中南米IPGの第2回会合開催

ジェトロ・サンパウロ事務所知的財産権部が事務局を務める中南米IPGの第2回会合が、2018年5月18日午後にマクスードホテルにて開催された。日本側からは日系企業13社(21名)を含む28名が、ブラジル側からはブラジル産業財産庁(INPI)のピメンテル長官、モレイラ特許部長、マウロ・サンパウロ支部長の3名が参加し、ブラジルの知的財産問題に関して意見交換を行った。

冒頭、中南米IPGの高橋会長(ホンダ)は、知的財産権に関する問題に対し、官民一緒になって課題解決に取り組み、ブラジルの産業発展のため、密にコミュニケーションをとりながら活動していきたいと説明するとともに、日伯特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway – PPH)などのINPIの有意義な取組や、参加企業が発表する機会を設けていただいたことに感謝を述べた。

ピメンテル長官は、このようなIPG活動は非常に重要で、一緒に協力してビジネス環境整備に努め、企業にベネフィットが生まれるよう活動していくと述べた。

その後、IPG参加企業10社から、ブラジルにおける事業活動や知的財産における課題(特許審査遅延、PPH技術分野の拡大、模倣品被害など)、PPHの利用状況などについて簡単なプレゼンが行なわれた。

これらの課題や提言に対して、モレイラ特許部長は、官民連携して知的財産の重要性をブラジル政府に対して伝えていくことが大切であると述べた。また、INPIにとっての最優先事項は特許や商標のバックログを解消することであり、特許審査遅延の影響を少しでも和らげるために10年ほど前より早期審査制度を設け、一部改善がみられつつあると説明した。さらに、PPHは導入初期段階ではあるが、少しずつ拡大していけるよう進めていきたいと述べた。模倣品問題に関して、INPIは連邦警察や税関とも協力して人材育成事業などを行なっている。税関で模倣品が見つかっても連絡先がわからないこともあり、企業と政府が一緒になって問題解決に協力していく必要があると考えていると述べた。最後に、INPIやその上位官庁であるブラジル商工サービス省(MDIC)をはじめ、現在のブラジル政府は産業界の要望に積極的に耳を傾けており、遠慮することなく意見や要望を我々政府に直接伝えることが大切だと述べた。

最後にピメンテル長官は、リオデジャネイロのINPI本部でIPGメンバーの皆さんと再びお目にかかれる日を楽しみにしていると述べ、会合は終了した。

(写真提供 ジェトロサンパウロ事務所)

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