危機の影響で銀行株などは1/4まで下げており、今後も株価は下がると見込んでいるが、実体経済に及んできている。

40年前はコーヒーやトウモロコシなどの先物取引しかなかったが、90年代には先を争って先物取引に走って、投機ブームに釣られて投資、昨年の金融部門への投資は世界のGDPの11倍に相当する550兆ドルに達していたが、1万1,000のヘッジファンドのうちではすでに2,000のファンドが破産しており、今後益々破綻するヘッジファンドが増加するが、来年はもっと悪くなるために現金確保を薦めている。

4億人分の食料生産大国のブラジルは化学肥料の80%を輸入に頼っているが、国内での生産を上げる必要があり、2050年には人口が2億5,000万人に増加するが、輸出するほどの食糧生産が見込まれており、その頃にはブラジルは世界の経済大国になっているために、海外から多くの出稼ぎが集まり、またルーラ政権の貧困家庭支援プログラムは子供が学校に行くのでよい政策であり、教育を与えないと大志を抱かなくなると結んで講演を終え、田中信会頭から記念プレートが贈呈された。

懇親昼食会は正午過ぎから平田藤義事務局長の司会で開催、初めに特別ゲストのシゲアキ・ウエキ元鉱山動力大臣、サンパウロ総領事館の丸橋次郎首席領事が紹介され、山田唯資監事会議長が10月15日に開催された監事会での第3四半期の会計監査結果を報告した。

3分間スピーチではブラジル日本青年会議所のマルシオ・マサユキ・ヨシェン会頭が「青年会議所新プロジェクト」として11月17日午前8時から午後6時30分までリべルダーデ区タマンダレー街688番で、日本ブラジル企業活動イベントとしてシゲアキ・ウエキ元鉱山動力大臣、世界的なハワイアナス・ブランド確立で著名なアンジェラ・ヒラタ女史、China-In-Boxの創業者ロビンソン・シバ氏が講演会を開催、日系大学教授が参加するワークショップ開催、また青年会議所では12月7日にブッフェ・コロニアルで忘年会を開催、青年会議所では来年の企業活動関連MBAコースへの参加を案内、パウロ・小林協会との共催で100周年折り紙促進ムーブメントなども紹介した。

イザベル・デ・アウメイダ理事はマネージャー社からリカルド・シャビエール・RH社への社名変更について、マネジャー創設のリカルド・シャビエール社長はブラジルでのヘッド・ハンティングの代名詞となっていたが、惜しくも昨年に鬼籍入りしたが、リカルド・シャビエール元社長に敬意を表する意味で社名変更を行なった。

会社代表交代ではキクチ・ド・ブラジルの黒田猪津雄社長が帰国挨拶、秋田龍一新社長が就任挨拶、ワールドカップ終了1週間後の2002年7月に赴任して、6年半のブラジル戸田建設の阿部勇社長は商工会議所では建設不動産部会、異業種交流委員会で大いに活躍されたが、ブラキチの阿部社長は後ろ髪を引かれる想いで来月12月に帰国の途に着く。

新入会員紹会ではテイジン・アラミド・ド・ブラジル社のアントニオ・カルロス・ゴジーニョ社長、シマノ・ラテンアメリカ社のファービオ・タカヤナギ社長、エプソン・ド・ブラジル社の小池拓之社長がそれぞれ入会の抱負を述べ、最後に平田藤義事務局長はGIEの佐々木修元委員長の代わりに、11月10日午後7時から10時過ぎまでアメリカ商工会議所に300人が参加して開催された「ハッピー・マンデイ・ジャパン」は大成功裏に終了して、スポンサー企業や物品提供企業に対して厚くお礼を述べた。

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講演する元ペトロブラス総裁のシゲアキ・ウエキ元鉱山動力相

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120人が詰掛けた懇親昼食会の様子

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左から元ペトロブラス総裁のシゲアキ・ウエキ元鉱山動力相/田中信会頭/丸橋次郎首席領事

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