ブラジル三井物産主催の第4回冠講座に九州大学小島立准教授を招待して開催

ブラジル三井物産基金及びサンパウロ大学法学部付属国際法国際関係研究所は同学部国際比較法学科と共に、九州大学小島立准教授を招待して「商標件の効力の制限:商標登録、商標的使用および商標の類否との関係」をテーマに第4回三井物産冠講座を2010年9月14日午後7時から9時過ぎまで、同大学法学部アルカ-ダス講堂に会場一杯の50人が参加して開催、二宮正人同大学教授が通訳を行った。

初めに商標登録要件では「普通名称」についてグーグルやゼロックスなどの普通名称化の危険性について説明、「慣用されている商標」として「正宗」(清酒)、「プレイガイド」(興行場の座席の手配)を取り上げて分かりやすく説明、「使用による識別性」ではコカコーラのビンを例に取り上げた。

商標として使用では「巨峰事件」を裁判例として説明、商標権の類否判断では外観類似、観念類似、称呼類似などについて説明、また「SEIKO EYE事件」を取り上げ、商標権の効力の制限では商標法26条の趣旨及び特許庁の見解、近時の見解では被告標章済みの「がん治療の最前線事件」、「カルゲン事件」、「スーパーフユダイン事件」の裁判例を取り上げて説明、最後に質疑応答が行われて冠講座は成功裏に終了して大きな拍手が送られ、ブラジル三井物産の中山立夫社長から感謝状とブラジルを代表する画家で彫刻家の大竹富江さんの作品が贈呈された。商工会議所からは法律委員会メンバーや平田藤義事務局長が参加、現在、日伯間でビジネス円滑化のテーマの一つとして鋭意取り組んでいる知的財産権や技術移転などにも関連する今回の商標権の効力の制限に関する講演は非常に参考になったとコメントした。

会場入り口で記念撮影 左から通訳の二宮正人同大学教授/講演者の九州大学小島立准教授/会議所会頭でブラジル三井物産の中山立夫社長 (fotos Rubens Ito/CCIBJ)

左から通訳の二宮正人同大学教授/講演者の九州大学小島立准教授

中央は大竹富江氏制作の記念品を掲げる通訳の二宮正人同大学教授


 

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