日伯法律委員会の月例会に46人が参加して開催

7月の日伯法律委員会の月例会が2012年7月12日午後4時から6時まで46人が参加して開催、司会は矢野クラウジオ副委員長が務めた。

初めにGaia, Silva, Gaede & Associados 弁護士事務所のリヴィア・ナオミ・ヤマモト・チョイ弁護士は、「 輸入におけるICMS(商品流通サービス税)の重要点」について、リスク並びに問題点として州税のためにその課税率が調整できるICMS税の税率を各州政府が引き下げ、州内港湾の荷動きを活性化する「港湾戦争」と呼ばれる輸入製品に関する誘致合戦がますます激化していることを説明した。

しかし、港湾戦争を終結するためICMS税率が一律4.0% に国会で決定されれば、エスピリット・サント州やサンタ・カタリーナ州は輸入製品のICMS税で大きな減収となるために反対、連邦政府はエスピリット・サント州に対して多額の補填することを提案、また、原油生産のロイヤリティの前払い並びに特別長期クレジット枠の提案、それに対して同州はICMS税率が一律4.0%に下げられると大幅な税収減となるために、2020年にICMS税が4.0%に達する漸進的な税率の引下げを提案、同州知事の要請している漸進的な税率の引下げでは、「港湾戦争」の継続でICMS税率の低い輸入製品が増加するために、ブラジルの製造業は引き続きダメージを受け、与党議員は漸進的な税率の引下げを受け入れれば、ブラジルの製造業が破綻してしまうために、ICMS税率の一律4.0%引下げを支持、ICMS税率の一律4.0%への引下げで、ブラジル全体の37%の輸入製品を占めるサンパウロ州の比率が60%~65%に上昇するために、大半の州が損害を被ると反対していることなど問題解決には時間がかかることなどを説明した。Pinheiro Neto Advogados 弁護士事務所のルーベンス・バリオヌエヴォ・ビゼリ弁護士がCopesulを事例に取り上げて ― ブラジル国外居住者が供与したサービスへの所得課税と二重課税防止の協定」について説明した。


PwC社のセルジオ・デ・オリヴェイラ・ベント共営者は、「いまだ物議を醸すPIS/COFINS(社会統合基金/社会保険融資納付金) - 批判と意見:販売契約不履行 (STJ/上級司法裁判所、STF/連邦最高裁判所)、 通関費用 (SRF/連邦収税局)、不動産賃貸 (STJ/上級司法裁判所)」について説明、Ernst & Young Terco社のジェフェルソン・ロージェス税制部門責任者は「訓令RFB 1.277/2012号」について、ブラジル国内に居住する者と国外居住者の間で、サービス、固定資産他、個人、企業、非個人団体の資産への課税、に変動をもたらす取引について、情報を提出する義務を定めた訓令について説明した。

最後に KPMG社のウエリントン・ラモス・シルヴァTAX-TTG 部門コンサルタントは、「公共デジタル会計システムSPED( Sistema Público de Escrituração Digital)見直しにおける主な混乱要素」について、インターネットによる会計や税務関連申告は印刷物が不要なためにコスト削減、保管書類スペースの削減や申請の一元化による誤申請の低減などが可能となるが、その反面、申請では不一致点があれば徹底的に再チェック後に再申請するために、非常に煩雑で時間に拘束されるために、綿密な申請項目のチェックリストの作成などが必要であると説明した。

左からGaia, Silva, Gaede & Associados 弁護士事務所のリヴィア・ナオミ・ヤマモト・チョイ弁護士/PwC社のセルジオ・デ・オリヴェイラ・ベント共営者/Pinheiro Neto Advogados 弁護士事務所のルーベンス・バリオヌエヴォ・ビゼリ弁護士/Ernst & Young Terco社のジェフェルソン・ロージェス税制部門責任者/KPMG社のウエリントン・ラモス・シルヴァTAX-TTG 部門コンサルタント/矢野クラウジオ副委員長

46人が参加した7月の日伯法律委員会の様子

熱心に講演に聞き入る参加者

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=36796