ブラジル・リチウムセミナーに大きな関心を寄せる38人が参加して開催

企画戦略委員会(澤田吉啓委員長)主催のブラジル・リチウムセミナーが2011年7月7日午後2時から5時まで大きな関心を寄せる38人が参加して開催、テーマは「ブラジルにおけるリチウム戦略」について、鉱山動力省、開発商工省や電気自動車開発会社などから講師6人が参加して、熱心にブラジルのリチウム開発、戦略やポテンシャルについて聞き入っていた。

澤田吉啓委員長が進行役を務め、初めに商工開発省投資部門のエドアルド・セリーノ・ジェネラルコ-ジネーターが鉱山動力省と提携して「投資向け国家情報ネットワーク(RENAI)」を構築中で、リチウムバッテリー、電気自動車や最先端テクノロジーでは世界トップの日本にとってリチウム供給先確保が死活問題であるために、ブラジルは日本企業にとって大きなビジネスチャンスとなり、また参加者の要望などを制度改善に反映させたいと挨拶、またRENAIの設立の目的として情報提供、外資投資奨励やプロモーション、ウエブサイトでは投資のデーターベースの提供や国際セミナープロモーションなどについて説明した。

鉱山動力省鉱物産局のジョアン・セザール・ピニェイロ局長は「ブラジルにおけるリチウム生産工業」について、世界のリチウム埋蔵量は1060万トン、ボリビアのウユニ塩湖湖畔は、世界の51%に相当する540万トン、チリはアントファガスタ州東部にあるアタカマ塩湖で28%、現在の生産量では世界1位、中国は10%、ブラジルは僅かに0.57%であるが、国内の需要がほとんどないために、正確な埋蔵量は未確認となっている。

ブラジルでのリチウム生産はミナス州のアラスアイ鉱山並びにイチンガ鉱山、セアラー州のキシェラモビン鉱山やソロノポーレ鉱山で生産を行っており、リチウム鉱には色々な成分の有用な鉱物が含まれているために、色々な用途があって全て活用できると説明、各鉱山の含有量の多い鉱物について説明、またリチウム鉱の用途として躁うつ病向け医薬品,還元剤、研磨剤、バッテリー、自動車、セルラーやパソコンなど多種多様で最先端テクノロジーには欠かせない重要な戦略物資でもあると説明した。

サンタ・カタリーナ・エストレーモ・スール大学のアジルソン・オリベイラ氏は「リチウム技術開発ネットワークのプラットフォーム」について、世界のエネルギー源の動向、持続的成長するためのコンパス、リチウムの用途、ミナス並びにセアラー州でのリチウム生産、将来の南部地域でのリチウム製品の製造、日本企業のネットワーク参加を呼び掛けた。

鉱物テクノロジーセンター(CETEM)のシルヴィア・フランサ女史は「EVマーケットのリチウム電池生産技術とチャレンジ」についてブラジルのリチウム工業の歴史、工業政策や生産の推移、国内でのリチウム鉱の開発の必要性、ブラジルのポテンシャルとして世界3位のセラミック生産並びに消費は2位、ガラス生産は世界の3%、自動車販売4位、電気自動車の開発などについて説明した。

セアラー州のGFコンサルティング社のグロリア・フレイタス取締役は同社のミッション、リチウムバッテリー生産や電気自動車の事業化、輸出入規制や不整備な政策などについて説明した。

4GVE社のフェルナンド・カストロテンアルヴェス共営者は「電気自動車試作品のブラジル技術蓄積」について2020年の国内の自動車生産に占める電気自動車生産の比率、先住民の言語で”電気ウナギ”を意味する「Paraquêプロジェクト」について説明した。

「投資向け国家情報ネットワーク(RENAI)」商工開発省投資部門のエドアルド・セリーノ・ジェネラルコ-ジネーター

ブラジルにおけるリチウム生産工業」鉱山動力省鉱物産局のジョアン・セザール・ピニェイロ局長

「リチウム技術開発ネットワークのプラットフォーム」サンタ・カタリーナ・エストレーモ・スール大学のアジルソン・オリベイラ氏

「EVマーケットのリチウム電池生産技術とチャレンジ」鉱物テクノロジーセンター(CETEM)のシルヴィア・フランサ女史

「電気自動車試作品のブラジル技術蓄積」4GVE社のフェルナンド・カストロテンアルヴェス共営者

参加者は熱心に講演に聞き入っていた(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

講演会の様子

左からGlória Freitas (GF Consultoria), João César Pinheiro (DNPM), Sívia França (CETEM), Adilson Oliveira e Michael Peterson (UNESC) e Fernando Castro Alves (4GVE). 前列左からEduardo Celino (RENAI/MDIC) e 企画戦略委員会の澤田吉啓委員長

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