ブラジル日本移民110周年

今年は節目の110年周年祭、10年前に盛大に挙行された世紀の100年祭から早10年の時が過ぎた。17日(日)ブラジル日本文化福祉協会(以下文協:呉屋ハルミ会長)とブラジル仏教連合会が主催、ブラジル日本移民110周年記念祭典委員会共催の「開拓先亡者追悼大法要」が文協の大講堂で厳粛に行われた。

歴史は時代が経つとともに風化され形骸化するのが常である。菊池義治110周年記念祭典実行委員長のクリエイティブな呼びかけで、恒例の祭典を遥かに上回る1000人以上が参加、大講堂を埋め尽くした。

会議所を代表し安田篤副会頭(日伯交流委員長)が参加、文協と日伯司牧協会が主催する18日のサンゴンサーロ教会のミサには土屋信司副会頭(日伯経済交流促進委員長)および平田藤義事務局長が出席した。

サンゴンサーロ教会のミサでは日本語で楠 彰首席領事、山田康夫ブラジル日本都道府県連合会会長、菊池義治110周年実行委員長、ポル語で呉屋ハルミ ブラジル日本文化福祉協会会長、与儀昭雄サンパウロ日伯援護協会会長、大城ヨキオ日伯文化連盟協会会長、上原幸啓日本文化福祉協会名誉会長が各々共同祈願を行った。

ニッケイ新聞の「移民の日特別号」に松永愛一郎ブラジル日本商工会議所会頭が特別寄稿。

 

ニッケイ新聞 移民の日特別号記事:

6月18日に「日本移民110周年」を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
1908年、笠戸丸がサントス港に入港してから記念すべき110周年を迎える今、日系ブラジル人の数は約190万人にのぼるとも言われ、海外最大の日系社会が築かれています。勤勉さと教育レベルの高さから広範な分野に進出し、ブラジルの発展への貢献及びブラジル社会に確固とした存在を示し続けている日系ブラジル人の皆様におかれましては、日本・ブラジル両国の友好関係を強化していく上で強固な架け橋の役割を果たして頂いており、この場を借りまして、改めて感謝の意を表します。今年1月に始まった110周年記念イベントも活況を呈しており、眞子内親王殿下のご臨席を得て7月21日に開催予定の記念式典公式セレモニーを、小職自身も鶴首致しております。

さて、ブラジル経済は政治危機を伴う長期に亘る不況に苦しみながら、2017年は3年ぶりにプラス成長に回復しましたが、先般の大規模物流ストライキに伴う混乱もあり、今しばらく様子見が必要な状況です。今年10月の大統領選挙を経て、本格的な回復局面に入ることを祈念致しております。ブラジルの持続的な経済成長には投資、特に海外からの投資が不可欠であり、ここでも日本企業の果たす役割は未だ大きいと考えています。
こうしたブラジルにおける日本企業の活動を後押しする為、ブラジル日本商工会議所(以下、カマラ)としても、税制、労働等の所謂「ブラジルコスト」の改善に向けた政策対話活動(AGIR活動)に加え、日本とメルコスールのEPAの早期締結についても関係国政府や民間経済団体のご理解とご協力を得ながら積極的に働き掛けております。7月23~24日に東京で開催予定の第21回日伯経済合同委員会に於いてもEPAに関し議論を深める予定にしており、メルコスールを面で捉えたシームレスなビジネス環境整備に貢献して参る所存です。
一方、両国間の新たな協業の成果として、オールジャパンとして日本の魅力を発信する広報拠点施設「ジャパンハウス」が昨年4月に世界に先駆けてサンパウロで開館し、テメル大統領や麻生副総理、薗浦外務副大臣ご臨席の下、記念式典が盛大に開催されました。オープン当初の年間目標13.6万人に対し、一年間で目標の約5倍となる77万人近くの来館者数を記録する等、注目度は極めて高くサンパウロの新たな人気スポットとして定着しています。カマラとしても引き続きジャパンハウスの活動を応援していきたいと思います。
カマラは、今後とも、日系社会の皆様のお力添えを頂きながら、経済だけでなく、政治・文化など日伯の交流促進に向けて全力で取り組む所存でございますので、これまで同様ご支援、ご協力の程宜しくお願い申し上げます。

 

土屋副会頭による共同祈願:

日系社会及びブラジル社会の礎となられた尊敬すべき先駆者らに深い感謝を捧げ彼らのご冥福を祈ると共に、その尊き模範を、我らの家庭にも、社会にも述べ伝えて行けますようにお祈り致します。

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=44609