麻生前総理大臣と会議所役員が懇談会に参加

2日、午後7時から市内ブルックリン地区にあるホテル ヒルトン・サンパウロ・モルンビーで懇談会が行われた。大部一秋総領事から懇談会開催の挨拶後、中山立夫在ブラジル日本商工会議所会頭代理で近藤正樹副会頭が挨拶に加え、ブラジル経済の現状報告を行った。

日本在住者を除く当地の日系社会人口120万人に、歴代の総理の中でも一番知られ、慕われている麻生総理を囲み「ブラジル経済の現状」について気軽な意見交換会となった。

かつて企業駐在員として1年くらい滞在、一昨年の日伯交流年には日本側実行委員会名誉会長を歴任、平成19年(2007年)外務大臣としてご来伯、さらに翌平成20年(2008年)6月の百周年記念式典にも皇太子殿下とご一緒にご列席、また平成18年7月以降、現在も日伯国会議員連盟会長をお勤め、ブラジルとの関係や熱い思い又認識の深さは、日本人のみならず一般ブラジル人にも尊敬されるだけに全ての事に精通、さすがこの4年間で総理の時代を含め3回もご来伯された大物政治家だ。

参加者各位と将来の国際的な企業のビジネスモデルのあり方についても話が弾んだ。途上国の追い上げ、日本が技術面で将来国際競争力を維持、また打ち勝つための設計開発分野のメンタリティーの改革、新幹線、都市交通など人材育成の分野を含め話題が尽きない。時差調整の一時も無いタフな総理と阿吽の呼吸で気楽な懇談会が出来たのは滅多に無い機会である。

日伯協力の分野では総理の時代にルーラ大統領と昨年5月電話会談や直接膝を交え合意に至った幾つかのビッグ・プロジェクトが今開花或いは実を結びつつある。地上デジタルTV放送の日伯方式を他の南米諸国に普及するため共同で取り組む件、またリオーサンパウローカンピーナス間ルートの高速鉄道建設が日伯戦略的パートナーシップ推進上、象徴的とする案件だ。また在日ブラジル人に対する教育、雇用、住居支援の実績等がブラジル政府から高く評価された。

昨年7月イタリアのラクイラ・サミットにおいてルーラ大統領と会談、在日ブラジル人および在ブラジル駐在員のための両国間における社会保障協定が締結に向け最終段階にきている。

総理に当会議所の概要・沿革を説明、正式に登録した1940年から起算、今年は創立70周年の節目。現在の会員数、法人307社、10個人、進出企業164社 ブラジル及び外資系企業143社の会員構成を説明。

平成20年(2008年)9月15日、リーマンブラザーズの破綻をきっかけに、先進諸国は軒並み世界大恐慌を彷彿させる経済危機に陥ったが、幸い内需主導型のブラジル経済は政府による迅速な財政出動や金利政策および景気刺激策のお陰で大きな影響を受けずに済み、昨年は前年比ゼロ成長で終わったものの、今年からは順調にV字型回復を果たした事を報告、総理はじっと聞き入った。

今年は大統領選挙の年に当たるが、市場の大方の予想は誰が大統領に就任されても基本的に経済政策には大きな変更は無く、平成26年(2014年)のワールドカップさらにその2年後に開催されるリオリンピックに向けインフラの整備をはじめ資源・エネルギーを中心に経済成長に一段と拍車がかかる元気なブラジル経済をPRした。

持続的な経済発展には資金面を含め更に外資系企業の参入を必要とし、貿易投資の拡大やインフラ整備が連邦政府や州、市レベルで課題となっている事も説明。

平成20年(2008年)の日伯交流年にブラジル政府に対して問題を提起し、率直に議論するための対話の場として設立された両国政府主導による日伯貿易投資促進合同委員会に民間の立場からも参加。

貿易投資促進、ビジネス円滑化、知的財産、資源・インフラをはじめ税制に至る諸問題を経済産業省の主導下、関係省庁を交え特に在ブラジル日本国大使館やサンパウロ総領事館からのご指導ご支援を仰ぎながら鋭意、政官民連携で取り組んでいる状況も説明。

ブラジルに縁が深くブラキチとされる麻生総理に、ご帰国後も引き続き真の戦略的パートナーシップ構築に向け、人的交流などを含む両国の関係強化にご協力をお願いした。

懇談会には顧問の中野喜一郎氏がご出席、主催者の在サンパウロ総領事館からは大部総領事と加藤領事が又会議所からは田中名誉会頭、長谷部副会頭、近藤副会頭、杉山副会頭、松田副会頭、林専任理事、伊藤専任理事、佐々木専任理事、鷲巣専任理事、西岡専任理事、平田事務局長が参加した。

麻生太郎前総理大臣と記念撮影する参加者

麻生太郎前総理大臣と記念撮影する参加者

麻生太郎前総理大臣と記念撮影する参加者

 

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