金融部会セミナーに50人が参加して開催

金融部会(山崎 展生部会長)の保険セミナーは、2013年11月25日午後4時から6時まで50人が参加して開催、テーマは『 「保険」その重要性、仕組みの概要と注意点~「まさか」の事故の後に「まさか」と言わないために~ 』、講演者は村山 進午 氏 (Tokio Marine Seguradora S.A.)、河崎 宏一 氏 (Mitsui Sumitomo Seguros S/A)、桑原 泰治 氏 (Yasuda Seguros S.A.)、山崎部会長は、開催挨拶で参加者による講演後のアンケート用紙の記入を要請した。

初めに村山 進午 氏は、「大口事故例とブラジルにおける保険上の注意点」と題して、ブラジルでは真っ先に金利、為替、インフレなどが話題に挙がるが、保険に関しては忘れがちであり、重要なことは契約している保険の内容を理解しておかなければならないと説明、世界で発生した大口事故例として、2010年4月のメキシコ湾原油量出事故による原油流出防止の損害は4兆円、保険金支払いは2000億円、2011年3月の東日本大震災の経済的損害は20兆円、保険金支払いは1兆2000億円、2011年のタイの大洪水の経済損害は4兆円、日本の保険会社の保険金支払いは9000億円、ブラジル国内の大口事故例として、2013年9月のクリチーバ市の家電倉庫の火災、サントス港湾ターミナルの砂糖倉庫火災による18万トンの焼失によるコモディティ価格の上昇、2009年のサンベルナルド・ド・カンポの洪水による自動車メーカーの新車水没被害などブラジルは意外と洪水や風災が多いと説明した。

また転売可能な家電製品などの輸送中の強盗被害では、ブラジルはメキシコ並びに南アフリカと共に世界でも最も多発、2013年上期のサンパウロ州の輸送中の強盗被害は3743件発生、ブラジルの保険の注意点として、損害貨物を受取った受取人は、輸送会社に対して貨物の受取りから10日以内にClaim Noticeを出状&受領( Carta Protesto Protocolado)されることが義務付けされており、義務不履行の場合は、輸送会社に対する請求権及び保険請求権が失われると説明した。

河崎 宏一 氏は「リスクマネジメント」について、リスクマネジメントとは、企業の諸活動に及ぶ悪影響を低減させるため、リスク要因を特定し、資産・活動・稼働力を保護するために必要な機能と説明、また保険管理型並びに経営管理型、経営戦略型に分類され、リスクマネジメントサイクル、リスク算定マトリックス、リスク対策の中の損害保険の位置付け、リスク対策ポイントとしてリスク回避→低減(予防→防御)→移転(保険)→保有、保険の効用、積極的保有と消極的保有、リスクマップの作成、事業中断とボトルネック関係などについて説明した。

桑原 泰治 氏は、「ブラジルの企業経営と損害保険」について、工場建設中の保険として建設工事保険、工場稼働後の保険として、火災保険、輸入・国内運送保険、施設等の管理に起因して第三者に損害を与えた場合の賠償責任保険、製造販売した商品に起因して第三者に損害を与えた場合の賠償責任保険PL、共通保険として従業員が事故で怪我、死亡した場合の生命保険・傷害保険、従業員が車を運転中に事故を起こした場合の自動車保険、健康保険、歯科保険、火災保険における一般的なカバー、保険金額の設定のためには保険対象物を決め、一般的には建物・什器・備品と分けて保険金額を算定、利益損出が特約で補償することが可能な利益保険などについて説明、また講演後、情報交換のため懇親の場が設けられた。

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開催挨拶を行う山崎 展生部会長

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講演中の村山 進午 氏 (Tokio Marine Seguradora S.A.)

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50人が参加した金融セミナーの様子

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左から山崎 展生部会長 (Banco Bradesco), 桑原 泰治 氏 (Yasuda Seguros), 河崎 宏一 氏 (Mitsui Sumitomo Seguros), 村山 進午 氏 (Tokio Marine Seguradora), 高橋大輔氏 (Banco Bradesco), 古沢邦浩氏 (Tokio Marine Seguradora) 、平田藤義事務局長

Fotos: Rubens Ito/CCIJB

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