4月の懇親昼食会に105人が参加して開催

4月の懇親昼食会は、2012年4月13日正午から2時までインターコンチネンタルホテルに105人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務めた。

招待者・特別参加者紹介では、ブラジル・トレーディング・カンパニー協会(ABECE)のイヴァン・ハマーリョ会長、小林雅彦在サンパウロ日本国首席領事、三菱商事の白木清司常務執行役員・中南米統括、ジャイール・スタングレーABECE 広報担当、ABECE 会員企業のTarget Trading社のロドリゴ・サー・セーザル・カマルゴ代表、サンパウロ日伯援護協会の菊池義治会長、アリアンサ日伯文化連盟のアンセルモ中谷会長、工藤章 三菱商事上席顧問/元ブラジル日本商工会議所会頭 、 岡田茂男大阪・サンパウロ姉妹都市協会会長/元ブラジル日本商工会議所副会頭 、ダニエル・カワチ青年会議所会頭、  ザ・ジャパンタイムズ・ワールド・アイ・リポートのメ-シ-・ヤプキアンウィ-プロジェクトマネジャー がそれぞれ紹介された。

交代挨拶では在サンパウロ日本国総領事館の佐々木真一郎副領事は、2009年4月に赴任した時はリーマンショックによる世界金融危機の真っただ中であったが、同年8月の部会長シンポジウムでは、ブラジル経済は青空が見えてきたと経済回復の速さが印象に残っており、休日はもっぱら旅行に費やして、ブラジル全土の26州並びにブラジリア連邦直轄地を旅行、帰国後は国土交通省でインフラ整備を担当するが、ブラジルではインフラ整備の重要性を感じたと述べ、最後にサンパウロでは人に恵まれて快適な生活が送れたと付け加えた。後任の遠藤諭副領事は、こんなきれいな空の下で働けることは非常に素晴らしいことであり、経済班担当として経済を中心に色々学びたいと挨拶を行った。

日本経済新聞の宮本英威サンパウロ支局長は、4月1日から支局長として赴任、メキシコからチリまで33ヵ国を担当、2週間の滞在で感じたこととして色々な人がいる多様性並びに物価高、トラブルが多くて、入国では出口のスタンプを押されたと笑いを誘い、また2つのお願いとして、ブラジルの経済情報の記事をたくさん日本に送って、ブラジルの事情を伝えたい、またブラジルの事情が伝わらない場合は、ブラジルの問題点や困ったことを日本に伝えるために自分に話してほしいと述べた。その着任挨拶後に平田事務局長はすかさず、イヴァン・ハマーリョ会長にインタビューするとよいと提案を行ったことを述べた。

3分間スピーチでは、三菱商事の工藤章上席顧問がブラジル勤務は1998年からリオ市、2000年から2008年まではサンパウロ勤務、2002年に商工会議所の会頭を務めて、微力ながら会議所の改革に携わった、22年間の南米勤務の経験を生かして国際社会貢献センター(日本貿易会)や青山学院大学、浜松学院大学や市民講座、ロータリークラブ等で講演などを行って、日本と中南米の関係強化に努めてきたが、リタイヤしても継続したいと述べ、またリタイヤしたら日本貿易会の事務方を務め、ラテンアメリカ協会や日本ブラジル中央協会にも積極的に協力したいと述べた。

岡田茂男大阪・サンパウロ姉妹都市協会会長/元ブラジル日本商工会議所副会頭は同姉妹都市協会について、橋下大阪市長旋風は大阪市の財政見直しのために、幹部が協会を訪問して3月末での支援打ち切りを宣言されたが、国際貢献を行っている協会を潰すことに反対する政治家が登場、5月に会員を集めて存続か解散かを決めるが、当分は会長を継続すると述べ、また駐日ブラジル大使館主催、大阪府並びに大阪市、大阪商工会議所、(財)大阪産業振興機構、(財)大阪国際経済振興センター共催によるブラジル経済セミナーで、パナソニック・ブラジルの松田雅信元社長が講演したが、平田事務局長を大いに持ち上げていたと述べ、大阪で岡田が、関東で工藤が大いにブラジルを宣伝しますと述べていた。

3分間スピーチでJBAC社が委託業務を行っている日本査証申請センター代表の中司竜太氏は4月9日から業務を開始、査証代行業務はインドなどの外資が独占しており、インドの企業よりも日本企業の親切で緻密なサービスを提供したいと述べ、総領事館との変更点は8時30分から17時30分の受付・問合せなどで利便性を向上、キャッシュの支払いからクレジットカードやデビットカードの使用が可能となり、査証時間の大幅な短縮などと説明した。

イヴァン・ハマーリョABECE会長の講演を前に近藤正樹会頭が歓迎の辞を述べ、
イヴァン会長は「ブラジル貿易 - 保護主義と工業政策」と題して、商工会議所は日伯経済関係に大いに貢献しており、ビジネス環境整備では色々なポジティブな問題解決に結びついていると説明、2011年からブラジル・トレーディング・カンパニー協会で会長に就任して、ブラジルの貿易拡大に励んでおり、またビジネス環境で問題があれは平田事務局長を通して申し込んでほしいと述べた。

イヴァン会長はブラジルの貿易は拡大の一途を続けており、2002年の輸出入総額は1,070億ドルであったが、昨年は4,800億ドル、今年は5,000億ドルの突破が予想、昨年の輸出は2,500億ドル、輸入は2,200億ドル、輸入では消費財並びに完成品、機械・装置などの資本財が増加、日本とは貿易でパートナーとなっており、日本への輸出では鉄鉱石、日本からの輸入は完成品が大半を占めていると説明した。

またレアル高の為替などの影響で製造業の競争力が削がれているために、工業活性化政策の発表と同時に、ブラジルの貿易では保護主義的な措置などを採用して、ブラジルで生産できない機械・装置の輸入まで制限しているのは非常にナンセンスなことであり、工業活性化政策と保護貿易主義を混同してはいけないと指摘している。

最後にイヴァン会長はブラジルの保護貿易主義の10ポイントとして、以下を述べた。

①過去10年間のブラジルの貿易の相手国は100カ国以上に拡大。

②昨年の輸出の増加率は輸入の増加率を上回っており、ブラジルの貿易危機は存在しない。

③輸入の大半は機械・装置などの製造業プロセス向け製品が82.3%を占めて、ブラジルの製造業は輸入製品に依存しており、昨年の消費財の輸入は僅かに17.7%であった。

④過去10年間の資本財の輸入は20%、ブラジル・マイオールプランはイノベーションや投資の拡大を目的にしているが、機械・装置の関税増加や輸入規制は競争力を削ぐ。

⑤保護貿易主義はブラジル経済を更に閉鎖して関税やブロクラシーの増加につながっている。ブラジルのGDPに占める輸入の割合は12% とインド並びに中国、トルコよりも低く、ブラジルはG-20 の中で最も閉鎖的であり、海外でのブラジルのイメージを損ねている。

⑥ブラジルの製造業に対する重税並びにフレ-ト代並びに保険、港湾ロジスティックなどのブラジルコストでブラジルの製品は輸入製品より高額。

⑦昨年のブラジルの失業率は過去最低の6.5%。ハイテク技術を必要とする生産プロジェクトには機械・装置の輸入が欠かせない。これらの輸入は製造業部門や農業部門の雇用の創出につながる。保護貿易主義の強い部門では輸入は雇用を創出しないと批判している。

⑧輸入はインフレ圧力コントロールにとって重要である。経済閉鎖並びに保護貿易主義による製造業向け消費財の輸入製品価格は国内の物価上昇につながり、競争力を削ぐ。インフレ悪化は中銀の金利低下を阻害して製造業の競争力を削ぐ。

⑨発展途上国の経済拡大プロセスでは、サービス部門の伸び率が拡大して工業部門のGDPを上回る。昨年のブラジルの農業部門並びにサービス部門のGDP伸び率は工業部門を上回った。

⑩ブラジルの製造業部門の低い競争力は高金利並びに投資の減退、レアル高の為替、高価な電力エネルギー、重税、労働法、ブラジル経済の構造上の問題が要因。輸入は国内の製造業の競争力を削ぐものではなく、また保護貿易主義は新しい投資の阻害要因に結びつく。

「ブラジル貿易 - 保護主義と工業政策」ブラジル・トレーディング・カンパニー協会(ABECE)のイヴァン・ハマーリョ会長(日本語版)

「ブラジル貿易 - 保護主義と工業政策」ブラジル・トレーディング・カンパニー協会(ABECE)のイヴァン・ハマーリョ会長(ポルトガル語版)

ブラジル・トレーディング・カンパニー協会(ABECE)のイヴァン・ハマーリョ会長(Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

歓迎の辞を述べる近藤正樹会頭

左からイヴァン・ハマーリョ会長/近藤正樹会頭/小林雅彦在サンパウロ日本国首席領事

イヴァン・ハマーリョ会長を囲んで記念撮影

左から近藤正樹会頭/記念プレートを受取るイヴァン・ハマーリョ会長

左から近藤正樹会頭/贈呈された日本酒を持つイヴァン・ハマーリョ会長/平田藤義事務局長

105人が参加した懇親昼食会

 

 



 

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