金融部会の第2回マーケット情報配信サービスに19社が参加して開催

金融部会(深井 泰雄 部会長)主催の第2回マーケット情報配信サービスのビデオコンファレンスセミナーは、2016年1月20日午後4時から4時30分過ぎまで商工会議所会議室から放送、同セミナーには19社が参加、講師に大和証券の横路史生氏を迎えて、テーマ「2016年のブラジル経済、株式相場、レアル相場の見通し」と題して講演、参加者には事前に横路講師が作成したPDF資料を配布した。

横路史生氏は初めに昨年のブラジル株とレアル相場の回顧として、株の上昇率はドル高の為替による輸出増加並びに益々競争力がアップしている紙・パルプ企業が1位から3位を独占、また紙・パルプセクター以外にも食肉や航空機エンブラエル社などの輸出銘柄の株価上昇が目立った。またこれ以外にも薬局・医薬品チェーン、ヘルスケア、日用雑貨チェーン、アパレルなどの小売りセクターが勝ち組となって株価が上昇している。

業種別ウエイトではトップが金融セクターで34%を占め、また上位8行で過半数を占めた。今年のサンパウロ平均株価は年初来すでに13%下落。過去6年間のレンジは下限に達しているものの、投資家心理が冷え込んだ2008年には6倍まで売り込まれた。

昨年の大手銀行は金利上昇などによる業績好調でそれぞれ最高益を計上、今年の株式市場は鮮明になってきている中国経済の停滞、原油や鉄鉱石などの国際コモディティ価格の不透明感、ドル高の為替などの要因で資源株はボラティリティが鮮明、紙・パルプは為替の恩恵を受け、高齢化進展や人口ボーナス期の継続などから消費拡大継続で小売セクターが有望、しかし国内外の金融市場の最悪シナリオで2万5000ポイントを切る可能性が否定できない。

また横路史生氏はボベスパ指数や株価収益率、株価純資産倍率銀行業績の先行指標のローン延滞率、民間銀行トップのイタウー銀行とブラデスコ銀行の業績比較、原油と鉄鉱石の価格動向、各上場企業の2008年以降の株価の推移並びに今後の予想、各国通貨の対米ドル騰落率、商品市況と資源国通貨の関係、レアル通貨の為替レート予想、為替を動かす国内要因として財政収支、失業率、鉱工業生産、消費動向、貿易収支、格付け会社による格付変更、米国金利と中国景気の動向、2016年のブラジル経済とレアル通貨、株式相場の見通しではメインシナリオ、楽観シナリオ、悲観シナリオなどについて説明した。

講演中の大和証券の横路史生氏

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=41436