メディカル分科会協力の下、JICA主催の第1回日伯病院連携協議会開催

JICA主催の日系病院連携協議会は、2018年5月26日午後1時30分からJICAサンパウロ出張所で開催、メディカル分科会が協力したセッションには、日伯の官民関係者約40人が参加。この協議会は、ブラジルを代表する6日系病院(アマゾニア病院、パラナ病院、杉沢病院、ノーボ・アチバイア病院、日伯友好病院、サンタクルーズ病院)と本邦医療機器メーカーをはじめとする企業との協議の場を設け、双方の理解を深め、有益な関係構築に寄与することを目的に、ひいてはブラジルの医療水準向上とブラジル国民の福祉向上に繋がることを期待して開催された。

会議所からは、メディカル分科会の高柳顕二郎部会長(シマズブラジル)、市川幸太郎副部会長(日本光電)、土屋功副部会長(パラマウントベッド)、三好貴志副部会長(テルモブラジル)、ダニエル・クーニャ副部会長代理(フジフィルムブラジル)、平田藤義事務局長をはじめ、会員企業メンバーが参加した。

セミナーの開会挨拶でJICAブラジル事務所の斉藤彰生所長は、2015年2月に日系病院経営者や医師を日本招聘して日本の病院施設や医療機器メーカーを訪問、ブラジル医療分野の課題解決には日系民間医療関連企業との連携も大切で、連携協議会を開くべきだとの提案により実現したと説明した。更には、半年に一回ぐらいの頻度での協議会開催要望で、次回の協議会を援協の会場を借りて開催することが決まったと述べた。

次に、JICAサンパウロ事務所の佐藤洋史次長は、医療分野におけるJICAの取組みについての説明、日本への研修制度や奨学金、7名のJICAボランティア(栄養士、看護師、高齢者福祉等)の支援、民間連携事業等について、今までの活動成果、また今後も日本の最先端テクノロジーを擁する医療機器導入に向けた支援を行なっていくと説明した。

その後、各日系病院から、プレゼンが行なわれ、沿革やパイオニアの歴史、施設の詳細や拡張計画、診療所や巡回診療の説明、すでに導入済みの医療機器や今後購入予定の装置・設備等について内容の濃いプレゼンが行なわれた。

次に、医療関連企業のプレゼンでは、島津製作所並びに日本光電、テルモ、富士フィルム、パラマウントベッド、オムロン、パナメジカル、コニカミノルタの各代表が、中南米やブラジルにおける事業内容を説明、日本の先端技術や高品質サービスについて、各社日系病院関係者へ自社製品をアピールした。

最後に、日系病院から医療関連企業への要望や提案についての意見交換セッションが設けられ、日本の高い技術をアピールするには、日系病院内に医療機器を納めるのみならず、相互関係を強化することでブラジルにおける医療関連イベント、また医師や医療関係者の集まる展示会や会議に、一緒になって参加することができるとの意見が出された。また約4,000人の日系医師や約300人のJICA研修生のネットワークを活用し、一緒になって日本製医療機器の質の高さをアピールしていくことができるとのコメントもあった。その他、高品質で高額な医療機器導入時に活用できるJICAや日系企業が協力してできる投資ファイナンススキームについて説明、また医療機器不具合発生時のアフターサービスに課題が残されている件について、医療器メーカー技術者による病院メインテナンスチームへの人材育成や教育についても議論が行なわれ、活発な意見交換が得られた協議会となった。

(写真提供 JICABrasil)

 

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