2009年下期の業種別部会長シンポジウム

  • 司会 近藤正樹総務委員長

     

    本日は多数のご来場、誠に有難う御座います。114名の皆さんの参加は今までの最高記録です。本日の司会を担当させていただきます近藤です。日本語からポルトガル語への同時通訳のサービスがあります。それでは各部会の発表に先立って商工会議所の田中会頭に開催挨拶をお願いします。

  • 開催挨拶 田中信会頭

     

    本日は当会議所のメインイベントである業種別部会長シンポジュームに、ご多忙中にもかかわらず多数ご出席頂きまことに有難うございました。特に今回はブラジリアから島内大使、サンパウロからは大部総領事をお迎えしており終了後講評を頂くことになっています。ご協力有難うございます。

    古い方達には繰り返しになり恐縮ですが、メンバーが大分入れ替わっておりますので、最初にこのシンポジュームの歴史および内容を簡単にご紹介したいと思います。このシンポジュームは一年2回、年初と年央に11の業種別部会長がそれぞれの業界の回顧と展望を行なうことになっており、今回はブラジル経済2009年上期を回顧し、下期の展望を行なうものであります。

    このシンポジュームは、私事にわたり恐縮ですが、1970年代に、初代コンサルタント部会長として「業種別部会長懇談会」という名称で開始したものであります。その後総務委員会担当として会議所全体の主要行事となり、今日まで30年以上続いている当会議所の看板行事であります。

    当初は、コンサルタント部会長が司会者となり業種別部会長が集まって、座談的にブラジル経済を論ずる文字通り懇談会でした。その後総務委員長が担当する会議所全体の行事となりました。更に2003年より「開かれた会議所」の基本方針に従い、会員には勿論のことマスコミも含め一般のブラジル社会にも開放し、日本語の理解が難しい参加者のためポルトガル語の同時通訳も用意し希望者は誰でも参加できるようにいたしました。設立以来継続してきた部会長懇談会という名称も2006年8月3日実施分より「業種別部会長シンポジューム」に変更いたしました。

    この会議では各業種別部会の代表者から生の声でそれぞれの業界の直近の動向が発表されます。この発表のため各部会は部会長を中心に自社業績や業界動向を分析し、その結果を検討整理されますので、各社の経営戦略の策定に極めて役立つものと思います。更にこのプロセスを通じてメンバー各社の親睦にも役立つものと思います。更に外部の官庁、企業、学校、研究所など外部機関にとりましてもブラジルの現状把握に役立つ、数少ない信頼すべきデーターと評価されております。

    昨年8月のこの会では、11業種全部会が史上最高の好況に沸き返るような報告でしたが、第4四半期より、世界経済は一転して、百年に一度という危機に落ち込み、暗いムードが漂い、前回の本年2月も先の見通しは極めて不透明でしたが、現在は世界的に明るい兆候が幾つか見え始め、特に他の新興国と比較してもファンダメンタルズが強化されているブラジル経済は、本年5月頃に底を打ち、緩やかながら上昇過程に入ったというのがイタウ及びブラデスコという民間2大銀行の一致した見解であります。したがって本日は、前回よりも明るい話がお聞きできるのではないかと楽しみにしております。

    最後にこのシンポジュームの担当であります総務委員会、業種別部会及び事務局の皆さんのご尽力と、会員各位のご協力に心から感謝の意を表しまして私の挨拶を終わります。ご清聴有難うございました。

    司会
    田中会頭有難うございました。それでは部会の発表に移ります。各部会の発表時間は約10分。そして質疑応答を含めて合計15分を目処としております。画面に残り時間が表示されますが、あまり気になされずに思う存分進めていただければと思います。それではご案内のアジェンダに従いまして進めさせていただきます。まずはコンサルタント部会、都築部会長よろしくお願いいたします。

  • コンサルタント部会 都築慎一 部会長

    コンサルタント部会発表資料

     

     

    皆さん今日は。コンサルタント部会の都築と申します。よろしくお願いいたします。

    コンサルタント部会は多岐にわたるサービスを行なう企業の部会で、業界の動向というものが掴みにくい面がありますので、今回もマクロ経済の概観というテーマで発表させていただきます。ただ2月のシンポジュームでは私の発表が大幅に時間超過となってしまいましたので、今回は焦点を絞りまして主要経済指数の発表、また景気は底を脱したのかという問いかけに関する部会員のコメント紹介、さらに日本からの直接投資の動向という三点について話をさせていただきます。

    途中で修正がございまして、コピーをお持ちの方とスライドがちょっと違う所があるのでご了承ください。

    まず国民総生産成長率ですが、予想の修正が時々行なわれますが、IMFなどの少し以前の予想ではマイナス0.5%となっています。金融危機前の成長率が良かったため昨年は年間で5.1%の成長率となりましたが、2009年第1四半期の成長率は市場の予想より良く、対前期比でマイナス0.83%。財務大臣の先週の発言では年間に換算して4.5%の成長ということで、現在ですね、これらをベースに試算すると年間で見た場合、プラスの成長の可能性も出てきているということです。

    次に国際収支ですが、昨年後期と今年の上期を比較しております。2008年から2009年の上期にどういう風な流れになっているか、見ていただくと分かるんですが、経常収支の赤字額が大幅に減っていると。これは貿易収支がさほど変わらず、利益配当送金が減少したこと。減少したというより昨年が非常に多かったので今年が元に戻ったということによる所得収支の減額などによるものです。

    また貿易収支では、ここで見ますように一応黒字にはなっていますが、輸出輸入とも実績は大幅に減少しています。またブラジルへの直接投資では、本年度上期では対昨年後期の数値と比較しますと50%を超える大幅な落ち込みとなっています。

    一方証券投資は海外の投資家がブラジルに戻ってきてはいますが、投機的な要素も多分に含まれており、実体経済の早い回復への期待感だけとは言えないのではないかという意見もあります。また金融危機の際の外貨の極端な流動性不足などの解消や債務の減少、証券投資などの資金の流入により外貨準備高は多少増えています。

    次のグラフはブラジルへの投資の流れを月毎に見たものですが、特に直接投資が増えてきているとは言えないことが示されております。このグラフでいきますと、水色の線が直接投資で緑の線が間接投資と、いわゆる証券投資ですね、ということになっています。

    また業種により金融危機によるダメージは様々ですが、やはり製造業全体では落ち込みが激しかったことから、回復基調にあるとはいえ、金融危機以前と比較すると依然15%くらいのダウンとなっています。

    また失業率は、6月の失業率が5月の失業率8.8%から8.1%に改善するなどの明るい兆しも見え始めています。また政府金融機関を通じた緊急消費刺激策、中小企業運転資金融資としての融資拡大が行なわれており、その効果は出ていると思われますが、一方支払い遅れも月毎に増えています。これが支払い遅れの実態を示したグラフですが、月毎に本年度増えていることがわかります。

    ただ専門家の意見では、ブラジルの過去の経験からするとまだ危険な数値ではないと、5%台ですね、一方財務大臣は、やはり先週政府系のトップ銀行がスプレッドを抑え融資を拡大させ、支払い遅れを金融機関の平均値より少なくさせることで、昨年同期を0.1%超える2009年上期40億の利益を計上したことをコメントしています。

    今後Cランクの所得者への融資が更に増えていくことが予想される中、消費の動向をどう見るのか。例えば個人消費は今後確かな足取りで更に回復していくのか、借金の返済で消費需要に陰りが出るのではないか、運転資金に苦しむ企業は今後減少いくのかなど、疑問が生じる所です。

    次に今までご紹介しました指数を元にしまして「ブラジル経済は底を脱したのか」という部会全員に対するアンケートに対する回答の紹介です。

    ここにございますように、全体としては意見が分かれております。特に「いいえ」と回答された方々は底を脱したとは言い切れないという点で一致しておりまして、実体経済の確かな歩みにはまだ不安な点が残っているということだと思います。

    ちょっと読ませていただきますと、「はい」では、基調としては、先ほど会頭が仰られましたように持ち直してきていると。ただ「いいえ」も同じようなニュアンスであるんですけども、警戒感を持っているという意見が多く、業種により回復度合いにバラツキがあると。それから実体経済の回復はまだしっかりした足取りとは言えないと。

    それから経常収支の2008年のマイナス282億ドルの落ち込みをもっと謙虚に検討すべきと。つまり直接投資はそんなに増えていないし、それから貿易も、輸出はご存知のように米国であるとか欧州であるとかその辺にもよりますので、今良いのは中国ですからそれ以外は今後どうなるのかまだ予断を許さないということだと思います。

    という訳でブラジル経済に対するコンサルタント部会での色々行ないました議論の中で、大体で行き会った結論というものについて申し上げさせていただきます。まずは今申し上げましたように、景気復調局面に入ったと言ってよいとする見方と、言葉のニュアンスであるんですがこれに対して慎重な見方という風に分かれました。

    それから、低所得者への可処分所得融資の増大とか、時限的減税政策による国内消費刺激策というのは一定の効果を上げているけれども、この先持続的な確かな回復・成長につながるのかという点で見方が分かれました。それから公共投資への資金支出や実施の遅れ等により国内経済への刺激がどのくらいの効果を生んでいるのか疑問があると。いわゆるルーラ政権の一つの柱であるPACという経済総合投資計画ですね。

    次に出てきたのが、輸出の回復は世界各国の景気回復度合いによるところが多いためまだ時間がかかりそうだと。ブラジルでは輸出はそう増えず輸入だけが今後増えていくのではないかという意見がございました。ただ全体としては実体経済が力強い足取りで回復の道を歩み始めているとはまだ言えないであろうと。

    2009年後半はまだ不安定要素があるため設備投資には慎重な企業が多いのではないだろうかと。特に製造業が危機前の水準に戻るのは2010年に持ち込まれるのではないかという意見が多かったです。

    最後に日本からの対ブラジル投資についてまとめてみます。ここの部分は特にジェトロさんからのご協力を頂いております。

    ここに示しましたのは2007年、それから2008年のブラジルへの直接投資がどの国から行なわれているのかというのを示したもので、上から大きい順に大体なっています。これを見ますと、日本は2007年は465ということで非常に直接投資は少なかったということなんですが、2008年には突如780%の増大ということで増えました。

    これはご存知の方も多いと思うんですが、具体的な企業名は別にしまして去年の末に大型投資が行なわれたことによる資金の流入があったため、一社というか企業連合によるこの投資額が非常に大きかったということで数字が増えたということです。

    それで日本からの新規投資の傾向というのをまとめますと、2009年6月現在ジェトロの調べでは20社前後が新たにブラジル市場への進出・販売強化を模索していると。それから2009年上期はどうだったのかというと、ご存知の新型インフルエンザの影響であるとか、日本・米国の本社等の金融危機による影響、それから、よく聞く話なんですが、こちらでブラジルの輸入業者としてのライセンスを取ろうとするとすごい時間がかかっていると、そういうようなことで一時的に足踏み状態となった計画が多いということが言えると思います。

    それで、傾向としてはどういう風になっているのかということなんですが、日本の産業にとって安定確保が重要となっている資源権益の獲得というのがあります。それから自動車関連を中心にした投資が今までずっと行なわれてきましたけれども、少しずつ消費財の製造やまた販売に対して色々な業種が日本から少しずつ入ってきて、これが拡大してきていると。

    その場合に、ここに書いてございますように、中小企業の進出がですね、やはり増えてきたということが言えるかと思います。これはやはり、ブラジルは遠いのでどうしてもアジアなどと比べると少ないんですけれども、日本国内の売り上げが頭打ちとなる中、アジアのみならず南米市場もターゲットとして戦略構築されているという風に考えられると思います。

    それから、まあ商社さんの中にはインフラ関係ですね、に対して非常に積極的に投資を行なっている、これは新興諸国の期待ともマッチしているということで、この方面の投資も今後増えていくのかということも言えるかと思います。以上駆け足でまとめましたけれども、ご清聴有難うございました。何かご質問があれば言ってください。有難うございました。

    司会
    都築様どうも有難うございました。ご質問ございますでしょうか。それでは次に参ります。金融部会山崎部会長よろしくお願いいたします。

  • 金融部会 山崎展生 部会長

    金融部会発表資料

     

     

    皆さん今日は。金融部会、ブラデスコ銀行の山崎です。高い席から失礼いたします。

    本日は2009年上期の回顧と下期の展望ということで、初めに簡単に上期ブラジル経済の回顧、2番目に銀行業界の回顧と展望、3番目に下期ブラジル経済の展望、最後に保険業界の回顧と展望という順番で、コンサルタント部会さんとなるべく重複しないように金融、為替、融資に絞ってお話させていただきます。

    初めにブラジル経済全体についてお話します。2009年上期のブラジル経済は2007年末の13.75%から2009年7月末の8.75%まで史上初めて一桁金利に踏み込んだ大幅利下げに代表される金融政策、およびIPI現在など財政政策の効果によって、堅調な個人消費を基盤に各種経済指標は反転の兆しが見えてきています。

    特にブラジル経済の底堅さに反応した外資流入により、為替レートは2008年末の1ドル=2.337レアルから6月末には1ドル=1.951レアル、さらに本日昼時点では1ドル=1.861レアルとレアル高で推移し、BOVESPA指数は2008年末の37550から6月末には51466、さらには本日昼時点では55759とリーマン・ショック前の2008年8月の水準を超えています。次のスライドお願いします。

    次に銀行業界についてお話します。2009年上期、リーマン・ショックによる流動性枯渇という異常状態が収束し、欧米金融機関と比べデリバティブ関連での損失も少なかったブラジル銀行業界は全体として健全性を保っています。

    2009年7月の時価総額世界トップ25行の中に日本のメガバンクは2行ランクインしていますけども、ブラジルの民間地場大手行も2行ランクインしており、市場の評価も高いと言えます。しかし、世界経済危機による実体経済悪化により、不良債権比率が拡大しており、大手行は各行とも引き当てを強化してポートフォリオの健全化に努めています。

    外貨調達の面では地場大手銀行が1年ものの輸出金融資金を調達する場合、年初には4%弱のスプレッドが必要でしたが、足元0.7%程度のスプレッドまで低下してきており、世界経済危機をほぼ乗り越えたと言えると思います。

    銀行貸出総額は世界経済危機により設備投資抑制、在庫圧縮を進めた法人向け融資が2008年末の4769億レアルから2009年6月には4635億レアルに減少いたしましたが、底堅い個人消費を反映して個人向け融資が3943億レアルから4342億レアルに増加、全体では1兆2273億レアルから1兆2783億レアルに増加しました。次のスライドで推移を見てみます。

    銀行貸出総額GDP比推移です。2003年以降一貫して増加しており、2009年6月末にはGDP比43.7%になりました。世界経済危機後、堅調な個人消費に対する資金供給を行なってブラジル経済を牽引する役割を果たしたと言えると思います。では銀行業界のスライドに戻ってください。

    平均貸し出しスプレッドは流動性枯渇と異常状態から脱したこともあり、2009年6月末には法人向けでは18.3%に0.1%低下、個人向けでは35.7%に9.3%低下しています。しかし延滞債権比率は実体経済悪化の影響を受けて2009年6月末には法人向けでは昨年末の1.8%から3.4%に、個人向けでは昨年末の8.0%から8.6%へ増加しています。2枚スライドを飛ばしてください。

    まず法人向け融資の平均金利推移です。プリントには貸出スプレッドとありますけども、金利に訂正してください。貸出スプレッドの低下、それから基準金利の低下により2009年6月末で27.5%と世界経済危機前の2008年7月の水準まで低下をしています。次のスライドをお願いします。

    次に個人向け融資の平均金利推移です。こちらも平均貸出スプレッドの低下幅が法人に比べて大きかったこともあり、2009年6月末で45.6%と世界経済危機前の水準を下回っています。金利に関しては世界経済危機の影響を脱したということが言えるのではないでしょうか。次のスライドをお願いします。

    続いて法人向け融資の延滞債権比率です。こちらは2009年6月末3.4%と2001年以来の高水準に跳ね上がっています。次のスライドをお願いします。

    次に個人向け融資の延滞債権比率です。こちらも2009年6月末8.6%とやはり2001年以降最も高い水準まで上昇してきています。不良債権比率の推移は実体経済の動向もあわせて今後とも注視していく必要があります。

    ここで先ほどご説明いたしました銀行貸出総額を融資主体別に見てみます。すると2009年上期にはブラジル銀行、BNDES、CAIXAなどの公的金融機関がその融資を10.9%拡大したのに対し、民間地場金融機関は1.4%の増加に留まり、民間外資金融機関は1.9%減少させています。

    民間各行は不良債権比率の増加に伴い、慎重な融資姿勢を取りましたが、経済回復のための資金供給という政府の強い意向を受けた政府系金融機関が資金供給を拡大、政府主導で銀行貸出総額が拡大したという側面を確認することができます。次のスライドをお願いします。

    続いて下期ブラジル経済の展望についてお話します。2009年下期の経済指標予測平均はご覧の通りです。政策金利の引き下げはほぼ現状で打ち止め、為替レートは若干レアル安という見通しです。次のスライドをお願いします。

    こちらは各行の金利・為替レート予想です。金利については個人消費の底堅さなどブラジル経済の基礎体力をどう評価するかによって、さらに利下げが必要かとの見解に分かれ、為替についてはブラジル経済が回復していくと輸入ドライブがかかり、貿易収支が悪化、加えて利益配当送金が活発化することによって経常収支赤字幅が拡大、ひいてはレアル安基調となる中で、足元レアル高をもたらしている外資流入が継続するか、世界経済の行方をどう見るかによって見解が分かれると思います。

    金利については各行ともほぼ現状維持であり、基礎体力は強いと判断されていると思われます。為替レートについては世界経済がV字型、あるいは少なくともU字型で回復するという強気シナリオに立つと、世界経済の回復によって外資の投資余力が回復、足元の外資流入が今後も継続・拡大し為替レートは横ばいないしはレアル高になると考えられますが、各行ともこの強気シナリオに立っておられるという風に考えられます。

    しかしながら世界経済には二番底があるとするW型、あるいは不安定に上下するということでWWWですね、インターネット型という風に言っていますけれども、と考える弱気シナリオに立つと、世界経済の腰折れによって足元ブラジルに流入している外資も米国債などの安全資産に還流、為替レートはレアル安になることが考えられます。某大手証券会社E社がそういう見解を取っておりますので、一応ご参考にお伝えいたします。次のスライドをお願いします。

    最後に保険業界についてお話します。2009年上期は医療保険、運用型年金保険を除いた全種目の収入保険料は前年比10.2%増と2007年から2008年にかけての増収率14.3%には及ばないものの堅調でした。

    種目別には火災・新種保険18.3%増、生命・損害保険16.2%増が二桁の増収率を示したのに対し、自動車保険4%増、貨物保険2.7%減は低調でした。また収入保険料に占める支払い保険金の割合である損害率については全保険種目で53.9%と前年比1.1ポイント悪化しました。

    特に自動車保険は70.6%と2.9ポイント悪化しており、盗難件数の増加に加え、雨天が多いことにより衝突事故件数が増加していることが要因となっています。再保険自由化が開始してから1年が経過し、海外の主要再保険会社が市場に参入していますが、従来より市場を独占していたブラジル再保険院、IRBが市場の8割を占めている状況にあり、市場は大きく変化しておりません。次のスライドをお願いします。

    2009年下期は収入保険料は引き続き拡大傾向が続くと予想されますが、収支は損害率の上昇に加え、金利低下による運用益減少の影響を受け悪化していることから、損害率の高い自動車保険については保険料を引き上げる傾向が続くものと予想されます。

    経営環境が厳しくなってきていることに加え、保険会社各社は2010年末までに保険監督庁が示した保険会社の支払能力を表した基準であるソルベンシーマージン新基準を充足させなければならないため、今後とも合併・買収の動きが続くものと予想されます。以上、金融部会からの発表でした。ご清聴有難うございました。

    司会
    ご質問ございますでしょうか。それでは山崎さん、どうも有難うございました。次に参ります。貿易部会伊藤部会長よろしくお願いいたします。

  • 貿易部会 伊藤友久 部会長

    貿易部会発表資料

     

     

    貿易部会の伊藤です。よろしくお願いします。

    貿易部会よりは2009年上半期のブラジルの貿易動向を中心に発表させていただきます。まずブラジルの経済における貿易の規模感として、ブラジルの輸出額というものはGDPの12%程度に留まっております。中国が30%強、日本が約16%であることからしてもその割合は低い比率となっています。この辺は皆さんの頭の中に前提としてとどめ置いていただけたらと思います。

    初めに2009年上半期の貿易動向の総括ですけども、開発商工省貿易局の統計データーによりますと、ブラジルにおける2009年上半期の輸出総額は前年同期比22.8%減で700億ドル。輸入総額は前年同期比29.5%減の560億ドルとなり、半期単位毎の数値をグラフ化しておりますけども、見ていただければ分かる通り最近の過去最高額更新の傾向から一転しまして、金融危機等の影響により2009年上半期は急激な減少になっております。

    一方で貿易収支に関して黄色の折れ線グラフを見ていただきたいのですが、前年上半期比で23.9%の増加、それから前年下半期比で3.7%の微増ということで、140億ドルの黒字になり2年連続して増加しております。

    ではこの貿易黒字が増加した理由ですけれども、金融危機の影響を受けまして輸出額が大幅に減少しましたが、輸出額の減少以上に内需が減退したことによる輸入額の減少幅が大きかったことが要因となっております。

    月別では特に4月以降大きな増加となっています。また2008年9月のリーマン・ショック以降では、直後よりも2009年に入ってからの方が輸出額・輸入額ともに減少幅が大きくなっております。

    ではこれより輸出入の取引形態毎にそれぞれ主なトピックスを説明させていただきたいと思います。まず輸出に関してですが、2009年上半期の輸出総額は金融危機によるコモディティ価格の下落と主要輸出国の需要減退によりまして、前年同期比22.8%減の700億ドルでしたけれども、カテゴリー別に見ても、ここの表にあります通り全てのカテゴリーで減少となっております。

    一次産品が8.2%減の294億ドル。半製品が27.5%減の88億ドル、工業製品が31.1%減の303億ドルで、特に工業製品の落ち込みが非常に大きくなっております。

    次に輸出の主な品目である一次産品とそれから工業製品に関してさらに詳細を説明させていただきます。まずは一次産品に関してですけども、主な商品では大豆が27.2%増の73億ドル。鉄鉱石が5%増の66億ドル。原油が50.8%減の27億ドル。鶏肉が19.4%減の23億ドルとなっております。

    一次産品全体では8.2%の減少でしたが、主要商品である大豆は中国向けを中心に大幅に増額となっております。またグラフには記載しておりませんけども、数量ベースでも大豆の場合40.2%増で1926万トンと大幅な増加を記録しております。

    また大豆総輸出額の内59.5%が中国向けとなっておりまして、2009年度上半期も7.1%の経済成長を達成している中国にブラジルの輸出というのが救われた形となっております。また原油の輸出量は、量としては37.6%増となりまして1162万トン。ただし価格の下落が大きく影響しまして額としては減少ということになっています。輸出のハイライトとしては大豆、鉄鉱石が昨年度を上回り、それ以外は全てマイナスということになります。

    次に工業製品の主な消費について説明します。工業製品では航空機メーカーEmbraer社が輸出する航空機が26.3%減に19億ドル。ただしこの19億ドルも引き続きカテゴリーとしては1位となっております。

    輸出先は1位から米国、中国、UAE、イタリア、フランスの順になっております。2位以下の品目は乗用車が38.4%減で14億ドル。自動車部品が40.6%減で10億ドル。精製糖が23.2%増の10億ドルとなっておりまして、数量ベースでも精製糖以外は軒並み減少する結果となっております。

    また乗用車の輸出額はアルゼンチン、ドイツ、メキシコの順に多くなっておりますけども、特にアルゼンチン、メキシコ向けは金融危機の影響を受けた需要減退が顕著で、それぞれ42.2%、33.3%の大幅な減少となっております。

    次に輸出相手国別に触れさせていただきます。輸出相手国上位10カ国はこの表の通りです。唯一中国が大豆等を中心に輸出額を大幅に伸ばしております。中国以外の国については前年比で全ての国において減少になっています。

    2位の米国ですが、金融危機により原油、航空機等の主要品目が減少した結果、上位10カ国中では最も減少額が大きく、前年同期比で43.7%。56億ドルの減少となりました。その結果中国が初めて輸出相手国1位となりまして、通年ベースでも同様に最大の輸出相手国になる可能性が強くなっております。

    次に減少幅の大きいアルゼンチン、こちらは工業製品の際に少し触れましたけども、乗用車の減少が非常に大きくなっております。またそれに伴いブラジル国内のアッセンブラへの影響も大きくなっていると考えられます。アルゼンチンへの工業製品の輸出の減少の中には中国製品の進出によるマーケット・シェアーが奪われているといったことも考えられています。

    ブラジルからの輸出について取りまとめますと、一つ、ブラジルは資源頼みの国というイメージが大きいですが、工業製品が総輸出に占めるシェアーが43.3%となっており、リスクは分散されていると言えます。すなわち一次産品よりも工業製品の方が金額的に多いという事態が続いております。

    また大豆を中心としまして今上半期は大きく中国に依存する形となっておりますが、一方でアルゼンチン向けを中心とした工業製品の減少は中国品による影響で減少したと言えなくもなく、ブラジルにとって中国の影響というものが良い面でも悪い面でも出ていると言えます。

    ここから輸入について話させていただきます。2009年の輸入総額は前年比29.5%減の560億ドルでした。カテゴリー別では資本財が14.4%減で139億ドル。原料・中間財が32.9%減の258億ドル。消費財が7.7%減の92億ドル。燃料および潤滑油が51.8%減の71億ドルとなりまして、輸出と同様に全てのカテゴリーで減少を記録しています。

    では次に輸入品目の中で資本財および消費財について説明させていただきます。まず資本財ですが、工業用設備・機械が0.8%減に留まって49億ドル。オフィス・研究機関向け機械・器具が29.6%と3割近い減少で24億ドルとなりました。

    次に消費財を見ますと、資本財と同様にカテゴリーとしては減少していますが、非耐久消費財に関しては2%とわずかながらではありますが増加して45億ドル。耐久消費財は15.6%減で46億ドルとなっています。非耐久消費財の中では医薬品が7.1%増の17億ドルと増加していますが、これは新型インフルエンザの流行の影響があると考えています。

    また他にも飲料・タバコそれから衣料、ここは二桁の伸びになっています。一方で耐久消費財は乗用車が11.3%減、個人用装飾品が6.2%減となっておりまして、不景気で高価な消費財から安価な嗜好品や買い物に転じた層が増えたと考えられています。また、乗用車の輸入相手国は1位からアルゼンチン、メキシコ、韓国の順になっていますけども、メキシコ以外は前年同期比減となっております。

    次に輸入相手国について見ますと、輸入相手国上位10社は表の通りでありますが、全ての相手国に対して減少という結果になっています。まず1位の米国ですが、14.1%減で97億ドル。しかし一方で石炭や医薬品等の上位品目については米国からの輸入というものは増加傾向にあります。

    次いで輸出が1位であった中国でありますけども、主な輸入品目はコンピューター部品、プリント用回路、これらについてはブラジル国内での生産量減、それから需要減によりまして、それぞれ35.3%、53%減となりまして、全体で24.4%減の68億ドルになりました。

    続いてアルゼンチンは自動車関連で乗用車が8.4%減、自動車・トラクター部品が25%減、小麦が35.4%減となりまして、全体で20.1%減の50億ドルとなっています。またその他には6位の韓国について少し触れますと、集積回路等の電気電子部品は軒並み大幅減となっておりますけれども、1位の乗用車が微減に留まっております。これは上半期の大型セダンカテゴリーの販売台数第1位である現代自動車、アゼーラの金額等が寄与しているのではないかと思われます。

    次に対日貿易という点に焦点を絞ってみます。2009年上半期の対日貿易は輸出が前年比22.9%減で20億ドル。輸入が15.7%減の26億ドルとなりまして、全体の傾向と同様に両貿易とも減少となりました。2008年の通年の日伯間の往復貿易額というものは、129億ドルありましたが、2009年度は今のままでいきますと100億ドルを下回る可能性が出てきております。

    ブラジルの貿易額に占める日本のシェアーは、輸出で2.8%、輸入が4.7%で、国別順位では輸出入ともに昨年の6位、5位から変動はありませんでした。また2008年に引き続き、日本の需要減少等により対日貿易収支は赤字となっています。

    これは対日輸出品目別グラフですけども、鉄鉱石、鶏肉、アルミニウム、コーヒー豆が上位を占め、コーヒー以外は前年比減少となっております。数量ベースでも鉄鉱石の49.9%、鶏肉15.6%の減少となりまして、一方でアルミニウムは17.4%が増加ということになっています。

    上位品目以外で注目すべき点は、日本航空等がEmbraerより購入しました航空機がこの上半期にカウントされておりまして、対日輸出品目で初登場となっております。日本では主に工業用として使用されておりますエタノールも前年同期比で142.9%、数量ベースでも144%の大幅な増加が見られています。

    一方で対日輸入品目では引き続き自動車関連が上位品目を占めておりまして、ブラジルでの生産減の影響を大きく受け軒並み減少となっております。唯一コピー機、それから印刷機等、あとグラフに記載しておりませんが鉄道の路線の部品等は販売を伸ばしております。

    まとめとしまして2009年の下半期の見通しですが、中銀が国内の金融機関などのエコノミストにアンケートを実施してまとめたレポート、フォーカスによりますと、2009年通年の輸出額は1558億ドル、輸入額は1329億ドル、貿易収支は228億ドルとなると見込んでおります。輸出入ともに前年比で20%落ち込むというのがこれらの見方になっております。

    ただ輸出入ともに下半期の金額は上半期の額を上回ると予想されておりまして、基本的には景気の底は打ったのではないかというような見方が共通したところとなっております。実際に輸出に関して見ますと、2009年2月の96億ドルというのをボトムにしまして、直近の7月では2月比で47%増の141億ドル、輸入に関して見ますと同様に2009年2月の78億ドル比で44%増の112億ドルという、まあ回復傾向と見られるのではないかというような数字が出ております。

    また各国の金融危機からの回復に伴いファンダメンタルズが安定し、高金利で資源国でもあるブラジルへマネーが戻りつつあるということも言えています。通貨レアルはリーマン・ショック以前の最高値の水準に近づいておりますし、一方でこのレアル高の結果、軽工業を中心に輸出企業は業績を悪化させるという面も出てはおります。

    最後になりますが、2009年は2008年から始まった全世界ベースでの危機による不透明な中で始まり、推測が非常に難しい状況でありましたが、流れとしては景気は回復傾向にあり、定性的な面から考えればやはりブラジルは世界の中でも非常に期待できる市場であると考えています。

    来年の大統領選挙にからむ、いわばばら撒きと財政面の懸念はぬぐい切れませんけども、ブラジルの強みである4つの点を考えますと、このまま緩やかに回復していくのではないかと思っています。

    すなわち強みのキーワードは、一つ目、1億9000万人を抱える世界第5位の人口、そして広大な領土を持つ巨大な国内市場、二つ目は豊富な鉱物資源、食料資源、エネルギー資源、三つ目は金融機関が世界の金融危機の影響をあまり受けておらず非常に体質が健全であるということ、そして最後に民族、宗教の対立のない、テロのない安定した国であるということ。

    日本とブラジルは補完関係にあります国同士で、ブラジルの日本におけるプレゼンスを高め、逆に日本のブラジルにおけるプレゼンスも高め、更なる関係の強化、そしてその結果の実現を貿易部会としても切に望んでおります。ご清聴有難うございました。

    司会
    質問、コメント等ございますでしょうか。では伊藤部会長、どうもありがとうございました。
    次に参ります。建設不動産部会、大滝部会長代理、よろしくお願いいたします。

  • 建設不動産部会 大滝守 部会長代理

    建設不動産部会発表資料  (原稿)

     

     

    建設不動産部会、ホス建設の大滝と申します。よろしくお願いいたします。
    2009年上期の日系の建設業界は、全体としまして、工場の設備投資の中止あるいは延期という影響を受けまして不調でありました。

    一方、政府が力を入れております「私の家、私の暮らし」「Minha Casa,MinhaVida」というプロジェクトがありまして、この低所得者向けの住宅供給政策が功を奏しまして、住宅関係業界は回復しまして、これが建設の景気を上昇させています。2009年5月頃にはこの住宅専門建設業は不況の底を脱したようでありますが、主に工場建設を主体としております建設業はまだ不況の中にいると思われます。

    建設労働者数の表1で示しておりますように、2008年の不況の影響で建設業を離職する人数が増加しましたが、現状では建設業に戻ってきておりまして、全体として労働者は増えております。

    建設労働者組合の本年5月の給料調整発表は、給料ベースで6.74%の上昇でした。昨年同期の8.51%に比べ落ちてはおりますけども、この不況感とは関係なく上昇して建設の物価を押し上げております。

    建設資材ですが、表の2で示しますように2008年の建設の価格上昇後高止まりのままでしたが、政府の工業製品税IPIの免税等がありまして値下がりした資材がありました。この減税は大衆向けの建設材料の販売店にはたいへん良かったのですが、ゼネコンが取引します資材メーカー、下請業者はいまだに強気で高価格を保持しております。

    次に表の3で示します、建設の物件数の上昇を示しておりますセメント量の販売量2009年1-6月の実績でありますけども、この販売量につきましてはブラジルの北部、南東部は2008年に比べまして減量しているところがありますが、他の地域におきましてはほぼ増量しております。

    また、その建設の物件数につきましては不況の今年でも2008年同様件数を保持していることが分かると思います。2009年上期は本建設不動産部会に所属しております日系の各建設会社は目標値に対しまして20~30%の達成率で落ち込んでおりましたけれども、2009年下期の展望としましては、2008年中に計画しておりました工場建設、投資も戻りつつありますので、年々工事の受注が増加していくとは考えられます。受注率で言えば今年の目標の80%達成率に届くよう期待しております。

    このように日系建設会社は不況の底におりますけれども、ブラジルの大手ゼネコンでありますカマルゴ・コレアなどはですね、すでに今年は32%の売り上げ増を予測しておりまして、全体にブラジル系においては底は脱していると、このように考えられます。

    次にサッシ業界ですけれども、2008年に受注しました工事物件が相当有りまして、2009年上期は完工高としては好調でありました。低所得者向け、中級クラスのアパートのサッシ工事の引き合いは多くありまして、まあ価格競争、資材の値上がり等で対応は厳しいのですが、堅調でありました。またサッシに対する品質の要求が高まりまして、YKKサッシさんとしては競争力のある営業を展開することを抱負に述べておられます。

    次に事務用の家具業界でありますが、2009年は3月から急に受注が落ち込みまして、本年は各事務所のリニューアルも控えているため期待はできないようです。パーテーション、間仕切りなどの新商品を開発して販売強化を行なうと。

    次に不動産、住宅建設の動向ですけれども、2008年末からサンパウロ市の新規マンション建設は落ち込みまして、中・高級クラスの販売も低下しておりました。大手のマンション・住宅開発・販売の有名会社の株価も一時大きく下落いたしました。しかしながら政府の政策において低金利、ローンの緩和で再び住宅購入の動きが戻りまして、まあ金利が安くなりましたので不動産投資を行なう方が増えてきたということで、購買も進んでまいりました。住宅建設また販売の建設会社の株価は回復してさらに大幅に伸びたのが現状でございます。

    表の4ですが、2008年第1四半期と2009年の主要都市の住宅販売件数の比較ですけれども、サンパウロ市等は落ち込んでおりますが、他の都市では上昇しているのが分かると思います。

    次に、表5は大衆住宅の建設件数の2008年と2009年の比較でありますけれども、各月ともこの業界においては大きく増加しております。

    不動産・土地の価格の推移ですが、不況とはいいながら高止まりのままです。住宅地域は地下鉄沿線が伸びている現状で、多少離れた場所でも土地価格の上昇が起きております。また工場用地としてはサンパウロからカンピーナスにかけまして土地の値上がりがありまして、今後も上昇は止まらないと考えます。

    事務所の空室率、空き家ですね、は低くて、家賃も高止まりのまま、あるいは少々上昇しております。データーとしてBRICsの比較ですが、ロシアのモスクワでは空室率、空き家が4倍も増えておりまして、家賃も63%ほど下落しました。
    北京においては27%の空室率がありまして、かなり空き家が多いと。またインドのボンベイでは空室率が4倍やはり増えまして、家賃も44%下がったようです。サンパウロは先ほど申しましたように、空室率が若干、2.5%増えましたけれども、家賃の方は少しながら上昇しているのが現状でございます。

    マンションですけれども、家賃は、新築で高級なクラスは相当高いままで止まっておりますが、中古マンション、あるいは中クラス以下は場所にもよりますけれども家賃は下がっていると。また中古マンションは最近になって売買取引が活発になっておりまして、この方面は増加しているようです。

    今年の建設業界のトピックですが、海外のファンドがブラジルの不動産投資に戻ってきておりまして、大型の職住一体型、住むところと働くところが一体型の安全型を狙った開発が進んでおります。またこの建設不動産部会の方には日本からCGCという会社、土木の特殊な地下鉄工事、あるいは地盤改良の専門会社が進出されまして、加入されました。

    またサンパウロ州の消防法の規制が厳しくなっておりまして、避難口の確保、火災の時の排煙対策、あるいは消火設備に対応が求められております。
    で、建設中の建物の倒壊、あるいは違反建設が多くて、あるいは経費節減等で工事作業の安全をおろそかにしている、コストダウンのために安全対策をやっていないことで事故が増発しております。

    このため各役所では取り締まりを強化しております。特に環境規制においては一段と厳しくなっておりまして、建設の計画時点において色々な制限が出ているのが現状です。

    次に、世界的な省エネ、あるいはエコに配慮した建設計画が求められておりまして、ブラジルもその技術が少しずつ進んできております。あるいは最近問題になっております禁煙、あるいは対騒音、そういった社会的な悪影響に対しましても建築的な技術対応が求められておるということでございます。

    最後に、2009年下期から2010年に対しての建設業界の取り組みにおきましては、一番としまして自動車業界等の工場投資の実現あるいは景気の回復を期待して、現在まで停滞した建設計画に対応していくと。

    また日系以外の国内の優良企業及び宗教施設や学校、病院等の受注を増加させるように取り組む。現在日系建設業界は不況の底にありますけれども、すぐには脱しない現状なんですが、まあ建設業は絶えず他産業の回復に対しまして6カ月ぐらい遅れますので、不況は長引くと覚悟して、会社内の体質強化に努めていくと、そのように展望を持っております。以上でございます。ご清聴有難うございました。

    司会
    ご質問、コメント等ございますでしょうか。大滝さんどうも有難うございました。機械金属部会に参ります。内容はともかく明るいプレゼンをされる西岡さんでございます。マイクは不要かもしれませんけれども、適宜ご利用ください。

  • 機械金属部会 西岡勝樹 部会長

    機械金属部会資料

     

     

    皆さん今日は。ただいまご紹介にあずかりました日立製作所の西岡でございます。それでは、機械金属部会の2009年上期の回顧と下期の展望についてご説明させていただきます。えー、聞こえますでしょうか。

    ご存知のように機械金属部会は多種多様な業種・分野に分かれております。今回は、この1から11の分野について説明させていただきます。

    1、    鉄鋼鋼板。昨年8月、このシンポジウムでは矢印で好調・絶好調を連呼させていただきました。2月は、天気ですね。雨のち曇り、大雨、の天気予報をさせていただきました。それで今回は、昨年の8月、リーマン・ショック前を100とすれば、この2009年上期、現在8月はどのような状態なんでしょうか。1、鉄鋼鋼板は、60です。まだちょっと回復していない。ではその概況はどうでしょうか。

    2、    国内市場。金融危機の影響。昨年4クォーターに急落。本年徐々に回復しておりますが、前年同期比はまだマイナスの42%です。輸出市場。国内マーケット需要冷え込み。前年同期比マイナスの13.3%です。輸入。これも、昨年急増いたしましたが、国内供給力回復で減り始めております。粗鋼生産量。昨年1740万トンから1056万トンに減少。これはマイナス39.5%の減少です。これが上期の回顧になります。

    それでは下期の展望として、上期を100とした場合、下期は130です。底を打ったかに見えますね。この状況は、国内市場、自動車産業を中心に販売回復が見られます。上期比で23.38%と予想しております。輸出。国内需要回復の期待。輸出増を狙い、休止中の高炉6基中3基の再稼動を決定いたしました。国内需要回復のスピードは少し遅いですが、輸出大幅増を予想しております。輸入は、国内供給力が増えました。輸入は徐々に従来のレベルになると予想されております。

    次に、電力および大型プロジェクト。これも同じように昨年の8月、リーマン・ショック前を100とすれば、90です。この状況は、電力、特に変電なんですが、金融危機の影響はありましたが、その他の顧客の調整をして売り上げに影響はないと。また電機。ペトロブラス向けの圧縮の入札も多数あります。

    そして大型プロジェクト。ご存知のように新幹線プロジェクト、その入札の発表が近く予定されております。地下鉄案件も漸近で受注されました。また、モノレールの入札の案件もあるそうです。そしてデジタル放送機器。これは厳しい期間。放送局の投資先送りなどがありましたが、これは他国ですね、ペルーの採用もありました。その他オートバイ。マナウス工場を建設している会社もあります。

    それでは下期です。同じように上期を100とすれば、110。その概況は、同じように電力・変電。生産計画は詰まっております。市場ニーズ後退はない。電機。ペトロブラス向け圧縮機の入札も継続されます。同じように大型プロジェクト。新幹線入札公表、事業件者が決定されることでしょう。

    地下鉄の新規案件も旺盛な需要があります。デジタル放送機器。政府の普及政策がカギと。また更なる南米他国の採用の結果にもよるかもしれません。船舶用の機械。ペトロブラスからの発注増があり、船舶業界これは賑わいを見せているということです。

    次にプラント。紙パルプ、石油化学、エタノール等。同じように昨年の8月を100とすれば、80というレベルです。状況は、紙パルプ業界。金融危機の影響、紙パルプ需要減、輸出価格下落、設備投資見合わせ。ボイラー改造の商談はあるが、進展はない。

    石油化学業界はどうでしょう。ペトロブラスの好調な業績と投資意欲に支えられ、引き続き堅調であります。鉄鋼・非鉄業界はどうでしょうか。国際市場の価格が下落して、減産、延期、見直しが見られております。エタノール業界は、原油価格が低調。原油との価格差が小さい。そのために投資は今のところほとんどない状況だそうです。

    下期の展望。同じように上期を100とすれば、115まで盛り返します。状況は。紙パルプ業界。世界経済が安定すれば投資が再開されるでしょう。ただし再開は2011年以降と予想されます。引き続き厳しいと予想されます。石油化学業界。ペトロブラスの5カ年計画が発表されました。17兆円もの投資計画、これには大きな期待が寄せられております。

    鉄鋼・非鉄業界。需要回復傾向、本格回復、設備投資再開、ただし2010年以降でしょうか。エタノール業界はどうでしょう。新規の商談は望めず、金融危機の影響がいつまで続くか心配されるところです。この業界はペトロブラス頼みになっております。

    次に建設機械。同じように昨年8月を100とすれば、70です。その状況は。国内需要。2008年4クォーターから下がり、2009年1クォーターはマイナス30%、昨年同期比です。2009年の2クォーターも40%のマイナスです。輸出総台数も2008年、4クォーター大幅に落ち込んでおります。2009年上期は、マイナスのなんと77%です。日欧米、在庫調整はまだ終えていない。

    そして上期を100とすれば、90です。まだ底が見えていないのかもしれません。国内需要。2009年下期、低水準。2009年通期予測は、マイナスの40%です。ただしこの建設業界は例年、雨季にあたる下期は上期より販売が少ない傾向にあるので、まあ若干好転する感覚であるという報告は受けております。

    輸出総台数。中国、インド、新興国は回復基調ではありますが、ほぼ横ばいです。2009年通期予測、まだまだマイナスの70%だそうです。操業短縮、残業カット対策をしておるそうです。

    次に、5、産業用圧縮機。これも同じように見てみましょう。100とすれば、65。その概況は。食品業界。金融危機以前に投資済みです。現在設備投資の意欲、非常に低い。また大手食品会社の統合があり、設備投資の縮小が懸念されています。豚、牛肉、輸出の伸び悩み。鶏肉、やや上向いている。

    飲料産業はまずまず好調。ペトロケミカル業界。ペトロブラスです。海外との連携強化、設備投資を強化して、新規大型案件は国際化が進んでおります。アルコール業界は若干の設備投資と報告を受けております。

    同じように上期を100とすれば、110まで盛り返します。概況は。食品業界。鶏肉産業、これは比較的好調であります。2009年後半、設備投資・計画実施と。力ある会社は来るべき輸出需要増に対応しているということです。飲料業界。本年度の投資計画は終了いたしました。来年度の計画を模索中だそうです。

    ペトロケミカル業界。ペトロブラス関連。時間はかかりますが、プラットフォームの新規投資計画を期待しております。ただしペトロブラス以外のケミカル業界、これは期待薄ということです。

    次に鋳造機械。同じように昨年の8月を100とすれば、90です。概況は。鋳造業界。自動車鉄鋼の大幅生産・輸出ダウン。2009年上期、マイナスの42%。投射材市場。自動車・鉄鋼関連の影響を大きく受けております。2009年上期もマイナスの41%。石材業界は2009年上期マイナスの22%。

    では上期を100とすれば、120%。概況は。鋳造業界。回復するも2009年下期予想マイナスの20から30%です。投射材市場も同じような状況かと思います。石材業界。横ばい予想。今後の建設需要次第。回復に期待しております。

    7。各種工具・精密機械。この業界はどうでしょうか。同じように昨年8月を100とすれば、70です。概況は。切削工具。自動車の販売急激な回復はしておりますが、この切削工具自体は緩やかな回復です。数字的には2月が底。輸出は低調です。部品生産、客先に在庫が多い。販売回復はまだかと。在庫消化が年内までかかるでしょうか。

    耐磨耗工具。受注は50%と低迷です。キャンセル対応と納期調整に追われております。精密機械工具。販売実績、70%止まりです。在庫過多、投資の様子見。ただし教育・研究、これは受注は底堅いものがあります。そしてICMS税制変更の影響が大きく、販売に多大な影響が出た上期でありました。

    それでは下期を、同じように100とした場合、120。状況は。切削工具。自動車生産に牽引され、確実に回復していくでしょう。ただし、2007年のレベル止まりでしょう。耐磨耗工具は寿命による更新が数件あるのみで、新規案件は難しいかもしれません。

    精密機械工具。自動車好調なるも下期の販売にはタイムラグがあり、楽観は許されません。ただし一部代理店の在庫も減少しており、決して悲観一辺倒ではないということです。下期は上期に対し5%から10%に設定されております。経費節減。利益確保。次の成長に備え再出発を考えております。

    8。軸受業界。同じように100とすれば、70です。この概況は。鉄鋼、農業、電機等各産業分野で見ますと、輸出需要の低迷、在庫過多によるOEM、アフターサービス双方大幅な売り上げが落ち込みました。自動車分野はどうでしょうか。IPI減税の効果、内需の強さがあり、比較的好調です。トラックを除く売り上げも2クォーター以降回復に向かいつつあります。両分野との顧客のグローバル調達進展、レアル高、中国製品廉価輸入、競争激化があります。

    同じように上期を100とすれば、115。その概況は。自動車IPI減税、段階的に引き上げられます。多少販売の鈍化の懸念がありますが、自動車生産・販売は高水準と予想されます。下期は対上期でかなり改善されると期待しております。
    一般産業分野。世界的な需要の回復遅れ、レアル高、輸出の低迷が懸念されるところです。一般産業向けの回復は2009年4クォーター以降でしょうか。

    次に農業機械。同じように昨年8月を100とすれば、100。状況は。エンジンビジネス。2008年4クォーターから急激に冷え込んでおります。2009年3月回復の兆しがありました。2009年2クォーター、95%のレベルまで回復しております。金額ベースでは上期全体で90%。台数ベースでは75%まで回復しております。

    トラクタービジネス。小規模農家を支援します。政府の低金利融資政策があり、小型のトラクターは好調であります。ただし政府の価格コントロールで採算は厳しいということです。

    上期を100とすれば、110。その状況は。エンジンビジネス。OEM先、ディーラー、エンジン在庫適正レベルに戻っております。下期販売は台数ベースで90%、金額ベースでは昨年並みでしょうか。一部製品で安価な中国製流入のため落ち込みが予想されております。年間では金額ベース90%以上の達成を期待しております。トラクタービジネス。低利子政策。引き続き好調維持を期待しております。

    電動工具。同じように昨年8月を100とすれば、80。概況は。建設関連は大きな落ち込みは見られません。グラインダー等の鉄鋼関連工具は工場関連の低迷により40%近い落ち込みがあります。ただしレシーフェなど北東部は金融危機をほとんど受けず、順調に推移しております。

    同じように上期を100とすれば、120。状況は。買い控えをしていた販売店の在庫が手薄になってきました。景気回復に伴い販売もアップです。一方でドル安で中国製の安価ブランド参入され、価格競争激化が考えられます。

    最後に潤滑油。同じように100とすれば、70です。状況は。金融危機。昨年11月から顧客生産調整と。生産数量は極度に低下、2009年1クォーターでは50%近く落ち込みました。政府厳正政策、自動車生産回復。販売は現在70%まで回復しております。しかし二輪生産は依然低迷。今後とも厳しい経営環境を予想しています。

    それでは下期は、105。状況は。米国経済低迷が続いております。中国の経済回復は早い。そして下期、ブラジル経済も回復傾向にある。牽引役は農業部門です。工業部門は80%から90%の生産回復か。しかし通期でも雨が続くんでしょうか。

    最後に機械金属全体について。2009年上期の回顧。昨年8月リーマン・ショック前を100とすれば、全体としてまだ70%。それでは上期を100とすれば、どれぐらい回復しているのでしょうか。120。その概況は。2008年9月リーマン・ショック以降成長にブレーキがかかりました。しかし政府の自動車・白物家電への減税対策、その他景気刺激策、またペトロブラスの変わらぬ積極投資の恩恵もあり、各業種・産業に回復の兆しが見えてきた、薄日が差してきた、ということじゃないでしょうか。

    最後に、商工会議所の宿題、世界金融・経済危機による底は脱したか。部会参加者全員が「はい」で終わりました。以上私の報告を終わらせていただきます。

    司会
    西岡さんありがとうございました。一つ質問してよろしいでしょうか。これは会員各社の皆さまの総意と言いますか、結果だと思いますけども、ブラジル全体の機械業界としてもほぼ同じという風に了解してもよろしいでしょうか。

    西岡部会長
    そうですね。

    司会
    よろしいですか。

    西岡部会長
    特にペトロブラスとか、そういった関係の大きなものは確実に入札案件も、大きな社会インフラという投資に関しては大体回復したと思います。ただしそれぞれ業界色々ありますので、本当に薄日が差したか、先ほど報告しましたように雨のところもあると。ちょっとばらばらな状況なんですけども、全体的にはこの120という数字が表していると思います。

    司会
    はい、有難うございました。ご質問、コメント等ございますでしょうか。続きまして自動車部会、長谷部部会長よろしくお願いいたします。

  • 自動車部会 長谷部省三 部会長

    自動車部会資料

     

     

    ブラジルトヨタの長谷部と申します。ただいまから自動車部会の上半期のレビューと下半期の展望ということで、この順番で説明させていただきたいと思います。西岡さんほど元気良くないんですけども、業界は非常に元気いいと、最後に分かっていただけるかと思います。まず最初に四輪の方から説明させていただきます。

    2月に、この自動車市場はどうなるかということで、まだAnfavea、自動車工業会の数字が出てない時に自動車生産メーカー2社の平均を取った数字をご案内したのが、ここにある243万台という数字を今年のマーケットのサイズかなということでご紹介いたしました。この時には、2008年の12月にブラジル政府のIPIの減税というのが発表されておりましたが、それは2009年の3月までということでしたので、その先が見えないというということでこういう数字をご案内した訳でございます。

    それではその後、上半期の実績がどうなったかということをこの棒グラフで示しております。3月、第1四半期、やはり3月までのIPIの影響でここにピークが来ました。同じように延長された6月にもピークが来ております。この1-6月で、前年と比較いたしますと、前年が141万台、今年2009年が145万台ということで3%の増加ということになっております。

    しかし下の方のオレンジ色のグラフで示しておりますのが、トラック・バスの前年比の推移でございます。このトラック・バスもIPIのリダクションンがあった訳ですが、かなり低調に推移している状況でございます。

    6月の末にブラジル政府が今年一杯IPIの減税を維持するという発表をしました。ただし10月以降については乗用車の現在IPIの減税をしているものは来年の1月までに段階的に戻す、それと軽乗用車については現在の減税を12月まで延長、同様にバス・トラックについては12月まで延長するという発表がございました。これに基づきまして今年1年の市場の見込みをAnfaveaの方からも発表した訳でございますが、次お願いします。

    年初、といいますか4月にAnfaveaが今年の市場の予測をした訳でございますが、それが271万台でございました。いま今日現在、IPIが12月まで延長されるということを前提にした市場の見込みは300万台ということになりまして、昨年の282万台を上回る史上最高の市場、マーケットのサイズになるということでございます。

    一方今度は生産の方でございますが、昨年度が321万4千台の生産の規模でございました。IPIの延長がありまして国内市場は過去最高記録になるものの、生産台数については305万台ということで、若干減少するということでございます。

    貿易部会の方からもございましたですけども、輸出の台数、これは紫の方で示しておりますが、今年の輸出台数の見込みというのは44万台ということで、ピークの2005年の約90万台と比べますと半減ということになってまいります。一方緑のグラフで示しておりますのが輸入車でございまして、こちらの方は段々増えてきているという状況でございます。

    今年の上半期の特色というのをいくつかご案内させていただきたいと思うんですが、これも毎年1リッター未満と1リッター以上の構成比をご案内している訳ですが、この1-6月においては今まで1リッター未満の車が段々減ってきたんですが、この1-6月については若干でございますけども1リッター未満が増えたという状況でございます。部会の方でディスカッションしたところ、やはり若干、その低価格車への移行が見られるのではないかという意見がございました。

    次に乗用車の支払形態でございます。今までの部会の発表の中で金利の問題色々とご案内があったと思いますが、金利は下がったもののこの上半期の1-6月だけ見ますと、キャッシュのお客様が増えております。で、クレジットとリースのお客さんが減っているということで、金利は下がったものの現状ではキャッシュのお客さんが増えていると。ということは、まあいくつか考えられる訳なんですけども、ここに書いております通り、お客さんの方はまだ金利が下がるんじゃないかという期待感があってですね、まあキャッシュの方が多いという風な状況になっているかと考えています。

    2月の発表の時に他社、といいますか業界での投資の情報がないということで、今回つきましては新聞から拾い出しまして、ここに並べた通りでございます。まあ各社とも積極的な投資の計画を持っておりますので、これからの状況については明るい兆しになっているんではないかという風に思っております。ここにある生産台数の増加だけ見ましても100万台、ほぼ100万台の設備あるいは生産増強ということになってまいります。

    続きまして二輪の方の説明に移らせていただきます。二輪につきましてはまだ年間の予想は出ておりません。1-6の実績についてご報告させていただきます。トータルの市場は73万台ということで、昨年度の104万台、1-6月だけで比較しますと30%減という状況でございます。

    特に輸出の落ち込みが激しくて、こっちの方は半減ということになっております。ただし2輪メーカーさんのお話をうかがいますと、ここ数カ月については回復の兆しが見えているというご説明でございました。

    2輪の方の支払形態についても、同様にそれぞれの支払形態についてここにご案内している通りですが、やはりクレジット・リースというポーションがかなり縮んできております。

    この理由といたしましては、金利は下がったものの、与信審査の動向、要するにかなり所得の低い人が二輪を買うもんですから、そこに対する与信の審査、払えるかどうかという審査が非常に厳しくてこのクレジット・リースの割合が減ってきているというご説明でございました。

    次に部品業界でございます。残念ながら2009年上半期の実績はございませんので、2008年の実績までということでございます。2008年までは順調に生産台数の増加に基づきまして増えてきております。2009年についてでございますが、やはり部品業界は生産台数とほぼ一緒というように考えますと、若干売上は減るのではないかという風に見ております。

    最後に、世界経済危機の底は脱したかということで、部会の方々の意見を伺いましたところ、5社が底はもう脱したと、2社がまだ不透明であるという風な答えがございました。底を脱したということ、ここに書いてある通りですが、こういう議論もございました。

    そもそもこの自動車業界に底はあったのかという風な意見もございまして、まあ確かに去年の10月11月12月というのは全体的に落ち込んだ部分はありますが、それは非常に短期でございまして、後はIPIの減税で順調に、まあご案内した通り300万台の市場まで回復したということで、一般的には底は脱したのではないかという風に考えております。

    ただし、この300万台は何回も言っております通り、IPIの減税があって今達成されていることでございまして、来年の1月からこのIPIがなくなった時には、やはりリバウンドといいますか、若干落ち込むと、ただしそれは一時期であって年末までには2008年あるいは2009年のレベルには、あるいはそれ以上に戻るんではないかというのが部会でのディスカッションの結果でございました。以上で自動車部会からの発表を終わらせていただきます。

    司会
    ありがとうございました。質問、コメント等ございますでしょうか。長谷部部会長どうも有難うございました。ここでコーヒーブレイクにいたします。約15分から20分ですね。4時に開始いたしますのでまたご参集いただきたいと思います。

    司会
    電気電子部会、三好部会長お願いいたします。

  • 電気電子部会 三好康敦 副部会長

    電気電子部会資料

     

     

    皆さん今日は。ただ今ご紹介を受けました、電気電子部会の副部会長を務めさせていただいている三好です。

    これはブラジルにおける電気電子業界の規模推移の資料でございまして、前回も同じ資料を使わせていただきましたが、2007年から2008年と順調に成長してまいりました。2009年度の見通しにつきましては、今の所横ばいなのかなという状況でございます。

    マナウスフリーゾーンにおける電子機器の生産動向です。一応テレビ関係では薄型テレビが伸びている一方で、CRT、ブラウン管テレビは大幅に減少の傾向でございます。あとデジカメの現地の生産も継続して堅調に伸びております。

    一方でカーオーディオ、去年まで順調に伸びてきたカーオーディオですが、今年に入って大幅ダウン、失速状況です。これは多分車のIPI減税策で車は販売されている一方、多分カーオーディオの購入にお金が回っていないのではないかと推測されます。

    あと電子レンジ関係は為替の条件で、為替が大幅なレアル安に振れてマナウスでの生産が上半期は伸びてきています。この辺は欧米勢が中国産品の輸入から現地生産に一部切り替えたことからの数字であります。

    あとマナウスフリーゾーンにおける輸出入、雇用状況ですが、一応輸入輸出ともに今年の1-5月の統計で見ます限り3割以上のダウンというような状況です。これは全体のテレビその他の絶対数の生産が低下しているというような状況です。雇用につきましても、大体10万規模なんですが、一応1-5月の平均で1万3千人減っているというような状況でございます。

    あとテレビについて、テレビの価格状況についてですが、ご覧の通り上の二段のブラウン管テレビにつきましては2007年以来価格が下げ止まりに対して、LCD、プラズマテレビが大きく2008年まで価格が下がってきているというような状況です。

    上期も、上期の第1四半期なんかも家電関係ではメーカー在庫、流通在庫が増加している中で、在庫処分のための値下げ競争で中々価格が回復していませんでしたが、この直近に来て一応在庫が適正水準に戻り、消費もわずかながら活発になり始めて、さらには通常のHDからフルHDへとフルスペックに製品が変わっている中で若干価格が上昇していると。適正売価に戻りつつあるというような状況ですが、まだまだ程遠い状況だという風に伺っております。

    いずれにしても、テレビは今後薄型化が進み、特に小型テレビ、32インチとか26インチのモデルが1000レアルを割ってくるというようなことになりますと、C層以下のボリュームゾーンで市場の大きな地殻変動が起きて、特に来年度はワールドカップがありますので、時間帯も南アフリカで開催されるということで過去二回のワールドカップの夜中の鑑賞から、昼間に観れるということで大きく市場の薄型化が進むことを期待しているというのが状況です。

    部会の参加企業の方の上期の回顧についてですが、一応14社さまのアンケートご協力いただき、大きなポイントとしましてはまず一つ、一般消費者向けの製品においては為替変動の売価への転嫁が非常に困難で収益性が悪化したということと、白物家電と車の減税はこれらの製品の需要喚起になった一方で他の電気製品にマイナス影響を及ぼしたという風に見ております。

    またB2B系の機材の販売、この辺は投資抑制ということで大きく後退。あと電力通信インフラ投資の関係は順調に推移したと。これは長期投資計画なので大きな影響を受けなかったという風に伺っています。ただし現地通貨建ての入札事業でもある以上、為替の変動の吸収で収益性が悪化したという報告もありました。

    売上実績の状況ですが、ドルベースでは縮小したものの、為替、特に第1四半期レアル安でしたので、レアルベースでは維持から成長という結果になっております。で、結果的に皆さんの評価は、悪かった、ないし計画通りと。計画通りも、何とか食いつないだというようなコメントもありました。

    いずれにしても輸入材が多いこの電子電気分野では、やはり為替の変動がこの上半期の収益性に大きく影響を与えたと。あと、一部ではICMS州税の流通税のSubstituicao Tributariaの変更の関係で業務に支障が生じて、例えば売上を立てれないとかいうようなことも発生したと。もしくは値上げ、流通税の源泉徴収になりますので値上げの影響でやはりこの販売に悪影響があったというような報告がありました。

    下期の展望ですが、下期については在庫がまあ一般的に正常化している中で、あと購買意欲の回復で、どちらかというと販売が伸びるというよりかは、去年から今年の頭にかけて落ち込んだ販売減の取り戻しを期待するというような状況でございます。

    しかしながら依然と不透明感があり、消極的に部会のメンバーの皆さんは見ていらっしゃいます。売上予想は、いずれにしても前年同期比で、去年の第4四半期が非常に落ち込んだ関係もありまして、レアル・ドルで成長を見込むというのが大半の回答でした。

    2009年度下期に向けての経営課題につきましては、前回ではやはりコストダウン、キャッシュフローと守りのコメントが中心でございましたが、今回はやはり売上拡大、新しい事業の展開など、前向きな兆しが見受けられました。しかしながら、一方で制度面では、例えば9月に開始するSPEDに伴う業務系の複雑な対応、この辺の仕組みの対応ですね、この辺でまた問題が生じるのではないかというような懸念事項も挙げられました。

    以上を持ちまして部会のメンバーの上期と下期の展望ということですが、宿題である不況を脱したか、脱してないかということについては、一般的には不況をすでに脱して下期に向けていい方向に向かっているということですが、電気電子業界にとっては依然と厳しい状況が続くという風に想定されています。これは競争とか色々と外部要素多々とあり、楽観視できないというのが皆さんの回答でした。

    地デジの状況について簡単にご説明差し上げます。8月時点の状況ですが、一応ブラジル国内では21の都市、うち17の州都で地デジの放送が開始しております。Coverageで見ますと、人口の大体41%、7800万人相当の方々の所で地デジ鑑賞可能な環境が整っているということになっています。

    ただし残念ながら受信機の普及に関しましてはまだまだ程遠い状況で、この辺が2010年からは地デジのチューナーがテレビに内蔵されるなど、この辺の動きが地上デジタル放送の普及に後追いになると期待しております。

    最後になりますが、6月17日にブラジリアで、島内大使のご努力で、コスタ大臣、あとペルーの外交団、他の南米諸国、一部アフリカの外交団を招いて地デジのデモを開催させていただきました。大人数集まっていただき、非常に盛況なデモを開催することができ、ブラジル政府側も非常に満足されていたという風に伺っています。以上でございます。ご清聴有難うございました。

    司会
    ご質問等ございますか。それでは次に参ります。化学品部会松尾部会長よろしくお願いいたします。

  • 化学品部会 松尾新一郎 部会長

    化学品部会資料 (原稿)

     

    皆さん今日は。化学部会でございます。化学部会は16社14分野ございまして、色々なものがございますので、一貫して言えないのが辛い所です。

    筆記具。これはパイロットさんとペンテルさんです。上期の回顧。経済危機を脱したか、Noという返事でございます。昨年の同期に比べまして売上が減少、でも利益は増加したということですが、景気の悪化が売上減につながっていると。

    基本的に上期は年間売上の大体4割前後ということで、メインは下期の展望にかかっていると。当然のことながら、売上も増加、利益も増加。これはですね、9月に筆記具のフェアーがあって、その時に全国のディーラー、ディストリビューターが集まってきてその場で大体今年の売上が決まってしまうらしいです。それで9月以降の売上、それに1月以降の新学期を期待していると。

    次は写真材、先ほどもありましたデジカメです。これは富士フィルムさんです。上期の回顧。経済危機とは無関係である、まあほとんど関係ないという言い方ですかね。売上は7%減で、利益は大幅減と。当然のことながら予測以下でございます。

    デジカメ市場はまだまだ伸びると。それからフォトアルバム市場といいますか、これはプリント用紙だと思います。この分野が伸張していると。昨年来から値上げをやろうと思っていたのに上手いこと値上げが浸透できなかったというのと、それから需給ですね、注文があるのに物がなかったと。上手くかみ合わなかったという点で売上・利益ともに予想以下であったと。

    下期はどう見るかというと、当然のことながら増加ですね。上期と比較でございますから増加します。それから季節変動と言いますと、まあ皆さん期待でしょうけれども、クリスマスがございますからやっぱり物が出ると。そういうお祭りには必ず写真が来ますので、カラー印刷紙、それからカメラの販売が堅調だと。残念なことには、値上げが積み残しが残っているし、まあ想像つくと思いますがフィルム市場はほぼ下降の一途をたどっていると、こういうことでございます。

    次は高級化粧品。これは資生堂さんです。これも経済危機とは無関係と。まあご存知の通り安物市場ではなくて高級というのがついておりますから、富裕者層だけに絞っておると。しかもリオ・デ・ジャネイロとサンパウロのお金持ちの方々、まあ当然のことながら女性ですから、ブラジルの女性は経済危機なんか全然見向きもせずにジャンジャン買ってくれるということです。

    それから下期はですね、大幅増加というのは、実を言いますと1600%と書いてあったんです。1600%です。上期と比べてですね。当然のことながらクリスマスということでこういう高級化粧品に張り込んでくれるのを期待しているということです。

    どこの企業も同じだと思うんですけども、為替レートは大体2前後で安定してくれればというのは、商工会議所の皆さん同じ考えだと思います。

    次は一般医薬品。これは久光製薬さん、サロンパス、消炎発布剤です。これも経済危機とは無関係。昨年までサロンパスカップをやって知名度が上がったと。今年からはもうやらないそうです。前年同期比売上は増加と、利益は昨年の上期と変わらずでほぼ予想通りであると。商品カテゴリーというのは、いわゆる消炎発布剤というんですかね、その市場規模が大体年率で毎年10%ずつくらい拡大していると。

    下期はどうかというのは、これも売上・利益ともに変わらないと。市場の拡大傾向は続くと、ただAnvisaのですね、薬事法改訂による制約と。前回も言いましたけども、もう「良く効きますよ」というようなコマーシャルは禁止になったそうなんですが、さらにですね、人体を使って、例えばサロンパスを貼るとかというのがダメになったそうなんです。だから今はですね、サロンパスをマネキンに貼ると、こういう風なことしかできないと、こういう規制がされていると。

    次は家庭防疫薬。これはエアゾールの原料です。経済危機を脱したか、これは全然ダメでございます。昨年の同期と比べまして、まず気候が、雨が多くて気温が低いですから、保険じゃないですけども、雨が多かったら自動車事故が増えるというお話もございましたけども、低温ですと蚊の発生が少ないということで、蚊を退治するエアゾールの原料および製品の在庫が積み重なってきていると。それからデング熱の流行が減ったのはプラスと書いていいのかマイナスと書いていいのか分かりませんので、デング熱の発症が少ないということで、イコールこれは蚊の発生が少ないとうことです。

    下期の展望は、上期比当然のことながら売上も利益も増加といいますか、需要期にかかりますので、段々暖かくなってまいりますので増加を期待しておりますけども、残念ながら上期からの在庫品ですね、ございます。それで、あまり大増加は、大幅増加は期待できないと。これも賞味期限じゃないですけども、エアゾールは2年間の有効期限がございますので、そろそろ大売出しがあるかと思います。

    今度は農薬。上期は、昨年同期はアグロと自動車関係は化学品でも素材にせよ末端の製品にせよ快進撃でございますと言ったんですけども、農業関係はほぼ経済危機には関係ないと。前年同期比、これは増加および減少となっていますが、原体販売、これはエアゾールの有効成分も同じですが、農薬の原体というのは今、日本からドラム缶に入れて持って来る訳ですね。

    この会社が4社、それからそれをこちらで製剤しましてレディ・トゥー・ユースにして出している製剤会社というのが2社ございます。その製剤会社の方は増加、原体販売会社は減少、売上も同様でございます。その品揃えの拡大というのは、いわゆる製剤にして農家に売る会社の方は品揃えの拡大それからレアル安になったのでプラス要因と
    。それから下の方に書いてあります市場はマイナス成長。昨年度は70億ドルございましたが、今年はほぼ10億ドル近い減の63億ドルと見込まれてます。それから結構棉栽培というのは少なくなってきておりますが、後で繊維業界の方からもあると思います。

    棉業界というのはですね、虫も活躍してくれますので、非常に農薬の投下量が高いんです。この棉栽培面積が減少しますと、棉用の農薬を持っている会社が多くございまして、売上の減少に即つながっていくと。

    それからジェネリック、それから中国品というのはよく聞く、他の業界でも聞く話でございます。下期。下期は小売、いわゆる製剤・小売方面では需要期に来ますので、販売は増と。それから利益は、上期も非常に高い利益を上げておりますし、横ばいであると。

    それから原体販売につきましては、これは非需要期に当たりますので売上・利益ともに減少していくと。マイナス要因は皆、昨年度が良すぎたと。それから不安定な為替、それから作付け面積、棉栽培なんかが減ると大きな打撃を受けるということがございます。

    貿易部会の方で大豆の生産は上がっているとありましたけども、残念ながら大豆はそんなに農薬は使わないんですね。除草剤がほぼです。で、大体2200万ヘクタールありますから、日本の本州全部が大豆畑と思っていただければ、マーケットとしてはものすごくでかいということです。

    肥料。これはもう想像がつくと思います。もう全然ダメですと。もう悲鳴で、部会にも参加されませんでした。下期はですね、当然この上期の分を取り返すというのと、それから暖かくなって雨が降ってきて、作付けがされる訳でございますから、売上も利益も増加だと。当然需要期に入りますから、増加・増収を見込んでいると。

    次は種です。ついでに、昔は食料分野か何かにあったそうなんですが、農業という締めくくり、アグリという切り口で種子分野も一緒にどうですかということでこちらに入ってもらいました。経済危機もこれは無関係だと。売上は23%増加、まあ利益はそんなに上がらなかったと。

    東北伯向けメロンの販売、メロンの種ですね、このできたメロンはこっちに来なくてヨーロッパに行っているんです。輸出されています。それからパパイヤの種子、これはフェイラなんかで売っているどでかいやつがありますね、そういうのとは全然違いまして、日本で見られるような小さな丸い種だそうです。

    下期をどう見るかと。売上・利益ともに前期と同様変わらないと、これは良いという意味でございます。主力商品の玉葱ですね、タキイさんですこれは。タキイの野菜種子は有名でございますから。それからキャベツの種子のシェアーアップ。ここでも出てきます、大体2レアルプラスマイナスの為替が一番ありがたいなというのが、タキイさんも同じような意見であります。

    次は飼料添加物。これはトウモロコシ、鶏のえさの中に入れるアミノ酸です。上期の回顧。売上・利益ともに惨憺たる状況です。というのは、これは昨年度の上期が快進撃でございまして、倍倍といいますか、前は赤字だったんですけど、大黒になりまして、値上げも3倍くらいの値上げをしまして、いらんなら買わんでもよろしいと、そのぐらい行けということが上手いこと行きましたんで昨年はプラスになったんですが、それと比較しますとまあ惨憺たる状況であるということです。

    下期をどう見るか。上期がこれだでひどい目にあって、下期も同じであれば、まあ私どもの会社でございますけども、私はクビになるということで、見込みだけは売上も増収増益といかないとクビ切られます。

    それから、これはコモディティでございまして、世界中で4社あるんですけどもその会社の供給量が随分制限されてきたというのが、製造をやめているとか、中止しているとかいうのがございまして、玉の取り合いになるということがございます。ただし、これは日本からここまで持ってくる間、いかにも遠ございまして、キロあたり5ドルとか6ドルくらいの品物が船に積んできて動かすと結構手間隙、ロジスティックスの経費がかかりますので、儲けはあまりたいしたことはございません。残念ながら。

    また片っ方でですね、トウモロコシの値段が下がると、農薬業界は困る訳ですけども、この飼料添加物におきましてはプラスの追い風要因になります。というのが、トウモロコシがほとんどの鶏のえさを占める訳です。そこが安くなってくると、他に添加物を入れる余白が出てくる訳です。ですから少々高くても買って、良い卵、良い卵というのはちょっと逸れますけど殻が固い方が良いんだそうです。

    これは昔ながらですね、輸送ロジスティックスが問題ありましたし、遠くから持ってこないといけないから途中で割れたら困ると。だから殻の厚さがまず第一だと。それから二番目に黄身がぷっくりこう高いと、こういうのが良いんだそうです。バストスに行かれましたか。大部総領事は行かれましたね。あそこは住友化学カップも品評会に出しております。

    今度は素材に移りまして、プラスチック樹脂用着色剤です。これは経済危機の影響をもろに受けて、大幅にダウンと。これは、W期と言うんですか、1,2月低調3-5月上回って、また6月でダウンしたと。こういう目にあいました。それから下期の展望は、少しは良くなるであろうと。マイナス要因は別といたしまして、努力として新規顧客の開発、適正利潤の徹底化、そして人員削減もせなあかんと。

    次まいりまして、接着剤です。ここも末端用の瞬間接着剤と、それから工業製品用のねじなんかが取れないようにつける接着剤という品目だそうです。売上も利益も下がり、まあ売上が下がることは予想していたけども、利益が予想以上に悪かったと。で、電子InvoiceだとかSubstituicao税の影響というのは電気電子の方でも言われた通りです。

    下期の展望としましては、上期比やっぱり伸びてもらわないと困るというのはここも同様でございます。工業生産の復調、それからIPIの減税継続等プラス要因もあって、マイナス要因にもIPIの減少というのが挙がってますけども、皆さんお分かりいただけると思います。矛盾したことを書いておりますけども、お分かりいただけると思います。

    昨年からでしたかね、やられてます大塚化学さんのポレオルフィン発砲体、早い話スポンジだそうです。上期の回顧。経済危機を脱したか、Noだと。売上は、マイナス36%ですか、それから利益は60%アップしたと。これは生産コスト、ものすごい合理化ができたと。早い話、前がひどかったと仰ってました。

    それから原材料費の低下。下期はどう見るか。売上は50%は上がるだろうと。利益はこれだけ上期で上がっている訳ですから、変わらない。良いということです。生産性の改善と販売数量の回復を見込んでいると。

    ロジンです。これは松脂から作るシーリング剤だとか、テレピンオイルだとかそういうものを抽出されているところです。上期は、売上は減少したけども、利益は増加したと。原因はこういうことですけども。

    下期の見込みはですね、売上・利益とも10%増加だと。新製品の拡販、先ほど紙パルプの方はあまり期待できないんじゃないかということでございましたけども、シール剤というのは紙にインクが散らないように入れる薬を松脂から作るそうで、紙パルプの上昇を期待していると。あとは商社ですけども、まあ想像できると思いますが、予想通り減少であると。下期は増えてもらわなきゃ困るということです。ただ日本向けの輸出回復の見通しは立たないというのが、2社ですけど2社とも仰っていました。

    化学部会総合で、16社14分野の上期の回顧。経済危機を脱したか、Noが9分野。関係ないというのが5分野。それから売上プラスがほんの少しと、マイナスがやっぱり大きいと。

    プラスマイナス、これは農薬の部分でプラスの所があってマイナスの所もあったという意味です。利益が、下がったというのが半分ですね。で、下期の展望は、売上プラスになってもらわなきゃ困ると、最悪でもプラスマイナス変わらずという所。まあこれでマイナスになったら悲劇だと。利益も上がってもらわなきゃ、上期と比較してですから上がってもらわないと困るし、まあ横ばいでも30%、まあ下がるということは絶対あってはならないと、こういう見込みでございます。以上でございます。時間オーバーしましてすいません。

    司会
    多分野にわたりご説明いただき有難うございました。それでは次に参ります。食品部会齋藤部会長よろしくお願いいたします。

  • 食品部会 斎藤孝之 部会長

    食品部会資料 (原稿)

     

     

    食品部会の発表をさせていただきます。私7月から食品部会長を拝命いたしました斎藤でございます。食品部会は2009年度上期、人事異動等がございまして、部会長、それから副部会長が入れ替えになりまして、私が部会長を拝命しまして、それから副部会長が東山農場の岡橋社長、それから三栄源の大野社長ということで、新体制で下期から臨むということになっておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

    7月28日に食品部会懇談会を開催いたしまして、上期のレビューと下期の展望について情報交換をいたしました。食品部会のメンバー企業でございますけども、小売、それから業務用、外食といったいわゆるチャネル別、それから輸出向けや国内向けといった向け先別、それから調味料や飼料添加物、酒、コーヒー、飲料、それから麺、食肉関係の素材とかですね、健康食品、食品添加物といった製品別カテゴリ別に色々広範囲にまたがっておりまして、全てを食品部会としてまとめて包括して申し上げることにはかなり無理があるんですが、あえてそこの無理を承知でチャネル別を軸にお天気予報とお天気マークで下期上期を表してみたというのがこの図でございます。

    まずスーパーマーケット、それから小売、まあリテールと言われている分野でございますが、小売チャネル、一番上でございますけども、上期の前半1月から3月ぐらいまで若干の落ち込みが見られた企業が多かったということでございますが、上期の後半、特に5月以降回復傾向が非常に顕著となっておりまして、上期、曇りのち晴れとなっております。で下期でございますけども、5月以降の上向きの傾向がそのまま続いていくだろうという予想をしている会社が多くございまして、下期は晴天ということを考えております。

    マーケットの傾向ですけども、今伸びている部分でいいますと、所得層でいいますと中間所得以下、まあC層以下と言われている世帯所得が1700ぐらい以下の層の消費が伸びているのが顕著でございます。

    それから、地域でいいますと北の地域、特にボルサ・ファミリアだとかそういったサラリオ・ミニモのアップ等の恩恵を受けている地域、そういう地域での消費がアップしているという傾向があります。

    それから大都市圏、サンパウロ、リオ・デ・ジャネイロはじめですけども、そういった地域によりましては高付加価値化とか、それから天然志向、こういった傾向が見られるということでございます。

    また日系企業ということで、日本食からスタートしている会社も非常に多くございますが、昨今の日本食ブームということでそういった層の拡大が見られるという傾向でございます。

    続きまして二段目の、業務用と称しておりますけども、こちらは国内外の加工食品業者向け等の、いわゆる企業相手の商売でございますけども、こちらに関しては上期、経済危機の影響を受けることによって特に日本向け、それから欧米向け輸出が停滞いたしました。ということで雨天ということに上期なっております。

    特にコーヒー、食品添加物等ですね、顧客の資金繰り悪化とか、コストダウン等々の影響を受けまして、在庫調整もあったりということがありまして、非常に上期は悪かったと。下期につきましては回復傾向を予想しておりますけども、残念ながらこの分野につきましては、今日現在の時点ではあまり明るいニュースはないということで、まあ雨から曇りを、希望的観測として持っているというような状況です。

    それから3番目、外食チャネルということでまとめておりますが、上期は業務用同様に経済危機の影響を受けまして、パーティー、宴会等の需要が減少したということで、低迷をいたしました。

    下期につきましては、まあ経済の回復とともにですね、明るくなることを多少見込んでおりまして、少し曇りから晴れ間がのぞくであろうという予想を立てておりますけども、不安要因としては昨今のLei Secaですね、飲酒運転規制の問題等々による酒類の消費ダウンとか、それからサンパウロ、続きましてリオ・デ・ジャネイロで昨今施行されております禁煙条例等々による落ち込みが非常に懸念される材料となっているということでございます。

    引き続きまして、食品業界として上期と下期に特筆できるトピックスを1枚あえてまとめておりますのでご紹介いたします。上から1段目と2段目のところにつきましては景況感ということで、先ほどの一覧表の方でご説明いたしましたので、3番目のところから少しコメントをさせていただきたいと思います。

    原材料関係のお話でございますけども、2008年度は皆様ご承知の通りですね、前半非常に原材料、燃料関係含め非常に高騰いたしましたけども、後半以降、まあ経済の減速も当然あったわけでございますけども、相場が安定してきたということで、製造コストそれから販売コストの安定に非常に寄与してまいりまして、その傾向は上期も同様に続いております。

    下期につきましてもですね、若干の流動性というか通貨供給で投機に回るんじゃないかという、原材料関係ですね、そういう不安はあるものの、楽観的な見通しを持っております。ただ、一部の原材料関係で南米における供給のひっ迫の不安があるものがございます。

    挙げられているものが、乳製品でございますね。これはアルゼンチンからのものでございますが、あと小麦粉、それから粗糖関係、それから米穀、こういった関係のものが原材料のひっ迫、まあ一つは政治的な影響、もしくは旱魃等の天候不順などの要因で不安視をされております。

    小売部門では店頭における競合、それから加工用部門では中国や韓国をはじめとした競合が激化しておりまして、コストアップが起こった場合に現在のところ価格転嫁をすることが非常に難しい状況にあるなというのが、メンバーのほぼ共通した見解でございまして、共通の問題点として挙げられました。

    下期につきましてはそうした関係から、社内の生産性のアップだとか、それからコストダウン等々によってこういった原材料の不安要因を吸収していくような方向性というのがほぼ各社の一致した方針かなということでございます。

    次に挙げられますのが、法制面の対応でございます。税制面で2点ほど指摘されている絵点がございます。1点目はですね、輸出型原材料、バルク関係の輸出企業でございますけども、流通税の輸出による還付制度の未整備によりまして、還付されるべき税金が還付されないということの中で資金繰りに影響を及ぼしているケースがあるということです。

    資本関係のある企業同士ではその、クレジットになっております流通税をやりとりができるということが法律で決まっておりまして、それを兄弟会社間でやりとりしているようなケースもあるようですけど、やはりこの面は負担になっているというのが1点目の税制のポイントでございます。

    2点目でございますが、これは国内の小売の面でございますが、流通税の先払い制度、Substituicao Tributariaの問題でございます。カテゴリー毎に色々と差異があるんですけども、サンパウロ、ミナス、それから再来月からですかね、南の方でも実施されるようでございまして、小売面の価格面での影響が一部の商品で出ているということがあります。

    特にですね、これはお酒関係ですけども、非常に厳しい掛け目のSubstituicao Tributariaを適用されておりまして、店頭価格が20%ぐらいアップしているようなケースもあると。あと一部のですね、即席めん等々では逆に掛け目率があまり高くないために、店頭価格が下がる方向に行ったりとか、各カテゴリー毎に違いがあるようですけども、この問題については引き続き下期につきましても注視していかないといけない問題ということでございます。

    その他税制面ではない法令関係面ですけども、先ほどもちょっと言いましたけども、飲酒規制のLei Secaでございますね、こちらの方におきます外食におけるアルコール消費量の減少等があります。またサンパウロ、続きましてリオでの禁煙法の施行ということもございまして、外食市場・ケータリング市場等々の成長に懸念があるというのが実態です。

    それから今年につきまして特殊な、まあ我々食品業界は特に関係が深い訳ですけども、新型インフルエンザの発生ということがトピックスでございます。食品各社、自社の中から患者を出さないように必死の取り組みを皆さんされましてですね、出張者の往来制限ですとか、生産それから事務現場でのモニタリングの徹底だとか、手の消毒だとか、そういった取組みをほぼ全ての会社がしておられます。

    数値化して評価することはちょっとできませんでしたけども、近隣諸国へのエリア拡大などの開発について、そういった往来制限をしているために取組みが遅れているような影響が出ている企業もあります。

    プラスの要因に働いたといった会社、1社だけございまして、健康食品のメーカーさんでございますけども、プロポリスが新型インフルエンザの予防に効くということで上期特需が発生したというような非常に特異なケースもございました。

    それから最後のポイントですが、各社における新規取組みの方向性でございます。主に3点挙げたいと思いますけども、一つはブラジル国内で中間所得層以下の販売が急増しておりまして、そういった層をターゲットにした商品開発・市場開発を皆さん計画されている。

    それから2点目はサンパウロ、リオといった大都市圏における高付加価値商品の投入とか、天然志向への対応だとか、安全志向への対応だとかいうことがテーマ。それから3点目はですね、新規の市場、まあ面積を広げるということでございますけども、地域軸で南米の近隣諸国へ、アルゼンチン、ウルグアイといった所への製品の導出、もしくは輸出といったような取組み、それからアフリカ等への製品供給を計画しているような会社もございます。

    今回のシンポジュームの共通の題となっております、金融経済危機の影響でございますけども、私どもは、一番下に書いておりますけども、脱したと答えた会社が6社、まだと答えた会社が3社ということで、6対3で、まあほぼ脱したと答えられた企業が多いということでございます。

    全体のまとめに、各社各カテゴリー含めて説明しておりますので、この後ろ、各カテゴリー毎のまとめをしてございますけども、説明の方からは割愛させていただきます。

    最後の商工会議所へのリクエストということでございますが、メンバーの中には30名以上の出向者を抱えているような企業もあれば、1人駐在と言うような企業もございまして、特に1人駐在されている企業の方からのご要望でございますけども、まあ生活面・業務面での情報交換の場を多く持っていただければ非常にありがたいというようなリクエストがございました。以上でございます。

    司会
    体系的にご説明頂きどうもありがとうございました。またご要望の件、了解しました。何らかの形で対応させていただきます。次に参ります。運輸サービス部会畠山部会長よろしくお願いいたします。

  • 運輸サービス部会 畠山研治 部会長

    運輸サービス部会資料

     

     

    運輸サービス部会部会長をしております、川崎汽船の畠山でございます。運輸サービス部会色んな業種が入っておりますので、業界毎に発表させていただきます。

    まず航空業界の上期の回顧。国内線につきましては総需要、2540万人ですか、前年同期に比べましてマイナス2.8%。ブラジルの主要航空会社の構成比を見ますと、そこに書いてある通りでございますが、昨年まで新規航空会社、オーシャンエアーですとかWebJet等々の新興の航空会社が伸びておりましたが、トータルの旅客数が減少するのに伴って伸びが止まっておると。

    従いましてブラジルの航空会社、国内航空会社の中でのシェアーはあまり変わっていないということでございます。それから国際線。2008年につきましては570万人、マイナス10%となっております。

    ブラジルの発着航空会社のシェアーで見ますと、ここに書いてあります通り、ブラジルの航空会社が約35%、外国の航空会社が、便数の合理化とかしている関係がございまして、ブラジル籍の航空会社の比率が約8%伸びております。

    それから燃油費について。金融危機以降値下がりしたものの、本年2月を底に値上がり傾向にあると。続きましてブラジルと日本間の旅客の動向でございますが、昨年の12月までいわゆる日本からの、日本の出国者、それから入国者の数がほぼ同じくらいでございましたけども、去年の12月から日本からブラジルへの出国者が増えておると。

    差が増えているということでございまして、まあ正式な出稼ぎ者の帰国の統計というのはないんですけども、ほぼその、日本の出国者と入国者の数の差、これが出稼ぎ者の帰国の数に相当するのではないかと見られております。具体的に言いますと、昨年の12月から6月までの累積で約4万9千人ということだそうです。

    続きまして下期の展望。トピックとしましては、ブラジル国内線・国際線運賃自由化による競争激化ということで、まあ今まで運賃を申請して承認を得るのに時間がかかっておりましたけども、一定の範囲内で申請した運賃から自由に調整ができるようになると、スピードが早くなるということでございますので、利用する立場からすると結構なことだと思います。

    それから新型インフルエンザによる影響は不透明ということで、本年後半からまた北半球でぶり返すのではないかと言われておりますが、これの影響はまだ良く分からないということですね。次に業務出張の需要については10月からの回復を期待しているということでございます。

    最後に燃油サーチャージの件でございますが、この資料を作成しました時にはまだ見込みと、復活する見込みということでございましたが、どうも10月1日から復活するようでございます。まあ金額等々詳細は今週中には発表になるだろうということでございます。

    続きまして海運業界の上期の回顧。コンテナ船とそれからドライバルク、二つに分けてご説明申し上げますが、コンテナ船につきましては、まあブラジルは全航路で見ますとここに書いてありますように、輸出が輸入より多い輸出国、コンテナ貨物に関しましては輸出国なんでございますけども、上期ブラジルの輸出が91万TEU、13%減、輸入が52万TEU、32%減。輸出の伝統的な相手先というのは、まあ貿易部会でもご説明ございましたけどもやはりアメリカ、欧州でございますが、ここは大幅に落ちておりますけども、中国、アジア、中東等ですね、いわゆる新興国向けが伸びている関係で13%減に収まっているということでございます。

    アジア航路につきましては、逆に中国等々からの輸入が多くて、輸出の方が少ないんですが、上期の実績としましては先ほど申しましたように中国・アジア向けが増えている関係で輸出が11%伸びて、輸入の方は30%減ということでございます。それからドライバルクの方でございますが、まあ鉄鉱石等々を運びますケープサイズという船の種類があるんですけども、これは前回のシンポジュームでもご報告されておりましたけども、昨年の9月までは史上空前の水準、具体的に申しますと1日あたり30万ドルに近い水準だったんですが、これが1月には約30分の1に落ちていると。

    その後中国の鉄鉱石の輸入が増加した関係がございまして、2月以降は回復基調にあるということでございます。それから下期でございますが、まあ各国政府刺激策を採っておりますが、まだ荷動き増につながっていない。

    ブラジルの国内景気回復とともに、中国あるいはアジアからの輸入の方は6月以降回復基調にございます。ただし私ども船会社にとって問題点としましては、荷動きの減に伴って海上運賃の方も下がっていったと、荷動きが若干回復しても中々運賃の方の回復には時間がかかると。

    まあこれから皆様方にどうお願いしていくかというのが一応課題でございます。ドライバルクの方も中国の鉄鉱石の輸入増だけではなくて日本や韓国のメーカーさんも減産幅を縮小しているということで、現在若干天井感はあるものの本年後半に向けて堅調に推移していくだろうなという風に見ております。

    続きましてフォワーダー業界上期の回顧。数字としましては、日本発の輸出航空貨物の実績ですが、全世界向け45%減、そのうち米州向け48%減、その他米州と言うことでこれはほとんどブラジルだと思われますけども、前年比約45%減ということになっております。

    まあやはり景気が悪くなるとコストのかかる航空貨物を避けようという動きが出ている結果だと思います。それに伴いまして日本発南米向けの集まりが悪くて、フレーターのスケジュールが不安定になってきたということがございました。

    それから製鉄構内物流。製鉄メーカーさんの中での構内物流でございますが、鉄鋼業の減産により大きな影響を受けているということでございます。下期の展望につきましては、航空貨物・海上貨物各社の在庫調整終了により、需要回復の兆しがあると。

    また一番最初にコンサルタント部会でもご報告ありましたように、ブラジルへの新規進出企業が増加しており、それに伴う貨物増も期待をしていると。製鉄構内物流につきましては、回復基調にあるが、厳しい環境が続くということでございます。

    それから一点、クーリエ業界のトピックスとしまして、今年中に収税局によるHARPIAというシステムが導入される予定になっているということなんですけども、まあクーリエ業界というのはスピードが命でございますが、ドキュメンテーション等々若干大雑把な所があってですね、厳格なシステムが導入されますと多額のペナルティですとかトラブルですとか、配送の遅延とかいうことが起きないかということを懸念しております。

    続きまして旅行業界でございますが、まず海外旅行。まあ世界的な不況あるいは南半球での新型インフルエンザの影響で海外旅行や出張を控える傾向があり、低迷と。国内旅行につきましては、大手パッケージ会社、CVC等々ですね、による国内パッケージは伸びていると。

    ただし、国内のホテル代、国内の航空料金が高い面があって、伸び悩んでいると、ブレーキがかかっているということでございます。これはスライドには入れておりませんが、ホテル業界につきましては、客室単価、これは179レアル、6.7%アップ。それから客室稼働率、これは5.3%ダウンの63%ということでございます。

    客室単価に稼働率を掛けました客室あたりの売上という指数があるんですが、これは1%アップになっておりまして、ブラジルはそれがプラスになっている数少ない国の一つだということでございます。

    続きまして下期の展望ということで、不況あるいはインフルエンザの影響により下期も旅客数は伸び悩むと。特にブラジルへの観光客につきましては、治安問題が足を引っ張っていると。国内旅行につきましては、海外旅行に代わって国内旅行が注目されていると。国内景気の回復に伴い回復することを期待していると。

    それからホテルにつきましても、下期回復を予想していると。経済危機で一番影響が大きかった部門がパーティー等々ホテルでのイベントだそうですけども、下期の回復に関してはそのイベントの回復がカギになっているということでございます。

    それから通信・IT業界。携帯電話数は昨年に比べまして20%増の1億5960万台。これは世界第5位だそうです。それから3G携帯、これも伸びております。それからナンバーポータビリティー、150万台。申請は200万台近くあったそうなんですが、実際に行なわれたのが150万台で、50万台分はまだ待っているという状況だそうです。

    それから固定電話。これは4170万台で横ばい。インターネットそれからブロードバンドユーザー数、これは3450万人、1043万台ということで約13%の伸びだそうです。続きまして通信・IT業界の下期の展望。Nota Fiscalの電子化、これが新たに79業種ですね、9月から開始されると。

    それからあと、ITトレンドということなんですけど、まあ不況のためコスト削減ということでですね、テレビ会議システムの普及だとか、それから最近クラウド・コンピューティングとかいう言葉がはやっておりますけども、自社でシステムを開発するのではなくて、サービス会社が持っているソフトを使用料を払って利用するという形態が伸びるものと予想されております。

    それから最後に運輸サービス部会のまとめでございますが、まあ先ほど機械部会では全員「はい」ということだったそうでございますけども、私ども運輸サービス部会が8月に部会を行ないまして、参加していただいた方のご意見を伺ったんですが、12社皆さん「いいえ」ということで、「はい」という答えはございませんでした。

    まあ心といたしましては、私ども運輸サービス部会というのは皆様の業界にある意味で付随しているという所がございまして、下降する時は皆さんの業界より早く影響が出るし、上昇局面では後から追いついていくと、追っかけていくという所がございますので、下期の回復を予想あるいは期待するが、今の所「脱した」とはっきり言い切れないということでございました。以上でございます。ありがとうございました。

    司会
    ありがとうございました。それでは次が最後になりますね。繊維部会金原部会長よろしくお願いいたします。

  • 繊維部会 金原彰 部会長

    繊維部会資料 (原稿)

     

    7月から繊維部会長を引き継ぎました、日清紡の金原でございます。よろしくお願いします。それでは始めさせていただきます。

    共通テーマということで2009年上期の回顧と下期の展望。まずまとめですが、繊維業界の状況ということで、ここ数年で最も厳しい上半期であった。下期は改善に向かうと思われるが、よくても前年同期並み。したがって通期では前年比大幅な減収減益になるだろうと。と言いますのが、昨年の上期がすごく良かったというのが一つの理由でもあります。

    この後、原綿、綿糸、織物、ファスナーの順で説明させていただきます。
    まず、国際原綿。綿花需給実績と予想ですが、2008/2009年度というのが上期にまで使った綿ですね。まあ在庫がありますからこの後も使うわけですが、09年10年度というのがこれから使う綿ということになります。

    生産。2009/10年度は前年比わずかな生産減。この青い部分ですね。それから大幅な消費増。これに伴う大幅な季節在庫減。約400万俵と。これ100ちょっと抜けています、申し訳ありません。

    この上下がちょっと狭いものですから、あまりたくさんに見えませんけど、ちなみにブラジルの生産量が550万俵ぐらいですから、まあ大幅な季節在庫減ということになるわけです。しかしながら40%以上在庫があれば十分あるということなので、綿は十分にあるということになります。

    次に綿の値段、NYの定期。月末の終値ですが、2007年が青、08年が黒、09年が赤です。上期は、2008年に下がりまして、急落した相場だったんですが、50セントぐらいですね、それが60セントぐらいまでに上がってきたと。

    で、下期はどうか。今申し上げましたように、綿は十分あるので、まあこの60セントぐらいであろうと。ただし、実際こういう実需よりも、投機マネー、大豆相場の動き、中国がどれだけ買い付けるかとかいうようなことで大きく影響されると思われます。

    次に国内の原綿の需給実績と予想です。こちらも同じように表を作ってありますが、2008/09年は前年比大幅な生産減のため、大幅な季末在庫減。しかし国内消費は十分まかなえる量があると。ということで次に綿花の相場ですが、ESALQ月末の価格です。

    これも同じように2007年から順にとってあります。2007年が青、こんな動きですね。2008年はだんだん下がったと。それで2009年ですが、4月、このあたりなんですけども、2005年12月以来の安値R$1.10/LBまで暴落しました。

    その後、5月に大きく上昇しまして、今綿が採れ始めているんですが、このぐらいでブラジルの綿は採れ出します。十分あるということで、相場はR$1.20/LBをちょっと割り込んだぐらいと、今がですね。この先もこのぐらいで行くのではないかという予想であります。

    次に綿糸。綿糸貿易の輸出入実績ですが、輸出が漸減ですね。どんどん減ってきました、2008年まで。輸入はどんどんどんどん増えたと、まあ為替のためですが。2009年上期はどうだったかといいますと、前年同期比輸出も輸入も両方とも大幅に減ったと。

    下期は、今1.8台になっていますけども、為替がこんなところであれば、輸出はさらに困難になる。まあしかし、輸入は昨年のような大幅増加にはならないだろうという風に見ております。ただし為替が1.7を切ってくる、なんていう話は今までなかったからいいんですけども、そうなるとまた輸入も増えてくると思われます。まあそうならないことを期待しておりますが。

    次、織物。薄地織物の輸出入実績。糸と同じように輸出は減って、輸入は増えたと。それで2009年は上期、対前年同期比輸出入とも減少、糸と同じですね。ただし糸と違うところは、各製造段階での在庫が増えたものですから、操業度が低下していると。

    下期の見通しは、消費が上がっても、今言った在庫があるために、操業度が戻るためにはもう少し時間がかかるだろうという見方です。

    次に紳士婦人服地。2009年上期の回顧ですが、寒さが遅れて冬物衣料は惨敗であったと。5月の母の日はダメだったんですけど、6月の恋人の日は寒くなり良く売れたと。

    生地の輸入量は20%減っていると。しかし既製服はドル高でも25%弱増加ということで、厳しい。2009年下期の展望は6月には寒くなったため、小売の冬物在庫は消化できたと。IPI減税の効果も出てきたし、消費が伸びるよう期待したい。景気が底をついたとは思われず十分注意が必要であると。

    最後にファスナーですが、2009年上期の回顧。衣料品在庫生産調整によって、ファスナー在庫調整が進んだと。ジャケット分野の動きが特に不調であったと。主力のジーンズ分野も、低調に推移したと。下期の展望ですが、為替の上昇、輸入衣料増、輸出商品競争力低下が想定されます。輸入衣料の浸透とともに、国内生産衣料における価格圧力も強まると。したがいまして市場環境は引き続き厳しいものと思われます。

    最後にコメントですが、底は脱したかということで、私どもの業界では8社ありまして、7社は脱したと。その理由ですが、まず1番。売値は戻らないが販売量は4月から6月には危機以前に戻り、在庫は正常になったと。後はコメントになるわけですが、売値は4月で下げ止まり、6月にはかなり戻した。

    しかし前年比ではまだ低い。先ほど申し上げた、昨年が良かったということですね。それから、底は脱したとはいえ、輸出不振でまだ在庫が多い。空紡糸なんかがこれにあたります。

    別のというか、こういう考え方があるということですけども、繊維の業界で言えば不振は危機だけの影響ではなく、構造的なものもあるのではないかと。1社は、個人消費が戻るのはまだ先だということです。以上です。有難うございました。

    司会
    有難うございました。以上で全ての部会の発表が終了いたしました。次に、講評を頂きたいと思います。在ブラジル日本国大使館島内大使よろしくお願いいたします。

  • 講評 島内憲大使

    ただ今ご紹介いただきました在ブラジル大使館の島内でございます。本日はこうしてブラジル商工会議所の各部会長、副部会長の皆様からそれぞれの業界の最新事情につきまして、臨場感ある、迫力あるお話を伺うことができて、私たいへん有難く思っております。

    今後ブラジリアで外交活動を行なう際に、本日伺った話を参考、あるいは指針にさせていただきたいと、そう思っております。

    本日皆様のお話を伺って受けた印象、と申しますか全体的な印象を申し上げますが、先ほど「薄日が差してきた」というお話がございましたけども、私は全体的にですね、もうちょっと状況は良いんじゃないかな、ということでございます。

    青空がどんどん広がってきたけれども、まだ所々雲があると、それで雨が降っている所もあると。ちょうど雨季のブラジリアの空のような感じなんじゃないかなと思います。

    それであの、ほとんど全ての業界でですね、下期は上期より顕著な改善が予想されるというお話がありましたけれども、やっぱり部会によって、あるいはその個別の業界、さらには企業によってですね、かなりニュアンスの差があるのかなという印象を持ちました。

    その辺、非常に私にとって今日いい勉強になりました。ということで、ブラジル経済、全体としてまだ斑模様の回復ということなんだろうと思いますけれども、まあ一方においてですね、中長期的な展望、まあ2010年以降の展望については非常に明るいものがあるという点については、ほぼコンセンサスがあったのではないかと思います。

    それで、西岡部会長を例外として、我々日本人はどっちかと言うと悲観的に物事を捉えるという傾向がありますので、もしかしたらですね、実態はもうちょっと良いのかなと。ブラジルの経済の実態はもうちょっといいのかなと思ったりいたしました。

    以上お気づきの点を申し上げた訳でございますが、ブラジリアはですね、最近どこかの新聞で読みましたけれども、南米の首都になりつつあるということが言われています。

    私もそうなのかなということを思うことがありますけども、やっぱりですね、ブラジリアが南米のワシントンであるとすれば、まあサンパウロは南米のニューヨークであるということで、ブラジリアの片田舎で仕事をしている私がですね、これ以上立ち入って本日の皆様のお話についてコメントするのはいかがなものかと思われますので、折角の機会ですのでちょっとお時間をいただいて、私が日頃、というか最近ブラジリアで考えていること、それから皆様のお話を伺って今日感じたことを申し上げたいと思います。

    私、今年になって2回日本に一時帰国しております。1回目は大使会議に出席するのを主目的にした業務帰国。それから2回目は、一応休暇のつもりで帰ったんですけれども、毎日のようにですね、役所の方から「どこそこに行って講演してくれ」とか、「誰それに会ってほしい」ということで、実質的には業務帰国になってしまいました。

    まあ別の言い方をすればですね、それだけブラジルに対する関心が日本国内で高まっているということでございます。それで、この2回にわたる一時帰国の機会にですね、私はブラジル情勢について政財界のトップの方々とお話したり、関係団体で講演をさせていただく機会を持ちました。

    世界金融危機とブラジル経済、というか、日伯経済関係というテーマで講演を何回かさせていただいた訳ですけれども、必ず満席になると。60人の会場に行ってやれば必ず60人プラスアルファの方が来られると。130人の会場でやれば130人プラスアルファが来られるということでですね、非常に心強く思った次第であります。

    それからもう一つはですね、この2回の一時帰国において、これまであまりブラジルと関係がなかった主要企業、関係の薄かった企業のトップの方々と意見交換をする機会を持った訳でありますけれども、こういった講演あるいは意見交換を通じてですね、ブラジルに対して確実に我が国において関心が高まっているというのみならず、その関心が広がりを持ち始めているということを感じました。

    肌で感じることができました。単にブラジルがBRICsの一角を占める国であるということでなくてですね、BRICsの中でも最有望株として日本のレーダーにしっかりと映るようになってきたのかなと、そういう感じを持っております。

    ただ、一方におきまして、まだブラジルに関する関心・知識は、表面的、総論的なレベルに留まっているのではないかなということも感じております。まだ各論、具体論が必ずしも十分行なわれていないということなのではないかなと思っております。

    まあここ1、2年ですね、日伯間の人の往来、特に日本の主要企業のトップの方々のご来訪が非常に多くなっていますので、このままでもですね、我が国における対伯関心は確実に高まっていくであろうし、さらに個別プロジェクトでも色々新しい話が、スケールの大きい話が出てきて確実に実を結ぶだろうと、そう思っております。

    それで現にですね、皆様よくご承知の通り、リオ-サンパウロ高速鉄道という両国関係に新しい時代をもたらし得るメガプロジェクトが今出てきていまして、役所サイドとしてもですね、日本企業連合のご努力を全面的にバックアップしているところでありますし、またデジタルテレビにつきましても、日伯官民のですね、緊密な協力と呼吸がぴったり合った連係プレーでですね、今南米大陸を中心に日伯方式の普及に努めているところでございますけれども、まあ皆さんご承知の通り、今年に入って、4月だったと思いますけれどもペルーが日伯方式の採用を決定したところであります。

    まあしかし、新幹線とか、このデジタルテレビでの成果がですね、というよりもこういった画期的な動きがあることが日本国内で良く知られているかというと、残念ながら必ずしもそうではありません。

    日本でもっともっと、最近のですね、日伯のプロジェクト、あるいは各分野のビジネスのポテンシャルをですね、知ってもらう必要があるということを私は感じております。そういう意味で、本日の部会長シンポジュームは現在日本で最も必要とされている情報を発信する、極めてタイムリーで有意義な場であったと私は思います。

    今日の会議の成果がですね、できる限り多くの、日本国内の企業あるいはその他の関係者によって共有されることを期待したいと思います。今後政府サイドにおける優先課題としてですね、4年間途絶えている首脳レベルの訪問外交をできるだけ早く実現し、二国間関係にさらなるモメンタムをつけることであると思っております。

    首脳レベルで最近の二国間関係の大きな進展を総括するということが非常に重要だと思いますし、さらに今後の関係のあり方について方向付けを行なうということが非常に重要になってきていると私は考えています。

    皆様にもですね、ぜひ応援団になっていただいて、本社ベース、あるいは経団連ベースでですね、声を大にして首脳外交の必要性を民間サイドからアピールしていただければと思います。よろしくお願いします。

    最後になりましたが、こういう機会を設けていただきました田中会頭、それから近藤総務委員長、平田事務局長をはじめとするブラジル日本商工会議所の皆様に心から御礼を申し上げて、私の講評に代えさせていただきたいと思います。今日はありがとうございました。

    司会
    島内大使有難うございました。続きまして在サンパウロ日本国総領事館大部総領事にご挨拶いただきたいと思います。

  • コメント 大部一秋総領事

    大部でございます。今日は部会長シンポジュームの下半期の展望に向けての分析、本当に有難うございました。島内大使の方から非常に意味のある有意義な、大事なお話も含めてございましたので、私の方からは特段申し上げることはありません。

    ただ、やはり全体としてみて、今回の分析で底を打って上向いてきているという、まあ斑模様ではありますけれども、そういう様子が伺えて非常に心強い限りでした。まあ、自動車、ペトロブラスの17兆、それから中国、それから国内の購買力の大きさと、この辺りが強気の材料になっているのだと思いますので、この辺りの先行きをよく見ていきたいという風に思っております。本日は本当に有難うございました。

  • 閉会の辞 近藤正樹総務委員長

    大部総領事どうもありがとうございました。各部会の皆様、今回ご協力、労作どうも有難うございました。正確で生きた情報が盛りだくさんで、内容の濃い、実りの多いシンポジュームであったと思います。

    次回は6カ月後、来年2月となります。カーニバル前、大体一週間ですかね、来年はカーニバルが2月中旬でございますので、おそらく2月の上旬になると思いますけども、予定しております。さらに明るく、前向きな話題がたくさん出るものと期待しております。

    さて1点連絡事項です。この後カクテルパーティーを用意しております。18時から19時、1時間ですね。お時間ある方はぜひご参加いただき、引き続き情報交換、懇親を深めていただければと存じます。予約されてない方も大歓迎です。費用は50レアルです。以上です。本日はこれにて閉会いたします。長い時間どうも有難うございました。


開催日:2009年08月18日(火)

会場:ホテル ソフィテル

時間:午後2時から6時

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