2003年上期業種別部会長懇談会-建設不動産部会


清水部会長

 

資材値上がりが収益圧迫

司 会  ありがとうございました。ガンバリズムに期待したいと思います。続きまして、建設不動産部会の清水部会長よろしくお願いします。

清 水  建設不動産部会の清水でございます。私ども建設不動産部会は、建設業を主体とする建設業者と、アパート、住宅販売を含む不動産業者の集まりです。2002年下期の回顧、それから2003年上期の展望については各部門に分けて報告させて頂きたいと思います。

2002年下期の回顧。建設部門は大統領選挙の影響から低調に推移して、大型物件にその傾向が著しく顕著で、そのため、各社とも目標を下回っております。 日系企業からの案件は非常に少なく、非日系の分野で工事量の確保をせざるを得ない状況になっております。非日系分野での活況な業種の特定はなく、過去の実 績延長での受注等に限られております。また、レアル安に伴う建設資材の値上がりが収益面に悪影響を及ぼしております。とくに、建設の使用資材、セメント、 鉄、電線等の値上がりが20~30%ということで収益に大きく影響しております。

不動産投資は一時的現象、いま供給過剰状態

不動産部門ですが、好調であったところと低調であったところの2局に分かれました。入居率が維持出来、保有不動産が順調に売却できたところは好調でした が、入居率が維持出来なかったところは厳しい状況となっております。全般的に政権交代の不透明さから、投資家が銀行貯金の投資を不動産投資に切り替えたた めに、現在、供給過剰ともいえるビルの工事が増加しております。そのため商業ビルについて過剰感が出て来ております。また、市条例の変更により建築規制、 とくに建坪率等の削減が厳しく制限されることを見越して駆け込み建築申請、工事着工もあり、サンパウロ市内では多くの建設現場が目立つ状況になっておりま す。

ターゲットは中小物件 - 建設部門予測
調整率の指数変更を予想 - 不動産部門

2003 年上期の展望ですが、建設部門は、新政権の政策の様子見から大きな動きはなく、低調に推移するのではないかと予測しております。引き続き中小の比較的工期 の短い物件がターゲットになって行くものと思われます。為替の変動、労務賃金の調整、インフレ等の影響による収益面の圧迫が懸念され、3社中2社が前年よ り業績が落込むと予想しております。また、日系企業からの工事については、引き続き非常に低調と予想されております。また、建設資材の値上がりを予想しま すと、大型物件はかなりリスクが高くて、積極的に取りに行くような状況にはありません。

不動産部門ですが、需給の悪化が懸念され、楽観はできないが現状の入居率は維持できるのではないかと予想されております。また、契約更新時の賃貸料の調整 については、従来使用していた指数ではアップ率が大きすぎるため、別の指数で調整するようになると予想されております。以上が、建設不動産部会からの報告 でございます。(詳細は末尾の部会資料)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=30862