JETRO サンパウロ事務所主催によるブラジルインフラ入門&投資パートナーシッププログラムPPIセミナーは2017年2月2日午前9時30分から正午過ぎまで 50人以上が参加して開催、初めに大久保敦所長が開会挨拶(開会挨拶)を行い、Fator弁護士事務所のジルセル佐藤弁護士並びにダグラス・マイア弁護士が「ブラジル・インフラビジネス入門&PPI概略」と題して講演した。
ダグラス・マイア弁護士はポルトガル語で世界の公共事業の歴史について説明、同時にジルセル佐藤弁護士が日本語に翻訳して説明。初めに1929年に発生した世界恐慌からの脱却を目指して、1933年に採用されたフランクリン・ローズヴェルト大統領による新経済政策であるニューディール政策による経済復興政策の採用、1990年代に登場した英国のマーガレット・サッチャー政権による福祉・公共サービスの小さな政府、民営化や大幅な規制緩和、市場原理主義の重視を特徴とする新自由主義(ネオリベラリズム)の提唱について説明した。
また貿易と資本市場を自由化することが理念規制緩和や「小さな政府」を目指し、自由化と民営化を迅速に行うことが重要視されるワシントン・コンセンサス。ブラジルでは1964年の軍事政権の成立、1985年の民政移管、カルドーゾ政権(1995~2002年)は、「レアル・プラン」によりハイパーインフレを収束、大型民営化の実現。ルーラ大統領並びにジウマ大統領による民営化の収束。前政権からの財政赤字対策の一環としてテメル政権では、ワシントン・コンセンサスに基づく構造改革に着手並びに民間資本導入するためのインフラ整備向けPPI導入などについて説明した。
また連邦政府の支出予算制度の経常費として一般経費並びに地方交付金、資本支出、公共投資向け支出は2014年以降毎年減少しており、公共投資には民間投資の必要性が避けられない。PPIの入札方式として指名競争入札、最低価格並びに企業コンテンツによる一般競争入札、専門技術者契約入札、動産・不動産競売入札、セリ方式入札の違いを説明した。
また環境ライセンス取得ではライセンス発行の権限、連邦政府並びに州政府、市役所によるライセンス発行、環境ライセンスの種類として事前ライセンス、設置ライセンス、営業ライセンス。投資パートナーシッププログラムPPIは法律13,334号/2016年で制定。PPIプログラムの体制、審議会、事務局の説明を行った。
PPIプロジェクトには連邦政府による公共インフラ事業並びに地方政府の公共インフラ事業、民営化プログラム。PPIパートナーシップ契約の種類。公的金融機関による外資系企業の貸付制度、関心表明プロジェクト(PMI)の概要などについて説明後、投資パートナーシッププログラムPPIに関するアドバンテージ、民間企業にとっての収益性、リスクに対する補償条項、適用されるプロジェクトなど活発な質問が発せられた。
最後にジェトロサンパウロ事務所の禮田英一取締役は、「ブラジル・インフラビジネスでの海外インフラ機構(JOIN)活用」について、JOINの設立背景、事業スキーム、支援対象の事業分野、官民合同プロジェクトの実例、支援に対する原則と考察、支援決定までのプロセスチャート、支援事業の実績や取組などについて説明した。
Fator弁護士事務所のジルセル佐藤弁護士 「ブラジル・インフラビジネス入門&PPI概略」
ジェトロサンパウロ事務所の禮田英一取締役 「ブラジル・インフラビジネスでの海外インフラ機構(JOIN)活用」
Eiichi Reita e Atsushi Okubo
Dirceu Sato e Douglas Leonardo Costa Maia
Fotos: Rubens Ito / CCIJB