マットグロッソ経済ミッションに23人が参加 

2014年5月15日(木)~17日(土)、貿易部会(岡 省一郎部会長)主催のマットグロッソ経済ミッションが行われた。会員企業代表者及び福嶌教輝在サンパウロ総領事、坪井俊宣領事を含む23人が参加した。

15日深夜、肌寒いグアルーリョス空港を出発した一行は蒸し暑いクイアバ空港へ到着、短時間睡眠の後16日早朝ホテルのロビーで結団式を行い、迎えに来たシコ・ダウトロ副知事と共にホテルに隣接しているアンドレ・マギー グループ社の本部へと向かった。

同社ではヴァウデミール・イヴァウ・ロトCEOやジョアン・ロベルト・ザンボニ ディレクターに迎えられ、会議室でビデオ映像を含むプレゼンが行われた。1977年パラナ州で種苗生産を主に事業を開始した同社は今ではコモディティ-、アグリビジネス、船舶、エネルギーの4大グループからなるビジネスを幅広く展開。また、マットグロッソ州のサペザル市の設立や、マットグロッソ北西部及びロンドニア南部で生産される穀物の物流を可能にした設備の建設等ブラジル発展にも貢献している。プレゼンの後、活発な質疑応答が行われた。

続いてミッションはマットグロッソ州庁舎へ。現地各種メディアに囲まれる中、大会議室では初めにバルボーザ州知事が開会挨拶を行い同州の生産概要等を述べた。引続いて福嶌総領事はこのミッションにはマットグロッソに関心があるあらゆる業種の代表者が参加しており、大変有意義なものになると述べ、最後に岡部会長はマットグロッソは世界の食料供給に重要なプレゼンスがあると述べ、6月24日クイアバでワールドカップ日本対コロンビア戦が行われるマットグロッソ州は日本からの注目を浴びるであろうと語った。その後、マットグロッソ農畜産連盟からは「マットグロッソ州の農業における潜在能力」、マットグロッソ州商工連盟からは「マットグロッソ州の産業開発」、また同州商工鉱山エネルギー局からは「マットグロッソ州のインセンティブ政策」についてプレゼンテーションが各機関の代表者から行われた。その後質疑応答が行われ、アンドレ・マギーでのそれと同じくミッション参加者は多数の質問を行った。

平田事務局長は同知事に対しプレゼンの中で特に強調された高度な技術を有する日本企業誘致要請について質疑ではないがと前置き、「日本は官民が連携して親日国のブラジルには特別な思いで高度な技術を移転したい。高度な技術の移転に関しては2009年以降、ブラジルの開発商工省(MDIC)とMETIとの間で毎回議題に俎上し協議を重ねて来た。しかし残念ながら技術のロイヤルティー送金の例を挙げれば財務省管轄のため改善に至ってないのが現状だ。貴州、貴知事だけに限らず全州の知事が揃って連邦政府に働きかけ、何とか制度改善を促してほしい」と強く要請し、知事は高い関心と意欲を示した。

午後ミッションはクイアバ市から120キロ離れたカンポヴェルデ市へ小型飛行機で移動し、同市にあるボン・フトゥーロ グループ社では広大な大豆、トウモロコシ、綿などの農産地や牧場、養魚場、サイロをバスで見学した後、レクチャールームで同社を紹介するビデオが上映された。マットグロッソ州4地域に農場を所有、その合計面積は35万ヘクタールを超える。

17日はホテルチェックアウト後、ポルトセッコ・クイアバ(ドライポート)へ。ストレージ及び検査の為3万2千平方メートルの敷地内に9千4百平方メートルの屋内倉管理施設を有している。ブラジルの通関設備を分散し、外国貿易を拡大することを目的に建設された。マットグロッソ州政府の協力により、輸入に対する商品流通サービス税(ICMS)の減税措定を実施する低関税地帯となっている当港は、様々な分野で企業にとって魅力的な貿易モデルを提案するとしている。見学後、フランシスコ・アウメイダ ポルトセッコ管理会社社長をはじめ同社スタッフが概要を説明、質問に応じた。

ポルトセッコ視察後、今年のワールドカップに使用される4万4千席のアレーナ・パンタナルを見学、最後は市内にある郷土料理レストランでお別れ会が行われ、岡部会長は同州アテンドに感謝し、そのポテンシャルに改めて感心、アレーナ・パンタナルも万全、6月24日の日本戦では日本への応援を求め、州政府側の参加者らを感動させるスピーチを行った。また、ダウトロ副知事はこれからもマットグロッソをさらにアピールし、ビジネスのみでなくクイアバ市で今年9月に行われる第4回日本祭りのスローガン「国境なき友情」に倣い今後とも交流を促進していきたいと締めくくった。

州政府をはじめ訪問した各社代表者へ感謝状のプレートが岡部会長をはじめ、ミッションに参加していた上野秀雄副会頭、近藤剛史専任理事、奥村幹夫専任理事から手渡された。また、ミッション中の通訳を提供したクイアバ日本人会(伊澤祐二会長)には当会議所出版のブラジル略語集2部とPwC社と共同出版のビジネス用語集が平田藤義事務局長から手渡された。 マットグロッソ州のメディアからも大々的に取り上げられ、現地政府や企業家との接触によりあらゆるビジネスの可能性を探る事ができた有意義なミッションとなった。

後日、参加者より紀行文が寄稿される予定。

プレゼン資料

「マットグロッソ州の農業における潜在能力」マットグロッソ農畜産連盟

「マットグロッソ州の産業開発」マットグロッソ州商工連盟

「マットグロッソ州のインセンティブ政策」商工鉱山エネルギー局

マットグロッソ州PRビデオ  

(Fotos: Seidi Kusakano/CCIJB)

アンドレ・マギーグループでのプレゼン

上野副会頭よりアンドレ・マギー社代表へ感謝状プレート贈呈

州庁舎でのプレゼン

州庁舎で記念撮影

カンポヴェルデ市にあるボン・フトゥーロ社のサイロ

サイロ見学の模様

ボン・フトゥーロ社のレクチャールームにて

ポルトセッコで記念撮影

ポルトセッコ見学

ポルトセッコ代表者へ奥村専任理事よりプレート贈呈

アレーナパンタナルで集合写真

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=39275