セアラ州ペセン港湾産業コンプレックス訪問

2017年7月18日に、ジェトロサンパウロと日本商工会議所は、MDICの協力を受け、セアラZPE(輸出加工特区)やその特区内にあるペセン製鉄所(Companhia Siderurgica do Pecem, CSP)、セアラ州のペセン港と特区を含んだペセン産業コンプレックス(Complexo Industrial e Portuário do Pecém, CIPP)、そして連邦技術訓練キャンパスを訪問し、ブラジル北東部への日系企業の進出や投資の可能性を実感してきた。

初めに、フォルタレーザ市にて、セアラ州投資経済局長であるセーザー・アウグスト・リベイロ氏と面談、セアラ州の一貫した産業政策について説明を受けた。北東部でのロジスティクスハブとして、ドイツ空港運営会社のフラポート社がフォルタレーザ空港のコンセッションを落札し、現在投資計画が進められている。またペセン港は、ロッテルダム港湾と協力するプランを敷いて、インフラ整備に力を入れていることを強調した。また、その他、セアラ州の教育水準の高さをアピールし、フルーツ産業、水資源産業、風力発電などにおいてもポテンシャルが高いことを説明した。最後に、セアラ州の潜在ポテンシャルに関する情報が少なく、南東部と比べて投資誘致の難しさを語り、ジェトロやカマラとの協力体制を敷いて、今後更なる交流を図っていくことを約束した。

次に視察一行は、約1時間かけてペセンへ移動、アントニオ・バーマン議員並びにセアラZPEのマリオ・リマ社長他、ダイレクターと会合を持った。特に、ブラジルZPEの成功例であるCSP社と今後のセアラZPEのポテンシャルについて意見交換会を行なった。

CSP社では、リカルド・パレンチダイレクターのガイドの下、製鉄所構内をマイクロバスで移動し、高炉や制御室などの視察を行なった。CSP社は、Vale社並びにPosco社、Dongkuk社のジョイントベンチャーで、特区の恩典を受け、鉄鋼スラブを競争力のある価格で、全体の約95%輸出している。Vale社の強みである原料供給やブラジル政府との連携、Posco社の強みである製鉄所のエンジニアリングと事業計画、Dongkuk社の強みである販売網が上手く機能しており、北東部で初めて建設された製鉄所で、経済効果や雇用効果もあり、セアラ州政府から多大な支援を強く受けていると感じられた。

次に訪問したペセン港では、CSP事業以外の事業拡大を見込んでの拡張計画が進められていることが見受けられ、ロッテルダム港湾と協力をしていく計画があるとの説明があった。最後に、州政府が資金援助をしている連邦技術訓練校も訪問し、産業開発と伴に人材育成制度の準備もしていると説明、日本からの企業進出や投資に向けたメッセージを送っていた。

参加者は、二宮康史政策対話副委員長(ジェトロサンパウロ)、事務局から平田事務局長、吉田調査員

セアラ州投資経済局セーザー・アウグスト・リベイロ局長と面談

アントニオ・バーマン議員並びにペセンZPEのマリオ・リマ社長、ZPEダイレクターとの集合写真

ペセン製鉄所構内の様子(ミクロバスより)

ペセン製鉄所構内

ペセン製鉄所構内(高炉)

輸出向けに並べられた鉄鋼スラブ

2016年6月20日製造鉄鋼スラブ第一号記念碑

制御室にて

ペセン港

ペセン港

連邦技術訓練校

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=43224