2015年6月12日、日系団体共催で行われた大部 一秋 元在サンパウロ日本国総領事を偲ぶ会に、会議所から村田 俊典会頭と平田 藤義事務局長が出席した。

日系主要5団体代表者から偲ぶ会にあたってのメッセージが読まれ、村田会頭は以下弔辞を述べた。
『弔辞
大部元サンパウロ総領事を偲ぶ会におきまして、日本商工会議所を代表しまして弔辞を述べさせていただきます。ご逝去の折はウルグアイ大使としてご活躍されていましたが、我々には総領事のほうがなじみがありますので、今日は総領事と呼ばせて下さい。
大部総領事。総領事は天からお聞きだと思いますが、特に今日は日本からこられた奥様やご子息に大部さんがどれだけ素晴らしかったかをお聞き頂きたいと思います。
プロフェッショナルとしてこれまで誰も出来なかったことを成就するということは並大抵のことではありません。そこには、やり遂げたいという強い意志があったと確信します。
3年半在任中に管轄州域内にある一〇六の市へ合計一六四回に及ぶ訪問をされたのは歴史上初めてのことでした。コロニアへの歩み寄りに先頭を立ってご尽力されたのは、日本とブラジルの関係強化の大きな地盤は一〇〇年を越す歴史を持ち、一六〇万人とも言われる日系人であると信じておられたからです。今、私たち日本企業や日本人また日系人がブラジルで胸を張って仕事が出来るのはこの歴史の積み重ねのおかげです。大部総領事にはその事実を私たちに行動力を持って示していただきました。ありがとうございます。
次は官民の協力です。一言で官民の協力といってもあまりイメージが沸かないかもしれません。でも、私たち民間のものからすると大部さんのようなお人柄でいつもニコニコされていて物腰の柔らかな姿勢を見せて貰ったら協力の半分以上は進んだような気持ちになるものです。
その様な流れの中で、二〇一〇年からは商工会議所の初代の名誉顧問として積極的に我々の活動の支援をしていただきました。二〇一二年にはサンパウロ名誉市民賞も受賞されました。インフラ整備にかかる日伯間技術協定の実現や商用マルチビザの延長実現など数々の実績は、大部総領事の心が皆を動かしたのだと思います。その様な心の力を持った方だったと、奥様が持ってこられた遺影を前にしてしみじみと思い出します。
ユダヤの諺に「最高のインテリジェンスは謙遜である」と言うものがあります。大部総領事はそれをまさに日々実行され、プロフェッショナルとして大きな功績を残されました。私たちは、大部総領事のご遺志を確りと受け継ぎ、日伯の益々の関係強化、ブラジルにおける日本のⅮNAを持つすべての人々の幸せと繁栄のため頑張ってゆきたいと思います。
ブラジル日本商工会議所
会頭 村田俊典』
( foto: Jiro Produções)








