80周年を迎えたサンタ・クルス病院

サンタ・クルス病院(レナト・石川理事長)は6月1日(土)終日、市内のホテルで設立80周年記念式典を行い約250名が参加、盛大に祝った。会議所からは平田藤義事務局長が参加した。
式典では第Ⅳ回日伯医療技術協力セミナー(筑波大、九州大学大阪大学が後援)を開催、日本からわざわざこの目的だけに筑波大学の永田恭介学長、大根田修 国際室長・サンパウロオフィス拠点長ほか関係教授陣および今川医療福祉グループの代表者等が駆けつけた。

石川理事長からサンタ・クルス病院の前身、日本病院として1933年(移民25周年)に定礎式、34年昭和天皇からの御下賜金を呼び水に日本や現地の日系社会から募金、39年に竣工、太平洋戦争勃発により国交断絶、42年に敵性資産として接収された後、約半世紀後の89年(サルネイ政権)、日系人からの返還運動を経て90年に再び経営権を取り戻し、今現在近代化された病院に至るまでの苦難の歴史を語りまた将来のビジョンについて力強く挨拶。来賓の中には89年~90年当時の経営権移譲に尽力したTsuzuki Seigo元保健大臣も出席、感無量の挨拶を披露した。

山田 彰在ブラジル日本国特命全権大使を始めとする野口 泰在サンパウロ日本国総領事、永田筑波大学学長等多くの来賓が駆けつけて挨拶、永田学長からは「Medical Science for SDGs in Digital Era」と題し、世界の貧困、食糧難、病気について特別基調講演があった。(SDGsとはSustainable Development Goals=持続可能な開発目標)

以下、基調講演の中の主なキーワード:世界の平和、人間世界の幸せと調和、少子高齢化、人口減少の加速化(日本)、日本のGDPとエネルギー総使用量(科学技術を上手く持ち込めばGDPが伸びてもエネルギーの総使用量を減少できる代表例)、Society5.0、日本の若い世代の就職先が製造業からサービス産業に移転、筑波大学のキャンパス内に200余の研究所があり留学生比率が最も高い(約2,700人/25,000人)、油田が無くても代替可能な油を作る技術、Sleepに関する研究、World Premier研究センター、医療用ロボットウエアー、ロボットスーツと神経活性化、病気になる前に病気を見付ける遺伝子ゲノム解析(ビッグデータ解析やAIの応用)。

最後に、将来に向けた4つのヒントとして①大学同士の連携だけでは限界があり産学連携が不可欠、②自動車不要の時代に備えたJoint Reserch、③夢のあるプロジェクト(アポロ計画に続くプロジェクト)④それを実現するのは若い人たちであると講演・挨拶を締めくくった。

(写真提供 望月二郎氏)

 

 

 

 

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