総務/企画戦略委員会共催
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司会の言葉
篠原一宇副総務委員長皆さんこんにちは。時間となりましたので、ブラジル日本商工会議所総務・企画戦略委員会共催の業種別部会長シンポジウムを開催いたします。私は進行役をつとめさせていただきます総務委員会の篠原です。よろしくお願いします。
今日のシンポジウムは2時から5時半までとなっておりますので、スケジュールに沿った運営となりますよう、皆さまのご協力をお願いいたします。まずはじめに田中会頭からごあいさつをいただきます。よろしくお願いします。
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挨拶 田中信会頭
田中信会頭皆さんこんにちは。本日は当商工会議所のメインイベントであります業種別部会長シンポジュームに、ご多忙中にもかかわらず多数ご出席を頂きまことにありが とうございました。特に本日は、大使会議に参加され日本から今朝早く到着された島内大使も、長旅でお疲れにもかかわらず、特別にご参加をいただいておりま す。また本日は、西林総領事がご帰国中で、代わりにご多忙中にもかかわらず丸橋首席領事以下サンパウロ総領事館の皆様にいつも通りご参加いただいておりま す。特に丸橋首席領事には最後に講評をいただくことになっております。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
このシンポジュームは一年2回、年初と年央にブラジル経済の回顧と展望を行うことになっており、今回は2006年を回顧し2007年の展望を行うものであります。
古い方には繰り返しになり恐縮ですが、新しい方が大分増えられましたので、最初に、シンポジュームの簡単な歴史をご紹介しておきたいと思います。現在の皆さんには想像されるのが難しいと思いますが、今から30年前、1970年代初め「ブラジル経済の奇跡」といわれた時代、欧米企業に伍して日本企業 も怒涛のようにブラジルに進出しました。まさに殺到するという表現がふさわしい状況でありました。当会議所もそれに呼応して組織改革を行い、業種別に10 部会が創られ、会員はいずれかの部会に所属することが定められました。
私事にわたり恐縮 ですが、その時ここに居られる山田監事会議長と私がコンサルタント部会創立に参画、私が初代コンサルタント部会長に選任されました。我々はコンサルタント 部会の行事として、コンサルタント部会長が司会役となり、10部会長が年2回、年初および年央に集まって、ブラジル経済の回顧と展望をめぐって文字通り懇 談する業種別部会長懇談会を立ち上げました。出席者は10部会の部会長だけでしたが、懇談内容は会議所会報に掲載され、会員の参考に供されました。その後 会議所の組織に総務委員会が新設され、同委員長が司会して各部会長がそれぞれの業界の動向を発表し、討論する会議所の全体行事となりました。出席者も総務 委員会メンバーや常任理事が参加することになりました。さらに最近は総務および企画戦略両委員会の共催となっております。
前世紀末のトヨタ、ホンダ両社の乗用車生産開始にともなう自動車関連企業の増加に対応して、2003年、機械金属部会より自動車部会が独立して現在11部会となっております。
同じく2003年より、「開かれた会議所」の基本方針に従い、部会長懇談会を会員全員はもちろんのこと、一般のブラジル社会にも開放し、日本語の理解が難 しい参加者のため、ポルトガル語の同時通訳も用意し、希望者は誰でも参加できるようにいたしました。設立以来継続してきた部会長懇談会という名称も前回の 昨年8月3日の会より「業種別部会長シンポジューム」に変更されました。
このように当シンポジュームは、30年以上の歴史を有する行事であります。変化の激しいグローバル化の時代ですが、会議所に現存する個別の現象、それぞれが歴史的背景を持っていることをご理解いただければ幸いに存じます。
この会議では各業種別部会の代表者から生の声で、それぞれの業界の直近の動向が発表されます。この発表のため各部会は部会長さんを中心に、自社業績や業界 動向を分析し、その結果を検討整理されますので、各社の経営戦略の決定に極めて役立つものと思います。さらこのプロセスを通じてメンバー各社の親睦にも役 立つものと思います。さらに外部の企業、学校、研究所など外部機関にとってもブラジルの現状把握に役立つ、数少ない信頼すべき生のデータと評価されており ます。
最後にこのシンポジュームの担当である総務および企画戦略委員会、業種別部会および事務局の皆さんのご尽力と、会員各位のご協力に心から感謝の意を表しまして私のあいさつを終わらせていただきます。ありがとうございました。
司会:田中会頭ありがとうございました。島内大使様からごあいさつを頂戴いたしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
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挨拶 島内憲大使
島内憲大使島内でございます。ただいまの田中会頭のお話にもございましたように、私、今朝サンパウロに着いたところでございます。私ですね、東京に持っていった背 広、全部冬服だったんですね。それで、全部東京に置いてきました。ということで、ゴルフのコンペから直行してきたようなこういう服装で失礼します。
私、1月の下旬に東京で中南米大使会議がございまして、引き続き1カ月間の休暇をいただきました。私はその間、政界、経済界、マスコミ関係の方々と懇談あ るいは、意見交換をする機会を持ったわけでございますけれども、全体としてですね、中南米とりわけブラジルに対する日本国内の関心が、確実に高まっている なということを確信しまして、たいへん勇気づけられて帰ってきたところでございます。
ま あ、マスコミの関心は何かというと、中南米についていえばやっぱり左傾化現象、反米政権の出現ということだろうと思います。それからブラジルについてはや はり代理処罰の問題だろうと思いますが、少なくともですね、日本のブラジルに関心のある方々、あるいは有識者の間ではですね、ブラジルがBricsの一員 と位置付けられることと関係あると思うんですけど、ブラジルを等身大に見る傾向が非常に強くなってきたということが言えるんではないかと思います。
私、先週ですね、再来週日伯経済合同委員会が当地で開かれるということもございまして、槍田委員長のところ、それから経団連にですね、打ち合わせを兼ねて ごあいさつに行って参りましたけれども、今年は例年になくですね、日本側の参加希望者が多いということでございます。これもまたたいへん心強いお話でござ います。ということで、こういう日伯経済関係の活性化の動き、それから来年の日本移民百周年、日伯交流年との間の相乗効果が期待できるような状況に現在 なっているのではないかと思います。
そういう意味でですね、私は非常に日伯関係はいい状 況になってきているなということを日頃の仕事を通じて感じているところでございます。そういう意味でもですね、本日の部会別シンポジウム、非常に伝統ある 行事というふうにうかがってますけれども、今年のシンポジウムは非常に、特別に時宜にかなっていると。特別の意義をもった会合になるのではないかと思って おります。
私はですね、各部会長さんのお話をうかがって、個人的にもいろいろ勉強させて いただきたいと思います。今日はこういう飛び入りの形で参加させていただいて、本当にありがとうございます。本日のシンポジウムが実り多いものになること をお祈りして私のあいさつとさせていただきます。
司会:大使ありがとうございました。発表に入る前に、時間のコントロールの方ですけれども。時間はですね、何分残っているということではなくて何分経過したという表示ですね。よろしくお願いします。では、コンサルタント部会渡邉部会長さんにお願いいたします。
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コンサルタント部会
渡邊裕司コンサルタント部会長皆さんこんにちは。ジェトロの渡邉でございます。10分しか時間がないので本論に入りたいのですが、その前に一言ですね、昨日たいへんあの、日伯のビジネ ス関係を展望する上でたいへん嬉しいニュースがございました。エンブラエルが日本への航空機の売り込みに成功したと。関係の日本企業の方々の努力の結果だ と思います。
ここに、たいへん嬉しいという気持とですね、たいへん日伯には良いことだと いうことを言いたいと思います。何故良いことかといいますと、日本ではブラジルは意外と真実の姿を知られておりませんで、やはりその、農業国、資源、まあ サンバだとかカーニバルだとか、サッカーのことしか知らない人が多い。
多分ブラジルが航 空機の輸出国だということを知っている日本人は人口1億2,000万人のうち多分数百人とか数千名単位、ブラジルと関係のある仕事をした人しか知らないん じゃないかと思うんですね。そこが非常に、ビジネスが本来あるべき水準に達していない要因の一つではなかろうかと私かねがね思っておりまして、まあジェト ロといたしましてもブラジルの正しい姿をどうやったら日本に効果的に発信できるかということを常に考えて参りました。
しかしこういうニュースが日本に広まりますと、私もこの良いニュースをずいぶん日本の友達にEメールで流しましたら、早速返事がありまして、え、知らな かった、知らなかった、知らなかったと。ある神戸の中小企業の経営者はですね、この間オーストラリアとロシアにビジネスで行ったけど、あの国は格好いいけ ど中身見るとコモディティで食っているような国でしたけど、まさかブラジルが航空機を輸出しているとは知らなかったと。
そういう反応でございました。従いまして、来年百周年を迎えますけども、百周年の節目に日伯がビジネスの面で距離を縮めるにはやはりこういう視点、視点というか軸というか、共通テーマをですね、我々認識しておかなければならないんじゃないかというふうに思います。
それからもう一つ、ドルの下落が続いておりまして、薄給の中で我々もたいへん厳しい生活をしているんでございますけれども、これはその、ブラジルの産業構 造にですね、いい面でのインパクトも多分与えるんじゃないかと思うんですね。まあ悪い面もございます。守りに徹している軽工業の部門とかたいへん困ってい るわけですけども、しかし、今日のシンポジウムの最後に触れたいと思うんですけど、アジアの時代に向かって日伯がどういうことをアジアで連携できるか、そ ういうことにもつながってくると思います。
こういう場所でこういうことを言っちゃいけな いかもしれませんけど、中央銀行というのは、やるべきことをやっていない面も大分あるように思います。まあ金利水準もそうですね、政策金利も本当に13% なんていうレベル。あるいはその、強制預託金、これその53%というちょっと信じられないような預金を凍結して使わせないという、こういう締める、通貨を 締める政策、本当に正しいのかどうか。
一方その、マネーベースをぐっと緩めておいてです ね、出口の方を塞ぐとかね、どうもその一貫性がないような感じがします。為替管理もそうですね。入口を広げておいて出口をちょっと絞るようなことをすれ ば、それはドルが入ってきて出られませんからね。だから、やるべきことをやっていないようなところも若干あるんですけども、しかし、このドルの下落、レア ルのこの強い通貨というのがですね、ブラジルの産業構造にいい面も与えるんじゃないかというふうに思っております。
今日はあの、我々はアジアの時代を迎えているということをやっぱり基本認識すべきじゃないかと思います。これは今日の話の中身でございます。今も将来も やっぱりアジアの時代だろうと、21世紀は。私はそう思います。でそのアジアの中で、日本とブラジルというのはどういうことができるのか。皆さん企業は今 地球規模の戦略で物事を考えておられますので、私みたいな評論家きどりの人間がこんなところでこんなことを喋ると笑われそうなんでございますけども、若干 触れたいと思います。残り時間まだ7分くらいですか。
それで、まず結論から言いますと、 中国の、東アジアといってもいいかもしれませんけど、中国の持続的な発展というのは世界経済にとっても不可欠。あのへんが今崩れるとですね、アメリカも EUも日本もガタガタになると思うんですね。まあその逆もそうでしょうけども。それくらい今、アジアのサステイナビリティー、中国のサステイナビリティー というのは非常に世界にとってクルジアンな問題になっている。
で、ここが問題だと思うん ですが、中国がやたら今目立ってますね。で日本は霞んでます。よくブラジル人に言われるんですが、俺は去年中国に5回行ったけど日本には1回しか行ってな いと。これは僕まずいなと思いましてね。よく考えてみると、実はその東アジアとか中国を支えているのは、やっぱり日本の資本と技術という部分が多いんです よ、ものすごく。だけ、とは言いませんけど、ここをやっぱりついて、我々がPRしなきゃならないところがですね。そうじゃないと、何だか外から見てて日本 は何もしていないように思われても困る。それからアジアにおける日伯の商機、ビジネスチャンス、これはあると思います。これが結論でございます。
それでその、今なぜアジアかというその理由ですね。世界経済の機関車だと。これは、これを見てもらえば分かります。東アジアの成長率、ずっとこう書いてあ りますが、その寄与度、その成長にどれだけこの地域が寄与しているか。これを見て下さい。2002年度36.9%ですよね、寄与度。まあ Brics49.5%と書いてあるけど、これは中国を入れての話ですね。32.4%、26.8%、30.3%。世界の、やっぱり一番大きいんです。世界経 済を引っ張る機関車の役割をしていると。
それからもう一つは、日本経済が復活した。こ の、日本経済が復活したという理由は、まあ3つの過剰を改修したことでしょう。企業努力でですね、過剰設備、過剰雇用、過剰債務。それから、それとともに ですね、中国と日本の経済交流が拡大した。それから政府の努力もございましたね、小泉政権。金融システムの不良債権を処理した。で「民は官に頼るな」とい うメッセージを小泉総理が発したんですよね。
小泉政権で民営化といったって何やったとい うと、民営化なんか2010年から始まるんじゃないかというふうにアレしますけど、まあしかし、「もう官に頼ってくれるな」というメッセージはあったと思 います。政府の財政改革の強い決意。で民営化が大きな目玉が動き出したと。
それから対内 直接投資ですね。今ジェトロは外国企業の日本への誘致をやっています。これはあの、2003年に小泉総理が、向こう5年間で対内直接投資残高を倍増します ということを施政方針演説で言って、そのための内閣の中に対日投資会議という内閣総理大臣を議長とするものを作りましてですね。そしてその中心的な作業を ジェトロに命じたと。ジェトロ一元的にこれをやれと、日本で仕事する外国企業のいろいろなクレームを集めて、各省庁をまとめるから対日投資会議に上げてく れと。そういうようなことでございました。
それから、東アジアにやっぱり直接投資が流れている。この流れがずっと続いているということですね。東アジアに2005年を見ると1,520億ドル、伸び率24.3%、シェアー15.8%で、まあEUより劣りますけども、アメリカをしのいでますね。
そ れから世界輸出の20%が東アジアに行っている。これはまあ、数字をいちいち申し上げるまでもございません。世界貿易の20%以上が今東アジアに、この東 アジアというのはASEAN10カ国プラス日中韓でございます。これが占めている。それから、ここが非常に大事なところであります。今、東アジア自由貿易協定をやろうやろうと言ってやってますけども、実は事実上の貿易統合、経済統合は進んでいるんですね。それはどういうことかという と、過去19年間を見ると、世界貿易というのは4.8倍伸びたんです。ところが東アジアの域内貿易というのは、域内貿易ですよ。これは9.7倍のスピード で増えているんですよ。世界貿易のスピードの二倍近いスピードで超えているんですね。
こ れはEU、NAFTA超えているんですよ。域内の貿易ですね。ですから事実上の生産分業、貿易統合は進んでいると。事実上の市場統合が進んでいると。これ はデファクト統合と言うんですけど。それで、域内貿易の比率もこういうことで、NAFTAを超えたと。東アジアはNAFTAを超えた、まあEUにはさすが に及びませんけども、そういうことで事実上の統合が進んでいますよということですね。
で、将来もなぜアジアかと。将来、本当?と。なぜかというと、実はジェトロの見るところ、2015年ごろにですね、東アジア自由貿易協定というのがたぶん 成立するだろうというふうに読んでます。今、その流れに向かって、ASEANと日本、ASEAN・韓国、ASEAN・中国、ASEAN・インド、それから ASEAN・豪州ニュージーランド。これがそれぞれ自由貿易協定を結んで最後はいっしょくたに、16カ国いっしょくたになろうという流れで進んでいます。
ただちょっと正確に言いますとですね、このASEAN10プラス日中韓プラス3、ASEAN プラス3にプラス3、インド、豪州、ニュージーランドを加えるというのは政府のひとつの方針ではございますけども、これASEANとか中国があまりいい顔 をまだしてません。あの、ちゃんとまとまっていない。これはですね、インドやオーストラリアが置いてきぼりになるのが嫌でそういう事を言っているというの もありますけど、やはり、アメリカという国もあるんですよね、
アジア太平洋国家として。 アメリカがこの、流れを見てですね、ひょっとしてこれ置いていかれるんじゃないかと思って、アメリカが最近、去年言い出したのは、APECをFTA化して くださいと。APEC、環太平洋経済協力体というのがございますよね。あれを自由貿易圏にしろと。自分達が入ってますから、カナダ、ペルーも入ってますか ら、チリも入っておりますね。で、これあの、すぐそういう流れになるかどうかは分かりませんけど、まあアメリカそういう牽制球を投げてきているというとこ ろでございます。
でちょっとここでですね、ああもう時間来たんですね。結論行かなきゃだめですね。
あの、アジアでですね、日伯関係どういうこと考えられるかというと、ブラジルと中国の例えばですね、ビジネスが拡大すると、ここにいる日本企業のビジネスチャンスも増えるんですよね。もう増えている兆しがあります。で、それだけじゃなくて、例えばの話ですが、先ほど私、レアル高の話しましたけども、今あのブラジルの工業製品というのはちょっと守りの姿勢です。いやあ の、レアルが高いとかなんか言って文句ばっかり言ってます。しかしこれですね、生き延びるためには文句ばっかり言っていられないですよね。
いつ攻めに転じるか、その時例えばですね、靴でも繊維でも家具でも、いま困っている業種は、付加価値化に行かざるをえないと思うんですよ。なおかつ生産拠点を東アジアに移すかもしれない。もうペトロブラスとかエンブラエルは行ってますよね。
その時に日本も、当然東アジアという土俵の中に日本はいるわけですから、日伯の連携の可能性というのはものすごく高まるんですよね。ブラジルはまだ幸いに してこういう豊かな国ですから、アジアの方にはあまり目が向いてないけど、これは当然そういう流れになってくるだろうという話でございます。以上です。ど うも、時間ちょっとオーバーしちゃって、13分ですね。
司会:あの質問ございますか。じゃあありがとうございました。続きまして、金融部会の米倉部会長様よろしくお願いいたします。
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金融部会
米倉立二郎金融部会長皆さんこんにちは。金融部会の南米安田保険、米倉でございます。時間の関係もございますんで、前置きなしで始めさせていただきたいと思います。2006年 の回顧と2007年の展望ということでお話しますが、金融経済情勢一般と銀行業界、それと保険業界。二つに分けてご説明させていただきます。
まず金融経済一般情勢と銀行業界の回顧でございますが、2006年はここ2年ほど順調に、経済規模を拡大してきたブラジルの経済がですね、国際経済の変動 という試練を経験しつも、いわゆる安定性といいますか、経済の底堅さ、これを実証した年だというふうに言えると思います。ここで主な経済指標、これを出し ておりますのでそっちを見ていきたいと思いますが、インフレ率ですね。これは堅実な金融政策もございまして、まあ3.14%と、中銀の目標値4.5%を大 幅に下回っています。一方、高金利、レアル高ということもございます。
それから経済成長に必要なインフラ整備、このへんの遅れから、GDPの成長率、これはまあワールドカップや選挙というかなり大きなイベントがあったんですが、結果としては政府の目標を相当下回る2.7%程度、ここに留まったと。
それから為替と株でございますが、昨年の中間期におきましてブラジル経済ふくめまして世界経済に対する懸念材料がいくつかありまして、具体的には原油価格の高騰によるインフレリスク、それから米国の高金利ならびに米国の経済の減速感ですね。
それと三つ目が過剰流動性の供給基地であった日本の金融政策の動向ですね。このあたりがかなりのリスクだったわけですが、結果的にはまあ比較的穏便に収 まったと、収まる形だったんで、まあ世界経済の大きなネガティブインパクト、これは避けられたということです。このブラジルでもですね、途中では対ドル レートでレアルが一時2.4台、それから株式のボベスパ指数でいきますと32,000ポイント台まで落ちたんですが、年末にはそれぞれここにございますよ うに2.14、4,4473ポイントと、かなり回復しているという状況です。
それからま あ、貿易収支につきましては、高金利レアル高にもかかわらず、輸出についてはブラジルからのコモディティ輸出が非常に好調でございまして、貿易黒字は 461億ドル、それから外貨準備も対前年60%あまり増加しまして、858億ドルまで積みあがっているという状況ですね。それからカントリーリスクを示す エマージング・マーケット・ボンド・インデックス。この指数もですね、前年末の306bp、これが昨年末は192。で昨日見てみますと175ポイントまで 落ちてますので、相当カントリーリスクは下がっていると、こういう状況ですね。
で、 Selicの金利でございますが、まあインフレ率の低下の結果、中銀も段階的に政策金利を引き下げておりまして、年初これ18%あったんですが、年度末は 13.25まで低下しています。それでもまだ、これを見てお分かりの通り実質金利は依然非常に高い水準ということで、経済成長の阻害要因のひとつというこ とは間違いないということでございますね。これが大体の去年の状況でございます。
で、銀 行業界を見ますとですね、特筆すべきは貸し出し総額の大幅な増加でございまして、一番上に書いてあります通り、全体で20.7%増えてます。7,328億 レアルまで達しております。このうち法人向けがですね、17.6%の増。個人向けがなんと23.6%増えておると。特に不動産ならびに自動車購入ローンで すね、この伸びが非常に顕著ですので、これは使う銀行の好決算に非常に寄与しておると、こういう状況でございます。
一方で急速な貸し出しの伸びということはですね、支払いの遅延、いわゆる不良債権ですね、この増加にもつながっておりまして、法人ではここにありますよう に2.7%、それから個人で7.6%という比較的高い数字になっておりますが、これはまだまだ銀行の貸し出し金利が高水準にとどまっているという一つの要 因かというふうにも思われます。
引き続き2007年の展望でございますが、今年の最大の 注目点、これは当然二期目のルーラ政権の経済運営ということになります。目玉としましては、1月に発表された例の成長促進プログラムのですね、まあここに ありますように、より大きな投資を通じてGDPの成長、これを刺激するという目的があるわけでございますが、まあ一般的に言われていることは減税措置への 失望感、それからシナリオの実現性ですね。
これの疑問が非常に出ておると、財源はどうす るんだということで、必ずしも市場の評価はそれほど高くなっていないと。したがって今年の金融経済動向としましては、このプログラムの動向をもちろん見て いかなきゃいけないのですが、引き続き外部要因、いわゆる米国経済の状況あるいは中国の経済成長の持続性、こういった外部要因を十分ウオッチしていかない といかんという状況だと思います。
続きまして中銀の集計によります今年の各種指標それか ら数値予測、これをここに載せております。でまあ、インフレにつきましては堅調な経済にもとづく内需拡大、これが予想されますので、消費者物価指数、これ も昨年の1・4%から上昇が見込まれていまして、ただし政策金利の方はですね、昨年より慎重に引き下げられるという見込みですので、本年は結果としては、 ここに、3・97%ですか、というインフレ予測が出ているということでございます。
それ からSelicの金利、昨年末は13.25だったわけですけども、引き続きもちろん引き下げ傾向でございますが、まあインフレ抑制とこれが強くでておりま すので、やや緩やかなものになるという見込みで、年末時点では11・5%、これを見込むと。それから経済成長率でございますが、金利引下げ効果もございま すので、昨年の2・7%台、これよりは当然行くだろうということですが、当初の政府のシナリオ、4.5%ですか、これはとても無理で、まあ3.5%程度と そういう予測でございます。
それから貿易収支でございますが、輸入は当然レアル高が続き ますので、まあ20%以上の伸びが予想されますが、一方輸出もですね、引き続きましてコモディティ価格、これは高止まりという状況でございますので、金額 ベースでは10%程度伸びるだろうということで、昨年にはおよばないものの、390億ドルくらいの貿易黒字、これが出るだろうということですね。
それから直接投資につきましても、引き続き相応の伸びが期待されるということで、まあここにある通り170億ドルの予想。それからレアルの対ドル為替相場 でございますが、まあ先程来申し上げているようにカントリーリスクはどんどん低下傾向と。それから金利につきましても、13.あるいは11.5。いずれに しろ、まだまだ高い水準にございますので、ブラジルへの資金流入ですね、これは続くでしょうということで、まあこの資金流入が、レアル高を下支えしてしま うということもありますので、大幅なレアル安ということはよほどのことがない限り考えづらいということで、年末時点では2.18レアルというのが予想とし て出ております。これはあくまでも中銀集計の市場の予測でございます。
でまあ、07年、 銀行業界、ちょっと書いてございませんけども、金利は低下予想されるもののですね、堅調な経済動向、それから個人所得の改善、こういうものもございますの で、まあ預金は増加して貸し出しも期間の長期化ということで、総額では引き続き増えていくだろうということ。さらに不良債権の比率、これもですね、昨年相 当高くなったんですけども、今年は若干縮小するだろうという見込みでございますので、大手銀行にとっては引き続き、ある程度favorableな環境かな というふうには見ております。
これだけで終わってはおもしろくないので、一応金融部会に 属する銀行さん4行さんにお願いして、今年 6月末時点でのSelicとレアルの対ドルレート、これを予想してもらいました。一応匿名ベースでございますけども、結果はこのシートの通りでございまし て、おおむねSelicは12.25から12.5、12.25というのが一番多いですね。それから為替レートは2.0から2.15、まあこのあたりにおさ まるのかなと。数値としてはそれほどサプライズがある数字ではございませんが、一応皆様のご参考に供したいと思います。
引き続き保険業界の方に移って参りたいと思いますが、2006年の業界の統計数値を見てみますと、この表の通りでございまして、全種目の収入保険料、これ は収入保険料の一番下のほうの合計を見ていただきますと113.2%、つまり13.2%増加しております。つまり市場全体は非常に拡大傾向にあるというこ とでございます。
まあこのうちなんといっても大きいのが、一番上の自動車保険でございま すね。収入保険料の絶対量でも、それから伸び率これも15.4伸びておりますけども、これで見ても、やはりダントツに自動車保険が大きいと。それから右側 の損害率という方を見て頂いても、自動車保険の65.3%ということで、他種目を圧倒して悪いということでございますので、したがってブラジルで保険の商 売をするにあたりましては、自動車保険をどうするかというのが、一番の保険会社の大きなテーマでございます。ここで失敗すると大赤字をくらうと。でまあう まくやれば儲けのチャンスも大きいと、こういうような種目でございますね。
それから表の 一番右下を見ていただきたいんですが、損害率ですね。これが合計で3.4ポイント改善というふうに出ております。これはどういうことかといいますと、まあ ある程度保険料率が妥当な方向に矯正されつつあると、改善されつつあるということを示しています。じゃ具体的にはどういうことかといいますと、リスクの高 い契約には、それなりの高い保険料を取るようになりつつあるということでございます。
た だしこれは裏を返すと、本当にリスクの低いものは、すごく保険料が安くなっているかというとまだそのレベルまでなっておりません。高いものはなるべく高く 保険料を取りましょうということですので、まあ皆さんの中にもですね、俺の自動車保険は、全然事故もないのになんでこんなに毎年毎年高いんだというご不満 もあるかと思いますが、残念ながらブラジルの保険マーケットはですね、まあ欧米あるいは日本のように、きめ細かく保険料率体系というのは出来てきておりま せん。
いわゆるその、リスク細分型といいますか、そういう保険料体系にまだなっておりま せんので、でもちろん保険会社各社ともですね、できるだけやっぱり悪いものには高い保険料、それからいいリスクについては、どんどん安くという方向で努力 はしているんですが、まだまだこれからということでございますので、まあもうしばらく、そのあたりご辛抱いただければというふうに考えております。
2007年の展望でございますが、今年も引き続き市場は拡大傾向にございます。さきほど申し上げました通り、リスクの大小によりまして、保険料率の格差も 拡大していくと考えられます。また、もう一つですね、大きなインパクトになりますのが、ブラジルの再保険市場の自由化という問題がございます。再保険とい いますのは、私ども保険会社が、さらにリスクヘッジするためにかける保険でして、まあロンドンやスイス、ミュンヘン、このあたりの大手の専門会社が有名な んですが、ここのブラジルではですね、半官半民のブラジル再保険公社と、イルビと呼んでおりますが、ここの一社独占になっております。
で、従来からですね、債券市場を自由化して競争原理を導入して、結果的に元受保険市場の引受け条件の拡大、あるいは両立競争、もっと自由にすべきだと、こういう議論があったわけでございますが、これがようやく今年1月になって動き出したということでございます。
まあただし、これまでに決まったことはですね、スライドにあるようにですね、とりあえずイルビの独占をやめましょうと、それからただし6年間はイルビに一 定の既得権益を確保しましょうということだけでございます。であと、いつから、どのようにとかですね、具体的なスケジュール、あるいはその施行細則です か、こういったものは全くこれからの状況でございます。
したがって、これから国内に何社 くらい再保険会社ができるかとかですね、海外の大手がどのくらい出てくるかと、こういったことはまだ見えません。で、まあ再保険につきましては、一般の方 にはあまり馴染みがないというふうに思いますので、まあ自由化によってどのような変化がもたらされるかということを、ここにちょっとスライドにまとめてみ ました。
上の方がこれまでということで、まあイルビが独占していた。これからは下の方 に、ちょっとばらばらになりますよということなんですけども、独占が崩れてブラジルで再保険の競争がはじまりますと、これは確実に元受の保険業界にも影響 が出てきます。つまり再保険料率というのはですね、特に大規模の企業物件ではですね、ある意味その元受会社にとっては、仕入れ価格みたいなものなんです ね。
ここの再保険会社から仕入れる価格、これが競争によって安くなりますと、当然元受の 契約者に対する売値、つまり保険料ですね、これも変わってくるということですので、かなり影響が出てきます。ただし先程来言っている通り、いつからどれく らいというのが甚だ不透明というのが現状でございます。まあ今年の後半になればもう少しはっきり見えてくるのかなというふうには思っております。
実際の元受料率への反映ということになりますと、まだまだちょっと先かなと。少なくとも今年中はまだ無理かなと、まあ来年以降ということになると思います が、少なくとも企業分野の大規模物件、大きな工場の火災保険ですとか賠償責任、あるいはプロジェクトものですね。こうした数百億単位のものについては徐々 に欧米なみの保険カバー、あるいは引受けレートですね、こういったものが適用される可能性も出てきます。
そしてそれがまあ、さらなる保険市場の競争促進という方向につながるということはもう、間違いない事実だというふうに考えておりますので、今後もこの動向につきましては、できるだけタイムリーに皆様方のほうに、情報発信をしていきたいというふうに考えております。
以上で金融部会の報告を終わらせていただきます。司会:質疑応答、ご質問ございましたらどうぞ。お受けいたしますので。じゃあ、ありがとうございました。
続きまして貿易部会中村部会長様、お願いいたします。
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貿易部会
中村純一貿易部会長貿易部会の中村でございます。それではブラジルの貿易に関する2006年の回顧と2007年の展望についてご報告いたします。 本資料はジェトロサンパウロセンターのご協力の下にブラジル商工省のデータをベースにして作成いたしました。
まず貿易収支全般でございますが、2006年の貿易収支は、460億ドル7400万ドルの黒字となり、2003年以降4年連続で過去最高を更新しました。 レアル高にもかかわらず、旺盛な外需により輸出は1,374億ドルを記録し、一方輸入はレアル高で輸入しやすい環境に加えてブラジル内需拡大で913億ド ルと大幅に増加しました。
次に輸出についてですが、輸出額の伸び率は2006年は 16.2%となり、2004年の32%増をピークに低下しています。また数量ベースでは伸び率は6.9%。にとどまっており、輸出の増加ペースは減少傾向 にあるといえます。品目カテゴリー別に見ますと、一次産品の輸出額に占めるシェアは29.3%。半製品のシェアは14.2%。完成品のシェアは54.3% となっています。
まず輸出品目で個別の品目を見ますと、鉄鉱石および原油の輸出増加が顕 著です。数量ベースで見ますと、鉄鉱石が8.2%増にとどまっているのに対し、原油は34.1%増と、価格だけではなく実質的に輸出量の増加が見られま す。原油の輸出先としましては、上位三カ国、すなわち米国向け、チリ向け、それから中国向けが大幅な増加を示しています。
半製品の輸出では粗鋼、パルプなど資源関連品目の輸出増加が目立ちます。その他では鉄鋼の半製品およびアルミニウムが目立っております。輸出額の半分以上 を占める完成品の中で、最も大きいのは乗用車の輸出です。乗用車は好調な国内市場の一方で、主にレアル高が輸出に響いてきたと見られます。乗用車の主要輸 出先はアルゼンチン、メキシコ、ドイツ、ベネズエラの順となっています。その他の品目では航空機および自動車部品および携帯電話が主要な品目としてありま す。
輸出主要相手国別では米国、アルゼンチン、中国、オランダと続いております。各国向 け輸出品目の特徴を見ますと、米国では原油およびエタノールなどの資源関連の輸出が増加しました。アルゼンチン向けは乗用車、携帯電話、自動車部品など工 業製品が増加。中国向けは鉄鉱石、大豆、原油などの資源関連が好調です。
輸出シェアを地域別に見ますとALADI向け、アフリカ向け、それから中東向けのシェアが増加している一方、米国、EU、アジアなどの主要地域が減少しております。
次に輸入でございますが、国内市場が予想を上回るペースで拡大し、レアル高も手伝ったことを受けて、2006年の輸入は輸出と同様中銀の予想を大きく上回りました。カテゴリー別に見ますと消費財の伸びが特に顕著です。輸入全体の伸びに比べて、消費財の伸びが上回る一方、原材料、中間財の伸びが下回った点は、国内製造業の競争力不足であるというふうに考えられます。品目 別に見ますと、資本財では主要品目の工業用設備機械およびパソコンなどの事務・科学機器が、それぞれ高い伸びを示しました。原材料、中間財では化学・医薬 品、鉱物品、それから中間製品が増加しています。
高い伸びを記録した耐久消費財では乗用車および家電製品である家庭用機械・装置がそれぞれ著しい増加を示しております。非耐久消費財ではとりわけ医療・繊維製品が大きく増加しております。
輸入相手国別に見ますと、主要相手国は軒並み増加しております。上位は米国、アルゼンチン、中国と続きます。中国からの輸入は依然として電気・電子関連品目で増加が著しく、いまや輸入相手国第二位のアルゼンチンを追い抜く勢いです。
輸入シェアを地域別に見ますとEU、米国がシェアを減少させる一方、ALADIおよびアジアがシェアを増加させております。次に対日貿易ですが、2006年における対日貿易は、輸出は38億8,400万ドル。輸入が38億 3,900万ドルと、輸出入ともに増加しました。ブラジルにとって対日貿易収支は4,500万ドルの黒字となっております。日本の国別シェアは、輸出が 2.8%、輸入が4.2%となっており、輸出としては第8位、輸入では第6位となっております。
品目別に見ますと、輸出では鉄鉱石、アルミニウムなど鉱物資源の輸出が増加する一方、ここ数年アジアで鳥インフルエンザの影響もあり、増加を続けてきた鶏 肉は29.2%の減少を記録しました。鶏肉の輸出は全体でも減少しております。輸入では上位から順に自動車部品、ベアリング歯車、それから自動車用エンジ ンと続いております。顕著な増加を示したのは、自動データ処理装置それから航空機の部品などであります。
最後に2007年の展望ですが、ブラジルの中央銀行が2006年の12月に発表した見通しでは、 2007年の貿易黒字は約350億ドルと予想しております。2006年に数量ベースでは,輸出の伸び率の減少傾向が鮮明になったものの、資源を中心に国際 的な価格は高水準を維持しており大幅な輸出減少は見込まれていません。しかしながらレアル高は自動車など一部の工業品輸出に徐々に影響を与えており、 2007年度はさらにその影響を増すと思われます。 輸入については引き続き国内市場の拡大とレアル高で20%以上の増加が見込まれております。以上でご ざいます。
司会:ありがとうございました。ないようでしたら、中村さんありがとうございました。
続きまして、化学部会の松尾部会長様にお願いいたします。
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化学品部会
松尾新一郎化学部会長皆さんこんにちは。初っ端から,ずっと大きな話ばっかりでございまして、急に細かな分野に入ってまいります。貿易部会ではほんの、その他大勢の部会でございます。大体がですね、10社、9社の現業と商社さんを全部まとめまして十分の一です。ですから一枚一分間ですね。
このプラスチック樹脂用着色剤、これはですね、輸送機向けと申しますか、自動車用が増大したと。それから原料高の価格への転換がうまくいったと。ただしマ イナス要因としては、過去にさかのぼって追徴があったと。それでも2006年の回顧としては売上利益とも予想以上に進展したと。それから今年の展望です が、売上利益とも進展すると。その根拠はですね、新製品のリリース、それから主に、自動車向けの好調さの維持拡大ですね、マイナス要因としましては、特別 にここの原材料供給ではないんですが、ここから、こちらで作って供給する、再加工する方が特にアジアからの製品との競合で、日用雑貨等の客先のところへの 供給がマイナス要因であろうと。全体としましては売上利益ともに進展するとこういう見込みでございます。
二つ目、瞬間接着剤もしくはシール剤、これも主に自動車用のシール剤がうまく、好調であったというのがプラス要因。それから工業用もしくは小売用の瞬間接 着剤、これは大体横ばいであったと。プラス要因になったのは、レアル高、原料を輸入しておりますからレアル高と、それから値上げ努力、それからリストラが 寄与しまして進展したと。ただし中国品の攻勢は強まってきたと。今年の展望としましては、売上利益ともに進展すると。相変わらず自動車向けをメインとしま した好調さの維持拡大。それから最低給料も上がりましたし、大衆向けの瞬間接着剤の消費が増えるんではないかと。
で、引き続きレアル高が続き、しかも値上げでき、それからリストラに励んでいけば進展するという根拠三つがあるわけですが、やはりここも中国品の増大が脅威になっていると、そういう業界でございます。
次はロジン。あまり馴染みはないかもしれませんが、プロ野球のピッチャーが投げる時ロジンバッグって使いますね。あの滑り止めらしいです。これは松ヤニか ら作るらしいです。何するんですかって聞いたら何かどうも、高級な紙に混ぜますとインクがにじまないと。それから道路のセンターラインなんかを引くときの 塗料に使うと、こういうことだそうです。
販売量は減ったんだそうですけども、売上は少し 増えたと。利益は10%以上ですけども、残念ながら予想した以上に上がらなかった。というのがですね、去年の展望の中には、選挙があると道路工事が増える と、道路工事が増えれば、あそこ今、マジナル・チエテでやってますけども、いっぺんアスファルトをきれいにしまして後、またセンターラインを引きますよ ね。あの部分の需要が多くてまかないきれないほどの好景気を予想していたんですけども、残念ながら予想以下であったと。
この原料が50%近く値上がりしたんですけども、そういう高付加価値への品物への転化がうまくいって、原料値上がりにも関わらず、売上利益ともに伸長した と。今年の展望はですね、売上は進展すると。これで利益は変わらないというふうに見込んでおられるのは、まああまり多くない会社でございます。
といいますのは、設備投資したそのコストアップのつけが回ってくるので利益がそんなに当てに出来ないであろうと。それから進展する根拠としましては、紙の 消費量が増えていくからマーケットが増えると。それから塗料および接着剤は成長基調にあるからという見込みでございます。
4番目。医薬でございますけど、これ普通私どもが飲んだりする薬ではございませんで、これは医薬部外品といいますか、サロンパスさん、久光製薬さんです。 で、売上は大いに進展したけども利益は変わらないと。というのはやっぱり、こういう大衆薬ですとやっぱり販売促進用にものすごくお金がかかると。まあ、バ レーボールやってますけども、サロンパスカップは本社直轄だそうで、ブラジルにおっかぶせられたら、とんでもない大赤字になるんでそれは本社直轄だそうで す。
市場規模は増えてて、それから大手チェーンへの進出、それから卸売り業界もその、 ちっちゃな薬局でなく、大きなドロガリアが増えてきていると。その分だけ商売をやりやすくなってきているんですけども、いわゆるイヤーエンドのリベートだ とか、販管費用がものすごく高くつくということで、一番下のマイナス要因、これが一番のネックですと。販売促進用の費用がものすごく増えてきたと。
で、今年の展望についても、売上は進展するであろうと、ですが残念ながら利益は変わらないだろうと。いくら新製品を導入しても広告宣伝費ですね、それから販売促進費用のさらなる増大という経費増で利益はとんとんかなという見込みだそうです。
高級化粧品。何か、わざわざ高級化粧品と言ってこられました。資生堂さんです。
高 級化粧品と銘打ってですね、売上利益とも進展したけども予想以下であったと。販売政策を改善してうまくいったんですけども、税関ストでですね、物が着かず に、ノンデリと申しますか、引き合いはあるんですけども物が着かなかったと。こういうことで、実際にはもっと売れて、もっともうかったのに、予測以下で あったと。で、07年につきましては、売上利益ともに進展すると、ただし、その販売政策上うまくいけば、それからロジスティックスですね、その方向がうまく行けば進展するであろうと。ただし為替が不安定さがちょっと懸案事項だなとこういうことです。
6本目。筆記具。これはパイロットペンさんです。売上利益とも予想通りに進展したと。これはも去年も繰り返しおっしゃってましたが、大統領選挙があるとな ぜか筆記具が売れるんだそうです。で、レアル高ですから原材料輸入費が安くついたと。ただし激安中国品、なんか十分の一の値段ぐらいらしいです。それに、 やっぱり売上が頭打ちになるところもあると。07年の展望につきましては売上利益ともに進展する。新製品の上市、それからレアル高で原材料が安く手に入 る。ただし激安中国品の攻勢はさらに強まるであろうという展望でございます。
7番目。農 薬なんでございますが、この部会のメンバーで一番多い、イハラブラスさん、アリスタさん、クミアイ化学さん、日本ソーダさん、それと私どもの住友化学、5 社。だいたい化学品部会の四割以上を占める会社なんですけども、売上が減少しまして、利益は大激減と。過去40年来で最悪でした。
農産物の値段が安いと、それから農薬市況も約20%ダウンしたと。レアル高というのはですね、これはカマン・プラクティスなんですが、ドルを基調にしまし て、その時のレアルの値段で伝票を切ると、それから三百日もしくは三百六十日後にデューデイトが来た時のレアルとドルの値段で、例えば百ドルで今2・1だ からじゃあ210レアルですよと伝票を切ります。
で来年の三月から五月にデューデイトが 来た時にですね、これがですね、例えば1.5になってたら 150レアルしか入金してこないとこういうことです。それから滞留債権の農民救済政策、去年ございまして大統領選挙の前に。払わないんですね、収穫払いで ございますが普通、払ってくれないんですよ。
で、あの、政府からの援助があるからという ことで銀行からの貸し出しを受けて、メーカー側に払ってくると、こういうことがございまして、これをあてにするもんですからデューデイトが来ても払わない と、で滞留債権が非常に多かった。もうこれ以上に、のけぞるようなこともあったんですが、今回は割愛します。今年の展望については、昨年ほど悪いことはな いだろうということで、両方ともに進展すると。
G品と書いてありますが、ジェネリック品 ですね。これはオフパテントのミートゥー品と申しますが、これの圧力がさらに上がってくるだろうと。で安くなりますので。それから、レアルの安定を希望す るというのが・・もう十分ですか。えっと、もっと悲惨な。先ほど中村さんがおっしゃいましたように、鶏肉の輸出が三割ちかく減っておると。飼料添加物、鶏 用なんですが、売上は増えたんですが、これも利益は大幅真っ赤っ赤でございます。この背景についてはマイナス要因ばっかりと。
07年の展望につきましては、売上を横ばいにすると、あまり出さない。で、マーケットの方も生産調整にあたっています。でまあ、利益は、進展しない限り は、まあこれ私どもの商売ですけども、こんな、進展しなかったらクビですな。で、輸入価格の改定に今、本社とせっせとネゴしております。次、これも私ども ですけども、あまり大きな声では言えないんですけども、一応去年は進展して予想以上であったと。ここのG品もやはりジェネリック品でございます。天候、雨 が多くてじめじめしていて蚊が多かったというのは私どもにとってはプラス要因でございます。
今年の展望はですね。ともに進展すると。まあ新製品の新規登録というのはあるんですけれども、デング熱ですね。デング熱が出ると、住友化学がもうかるとい うのがありましてですね。蚊ががんばってくれると退治のためにですね、エアゾールもあるし、幼虫防除のためのリオデジャネイロ、今年はどうも7月にパンア メリカンオリンピックがあるらしくて、リオデジャネイロのムニシパリティーががんばって、蚊の幼虫防除がんばってくれるそうなんです。
で、ということは私どもにとっては商売のチャンスがまた増えるであろうと。それからエルニーニョで、今年皆さんも経験ございますでしょうけど、じめじめし てますですね、あの、ということは、水溜りが多ければよく出ると。それからそこに古タイヤなんかがありますと、熱帯シマ蚊がたくさん発生しましてですね、 さらにデング熱が広がると。こういうことでですね、あまり大きな声では言いたくないんですが、こういう人間生活にマイナス要因がございますと、住友化学の 家庭防疫薬、これは小さなマーケットでございます。三百万ドルから五百万ドル程度でございますけれども、これがプラスに傾くということでございます。
えっと、10番目がですね、商社さんのですね。今までは、9社はセグメントごとの現業を申し上げましたが、商社さんの化学品の貿易につきましては進展して 予想通りですけども、利益は変わらないと。で、背景のプラス要因とマイナス要因がございます。07年の展望につきましては、商社の皆さんでございますか ら、進展しないなんていうと、社長どもに起られますので皆、進展しますよ、とこう言っております。新規取引の拡大と、まあ商社の方々ですからFTAの脅威 につきましては、テイクノートお願いしますということでした。
それで、トータルとしまし て、化学品部の総合といたしましてですね、売上進展したのが90%。減少したのは一社だけです。大幅減少、利益が大幅減少したのは農薬会社でございます。 それから飼料添加物でございますね。この二つが大幅減少でございます。で、予想以上というのが少なくて、まあ予想以下であったというのが半分です。今年の 展望についてはですね、ほとんどが進展すると、まあ展望しなきゃ今年一年やっていけないというのが皆さんの正直なところではないかと思います。以上でござ います。
質問:ジャパンデスク・高山
ジャパンデスクの高山と申します。発表の 内容に関する質問というわけではないんですが、昨今ブラジル経済界の中で、非常にまあ世界から注目されているバイオ、バイオエネルギーとか、まあエタノー ルとか環境ビジネス等々についての、その分野に関してですね、これ業種の中から言うと、やはり化学部会の守備範囲になると思うんですが、今発表いただいた ようにカマラの会員会社にはバイオをやっている、化学部会の中にはいらっしゃらないということで、そのレポートが中々上がってこないんですけども、まあそ の、これだけブラジル国内でも注目されているし、日本とブラジルの経済関係から言っても、これが今核になろうとしているという現状を見ますとですね、この 部会長シンポジウムの中でやはりバイオというもの、あるいは資源、CDMも含めまして、環境ビジネスに関しての発表というのがないとですね、何か片手落ち なような印象があるんですけども。まあこれは化学部会への注文というよりも、カマラ全体 あるいは総務委員会さんへの要望というようなことになると思うんですが、カマラの会員の中でもですね、フレックスをやっておられる自動車関係、それから総 合商社さん、それからCDM関係では銀行さんと、等々その、直接間接に資源に関して関わっていらっしゃる会員たくさんいらっしゃると思うんですが、そう いった方々の情報なりご経験なりを結集してですね、ぜひこのシンポジウムの中でも今後ぜひ取り上げていっていただきたいというふうに思うんですが、いかが でしょうか。
松尾:化学品部会ではございませんね、これ。どちらかといえば、貿易部会に なるのかなという。私どものところは、ひとつひとつの分野が細かすぎますので、農薬、サトウキビ用の農薬を売ったところで、それは化学品ではありますけど も、その先は砂糖になって食料品になるのか、エタノールになってどう行くのかは。それからトウモロコシも、飼料用になってくれば、私どものところになりま すけども、アルコールになってくれば化学品部会ではないと思います。おそらく貿易部会じゃないかと思います。よろしくお願いします。
宮田:それは私の方から。企画戦略委員会を担当しております、住友商事の宮田でございます。あの今のようなお話のご要望に関しましては、内部で話している 時にもですね、この、部会ベースで括っていくともれてしまうところがあるなということは、そういう話は出ておりまして、あの、まあ来年以降何とかそういう 分野も、カバーできるような形をですね、考えたいと思います。今回に関しましては、その部分カバーされておりませんでまことに申し訳ないんですけども、来 年以降、必ずとは申し上げられないんですけど、極力改善するようにいたします、ということでお許し願えればと思います。
司会:よろしいですか。機械金属部会嶋末部会長さんにプレゼンをお願いいたします。
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機械金属部会
嶋末繁機械金属部会長前半の最後を承ります、嶋末と申します。それでは機械金属部会の報告をさせていただきます。総括しますとですね、好調な企業あり、不調な企業あり、悲喜こ もごもといったところでございます。いろんな分野の企業が入っておりますけども、今日は7分野の説明をさせていただきます。
まず、製鉄と鋼材販売関係でございます。こちらのグラフが粗鋼生産量。こちらが鋼板の販売量でございます。2004年は最高を記録した年でございます。 2005年、2006年は下がっております。で、2006年の回顧でありますが、製鉄所、ミルはフル操業をしております。ただし、CSNの高炉が半年にわ たって事故で、停止したということもありまして、生産量は落ちております。
それから、板 の販売ですが、好調なのは自動車、電気電子、建設等が好調。そして減ったところは容器、缶、それから農業機械、こういうところが減っております。なお 2010年までにこの粗鋼生産量を5000万トンまで増やすという目標で現在各メーカーとも増産の投資中であります。また今世界中で鉄鋼の再編が盛んに行 われておりまして、目が離せない状況であります。
今年の展望でございますが、CSTとか Gerdau、ここが高炉を稼動させますので、粗鋼の生産は2割近く増えることが予想されております。板の販売に関しましては、自動車、あるいはガスパイ プライン、こういうところが好調でありまして、それに加えて、政府が発表しましたPAC、経済促進法案ですか、これが出ましたので需要増が期待できるんで はないかなと。ただしクエスチョンマークであります。まあこういう状況で国内は増えると見ております。それから板の生産量は限られておりますので、国内が 増えれば輸出は非常にタイトになるのかなという見方でございます。
続きまして電力プラン トのうちの電力。大体ブラジルの発電量は百ギガワット、日本の半分くらいでございます。ブラジルの特徴はですね、水力発電が7割を占めておるという状況で ございます。で、現時点で好調なのは、全国に送電網を張り巡らして、融通をうまくやっていこうということで、変電送電事業は活況でございます。
しかし、この電力の需給は2008年までは、バランスがとれるということが予想されておりますが、それ以降、電力不足が見込まれております。それで、先程 のPACの中には、発電案件が大小500案件くらい含まれてはおりますけども、実現性はクエスチョンマークでありまして、実際問題として現時点で発電案件 はほとんど動いておりません。
続きまして石油化学プラント関係。このグラフはペトロブラ スの生産量の推移と計画であります。 2006年は原油につきましては自給100%を達成しております。ペトロブラスは、10年後の2015年には原油を、これ1.8倍くらいになります。ガス は2.6倍くらい増産するという計画がございまして、現在巨大な投資を継続中であります。部会のプラントメーカーにはですね、リファイナリー向けのボイ ラー、あるいは加工機等の引き合いがたくさん来ておりまして、活況を呈しております。
次 がパルププラント関係でございます。ブラジルのパルプ生産コストは、欧米のですね、大体半分くらいといわれております。したがって競争力がありますので、 各メーカーとも投資意欲が旺盛でですね、毎年6-8%の生産の伸びがございます。現在も新しいパルプ工場の商談が進んでおりまして、プラントメーカーはそ れに対応中で、同じく活況を呈しております。
次が農業機械でございます。これはブラジル の農業機械の販売推移でございます。業界全体で2006年は2005年の13%ダウン。2004年の33%ダウンとなっております。これはですね、大豆の 国際価格が下落して、またレアル高で農家の採算が悪化して、農機の購買意欲が減少してしまったと。で、さらにメーカーはレアル高で、輸出競争力が低下して このような状況になっております。なお2005年の輸出は、メーカーが輸出ドライブをかけてがんばったんですが、2006年はレアル高で息切れしまして、 続けきれていないという状況でございます。
今年の展望でございますが、ごらんのように農 産物の値段が現在上がっております。一年前に比べて、大豆で23、サトウキビで34、トウモロコシが42%の値上がりとなっております。これは今アルコー ルブームでありまして、ブラジルはサトウキビが高くなる、アメリカはトウモロコシからアルコールを作っておりますのでトウモロコシが高くなる。
それからオーストラリアは、旱魃でやはりトウモロコシが生産が減ってやはり高くなる。こういうことで、アメリカの大豆の生産が、大豆の作付けがトウモロコ シに変わっていっておるということから、大豆の品薄感があって大豆も上昇する。で、穀物メジャーは思惑買い、青田買いをして、農家にお金がいくと。そうす ると農業資材、農業機械の方にお金が回っていくということで、今年はですね、大体20%、国内で20%、輸出はレアル高で10%アップくらいにとどまり、 合計では、総合では15%くらいかなというふうに見られております。
ただですね、今もう すでにこういうふうに値上がりしてるんですが、農家にお金が入るとですね、最初は種を買うんだそうです。次が農薬、その次が肥料。逆ですか、肥料、農薬で すか。で農業機械は最後だそうです。そういうことで半年くらい時間はかかるということではありますけども、増えていくであろうというふうに思っておりま す。
続きまして各種バイトを含めた工具類です。今年はメーカーの方はですね、2005年 の横ばいながら、稼働率は大体80%くらい。今の懸念事項はレアル高で、輸出競争力が低下しておるということでございます。で販売会社は車の部品産業、車 の部品のですね、輸出が減って輸入が増えていると、これはレアル高の影響でございますけども。そういうことで国内の生産は減っておりますので、販社の中に はもうかっているところもありますけども、前年割れのところが多いという報告でございました。今年の展望でございますが、工具メーカーは国内需要対応のた めの増産投資をしまして、今年は10%増を目標にしておると。で、販社はレアル高が続き前年並みであろうと予測いたしております。
軸受につきましては、国内生産は若干増えたものの販売は前年比横ばい。現在輸入が増えておりますけども、中国、アルゼンチン、こういうところが安値構成で 増えてきておるという報告でございます。今年の展望ですが、内需、自動車とか二輪、鉱山機械、こういうものが拡大すると。それから農機、電気、家電、これ が下げ止まりという状況で回復の兆しがあると。ただし、この為替で景気が続行するかどうか、それからPACの影響がどうなるか、このあたりでどうも後半 は、慎重に見ざるを得ないだろうという報告でございます。
次が潤滑油関係ですね。自動車 は活況、部品業界は好不況の二極化。それから主要顧客である鉄鋼の一部が、生産減になったということではありましたけども、経済が順調に推移して、前年比 15%の伸びとなっております。今年は外部要因のアメリカとか中国は、縮小傾向にあるんではなかろうかと。で内需は自動車以外はあまり期待できないという ことで、2006年の横ばいを見込んでおります。
最後に建設機械でございます。2006 年は、この部分が国内でございますが、横ばい。ただしこの油圧ショベルが伸びてきておるとのことです。この輸出の部分に関しましては2004年からブーム で、この2006年はピークとなっております。で、今年の展望は国内は横ばい。ただしPACがあれば、うまくいけば5-10%くらいの伸びが期待できるん ではないかということでありますが、これはまだクエスチョンマークでございます。それから輸出に関しては北米にかげりが見えるということで、減少を予想し ております。
以上、7業種の状況をご報告いたします。以上で終わります。
司会:ありがとうございます。質疑応答に入ります。どうぞご質問ください。ございません?じゃあどうもありがとうございました。前半の発表が終わりました ので、コーヒーブレイクに入りますが、味の素の酒井さんの方からご提供で、新製品のVONO、お味見をコーヒーブレイクの時にどうぞエンジョイしてくださ い。えっと、時間はちょっとオーバーしたんですかね、じゃ一応ですね、予定通りの3時45分に再開させていただきますのでよろしくお願いします。
(15分間のコーヒーブレイク)
司会:第二部、後半を始めさせていただきます。繊維部会の今西部会長さんよろしくお願いいたします。
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繊維部会
今西暉夫部会長それではただ今から繊維部会の発表を行います。まず、繊維業界の全般像ですが、この輸出入統計を見ますと、繊維のほぼ全部の段階で輸出減、あと、この部分 ですね、ほとんどマイナスになっています。そして輸入増という形、2005年と2006年を比較しますとなっております。
昨年の国内消費の伸びを考慮いたしましても、国内生産が減っているか、もしくは輸入増加によりまして、流通量増で値下げ競争を余儀なくされているという状 況で、非常に厳しい状況になってきております。そういったことがこの表からお分かり願えると思います。まず段階を順番に説明していきます。
まず原綿から。原綿。綿花ですが、国際原綿の状況は、こちらが綿花の生産です。その中で中国が一番多くて、その次にアメリカ、インドといった順序になって ます。そしてそれぞれの国の国内消費、こちらですね、こちらでいきますと、やはり中国が一番大きくて41%。次いでインド、パキスタンという順序になって おります。
2006年の回顧。世界原綿は昨年は高水準の生産を維持いたしました。特に中 国の大幅増産、大幅消費増が目立ちまして、増加の大半が、中国一国でなされております。しかも中国は、中国産の綿花でまかなわれたということで、国際相場 へのインパクトが、非常に小さくなりました。ニューヨーク定期、リバプールインデックスともに安定した相場で終始した一年となりました。
2007年の展望。生産面では中国がさらに増産、米国も高水準の生産が予測されております。消費面ではその40%以上が、中国に集中するという偏った構造になっております。中国次第という国際綿花相場の傾向にさらに拍車がかかるというふうに思われます。
国内綿花、2006年の回顧。綿花の安値相場が続いたため、作付面積が減り、前年度比20%の減産というふうに、2006年度はなりました。収穫時の雨、 寒波でボールの開花が遅れる等、品質が悪くなりました。さらに上級棉が輸出に回ったことによりまして、国内市場は下級綿中心となり、6番タイプの原綿不足 をきたすことになりました。綿花相場は前年比14%アップとなりましたが、過去五年間では二番目に安い状況でした。
2007年の展望。ブラジル綿花の国際的評価、安定した国内消費量、米国の綿花の作付面積の縮小等の影響で、2007年は史上最高の138万トンの生産予 想になりました。遺伝子組み替え種子の使用による経費削減、生産性の向上で、レアル高にもかかわらず、すでに2010年まで一部先物の輸出契約をしている という状況であります。綿花相場は6月の新綿が出てくる収穫期までは、相場はやや高めになるというふうに予測されてます。
次に綿糸。2006年の回顧。上期は1-3月の原綿高を受け仮需要も起こり、価格転嫁が進み、全般に好調に推移いたしました。この部分ですね、2006 年。下期は衣料マーケットの不調と紡績の在庫過多に起因する販売価格の低下、この後半の部分です。で、かなりの苦戦をしいられました。前半期の秋冬衣料 マーケットの不調は、下期に需要最盛期を迎えるコーマ―糸にも低価格をおよぼしました。5月頃よりインド、パキスタンを中心とする輸入綿糸の急増と、ブラ ジルからの輸出の不調はついに10月上旬頃より、急激に在庫増となりまして、年末にかけての綿糸販売価格を低下させました。国内紡績の中では、40日以上 の操業休止をしいられた企業もあったというふうに聞いております。
2007年の展望。 12月下旬より国内綿花相場は上昇しておりますが、綿糸販売価格は回復を見せておりません。来秋冬物に向けての需要が若干早めに動き出したのか、年始より カード糸のタイト感が出てきておりまして、最悪期は脱しつつある感がいたします。年初からの原綿高を受けまして、価格転嫁により1-3月は採算的に期待が 持てる。そして早い時期の寒波到来に期待いたしたいといったところであります。
国際綿 糸。2006年の回顧。2006年の綿糸輸出は、数量ベースで2005年を14.5%下回りました。一方綿糸輸入は前年実績から95.9%と急激に増加い たしました。レアル高基調によりまして、ブラジル産の綿糸は国際綿糸市場で価格競争力を失っております。主な競合相手はインド綿糸。ブラジル大手アパレル も、コーマ定番糸の輸入を拡大しております。
2007年の展望。為替が1ドル2.1から 2.2レアル前後で推移した場合、昨年同様採算の悪い綿糸輸出は、減少すると予想されます。またインド糸を中心に綿糸輸入はさらに増加が予想されます。輸 入はですね、綿糸にとどまらず、これは繊維全体ですけども、織編物や縫製品も増加し、国内繊維工業の操業や販売に悪影響をおよぼす可能性が非常に高いと いった状況です。
次に空気精紡機。空紡糸です。2006年の回顧。前年比好況の予想が外れ、厳しい状況となりました。これはドル安による輸入増加、暖冬による冬物商戦の不調、期待していた選挙需要の消失、設備増加による供給過多で、値崩れしたことが大きな原因であります。
2007年の展望。総括的には厳しい状況に好転材料は少なく、苦戦を余儀なくされそうです。レアル高による輸入の増加基調、輸出環境の悪化、地球温暖化による冬物衣料販売への悪影響。空紡設備の新設増加による供給過多などが挙げられます。
次に合繊。ファイバー、合繊糸についてですが。2006年の回顧。ファイバーにつきましては、国内生産が一社独占体制でありまして、原油高を背景に価格は 高止まっていました。輸入は、低価格、レアル高により増加。中でもビスコースはファッショントレンドでして、大幅に増加しております。2007年の見通 し。ビスコースは当面続きそうでありますが、すでに価格競争に入っております。低価格、レアル高による輸入の増加は続く見込みであります。
次に織物。まず薄地織物。2006年の回顧。薄地織物全体の生産は減少気味であります。ここの部分ですね。2003年、2004年、2005年と、このよ うに減少してきております。薄地織物の分野では綿の減少、合繊の増加傾向にあり、ことに婦人衣料の分野で、合繊が綿を食っております。輸出は採算が悪化 し、輸出玉が国内市場に還流。国内では価格競争が激化しております。
2007年の展望。ジーンズ等厚地織物の一部は薄地織物分野とバッティングする、ユニフォーム用生地への品種転換をしているといったこと、それからレアル高継続による、さらなる輸入の増加も予想され、一段の価格競争が強まるものと思われます。
次に紳士服地、小口販売市場。2006年の回顧。上半期は暖冬、ワールドカップ、PCC暴動などの影響で、消費が落ちました。下半期はエルニーニョの影響 で雨の日が多く、気温が上がらず涼しい日が続いたために、春夏物のスタートが遅れました。一年を通して非常に厳しい年でありました。マーケットの方はカ ジュアル化が一段と進み、綿スーツ、パンツは好調で、冬物のコールテン素材は好調で今年の冬も続きそうです。素材的には合繊が落ち込み、毛、綿、ポリエス テル、レーヨンが好調で、竹素材といったものも出てきました。
小売業界は11月まで動き が悪かったが、年末商戦は良かったところが多い。製品単価を下げるために、小売自身が生地を買い付け工賃で作らせるところが、増えてきております。紳士ア パレル業界は大苦戦。直営店などを増やし製造直売に力を入れるところが増えました。ユニフォームは堅調でした。輸入業界では、生地輸入は値下げ競争となり ました。製品輸入はスーツ輸入をはじめるところも出てきて増加する一方でございました。
2007年の展望。2年続けて冬物が不振だったのですが、1月末のグラマードでの、2007年冬物展示会は予想外の大盛況でありました。在庫調整が一巡した繊維業界の成長に期待したいところです。
ファスナー。2006年の回顧。2006年は市場の消費減退と完成衣料品の輸入増加が大きく影響しまして、たいへん厳しい一年となりました。販売は前年比 85%にとどまりました。メインであるジーンズ分野では、消費減退により各メーカーとも厳しいコストダウンに迫られました。また輸入品比率の増大と天候不 順で、上物衣料向けファスナーの販売は大きく落ち込みました。レアル高によりブラジル製ブーツは中国製品との競争に敗れ、北米でのシェアを失っておりま す。欧州向け輸出と国内でのブーツ販売はまずまずでしたが、北米の輸出の損失をカバーするにはいたっていません。
2007年の展望。現在、各メーカーともに年初の動きは鈍く本格的な生産はカーニバル休暇明けになる見込みです。レアル高によりファスナー、完成品衣料の 輸入増加は、継続していくと見られており、市場を取り巻く環境は今年も楽観視できません。価格一辺倒であった06年からいたしますと、徐々にではあります が、付加価値品を作っていこうという傾向が見られます。上期は111%の販売増を期待しております。
最後に繊維業界として、政府による経済活性化策、PACとか金利引下げ等です、および最低賃金の上昇や好調な農業部門による消費増加、そういったものを期待したい、というところであります。以上で発表を終わります。どうもありがとうございました。
司会:ありがとうございました。質問お受けしますけども、どうぞ。時間はちょっと挽回しましたんで、質問よろしかったらどうぞ。ございませんか。じゃあどうもありがとうございました。引き続きまして食品部会の酒井部会長さんにお願いいたします。
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食品部会
酒井芳彦食品部会長食品部会の味の素の酒井です。よろしくお願いいたします。今日は、なかなか食品部会のメンバーの方を紹介できませんので、簡単に紹介させていただきます と、製造会社、弊社とイグアスカフェさん、DECエンタープライズさん、東山さん、キッコーマンさん、三井アリメントスさん、MNプロポリスさん、それと ニチレイさんですね。それとあと、弊社の合弁事業をやっております日清味の素。サクラ醤油さん、三栄源さん、サンクロレラさん、タカサゴさん、タキイ・ ド・ブラジルさん、それとヤクルトさん。ということで、製造販売会社は合計15社。
それ と協賛というような形になりますが、商社金融の方からBTM―UFJ、住友三井銀行さん、伊藤忠さん、丸紅さん、三菱さん、それと大和コメルシアルさんと いうようなことで、大和さんは輸入販売になっておりますので、こちらに入れさせていただきます。それとあと、マスコミの方は時事通信というようなことで、 計22社のメンバーを抱えた部隊となっております。
これはですね、下にありますが、 ABIAと申しまして、ブラジル全国食品連合会の統計から抜粋したものでございますが、2006年度、これは実績的には1月から11月までの実績と12月 の予想を入れた、この緑色の線が我々使っておりますけどもリテール商品、奥様あるいは女中さんが、日頃スーパーあるいは小売店等に行って買います加工食 品、全体の推移でございまして、例えばスーパーでも、衣料品とかトイレタリー商品とか靴とかいろいろ買います、これは入りません。
というようなことで、我々商売用語で申しますと一般加工用、家庭用商品、これをリテールと申します。それと、皆さんが日本レストランあるいはカラオケ バー、あるいはバールで食べる、そこでのマーケットの呼び方を業名あるいはフードサービスと申しますが、そういうことでこのフードサービスが赤い棒グラフ になっています。
で、こちらの縦の線が総額の金額になりますが、ビリオンレアルになりま すので、例えば2006年度のリテール、家庭用商品の総額が1,030億レアルということになります。これは対前年に対して2%しか伸びてないと。でこの 10年のトレンドで捉えますと、この数年が急激に伸びてきているものの全体のパイが伸びてないと。
一方この加工食品の方でございますが、フードサービスですが、この数年二桁成長してきていると。一つには去年ワールドカップがあったというようなことで, 外食あるいは中食が伸びたというようなことが言えると思いますし、あるいはこの先程のですね、データじゃございませんが、株式市場が非常にいいもんですか ら、小金ができてきたというようなことで、まあ家族そろって、あるいは男同士、あるいは女性同士、外食を楽しむというような機会も増え、なおかつ金額も増 えてきたということで、この1,030億と430億レアルを足しますと、1,460億レアルになるわけですね。
で第二次ルーラ大統領がPACを発表いたしましたが、これは4年間で約5,000億増やすということですから、年間のいわゆるインフラ整備のための投資額 以上にですね、まあ人間の口に入る食品合計の金額がここに表わされております。ということで、全体のパイが伸びていないという理由の一つとしては、最近の 携帯電話の普及でもって、家庭の支出がですね、どうしてもやっぱり電話代の方に行ってしまうと。
あるいは家庭での消費が減って、外にみんな食べに行っちゃうということで、これをこの、例えば2006年で見ますと、430億レアルに対して、総額が 1,460億レアルになりますので、約30%のいわゆる金額ベースの消費が外食で費やされていると。30%というと、どのくらいのレベルまで行っているか と言いますと、アメリカは50%です。もちろん全体のパイはもっと大きいですが、いわゆる家庭で使う金と、外で使う金は50・50ということで、まあアメ リカ人は食文化ありませんので、みんなファーストフードに行ってですね、ハンバーガー食って終わりと。こちらはまだエンジョイしてると。
で、じゃあブラジルの中で言いますと、サンパウロがですね、32%です。ですからあの、ご承知のとおりいろいろなレストランがございますし、まあ楽しむ場 所が多いと。また民度的にもですね、金の持っている人が多いと。でミナス・ジェライスですと、ガクンと落ちまして、たった20%。いわゆる8割の方は、あ るいは8割の金額ベースですが、まあ家庭で料理を作って楽しんでいるというようなことになります。
そういう全体の状況の中で、我々非常にいろんな分野の会社を抱えているわけでございますが、コーヒーでございます。まあ2006年度の回顧としますと、国 内のコーヒー消費は堅調ということで、ブラジルコーヒー協会の発表では、マーケットの伸びが1-2%であったということも言われております。
しかしながら先程一部報告もありましたけども、特に中西部の農村地帯では大豆の価格低落、あるいはそれによる収入の減、あるいは政府から借りている農業融 資の資金の返済等々で、消費する金が減ってしまったというようなことから、コーヒーが一部的にですね、売れなくて減少したと、または影響を受けたというよ うな声もあります。
また一方、急激に投機の対象になったと思うんですが、国際相場が上昇 して、ブラジル国内の売価も引き上げざるをえなかったと。約25-30%引き上げ交渉を成功したところもありますし、約1カ月前の食品部会の会合では、ま だ一部大手、CBBグループとはまだ商談がですね、決まっていないということで、非常に急激な値段の引き上げというようなことで、難しい局面を迎えておっ たということも言えます。あるいは、まあ輸出については為替高というようなことでの収入減、あるいは国際競争力減、あるいは欧州におきましては昨年の1月 から9%の関税アップで輸出もですね、非常に難しくなってきたというようなことがあります。
一方2007年度の展望としては、国内消費は順調に伸びるだろうと、多少回復するだろうというようなことで、5%を期待しているようでございます。また、 生産の面においては、数年おきに来ますブラジルコーヒーの裏年になりまして、約15-20%くらい減産していくだろうというような中で、国際市況あるいは 国内市況においてもタイト感が出てくるというようなことで、価格はさらにアップする可能性もあるだろうというようなことです。
あと、日常の業務あるいは輸出におきましては、あいかわらず、どこでも同じでございますが、サントスのインフラの問題、まあ部分ストライキ、山猫的なストライキ等々で業務の、輸出業務の遅滞等の支障もリスクとしては有りうるんではないかなということが言えます。
一方あの、この即席麺でございますが、現在ブラジル国内のトータル消費量はですね、14億食と言われてまして、年率3%くらい伸びてます。で、国民一人当 たり6食、というようなことでございますが、日本の場合は約50食でございます。まあ大体そういう比較で、捉えていただければ結構なんですが、まだまだ伸 びる余地があるものの、競合メーカーが参入してたいへんな、熾烈な争いとなっております。
現在で64社。1年前はたったの39で、この間に8割くらいのですね、いろんな新規参入を含めた即席麺メーカーが、出てきたというようなことで、まあたい へんに厳しいシェア争いをしているという状況でございますが、展望としましては、この1年間、オーストラリアあるいはブラジル、アルゼンチン等の小麦粉の 減産でもって、小麦粉も投機対象とした面もあるんですが、ともかく価格が上がっているということで、3割上がっている。
という中においてさらに3割くらい上がるんではないかなというような見通しを考えております。マーケットにおいてはさらに同じような状況がですね、続きまして、いろんなブランド、いろんなメーカーが競争し合う厳しい年になるんではないかなとそう捉えております。
一方乳酸飲料、まあ具体的にどこかというのは、すぐお分かりだと思いますが、そのブランドは捨てましてですね、乳酸品製品全体の市場は伸びてると。しかし ながら非常に大手にスイス系のメーカーとか、フランス系のメーカー等が、同じような類似商品を出してますので、競争は熾烈化しているということでございま す。で、嬉しいニュースとしては、前アルキミン州知事が、この製品を生活必需品目にしたというようなことから、通常のICM18%が7%に減率されたとい うことで、お客さんあるいは消費者にとってはより買いやすい商品になったと。大衆的にも普及しているということでございます。
で、今年の展望としては、そういう大手食品メーカーとの競争は続くわけですが、販売に集中化してですね、より一層のシェアアップをしていくという方針があ るようでございます。製造コストについては、レアル高というようなことで輸入原料自体は下がっているものの、やはりトータルの総人件費あるいは工程費等 が、上がっている中においては、たいへんに厳しいということが言えます。
食品関係、これ は食品種類いろいろ入りますけども、国内市場は先程申し上げましたように、全体としては2.24%の伸び。しかしながら部分的には、いろいろな伸び方がご ざいますけども、まあ皆さん関係する我がメンバーの中においては、国内リテール市場は順調に伸びてると。しかしながら、過去、まあ10カ月くらい前になり ますけども、チリのサーモンの問題、大腸菌の問題がありまして、特にそういう生の魚を使うところのレストラン、特に日本食レストランの売上が落ちたという ようなことから、自然に酒類、あるいは飲料等が伸び悩んだと、というようなマイナスの現象もございました。
それとまあ、うちに関係するところなんでございますが、特に粗糖、ブラジルの場合、ニューヨークの粗糖相場で動きます。非常にブラジルもグローバリゼー ション化してきてまして、今までブラジル国内の需給で価格が決まるわけじゃなくて、国際相場で動きますが、約、去年は一昨年の5割アップしたというような 状況で、まあ粗糖あるいはエネルギー等の高騰でもって、採算は悪化しているという状況です。
それと、あとで松田社長の方からご案内があるとは思いますけども、プロポリスさんの松田社長の方でこの一年半以上にかけて、キャッサバですね、を原料とし たオーガニックの焼酎を製造開始していると。長い間政府に掛け合ってきたんですけども、幸い、その許可が一カ月前に取れたということで後で皆さんにお披露 目するそうです。
というようなことで、この展望につきましては、国内市場は堅調に推移す るだろうと。まあ2-3%くらいの伸びは、期待できるだろうというような中においては、やはり外食産業が、二桁成長しているという状況においては、やはり 戦略的にですね、料飲店あるいは業務用の市場への攻撃、あるいは戦略も考えていく必要があるんではないかなと考えます。それとあと輸出市場につきまして は、中国製品の台頭ということで、特に輸出の欧州、あるいはアメリカ、中南米の一部の地域でございますけども、やはり、繊維等々を含めましてですね、たい へんに安値の中国品との競争が、今後も続くだろうというようなことでございます。
それと あと、まあ為替高、これは輸出を中心とする企業においては、大きな課題ではないかなと。あとアガリクス問題というのはですね、去年ブラジルから出しました 日本のアガリクス、これが一部マスコミ等々でたたかれまして、その余波がまだ残っているし、為替高の中において日本向けの輸出が厳しい局面を迎えていると いうことになります。
あと香料関係でございますが、コスト高で、リストラあるいは経費削 減ということで、いろいろ努力しているものの、やはり全体的にはコストアップ、あるいは為替高というようなことで、事業的に見ますと、たいへん厳しいとい うようなことが言えると思います。一方世界第2位のジバダンがですね、これは5位のケストを買収したとか、カーギル社が、いわゆるレグッサの一部の香料部 門を買収したとか、国際的なM&Aが進んでいるというようなことがあります。
一方 2007年の展望としましては、そういう基調の中におきましても、ブラジルの健康に対する感度が、高まってきてるというような中において、食の安心と安全 あるいは、顧客への満足感を与えるというような事業に取り組んでいきたいというようなことでございます。ということでもう時間が15分になっちゃいまし て、5分ほどオーバーしましたので、ここで割愛させていただきますけども、まああのいろいろと、食品部会、まあ皆さんのですね、協賛メーカーの協力も得ま して今年は各社の工場訪問あるいはセミナー等々を積極的に企画したいと考えています。現在5社の関連メンバーの企業の方から、その協力をいただけるという ことになっておりまして、また別の機会にご紹介したいと思います。ありがとうございました。
司会:食品に関するご質問、ございましたらどうぞ。ございませんか。じゃあどうもありがとうございました。次はですね、電気電子部会の盤若副部会長さんにお願いいたします。
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電気電子部会
盤若幸男電気電子副部会長本日はですね、部会長のパナソニックの松田社長がご出張のため、代理でNECの盤若から説明させていただきます。電気電子部会はですね、家電、電子部品、あとIT、通信、精密機械、だいたいこの分野が所属しております。
まずですね、06年の、昨年度の回顧についてご説明申し上げますが、順番はですね、Abineeのデータ、これでマクロの全体を見ていただきまして、あと部会参加企業の概況および主だった業種の市場動向をご説明させていただきます。
まずですね、Abineeのデータ。Abineeは電子電気工業会でございますが、05年、06年は伸長です。全体では昨年度14%伸びております。今回 部会参加企業のですね、分野ごとでどれだけ伸びているかという数字なんですが、IT分野がダントツで22%。部品、電子部品、通信が各々7%。家電が5% でございました。それで、部会に参加されました各社さんの概況ですが、業績、売上の伸びというのはですね、業績の方で比較いたしました。全体が9社でござ います。良かったのが3社、計画通りが2社、悪かったが4社。この中にはたいへん悪かったというのも2社ありました。
それで、特にですね、この、そういう意味では、全体ではどちらかとは言えない結果と思われます。まだら模様であったと。ちょうど1年前、私がまた代理でご 説明した時はですね、06年の展望といたしまして、売上伸長率が今年の予想で100%以上が、10社中8社だったんですね。ということは、この業界はです ね、予想に反して非常に、その結果から言えば悪かった年になっちゃったということが言えると思います。
それで、業界ごとの動向についてご説明申し上げますと、最初は家電でございます。家電はですね、別なスライドがございますので。これは家電製品の主要な商 品の、これはシップメントベースの量でございます。金額でなくて量の前年度比較でございますが、もちろんご承知のように、ワールドカップで生産の中でも、 特にテレビは19%で伸長してますし、新しい製品のデジタル家電、デジタルカメラおよび携帯、電子レンジ等は伸びてます。特にですね、テレビにつきまして はワールドカップ効果で、上期は非常によかったわけですけども、やはり生産過剰で、その後の流通在庫がはけずにですね、昨年度の下期足を引っ張っちゃった と。今だに一部のメーカーさんでは、その流通在庫がはけずに苦労されているというふうに聞いております。
それと、あと白物。白物が非常に好調であり、これはいい話でありますけども、いずれにせよ、テレビの関係はですね、今年も非常に苦しいんじゃないかと。た だ、今後デジタルテレビのオンエアが、サンパウロで12月以降始まりますけども、その中に先鞭をつける意味でも、薄型テレビが少しずつ入ってきていると。 全体のパイは全体でも、まだ3%相当でございますけども、これも少しずつ増えてきているのは、いい話だと思います。
それと、我々弊社がやっております通信の分野でございますが、トータル的にはですね、過去約1.5年ですね、投資が非常に増加いたしまして、特に携帯事業 者さんではですね、ネットワークのそこらへんのインフラ投資が、非常に大きく伸びました。それで昨年度の二交代以降ですね、ビタっと止まっちゃったと。
それとあと固定事業者さんはですね、逆にこの、景気とか技術の動向とはかかかわらずの話なん ですが、事業者さん同士の事業の再編とかですね、メキシコ系の投資しましたTelmexico系のエンブラテルとか、クラーロという携帯事業者さんですけ ども、そこらへんは逆に投資を過去やり過ぎたがため、一旦お掃除をしなきゃいかんと、そんな感じで一旦投資がお休みになりました。
そういう意味でですね、昨年度通信に関わる事業ではですね、非常に投資は抑制されたと。ただ我々から言えば、一時的なものと見ておりますので、今年のおそ らくセカンドクオーターからですね、再開されるというふうに見ております。一方、どういう分野に投資してるかということなんですが、一般の通信のインフ ラ、いわゆる電話サービスからですね、ブロードバンドサービスへのもちろんシフトしているわけなんですけども、そのサービスの拡充およびお客様を、さらに 高所得者を囲い込むためのIPTVとかですね、いわゆる戦略的な新規サービス。これのサービスのまずパイロットを始めております。
そういう意味では今年のですね、おそらくブラジルテレコムで、まあ弊社がパートナー化として納めた設備なんですけども、おそらくセカンドクオーターから、 そういうサービスを始めてくるということで、我々から言えば、そういう新しい戦略投資分野によりシフトして人員をそろえようというふうに考えております。
あと電子部品でございますが、状況は家電分野と同じでございます。ただマナウス域内のですねPIS/Cofinsの課税問題が未解決のままで、これが今ネックになっております。
最後に総論として申し上げますとですね、まあ過去この家電電子の分野ではですね、売上の伸びイコール収益の増加という過去の図式があったわけですが、これ はあくまで過去の図式となりましてですね、非常に収益面でひっ迫しております。今回9社の中でもですね、売上が10%以上伸びたところが確かにあったんで すけども、収益面では過去より落ちているということで、その背景には経済の安定による競争激化および、いずれの分野でも進出しておりますけども韓国、中国 勢の台頭、これによる競争激化ですね。それとあと、レアルコスト高が影響していると考えられます。
次にですね、06年のトピックとして、その前にこれがあります。これはちょっと参考までなんですけども、家電のプライスエロージョン、価格ダウンですね。 これを見ていただければいいように、まあテレビの分野でも、特に真中にありますプラズマですね、このあたりの価格が約半値になっていると。まあこういうテ クノロジーの進んでいる分野では特にこういう形でですね、エロージョンが進んでおります。
それともう一つがですね、これは新聞情報でございますけども、アルゼンチンの輸入テレビのうちブラジル製がですね、まあほぼ90%相当あったのが、今や中 国勢にどんどん取られちゃって、35%まで落ちていると。まあそういうことでですね、この分野、特に、まあ韓国のみならず中国勢の台頭も非常に激しくなっ てきていると。
それとあと、トピック的なんですけども、ご承知かと思いますが、まあカマ ラでも特別セミナー、デジタルテレビの決定に伴いまして、どういうビジネスチャンスがあるかという説明会をやったわけなんですけど、昨年6月29日に日本 方式をベースとする、厳密に言えば、日伯共同スタンダード、あくまで日本方式が決定したわけじゃなくて、基礎とするスタンダードが正式発表されました。
それで日本方式の特徴というのは、特にヨーロッパ勢と最後競ったわけですけども、彼等に対し て高品質な映像・音声サービス。ポルトゲースでホブストと言いますけども、いわゆる頑強なそういうサービス、妨害に強いそういうサービスが可能であるとい うこと、それと昨年日本でも始まりました移動体通信ですね。携帯電話でテレビを受信可能と、こういうスペックが盛り込まれている日本スタンダードをベース に決定されております。
その後ですね、これについては日伯共同でワーキンググループが、 5つの分野ですか、ファイナンス、こういう技術スペックとか、人材育成、あと半導体、生産推進とかですね、そういう分野で共同部会が開始されておりまし て、今のところですね、昨年度12月末までには、一番の課題でありましたスペックが決定する予定でしたが、いまだされておりません。まあ近々とは言ってお りますけども。
ただ決定されて、じゃあ今のところ政府の決定では今年の12月にサンパウ ロからオンエアされますけども、その時点ではですね、やはり、インフラが整ってて、じゃあ受信機側は何を使うかと言ったら、テレビ内蔵型のものじゃなく て、セットトップボックスを使ったサービスが最初の段階で、アベイラブルになるというふうになると見ております。
で最後になりますけども、07年の展望でございます。各社さんのアンケート調査結果ではですね、ほぼ9社中ほとんどの会社が100%キープ、売上でござい ますけども、100%キープ、またはそれ以下ということで非常に厳しい結果でございました。主要課題はまちまちではありますが、一つ二つ共通課題とすると ころはですね、やはりコストダウンおよび固定費削減、これに集約されているなというふうに思いました。ということは昨年度下期の課題が積み残しをされ、こ れがさらに今年の課題としてもフォローされなきゃいかんというふうに理解しております。
それと、あと最後になりますけども、政府、市場への期待ですね。まあ政府が発表しました成長路線への転換というのは、もちろん期待すると同時に、その実行 を期待するということと、ドルレートの安定化継続。願わくば、ゆるやかなレアル安へと。それとあと一部、電子分野では使われています。石油、銅、亜鉛等の 原材料価格の正常化が望まれるということを家電メーカーさんから回答としてありました。以上でございます。ご質問あれば。
司会:ご質問どうですか。ございませんか?では盤若さんありがとうございました。
次は建設不動産部会の阿部部会長、御願いします。
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建設不動産部会
阿部勇部建設不動産部会長建設不動産部会の阿部です。で、ちょっとご説明いたします。これも毎年ご披露させていただいている、全体の市場動向をはかる上で、セメントの販売量という のが、一番分かりやすいなということなんですが、残念ながら、昨年の12月度はまだ統計が出ておりませんので、合計が、これは実は、2005年なんですけ ど1年間、2006年が11月までなんですね。で、ほぼ同量が出てるんですけども、ということは、昨年の1年間は12月分が上乗せされるだろうということ で、1月から11月までだけで比較しますと前年同期比で9.0%。これは我々建設業界にとってかなり大きな伸びと感じております。
これはグラフなんですけども、一月ぐらいが下がってあとは相対的に、ピンク色が2006年ですけども、ずっと好調に販売されていると。あと、特に今、建設 不動産部会ということなんですけども、皆様のお耳に達したりあるいは目に映るのは、不動産の販売関係、あるいは街中でもずい分不動産が建っているなという ことで、ご理解されてると思うんですが、これはサンパウロ市の不動産の販売件数なんですけども、こちらは2006年の1年間でております。こちらはです ね、実はそれほど増加していないんですね。逆に言うと、2004年以前に対して、2005年が非常に多かったとご理解願えればよろしいかと思います。 2006年度も2005年度の好調さを引き続いているということだと思います。
これもグラフですね。これ私も初めて知ったんですけど、年末にかけて非常に販売件数が増えるんだそうですね。こういう傾向が大体毎年あるということを聞きました。
あとですね、建設業の雇用者。ブラジル全体で見ますと、これ過去5年間なんですけども、これも残念ながら12月の統計値、抜けておりますので、2006年は、2005年との比較、11月時点ですね、この比較で言いますと7.3%雇用者が増えております。
これもグラフなんですが、実はこれ2002年から2006年にかけて、下からほぼ、これが2002年、2003年、黄色が2004年ですね。それに比べま すと、2005年が途中からかなり増えてる。それを上回って2006年というのは、本当に大幅に雇用増ということなんですね。これはブラジル全体です。ち なみにサンパウロ州だけで見ましても、ほぼ、全体と同じように11月時点で、対前年比で7.6%の増加。グラフに関しましてもほぼ同様の、まあサンパウロ 州も同じだということですね。
あとこれは、PIBですね。建設業は、業態によって農業、 建設業、サービス業というふうに分かれておりますけども、2003年がマイナス成長で非常に悪かったものが、2004年後半にかけて非常に伸びたと。平均 に伸びるよりも大きく伸びました。ただ2005年は若干落ち込んでですね、2006年に入ってから最初の第一四半期が6.97、、あと4.72、4.99 ということで、かなり伸びが大きくなっております。
あとこれは、建設業の売上額ですね。 これはブラジル全体の建設業なんですけども、これは統計古い、2004年までしか出ておりませんですけども、約8000万レアルを若干超したあたりという ことですね。すいません、7000です。7000万レアル超したくらいが、業界全体の売上額ということですね。ちなみに日本は、約これの、日本全体でいう と8倍から9倍くらいですかね、日本はあります。
次にですね、まあ我々部会はいくつか部 門に分かれておりまして、建築をやっている部門、それと不動産、建材の製作販売、それとあと家具ですね。今回家具のメーカーさん、製造販売されている方、 4つお越し願っていろいろお話うかがったんで、その各分野ごとにですね、分けて4つごとにご説明したいと思います。
まず建築、まあ建設業と言われているところなんですけども、目立ったのが、設備投資が、製造業の設備投資が、だいぶあって引き合いも多かったんですけど も、発注の延期、いわゆる入札はしますが、発注はなかなかされないという企業さんも目立ってありました。この原因が大統領選挙があったことで一時期様子を 見たということと、あとレアル高ですか、やはり外資の方はドル建てで資金調達ということが多いのでなかなかふん切れなかったということもあったんではない かということですね。
それから2番目に、日系企業さんの案件が増加しております。で、そ こでひとつポイントとして、ご指摘いただいたのが、これは我々の方のちょっと言い訳っぽいあれかもしれませんですけども、日本との比較で、建設コストが高 いんじゃないかというお話をいくつかお客様からうかがっているんですけども、互いにこうやっぱりレアル高の問題があると。
私が参りました2002年の時には、1レアル40円換算で社内でやってたんですけども、今年から55円換算ということなんですね。もうたいへんな、建設コ ストをその円ベースで換算いたしますと、非常に建設コストが高いと、ご批判をいただくことがあるということなんですけども、まあそういったこともありまし た。
それとあと、全体的にやはり業界として上向き傾向だということは、逆に言うとまあ参入業者が多くなってきてですね、競争が激化になって安値受注が続いているというのが現状だということなんですね。
次に不動産の方ですが、こちらも皆様よくご存知のように、アパートの販売が非常によろしいと。で、これも大きなポイントとしましては、まあ金利がもちろん 低下したということはあるんですけども、今までになかった定額返済ですか、これが可能になってきた。いわゆる貸し出す側の方も定額で返済してもリスクが少 ないだろうということで、逆に借りる側も安心して借りられるといったこと。それとあと優遇税制が、これはIPIですか、あれが特にルーラ政権の方の方針と して、建材関係の税金を安くして、住宅の供給をはかろうという政策も寄与しております。
それから特徴としては、株式を上場した企業が、今もう15社あるということなんですけども、もともとのブラジルの国内業者さんだけでなく、今非常に海外か らの投資が活発であると。そこから資金提供を得て、なおかつ上場して、市場からも資金調達して不動産開発をするということで、非常にいろんな意味で資金が あちらこちらから入ってきて、非常に活況を呈しているということが考えられております。
それとですね、これはまあクエスチョンマークがあるんですけども、よくこれも皆様からご質問がある、あれだけ建って本当に売れているんですか?というお話 がよく耳にします。これに関しては、実際にやはり売れていると言い切れない部分があるんだそうです。当初やはり買った人が後で、これは当初実際に買った人 が後で再販ということは、値上がりを見越して、待って売るという再販と、あとキャンセルということが結構出てきていると。買ったけども、まあ買う契約まで 行かないうちにですね、やっぱりやめとこうということで、それをかなり建築が進んで完成したころに、もう一度販売するというというようなことで、決して建 てれば売れるというだけではないということがあるそうです。
次に建材の方ですね。建材は まあアルミの方の建材なんですが、アルミの材料の地金の方は、これは相変わらず高値で推移していますと。で、これは先程も話もずっと出てますけども、中国 の動向ですね。こちらの方で、非常にもう価格が決められてしまうということで、ずっと高値で推移しているということで、実際に国内でそういった建材の販売 をするときに、まあ売るために価格競争は当然あるんですけども、いわゆる規格外、高層マンションなんかというのは当然風が強いということで、それなりの強 度を持ったサッシを使わなければならないんですけども、中にはそういったものを使わない、もっと安物を、薄いものとかですね、そういったものを使って競争 に勝っているというようなところも出てきているという業界の裏の話もございました。
あ と、こちらの建材メーカーさんの方は選別受注の徹底で計画値を確保されたということをおっしゃってました。それと最近の傾向としてアルミ箔ですか、これの 需要が非常に増えてきていると。CBAですか、大手のアルミのメーカーさん、国内メーカーですけども、増産計画は最近は、型材なんかの厚いものじゃなく て、アルミ箔、そういったものが、いろいろな分野で増加しているというお話でした。
それ と、これは家具なんですけども、家具メーカーさんが1社さん、これは非常にですね、昨年業績が倍増しましたということで、どんなところで伸びたんですかと いうお話を聞きましたら、まあ過去3年間くらい、ずっと業界全体が上昇傾向なんだそうですけども、既存の事務所のですね、リノベーションということで、そ ちらの方での家具の需要が非常に増えているとおっしゃっていらっしゃいました。
それから 2007年の展望。これも各部門別で言いますと、建築の方はですね、今年も工場の設備投資の引き合いの案件が、順調にあるのではないだろうかということ は、まあこれは我々としての希望的観測なんですけども、先程来、他の部会の方からお聞きしていても、まあ落ち込むという方向ではないだろうということなの で、たぶんこういう形になると思います。
それと、あと受注環境に関しましては、これも ずっとここ数年続いております価格競争の激化で、非常に厳しい状況が継続されるであろうと。それに対応して人件費、建設資材の上昇、これが今年は昨年以上 に影響が出てくるんではないだろうかという予想をしております。それとあと、PAC、これに関してはですね、少なくともこの商工会議所に属している部会の 方に対しての恩恵というのはほとんどないだろうと。で、全国的にも建設業界にとっては、かなり限定的な波及効果しかないんじゃないだろうかなという感想を 持っております。
不動産。こちらの方はですね、アパートの方が、引き続き販売が好調を持 続するでありましょうということですね。それと最近の傾向として、仕様アップですね。いろいろ内装を、外装も含めてなんですけども、建設の仕様をアップに して、グレードがアップしたために、コストが上昇してますと。まあ昔はベランダもついてなかったような安物が多かったんだそうですけども、最近はこういう のが当たり前についてきたということですね。
で、昨年までは3LDK中心、70万から 80万レアルの物件が多かったんですけど、今年は小さなもの、1LDK、2LDK、10万から20万レアルなんかも増えてくる傾向があるということです ね。ただ、今後の課題としましては、工期を短縮して、これもやっぱり立替を少なくするための工期の短縮。それと工事単価の低減ということで、これは競争に 勝つためということです。こういった課題はございます。
あと、ここにないんですが、不動 産関係ではですね、いわゆるそのビンチトレスの入り口、この近くにありますけども、ひとつの敷地の中に何棟かまとめて建つ物件が、いくつか出てきているそ うです。それまでは敷地の中に1棟だけということなんですけども、この辺のメリットとしてはコンドミニオを下げる、で販売をしやすくするということで、逆 に大型化していって、棟を分けてコストを下げるという考え方があるそうです。
建材の方で すね。こちらの方は政府の住宅施策のてこ入れにより、住宅産業が活性化ということは、もう先程からも話があるので、まあ伸びるであろうということなんです けども、なかなか一本調子ではいかないだろうということで、まだまだ市場動向を見ないといかんということですね。
家具。こちらはたいへん強気でですね、まあ1社さんだけの話だったんですけども、今年も引き続き100%売上アップと。利益もアップという見通しだというお話をされてました。
あと個別テーマなんですけども、これはまあ2年前からやっております、年1回、最低1回セミナーまたは見学会ということを、今年も10月から11月ごろに向けて計画たてたいと。また詳しいことが分かりましたら皆様にご案内したいと思います。以上でございます。
司会:ありがとうございました。質問ございましたらどうぞ。じゃあ、ありがとうございました。続きまして運輸サービス部会の丸山部会長様にお願いいたします。
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運輸サービス部会
丸山亘部会長運輸サービス部会からご報告させていただきます。業界、業種がいくつか、7つほどございますので、ちょっと駆け足でやらせていただきます。
まず航空でございます。昨年下期でございますが、原油価格の高騰がございました。これは大きな経済的インパクトがございましたが、全体的には需要は世界的 に堅調で拡大傾向にございました。ブラジルにおきましては、航空需要は非常に旺盛でございました。その中でTAM、GOLのほかオーシャンエアー、BRA 等新興キャリアが、混乱の中から台頭して参りました。VarigがVarigLog等に買われまして新Varigとなりましたが、数機の機体と路線を活用 して運行を継続しております。
2007年上期の展望でございますが、航空需要の拡大基調 は継続する見込みでございます。それに多くの新規機材、飛行機でございますね、投入いたしまして、増便それから新航路開設が、行なわれる年になると期待さ れております。例でございますが、TAMが3月からミラノ線を開設。ロンドン線の毎日2便化と。中東から2社がブラジルに乗り入れてきております。CAこ れチャイナエアーだと思いますが、1月から週2便での運行を開始いたしました。2月からは大型の機体に変更される予定でございますと。次をお願いします。
海運でございますが、2006年、こちらは輸入が堅調な伸びを示しました。主に中国出し、先 程から皆さんのご報告にございますけれども、中国出しが旺盛に入ってきております。輸出に関しましては、これも皆様のご報告にございましたが、下落傾向か ら脱しておりません。需要、これは潜伏需要でございますが、アジアからの輸入スペースは輸入の堅調さを反映いたしまして、スペースは非常にタイトでござい ます。
輸出に関しましても、現在はちょっとスラックシーズンではございましたが、船を減 らす、減船を実施する会社等もございまして、全体的に輸出輸入とも、スペースはタイトでございました。船の運航面ではストライキ、昨年大統領選挙にからみ まして、ストライキが結構頻発してございましたが、こちらは現状は少なくなっております。
しかし慢性的な船混み、荷役効率、こちらは変わらずに各社ともスケジュール維持に非常に苦労しております。それと、航空業界と同じでございますけども、燃料価格が非常に大きく影響いたしました。次お願いします。
2007年でございますが、回復がこれから早いというふうに我々は見ております。主要輸入貨は引き続き堅調。輸出は、まあ今までの通りでございますが、為 替高の影響が大きく、伸びはちょっと期待できないかというふうに思っております。スペース的には安定しておりますが、港湾インフラ、これが非常に立ち遅れ ておりまして、スケジュールが混乱すると、ひいてはスペースの供給が少なくなるというようなことが予想されております。
荷動き増、これがここのところずっと続いておりますが、港湾料金の値上げ、これ実際に激しく最近高くなってきております。燃料価格も船社経済を圧迫しておりまして、運賃全体としては若干上がり傾向というふうに予想されております。次お願いします。
フォワーダーの皆さんの報告です。下期でございますが、輸入はレアル高を背景に好調でございました。輸出に関しましては、これは逆にレアル高を背景に、輸 出に陰りが出ております。大統領選後でございますが、若干落ち込むかというふうに昨年は見られておりましたが、景気、為替とも大きな変動はなく、物量減は ございませんでした。通関システムの導入がアナウンスされておりますが、まあこれはブラジル特有でございましょうか、関係部署の準備が整わず、繰り延べさ れております。2月納入というような話もございましたが、現在まだ実施されておりません。導入時期は不明でございます。次お願いします。
2007年の展望ですが、輸入が増えていくということで、輸出ができなくなりつつあるということでですね、これまた一回りいたしまして資材の輸入が減るん ではないかということが、不安材料として挙げられております。輸出に関しましては、これはもう今までどおりでございますが、価格競争力に影響を与え、輸出 減が危惧されております。
自動車関連の物資は引き続き堅調に動くであろうと見られており ます。さらに、これ米国で現在あの、保安強化策が実施されつつありますけども、全量検品とかですね、いう動きがございますけども、こちらはリードタイムの 伸び、コスト増というものを招き、結果的にはルート変更を引き起こすのではないかというような予想が出ております。次お願いします。
構内物流でございます、これは鉄鋼メーカーさんの構内物流でございますが、年初に発生しましたCSNの、昨年年初ですね、2006年の第三高炉の事故から 粗鋼生産が、3,090万トンにとどまりました。CSN自体は32.5%減のために整備作業は大幅に減りました。その他、レアル高を要因に、輸出を主体と しておりました肥料、製紙関連の顧客での作業の縮小あるいは撤退を余儀なくされております。自動車関連は昨年より好調でございまして、ボリュームは増加傾 向にございます。これは先程の船会社のところでも出てまいりましたが、サントス港のインフラが貨物増加に追いついておりません。次お願いします。
2007年の展望でございますが、粗鋼生産は12.8%増。懸念材料は中国製品との競合でございます。各社とも生産能力の増強計画を立てておりまして、 2010年までに150億ドルの設備投資で、粗鋼生産能力を5,000万トンに拡大する計画がございます。インフラ整備が本格的に進めば7,000万トン の粗鋼需要が見込まれるとの試算もございます。
自動車関連の伸びをベースといたしまし て、部品メーカーさんが進出が計画されております。設備の輸入、それからハンドリングが増加するものと予想されております。希望でございますが、港湾イン フラの整備が必要でございます。それに明けまして2月に、既に空港で税関のストが実施されました。今後もこういった件に関しましては注意が必要でございま す。次お願いします。
通信でございます。2006年度下期でございますが、携帯電話の加 入者数が9,999万台、世界5位になりました。ブロードバンドユーザーが504万台。インターネットユーザー3,500万人ということでございます。そ れから昨年ノッタ・フィスカルの電子化が実施されました。20万枚のNF、ノッタ・フィスカル発行を実現いたしました。それにサンパウロ市税に関するノッ タ・フィスカルの電子化プロジェクトもスタートしております。2006年度にはEコマースの売上が4.4ビリオンレアルと、76%増と驚異的な増加を示し ております。次お願いします。
2007年度上期でございますが、携帯電話に関しましては まあ2006年度並み、1億台前後で落ち着くであろうと言われています。通信庁は,最後のライセンスをオークションにかける見込みでございます。サンパウ ロで4番目の携帯電話業者が誕生する見込みです。通信に関しましてはWiMAX規格の仕様が標準化され、ネットワークを仕様としたブロードバンドアクセス が期待されております。これは無線通信の規格というふうに,私は聞いておりますが。それからITに関しましてはWindowsVistaへの移行が開始。 これはまあブラジルだけではございません。世界的に開始されております。そのほか高額PC、ノートブックに関してはPISとCOFINSの免除を受けると いうのが1月からスタートしていると報告されております。次お願いします。
それからクー リエでございます。こちらは1枚に06年下期と07年上期両方1枚にまとめましたが、為替高の中で、中小雑貨輸出業者は輸出を断念しております。メンバー の方の実績で、クーリエ輸入は8%減。輸出物件は5%の増でございました。上期の展望でございますが、組閣を含めて新政権の動きがまだ不明でございます。 為替がこれからどうなるか、これが大きな転機になると思われます。現行の為替では、中小の輸出業者はほとんど輸出を中止せざるを得ないんではないかという 見込みでございます。次お願いします。
ホテルでございます。これは昨年の実績ですが、観 光その他の目的地の順位にブラジルが5位に入っております。米国、中国、モロッコ、アルゼンチン、ブラジルと。ちょっと私には複雑なあれですが、モロッ コ、アルゼンチンが上に来るというのは、よく理由がわかりませんが、いずれにせよ5番目に入っております。
それから2006年、世界全体では8億4,200万人の観光客が旅行されました。05年度比4.5%アップ。企業はビジネストリップで、ブラジルに155 億レアル使いました。ホテル、航空、レンタカーの66.21%にあたります。それからこれも部会員の方のご報告でございますが、韓国、アルゼンチン、チ リ、メキシコからの外国旅行者が増加いたしました。運輸サービス業界からは以上でございます。
司会:ありがとうございました。質問はいかかでしょうか。ございませんか。時間はアンダーコントロールですのでどうぞ。
質問:BTHというのは何ですか?
丸山部会長:これは私どもの運輸サービス部会のメンバーの方でブルートゥリーホテルでございます。
司会:では最後の発表になりますけれども、自動車部会の長瀬副部会長さん、よろしくお願いいたします。
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自動車部会
長瀬周治自動車副部会長ただいまから自動車部会の発表をさせていただきます。本来であれば、岩村部会長が報告するところでございますけれども、あいにく出張中なものですから、副部会長をつとめさせていただいております長瀬から報告させていただきます。
自動車部会は自動車、つまり4輪とあと2輪および部品、この3つのメンバーから主としてなっております。それではまず2006年の回顧と2007年の展望について、4輪からはじめさせていただきます。
これは4輪の生産を年別に棒グラフに示したもので、2000年から2007年の予想まで含んでいます。2004年から国内販売および輸出の好調で大幅に生 産が伸びておりますが、2005年の252万台から昨年の2006年は、260万6,000台ということで約3%成長しました。で、これは乗用車だけでな くて商用車も含んだ全体の数字であります。
ただ2006年は、皆さん他の業界と同じよう に輸出台数が減少を示しております。これもやはり為替の影響ということであります。2007年につきましては、引き続き国内販売好調ということで、輸出の 減少傾向は続きますけれども、約4%の伸びで271万台という生産予想が自動車工業連盟のANFAVEAの予想でございます。
これは国内の自動車販売の数字を示したものであります。で、昨年は国内が順調でございまして、193万台と2005年比約12%伸びました。ただし、ここ に出ておりませんけども、1997年には194万台という記録がありますので、まだ過去最高を更新しておりませんけども、今年2007年の国内販売予想 は、200万台を超えまして208万台ということで、まず確実に過去最高記録に達するだろうというのが予想でございます。
その中で乗用車のセグメント別の販売状況を見てみますと、2006年はリッターカーといわれるものは、ほぼ順調に伸びておりますが、それ以上の次の小型の セダンタイプのシェアがどんどん落ちてまして、一段上のプレミアムコンパクトというところが伸びる傾向があります。2007年につきましては各社、各セグ メントで新車の投入予定があるということから、引き続き、先程申し上げましたように、販売台数は伸びますけれども、やはりBセグメント、ここの部分の減少 傾向は続いてくるというの全体の構成比率の予想でございます。
続きまして、これは話題の フレックス車についての統計でございます。左側はガソリンとアルコールの価格比較、右側はフレックス車とガソリン車の構成比率のグラフでございます。 2005年にガソリン車とフレックス車の販売が均衡して逆転しました。昨年は一時エタノールの世界的な需要タイトで、アルコール価格が上がったということ で、比較優位が若干疑問視されたために、一時フレックス車の売上が停滞するということがありましたけども、その後需給緩和および石油価格の高止まりという こともありまして、再びフレックス車の売上が比率が伸びているということで、昨年末に80%に達しまして1月では82.7%がフレックス車という状況に なっております。
これは今まで日本の日系の自動車メーカーさんは、このフレックス車お持ち合わせではありませんでしたけど、販売計画というのができあがっておりますので、ますますフレックス車の比率は、増えてくるというふうに予想されます。
これはあの、まあ好調といわれている自動車業界の全体の動向を示す投資計画、これはあくまでも公表された数字だけでございますので、水面下で動いている部 分というのは全く捉えておりませんが、2011年までに、公表されているだけで約120億レアルの投資計画が、あるということでございます。
さらに新規参入で韓国、インド、中国系の自動車メーカーさんが新規参入を表明されております。また2007年、今年につきましても、先程申し上げましたよ うに、非常に販売計画が順調ということで、逆に生産能力の不足ということが懸念されておりまして、各社さん設備投資および人員の増加、第三シフトの導入等 でこの不足を補うべく前向き、積極的な動きを示されております。以上が自動車関係でございます。次に2輪関係についてご説明申し上げます。
これは2輪の年間生産・販売推移でございますが、棒グラフがトータルの生産、折れ線グラフのブルーのものが国内販売、それから赤の折れ線が輸出でございま す。2輪関係につきましては、やはり金利の低下ということで、中低所得者層が非常に買いやすくなっているということもありまして、国内がきわめて順調で、 昨年は141万台という記録を達成しております。
一方輸出の方は、これもあいかわらず皆 さん他の業界と同じように、減少傾向にあります。一つは為替の問題、もう一つは輸出相手国における中国製品との競合関係で若干侵食されているということ で、輸出は減少しております。今年の2007年につきましては、引き続き国内は順調ということで、約160万台の生産を計画しております。ただし輸出は引 き続き減少を予想しております。
これはブラジルの2輪の販売状況、市場の状況でございま す。9割が199cc以下の小型でございます。地域的には今まで、従来は比較的所得水準の高い南東部、南部が大半を占めておりましたけども、ここにきまし て東北部、これはまあ最低賃金の引き上げ、あるいは金利の低下等で、交通インフラの未熟な東北部が堅調に伸びているというのが特徴的でございます。
続いて自動車部品業界、簡単にご説明します。これは業界のSindipecasのいわゆる対前年同期比の各月の伸びを示したグラフでございますが、 2005年は2004年に比べてかなり高い伸びを示しましたが、2006年は最終的には1.4%程度の伸びということで、若干イメージと違った数字には なってます。ただしこれは単純に52社のメンバー会社の売上を集計したものでございますので、必ずしも全体の業界動向を示しているものではございません。
それからあとは、場合によっては為替の問題がありますので、輸入部品なんかの価格はレアル比 で落ちているというようなことも影響しているかと思いますが、いずれにしてもプラスの伸びであることには間違いありません。まあ個別にはいろいろ、中国品 に押されているとか、輸出が低調だとかありますけれども、全体的に自動車業界の好調さに支えられて、まあまあの推移を示していると思います。
ちょっと他の業界さんは部会テーマというのはあまり説明されなかったんですが、時間の関係もあるんですけども、我々自動車部会は今年は2輪関係のですね、 特に中国からの進出企業の問題について、取組みたいということで掲げておりますので、ちょっと簡単にご説明させていただきます。
まああの、ちょっと歪曲的な言い方かもしれませんけども、悪い現象だけを捉えて簡単に申し上げるとですね、開発費をかけないでコピー品を中国からの部品を 持って来て、組み立てて口巧みに販売するということで、業界として抱えている意味はですね、こういうことが横行するとブラジルの将来の市場にとっても良く ないということで。知財権のコピー問題、これは各社さんが個別に対応されるということですけども、あと生産工程の問題で進出の時に得た許可条件どおりに 作っているのかというようなことはSuframaによく見てもらおうと。
あるいは排気ガ スという規制に対してもちゃんとやっているのかということで、監督機関のセテスビ(CETESB)に、まあ予算の問題もあるでしょうけど、しっかり監督し てもらいたいというようなことで、健全な業界の発展に向けて取組みを続けていきたいというのが、今年の部会のテーマでございます。以上で発表を終わらせて いただきます。ご質問があれば。
司会:じゃあ長瀬さんありがとうございました。えっとですね、講評をいただく前にですね、全体的なことでも結構ですし、部会長さんへの質問でも結構ですし、それからシンポジウムの運営に関してのですね、ご要望なり、何でもお受けいたしますけれども、どうぞ。田中会頭。
田中会頭:渡邉コンサルタント部会長にちょっとご質問があるんですけれども、非常に興味深いお話で、ただ時間切れになってですね、最後のいいところが、あ んまりお聞きすることができなくて残念なんですけども、それについて一つお尋ねしたいんですけども、最後の結論的な部分に「アジアの中の日伯関係」という テーマがありましたが、このアジアの中の日伯関係というか、アジアとブラジルとの関係の中で日本がどういうふうに絡んでいくのかと、そのへんのところのお 話をお聞きできればと思うんですけども。
渡邉:あまり偉そうなことは申し上げられないん ですけども、東アジアで日本企業は、東アジアの日本、ASEAN、中国、この地域でですね、最適調達、最適生産体制というネットワークを築いて、そして収 益構造を構築したと言われているんですよね。それでまあ、日本は少子高齢化社会、貯蓄低下する中にあって、そういう収益構造を構築して、日本は伸びていく んだということなんでしょうけども、この東アジアの今後、自由貿易圏みたいにして拡大していくとですね、ブラジルみたいな伸びる国は、当然そちらに目を向 けていくはずです。先程申しましたように、個別な話でいうと、まあレアル高。
レアル高で 世界戦略を考えて生き延びざるを得ない、まあそういった靴だとか、繊維だとかですね、軽工業部門。こういうところも付加価値をつけて、じゃあ生産体制をど こに持っていくかと。ブラジル国内でレアルが高い、レアルが高いと文句言ってたって、多分生き延びれないと思うんですよね。で潰れるところは潰れるんで しょうけど、グローバル戦略を作っていくところは、やはり東アジアみたいなところにも、生産拠点を展開するんではないか。
そういう中にあって、当然その東アジアの中にネットワークを持っている日本企業とのビジネスアライアンスというか、連携の可能性というのは当然出てくる。もうすでにそういうことが見られますですよね、まあブラジルの得意なエネルギー、資源。
それから先程申し上げました航空機、ブラジルは中国に、エンブラエルの組立工場をもう作ってますね。そういう東アジアの中で、例えば日本の企業と、ここでもやってますけども、エンブラエルとのビジネスアライアンスあります。翼を作るとか。
ペトロブラスもそうですね。今世界の石油企業というのは、ただ外に行って掘るだけじゃなくて、掘って、アジアならアジアで掘って、エチレン作ったり、製品 まで作るというそういう流れになっているそうです。まあ日本はまだそこまでになってないんだけど。ペトロブラスなんかは中国にも拠点もってますし、世界で 石油を掘っているし。
そういう資源、エネルギー、まあ航空機。私が先程言いました軽工業 の分野でもですね、当然世界に目を向けていくだろうと。そういう中でビジネスアライアンスの、日伯のビジネスアライアンスの可能性は十分に拡大していくだ ろうということでございます。あの、世界戦略を持ってやられている企業の方たくさんいらっしゃいますんで、そういう方々に、実際的な意見いただければいい んでしょうけど、まあ私の意見なんかっていうのはちょっと表面的で。そういうことだと思いますけど。はい。
田中会頭:それに関連しまして、追加になるんですけども、まあ若干、若干というか、かなり心配なのは、そういうブラジルがアジアとの関係を増加していく中 にあって、果して日本が、それに参加する可能性があるのかどうかという、そのへんのところがちょっと心配になるんですけども。といいますのは、中国がこれ ほど発展しなかった段階では、ブラジルがアジアと交流をしていくためには、やはり日本が間に入るとか、何らかの役割を果たす必要性があるんじゃないかとい うことが言われたんですけども、中国もブラジルも大きく成長していくとですね、日本はあまりいらないというふうな、そういうことにならないかどうか、その へんのところをちょっとお聞かせいただければと思います。
渡邉:チャンスはあると思いま すね。というのは東アジアに、私先程申し上げましたように、製造業を中心に、日本はアジアにネットワークを張って、これは日本で作る、これはASEANだ と、これはインドだと。まあインドは東アジアじゃありませんが。中国だというふうに、最適調達、最適生産体制というのをはりめぐらしていますから、中国だ けで例えば日本企業、今2万社いるんですよね。上海だけで5,500社。ここに300社近い日本企業おりますけども、そういう時代でございますんで、ブラ ジル企業と関係の深い日本企業だけじゃなくて、そこに行けば、もう日本企業が中国でやっているわけですから。まあ中国だけじゃなくてASEANもそうです ね。これからインドもそうでしょうし、そのチャンスというか可能性というのは大きいと思いますよね。
田中会頭:ありがとうございました。
司会:渡邉さんありがとうございました。時間となりましたので、丸橋首席領事様の方から講評をいただきたいと思います。
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講評 丸橋次郎首席領事
丸橋次郎首席領事
総領事館の丸橋でございます。冒頭ご紹介いただきましたように、本日、西林総領事一時帰国で、日本におりまして、不在でございますので、総領事にかわりま して講評ということで。しかも本日は島内大使も出ておられるんですが、その前で講評というのは非常に差し出がましいという感じはいたしますが、まあご指名 でございますので、簡単にですね、個人的な感想ということでご勘弁いただければと存じます。
実は私自身、この会議、といいますかシンポジウム。以前は懇談会ですね。と呼ばれていましたが、一昨年の会議に確か、一度出席させていただきました。その 際はですね、実は、まあ中身というよりむしろやり方なんですが、皆さんそれぞれですね、詳細な報告書をお読みになってというような、そういう報告会の形式 でございまして、今回のようにですね。本当に全てこの、すばらしいパワーポイントのプレゼンテーションというのは、私今回はじめて出席させていただきまし て、まああの平田事務局長の特に強いお勧めがあったようにうかがっておりますけども、非常にわかりやすい説明を拝聴いたしました。本当にありがとうござい ました。
それでまあ、一言でですね、全体の講評というより、今まで11部会ですか、おう かがいいたしまして、私どもですね、いわゆる日本とブラジルの関係緊密化に微力ながら携わらせていただくものにとって、非常に明るいというか、勇気付けら れるお話をうかがえたのかなという感じはしております。
もちろん、細部を見渡しますと、 たとえばレアル高によって輸出環境非常にもちろん厳しいですとか、あと中国、韓国のですね、そういう競争の台頭。また中小分野においては、それなりに非常 に国内での競争も含めてですね、非常に厳しい状況にあられるというのは、まったくそれは、その通りとは存じますけども、まあ一般的に非常におおざっぱに拝 見したところ、そういう意味じゃ非常にいい、明るい方向にあるのかなという感じがいたしました。
実は私自身ですね、これまで2回ブラジルに在勤をさせていただきまして、最初は80年代のはじめから中ごろ、2度目は90年代のちょうど、はじめからほぼ 中ごろということで、まあ今回が3回目なんですけれども。最初の2回というのは、皆さんブラジル、ご経験のある方はすでに、ご承知のことでございますけど も、どちらも基本的にはハイパーインフレを経験しまして。そもそも、ドルのレートが毎日上がるというのは、個人的には、それを楽しみといっては語弊がある んですけども、そういうような状況でございまして。今日のように、そもそもドルが大幅に下がって、しかもそれが逆に全然上がらないというような状況という のは本当にはじめて経験しておるわけでございます。
それで今回の第3回目の勤務は、いわ ゆる2002年と言いますか、ルーラ大統領がちょうど当選した、そしてルーラ政権になったところにですね、まあ私、サンパウロの前はリオにおりましたけど も、リオに赴任させていただいたわけでございます。それでまあ、皆さんご承知のようにルーラ政権ですね。そういう意味ではうれしい誤算といいますか、経済 政策もですね、当初の見通しとは逆に、非常に堅調になったということで、もちろん外部的な要因も当然あるんだろうと思うんですけど、基本的に現在のブラジ ルのこういった経済的な好調さというのはやはり、ルーラ政権がそれなりにしっかりしたというか、前政権から引き継いだオーソドックスなというか、そういう 経済政策を継いだということにも大きな理由があるのかなという気がしております。
冒頭島 内大使の方からもお話がございましたけれども、日本でもだいぶん中南米、特にブラジルへの関心が高まっているということで、まあこれは、皆さんご案内のと おりだと存じますけれども、日本からブラジルにお越しになる要人の方、特に領事館の場合ですと、政治家の方が多いんですけれども、非常にたくさんこちらに 見えまして。
その方のほとんど、10人中10人までですね、例えば全く初めて、ブラジル にお越しになった方、あるいはもうすでに、何度かお越しになった方も含めて、現在のこのブラジルの状況をご覧になって、おお、さすがに良くなったな、とい うそういった非常にポジティブ、前向きな評価をいただいているわけでございます。
他方、 皆さんの場合は若干異なるかもしれませんが、やはり初めてといいますか、特に実際にビジネスに携わっておられない方は、まあ非常に確かにすばらしいポテン シャリティーがあると、すごい国だというふうにおっしゃるんですが、最後はやはり、日本から遠いねという話がまいりまして、どうしてもそこが大きなハード ルになって少なくとも一般の人にとってはそこが大きなハードルになっているというのが、実は現状かなと。
ただ、いまやビジネスの観点からしますと、先程ジェトロの渡邉所長等もお話ございましたけども、まさしくグローバル戦略の中でですね、あるいは例えば、日 本とブラジルというのは遠いけれども、他方地球を一つの世界に考えた場合、ちょうど対蹠点にあるわけでして、地球を南北二つに割った場合、それぞれの半球 ごとに日本とブラジル、ブラジルを例えば、日本の第2の拠点として考えれば、それなりの世界的なビジネスの場になる、あるいは基地になるのかなという感じ もしまして。まあまったくこれは個人的な、若干受け売りもございますけれども、日本から来られた方にお話をさせていただいて、とにかく少しでもブラジルに 目を向けていただきたい。
アジアオンリーじゃございませんよ、ということでいろいろな方 にまあそういう意味では宣伝をさせていただいたという訳でございます。そういった意味からも、本日のこの皆様の発表、具体的な数字の裏付けのある発表をう かがいまして、本当にうれしく思っている次第でございます。
他方まあブラジルですね、ま だまだ、例えば、まあすでにお話ございましたブラジルコストですとか、インフラですか。この今の経済成長がどこまで続くかというのは、インフラの整備も大 切だということもございますけども。ですから、本当にどこまでこれが順調に続くかというのは、率直に申して私自身よく分からないんですが、少なくとも個人 的にはぜひとも続いてほしいなという気がいたします。
ただ唯一、まあこれは皆様おそらく ご同意いただけるんだろうと思いますが、ブラジルの潜在性。特にまあBricsという4つの中にあって、少なくとも現時点で見れば、ブラジルというのは、 客観的にはですね、一番日本にとってというか、世界にとって魅力のある国ではないかなというふうに思いますので、まあ皆さん各社におかれては、本当に、ご 苦労ある国というか市場かと思いますけども、やりがいのあるところだろうと思いますので、ぜひとも2007年の、だいたい皆さんの見通しとして非常に前向 き、良くなるだろうという見通しでございますので、ぜひともそれが各業界において実現されることをお祈りしたいと思います。
それで最後にですね、これはもうすでに最近言われておりますけれども、いわゆる在外公館の日本企業支援ということでですね、まあ大使館あるいは総領事館、 ぜひともそれぞれ各国の民間企業の皆様のお役に立ちたいということで、いろいろやっておりますので。特に当館はすでに前回の官民合同会議のフォローアップ ということで、今回はじめて領事館とこちらの商工会議所の方で、会合の場をこの前初めて設けさせていただきました。今後ともですね、これを続けて参りたい と思いますので、ぜひともいろいろ今後ともございましたら、ご遠慮なく領事館の方にお声をかけていただければと思います。本日はどうもありがとうございま した。
司会:丸橋首席領事ありがとうございます。本日はお忙しい中、3時間半という長時 間にわたりまして業種別部会長シンポジウムに参加いただきまして、まことにありがとうございました。特に島内大使におかれましては、日本からご帰国直後の 非常にお疲れのところ、最後までお付き合いいただきまして、まことにありがとうございました。
ただいま丸橋首席領事からお話がありましたように、全般としましては、今年は去年より多少明るくなっていくんではないかなと。もちろん為替の問題、その他 いろいろ楽観できない部分はありますけども、ぜひですね、来年のこの場で2007年はいい年であったと、回顧できるようになればいいなと願っております。 また最後にですね、各部会におかれましては、今首席領事からもお褒めいただきましたように、非常に分かりやすい簡潔な発表をしていただきましてまことにあ りがとうございました。
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閉会の辞
宮田次郎企画戦略委員長いつも昼食会で平田事務局長に、時間内に終わらなきゃだめですということでですね、文句ばかり言わせていただいておりますので、今日時間も決まってたんで すが、まあ何とか3,4分のオーバーということで終わるようでほっとしております。本日はどうもご協力ありがとうございました。
司会:ご案内ですけれども、MNプロポリス様からですね、ブラジル製焼酎小瓶を全参加者に用意させていただいておりますので、お持ち帰りください。これは「伯魂」ですね。ブランドの登録が正式認可されたお祝いを含めてというようなことですので、よろしくお願いします。
閉会します。ありがとうございました。この後カクテルパーティーがこの下の2階で行なわれますので、参加申し込みされている方は2階の方に移動ください。
開催日:2007年2月23日(木)
会場:ソフィテルホテル
時間:午後2時から5時30分