11月の労働問題研究会に40人が参加して開催

企業経営委員会(上野秀雄委員長)の労働問題研究会が2012年11月22日午後4時から6時まで40人が参加して開催され、上野秀雄委員長が開催挨拶を述べ、司会は破入マルコス副委員長並びにサンドロ・ホリカワ氏が務めた。

初めにHonda, Estevão Advogados 弁護士事務所海外貿易部門のリタ・デ・カッシア共営者並びにナターリア・ブリット弁護士が「貿易保護政策 」について、ブラジルの貿易保護政策としてセーフガード、アンチダンピング、補助金相殺措置が採用されており、セーフガードの細則令は30号/1994で発令、セーフガードは特定品目の貨物の輸入の急増による国内産業に重大な損害を与えていることが認められ、また経済上緊急の必要性が認められる場合に、損害を回避するための関税の賦課又は輸入数量制限を実施、またブラジルのセーフガード発令のフローチャートを説明した。

補助金相殺措置は、政府補助金を受けて生産された貨物の輸出が輸入国の国内産業に損害を与えている場合に、当該補助金の効果を相殺する目的で賦課される特別な関税措置であり、相殺関税制度はWTO協定(GATT・SCM協定)において認められており、またブラジルの補助金相殺措置発令のフローチャートを説明した。

アンチダンピング関税措置は、輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出(ダンピング輸出)が、輸入国の国内産業に被害を与えている場合に、ダンピング価格を正常な価格に是正する目的で、価格差相当額以下で賦課される特別な関税措置であり、アンチダンピング制度はWTO協定(GATT・AD協定)において認められており、発動要件として1) ダンピング輸入の事実、 2) 国内産業の損害の事実、
3) 両者の因果関係、4) 国内産業を保護するための必要性となっており、ブラジルのアンチダンピング措置発令のフローチャートを説明した。

Ernst & Young Terco労働法・社会保障部門のマルセロ・リベイロ・ゴジーニョ・シニアエグゼクティブ並びにジゼリ・デ・フレイタス・シニア責任者が「EFD-Social (e-fopag)」について、デジタル会計方式(ECB)から法人の公共デジタル会計システム(SPED)の推移、当時の試験プロジェクトによる問題点の活用、社会保障院(INSS)連動によるデジタル会計システム(SPED)のベネフィットとして、企業は書類や保管場所の削減、社内売上プロセスの改善並びに会計簡素化、社会的にはブラジルコストの削減、書類削減による環境の改善、個人では情報クオリティの改善、不正撲滅の強化につながり、不正操作によるINSS保障院の納付漏れによる損害は月間70億レアルであるが、SPEDの実施で改善が可能と説明した。

INSS保障院連動のSPEDの試験プロジェクト開始は2013年7月が予定されており、プロジェクトパートナーとして有価証券取引所(CVM)、マナウス・フリーゾーン監督庁(Suframa)、ブラジル銀行協会連盟(Febraban)、全国自動車工業会( Anfavea)などが参加、INSS保障院連動の電子システムを通した会計と税務情報の標準化及び共有化が可能になると説明した。

左から3人目は上野秀雄委員長

40人が参加した11月の労働問題研究会の様子

40人が参加した11月の労働問題研究会の様子

 

 

 

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