8月の懇親昼食会開催

商工会議所の懇親昼食会は、2022819日正午から2時過ぎまでイースタンプラザホテルに約90人が参加して開催、司会は平田事務局長が務め、初めに特別参加者紹介として、Prospectivaコンサルタント会社創業者のリカルド・セネス 政治学者、桑名良輔 在サンパウロ日本国総領事、文協のRoberto Yoshihiro Nishio副会頭、援協のSergio Kiyoshi Okamoto会頭、アリアンサのCarlos Hideaki Fujinaga会頭、県連のToshio Ichikawa会頭が紹介された。

講師歓迎の辞で村田会頭は、ブラジル駐在24年間の間に4回の大統領選挙を見てきたが、今回は最も拮抗した大統領選挙になると思う。どちらが当選しても来年以降のブラジル経済は大きな転換期を迎える。講師のリカルド・セネス氏は、20199月にもテーマ「政治シナリオ及び経済インパクト」と題して講演して頂いており、メディアで報道されない水面下の情報を聞けるチャンスと紹介した。

村田会頭

リカルド・セネス氏はテーマ: 2022 年ブラジル選挙 - その見通しとインパクト」と題して、10月の大統領選挙は、中道左派の元大統領のルーラ候補と現職のボルソナロ候補の一騎打ちの様相で、第3勢力のシロ・ゴメス候補及びシモーニ・テべテ候補の支持率は合わせても二桁台に達していない。国会を実質的支配する中道勢力(Centrao)は引き続き勢力を維持すると予想されている。労働者党(PT)のルーラ候補を支持しているのはPSOL党、Verde党、PSB党、PCdoB党、REDE党、AVANTE党と多くの党の連立支持を得いている一方で、自由党(PL)のボルソナロ候補は、Progressistas党及び Repblicanos党に留まっている。ブラジル民主運動党(MDB)のシモーニ・テべテ候補はPSDB党、Cidadania党、Podemos党の支持を取り付けているが、民主労働党(PDT)のシロ・ゴメス候補の支持政党はなし。

現在の国会は中道右派及び右派の下院議員が過半数を占めており、現職の下院議員の再選の確率が高い。左派政党の下院議員は議席を失う可能性が高いにも関わらず、PT党は議席を増やす可能性が高い。また大統領及び副大統領に次ぐ権力を擁する下院議長は、現職のアルツール・リラ下院議長の再選が有力で権力維持が見込まれており、ルーラ候補が大統領になっても難しいかじ取りを強いられる。

第一次選挙のルーラ候補の支持率は44%、ボルソナロ候補は37%、ゴメス候補6.0%、シモーニ候補は4.0%、第二次決選投票ではルーラ候補は52%、ボルソナロ候補は38%が見込まれている。また不支持率調査では、ルーラ候補の40%~45%に対して、ボルソナロ候補は50%~55%と非常に高い。ゴメス候補は45%~50%に対して、シモーニ候補の不支持率は20%~25%と非常に低いことなどを説明した。

質疑応答では誰が当選すると予想しているか? 第3候補の支持率が低い理由は? ルーラ候補が当選したらどの様な有力な支持者が続くのか?などが挙げられた。平田事務局長は、誰が当選しても労働法の後戻りはしてほしくない。誰が税制改革をしてくれるのかとコメント、村田会頭から講演を終えたリカルド氏に記念プレートが贈呈された。

リカルド・セネス氏

桑名良輔総領事は、日本人移民先駆者-上塚周平と平野運平 ノロエステ地方:プロミッソン市カ フェランジア市(平野植民地)と題して、ブラジルでは1888年まで奴隷制度が存在したが、廃止共にイタリア移民が流入、サンパウロ州の人口4000万人のうち2000万人はイタリア系で、日系は200万人。1908年の笠戸丸からコロノの契約農民として移住開始。1,915年頃から日本移民植民地は誕生。プロミッソンには1917年に監督官として笠戸丸できた上氏が日本移民植民地を創設。平野運平氏の呼びかけで建設されたカフェランジアの平野植民地は、移民者による最初の自作農集団地であったが、低湿地での米作りでマラリアで多くの命が失われたが、苦闘の精神で今では日系の子孫が高等教育を受けて大いに活躍していると説明した。

桑名良輔総領事

渡邊聡太副領事は離任挨拶で官民人事交流で赴任、私が着任して総領事館との距離が縮まったと言っていただいた。官民が力を合わせた時は大きな影響力になると感じた。どんな些細なことでもビジネス障害になっていることがあれば腹を割って相談してほしい。当地での4年間勤務は忘れえぬ期間で、心からお礼を述べた。

渡邊聡太副領事

EYの矢萩信行氏は、笹澤の後任として7月に着任、海外は米国、ブラジル、スペインそして再度ブラジル勤務、日系企業を積極的に支援したいと述べた。テルモの赤松泰社長は、昨年サンパウロに2回目の赴任したが、コロナでも営業活動を積極的に展開、後任の矢野社長に託すと説明。矢野氏は8月着任、ドイツ3年、フランス4年の海外勤務、会社の発展に全力を注ぐと説明した。

EYの矢萩信行氏

テルモの赤松泰社長

後任の矢野社長

3分間スピーチでは、ブラジル青年会議所の村上パトリシア元会頭及びNECのエレン・バチスタマネージャーは、「飢餓をなくすための連携」キャンペーンを説明、会員企業の資金協力を要請した。また県連の市川利雄会長は、715日から17日迄開催された第23回日本祭りの参加者は182000人、そのうち非日系人は58.5%、来年の日本祭り参加アンケートでは95%が参加を希望しており、非常に好評を博している。来年の日本祭りへの支援を要請した。

ブラジル青年会議所の村上パトリシア元会頭 NECのエレン・バチスタマネージャー

県連の市川利雄会長

平田事務局長は、7月の理事会で個人会員として入会を承認され、今後は積極的に商工会議所のみこしを担ぎたいと強調。また今後は私に替わって懇親昼食会の司会交代を要請した。

平田事務局長

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=50424