2003年上期業種別部会長懇談会-電気電子部会


瀬山電気電子部会長

 

司 会  続きまして、電気電子部会の瀬山部会長よろしくお願いします。

家電はカラーテレビ含め、昨年下期は2000年同期の7割

瀬 山  それでは電気電子部会の方からご報告をさせていただきます。私、パナソニックの瀬山と申します。

私どもの部会は、家電、電子部品、通信・電力・産業機器、精密事務機器の4つの分野に分けられるかと思います。まず、業界の動きということで2002年度 下期の前年同期比の台数ベース。家電から見て参りますと、カラーテレビについては97%、オーディオのステレオが86、ビデオが73、DVD再生機 165、電子レンジ機器163%ということで、DVDや電子レンジは非常に大きく伸びているように見えますが、ご存じの通り2001年の下期と申しますの が、電力問題がありまして、家電業界、ほぼ2000年と比べますと7割からひどいものになると4割という業界でありました。

比較的まともであったと思われる前々年、2000年の下期と昨年の下期を比較いたしますと、テレビ等を含めすべて7割ということです。つまり、2000年と比べるとまだ業界は7割のレベルにしかなっていないと言うことで、家電業界は需要全体が非常に低迷状態にあります。
DVDの再生機は、ビデオとこの、映画を見るあれですが、再生機器のこのデジタル化への置き換えということで、全体からみてビデオが落ちている分とDVDとトータルで少し伸びておりますが、よくない市場であったといえると思います。

為替切り下げ、高金利が需要低迷来たす

精密機器の市場は前年同期比マイナス15%、それから通信機器関係は、キャリアのインフラビジネス等が、すでに2001年上期中に完了し、民営化バブル終焉で市場が大きくシュリンクしていると言うのが、電気電子部会の昨年下期の業界全体です。
その後業界の中で下期に起こった、皆さんすでに発表されておられる通り、大統領選挙並びにそれに伴う為替の混乱、それから高金利とこれらが先ほど申し上げた需要の圧迫につながっておる、需要低迷につながっておると言えると思います。 
もう一つは、我々の会員会社の中で輸入品を主にと言うところがあります。為替が切下げられるなか、値上げで為替切下げのコスト・アップをカバー出来ず、と言うところが二つの大きな特徴ではないかと思います。
そのような業界の動き並びに一般市場環境下で、会員各社は、「固定費の圧縮」。これは少ないところで4~5%、多いところではマイナス25%の固定費圧縮を実施した。いわゆるリストラ、人員削減というところです。
それから2番目、売りを確保するために、「がむしゃらに顧客開拓、営業努力をした」というところ。それから、営業努力という意味では、新製品導入によって 売上げを確保しましたと。これが、固定費削減が1番目の対応、2番目が売り確保、3番目が大きく、高金利のなかで、資産を圧縮しながらキャッシュフローを 良化する努力をしたというのが、私どもの業界における会員各社の対応でした。

電子部品売上げ、ドルベースで105-118%

そ のなかで、下期の売上げをドルベースで見ますと、家電は83%~105%、電子部品は105~118、通信機器・電力・産業機器で前年同期比 30~70%、精密事務機器が57~125%ということで、業界のなかでもばらつきがありますし、同じ業界のなかでも先ほど申し上げました現地生産中心 と、輸入品中心という会社もあるので、そのなかでばらつきが起こっているということです。
自己評価する業績。これは収支ということも含めてと言 うふうにお聞き頂いたらいいと思うのですが、会員各社の6割が、「悪かった」、「大変悪かった」と言うふうに下期を自己評価しております。「計画通り」が 3割。「良かった」と非常にうらやましい会社ですが、これが10%と、以上が会員各社の下期の自己評価であります。
12月市況をみております と、クリスマスは非常に厳しい市況で、先ほどの、渡辺さんのお話聞いて分かったんですが、どうもお金が、食料品とか生活必需品にまわり、耐久消費財になか なか回らなかったと言うのが、昨年のクリスマスでして、で、1月に入って、私ども会員会社だけではなくて、業界あげて、このやや流通在庫が重くなったとこ ろをどうするかと言うところで、非常に厳しい2003年をスタートしたところであります。
もう一つ付け加えますと、電子部品が先ほど申し上げましたように、比較的売上げが順調なのは、一部、輸出をメインに大きく伸ばしておる携帯電話向けの電子部品販売が好調であったということが一つ、特筆に値すると思います。

「期待と不安が錯綜」の2003年上期

2003 年の上期、政治経済の動きをどう見ておるのかですが、これはもう、皆さんがおっしゃられた通りで、「期待と不安が錯綜する」と。家電の場合ですと、市場の 需要の読みが、先ほど申し上げたように非常に2000年と比べて「良くない」状況のなかから、更に、「マイナス5~10%」、これは数量ベースです。 「2003年厳しかろう」という見方が主流です。
市況のほうは、そのように「市場回復期待出来ず」。また、デフレ傾向、ドルに直しますとデフレ傾向で、価格ダウンへの対応をどうするのか、と言うことで、ドルベースにしますと、「レアル切下げ見合いの値上げが出来ない」という苦しみがあります。
それから、デジタル化がもろもろの商品で進行して行くなかで、どんな対応をして行こうかというのが、一つの課題でもあります。2003年のそういう状況のなかで、各社やはり同じように、もう一度、やはり販売努力、市場開拓努力、新製品投入を図っていきたい。
それから2番目としては、財務体質、運資圧縮強化で、価格ダウンの対応のためのコストダウンと言うところが会員各社取組みの主眼です。また、一部家電業界では、更なる中国メーカー、韓国メーカーの攻勢が懸念されるところであります。

ガンバリズムの部会 - 各社、売上げに強気計画

そ のような環境のなかで会員各社が2003年上期、どんな売上げを目論んでおるのかですが、家電が105~162%、電子部品が100~150%、通信・電 力・産業機器が40~120%、精密事務機器が104~112%と。これすべてドルベースです。業界は「あまり良くない、政治・経済的には不安が多い」と 言いながら、いま申し上げましたように、ドルベースでですね、新規商品を入れたり、新しい生産アイテムを追加したりと言うことでこの上期、非常に、「ガン バリズムで市場をみておる電気電子部会」というふうに集約できるのではないかなと思います。以上、電気電子部会の報告とさせて頂きます。(詳細は末尾の部 会資料)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=30863