「海外邦人安全対策ワークショップ」の講演会

サンパウロ総領事館(石田仁宏総領事)主催の「海外邦人安全対策ワークショップ」の講演会に100人を超す参加者で、多目的ホールが満員になり、治安に対する関心の高さが、再確認された

21日午前10時から、サンパウロ総領事館の多目的ホールで開催された「海外邦人安全対策ワーク ショップ」の講演会が、アジア、アフリカや中南米の50カ国以上で安全指導の経験を持つジェイ・エス・エス社の佐々木泰幸さんによって行われた。これには 30人を超す駐在員夫人など100人以上が会場を埋め、熱心にメモを取ったり、真剣に対応策に聞き入っていた。

始めに海外危機管理上の基本知識として、危機に遭遇したときにオロオロしないように普段からいろいろなシュミレーションを考えておき“自助自 救”や危機に遭遇しても被害を最小限に食い止める“生き残りの発想”について説明した。

また“安全3原則”の説明では、普段からTPOを心がけ、常に用心を怠らない。通勤ルートも融通性のある行動パターンを準備しておく。

続いて“テロの手口と対策”について、サンパウロではテロが発生しないと考えるのは、間違いであり、テロの標的になる米国やイスラエル公館、それにユダヤ教の教会などにも出来る限り近づかないなどと注意を促した。
またプロジェクターを使って、インドネシアでの爆弾テロ現場写真で、爆風によるガラス飛散による被害について説明し、できる限り飛散防止フィルムのアパートや車の窓ガラスへの利用を促した。
銃撃テロや銃撃戦に遭遇した時は、出来る限り姿勢を低くし、速やかに現場から遠ざかることとアドバイス。
NBCテロとは、Nは核使用によるテロで、今のところ可能性は低い。
Bは生物テロであり、天然痘テロが世界的脅威だと述べた。
Cは化学テロであり、日本でもオーム教のサリン事件が過去に発生していると説明した。

20日午前中の日本人学校訪問での安全点検やスクールバスでの見送りなどについても詳しくアドバイスした。また同日午後の2ヵ所の進出企業及び2駐在員住居訪問では屋内犯罪に対する注意点についても適確なアドバイスを与えた。

野外犯罪では、電撃誘拐防止、銃器使用による路上強盗への対応策、会社に対する電話による恐喝や脅迫に対する処理方法や振込め詐欺(オレオレ詐欺)への対応など細かく説明した。

最後に質疑応答が行われたが、多くの参加者が積極的に質問していたが、さすがに安全対策専門家の佐々木さんは、全ての質問に適確にアドバイスし、参加者は講演会に満足した様子で、大きな拍手が送られた。

また大熊博文領事から、サンパウロ総領事館が今年1月から始めた、電子メールによる在留邦人やその家族に対する速やかな安全情報サービスについて、希望者は総領事館のメールアドレス cgjregistro2@arcstar.com.br に氏名、生年月日、送付を希望するメールアドレスを明記して、送付するだけで自動的に情報が受けられると説明し、多くの邦人や家族の利用を呼びかけた。

最後に蛇足だが、駐在員の奥様方の座席が後方に集中していたのが、気に掛かった。内助の功である奥様方にも極めて身近な話のセミナーであっただけに男尊女卑とは思わないが、前方着席だったら100点プラス20点、次回を楽しみにしたい。(事務局長談)

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