2012年上期業種別部会長シンポジウムに記録更新の170人が参加して開催

総務委員会(伊藤友久委員長)並びに企画戦略委員会(澤田吉啓委員長)共催の 2012年上期業種別部会長シンポジウムに、記録を更新する170人以上が参加して、2012年2月14日午後1時から6時30分まで、シーザービジネス・パウリスタホテルで開催された。

初めに近藤正樹会頭が開催挨拶として、商工会議所のメインイベントの業種別部会長シンポジウムは、部会活動の大きな柱であり、今年は副題として【景気減速が日伯経済関係に与える影響(保護主義への対応、企業進出・M&A・貿易動向等)及び日本政府への要望】を付け、 15日の官民合同会議で議題として取り上げて、官民一体となってビジネス環境整備のために、優先順位を決めて議論することが肝心であり、また11部会の昨年の回顧と今年の展望は、非常にビジネスを展開していくうえで、役に立つので活用してほしいと述べた。

初めに、国際公共政策研究センター(CIPPS)の田中直毅理事長が、「世界経済の動向およびブラジル経済の景気動向調査協力願い」をテーマにした基調講演では、ユーロ危機による日本の今後の政策転換が始まっていること、消費税の引上げの時期、ユーロ情勢が日本に与える影響として、ギリシャの国債価格の利上げによる国際金融ゲームの開始、日本の国債価格の金利上昇による利払い増加の可能性と影響、ドイツのユーロ維持のための救済の可能性、ドイツ中央銀行から欧州中央銀行(ECB)への貸出の可能性、深刻な財政危機に陥っているギリシャが、ユーロ圏から離脱する可能性と影響、中国の統計の信ぴょう性などについて説明。また「ブラジル経済の景気動向アンケート調査協力願い」では、スライドで「中国11月調査集計結果 景況感推移」、「中国11月調査集計結果 クロス集計」、「中国11月調査集計結果 時系列分析」、「ブラジル「写真機」プロジェクト 調査票サンプル」を例にとって、今後のアンケート調査への協力を依頼した。


金融部会は遠藤秀憲部会長が、ブラジルのマクロ経済の推移、Selic金利と為替の推移、クレジット残高推移、今年の世界経済やブラジル国内の経済政策、ブラジルの各種保険の推移、再保険市場などについて説明した。

コンサルタント部会は都築慎一部会長が、最近のブラジルにおけるM&Aや投資の際の留意点として、買収及び合併の取引件数の推移、主要な買収取引ならびに傾向と特徴、買収が多かったセクターとして情報産業、石油化学並びに食品、ブラジルへの国別直接投資並びに内訳、日本、韓国並びに中国のブラジルへの投資の動向などを説明した。

自動車部会は末一義部会長代行が、四輪車・二輪車の販売状況、生産/輸出状況、輸入ライセンス発給問題、メキシコとの自動車貿易問題、クレジット形態、IPI引上げによる影響や業界の投資などについて説明した。

電気電子部会は篠原一宇部会長が、家電製品の販売推移、デジタル技術革新による薄型テレビやスマートフォンの普及、全国電気電子製品メーカー協会(Eletros)が、抱える課題や加盟企業、同協会のブラジル政府への提案・要望事項などを説明した。

機械金属部会は西岡信之部会長が、部会8セクターの昨年の回顧と今年の展望、ペトロブラスのプレソルト関連投資、高金利政策やレアル高の影響、 社会インフラ部門の拡大、産業保護政策採用や金利低下による内需拡大などについて説明した。

貿易部会は伊藤友久部会長が、主要商品別輸出入、ブラジルの主要国別輸出入額並びに内訳、国別対内直接投資並びに内訳、対日貿易、ヨーロッパの財政危機の影響、保護主義政策採用による輸入の動向、継続する第一次産品を中心とした輸出などについて説明した。

化学品部会は藤下温雄部会長が、16セクターの回顧と展望、売上・利益の増減並びにパーセンテージ、副題の「景気減速が日伯経済関係に与える影響」として、保護主義政策と円高阻止や法人税カットなどについて説明した。

運輸サービス部会は岐部ルイス部会長が、物流業界全体並びに各セクターの回顧と展望、改善されない空港・港湾インフレ、人材不足並びに人件費の高騰によるコスト高、好調が期待されているワールドカップやオリンピック開催による旅行やホテル業界などについて説明した。

繊維部会は岡田幸平部会長が、統計リストを用いて国際・国内原綿の推移、綿糸貿易、ブラジル国内の綿花生産、記録を塗り替えた昨年の綿花の国際価格と今年の予想、服地の小売販売の動向などについて説明した。

建設不動産部会は三上悟部会長が、サンパウロ圏集合住宅販売軒数の推移、主要都市での新築住宅販売軒数、サンパウロの住宅家賃と世界主要都市との比較、住宅建設価格の上昇率の推移などについて説明した。

食品部会は石嶋勇部会長代行が、トピックスとして固形廃棄物法の対応やスキーム、部会各社の動向、輸出並びに原料価格の動向、レアル高とヨーロッパの債務危機の影響などについて説明した。

在サンパウロ日本国総領事館の大部一秋総領事は、講評でシンポジウムは回を重ねるごとによくなってきている、2010年のブラジルのGDP伸び率は7.5%を記録して行け行けであったが、昨年はインフレ懸念やヨーロッパの債務危機の影響はそれほどなくて、多くの業種が順調であった、また今年は経済状況が単純から複雑になってきているので、対応はきめ細かくしなければならないが、非常に貴重な話が聞けたと述べた。

在ブラジル日本国大使館の荒木要参事官はコメントとして、11部会から多岐に亘る話が聞けた、ブラジリアに来るまではグローバル化に伴う経済、社会、ガバナンスの課題に取り組む国際機関である経済協力開発機構(OECD)で勤務していたが、経済が好調なブラジル人がうらやましい存在であった、そして来てみると素晴らしい経済状態が確認できた、明日の官民合同会議では、業界の問題点や共通する問題点などを議論して、ビジネス環境整備やビジネスチャンスなど官民一体となって意見交換をしたいと述べた。

最後に澤田吉啓企画戦略委員長は、閉会の辞で170人が参加して記録を更新できたことへ、委員会を代表し部会長や関係者にお礼を述べた。また今後も委員会として、イベント、セミナーや研究会の開催を積極的に行っていくと述べた。

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開催挨拶を行う近藤正樹会頭 (Foto: Rubens Ito)

左から司会の澤田吉啓企画戦略委員長/伊藤友久総務委員長

左から大部一秋総領事/近藤正樹会頭/田中直毅理事長

会場一杯の170人以上の参加者

会場一杯の170人以上の参加者

前列はシンポジウムの発表者

前列はシンポジウムの発表者並びに専任理事

在ブラジル日本国大使館の荒木要参事官

関係者がそろって記念撮影

 

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