日伯オープンイノベーション交流会(兼 第四回イノベーション研究会)を開催

 2019年11月18日(月)14時から18時までジャパンハウス・サンパウロにて日伯オープンイノベーション交流会(兼 第四回イノベーション研究会)が開催された。

 ジェトロ、ブラジル日本商工会議所、在サンパウロ日本国総領事館、ジャパンハウスサンパウロが共催し当日は100人以上が参加した。当商工会議所では企画戦略委員会(大久保敦委員長)のイノベーション研究会が当交流会を担当。

 本交流会の目的は日本企業とブラジルのスタートアップ・エコシステム関係者がイノベーション分野について対話する機会を創出することである。

 大久保 敦 ジェトロ サンパウロ事務所長(商工会議所副会頭、上記企画戦略委員会委員長)、野口泰 在サンパウロ日本国総領事、マルセロ・アラウジョ ジャパンハウスサンパウロ館長らの挨拶に始まり、まずはブラジルでのイノベーションについてソフトバンクラテンアメリカ シルビア Director、ブラジル・ベンチャー・キャピタル 中山充 代表、SP ventures、フランシスコ・ジャルジン CEOらがプレゼンテーションを行った。

 続いてブラジルでの先行事例紹介においては、ブルーノ・ステファニAmbev社 Innovation Senior Manager が「大企業におけるイノベーション促進」と題して飲料業界大手の同社の取り組みについて説明、ブルーノ・ホンダ二 100 Open社 CEOは「スタートアップとのコネクションハブ 」として大企業とつなげる同社のプラットフォームについて解説、製造業、小売業等幅広い分野で活用できるチェックリストアプリを提供しているマウリシオ・フラゴッソ Checklist Fácil社 CEOは「日本企業と接点を持つスタートアップからの視点」と題して大手日系自動車企業をクライアントとして迎えた時の経験を述べ、また、カルロス・ミラ Truckpad社 CEO は「トラック業界のロジスティクス革命について」プレゼン、同社が開発した運送会社とトラック運転手をマッチングするアプリによってブラジルのボトルネックであるロジスティックの効率化を図り、国外でも注目を浴びている。

 その後、ブラジル企業のパネルデヴィスカッションとして、ブラジル輸出投資振興庁(Apex-Brasil)、飲料大手Ambev社、KPMGと提携しているイノベーションプラットフォームDistrito社並びにVale社のイノベーション担当者らがトレンドに先立つことの重要性、法務や財務面をしっかりした上でオープンイノべーションに準備しなければならない事などをディスカッションした。

 続くセクションでは主にスタートアップ支援策などの紹介にフォーカスをおき、ホベルト・セレスティン・ぺレイラ Everis/NTT Data  Head of Digital Innovation による「オープンイノベーションコンテスト開催の経験」、タチアナ・ナガミネ、ジェトロサンパウロ アナリストによる「イノベーションにフォーカスするジェトロの対日投資支援」、CAIXA(連邦貯蓄銀行)イノベーション部長 ルイス・フェリペ・ビスマルチによる「大学とのイノベーション連携」、フェルナンド・ゴメス ピニェイロ・ネット法律事務所パートナーによる「オープンイ ノベーションの法的注意点」、貝沼憲司 ジェトロサンパウロ知財部長による「日本のイノベーションと 知財」がプレゼンされた。

 日本企業によるパネルディスカッションでは、ルイス・デアロ プラグアンドプレイ・ブラジルCountry Headがモデレーターを務め行われ、パネルには芦刈宏司 ブラジル三井物産業務・人事部部長、ファビオ・サルデリ Sompo Seguros Head of Innovation、マウロ・イワムラYamaha Motor Brasil 企画戦略担当が参加、モデレーターを含め各社のイノベーションへの取り組みを簡単に紹介した後、ブラジルでのビジネスポテンシャル、日本とブラジルの企業文化の相違性、各国市場のニーズの特異性などについてディスカッション、質疑応答が行われ、最後には大久保ジェトロサンパウロ所長より閉会の挨拶が行われた。 

 日本企業によるブラジルでのこれからのオープンイノベーション活動を促す歴史的なイベントであった。

( fotos: Câmara Japonesa)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=46658