島内大使歓送昼食会、マルセロ・ロッシャがカーボンクレジットについて講演

8月の懇親昼食会は2010年8月13日正午から2時までインターコンチネンタル・ホテルに100人以上が参加して開催、平田藤義事務局長が司会を務め、初めに特別参加者の島内憲大使、小林雅彦首席領事、環境コンセルタントのマルセロ・ロッシャ氏、元サンパウロ高等判事の渡部和夫弁護士、ロベルト・ヨシヒロ・ニシオ弁護士を紹介した。

3分間スピーチではインターコンチネンタル・ホテルのフランシスコ・ガルシア支配人が日本食の朝食やお茶漬けサービス、デラックスな幕の内弁当、すしバーなどを紹介、米国プレステージ・インターナショナル社の太田理士取締役は海外旅行保険や健康保険の代行サービスなどについて説明した。

連絡事項として監事会議長交代挨拶では中村敏幸新監事長が就任挨拶、1977年から監事を務め、2000年10月から監事会議長に就任した山田唯資元監事会議長は今年末まで監事として中村監事会議長を補佐していくと挨拶、その後で中村監事会議長は今年の第2四半期の業務・会計監査を実施、監事会は「2010年の第2四半期の会議所の業務の遂行と会計処理は適正であったこと」と承認したことを報告した。(最後部に山田唯資監事会議長の退任挨拶文掲載)

代表者交代ではブラジル勤務が11年の住友化学の松尾新一郎社長は公私ともにお世話になりましたと短く帰国挨拶を行い、海外駐在が初めての後任の松下敏明社長は丁寧に着任挨拶を行った。

リオ州レゼンデ市役所企業関連開発課のウイルソン・パラロヴォ取締役は「レゼンデ市投資誘致案内」と題して、レゼンデ市のポテンシャル、地政学的に優れているために輸出基地化、優秀な多くのマンパワー、進んだロジスティックやインフラ、生産性に対する安価なコストなど説明、また同市周辺には機械・金属、化学、医薬品、食料品、 自動車関連工業、電気電子部門の工業が発達しており、標高が高くで大自然が残されているマンチケイラ山脈に近いために観光業の開発、製造業部門への投資などに適していると企業誘致を行った。

新入会員紹介ではミゲル・ネット弁護士事務所のクリスティーナ・サルバドール氏、南米出光石油の榎本政法社長が挨拶、中山立夫会頭からそれぞれ会員証が手渡された。

商工会議所の定款並びに各種選挙規則改定に尽力した元サンパウロ高等判事の渡部和夫弁護士に対して中山会頭が記念品を贈呈、同じくロベルト・ヨシヒロ・ニシオ弁護士には近藤正樹副会頭が記念品を贈呈した。

環境コンサルタントのマルセロ・ロッシャ氏の講演に先立って中山会頭が歓迎の辞、岡村昌一コンサルタント副委員長が講師を紹介、マルセロ氏は「カーボンクレジットの将来」と題して、京都議定書の歴史、意義、目的、ブラジルは途上国として第一次計画のCO2削減義務目標達成を免除されているが、ブラジル国内の排出削減に対する長期目標や取り組みなどについて説明した。

また世界のカーボンクレジットマーケット、先進諸国のクレジット購入状況や並びに発展途上国の販売状況、温暖化ガス削減のためのプロジェクトの種類や削減効果、排出権売買価格の推移、ブラジル国内の削減プロジェクト数や種類、京都議定書の削減対象期間である2008年~2012年以降の世界の温室効果ガス削減目標やスケジュール、今年12月に開催されるメキシコ・カンクン会議(COP16)での各国の削減目標などについて説明して講演を終え、中山会頭から記念プレートが贈呈された。

最後に島内憲大使の歓送会では中山会頭が島内大使の4年間に亘って進出企業や日系コロニアを率先してリードするリーダーシップ、2008年のブラジル日本移民100周年および日伯交流年記念行事、地上デジタル放送の日伯方式の南米諸国への普及、ビジネス環境の整備などに対する陣頭指揮に対して、厚くお礼を申し上げますと心温まる歓送の辞を述べた。

島内大使は帰国挨拶で日本移民100周年記念では皇太子殿下をお迎えし、日伯関係がますます緊密化、ブラジルの力強い経済成長の時に赴任して外交官として運がよかった。

ブラジルの人口と面積が世界5位であることは日本ではあまり知られていないが、BRICs諸国の中でも安定感のある国として確立しつつあり、世界のブラジルの注目度が増してきている。

日本ではブラジルについての講演をよく依頼され、また質問のレベルも向上してきたが、ブラジルに関する情報が不足しているために、ブラキチの私は帰国後もブラジルの情報を発信し続ける。

世界のブラジルへの関心度が高まってきており、ブラジルに熱い視線を注いでいるのは先進国だけではなく、小さな国でもブラジル詣を行っているが、日本とブラジルは他の国にない親密な関係でブラジルは世界一の親日国であり、地上デジタル放送の日伯方式は新しい日伯関係のモデルになっている。

高速鉄道プロジェクトはALL JAPANで支援しており、ブラジルにとっても世界最高の技術やオペレーションなどブラジルと共有でき、ブラジルはワールドカップ、オリンピックなど大型プロジェクトに結びつくイベントなどが目白押しであり、日本の最先端技術を駆使したワールドカップ、2016年には新幹線でリオのオリンピックを観戦してみたいと述べた後、最後に平田事務局長が島内大使を「お人柄」、「行動力」、「リーダーシップ」の3つの人物像で表現、あらゆる分野における日伯関係を重層的に強化推進、そのご尽力と歴史的な不朽の功績を称えお礼、惜別の辞とした。

(山田唯資監事会議長の退任挨拶)

山田唯資であります。

「私が、去る、6月11日付けで、本会議所の、監事会議長職を、退任しました事」に付き、この場をお借りして、会員の皆様に、お知らせ申し上げます。

6月に、私が、個人的な遠距離旅行を、計画していました矢先に、佐々木専任理事の、空席補充選挙の日程が、急遽、7月16日に決まり、生憎、その選挙管理委員長としての任務が、果たせない理由を契機として、一昨年から、育んで来ておりました「後進に道を譲る時期」と決断致しました。

そこで、旅行を前に、臨時の監事会を緊急招集、私と、ナカムラ トシユキ正監事、フジイ トシハル正監事による、三者互選で、6月11日付けで、ナカムラ トシユキ監事に、監事会議長職を継承して頂く事となった次第であります。

私は、今後、監事会の一員として、本年度末の任期終了日、即ち12月31日迄、引き続いて、勤務させて頂くことになるわけですが、余すところ残り少ない、私のこの在任中は、全力を挙げて、ナカムラ監事会議長を補佐して参りたいと存じます。私は、監査の分野で専門家であります、同氏のご活躍を信じて疑いません。会員の皆様には私に与えて下さった様な、熱いご支援を、心からお願い申し上げます。

この席をお借りして、2000年10月から、今日迄、私が監事会議長として、会議所執行部の一翼を担わせて頂きました事を、歴代の会頭を始め、常任理事会、中でも、その総務委員会の方々、監事会メンバー、並びに、事務局の方々に対し、真心をこめて、御礼を申し上げます。

最後になりますが、33年前の、1977年以降、毎回の監事改選の都度、清きご一票を投じて頂き、不束な私が、現在迄、長々と、会議所の監事職を仰せ付かる事が出来ましたのは、いつに、多数の歴代の会員の皆様のご協力とご厚情の賜物であり、私にとっては、一生、忘れられない名誉な事でありました。

以上、簡単では御座いますが、心からの「深い感謝の言葉」を以って議長退任の挨拶に代えさせて頂きます。永い間、色々お世話になり本当に有難う御座いました。

2010年8月13日

講演者の環境コンセルタントのマルセロ・ロッシャ氏 (fotos Rubens Ito/CCIBJ)

投資誘致案内を行うリオ州レゼンデ市役所企業関連開発課のウイルソン・パラロヴォ取締役

左から田中信前会頭/島内憲大使/中山立夫会頭/ウイルソン・パラロヴォ取締役/松田雅信副会頭

 

左から平田藤義事務局長/レゼンデ市役所工業、テクノロジー・サービス課のジョゼ・タバーレス・マチアス取締役/ウイルソン・パラロヴォ取締役/中山立夫会頭

100人以上が参加した懇親昼食会

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=33703