TDBがエティオスをファミリー・カーに育てる決意で国内第3番目のソロカバ工場を竣工させたのが今から4年前の2012年8月9日である。
その当時の竣工式で、アルキミン サンパウロ(SP)州知事と同州政府投資誘致機関(Invest Sao Paulo)の総裁や来賓を前にソロカバ近郊のポルト・フェリス市に年産20万台規模のエンジン工場建設(約10億 レアルの投資額)にあたってインテンション・プロトコールに調印したのはまだ記憶に新しい。
このプロトコールは本日、見事にテープカットされた。一次、二次請け(Tier1、2)のサプライヤーをはじめTDBおよび業界関係者、また政府関係者、商工会議所の関係企業など約300名が駆けつけ盛大な竣工式が執り行われた。
2014年のSP州知事選挙で再選を果たし、昨年から向う4年間に亘って続投続けるアルキミン知事は感慨深く祝辞を述べ「TDBはこのポルト・フェリス市に5億8千万レアイスを投じ、320人を雇用するエンジン工場を建設した。トヨタが海外第1号の工場をサンべルナードに建設したのが1958年、40年後の98年にインダイヤツーバ工場でカローラ車を生産、ソロカバ工場ではエティオス車、そしてこのポルトフェリス市にエンジン工場を建設、またサンべルナルドにおいては研究開発(R&D)センターを設置、ブラジル経済とりわけ南米ではブラジルに次ぐGDPを誇るSP州に大きく貢献している」と称賛した。
開発商工省を代表してマルガレッテ・マリア輸送機器製造部長が「TDBはこの様に最新鋭の工場を建設、サンべルナルドにはデザインセンターを設ける等ブラジル政府の自動車政策(Inovar Auto)の条件を全てクリアし、トリプルAを満たしている」と祝辞を述べた。
Steve St. Angelo(Senior Managing Officer-Toyota Corporation, CEO-Latin America & Caribbean Region)氏や大勢の来賓がエンジン工場の門出を祝った。鏡開きでは登壇者全員がはっぴを着用、中前サンパウロ総領事が梅田大使のメッセージを読み上げ、一昨年8月に来伯し安倍総理が述べた日本の中南米外交における、「三つの指導理念」、3つのジュントス「発展、主導、インスピレーションを共にしよう」と言う意味の「progredir juntos、liderar juntos、inspirar juntos」 を披露、乾杯の音頭を執った。
一連の式典後、テープカット、記念植樹、エンジン工場(鋳造/機械加工/組立)の見学会と続いた。 安全第一、5S(「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾」)が徹底され最新鋭機がずらり並ぶ工程は競争力を強化、生産性を高め、トヨタの強いものつくりの思想が反映されている。
見学を終え、マルガレッテ部長とエティオス搭載の展示物のエンジンとトランスミッションを前にMDICの基本戦略の中でも特に重要な「国家輸出計画」に関係するドローバック制度(DB)の簡素化や同氏を交え現在進行中の政策対話の会合要領等について話し合った。
1台の車を造るには小さなネジまで数えると約3万点にも及ぶ。エティオスのエンジンにはTier1、2等からの現地調達部品以外に特殊な精度の高い輸入部品も組み込まれている。組立本体から輸出される車に係るサプライヤーとの間で要求される部品毎のDB管理には膨大な手間とコストが掛り輸出の足枷になっている為だ。
会議所からは村田会頭および平田事務局長が参加した。
(Fotos: A2 Fotografia / Alexandre Moreira)


ポルト・フェリース市に位置している新工場


872.500m の敷地にある工場


生産能力は10.8万基/年. 320人を雇用するエンジン工場

鏡開きの様子


スピーチをするアルキミン州知事

竣工式に参加したアルキミン州知事

竣工式の模様


上空から見た工場の様子 (Foto: ブラジルトヨタ提供)








