JBIC主催のバイオ燃料セミナー

JBIC主催のバイオ燃料セミナーが6月28日午後4時から商工会議所会議室に60人が参加して開催された

 

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国際協力銀行(JBIC)主催の英語セミナー「ブラジルのバイオ燃料分野における日本企業のビジネスチャンス」にロベルト・フカイUSP大学教授を講師に招いて、6月28日午後4時から5時30分まで商工会議所会議室に60人が参加して開催された。

JBICの櫛引智雄リオ駐在員が、セミナー開催の挨拶並びに趣旨を説明して後、Hukai教授がパワーポイントを用いながらセミナーを始めた。

Hukai教授はまず初めにブラジルは広大な耕地面積、豊富な水資源および砂糖キビなどバイオ燃料の植物栽培に適した温暖な気候を有しており、国土面積の広大なロシア、米国、中国、オーストラリア、インドやカナダでもこのような条件を満たしている国はなくて比類ない恵まれた土地であり、今後の発展や投資が約束された国であると強調した。

また米国でも自動車燃料として高騰する石油からの依存度低下を目標に、トウモロコシからエタノール生産に拍車をかけているが、ブラジルの砂糖キビから生産されるエタノール価格は半分以下であり、ブラジルのバイオ燃料生産競争力は他国を抜きんでていると述べた。

またブラジルで栽培されている砂糖キビの栽培地域、今後灌漑設備を必要としない耕作可能地域、灌漑設備利用で耕作可能地域の分布図の説明、9,700万ヘクタールの耕作地で砂糖キビを栽培した場合のエネルギー換算表及び世界のエネルギーマップに与える影響、地球温暖化ガスの低減効果や都市部の汚染改善などバイオ燃料栽培効果についても説明した。

石油産油地である中近東、ナイジェリア、ロシア、ヴェネズエラやボリヴィアの政治情勢不安、自動車燃料として急増する需要、タイトな石油の供給と需要のバランス、2001年から高騰している石油価格、石油に代わる代替エネルギー源、経済好調な米国、中国及びインドでの急増している石油需要、1970年代から開始したブラジル国家アルコール計画(Proalcool)は代替エネルギー生産では世界で最も成功した例であり、エタノール燃料使用によるアドバンテージを強調した。

ブラジル産エタノールの生産コストは世界でもベストであるが、ロジスティック面での改善、特にエタノール輸出港湾整備の強化の必要性、今後エタノールは国際コモディティー商品としての取扱、今後の米国や日本でのエタノールの需要、2020年から2025年には中国が米国の石油需要を追越しインドが追従する。

広大国土面積と温暖な気候のオーストラリアには世界の水資源の1%であるが、ブラジルは22%占めており、カリブ諸国、サハラ砂漠周辺地域、南アフリカ地域や東南アジア地域での砂糖キビ栽培は可能であるが、ブラジルは世界最大の砂糖やエタノールの生産国で、世界の砂糖キビ生産の1/3を占めており、最大の輸出国でもあるとポテンシャルを説明した。

輸出港湾ロジスティックと耕作地域の関係、耕作面積と自然保護地域の関係、ローカルパートナー選択が成功のキーポイント、バイオジーゼルによるジーゼルオイルの代替、中国、インド、ロシアなどの新興国で急増するバイオジーゼル需要、バイオジーゼルが生産可能な大豆油、パーム、ヒマワリ、砂糖キビの栽培面積、生産量と雇用創出との関係を説明した。

最近の両国首脳の相互訪問やBRICsの一国であるブラジルに日本から注目が集まりだしており、ブラジルは日本のラテンアメリカ及びアフリカのポルトガル語諸国進出の拠点として支援する。日本にとってブラジルの農業、酵母や発酵のバイオテクノロジー、物流システム、パイプライン,貯蔵システムや海運などのロジスティック、製造プラント分野、発電燃料やバガス発電の電力や化学原料やプラスティックの化学工業分野への大きなビジネスチャンスである。また日伯両国はエタノールやバイオジーゼル生産システムや新しい国際物流システム開発のために日本の資本及びブラジルのテクノロジーを活用、民間ジョイントヴェンチャーでのグローバルエネルギーアライアンスで素晴しいビジネスチャンス創出が出来ると結んだ。

最後の質疑応答では相川武利リオ首席駐在員が進行役を務め、また7月に東京で開催されるセミナーについても説明した

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=34387