第5 回マーケット情報配信サービス

金融部会(井上 秀司 部会長)主催の第5 回マーケット情報配信サービスのビデオコンファレンスセミナーは、2016年4月18日午後4時から4時30分 過ぎまで商工会議所会議室から放送、同セミナーには10社以上が参加、講師に大和証券の横路史生氏を迎えて、テーマ「2016年のブラジル株式市場と為替市場の改定見通し」と題して講演、参加者には事前に横路講師が作成したPDF資料を配布した。

横路講師は初めに昨日17日の下院本会議でのジウマ大統領の弾劾案可決でジウマ大統領の職務停止がほぼ決定後の2016年のレアル相場と株式相場の見通しについて説明、またほぼ確定したルセフ政権の一時退陣、まだ残る大統領選挙やり直しシナリオでは、ルーラ候補とマリーナ・シルバ候補がリードしていると説明した。

政権交代観測の高まりを背景に上昇に転じたレアル通貨の今後の動向、今年の主要通貨の対米ドル騰落率の比較ではレアルが12.2%でトップ、指標によって異なるレアルの「妥当な」為替レート、為替を動かす海外要因として貿易相手国としての中国や米国のウエート、米国金利と中国景気の影響、為替を動かす国内要因として経常赤字の縮小がプラス要因、鉱工業部門並びにサービス部門の落込み、失業率上昇並びに給与減少が小売落込み要因、財政収支と金利の動向、3大格付け会社の格下げ要因などについても説明した。

最後に現在のサンパウロ平均株価は底打ちか、指数を動かすイタウー銀行とブラデスコ銀行の業績や不良債権に注目、ボベスパ指数の予想PER動向、注目株としてヘルスケアと小売の勝ち組に順張り並びに政権交代で銀行株が有望か、ブラジルの株価指数はメキシコやインドの後追いとなるか、2016年のレアルとブラジル株式相場の見通しシナリオとして楽観的な見通しシナリオ、悲観的な見通しシナリオなどについて金融市場のプロの視点から解り易く説明、質疑応答では参加者に解り易い解説で説明した。

講演中の大和証券の横路史生氏

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=41763