セニブラ 20万トン増設記念式典を盛大に挙行

セニブラは1973年、日本側投資会社日伯紙パルプ資源開発株式会社(JBP)とリオドセ社の合弁企業としてスタートした。その後2001年にリオドセ社がセニブラ株をJBPに売却したため、セニブラはJBPの完全子会社となった。

セニブラ(フェルナンド・フォンセカ社長)は数年前より年産200万トンへの生産拡大プロジェクトを検討しているが、その長期計画の延長線上として20万トンの増設を計画、今年1月にその増設が実現し年産114万トンの体制となっている。

5月31日、セニブラは株主をはじめ従業員、ミナス州副知事や地元市長また在ブラジル日本国政府関係者ならびに当会議所関係者等大勢の来賓を ミナス州ベロオリエンテ市にある同社工場に招待、盛大な20万トン増産記念式典を行った。

株主をはじめとする一行を乗せたBRA航空会社のチャーター機は同日午前9時にグアルーリョス国際空港を出発、10 時過ぎにベロ・オリエンテ市のセニブラ工場に到着、11時より式典がスタートし、ブラジル並びに日本の国歌吹奏後、会社案内のビデオが流された。

続いてフォンセッカ社長が挨拶、今回の20万トン増設には3億2千万ドルを投資、増産分は全て輸出に振り向け、レアル高による収益性の圧迫は生産性向上で乗り切る覚悟だと抱負を語りながら力強く宣言した。 

また笠戸丸入港に遡る日系移民の歴史にもふれ、海外最大の日系人の活躍を称賛、移民100周年には 日伯双方で何かを実現できる「生きた見本」であると確信、ブラジルの気候や土壌、質の高い労働力を考慮したうえで日伯合同プロジェクトの輝ける未来への可 能性を示唆した。 

また王子製紙の鈴木正一郎会長は、セニブラの今日があるのは、工場建設当時から勤勉と誠実な両国民のお陰だと感謝の意 を表明する一方、現在の世界経済の中でブラジルに熱い視線が注がれている折、ルーラ大統領を表敬訪問、今回の20万トン増設により年産114万トン体制が 確立された事を報告したうえで、税制や労働改革、為替、インフラ、治安など投資環境改善も要請、その一つ一つに丁寧に応えた大統領の熱意と人柄には印象的 だったと語った。 

引き続き島内 憲大使が祝辞を述べた後に、ミナス州知事の命令で同式典に出席したアナスタジア副知事 からも増産体制確立の祝辞とミナス州経済の発展に寄与しているセニブラへの賛辞が述べられ、投資家をさらに安心させる投資環境整備に努めると明言、12時 30分式典は無事終了、工場敷地内の会場で行われたカクテルパーティーでは、小林栄三 伊藤忠社長の挨拶の後、フォンセカ社長とアナスタジア副州知事3人 が揃って小槌を片手に鏡割りを行い、参加者全員がセニブラの更なる発展を祈り祝杯をあげた。

懇親昼食会を後に、一行はセニブラの工 場をバスで 視察、装置産業化された工場や装置の規模に圧倒され、CBC重工が設置した1万トンにおよぶ鋼材が使われた超大型ボイラーは高さが75 メートルもあり、偉容を誇る典型例であった。また最終工程においては人影もなく、ロボットだけがラインから流れ出る 紙パルプの山を梱包している生産現場 は、まさに装置産業そのものであった。この後、ユーカリ苗畑を見学、地域の気候や土壌に適応した品種改良されたユーカリは、セニブラのバイオ技術水準の高 さを物語っていた。

イパチンガ空港からサンパウロに同チャーター機で移動した一行は午後 6時半過ぎガルーリョス空港に到着、市内のインターコンチネンタルホテルで、 午後8時過ぎからセニブラ株式ミッションと会議所幹部による懇談夕食会が開かれ多数が参加した。

JBPへは王子製紙と伊藤忠商事を中心に民間企業15社と国際協力銀行が出資しており、セニブラのユーカリパルプの生産・販売量は現時点でアラクルス社に次ぐ世界第2位となっている。

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