2014年下期 業種別部会長シンポジューム日時: 2014年8月21日(木)
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司会 上野秀雄 総務委員長
左は後半司会の岡省一郎企画戦力委員長/右は前半司会の上野秀雄総務委員長
皆様こんにちは。時間が参りましたので開催させていただきたいと思います。
皆様こんにちは。本日はお忙しい中、2014年下期業種別部会長シンポジュームに多数ご参加くださいまして誠にありがとうございます。本日はお陰様で、ただ今まだ集計中ですけど、約170名ほどの方々のご出席をいただいております。どうもありがとうございます。私は前半の司会を務めさせていただきます、総務委員長の上野です。また、後半の司会は企画戦略委員長の岡さんにお願いしております。最初に本日のご来賓をご紹介いたします。在サンパウロ日本国総領事、ブラジル日本商工会議所名誉顧問の福嶌教輝様にご出席いただいております。総領事ありがとうございます。総領事には部会発表の終了後、ご講評をいただく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。また、在ブラジル日本国大使館から参事官の小林和昭様にもご出席をいただいております。小林参事官にはプログラムの最後にコメントをいただく予定です。よろしくお願いいたします。
それでは、はじめに藤井会頭よりご挨拶をお願いいたします。
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ブラジル日本商工会議所 会頭 藤井晋介
皆さんこんにちは。藤井でございます。今日はかくも多数ご参加いただきまして誠にありがとうございます。また特に、先程ご紹介ございましたですけれども、お忙しい中、福嶌総領事、またブラジリアの方から小林参事官の方にはわざわざご出席賜りまして、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。
毎年恒例でですね、年に2回開いておりますこのシンポジュームでございますけれども、最近はですね、大統領選ももう間近に迫ったということで、先日のエドゥアルド・カンポス候補のですね、飛行機事故による悲惨な死というのを受けて、大統領選もまあもういっぺん各候補とも戦略を練り直すというところかと思いますけれども、特にですね、色んな報道を見ていましても、カンポスさんの死去によって新たに候補に出てきたマリーナさんの大変話題が多くて、まあ我々経済界の人物としては色々、マリーナさんが出て来るとですね、以前は産業界にとっては大変大きな激震になるんじゃないかというような不安の声が多かったわけですけれども、ここにきて色々ご本人のご発言や財界の方々のお話を聞いてもですね、大変良い、経済通のですね、ブレインの方をもっていらっしゃるので、思ったほどですね、それほど心配することはないんじゃないかといったところが色々報道に多くなされているところじゃないかと思います。
まあその辺の大統領選につきましてはですね、まあ最後にですね、率直なところを福嶌総領事ないしは小林参事官の方からですね、お教えいただければ大変ありがたいなというふうに思っていますけれども、まあそういう大統領選が期近に迫ったということで、どっちかというと経済の方があまり取り上げられていないんですけれども、実感としましてはですね、私なんか思いますに、大統領選の陰には隠れるようにはなっているんですけれども、このところマクロ経済指標を見ましても、やはりずっとこう悪化が続いているということで、このまま行ったら本当にブラジルの経済はどうなっていくんだろうなというふうに大変心配しているという状況でございますので、まあ今日ですね、このシンポジウムで皆様方、経営の舵取りをなさっている方が多いと思うんですけれども、普段はあまりお付き合いのない他の業界の方々のですね、コメントなり分析なりを聞いていただいて、今後の経営のお役に立てていただければこんなに幸いなことはないと思っております。
今日11部会の方々の方からプレゼンをいただきますけれども、それぞれに準備等大変だったと思いますけれども、何卒、ちょっと長い間でございますけれどもプレゼンテーションの方もよろしくお願い申し上げます。それではこれから1日よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
司会
藤井会頭どうもありがとうございました。さて、本日の業種別部会長シンポジュームですが、テーマは2014年上期の回顧と下期の展望です。副題としまして「どうする日伯関係 -ビジネス環境改善に向け、いま為すべきこと-」を設定いたしました。各部会長ならびに部会員の皆様にはこのテーマに沿って部会懇談会を開いて活発な討議をされ、本日の発表に備えられたことと思います。各部会長、部会の皆様のご尽力、ご協力につきまして厚く御礼申し上げます。
本日は11の部会より発表していただきます。ほとんどの業種を網羅していて、いながらにしてブラジルビジネス最前線の様子や課題が見えて来ると思います。部会長の皆さんも張り切ってスタンバイされておられます。途中コーヒーブレイクを挟んで6時までの長い時間ですが、どうぞ最後までお聞きいただきますようお願い申し上げます。
それでは最初のプレゼンテーションをお願いしたいと思います。トップバッターは金融部会です。酒井部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
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金融部会 酒井浩一郎 部会長
どうもありがとうございました。それでは張り切ってですね、やらさせていただきたいというふうに存じます。金融部会の酒井でございます。本日はよろしくお願い申し上げます。
では早速ですけども、金融部会より、今上野様からもご説明ございました2014年上期の回顧と下期の展望というテーマで、マクロ経済、それから銀行業界、保険業界についての発表をさせていただきたいというふうに思います。
今年2月にも私このような席で、シンポジュームで2014年の展望ということでお話しさせていただきました。その時には、引き続き景気低迷が続くというご説明だったんですけども、今回ですね、金融部会の方でも色々な議論をさせていただいたんですが、やはり、今藤井様からもお話がございましたが、ブラジル経済を取り巻く環境は非常に厳しい状態が続いておりましてですね、まあ残念ながら今回も、非常にバラ色のメッセージを送るということは残念ながらできないということになろうかと考えております。ではスライドを。
まず最初にですね、2014年の上期のブラジル経済を簡単に総括させていただきますスライドがこちらでございます。こちらでもまとめさせていただいてますが、まあ経済は低迷、インフレ率は高止まり、それから経済収支は大幅赤字のまま。それから先般Camaraの昼食会でもお話がございましたがS&P社が格下げをするなど、まあ非常に好ましくないニュースばかりが上期、目についてございます。
そういった中で、一番上にございます、例えばGDPについてでございますが、その中の工業生産につきましては国内の設備投資の減ですとか、自動車販売、こちらの方も非常に厳しい状況。それからアルゼンチンの債務返済問題。通貨規制に伴う輸出減により工業生産が減少、といった状況がございます。また個人消費、頼みの綱と申しますか個人消費の方もですね、力強さというのを欠いておりまして、全体として経済は停滞していると言わざるを得ないのかなと考えております。
インフレにつきましても、レアル安や、あとエネルギー価格の上昇等によるインフレ圧力に対しまして、その結果ですね、公共料金やガソリンの価格の凍結によりまして、かろうじて中銀目標の上限である6.5%近辺にとどめているという状況でございます。
また金利につきましても、こちらやはりインフレ対策ということもございまして、11%まで引き上げられました。こういった景気の低迷感、インフレ対策のための、まあ高金利政策というんですかね、こちらを維持せざるを得ず、ブラジルにとっては全体的に非常に厳しい状況に陥っているということかと思います。次のスライドをお願いします。
若干ちょっと個別にご説明させていただきたいと思います。まずGDPでございます。一番上に書いてございますが、2014年第1四半期は前年同時期1.9%になりました。ところが第2クォーターにつきましては、まあ期待されたワールドカップの開催がありましたが、その影響が逆に悪影響になっていまして、工業生産の大幅な落ち込みによりましてマイナス成長が見込まれていると言われております。まだ実績値が発表されておりませんが、前年同時期に対比で若干のマイナス、0.1%の、ただマイナス成長になったというのが見通しになってございます。
貿易収支につきましては、まあ資源価格の低迷、ブラジルにとってはこれは非常に厳しいわけなんですけども、が影響いたしまして、マイナス1.6と書いてございますが、US$1.6billionでのマイナスということで、これは2013年上期も同様であったんですが赤字ということになってございます。
それに伴いまして経常収支も、ちょっと見づらくて恐縮でございますがUS$43.3billionの赤字となっていまして、赤字の額が非常に大きなものになっております。次のスライドをお願いいたします。
さらにもうちょっと細かくご説明させていただきたいと存じます。このグラフは工業生産の推移でございます。青い線が前年比なんですけども、見てお分かりの通り特にこの直近の、右の端の方ですね、グラフが大きく下に下がっているのがご理解いただけるかと思います。14年の3月以降、4ヶ月連続で前年実績を下回っている、ゼロより下になっておりまして、下回っているという状況になってございます。
こちらはですね、特に6月はワールドカップの影響によりまして営業日が、日数が減ってしまいましたので、その影響もありまして対前年比6.9%減と、特に6月は大幅に落ち込みまして、これは2009年のリーマンショックの時の最悪の数字に匹敵するものとなってしまいました。この結果、上期全体、累計でも対前年比2.6%の減の工業生産ということになっております。
それから業種別、セクター別にに見てみますと、全26セクターのうち、まあプラスのものは情報機器関連等の8セクターにとどまりまして、26のうち18セクターはマイナスとなっております。この後また詳しいご説明がありますけれども、特に落ち込みが激しかったのはやはり自動車等の輸送機器で、対前年比マイナス16.9%程度というふうに言われております。次のスライドをお願いいたします。
続きまして小売売上高のグラフでございます。こちらはですね、いわゆる個人消費の伸び率の推移を示しておりますが、ご覧いただきますと、赤い矢印をつけさせていただいておりますが、右に向けてなだらかにですね、落ちておりまして、やはりこれも伸びが鈍化していると言わざるを得ないのかなというところでございます。
これ、何で落ちて行くのかと、色んな理由あり得ると思うんですけども、やはり家計におけます借入率とか返済負担の増大、またクレジットの審査が厳しくなりまして伸び率の減少等が挙げられるかと思います。次のスライドをお願いいたします。
このグラフは家計に占めます借入率の比率を示したものになってございます。上の方の線グラフと下の棒グラフがございまして、上の45.7と書いてありますのが、借入比率と言っていまして、月の給与に占めるある家庭の借金の累計、合計額というんですかね、それが毎月給与のうちの45.7%がまあ借金としてのしかかっていると。ただ下の方の棒グラフの21.4とございますが、これはその毎月の返済金ですね、給与に占める返済金の率、まあ元本と利息それぞれ色に分かれて書いてございますが、こういったものになってございます。要はこちらもですね、右肩上がりで上がっていると、これはあまり良いことではなくて、個人消費にとって良い話ではなくて、まあ3月末時点で45.7%、累計の借金がですね、借金の率が。それから、あとこういった借金の率が増えますとクレジットによる購買がやはり審査も厳しくなりますので、難しくなる状況というのがこれを見ても良く分かるということになろうかと思います。次のスライドをお願いします。
続きましてインフレについてでございます。インフレの内訳、ちょっと若干細かい数字が並んでおりまして恐縮なんですが、右の方に赤丸がついてございますけれども、まずいわゆる全体を示すCPI、消費者物価指数ですね、こちらが6.5と書いてございますが、これは中銀ターゲット上限の6.5%ということでなってございます。
それからあと、一番上の8.4というのが丸で囲まれてございますが、こちら紫色の線になって、まあ例年これ高いんですけれども、こちらはサービス業を示すものになっていまして、こちら例年、まあ見ていただきますとずっと高いわけですけども、やはり高い数値を維持しているということになっておりまして、まあこちらが構造的に物価上昇圧力の大きな要因になっていることが見えます。
それからですね、今年に入りまして、青色の線、ちょっと下の方にございますけれども、赤で矢印もかけてありますけれども、青色の線のRegulated Price、これは何かと申しますと、例えばガソリン価格ですとか、まあいわゆる政府が価格をコントロールしていくものの価格が上昇しております。やはりこちらはですね、エネルギー価格の上昇ですとか、電力のスポット価格の上昇等が影響しているということでございます。次のスライドをお願いいたします。
続きまして金利と為替についてでございます。金利につきましては、皆さんご存知の通り、2013年の4月以降ですね、まあインフレですとかレアル安の防止のために、段階的にですね、Selicを7.25から、今ですと11%、下の方にございますが、段階的に合計3.75%引き上げられてきております。
また、最後横になってございますが、やはり景気への悪影響などを意識いたしまして、今年の2014年4月で引き上げをストップしています。従来レアル安の対策につきましては、金利の引き上げですとか、あと通貨のスワップによる介入で行なってきていますが、やはりこれ以上の金利の引き上げというのがまあ難しくなっておりますので、現在は通貨スワップによる介入というのがレアル安対策の主要な手段となっているということでございます。
それから為替でございますね、為替につきましては1月に、赤丸でも書いてございますが、1ドル=2.426レアルをつけたんですけども、その後は継続的な介入によりまして今2.2レアル前後で安定しているということが見て取れます。では次のスライドをお願いいたします。
続きましてプライマリー収支についてでございます。そもそもプライマリー収支とは何なのかということもあるかと思いますが、これは国のですね、財政支出の状況を示す指標であります。グラフを見ていただきますと、2011年以降ですね、黒字幅が段階的に、赤の矢印で示しています通り、低下していることが分かります。2014年は景気低迷に伴う税収の減ですとか、逆に景気刺激をするために伴う財政支出の出動によりまして、さらに悪化しまして、ここでは1.5となっていますが、1%台前半に落ち込むという見込みということになってございます。では次のスライドをお願いいたします。
続きまして失業率でございます。見ていただきますと、ちょっと見づらいかもしれませんが、5%台ということで非常に低い水準を記録しております。まだこの記録上大幅な上昇はないんですけれども、やはり先程から申しております工業生産の低迷等によりまして、製造業の現場では求人が減少していたりとか、また一部ではレイオフなども始まっているということも言われておりまして、まあ今後はこの失業率も上昇していくことが予想されております。では次のスライドをお願いいたします。
こちらですけども、経常収支と直接投資というふうに書いてございます。ちょっと見づらいんですけども青い線と赤い線がございまして、青い線が経常収支ですね。これは経常収支の赤字幅の実額を示しております。それから赤い線は直接投資、こちらは黒字幅を示しております。2013年のところでクロスしておりますけれども、直近のところでですね、資源価格が非常に低迷していることによりまして、ブラジルにとりましては貿易収支が悪化することになりました。
それに伴いまして、当然なんですが経常収支の赤字幅が拡大いたしまして、直接投資を上回る状態になっております。ですからこのグラフでもお分かりの通りですね、まあそういう状況になっておりまして、その結果外貨準備高については大幅な経常赤字でも減少していないという状況でございます。
この経常収支の赤字を埋めておりますのは、まず直接投資なんですけども、さらに足りない部分というのを国債や株式投資の証券投資で埋めているのが現状でございます。ただしこういった短期の投資資金につきましては、なにしろ逃げ足が速いと言いますか、状況によって逃げ足が速いと言われておりまして、今後ドルの金利上昇やそれに伴うレアル安によって国外に流れ出てしまう、還流してしまう可能性がありまして、これについては常に注意が必要であるということが言えます。次のスライドをお願いします。
今のお話で出ましたこちらが外貨準備高でございます。外貨準備高というのは何を意味するかというと、まあ通貨当局が為替介入に使用する資金である以外にですね、通貨危機ですとか、他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合に使用するまあ準備資産ということで、非常に大事なものなんですけども、外貨準備につきましてはご説明の通り経常赤字にも関わらず引き続き増加しておりまして、対外債務に対して115%ということでブラジルにおきましては十分な水準を維持しております。次のスライドをお願いいたします。
ソブリン格付についてでございます。このソブリン格付というのは何なのかというところだと思うんですけれども、各国の中央銀行が発行する債券や債務に関わる返済能力やその返済の意思の高さを示していると言われております。これにつきまして、冒頭にもお話しさせていただきましたが、今年の3月にスタンダード&プアーズ社が、まあ景気低迷とか財政悪化を理由にブラジルの格付を1段階下げまして、BBBマイナス、投資適格級でまあ最も低いと言われているBBBマイナスになりました。ただし見通しにつきましてはネガティブから安定的に変更になっております。
ここまでが上期の振り返りということになりますが、非常にちょっと厳しい状況、数字等が続いているということが言えるかと思います。次のスライドをお願いいたします。続きまして2014年下期の展望についてお話しさせていただきたいと思います。先程藤井様からもお話ございましたが、下期には大統領選挙も控えておりまして、そういった中、中々こういった状況ですと大きな動きというのは経済界では期待できませんで、上期の流れがそのまま継続していくのではないかというふうに思われます。また逆にですね、大統領選までは投資を控える動きが続くこともありまして、GDP成長率につきましては1%を下回る0.8%での着地が予想されています。
続いてインフレにつきましてはですね、公共料金の凍結ですとかレアル高の誘導によりまして、まあインフレターゲット6.5%と申しましたが、そこに近い6.3%ぐらいでの着地を見込んでございます。
また金利につきましては、先程からのご説明の通り景気の低迷下ですね、インフレの圧力がある中、まあ上下とも動かすことは厳しいと予想しておりまして、11%での予想となっております。
為替につきましては、現在の中銀の介入によりまして安定しておりますが、マーケットでの予測では大体1ドル=2.35レアル近辺となっております。ただしこちらはまた大統領選の影響等でですね、どうなっていくのかは色んな要素がございますので注意が必要ということかと思います。
それから財政につきましては、先程プライマリーバランスにおいても説明させていただきました通り、景気低迷に伴う税収の減や景気刺激策に伴う財政出動、これによりまして、またさらに悪化しまして、中銀のFocus予想では1.3%で着地見込みということになっております。
労働市場につきましても、ご説明の通り失業率は歴史的に低い水準であったわけですけれども、これがやはり求人の減、レイオフにより反転して上昇が確実視されているということでございます。まあ失業の増加というのはその結果個人消費を冷やし、消費の冷え込みによりまして景気悪化、それからレイオフといった負のサイクルが心配されるというふうに言われております。
経常収支につきましては、資源価格の上昇というのは中々見込めないため、昨年並みの赤字が予想されているということでございます。次のスライドをお願いいたします。
こちらがですね、2015年以降の予想について金融部会各行よりコメントをいただいております。イタウさん、ブラデスコさん、みずほさん、三井住友さん、それから三菱東京UFJさん、そちらの方から見込みというかいただいておりまして、ちょっと細かい所は、ホームページでこれはご覧いただけますので。全体的な論調としましては、まあ残念ながら15年はインフレ対策のための引き締め気味の金融財政政策を採用、それに伴いまして大幅な景気回復は望み薄というものでですね、大統領選後の構造改革に期待するということかと思われます。次のスライドをお願いします。続きまして銀行業界の状況、その後保険業界の状況につきまして簡単にお話をさせていただきたいと思います。 まずこちら銀行業界の関連でございますが、こちら貸出残高の推移でございます。これ2014年5月のものになるんですけど、一番右に書いてございますが、前年の同時期16%に比べまして11%ということで、伸び率が鈍化しているということが言えます。法人・個人、細かくブレイクダウン、上の方に書いてあるんですけども、いずれも鈍化しているということが言えます。次のスライドをお願いいたします。
こちらはその貸出残高の対GDP比率でございます。こちらですね、まあ右肩上がり、2003年以降ずっと右肩上がりになっておりますけれども、ちょっと右端のところを見ていただきますと14年7月末の数字はまあ13年とほぼ横ばいになっておりまして、これだけでちょっと判断するのはあれかもしれませんが、まあ貸出が鈍化しているのかなということが読み取れます。次のスライドをお願いします。
こちらがですね、法人・個人別の不良債権の比率の統計でございます。緑のラインと赤いラインがございますが、緑のラインが15~90日の延滞、赤いラインが90日以上の延滞ということで不良債権比率ということになります。2013年まではですね、低下傾向だったんですけれども、ちょっと最後のところを見ていただきますとクッと上がってございます。この景気低迷のこういった中、あと失業率も上昇が見込まれる中、こういった不良債権比率も、良い意味じゃないんですけれども反転しているところがあるので注意が必要かというふうに考えております。次のスライドをお願いします。
続きまして保険業界についてご説明させていただきます。こちらにつきましては前回のこのシンポジュームで、非常に良いということで、福嶌様からもちょっとお言葉いただいたんですが、やっぱり全体の景気の状況を踏まえまして、暗雲垂れこめ始めているというところが出てございます。
まず最初のスライドでございますが、こちら保険料の推移でございます。これを見ていただきますと全体で一番右の上、9.6%の増ということになっているんですけれども、この後直近のデータがありまして、この9.6が多分7.8ぐらいになっていくだろうというのが直近出ておりまして、さらに色んな経済指標が出て来るところを見ると今後ともこの数字というのは注意が必要ということが言われております。次のスライドをお願いします。
こちらが損害率ですね。保険料をお預かりしまして事故があってお支払いする時の率なんでございますけれども、一番上、自動車保険、一番大きなボリュームなんですけども、1.9%とございますけれども、ほぼ、一番下を見ていただけますと0.4%ということで、横ばいになっているということでございます。まあ当地、保険会社非常に数が多くございまして、競争の激しい中、保険会社もぎりぎりのところで競争を強いられているという状況かというふうに思います。次のスライドをお願いいたします。
最後に、これはまだ成長の統計というのが出ていなくて、これはちょっと前のものになるんですけれども、まあ非常に、見ていただきますとお分かりの通りですね、バラ色のような、どんどん伸びている形になっているんですけれども、やはり今日私からご説明させていただきましたブラジル経済の不透明感とかですね、自動車販売、新車販売の停滞ですとか、個人消費の落ち込み、まあこういったもので保険業界を巡る環境の先行きは非常にやっぱり厳しいものになっているというのが直近の業界での見方ということになっております。非常にこれから、今までは良かったんですけれども、苦戦になるんじゃないかというのが、各、色んな情報交換の場では言われているというところでございます。
すいません。冒頭の説明ということで、やや、マクロ経済ですとかこういった状況について個別に説明するとちょっとつまらないプレゼンになってしまいましたけれども、私のパートはこちらで終わりにさせていただきたいと存じます。どうもありがとうございました。
司会
酒井部会長どうもありがとうございました。若干時間ございますので、ご質問、あるいはコメント等おありの方いらっしゃいましたら挙手をもってお願いいたします。藤井会頭、お願いいたします。質問
(※マイク音声がなく聞き取り不能)酒井部会長
非常に高度な質問で、私も正直申しまして、にわか勉強してきてはいるんですけども、大統領選による、まあ皆さんもうすでに色んな勉強されていると思うんですけれども、何とも言えないというのが、色んなものが事前の勉強では言われておりまして、どうでしょうかその辺。ではちょっとすみません、副部会長会社のみずほ銀行の加藤様、よろしいでしょうか。加藤副部会長
副部会長の加藤です。まさにご興味の一番ある点だと思いますが、非常に難しいと思います。一般的な話ということで、この点については特に部会で突っ込んだ議論もしていませんので、まああくまでも私の私見ということで受け取っていただきたいんですけれども、会頭のはじめのお言葉にもあったように、当初は相当マリーナさんに対しての懸念が強かった。これはつまりジルマとマリーナ、その間の選択というのは、これはもう最悪の選択なんじゃないかというふうに言われていまして、どちらを取ってみても証券市場にとっても資金の市場にとっても非常に悪影響を及ぼすだろうというのが大方の見方だったと思います。で、ここへ来て、多分それをですね、十分に意識した発言をしているので、両者ともですね、相当、経済への行方あるいはブラジルの格付維持に関するまあ配慮ということもあって、相当そこら辺の発言には注意をしているということなので、ちょっと見方は変わってきているのかなというところはあります。
ただ、一つ言えるとするとですね、当初のジルマ対ネーベスさんなりカンポスさんという分かりやすい構図、どちらが勝てばブラジルの経済に悪影響、カンポスあるいはネーベス陣営が勝てばブラジルの経済に一般的には良い影響という、黒・白のはっきりとした対比の構造が崩れたので、あるいは崩れかけているんじゃないかと思いますので、その意味では、前であれば非常に資金の流入も悪影響になって、あるいは為替も良くないというふうに思っていたんですけれども、現在ではもうちょっと見てみないと分からないのかなというのが、これは正直なところです。こんなところでどうでしょうか、会頭。
司会
藤井会頭よろしいでしょうか。そうしましたらこれで金融部会さんの発表を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。もう一度拍手をお願いいたします。続きましてコンサルタント部会の発表に移らさせていただきます。関根部会長どうぞよろしくお願いいたします。
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コンサルタント部会 関根実部会長
コンサルタント部会は色んな職種の人の集まりなんですけども、ただ今ご紹介がありました通り、今年の上期は景気がスローダウンしまして、まあ全般的にそれぞれの職種で動きが鈍かったと。ブラジルへの直接投資ないしはM&Aアドバイザリー業務につきましては、案件そのものはありますんですけども、その成約のスピードが鈍ってきております。
人材リクルート業におきましては、先のワールドカップサッカーでもって日本からのご出張の方の通訳というような特需的な仕事が入りましたですけれども、新規設立の会社が減っておりまして、既存の人材の入れ替えというようなところに仕事がとどまっているわけで、顧客数を広げないといけないということで、リクルート業につきましては日系のみならず純ブラジル系の企業にお客様を広げつつあるというところでございます。
証券投資のアドバイザリー業務につきましては、今年の上期はブラジルのBOVESPAに新規上場する企業が一つもなかったと。年初から3月中旬まで株価が一貫して下げに準じまして、非常に不調に終わりました。3月中旬にようやく株価は底を打って、現在回復基調にあるというところでございます。
で、どうしてまあこういう、ビジネス環境が悪化したのかということで、コンサルタント部会内でディスカッションしました。外部環境と内部環境とを分けた意見のすり合わせをこれからご報告申し上げます。次のスライドをお願いします。
1991年にソビエト連邦が崩壊しまして、以降、グローバリゼーションということで世界のマーケットが一つになるであろうと。ちょうどIT技術、インターネットの普及で急速に進んできたわけですけども、今年に入りましてこのグローバル化に中断がかかったと。逆に経済のブロック化が世界で起きて、そのブロックの間でそれぞれ経済制裁を行なっているというのが今年の新しい特徴です。で、ロシアにおきましては、かつてのソビエト連邦の一部の国を巻き込んでユーラシアユニオンという関税同盟を作っております。ここら辺を背景にして現在ウクライナおよびクリミアで危機が起きているわけです。
アジアにおきましては、中国が今や世界第2位の経済大国で、韓国をも巻き込んで東アジア、南アジアでもって覇権主義が露骨に出てきております。領土問題では日本とは尖閣諸島、フィリピンおよびベトナムの海域では領海問題のフリクションが起きているわけです。
で、ブラジルはインドと共にこれらのブロックには属さないその他の大勢の諸国の中に属すると思いますけれども、このその他諸国のブロックにおきましても、中東におきましては現在ガザで戦争状態にあると。イラクの中では内乱が起きている。イランにおいては反グローバル化の動きの制裁として引き続き経済制裁が行われているわけです。
今年のはじめにIMF、世銀が発表した今年の経済成長率の予想としましては、まあ全世界では3.2%、ブラジルについては2.3%という非常に楽観的な見通しを出しておったわけなんですけども、こういうあまり想定していなかった急転が世界の経済に変調をきたしているという、まあ悪い外部環境があります。次のスライドをお願いします。
1944年以来、第2次大戦後の国際経済の秩序というのはIMF、世銀を中心にして行なってきました。アメリカおよび西ヨーロッパが中心になりまして、その後日本も加わって、IMF、世銀の下に欧州復興開発銀行、米州開銀、アジア開銀、これが戦後ほぼ70年間秩序を保ってきたわけです。
ところが今年に入りまして、ワールドカップの直後、7月の中旬にフォルタレーザでBRICS5ヶ国の会議がもたれました。そこで中国が主導しましてBRICS開発銀行というものを新しく作るということが決まりました。その本部は上海に置くと。総裁はインドから選出するということが決まっております。
中国はアジアにおきましてもアジアインフラ銀行という構想を出しておりまして、まあ戦後70年間続いたIMF・世銀体制に対しましてまあいわば挑戦状をたたきつけたということでございます。BRICSというのはかつてゴールドマンサックスが言い出したことで、海外の投資家から見ての新興国の中の大国を示すわけですけども、まあ中国はこれを逆手に取って、新興国の中のリーダーシップを取ってBRICSという、まあ自らの結束を固めようとしているわけです。次お願いします。
次にブラジルの国内問題なんですけども、先程酒井さんから詳しい説明がありましたので簡単な説明にとどめたいと思いますけども、まあ図式化しますと、財政赤字、これが一番大きな問題でございます。先程もご紹介ありましたけども、プライマリー収支で1.9%、この達成がほぼ無理になってきていますけども、あまりこれを下げるわけにもいかないということで、ブラジル政府としては財政支出に直接影響のない国の銀行、BNDES、開発銀行、CAIXA ECONOMICA、貯蓄銀行を使って、政府系の銀行からの融資を増やしてまかなっていると。今回のワールドカップサッカーのサッカースタジアム、これもBNDESの融資でほとんどがまかなわれております。
この財政赤字を埋めるために赤字国債の発行を余儀なくされているわけです。11%の現在金利で、まあインフレが6%としても実質金利5%ということで、まあBRICSの中でも断トツに高い金利を払っているわけですね。このインフレは先程もご紹介ありました通り、非常に抑えてようやく6.5%近辺の数字になっていると。で、現在言われていますのは、価格統制がかかっている電力料金でもって20%、ガソリン価格においては15%。来年は政権がどの党になってもこの調整が必要であろうと言われております。
この財政赤字、インフレというブラジルの二つの大きな問題をどういうふうに何とか繕っているかというのが、このスライドの右下にAncora Cambialと書きましたですけども、Ancoraというのは英語のアンカー、船の碇という意味で、何とか国の経済指標を格好つけるために為替操作に頼っておると。具体的には中央銀行の先物市場への介入でスワップ操作を行ないまして、先物のドル売りレートを保証するので外資を導入しやすくしていると。
まあそれが故に我々の生活実感から見て、どう見ても高めであるレアル為替レートが出ておるわけです。このスワップ残高がどんどん増えているということで、まあ先程ご紹介ありました通りブラジルの外貨準備というのは3700、3800億ドル、非常に良い数字で横ばい推移しておりますけども、このスワップの残高が徐々に増えているということは、外貨準備の中身自体はだんだん劣化しておるということでございます。次のスライドをお願いします。
まあ外部要因、内部要因、非常に悪いんですけども、高いコストは払っておるとはいえ、一応ブラジルには外貨資金が入ってきていると。まあ我々ブラジルの中にいますとブラジルの悪い点ばかり目につくんですけども、改めて世界経済におけるブラジルのプレゼンスが比較的良いポジションにあるということを強調したいと思います。ちょっとおさらい的になりますけども、ブラジルの経済規模、GDPの規模は皆さんご存知の通り世界第7位です。次お願いします。
人口規模でいきますとブラジルは第5位。次お願いします。
面積で見ましてもブラジルは第5位と。世界の、195カ国今ありますけども、大国であることには間違いないわけです。次お願いします。
国の工業生産力を示す代表的な産業として自動車産業について見ますと、ブラジルはご存知の通り世界第4位の販売マーケットです。次お願いします。生産台数では世界第7位ということで、販売が4位で生産が7位ということはまだまだブラジルの自動車産業は伸びる余地があると言えると思います。次お願いします。
これは国連が発表しています人間開発指数、Human Development Indexというもので、一人当たりの国民所得、教育水準、健康・衛生状態、ここら辺をランク付けしたものなんですけども、まあ世界で人間として一番住みやすい環境の良いのはノルウェーと。オーストラリア、スイス、オランダと続いていますけども、日本は17番目です。BRICSを見ますとブラジルはロシアの次で81位に位置しています。インドは衛生状態が非常に悪いということもありまして135位と下の方に低迷しております。次お願いします。この表は国別の公共事業の汚職度ということで、ドイツのTransparency Intrenationalという機関が発行しているんですけども、公共事業を行なうに当たって一番クリーンな事業を行なっているのはニュージーランド。それからデンマーク、フィンランド、スウェーデンと北欧諸国が続きまして、日本はドイツとともに第14位、アメリカ24位。BRICSの中で見ますとブラジルは73位ということで南アフリカに次いでよろしいわけです。最悪なのはロシアで143位と。まあいかにあの国で公共事業に汚職が多いかという数字が出ております。次お願いします。
BRICS5カ国の中で今見たような数字を1表にしますと、こういうふうに、ブラジルは非常に良いポジションにおります。GDP、人口の経済規模で中国に次いで第2位と。自動車生産につきましては3位。人間開発指数、汚職の度合、これは第2位ということで、まあ我々が実感しているほどブラジルの世界におけるポジションというのは悪くないということが言えます。次お願いします。
前にもお話ししたことがあるんですけども、ここで改めてブラジルの政治・社会の安定性ということを繰り返したいと思うんですけども、既に始まっておりますけども、今年は総選挙で、ブラジルは直接選挙制の民主国家であると。そこら辺はロシアとか中国とは違って民主主義が一応確立しているということですね。
それから三権分立ができていると。ブラジルにおいて最高裁の判事はMinistroと呼ばれていまして、大統領が任命しておるわけで、まあその点若干司法の独立性には疑問はあるという議論はあるんですけども、一応三権分立ができていると。それから税制につきましては間接税主体で、複雑かつ高率ではあるけど一応税制が安定していると。で、ブラジルは移住者の国ですので、移住者が定住するように基本的には相続税、贈与税をかけないと。不動産あるいは会社の株式持ち分で相続・贈与する限りは税金がかかっていないわけですね。
それから労働者が安定しているということが特徴として言えます。ブラジルの労働法は我々がビジネスをするにあたって、まあ困っているわけですけども、労働者側から見てみれば過保護で非常に良い法律であると。1943年のバルガス大統領時代の労働法がいまだに有効なわけです。
それからサッカーとサンバと。これがブラジル社会の安定に寄与している。まあ今回のCopa do Mundoで我々実感した通りですけども、これ悪い言葉で言いますとポピュリズム政策で、サッカーとサンバがブラジルの国民を平静化するのに利用されていると。
もう一つ、大事な要素で、ここにはあえて書きにくいもので記載しなかったんですけども、ブラジルにおいては軍部の力が弱いということはブラジルの安定性に非常に寄与していると思います。85年に軍政から民政に移管されまして、軍部の力は弱くなっておりまして、今回タイで見られたような軍事クーデターが起きる心配はもうないわけです。次お願いします。
最近20年間、BRICSの中で見ますとブラジルの平均成長率というのは年間3%程度にとどまっております。中国、インドに対しまして、まあその半分にも満たないということで、大国、大きな市場で、潜在成長力があることは間違いないので、いかにしてその潜在成長力を引き出していくかという方策なんですけども、過去12年間PT政権は所得の再配分という政策を採ってきております。
これはこれで所得階層のD層E層という下の階級を中間層のC層に上げて消費マーケットを拡大したと。消費刺激策としては成功してきたわけですけども、まあ12年間もやってきて、そろそろ配分だけじゃなくて所得そのものを増加していくと、経済成長政策を採っていくべきではないかと。まあ成長あっての分配と言えると思います。
そのためにはブラジルが従来採っている唯一の産業政策、国内の産業保護政策から重点産業を選び出して、成長政策を採っていくべきだろうと。そのためには教育、ブラジルは普及してきましたけども、今後のその教育の質の向上を行なって労働生産性を上げて、産業の高度化に対応できるようにしないと国際市場には出て行けないということです。次お願いします。
具体的にはブラジルコストの削減をしていくということですけども、これはすでに当会議所におきましてもワーキンググループを作って個別に具体的なアクションを起こそうとしております。
インフラ整備につきましてはもう説明することもないかと思います。で、非関税障壁、これを提言してほしいということですね。現在ブラジルの商工開発省はSISCOMEX、SISCOSERVというシステムを持っていまして、これ我々が日常事務負担で困っていることなんですけども、物あるいはサービスの輸出入に対しましてインボイス一件ずつデータを細かくインプットしなければならないというシステムが大変な負荷となっております。工業製品につきましては INMETROの事前登録が必要と。医療関係につきましてはANVISAの事前承認を取らないと新製品の生産・販売ができないという、非常に規制が強くなっております。
それから税制改革。これは私ども税務処理の事務負担で頭を悩ませているところですけども、まあすでにブラジルの民間の経済学者の中でもこのどうしようもないブラジルの税制は簡素化しなきゃならないという税制改革案が出てきておりまして、まあブラジルの中でもようやくそういう方向が出てきた良い兆候かと思います。まあ国税、州税、市税と入り乱れているわけですけども、税制改革はまあ時間はかかるけれども、国税一本に絞っていこうという考え方です。
それから労働形態の弾力化。まあ1943年以来の労働法を弾力化して、世界の趨勢であるパートタイマーも導入しての労働市場、弾力化していく必要があるということですね。
それから政策金利の低下。為替市場の介入。これは金融市場への国の過度の介入を減らして、市場原理を生かしてもっと自由競争を行なわないと、まあリアリスティックな為替レートも出てこないと。金利の本当の低下もあり得ないということですね。で、ここら辺を総合しまして、PortuguesでDescentralização、英語でDecentralization、分権化がブラジルは必要であるということがブラジル自身から最近出てきております。ブラジル人自身もブラジルコストの削減を言い始めているということでございます。次お願いします。
そこで、この下期のビジネス環境なんですけども、不確定要因としましてこの10月5日の総選挙。第1回の投票では大統領は決まらず、決選投票上位2者で行われそうですけども、大接戦が予想されておりまして、まあ選挙の結果を見極めるまでは生産者側は大きな投資は行なわないと。消費者側も不動産、耐久消費財の購入は様子見で控えるという状況で、ビジネスはスローダウンすることはやむを得ないかと思います。
ブラジルの金融マーケットにおきましては、この選挙関連で政権交代を督促するような相場付きになっていくのではないかと思います。事実、ジルマ現大統領の支持率が上がると株が下がる、逆に支持率が下がると株が上げるというような動きが出てきておりまして、まあ株価に債券市場、為替市場も連動しております。
ブラジルの選挙は世論調査機関としてIbope、Data Folhaという大きな調査機関がありまして、これの影響が非常に強くてですね、まあ今のところジルマ大統領がリードしていますけども、選挙間際までですね、段々差が縮まって選挙直前ではおそらくイーブンになるような予想が出るんじゃないかと思います。先ほどもご意見が出ましたですけども、結果を見るまでは中々予断を許さないというところですね。次のスライドをお願いします。
以上、結論なんですけども、まあ世界的に見て、地政学リスク、今年のキーワードはこのGeopoliticsという、地政学ですけども、それはブラジルはない大きな大国であると。世界中195カ国のうちこれだけ大きなマーケットはそうはないということで、重要なマーケットであることには揺るぎがないわけですね。そこで我々コンサルタントとしても投資をぜひ勧めていきたいんですけども、まあ大きなマーケットには大きな投資がもちろん良いわけですけども、いきなり大きな投資から入れない場合は小規模投資、ニッチな投資から始めるべきかと。
ブラジルのマーケットは先ほど申し上げました通り、税制管理等で非常に事務コストがかかります。従って中規模の、まあ悪い言葉で言いますと中途半端な投資ができない市場ですね。まずは小規模でもいいから投資を始めて、長期的観点からこの重要なマーケットに前向きに進もうと。次お願いします。まあ最後にÂnimo!ということで、まあ元気を持って頑張っていきましょうと。ブラジルマーケット、見捨てたものではないので、明るい希望を持って投資を継続しましょうというのがコンサルタント部会からの提言として報告させていただきます。ありがとうございました。
司会
関根部会長どうもありがとうございました。若干時間押しているんですけれども、一つだけご質問受け付けたいと思いますが、質問あるいは意見ある方いらっしゃいますでしょうか。それではこれでコンサル部会さんの発表を終わらせていただきます。もう一度大きな拍手をお願いいたします。それでは3番目ですね、自動車部会の発表に移らさせていただきます。近藤部会長よろしくお願いいたします。
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自動車部会 近藤剛史部会長
こんにちは。それでは自動車部会の方からご報告をさせていただきます。まず上半期の振り返りと下期の展望という本題に入る前に、先月安倍総理がお見えになりました。まず福嶌総領事はじめ小林参事官、それから大使館の皆様、領事館の皆様、大変お疲れ様でした。
実は安倍総理の来伯に伴いまして経済界からもご同行していただきました。先日福嶌総領事の方からも詳細なご説明ございましたけれども、弊社の方からも、経団連の副会長ということで会長の内山田が同行して参りましたので、実は私も同行して回らせていただきました。次お願いします。
ちょっとその状況だけご説明させていただきます。7月31日にリオの方で日伯賢人会議で事前のすり合わせをさせていただいて、翌日両首脳と日伯賢人会議のメンバーで経済に関する申し入れをさせていただきました。同じ内容をマウロ・ボルジェス経済開発大臣の方にもご提案させていただき、8月の2日、ご存知の通りサンパウロの方でビジネスフォーラムがあったと。ということで、ご覧の通り日伯賢人会議のメンバーで合意の上で日本からのご要望をさせていただいたということでございます。次お願いします。
経団連副会長の内山田の方から提案させていただいた自動車に関する国際競争力強化に向けた取組みということで、このような5つの提案をさせていただきました。税制改革、インフラ整備、人材育成、裾野産業の育成と輸出を促進する政策ということでございます。これは後々、あとで我々のやはり対策になってくるのではないかと思いますので、先にご紹介させていただきたいと思います。まあ個別の企業でロビー活動をしていたことが、総理がお見えになって、経済界全体でこういう提案をしていただいたということが、まあ日頃我々個別のお願いをしていることがですね、公になって、我々としては大変助かったというふうに思っております。次お願いします。
これは、実は同行させていただいた時にですね、大変貴重な体験をさせていただいたので、まあカメラマンのごとくあちこちに入り込んで写真を撮って参りました。一番目が経済開発大臣マウロ・ボルジェスさんへの面談の模様でございます。二つ目、右側がですね、両首脳、安倍総理とジルマ大統領、それから左側が日本賢人会、右側がブラジルのワイズマン・グループということで、立会いの下日本側から主にご説明をさせていただいたということでございます。
3番目はサンパウロでのビジネスフォーラム。たまたまホンダさんがお見えにならなかったので弊社の写真が載っています、すみません。4番目は、もっとどうでもいいんですけれども、色々食事会とか参加させていただいて、機会がございましたので写真を撮らせていただきました。
安倍総理に関しましては、一発で大ファンになりまして、大変品のある熱い方だなという感じがしました。ジルマ大統領は、写真をお願いしたら妙に接近してきてちょっとどきどきしたんですけど、後ろでこう少しエスコートしようと思ったらですね、手が届かなくてですね、こんな感じで無様な格好で写真を撮ってきました。こういう会に出さしていただきましたというご紹介だけでございます。次お願いします。
それでは真面目に、上半期の振り返りと下期の展望ということで。まず四輪業界の動向の方からご説明させていただきます。
まず最初に市場全体を振り返りたいと思いますけれども、ご覧いただきました通り、酒井さんと関根さんからももうご報告ございました通り、自動車業界はこの上期は大変厳しい状況でございます。上半期はですね、一番右側の中ほどに書いてあります166万台。年率に直しましても358.9万台ということで前年を大きく下回るペースでございます。輸入車、この下に赤いグラフで書いてありますけれども、輸入車の販売状況でございますが、まあ半期で30万台ということでこちらも年率に直しても1割以上低下ということで厳しい状況になっております。次お願いします。
これは月販で見ますとこのようになっております。1月はまだ頑張っておったんですけども、これはIPIの減税戻し前の在庫が非常にたまっていまして、まあ各社値引きをしながら在庫をはいたという状況でしたけれども、2月以降はIPI減税の戻りの影響をもろに受けて、まあ通常レベルに戻ったというか、大きく下がりました。次お願いします。
次にですね、これは販売台数の中身を少し見てみますと、これはフリートの比率でございます。フリートというのはレンタカーとかタクシー、企業向けの販売を言いますけども、黄色い下の棒グラフがフリートでございます。今年になってからどんどんフリートの比率が上がってきております。まあ一般的には我々の業界はですね、一般の販売が減ると、企業向けにですね、大きく値引きをしながら売って生産を支えるという状況になります。まあこの状況が大きく見られるかなという感じです。
特にFiatさんとWagenさん、赤と黒の折れ線グラフはまあ特にフリートに力を入れているお会社で、これだけの比率になりますと多分、もしかしたら限界利益を割りながら身を削っているのかなと。まあちょっとここは予測ですので、もし議事録がございましたら割愛してください。大変厳しい状況だと思います。では次お願いします。
もう一つがですね、支払形態でございます。先程酒井部会長の方からもご報告ございましたけれども、ここ4、5年ですね、真ん中の黄緑のローンのところがどんどん増えております。青いリースにつきましては、法人のリース、税額控除が廃止されましたので、2009年でしたかね、廃止されましたのでどんどん減って、その代わり個人向けローンが増えていると。
金融部会さんの方の発表にもありました通り、貸し倒れが多く与信審査が厳しくなっているということもございますけれども、依然自動車販売ではローンが大きい割合を占めるという状況でございます。以上のことから、かなり無理して市場を維持しながら、個人顧客もローンを使いながら、ずいぶん市場が無理やり膨張しているかなという状況を我々は見ております。次お願いします。
次に生産の方でございます。生産の方はですね、まあ国内販売と同様大きく下落しているわけですけども、右肩の矢印の中に書いてございます対前年83.3%ということで大きく下げております。その下、これは輸出なんですけども、折れ線グラフのところにありますけれども、輸出はですね、対前年65.6%ということで、さらに大きく落ち込んでおります。まあこちらはですね、輸出の75%を占めるアルゼンチン向けがご存知の通り、まあ半分近くなったりしているお会社もございますので、この影響で全体として国内販売よりも大きな落ち込みということになっております。次お願いします。
これは先程申しました通り、右上、国別の輸出割合ですけれども、アルゼンチンが全体の75%と。で、その左側、乗用車が対前年59%と中でも一番大きく下げているという状況でございます。輸出相手のアルゼンチンの経済事情ですけども、もうすでにその道のプロの方から色々のご説明伺えると思いますので、我々素人ですからちょっとよく分かりませんが、まあGDPはマイナスと。外界準備高も減ってきて、大変最近新聞を賑わせておりますので不安ですが、我々まあ売れた分だけ作るだけでございますので、よく分かりません。ここはまあ、ちょっと飛ばします。次お願いします。
下期の展望でございますけれども、この先もあまり良い傾向は予測しておりません。この表、左から二つ目、14年下期の予想を7月にANFAVEAが下方修正しまして、190万台と読んでおります。私どもが自動車部会の中でお話ししながら相談した数字でいきますと、もう少し下、まあ180万行けばいいところかなということで。年間はその右、ANFAVEAの381万という数字から訂正して356万という数字に直しておりますけれども、我々は350万いけばいいところかなというふうに予測して合意をしておる数字でございます。次よろしくお願いします。
その一つの原因が、皆さんもご存知の通りですけども、ちょうど一番右側から最初の点線のあるところですが、14年の7月IPI減税の戻しの予定でございましたが、これが年末まで延期となりました。15年の1月から実施ということでございますので、まあ先程から出ている大統領選の行方にもよりますけれども、もしこれが予定通り実施されれば、15年以降、16年も厳しいんではないかというふうに読んでおります。下期の予想は以上ですけれども、次お願いします。
少し、先を見た展望もちょっとご紹介させていただければと思っています。これは皆さんもご存知の通り、人口構成比率でございますけれども、一般的には生産年齢と呼ばれています15歳から65歳の人口構成は、一番左の1億4000万人の現状から、今後15年から20年間増え続けて1億5000万人ぐらいまでになるということで予測されています。自動車ユーザーもその下にございます通り、ほぼ同じ、またはそれ以上の比率で増えるということが見込まれております。次お願いします。
今の人口構成でございますけども、各国と比較してもですね、グリーンのブラジルというのはご覧いただいた通り30年から35年ぐらいまで高い水準が続くと。一方赤の日本、それから青い中国ですらですね、2015年から徐々に減少傾向になっていくであろうと。ちょっとインドはいい加減にしてほしいぐらい上がっていきますけども、ブラジルも決してこの先20年ぐらいは悪い見通しではないというふうに予想されています。次お願いします。
もう一つ、世帯所得別の分布でございます。上の赤いグラフ、左側の赤いところが貧困層。いわゆる月間480ドル以下、米ドルですね、480ドル以下の所得。青が低所得、1200ドル以下。中間層2400.それ以上が富裕層と言われていますけども、そのグラフの3段目、2003年から比べますと劇的に低所得者以上の所得層が増えております。先程から皆さんの発表でもございます通り、給料を下げられないと。インフレに伴って、まあユニオンが保護した給料が上がっていくということを前提にしますと、この所得層ということが大きくまた後退するということは考えづらいので、今後も同じく、市場としてはポテンシャルを持っているというふうに感じます。
一般的には自動車はですね、最低650ドル、月給650ドルから徐々に車の購買層になると言われていますので、まあ青い線の左側から二つ目ぐらいですかね、その線以上になりますと購買層になって来てくれるのかなというふうに予測をしております。下のグラフは世帯の収入の伸びと自動車の販売台数がほぼ相関関係にあるということを示しています。一般的に日本車の場合はですね、先程の650ドルの約4、5倍の収入レンジから購買層だというふうに言われております。次お願いします。
もう一つ指標を出しますが、人口1000人当たりの車両普及率でございます。まあ日米に比べてまだまだ低いレベルにございますので、今後ともポテンシャルがあるというふうに思います。次お願いします。
これは全体の市場の伸びを出した指標を持ってきましたが、2030年には世界第5位ぐらいになるところまで全体市場がブラジルとしては伸びるんじゃないかという予想でございます。次お願いします。
続きましてGDPの推移。これも皆さんの方がよくご存知ですけども、17年以降まあこれは急激回復というItauさんの予測でございます。次お願いします。
この次、ブラデスコさんが出している自動車市場の推移が、我々自動車部会では一番自分達の感覚に近いかなということでお話しさせていただきました。2015年16年はまだ厳しい状況が多分続くと思いますが、2017年ぐらいから緩やかに回復していくのではないかという予測をしております。以上のような予測をしていますが、一方で我々がリスクと感じていることもございます。次お願いします。
これも皆さんご存知の通りですけれども、供給過剰でございます。水色の方がANFAVEAが予想している需要、それからグリーンの方がすでに公表されている各社の生産能力増強を合算したものでございます。まあ大体来年以降ですね、30%超の生産能力過剰が見込まれております。
以上のことをちょっと簡単にまとめますと、足元では大変厳しい状況ですけども、中長期的には市場の回復、安定成長に戻っていくと考えます。ただ全体として生産能力の余剰発生の可能性が非常に強いので、解決の方向としては国内需要の活性化、それから輸出拡大の促進ということが必要になって参ると、このように考えます。次お願いします。
まず今後の課題として国内需要の活性化でございますけども、課題としてはもう皆さんご存知の通りで、車両価格が高い、車両保険が高いと、ごめんなさい、これは事実でございますので。それから3番目、高額な通行料、燃料費、維持費。それから4番、国内インフラの未整備ということが課題かなと思います。ちょっと参考資料を見ていただきます。
まず高い車両価格と。これはちょっと適当なデータがなかったので、弊社のですね、地域別の車両価格を比べております。上がカローラ、下がカムリですけれども、青がトップグレード、赤がエントリーでございます。いずれもブラジルは、まあアルゼンチンもそうですけれども、日本、アメリカに比べてかなり高いということで、特にトップグレードの方がですね、どうしても比率的に高くなってしまう。これは別にぼろもうけしているわけではなくてですね、税法上色んなお金が乗ってきてこういう形になると。あるいはコストの中で非常に下げづらいものがあって、結果こうなっているということでございます。次お願いします。
その一つの例が、これも皆さんご存知の通りだと思いますが、自動車の購入税でございます。一番右側の日本は合計で、車両本体に関しましては13%の税金が乗りますけれども、真ん中の黒枠のところですね、現地生産車の小型でいいますと38.6%。それから輸入完成車でいきますと117.6%が上乗せになるという状況でございます。次お願いします。
その高い車両価格の一つ、維持費が高い、あるいは作るコストが高いということで説明していきますが、まず最初は車両の1台当たりの生産に使われる上下水道のコストでございます。これもちょっと弊社の内部資料ですので、数字は割愛させていただいておりますけども、やっぱりアメリカの5倍以上と。日本の20倍、30倍ぐらいになっております。次お願いします。
次は労務コストでございますけれども、これも社内データで、直接作業員の年間給与を比較してみますと、こちらもですね、インドの4倍以上、中国の倍以上ということで、かなり厳しくなっております。まあブラジルは給料下げられないということが一つの大きな障壁だと思います。次お願いします。
次は燃費でございますね。まあ上のグラフで見ていただきますように、日本よりも高いと。年間平均燃料費が先進国並みであると。それから下のグラフが年間の車両の保険料でございます。度々申し訳ございませんけれども、あの、弊社が調べたところでいきますと香港に比べて世界第2位のレベルでございます。よろしくお願いいたします。次のページお願いします。
次は参考でございますが、駐車料金と通行料、まあこの辺も先進国並みということでご紹介させていただきます。次お願いします。
それからインフラの点でいきますと、道路の舗装率ですね、これは皆さんもよくご存知の通りブラジルでは田舎に行きますとほとんど未整備のところが多いんですが、14%と。アルゼンチンの半分以下というのがまたびっくりするんですけれども、こういう状況でございます。ホンダのCITYさんですとかFITは町で非常に似合うスタイリッシュな形なんですけど、うちのEtiosなんかは田舎へ行きますとですね、埃だらけになっていると意外と格好良いなと思ったりしまして、舗装していないところも悪いことばっかりではないなとは思いますけども、未舗装というのはですね、やはり物流の上においても色んな障壁がございますので、まあこれはひとつ国内の市場活性化には当然必要なことかなと思います。
続きまして、輸出拡大の促進についてちょっと簡単に述べさせていただきます。低い国際競争力というのは、先程の国内の販売と同じ高いコスト、インフラ整備ということなんですけれども、あともう一つ移転価格税制というのがございます。まあこの内容を一個一個ちょっと簡単にご説明させていただきます。
先程コストのことはお話ししましたので、まずインフラの整備ということですけども、ご存知の通り港湾のキャパシティ不足。まあサントス港は今能増工事が進んでほぼ終わっておりますけども、まだまだ足りません。一旦バースの予約を変えるとですね、中々船が岸壁につけないという状況もございます。
これは船舶の会社さんよくご存知かと思いますけれども。あと鉄道もですね、これも私も知りませんでしたが、路線ごとに線路の幅が違ってですね、乗せ換えのコストが必ずかかってくるということで、我々はまだ鉄道は車両輸送ではほとんど使っておりません。それから道路についても先程の舗装率が高い、低いということと、トラックの輸送コストが高いと。まあこれは一部組織による占有化で非常に参入が難しいということもございますけれども、弊社の例で行きますと、カローラをアルゼンチンまで送ると600ドル以上かかると。いばれることではないんですけども、世界第1位のレベルでございます。次お願いします。
それからエンジニアですね。これは輸出に限った事ではございませんけれども、まず左側の大学の進学率、それから右側、そのうちエンジニアの比率、これはいずれも低いので、今後やっぱり産業として発展していくためにはこういったところのインフラおよび促進が必要かというふうに考えます。次お願いします。
それからこれは移転価格税制でございます。これは皆さんもご存知だと思いますけれども、左側の製造原価に対して15%のみなし利益を乗せる必要がございます。この仮想の値段に対して実際にBの輸出価格を決めた時に、先程のみなし利益が得られていない場合、差額に対して34%の法人税がかかると。自動車産業の場合ですね、まあ5、6%の利益率でひいひい言いながら作っておりますので、例えばここで10%の差が出て3、4%の税金がかかるとですね、これは致命的な輸出競争力の欠如ということにならざるを得ません。次お願いします。
以上を踏まえてですね、下記内容の継続的な是正提言が必要かということで、1番から5番まで書かせていただきました。この内容は先程お話ししました賢人会議からご提案いただいた協力強化への取組み項目とほぼ同じでございます。こういった項目をですね、官民連携させていただきながら、引き続き粘り強く提言していくことが大事かなと思います。
ただ、一番最後に書きましたけども、我々企業としましては、何といっても自らコスト競争力をつけていくと、それから日本品質の徹底を推進していくということが大切かなと思います。幸いですね、自動車部会に属する完成車メーカーのホンダさんと弊社はブラジル市場の販売においてはお客様満足度ダントツのトップ争いをさせていただいております。
こういった日本品質を徹底して推進することが大切かなということと、もう一つここに書いてございませんけども、やっぱり事業展開のスピードが必要かなと。まあこういった税制の見直し、それから自動車でいきますとInovar-Autoという規制もございます。こういったことへの迅速な対応ということが必要かなと思います。
まあ弊社の場合でいきますと、地球の裏側でですね、グローバル生産のほんの2%を担っている弱小会社でございます。中々事業展開をする上で意思決定を日本側からもらえないというケースもありますけれども、やはり何とか早い事業展開をしながら環境に適応していくということが求められているかなというふうに考えます。
以上で四輪を終わらせていただきますけども、追加で二輪の状況も簡単にちょっとご説明させていただきます。
まずこれ生産・販売でございますけれども、四輪と同じくですね、今年の上期は大変厳しい状況でございます。ただ二輪の場合はですね、水色のグラフですね、12年13年もうすでに厳しい状況に入っておりますので、対前年の数字でいきますと四輪ほどではございませんけども依然厳しい状況が続いているということで、生産台数も対前年92%と、販売が89%という状況になっております。次お願いします。
月別の月販を見ても同じでございます。まあ年初は各社の新モデルの効果がございまして前年を上回ったものの、ファイナンス環境の悪化、それからワールドカップによる稼働日の減少等で、上期累計は前年96%ということになっています。それから負債増加、金利の高止まりによって今後下期も厳しい予想をされているというふうに伺っております。次お願いします。
ファイナンスの動向を見ましてもですね、二輪販売の支払い形態の状況はちょっと四輪と違いまして、現金が増えております。一番下のグリーンのローンはですね、与信審査が非常に厳しくなってきてどんどん減っておりますと。この与信審査の厳格化による台数の減少は全体の台数の減少にも響いているということでございます。以上、瑣末ではございますけれども、自動車部会からの発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
司会
近藤部会長どうもありがとうございました。問題点、それから為すべき事ということをですね、まさに本日の副題に沿ってご提言をいただけたことと思います。何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。はい、ではもう一度大きな拍手を近藤部会長にお願いいたします。ありがとうございました。続きまして、機械金属部会です。相原部会長、お待たせしました。よろしくお願いいたします。
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機械金属部会 相原良彦部会長
機械金属部会の相原です。よろしくお願いします。我々機械金属部会はですね、約70社ぐらいが入っていまして、そのうち20社からですね、いただいたレポートをまとめています。
ここに書いていますように、業種分野が非常に多くて、まとめようが中々難しいんですけども、ただ言えるのは、どちらかというと上流部門と言うんですかね、自動車さんとか家電さんが下流といいますと、その下流の方が元気じゃないとどうしても上流は設備投資とか色んなものが出てこないということで、ちょっとあまり景気の良い話はできないんですけども、ただちょっと明るいニュースとしましては、弊社のことで恐縮なんですけど地下鉄を取れたことが唯一明るいかなと思っていますので、まあこれが次につながればと思っています。それでは機械金属部会の上期の回顧と下期の展望についてご説明いたします。次お願いします。
鉄鋼部門ですけども、まず上期の回顧。ワールドカップの影響でですね、自動車とか家電、農業器具などの鋼材需要がですね、まあ一時的に低迷していると。ただ一方では輸入材は増加していると。第1クォーターはまあまま良かったんですけども、先程からちょっと話がありましたように、第2クォーター以降非常にちょっと悪かったという状況でございます。
国内の粗鋼生産量ですけども、1670万トンということで、前年比1.5%減と。ただ一番最近の情報だとこれよりちょっと下がっているという状況です。それから鋼材の見掛消費量ですけども、これは1270万トンということで、前年比これまた2.3%減という状況でございます。
それから鋼材輸出ですね。これにつきましても392万トンということで、前年比11.5%減ということになっております。これはブラジル国内向け供給が優先されたということで、輸出は減っていると。ただ第2クォーターに関しましてはちょっと増加傾向にあるということでございます。
それから鋼材の輸入の方ですけども、200万トンということで、前年比18%増ということでございます。特に建材と自動車用のですね、メッキ材が伸びているということです。輸入国別でいうと中国が67.6%ということで断トツということになっております。次お願いします。
下期の展望ですけども、まあ先程から出ていますように、自動車産業とかですね、建産機業界、さらに建築業界ともにですね、このあと今年も非常に厳しいという見方になっております。2014年度のGDPの成長率は前年比でプラス0.86%という予想でですね、さらにまあ下振れしていると。それは先程から話が出ていますけども、アルゼンチン、中国の景気の減速がその原因であると。大統領選挙後ですけども、これもまた緊縮的な経済政策が予想されてですね、前年比ほぼ横ばいか、あるいはまたは下回っていくんじゃないかなという感じがしております。
国内粗鋼生産ですが、2014年度の予測としましては3450万トンということで、これは前年比プラス0.95%となっていますけども、これも最新予測だとちょっと下がるんじゃないかと思います。鋼材の見掛消費量ですけども、2670万トンということで、これもこの時点ではプラス1.14%ということですが、これもちょっと下がるんじゃないかと思っております。それから鋼材輸出。これは830万トンということで、前年比プラス1.14%でございます。鋼材輸入。これは360万トンということで、2.5%減になると、こういう展望をしております。
次に電力及び社会インフラ関係ですけども、まず上期の回顧ですが、これもですね、ペトロブラスの石油ガス生産量は増えつつあるんですけれども、まあ業績自身がご存知のように低迷しているということですね。それから、自動車の生産は先程話がありましたけれども、も下降気味と。それとあと、ワールドカップ、期待していたんですけども、まあ全然ダメということで、プラス効果というのは本当に限定的でして、鉄鋼製品・電力の消費、それも全部は横ばいということで、ブラジル経済全体が引き続いて低迷だったということで、大型投資案件は軒並みまあ延期されてしまってですね、受注実績も低迷していると。
水不足ですね、これはかなり出ましたので、これで火力の発電所とかですね、それが活気付くかなと思ったんですけども、実際は資金不足というようなこともありまして、中々入札が進まないと。ただ、これは弊社の話なんですけども、コンプレッサ関連では数件まあ受注ができたと。あと造船の方ですけども、2015年ぐらいから引き渡しが開始予定と。これも若干遅れ気味というのはございます。それから環境関連設備、汚染土壌の洗浄もですね、計画自身は散見されたんですけども、これもまたちょっと進展していないと。
ただ、唯一元気なのが、エンブラエルというか航空機ですね、これだけが5~6%の拡大基調にありまして、これに関して関連する設備の受注があったということでございます。交通インフラ関係は先程言いましたけども、地下鉄案件がまあ受注できたということです。ただ、高速鉄道ですね、これはやはりそういった高速鉄道よりも身近な地下鉄とかですね、鉄道とか道路とかそういうものにやれという国民の声が高いので、政府自身は全然ギブアップしなくてやる気はあるんですけども、まあ中々進まないだろうと、こういう状況です。
下期の展望ですけども、まああまり変わらないんですが、要は、マイナス要因としましては、まず大統領選を控えて、まあデモもあるだろうし、政治が不安定と。あと政治の空白期間があると。それとあと電気代の値上げでですね、インフレが加速される懸念があると。それからインフレ不満の解消のですね、まあ人気取り政策というのが優先されて、重要な公共投資とかそういうものは期待薄かなと。それとあと金利高め誘導でですね、経済活動はまあ低調が続くんじゃないかと。あと中国コモディティの需要減で輸出もちょっと減なんじゃないかと。あとアルゼンチンの経済危機と。
ただプラス要因として挙げていますのが、ガソリン・ディーゼル価格の値上げでですね、プレサル開発がより加速されていって、ペトロブラス案件がちょっとでも活性化されないかなと。まあこれはずっと、1、2年見ているんですけども、まあ後半にかけてそうならないかなと。
あとレアル安による貿易収支の改善でですね、農業とか基礎産業関連機器、これは鉄鉱石は除いているんですが、これが好調にならないかなと。あと電気代の値上げによる電気事業ですね、これの活性化を期待していると。あと、自動車生産ですね。まあすぐには回復は見込めないというお話はあったんですけども、まあ期待したいところだと。あと、造船・舶用機械ですね。それから製鉄関連。これは依然低迷が続くだろうと見ています。
ただ、分散型発電設備の投資には期待しているところがございます。自動車関連ではですね、塗装組立ロボット関係の商談が続いているようで、これは継続を期待していますので、近藤さんよろしくお願いします。次お願いします。
プラント機器の方ですけども、14年の上期の回顧としましては、まず紙パルプ業界ですけども、業界大手のKlabin社からですね、これもちょっと弊社絡みの、CBCの受注なんですけども、新設製紙プラントを受注したと。この業界だけちょっと割りと元気で、まあ設備投資意欲もあるので期待しています。
それから石油・ガスは先程も言いましたけども、ペトロブラスの業績不振が改善されてませんで、新規投資はまあ実質凍結しているような状態と。ただ、数少ないFPSOの化工機案件には、まあ皆が群がってですね、競争が激化しているというような状況にあるということでございます。それから石油化学の方ですけども、米国シェールガスの影響でですね、割高な天然ガスがブラジルへの投資を敬遠させているということで、これまた新規投資計画は凍結しているような状態だということで、業界としては改造とか老朽化対策工事に専念しているという状況でございます。
あと電力ですけども、まあ水不足ということで、あと政府の電源の多様化というニーズもありましてですね、我々としてはガス焚き大型火力ですね、GTCC、まあこれは苦戦はしているんですけども一方でバイオマス焚きの部分については実現化してきているということでございます。
あと下期の展望ですが、紙パルプ業界としましては、製紙各社で具体的な設備投資計画が進んでいて、早ければ本年中にも大型投資が期待できるという状況にあるということでございます。石油・ガスの方は石油開発関連の、まあ上流側ですね、そちらの方には設備投資をしているわけですけども、ただ下流の方には引き続いて設備投資は活発化していない、低迷だろうというふうに予想しております。石油化学。これも引き続き新規投資活動は鈍化のままと。そういうことで、さっきも言いましたけど改造・拡大工事に対応していくということで、これに関する中小型のGTをですね、我々業界としてはラインアップに加えてですね、その部分を受注していこうというふうにしております。
あと電力ですけども、水・ガスの供給事情から単発的ではありますけども今期のオークションにてガス焚き大型火力案件がまあ出てくるということで、多少そこは明るい傾向にあります。バイオマス焚きの方は依然後続案件が有りますので、ここには期待しているということでございます。次お願いします。
次は建設機械の方ですけども、上期の回顧としまして、まず総需要台数ですけども、小形建機を除きまして2014年度上期の台数は8994台ということで、前年比プラス32%。これ、そうなっていますけど、実際はですね、インフラ関連による需要はあったんですけども、農業開発省向けのテンダー分の増分が3095台ありまして、それを除くとまあ実質的には5%減というような状況と。
それからブラジル経済の停滞と大統領選挙を見据えた買控え、それからワールドカップ開催に起因する伸び悩みなどがそういう、伸びていない原因だというふうに見ております。小形建機につきましては、小形バックホーはですね、2014年の1月から6月の購入統計全体では前年比153%と伸長しております。Y社さんの販売もですね、台数ベースではほぼ倍増しているということでございます。
下期の展望ですけども、まず総需要台数、これ小形建機を除いてですけど、2013年度が 15616台に対して15200台ということで、まあ3%の減ということです。それから住宅や農林業向け等、一部の需要は堅調に推移すると見込まれていますが、経済の停滞とか金利上昇、大統領選挙を意識した模様眺めと買控え等、全体的に厳しい環境が続くというふうに予想しております。
小形建機の方ですが、労働賃金の上昇によってですね、逆にこれは機械化ニーズが進むということがあります。そういうことで小形建機自身の増加トレンドは当分続くというふうに予測しております。次お願いします。
次に農業機械の方ですけども、2014年上期の回顧としまして、まずエンジンビジネスですけども、小型ディーゼルエンジン、2014年上期の販売、発電機セット含めてですね、依然低調でして、前年同期比で台数ベースで12%減と。金額ベースで9%減と。あと舶用ディーゼルエンジン。ペトロブラスの海上油田開発に関わる舶用案件は停滞していると。ただアマゾン川流域の舶用エンジン、これは依然堅調に推移しているという状況です。あと草刈り機とかコーヒー豆用の収穫用機器のガソリンエンジン、これについてもちょっと販売台数、今年に入って低下しているという状況です。
それからトラクタービジネスですけども、昨年の販売が非常に良かったということで、その反動と。あと、2014年は豊作だったんですね。その反面、逆に豊作だったために市場価格が下落しているということで、まあ、買うお金がないというか、販売が低迷しているという状態です。ということで業界全体では前年比やはり18%の減と。Y社さんの販売も11%減と、こういう状況になっているということでございます。
下期の展望。これもまたあまり明るくないんですけども、エンジンビジネスにつきまして小型エンジン販売、農作業機械向けはまあ前年比ほぼ横ばいというふうに予想しています。ライトタワー、発電機など建設用の需要が大きく減少しているということで、まあ年間ではやはり前年比10%減というふうに予想しております。あと20馬力以下の小さなブラジル製の単気筒エンジンの販売につきましては、地方への電化による市場縮小に加えてですね、中国製品がガンガン入ってきているということで、これも今後も低迷が続くというふうに予想をしております。
あと舶用エンジンですけども、さっき言いましたアマゾン川流域が好調なので、これに依然期待していると。あとガソリンエンジンにつきましては、OEM先さんの情報によりますと、まあアルゼンチンの状況とか、あるいはバブルの崩壊ということで、悲観的であると。ただ電気代が値上げされるということで、発電セットの需要がまあ見込まれるんじゃないかというふうに見ております。あとトラクタービジネスですけど、下期は季節要因の販売増も期待されるんですけども、年間ではやはり前年比8~10減だと、こういうふうに予想していると。次お願いします。
各種切削工具と射出成型機関係ですけども、上期の回顧としまして、まず切削工具ですが、O社さんの回顧ですけども、前年比プラス4.2%と。ただし、5月までの販売は前期並みを維持していたんですけども、まあ6月に入りましてワールドカップの影響と自動車の生産が落ちたということで、大幅にダウンしているということで、通年では減少するというふうに予想をしていると。耐摩耗工具ですね。これは受注がないということで、全然ダメと。昨年好調の反動とですね、ワールドカップが終わって棒鋼需要が減少したということで、棒鋼を作るための耐磨耗工具が売れてないということでございます。あと鉱山工具ですね、これは前年比プラス50%と。これは為替が安定してきたということと、鉱山向け工具の販売、これが安定してきたということでございます。あとK社さんですけども、自動車がまあ減産しているということが大きく響きまして、前年比12%減と。
ねじ切り工具の方ですが、国内・輸出全体で前年比7%減。国内が低迷していると。航空機、ナットメーカーさん向けがまあやや好調と。それからアメリカ市場向けが好転して輸出は6%増えていると。
あと射出成型機の方ですけども、やはり自動車業界の停滞の中ですね、ちょっと日系メーカーさんから受注があったと喜んでおられましたけども、品質よりも価格志向のブラジルの中でやっぱり日本品質を求めてくださるので、我々やっぱり日系企業さんに期待したいというところがございます。
下期の展望ですけども、切削工具の方ですが、O社さんの方ではまあ自動車の販売は前年並みでも、輸出がアルゼンチン経済の影響で減少と予想しております。生産が横ばいのため期待が薄いと。耐摩耗工具は建設用丸棒鋼の需要は今後も期待されると。あと建設工具。建設関連は引き続き好調を期待したいと。鉱山向けは為替の影響で厳しいと。あとK社さんの方は、前年比1~2割減と予想しております。
あと、ねじ切り工具の方ですが、ワールドカップ、それから大統領選は市場にマイナスと予想されております。ということで2014年度も厳しいと。あとレアル安というのも消費減に動いてしまうんじゃないかと見ています。
射出成型機ですが、燃費向上を目指してですね、部品の軽量化のためにプラスチック製品が自動車にはたくさん使われるようになってくるんですけども、そういうことで今後も増加するというふうに見ていますけども、まあ先程の話ですとすぐにはそういう設備投資には回らないということで、ちょっと時間がかかるんではないかというふうに思っております。次お願いします。
次、機械部品と測定機器ですけども、まず上期の回顧としまして、チェーンの方ですけども、鉄鋼関連はメンテナンス用取替えの需要だけということで、新規投資はないということですね。あと製糖業界向けに大口引き合いがあって、これは下期に受注できるようにフォローしていると。あとモノレール17号線向けにかなりのチェーンの引き合いがあったんですけども、これまたご存知のように、不幸なレール落下の事故があったということで、プロジェクトが止まってしまっているということで、頓挫していると。
ホイスト&クレーン、チェーンブロック関係ですけども、これも高性能を追求するメーカーさんですね、そこから引き合いはまあ増えていると。ただやはり、安かろう悪かろうというところには中々売れないと、こういうことでございます。
軸受メーカーさんですけども、やはりこれも自動車生産の減速が影響して自動車、四輪ですね、それから二輪とも需要が急激に悪化していると。あと産業機械OEM向けにつきましては、農業機械向けが、先程の政府の投資促進策が功を発揮していまして、堅調を維持していると。鉱山向けはValeさん向けの投資がまあ低調ということで、依然低迷と。産業モーター向けはまあ堅調ということでございます。
測定・計測機器ですが、測定工具は依然低調と。計測機器の方ですね、これは工場が自動化、先程労働力が高いということで工場自身も自動化をしようというところがございますので、そこについてはまあ売れているという状況ですね。あと、SENAIとかですね、教育機関向けの販売はまあ順調に行っていると。で、前年同期比はプラス6%ということで、まあ実質横ばいという状況でございます。
14年の下期の展望ですけども、まずチェーンの方は食品包装、それから製糖、それから森林等、特定業界に営業を絞ってですね、保守用ビジネスを取り込んでいくと。かつ新規OEMを図る戦略で販売増を狙うということでございます。
ホイスト&クレーン、チェーンブロックですが、まあ経済低迷の中とにかく我慢強く、先程言いましたけども、まあ良い品質の物を求めるお客をどんどん、そこをですね、売り込んでいくと、それを目指しています。
軸受の方ですが、足元で景気減速をし続ける中、早期の回復は見込めないんですけども、まあ自動車向けについては、まあずっと低調でしょうね、しばらく。それから農機、産機のモーター向けの方につきましては、引き続き堅調に行くんじゃないかと見ています。あと周辺国への輸出増にも期待しているということで、これも期待であってその通り行くかどうかというのはちょっと疑問なところありますね。
それから測定・計測機器ですが、停滞した経済・産業活動の回復を大いに期待しているんですけども、まあやはり先行き不透明と。あと生産能力の拡張、自動化ラインの構築などへの投資は継続されるということで、先程も言いましたけども計測機器関係ですね、自動化に必要な物については売れるんじゃないかというふうに見ているということでございます。次お願いします。
潤滑油さんの方ですけども、上期の回顧としまして、ここはまた、1月から5月までの潤滑油の販売ですけども、前年比4%減ということで、低調ですと。特に自動車産業向けがですね、6%減と。これは6月を入れますとさらに下がるような状況ということでございます。ただ工業用に使われるものについては2%増というふうになっております。ただグリースにつきましては10%減ということでございます。ということで、工業分野だけが一部ちょっと堅調ということでございます。
下期の展望ですけども、まあ消費回復の決め手に欠くということで、まあ全然良くならないという予測しかないということでございます。次お願いします。
ということで、機械金属部会、本当にたくさんの業界がありましたけども、本当に景気の良い話があまり聞けなくて残念だったんですけども、まあ総括しますと、ここに書いていますけども、上期の回顧としまして、ワールドカップの肯定的な影響は一部のサービス産業だけに限定されて、営業時間の短縮、操業停止など、経済全体にはマイナス影響して、全く期待外れの低成長だったと。
農業でまあ微増がありますけども、自動車産業の後退が大きく響いていると。あとアルゼンチン、中国経済の減速も影響していると。あと、牽引すべきペトロブラスがですね、まあ石油ガス生産量は多少増えていますけども、業績が依然低迷しているということで、投資が上流部門だけに限定されてしまって、下流を含めた大型プロジェクトの遅れが目立ったと。
製鉄に関しましては、輸入鋼材に押されて収益が出ないということもあって、設備投資は依然低調だということで、まあ社会インフラ投資もですね、政府の発表、まあ結構派手だったんですけども、海外からの投資も鈍くてですね、動き出したケースはなかったと。ただ先程言いましたけど、唯一地下鉄案件だけが受注できたというのは今後の期待につながったんじゃないかと、こういうふうに見ております。
14年下期の展望ですけども、これまた景気の良い話ができないんですけども、経済政策の方向性は大統領選挙後なんですけども、まあ先程から話が出てますけども、インフレ抑制とか、財政悪化対策、電力などエネルギー関連コストの上昇対策ですね。まあ共通項目で、次期政権がどこになろうとそういうところに重点を当てるということになるんですけど、やはり経済優先の政策にね、やってほしいと。その辺大いに期待したいと。ただ、先程から皆さん言われていますけど、急激な景気回復は見込めないという状況にあろうと見ております。
あと、先程から話が出ていますブラジルコストが大きな理由でですね、ここに出てきている我々日系企業につきましても、製造業のコスト競争力は益々、まあ低下しているというふうな状況ということで、安価な中国製品との熾烈な競争に各社さんとも、まあ高品質製品に傾注するということで奮闘しているという状況でございます。
ペトロブラスはですね、依然業績が伸びていないと。投資意欲は依然低く、関連プロジェクトの受注も低迷が続くと予想しています。農業関連は好調で将来の伸び代も十分あるんじゃないかと見ています。あと、降雨量不足による電力不足、電力料金の高騰を受けてですね、先程も言いましたけども、火力発電とかバイオマスを利用した発電プラント、こういうところにまあ期待しているということで。
何か昨年も同じようなことを言ったと思うんですけど、ぜひ、暗くなっても仕方ないので、気分だけでも明るくと思っています。簡単でございますが、以上で発表を終わらせてもらいます。ありがとうございました。
司会
相原部会長どうもありがとうございました。ちょっと時間押していますので、前半最後の発表に移らさせていただきたいと思います。貿易部会の岡部会長より発表をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。 -
貿易部会 岡省一郎部会長
貿易部会の岡でございます。よろしくお願いします。意外にここ暗くて字が読めなくて、一瞬どうしようかなと思ったんですが。これが終わりますとコーヒーブレイクですので、さくさくと済ませたいと思いますので、お付き合いください。よろしくお願いします。では最初のページお願いします。
これはまず、半期ごとの貿易額の推移をかなり長期に亘って棒グラフにしております。棒グラフは紺色と水色の組み合わせになっておりますけれども、左の紺色が輸出額、水色が輸入額です。折れ線グラフ、これはですね、貿易収支です。つまり棒グラフの輸出入の差です。目盛がちょっと違いますので、そこはご注意ください。
ブラジルはこれまで、鉄鉱石、穀物等の一次産品の輸出が好調だったこともあってですね、2001年以来安定して貿易収支は黒字でした。ただ2013年、昨年に入り、それ以降貿易収支が急速に悪化しております。2013年の上半期は、ここにもありますけれども、赤のゼロのラインを緑の線がくぐっておりますけども、31億ドルの赤字でした。
で、2013年、昨年の下半期は56億ドルと持ち直しておりますけれども、多少のトリックもあってですね。ただ今年の上半期は再び25億ドルの赤字となっております。ただこれ、あくまで金額ベースですので、為替とか市場価格の変動の関係でですね、金額の増減が必ずしも量の増減とは一致していない面もありますので、それは今から多少解説は加えたいと思います。次のページをお願いします。
前のページでは2006年以降のデータを見ていただきましたけど、ここからは昨年上期と今年の上期の比較を見ていただきます。まずは輸出動向、輸出の方です。商品別にご説明します。大きくは三つ、一つ目が一次産品。これは昨年同期比で3.3%増になっております。
二番目が半製品。これはマイナス9.3%。それと最後、工業製品。これは11%の減少という結果です。それではこの中で特に増減幅が大きい商品について個別に見たいと思います。
一つ目は大豆です。大豆の輸出額は上期、今年ですね、161億ドルで、昨年同期比で16.7%増えております。数量ベースでは、ここには出ておりませんけども約23%増えております。この要因としては中国の輸入が増えたこと、それとcompetitorである米国からの輸出が減ったこと、この二つが挙げられています。次がやはり代表的な輸出産品である鉄鉱石です。金額ベースで見ますと昨年比6.2%減少しています。ただし数量ベースでは1.45億トンから1.57億トンと、8%伸びております。輸出量が増えているのに輸出金額が落ちているというのは、鉄鉱石価格、1トン当たりがですね、大体125ドルぐらいから今足元95ドルぐらいに大きく下落している、この理由が、これが一つですね。
この下落というのは主には中国の鉄鋼産業の不調が原因になっております。なお、ブラジルの鉄鉱石の生産そのものなんですけれども、これがあにはからんや好調でして、上期はですけれども、雨季にあまり雨が降らなかったことで生産量が落ちなかったということと、あとValeの新規鉱山拡張がありまして、上期は比較的順調に生産は行ったと。ただし、今年の下半期ですけれども、この価格下落の影響というのが広がりますので、どうしても生産を控える山が出てきます。そうなりますと輸出量、金額ともにですね、下期は落ち込むことが懸念されております。
次に原油です。原油は金額ベースで28.6%増えています。数量ベースでも31%増加しております。これは原油輸出が好調だったというよりも、昨年同期の落ち込みがかなりあって、そこから回復したという見方が適切なようです。
最後に半製品で、粗糖ですけれども、これは金額ベースで24.2%減少しています。数量ベースでも約11%減少しています。この粗糖の輸出が減少した理由というのは、どうも過去3年間世界的に供給過剰ということで、世界市場に在庫がたまっているということがまず理由としては挙げられるそうです。さらにはですね、世界の砂糖生産第4位のタイの生産が非常に好調だったと。過去最高だったと。あと、砂糖の世界最大の消費国インドの国内生産が好調であったこと。これが要因として挙げられています。
ただ、あと、ここのリストには載っていませんけれども、ブラジルには牛肉、鶏肉、豚肉という、これはもう代表的な輸出産品がありますし、世界トップクラスですけれども、昨今のウクライナ問題でですね、欧米がロシアに対して経済制裁を課すということで、その対抗手段でロシアが逆に欧米からこの牛肉、鶏肉、豚肉なんかをですね、1年間控えると発表しました。このこともあって、ブラジルからの牛肉、鶏肉、豚肉の輸出はロシア向けを主体に今後、まあ政治的要因で増えるということが予想されています。次お願いします。
これはブラジルから輸出されている輸出産品の内訳のグラフです。今の表を円グラフにしたものですけれども、前ページで大豆輸出が増加して鉄鉱石輸出が減少したと説明しましたけれども、その通り、13年上期、左側の円グラフと、14年上期、右側の円グラフではですね、大豆と鉄鉱石のポジションが1位2位がそれぞれ入れ替わっているということが確認いただけます。次のページお願いいたします。
次はこの輸出のですね、相手国別、地域別のデータです。輸出相手上位10ヶ国はですね、この左の表の通りです。まず輸出相手国第1位はご存知の通り中国です。2009年以降中国がこの1位というポジションを継続しています。中国向け輸出品目はですね、主には大豆と鉄鉱石で、ほぼ8割を占めるそうですが、中国はブラジルの最大輸出品であるこの大豆と鉄鉱石の最大輸出相手先であるということで、まあきわめて重要な取引先であるということは言えると思います。
次に2位のアメリカですが、アメリカ向けはですね、航空機と大豆の輸出が増加したことでですね、昨年同期比で11%増えております。3位はアルゼンチンです。アルゼンチン向けは乗用車、それと自動車関連部品の輸出が、まあ先程来のご説明の通りですね、輸出が減少していまして、アルゼンチン向け全体でも20%輸出額が減っております。アルゼンチン向けにつきましては、額ベースでいきますとやはり、期中で大きく変動している為替も影響しています。日本はここで5位に出ておりますけれども、詳細は後ほど別のスライドで説明させていただきます。
右側の円グラフがですね、ブラジルからの輸出先を地域別に表しています。地球の反対側の中国・アジア向けが全体で、21+14、35%を占めております。次に中南米、EU、米国と続いて、まあ概ねブラジルのお客様というのはバランス良く世界中にあるなと、こういう印象でございます。
次、ここからはブラジルへの輸入を見ます。輸入に関しましてはですね、一番最初にある一次産品、それと次の半製品、それと工業製品、ともに金額ベースで見ると微減、減少しています。量で見てもですね、実はいずれも減少しているということです。これは為替の平均レートが13年度上期1ドル=2レアルで見ていて、この14年度上期は1ドル=2.3レアルで見ていますので、大体ざくっと15%、為替もですね、落ちていると。この辺も影響しております。
それと製品別で見ますとですね、塩化カリウム、それとナフサ、この二つが大きく動いてまして、他はあまり大きな、10%以上の動きというのはないんですけれども、塩化カリウム、肥料の原料ですけれども、これは金額ベースで昨年同期比24.7%と大きく落ち込んでいます。ただ数量ベースで見ると実は7%増えているという事実がありますので、この辺はちょっと要注意です。
あと塩化カリウムの市場価格がやっぱり非常に落ちているというのがですね、量が増えて金額が落ちている理由だということです。あとナフサ、これは金額ベースでは15.2%、数量でも11%増ということで、ただこれは2013年の落ち込みからの回復というのが理由と言われています。
次ですけども、次はブラジルへの輸入に関してやはり相手国別・地域別に見ています。左の表を見ていただけますと、国別に見ますと2011年までは米国が1位だったんですけども、2012年以降は中国がトップをキープしています。つまり2012年以降はですね、中国がブラジルにとって輸出先・輸入元双方で1位になっているということです。中国からの輸入品目はですね、通信部品、半導体、機械部品等が多くを占めていると。
次に3位のアルゼンチンですけども、これは輸出・輸入双方なんですけれども、やはり乗用車・自動車関連部品のですね、取引が多いんですが、この減少で、やはり輸入でもですね、アルゼンチンからの輸入も20%全体で減っております。これもやはり期中における為替の大きな変動もですね、金額ベースでは影響しているということです。
5位に韓国が入っておりまして、ただ韓国につきましてはですね、乗用車が減っています。で、鉄鋼製品が増えています。電子部品は昨年と同程度ということで、インダストリーによって若干ばらつきがあるようです。日本についてはまた後ほど別のスライドで説明します。
右側の円グラフもですね、これは輸入元の地域別の構成比です。輸出と同様に地球の反対側の中国・アジアが合計で28%を占めていまして、続いてEU、中南米、米国、その他とですね、こちらも比較的バランス良く世界中とお付き合いしているなということが言えると思います。
ここからはちょっとブラジルと日本の貿易の状況について説明させていただきます。ブラジルにとって日本はですね、輸出先としては5位、輸入元としては9位というランクになっています。なお輸入については昨年7位だったのが9位に下落しています。
左側がまず輸出の表です。輸出量全体では今年の上半期は昨年の上半期と比べまして14.3%減の33億ドルとなっています。特にこの二つ、鶏肉とコーヒー豆の輸出減少が目立っています。その理由ですが、鶏肉に関しましては、中東が積極的に買って、それに伴って相場が上がってしまっているということ。日本国内にちょっと在庫が過剰であるということ。これが理由のようです。
今新聞なんかでも報道されていますけども、日本では中国製の鶏肉の、まあ輸入鶏肉の問題がですね、これ製品、半製品含めて報道されていますけども、日本マクドナルド、あるいはファミリーマートなどはですね、鶏肉の輸入元をですね、中国と同じスペックの鶏肉を供給できるタイに移管するということを発表していますので、あの問題でブラジルの鶏肉が日本向けに大きく伸びるということはどうもなさそうということです。
あとコーヒー豆ですけれども、ブラジルでの生産減、それと日本での在庫増、日本での市況軟調による買い控え、このあたりがですね、ブラジルからの輸出減の理由として挙げられています。ちなみに14年上期の日本のコーヒー豆の輸入量は、これはブラジルからだけに関わらずですけども、全体で4割減っているそうです。
次に右の表ですが、これが輸入です。全体では14年上半期で昨年上半期と比べて11.6%減少しております。商品別ですけれども、ここに3つピックアップしましたが、自動車、トラクター部品、自動車エンジン部品などの減少はかなり目立っています。これはやはりブラジルの自動車販売の低迷が主因ということと、加えて一部ブランドでの、あるいは車種でのですね、輸入車への保護主義的な課税によって輸入が減っているということも要因として挙げられています。
次にブラジルの対内直接投資のデータについて説明します。貿易部会はですね、その名前の通り貿易というものを主眼に置いた活動をしている部会ですけれども、まあ近年日系企業、我々の企業活動は単なる日本との輸出入、トレードだけではなくてですね、やはりこのブラジルに直接投資をして、国内完結型の、地産地消型のビジネスもかなり多くやっておりますので、そういう意味では貿易統計だけではなくてこういう投資統計というものにも注意を払っていかないかんというふうに考えております。
左のグラフはですね、2010年から現在までの対内直接投資額の推移、バーグラフです。ご覧の通り一番多かったのが2011年で、ブラジル全体で695億ドルの投資があり、それが2012年が605億ドル、昨年は493億ドルと減少傾向ですけども、2014年上期はですね、今270億ドルぐらいでですね、ちょっと復調といいますか、まあ去年並みぐらいにとどまっているということです。
右の表はですね、対内直接投資の業種別データです。ただこれ、一つ二つ非常に大きな投資がその年にありますとこのデータは大きく動きますので、いわゆる昨年と今年の動きだけを追いかけているのでは全体の傾向値というのはつかめないですけれども、まあその前提でちょっとお読みいただければと思います。2014年上半期はですね、この下の赤線のサービス業への投資が69.6%増ということで、昨年同期比でかなり大きく増加しています。
一方で上の赤線、農業、畜産、それとマイニングへの投資はですね、32.1%減ということで大きく減っています。特にその内訳で石油・天然ガス採掘への投資がですね、昨年比で半分以下になっているというのは特筆すべき点かと思います。
一方で金属鉱物採掘業への投資はですね、2倍以上になっています。これはですね、いくつかちょっと大きな案件があったためで、アングロアメリカのミナス・リオ鉄鉱山プロジェクトへの開発投資というのがあってですね、これが今年の上期に入っているものですから大きく影響していると言われています。ただ中期的に見ますと、鉱物資源、特に鉄鉱石への対内直接投資は2007年から11年にかけてのピーク時、この時に平均年間で44億ドル鉄鉱石への投資があったんですけども、2013年以降は大きく減少していまして、2014年もその当時の水準と比べますとまあ数分の1のレベルにとどまっております。
サービス業の中ではですね、ここです、赤線を引いていますね、金融サービスへの投資額ですけども、これは去年の上期、今年の上期で比べますと4倍、非常に大きく増加しています。これは一つにはブラジルが金利がまた戻った、上がったことによって海外の銀行からの資本流入が増えているというのが一つ。それと、一つ大型案件としてサンタンデールがですね、資本増強で900ミリオンドルほどの資本注入をしたと、これが原因と言われています。
次に保険・同補助サービスですけれども、2010年以前はですね、日系の損保さん、損保ジャパンさんや欧米系の保険会社によるブラジル保険会社の買収があってですね、また2011年以降はですね、医療保険分野への投資もあって、この分野での投資額は高い水準がキープされていましたけれども、今年は特筆すべき案件がなくて昨年比でマイナス81%ということで大きく減少しています。
次は海外からのブラジルに対する直接投資をですね、国別に見たデータです。2014年上半期は、この左の表、上位オランダ、米国、スペイン、ポルトガルが4カ国入っておりますけれども、ここで一番ありそうな中国がトップ10にも入っておりません。中国は従来からですね、ブラジルの投資に有利であろうと言われているオランダとかルクセンブルク、あるいはスイス等を通じて投資を行なってきているケースが多いものですから、中国という名前で統計は出てこないんですけれども、色々調べたところではですね、2014年度上期の中国からの投資額は約10億ドル。ランキングでいいますと英国とチリの間、あの辺りに来ると言われています。
右の折れ線グラフはですね、日本と米国と中国のブラジルへの直接投資の推移を2007年以降調べております。先程申しましたように中国は他国経由の投資が多いため、中国投資データというのが必ずしも正確ではないかもしれませんし、ちょっと集めるのに苦労しておりますけれども、一応ブラジル・中国企業委員会というホームページもあって、このカマラのような活動をしているところのデータを使っております。まあある程度は信頼できると思います。
この赤線で示されているのが日本からの投資額です。一番大きかったのは2008年、11年、この二つポコポコと山がありますけれども、低い山と高い山、2008年は総額41億ドル日本から投資しています。主には新日鉄さんのウジミナス向けの増資ですとか、川重さん、あるいは伊藤忠さんの鉄鉱石、こういったものが含まれます。2011年はですね、これ過去最高で76億ドルの投資が日本からあったと。主な案件としてはキリンビールさん、あるいは同じく新日鉄住金さん、JFEさん、双日さんのニオブの鉱山ですとか、こういったものが含まれております。
で、中国を見ますと、ものすごい山が飛び抜けてあるのが、2010年、360億ドルの投資をしています。この中には、相当額の農業、あるいは資源関係の投資があったと思われます。加えて自動車でのチェリーですとかJACといったところがですね、製造投資をしていると、ブラジルに参入してきたということがあります。その後中国はですね、ずーっと落ちているんですけれども、2011年が120億ドル、12年13年は40億ドルと大きく減って、今年の上期は10億ドル程度になっていると、こういうデータになっております。
中国にとってはですね、ブラジルは今やライフラインですから、ここへの投資が本当にこんなに減っているのかなとちょっと不思議に、私自身調べながら思っているんですけれども、データ上はそういうことになっております。何かこう、そうじゃないよというデータがあればぜひ教えていただければと思います。
中国からの投資額がこれだけ減っている要因として、一応中国側の説明はですね、ブラジルの複雑な税制等が参入の障壁となったからと、こういう解説になっておりますけど、そんなこと前から分かっとるやろということでですね、それだけではちょっと納得できないなと思っておりまして。もちろんその、法律が3年ぐらい前ですね、変わりまして、外資が例えば土地、農地なんか半分以上持てないというようなことが出ましたので、ああいうことの影響はもちろんあると思いますけれども。
それともう一つの要因で中国側が挙げているのは、2010年、11年に大きく投資をした色んな案件が今オペレーションの段階に入ってですね、この立上げなりこれをしっかり経営していくことは大変なので、まずそこらをしっかり軌道に乗せる、このために新規投資は控えているという、どっかの会社でよく言われているような話をですね、中国側の説明になっております。
最後のスライドです。これはまとめです。まとめとして、2014年通期の展望、見通しを見たいと思います。
2014年度の通期ですけれども、ブラジル貿易協会というところの見通しではですね、輸出額が通年で昨年比マイナス5.8%。輸入額は昨年比マイナス5%。貿易収支はですね、かろうじて6億ドルの黒字ということで予想しています。全世界の貿易額はですね、2014年はドル金額ベースで約4.7%成長すると予測されてますので、ブラジルの輸出入がいずれも5~6%減少するという見込みはですね、やはり先程来各部会の発表にありました通り、ブラジルの経済の相対的な低迷、世界における相対的な低迷が表されているんだと思います。
あと、10月に大統領選があります。この政治イベント、先日の不幸な出来事があって、どういう結果になるか良く見えませんので、やはり当面、企業のですね、対内直接投資活動もですね、活発にはなりにくいというのが妥当かと思っています。したがって下半期の投資統計もですね、それほど大きなものにはならないんじゃないかなという見通しです。
まあそういう意味で、日本企業にとりましてはですね、もしブラジルの中長期の潜在力には変化がないと、ブラジル買いの状況には変わりはないという視点に立てば、前提に立てばですね、まあ今逆張りで買い時かもしれません。というようなことを私は会社には言っております。以上が貿易部会からの発表でございました。ありがとうございました。
司会
岡部会長どうもありがとうございました。以上で前半の発表を終わります。コーヒーブレイクに入りますが、大変申し訳ないんですが約10分間のコーヒーブレイクということで、3時40分にはまたご着席をいただきますようお願いいたします。どうもお疲れ様でございました。コーヒーブレイク
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司会 岡省一郎 企画戦略委員長
それでは、先程再スタートと申しました時間をちょっと過ぎましたので、後半の部を開始させていただきたいと思います。皆様、着席よろしくお願いいたします。後半の司会を務めます、私企画戦略委員会委員長の岡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは各部会からの報告に入りたいと思いますが、まず最初は電気電子部会の三浦部会長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
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電気電子部会 三浦修部会長
ありがとうございます。電気電子部会、ソニーの三浦です。前回も前々回もですね、ちょっと愚痴みたいなプレゼンになったんですけれども、多分今回も同じような感じになるかなと、事前にちょっと申しておきます。はいお願いします。
この14年2月、半年前にですね、16社の方からアンケートをもらいまして、まあ60何社部会にはあるんですけれど16社からいただきまして、その時は改善、維持、悪化と、まあ最初から悪化と書く人はまあ普通いないかなと思ったんですけども、まあほとんどの方が期待を込めて改善・維持ということで、この1月-6月を期待されてたんですけれども。
今回ですね、14年8月にですね、今回は19社からいただいたんですが、最終的にはまあ悪化というのが8社の方から悪化だったと。で、改善が11社だったということで。これをもらった時は、私は悪化だったんですけれども、11社も改善があるのかと、非常に、個人的には非常にびっくりしたんですけどもね。しかし60何社のうち19社しかアンケートを出されていないということは、他の40社の方は多分悪化だから出されてないんじゃないかなというふうに勝手に想像しているんですけれども、まあ期待以下だったというのがですね、この1月ー6月の結果だったんじゃないかなというふうに思っています。
そのピンクで囲んだところが悪化要因といいますか、なぜそんなことになったんだろうということなんですけども、やはりマーケットといいますか、市場が非常に不調だったということですね。前回ご覧に入れたかと思いますけれども、特にカメラ部門ですね、カメラ部門が月を追うごとにやはりスマートフォンのカメラに押されてしまいまして、前年比マイナス40%成長、どんどんどんどん縮んでいっているという状況でした。
次のページにあるんですけど、まだ伸びているカテゴリーというとやはりワールドカップということで、テレビ需要ですね。テレビ、LCDテレビなんですけれども、薄型テレビですね、薄型テレビが伸びたことは間違いない。
で、為替の悪化。為替、まあ現時点では2.25ぐらいで非常に安定していますけれども、やはり1月あたり2.4とかですね、2.35とかそういった、非常に、去年の2.0から比べましたらやはり悪化しましたので。その悪化、ほとんどのパーツがコンポーネントに関してマナウスでほとんど、マナウスとかサンパウロで色々組み立ててはいるんですけれども、現地化率が車と比べて非常に何と言いますか小さいので、ほとんどのパーツは、コンポーネントは輸入しているというのが現状です。
それが2.0から2.35までですね、為替が振れてしまうと、15、まあ17%ぐらいですか、17%ぐらい値段を上げないと元が取れないという状況なんですけれども、これは電子製品といいますか電気製品といいますか、そういった宿命なんですけれども、性能は良くなっても絶対値段は上がらないという宿命がありましてですね、非常に今苦戦しているところはあります。
そしてこれは、ワールドカップ期間中、電気小売はテレビだけに目が行き、他の機器へ目が向かなかったというふうに書いているんですけれども、ワールドカップ、別途またワールドカップ商戦に関してちょっとご説明いたしますけれども、4月5月あたりからやはりワールドカップ需要ということで、我々サプライヤーも非常に期待していましたし、小売も非常に期待していました。そのためにですね、テレビを中心にものすごく買いつけが起きたんですね。
特に4月あたりから起きたんですけれども、その買い付け、もうほとんど、ブラジル特有の、問題といいますか特徴といいますか、プライスオリエンテッド、値段だけの話になってしまって非常に苦戦してしまっていると。日本メーカー特に苦戦してしまっているという状況でした。そんな中、やはり小売もですね、テレビしか目が向いていませんので、テレビを買ってしまうともう他のものが買えないよと。もう在庫はないのに買えないという、非常にですね、悲しい話がちょっと続いたという状況はありました。
そんな中、ちょっと2点だけ、良い話だったということでアンケートの中に書いてあったんですけれども、自動車販売のIPI減税の継続でですね、やはり電気電子部会の中でも電気パーツを自動車産業のところに納めているところがありまして、やはりIPI減税が7月で終わるところが12月まで延長されたということで、それでまあ需要が維持されるだろうというふうに期待もあったんでしょうけれども、現実問題としては先程自動車部会からもありましたけれども、かなりやはり自動車の需要も非常にきついところに来ているんじゃないかなというふうに感じております。それと通信インフラの投資が継続しているので、これに関連する会社の方は、それはそういったビジネスはありましたよという答えが返ってきておりました。次お願いします。
いくつか電気電子部会の中で、家庭で使う家庭電器なんですけれども、まず最初にテレビなんですけど、これが前年同期比、1月-6月のこれはマナウスでの生産です。生産の比較なんですけれども、まあ当然のことながらこれはテレビのカテゴリー、テレビなんですけど、一番左が、小さいところがもう、まあCRTといいまして、昔ながらのテレビですね、ブラウン管のテレビ、もうほとんど生産されなくなってきています。
真ん中がプラズマテレビ、一番右端がLCD、LEDテレビ、通常薄型テレビなんですけれども、ここでの特徴が、このプラズマですね、プラズマテレビ、これ日本のメーカーは、弊社もそうなんですけれども、日本で一番プラズマテレビを作っておられた会社もですね、2年ほど前にプラズマテレビというのはお止めになっております。もう日本メーカーどこも作っておりません。それにもかかわらず、このプラズマテレビがですね、この半年間で前年比で4倍の数が作られています。
プラズマテレビは同じサイズだと通常のLCDテレビと比べてですね、大体半値です。で、半値攻勢で完全にこの最後のプラズマ、世界でプラズマテレビが伸びているところはブラジルだけです。ブラジルだけでですね、色んなニュースを最近、1ヶ月前ですか、1ヶ月ぐらい前に来たニュースだと、これは全部韓国メーカーなんですけど、プラズマテレビはですね、韓国メーカーもこの11月には全てのプラズマテレビを終了するということで、もう最後の最後にですね、プラズマテレビをものすごい値段でブラジルに落としてきたという状況でしたね。
で、クオリティを見ると、見た目はほとんど同じなんですけれども、実際店頭で見るともう全然違うんですけれども、やはり値段が半分だとこれは現地の人にとってはまあ非常に魅力的だったんだろうなということで、数はものすごく伸びています。次お願いします。
これは同じ表なんですけど、どういった生産が行われたかと、これ1月~6月までなんですけどもね。上の赤い点線と赤い実線はこれはLCDテレビの前年のそれぞれの月にどれだけ生産されたかというところなんですけれども、この緑色ですね、プラズマテレビ、まあこれが非常に市場を乱してしまったということでですね、もう本当に困ったもんだなと思っている、まだ在庫は残っていますから現在進行形なんですけれども、非常にまあ嫌なことをやってくれているなというような状況です。次お願いします。
これがそれ以外のですね、マナウスで生産された生産数です。例えば、下の方にですね、エアコンとかマイクロウェーブとか、マナウスだけではないところで生産されているのもありますので、まあこれが全ての市場というわけではございませんけれども、まあパーセンテージで見ますとですね、ざっと見てほとんどがマイナスです。ほとんどがマイナスで、下のエアコンとかマイクロウェーブオーブンとかは大体同じ、エアコンと電子レンジですね、そういったものは7%、6%とか伸びていますけれども、他はほとんどマイナスになっています。
一番下のセルラーフォンもマイナスになっているんですけれども、セルラーフォンはマナウスでも作っていますけれども、一大生産地はサンパウロ州です。ですからマナウスでは、特に韓国メーカー2社が作っているんですけれども、そこではマイナスだったんですけれども、サンパウロでものすごくそれを上回るほど大きい生産をやっているという状況です。後ほどGfKという、マーケットでどれだけ売れたかという情報を扱っているデータがありますので、それでどれだけ売れているのかというのは後ほど紹介させていただきます。はい、次です。
これがSales Quantityです。GfKと書いてますけど、GfKでどれだけ、この1月ですね、あるカテゴリー、上から三つは1月-6月、あるカテゴリーは1月-4月という、まあ若干期間にずれがあるんですけれども、はっきり言ってですね、テレビですね、上の方のプラズマテレビとLEDテレビ、これは前年同期比、非常にそれよりもものすごい数で売れていると。
で、下の方のスマートフォンですね、スマートフォンが98%ですから、これも非常に売れていますねと。ゲームもですね、ハードウェアとソフトウェア、まあ非常に、非常にといいますか、前年よりも増えているんですけれども、まあ弊社もゲームやっているんですけれども、やはりゲームのゲーマーというのは新しいものを持ってこないと中々飛びつかない。で、うちでちょうど去年の11月にPlaystation4というのを導入したんですけど、現地で生産していません。していませんのでほとんどこの伸びは他社に持っていかれているというような状況ですね。やはり、やはりと言いますか、現地生産をしないとどうしようもないというのがこのブラジル、電気製品に関してはですね。
例えば先程カローラとかカムリとかの他国との比較というのがありましたけれども、Playstation4はこれこないだの2月にも話したかもしれませんけど、Playstation4というのはアメリカでは、市場価格といいますか、お店では350ドルで売られているんですけれども、それをですね、まあ全く、我々は損しない、本当にブレーク、イーブンぐらいで、ディーラーさんも、まあディーラーさんは損して売るわけないですから、ディーラーさんは、電気屋さんはある程度の利益を取るというような試算でやると、値段がですね、このブラジルでは1850ドルになるんですね。そんな輸入して持ってこれる、持ってきて、まあ買う人もいるんですけど、何で買うんだろうとは思いますけれども。ですからやはり、もう生産しないことにはもうどうしようもないというのがですね、まあ電気機器の現状です。これが数です。
これがValueなんですけど、これももう数とほとんど同期しているんですけれども、プラズマテレビとかLEDとかですね、スマートフォンとか、そういったものが非常に売れていると。売れたと、この1月-6月は売れたというのが現状でした。そうなると、じゃあこれだけ例えばLEDなんか去年に比べて売れたんだから、うちも良かったんじゃないのというふうに思われるかも知れませんけれども、本当にこれはもう値段だけ。
値段だけといっては何ですけども、値段の勝負になってしまって、我々としてはもう、ものすごい値段を他社が、他社といっても韓国メーカーなんですけど、つけてしまっているためにですね、もう売らない方が得だというような状況になってしまっていてですね、これはまあ非常に歪んだ、何と言いますか、状況だったなと。まあ韓国メーカーがそれで利益が取れていればこれはたいしたもんだというふうに思うんですけれども、まああんな値段で取れるのかなというのがですね、弱いものの負け惜しみかもしれませんけれども、まあそれで自分達を慰めているというのが現状ですね。
ですからテレビ自体は非常に1月-6月は伸びました。伸びましたけれども、やはり安い在庫がまだまだ残っていますし、これからもちょっと残っていくのじゃないかなと。で、かなりマーケットとしては、ワールドカップという非常に大きなイベントがあったために歪んでしまったというのが現状だと思います。次お願いします。
で、ワールドカップなんですけれども、まあ弊社が、弊社がというか、スポンサーをしておりましたためにですね、非常にやはり、どうにかしてワールドカップを利用しなきゃいけないと。これは本社の期待度も非常に高かったわけなんですけどもね。それで前回もワールドカップどういうふうに思っていらっしゃいますか、というようなアンケートをとってまあ色々発表したんですけども、じゃあ今回、ワールドカップどんな状況だったんでしょうというとですね、テレビ需要は確かに盛り上がったんですけれども、5月末、これやはり先程のGfKというデータから見ると、5月末から6月中旬ぐらいの3週間くらいまでは非常に盛り上がったんですけれども、非常に遅く盛り上がってしまったなと。本当は4月ぐらいから盛り上がりを期待していたんですけれども、非常に遅かったなと。かつ非常に短かったなというのがですね、データから見て取れます。それと先程申しましたプラズマテレビの躍進ということでですね、最後の最後に、ああそういった手があったのかというような感じでしたね。
それとやはり、私のプレゼンの前にもありましたけれども、工場稼働日数の減少、小売の営業時間の短縮ですね。まあほとんどのショッピングセンターはブラジル戦の1時間前ぐらいから閉まっているというような状況で、そういった時にお客さんが電気製品を買いに行くわけもないしですね、まあそういったところで影響がありましたと。最後、三つ目は先程も申しました、テレビだけに目が、小売の電気屋さんたちもテレビだけに目が向いてしまったというような状況でした。
次が、これもアンケートからのコメントなんですけど、ワールドカップで混乱することが見えていたのでもう出張取りやめたと、それで経費が浮いたよという、まあ小さい話だけど、まあ良い話かなと思いました。そう言ってしまうと申し訳ないですね、せっかくアンケートをいただいた方に。
スト、デモなどの混乱はなかったと。特に、ずっと去年のコンフェデレーションズカップから続いておりましたマニフェスタソンを非常に心配しました。非常に心配して、やはりワールドカップ期間中もそれぞれの都市でFIFAと一緒に色んなイベントが行われておりましてですね、そこにかなりマニフェスタソンが行われるんじゃないかというふうに心配していたんですけれども、それがほとんどなかったと。色々、話に聞くと、やはりオープニング、第1試合目の途中の道はちょっとはマニフェスタソンがあったんですけれども、それ以外はほとんど見られなかったというのはですね、これは非常に良い話だったんじゃないかなというふうに思います。はい、次お願いします。
下期なんですけれども、これもですね、19社の方からアンケートをいただいて、まあ今回はちょっと現実を見つめられているのかなというふうに思ったんですけれども、ちょっと悪くなるだろうという、もう最初から思っていらっしゃる企業もですね、7社ぐらいあります。しかしながらまだまだ改善できる余地はあるんじゃないかなというふうに答えていただいたところも10社ほどありましてですね、まあこういった、何と言いますか、これからの6ヶ月間はこういったふうに考えられているという状況です。
で、やはりなぜじゃあそう思うのというところなんですけれども、やはり、継続的な景気の悪化、為替リスクがあるよねと。大統領選以降どんな感じでレアルが動くのか。それとやはり金利の上昇ですね。金利はまあ11%、Selicで11%で高止まっていますけども、これからまあどんな動きをするのと。それとアルゼンチンの動向と。これは他の業界の皆様とほとんど同じかなというふうに思います。
コメントとしては、中長期では悲観的ではないが、短期では厳しいねと。先程コンサルタント部会の方からありました、中長期はまあ非常に悲観的でない大国だけど、短期では厳しいよと。しかし駐在員というのは大体短期で来ていますのでね、中長期で良いと言われてもですね、中々うんというふうに納得するものじゃないなというふうに思いながら聞いているんですけれども。中長期で悲観的でないことは間違いないと思いますけど、じゃあこの中長期がいつから始まるのかというのをですね、ぜひとも知りたいところだなというふうに思いました。
最後に、政府への要望と言いますか、これも前回も前々回も同じなんですけれども、これは全く同じです。複雑すぎる税制の改革とかですね、インフラ改善、反政府行動の沈静化。今沈静化しましたのでちょっとシャドーでやっていますけど、またいつ始まるか分かりませんので、まあこれは残しておいた方がいいかなと。
税金を払わない輸入に対する厳格な取締り。まあこれは小さい電気製品がまあよくパラグアイからやってくるということ、これは特有の話かもしれませんけど。で、治安の改善ですね。治安はやはりかなり悪くなっているだろうなというふうに思います。まあ色んな、領事館からいただく安全情報、被害速報ですか、あれがもうかなり今年になって頻繁に入ってきていますので、またかというふうに非常に感じています。
ちょっと余談ですけれども、この治安の改善に関してです。ちょうど1週間、10日ぐらい前ですか、10日ぐらい前に弊社に入ったニュースだと、例えば警察が色んなその、何と言いますか、通信を傍受しているみたいですね。まあそんなことも許されるのかどうかちょっと分からないですけど、傍受しているみたいで、うちの方にですね、誰か傍受した話だと、うちは今最近スマートフォンを作っているんですけれども、スマートフォンのトップエンドモデル、トップエンドのスマートフォン4ミリオンレアイス誰かがもってこいと、誰かに頼んでたよと。ギャング同士の通信なんですけれどもね、ああそれだけ有名になったかと、うれしい話だなと思った反面ですね、非常にやはりこの治安の、治安と言いますか、そういったことがもう計画的に犯罪として大きくなっているなと。
これも、1ヶ月前ですか、もう2ヶ月ぐらい前ですかね、やはり韓国のS社のですね、工場にギャングが入って、まあ警察曰く80ミリオンレアイスとか言ってましたけれども、ものすごいセルラーフォンを盗んでいったという状況がありましたので、そういった治安というのはやっぱりこれから経済が悪くなるにしたがってですね、かなり厳しくなってくるんだろうなと、気をつけなきゃいけないんだろうなというふうに思いました。
そうなるとやはり、先程トヨタさんからもコメントありましたけれども、まあ儲かる業界といったら保険業界なのかなと、うらやましい限りだなというふうに思ったということで、終了させていただきます。ありがとうございました。
司会
三浦部会長ありがとうございました。それではご質問のある方は。よろしいでしょうか。ではありがとうございました。次に化学品部会の友納部会長、よろしくお願いいたします。 -
化学品部会 友納睦樹部会長
皆さんこんにちは。富士フィルムの友納です。大変いつもながら熱のこもった三浦さんの後で非常にやりにくいんですけども、お手やわらかによろしくお願いします。大変お疲れだと思いますので、眠気を誘わないように手短にさせていただきたいと思います。
富士フィルムがですね、なぜ化学品部会なのかということで、訝しく思われる方もあるかと思うんですが、私ども80年前にですね、ダイセル化学から分離独立して作られました純然たる化学の会社でございまして、まあ化学品部会関係でいいますと、色分野、印刷分野、それからもちろんデジタルプリントの材料ですとか、あと最近では電子材料、それから半導体の製造用材料、医薬品とか化粧品とか、そういったものも作っております。
あとは、最近はですね、コンピューターのバックアップテープですとか、非破壊検査用のフィルム等も作っておりますので、ぜひご用命の方はですね、このあとの懇親会の方で一つ何卒よろしくお願いいたします。シンポジュームの発表にあたりですね、化学品の各社からアンケートを実施いたしまして、結果をまとめたものを発表させていただきます。次お願いします。
化学品部会はですね、現在49社によって構成されております。上半期にはですね、京セラさんとそれから稲畑産業さんが新しく参加されました。アンケートは27社から38の回答をいただいております。回顧・展望のアンケートはですね、販売対象の事業ごとにいただいておりますので、ちょっと数が増えております。次お願いします。
回答いただいた企業のブラジルでの創業年を見てみるとですね、このように1950年代、それから1970年代、それから2000年代、2010年代、このあたりにブラジルへの進出が集中しているということが分かりました。特にですね、2010年以降の4年間に7社が進出しております。次お願いします。
ブラジルの国内の従業員数を見てみますと、従業員の数が10名以下という会社が7社、10名から50名までが4社、50名から100名までが11社、そして100名以上が5社となっております。次お願いします。
ブラジルの国内に工場を持っている企業はですね、回答27社のうち12社でございます。この12社のうちですね、8社がサンパウロ州に工場を持っているということです。特に2011年以降4社が新しい工場を稼働しているということは、やはりブラジルの需要に対する期待が昨今非常に高まっているということではないかと思います。先程の貿易部会の発表の中でもですね、化学製品の直接投資が対前年で60%伸びているというような数字が出ておりましたけれども、この辺が反映されているのではないかと思います。次お願いします。
主な販売対象先という観点で分類いたしますとこういうふうになります。複数回答としましたので、合計は回答会社の数よりも増えておりますけども、ご覧の通りですね、製造工場への材料用途での販売が圧倒的に多いということになっています。27社ですね。それからその次がですね、農業畜産漁業従事者への農薬や肥料や飼料等の販売、これが続いております。
その他ですね、法人業務用ということで、印刷会社、それから医療、病院ですね、それからプリント材料、すいません、これは全て私どもの商品でございますが、3社ございまして。あとは一般消費者向けとして、医薬品、それから化粧品、それから文房具、接着剤、まあこういうものを販売されている会社が5社ございます。これも化学品部会の会員会社さんでいらっしゃいます。次お願いします。
化学品部会の会員企業さんの取扱製品というのはですね、非常に多岐にわたっておりまして、最終的に使われている業界を分類してみたところこういうような状況になりました。回答27社のですね、うち半数を超える15社がですね、なんと自動車・オートバイの業界向けに材料や製品を販売しているということです。
非常に大きなシェアを占めていると思います。次いで農業畜産漁業関連となります。日本では自動車に次いで、やはり日本企業が強いはずの電子機器産業向けにはですね、なんと2社しか販売していないというような非常に意外な結果でした。その他、食品、化粧品、医療・医薬、それから建築業界、それから製紙ですね、このような業界・市場向けにですね、様々な材料や製品を販売しているということだそうです。次お願いします。
さて、2014年上期のですね、回顧と下期の展望ということについてご報告しますけれども、上期の実績、売上利益の対前年比較、それと下期を対上期で見た時の予測という形でまとめてあります。化学品部会全体で見るとですね、このように回答の半数が上期も下期も継続して増加という、こういう結果が出ております。
まあ売上が減少するという回答がですね、下期は上期より減っております。代わりに不変が増えておりますけども、まあ上期の落ち込みがですね、下期にはやや回復するだろうと、そういう期待で書かれているものと思います。利益の点ではですね、上期は43%の会社が減少としていますけれども、下期は増加すると、または不変だというような回答が大きく増えておりまして、採算改善の期待が非常にうかがえるかと思います。次お願いします。
最も大きく我々の業界に影響しております自動車・オートバイの業界の我々の動向を見てみますと、大体化学品部会全体の傾向と似たような感じになっております。自動車部会の発表でもですね、先程お話がありましたように、やはり上期が非常に悪かったと。上期が生産が非常に落ち込んだということでですね、自動車業界向けの材料の販売が大きく落ち込んだということのようです。ただその、下期はですね、回復を期待しているという意見が非常に多かったんですけれども、先程の発表ですとあまり下期もよくないということですので、期待はずれになるんではないかと、残念なことですけども思っております。次お願いします。
次は農業畜産市場ですけれども、売上は上期・下期とも継続して増加するだろうと。ただ利益は下期は足踏みをするだろうというような結果が出ております。下期に売上減少が増えているのはですね、これは季節要因だということです。次お願いします。
食品業界で見てみますと、上期はですね、国内の小売市場が低迷したと。それによって売上が非常に減少したと。また価格競争が激化してですね、利益も大きく減ったという回答がございました。下期はやはり新規市場とですね、新規の顧客開拓によって増加を見込んでいるということだそうです。次お願いします。
大変うらやましい市場です。全て増加。化粧品業界というのは非常に好調のようで、うらやましい限りなんですけれども、ブラジルというのは化粧品という意味では世界第3位の市場規模でございまして、伸びしろはまだまだ大変大きいのではないかと思います。材料販売先としてですね、これから非常に期待できる市場ではないかと思います。我々も、富士フィルムでも化粧品作っているんですけれども、あまりこの資料は本社に見せたくないと思っております。こちらではまだやっておりませんので。次お願いします。
医療・医薬市場関連の市場ですけれども、まあ下期には不変という回答がございましたけれども、まあ良い、非常に良い傾向のようです。これもすみません、弊社の話ばかりで恐縮ですけども、弊社ども、ブラジルではですね、医療というのは最大の事業でございまして、生活の水準の向上によってですね、病院設備の充実が非常に求められておりますので、これからまだまだ中長期的に伸びていく、非常に期待のできる市場ではないかと思います。これもまた全然関係ないんですけども、弊社の内視鏡を使ったですね、大腸がんの検診プロジェクトもですね、先日の共同声明に盛り込まれまして、大変感謝しております。すいません、関係ない話ばかりで。次お願いします。
印刷業界でございます。これは景気後退による需要の減少、あるいは中国製材料との競合などがマイナス要因として出ているということでございます。先日ブラジルの印刷工業会、ABIGRAFで聞いたところによりますと、最近中国からの印刷物の輸入が非常に増えていると。これによってブラジル国内の印刷生産がですね、数パーセント減少しているというようなことがあるそうで、これはやはり高い税金とかですね、労働力が非常に高い、労働コストが高いというコスト高を回避するためにですね、ブラジルの出版社が直接中国の印刷会社に発注するという、そういうことが非常に増えているということだそうでございます。次お願いします。
自動車・オートバイ業界に向けてですね、販売している材料・製品の事業について現状を整理すると大体こういうことになります。上期は自動車製造に生産調整が入って、一様に材料販売が不振だったと。特に非日系の自動車会社の状況が悪いと、これは明確な回答がございましたので念のためお伝えしておきます。下期は回復を期待しているというはかない期待があったようでございますけれども。
もう一つはですね、上期はワールドカップによる取引先の稼働率の低下で販売が減少したが、下期は回復を期待する。というのは一方でですね、やはり人件費、現地調達材料のコスト、各種経費がインフレによって上昇して利益を圧迫していると。経費は上がるんだけれども、値上げは中々できないと。で、中国品を含む競合品との価格競争によってですね、販売価格がむしろ低下して利益を圧迫していると。あるいは顧客の支払いの遅延が非常に多発してきていると、増えていると。それから高金利の負担がですね、経営を圧迫していると。まあこういうようなマイナス要因が引き続き負担となっているようです。次お願いします。
農業畜産漁業市場関連で見ますと、大豆など主要農産物市価の高止まりのおかげで生産が増加していると。鶏肉、鶏卵など畜産物市価も高止まりして非常にいい状況であると。農産物の作付面積も増加していると。非常にいい話がある一方でですね、やはり同じようにアジアからの安値品の輸入が増えて競争が激化していると。まあこれはどこの市場も同じ事情でございますね。あと、これは前回もありましたけど、サトウキビの関連企業は相変わらず低迷が続いているということだそうです。干ばつによって作物の病害発生が少ないと。本来ならいいことのはずなんですけれども、少ないと儲からないという、そういう業界だそうでございます。次お願いします。
その他の業界で共通して報告されたことをまとめますと、やはりワールドカップの期間中は経済活動が停滞してですね、工場の稼働率ダウンによって減販となったけれども、下期は回復を期待する。としながらもですね、やはり中国製品との競争激化、これによって採算が非常に悪化してきていると。それから金利上昇によってですね、経営を圧迫していると。それから石化原料の高騰があるというような課題があるというような話が共通の話題として出て参りました。
それでやはり、5番目ですけども、原料、光熱費、労働力、これは毎年上昇するけれども、競争によって販売価格値上げは中々難しいと。まあ非常に事業環境がですね、年々難しくなっているというような声が聞かれました。次お願いします。
副題であります、「どうなる日伯関係-ビジネスの環境改善に向けて、いま為すべきこと」について、特に改善すべきと思う課題は何かということでですね、アンケートをとった結果、このような結果となりました。これは設問では選択形式にしまして、実は新しく設立する、商工会議所の方で設立されます機能強化委員会のですね、ワーキンググループの課題をですね、そのまま選択肢として使わせていただきました。このようにですね、圧倒的にですね、課税問題、これが非常に大きな課題だろうというふうに考える会社が多かったという結果でした。次お願いします。
自由回答によりますとですね、まあ先程自動車部会の中でも移転価格の話が詳しくありましたけれども、移転価格税制、これを改善してほしい、大きな課題だと、非常に重要な課題だとして挙げる会社が5社ございました。このほかですね、舗装補修工事など道路整備が適切に為されないと、これはインフラのことですね。
それから港湾インフラの充実が必要で、特に輸入の際の滞留・遅延が非常にひどいというようなこと。それから労働者の就業意欲が低い。労働力の底上げのために教育制度を改革する必要があるんじゃないかと。それから様々な登録、認証に費用と時間を要していると。まあ我々の、すいません、ここと関係ないんですけれども、貿易部会の下の医療機器の分科会の方でですね、ANVISAとの色々話し合いをやっておりますけど、そういうような、非常に難しい、不条理な規制・制度がたくさんあるというようなことですね。
それから、社内でですね、これは8番目、非常に特異的な話だったんですが、社内でブラジルに対する期待度が非常に低いんだと。これはですね、今まで全くこういう話は出てこなかったんですけれども、この話が出た途端にですね、そうだそうだと、皆さん同じようなことを口々に言われまして。まあこれは意外にですね、多くの方が実は潜在的に感じておられる、あるいは長い間潜在的に感じておられてきたことじゃないかと思うんですけども、特に先日の安倍首相のですね、来訪以来ですね、経済ミッションとして各社たくさんの幹部の方がブラジルにいらっしゃいました。
この機をですね、うまく利用して、社内でのブラジルに対する期待度をですね、上げるというのは今我々がやるべき仕事であってですね、ある意味では我々の使命じゃないかと、それはまた今それがチャンスなんじゃないかということでですね、ぜひ皆さんと一緒にですね、これを頑張っていきたいと思います。以上、簡単ではございますけれども化学品部会の発表でございます。皆さんお疲れのところありがとうございました。
司会
ご質問等あれば。多少時間戻しておりますので。よろしいですか。では友納部会長ありがとうございました。改めて拍手をお願いします。
続きまして、運輸サービス部会、森田部会長お願いいたします。 -
運輸サービス部会 森田透部会長
運輸サービス部会の森田と申します。それでは発表をさせていただきます。次お願いします。
我々運輸サービス部会ですけども、我々もかなり広範囲に業務が多岐に亘っておりまして、ここにありますように、物流、構内物流、機工、整備、海運、航空貨物、航空旅客、旅行、ホテル、通信、ITというふうな形にそれぞれなっておりますが、これにそって説明させていただきます。次お願いします。
まず物流業界ですけども、2014年の上期の回顧ということでここに書いてありますけども、ワールドカップ開催に対するゼネスト、こういったものはまあ懸念がかなりあったんですけども、特に物流アクセスに対しての問題は、目立ったことは、支障は発生しなかったということですね。あとサントス港における新港湾ターミナル、これ二つ新しいターミナルができておりますけども、これで若干ターミナルでの混雑は緩やかになったと。緩和されているんじゃないかということは感じ取れる。ただし、まだですね、例えば貨物、通関が切れて、先程もお話がありましたけども、時間的に、例えば通関切れたらすぐ貨物が出るかというとそうではないんですね。貨物、通関切れても2日ぐらいやはりかかるというふうな形で、やはりまだ非常にそういった面では遅れている部分があるということですね。
まず下期の展望ですけども、これロドアネル、外環状道路ですね、この南と東部分が完成しましたので、今後この地域の企業進出、それとあとはまあアクセスが若干良くなって、車の回転、こういった効率が若干良くなるんではないだろうかと。北部分はまだできておりませんけども、これで3分の2が完成したということですね。
あと、内陸部から、それとインフラ関係に対しての問題なんですけど、サントスの港というのは農産物ですね、これが例えば6月7月とか非常に集中して、その輸出のための車両が大量に港の中に入るために、その道路状況、あそこはアクセス道路が一本しかないんですけども、そこに集中して混雑して、通常の貨物のハンドリングですね、こういったものが非常に遅れて、車が動かないというふうな混雑がすごくあるんですけども、それを緩和するためにサントス一極集中というものを北部・東北部の港にシフトする、こういった動きが今出てきてまして、その辺で緩和がなされるのではないだろうかということを考えております。
それとですね、次に、あと引越しなんですけども、引越しに関しましては港湾・空港税関の手続きが一昨年見られたような税関とか港湾地区のストライキですね、これに対する極端な影響はなくなって、まあ治安はそれほどなくなってきているんですけども、ここにありますように、やはり航空貨物で貨物到着後44日、船便で54日というふうに、やはりまだ非常に時間がかかっているという状況です。
総括といたしまして、今回ワールドカップの影響というのはほとんどなかったんですけども、ただ物価高、給与関連賃上げ要求、これがインフレ以上に行われてマイナス面が多いと。特に我々、物流の中でも通関とかフォワーダーとかあるんですけども、人件費というのはどんどんどんどん上がっていくわけなんですけども、ただ売値に関しましてはやはりマーケット的な形な、マーケットプライスの方で、あまり上げられないと。
お客様に値上げを要望しても中々受け入れていただけないという部分がありましてですね、非常にその、インフレ吸収をするためには量が増えなきゃいけないというふうなところなんですけども、残念ながら、特に今年の場合はそれほど量的なものが伸びがないということで、まあ非常に苦しい状況ですね。こういったものが続いております。また下期においてもそういった状況がずっと続くのではないだろうかということで、非常に経営環境は苦しい状況であるということですね。次お願いします。
次に構内物流の方なんですけども、これは製鉄所の構内でのハンドリングとか整備とか機工作業、こういったものなんですけども、ここも非常に厳しく、14年の上期に関しましては鉄鋼の国内需要、これがやっぱり自動車関係、こういったものの不振で、輸入鋼材等が増加しているということで、まあ製鉄所自身の出荷量、これも落ちてきておりまして、さらに非常にそういった意味で協力会社に対するコスト削減要求ですね、これが引き続きずっと続いてきているということです。
それと、こういったものを傾向としてですね、下の方に鉄鋼メーカーの粗鋼生産量一覧というのがあるんですけども、これデータとしては13年のデータなんですけど、今年の初めにご説明した12年度のデータと比較した場合にですね、ブラジル企業としてGERDAUが12年が14位から16位、ウジミナスが40位から49位にシェアがダウンという形で、やはりそういったこともこういったものに反映されているような状況だと思います。
下期ですけども、下期の展望といたしまして、製鉄所の協力会社に対するコスト削減要求ですね、これはある意味同じような、ずっと継続していくと。あと、同業他社、これは同業他社というのは地場、ブラジル企業なんですけども、そういったものとの競争も継続的に激化していくと。まあ今後として、製鉄所の協力会社として顧客製鉄所と同一のスタンスですね、それでコストの削減に向けて強力な取組をやっていくことが必須であろうという状況です。次お願いします。
次は海運業界になります。上期としまして、ブラジル全体のコンテナの輸出入量は前年同期比微増という形ですね。そのうちアジアとのトレードはブラジルの対外貿易の中で比重が高まってきていると。あと、鉄鉱石を運ぶケープサイズの傭船料ですね、これが昨年は暴落しているんですけども、これが1万ドル以上高く推移してきていると。
あと一方、パナマックスに関しましては、大豆等の出荷最盛期を終えた3月以降傭船料はじりじりと値を下げてきたということですね。それと先程物流の方でもご説明しましたけども、サントス港では2つの新港湾ターミナルですね、これが稼働しまして、若干コンテナターミナルでの混雑は緩和されると。お願いします。
これが右岸にできたBTコンテナターミナルですね。去年の11月に稼動しております。ちょっと写真古いんですけども、今はもうちょっと貨物がたくさん見えますけども。もう一つお願いします。これがEMBRAPORTという、左岸にできた、対岸にできたターミナルですね。こういった、当初からコンテナターミナルとして設計されている、今のSantos Brasilというコンテナターミナルがありますけど、あれと同じようなレベル、それ以上の近代的な形のターミナルになっています。
あと、サントス港の水深に関しまして、浚渫作業によって30cmほど水深を深くされているんですけども、ただ現状、コンテナ船というのは最大型が15000TEUという、TEUというのは20フィートコンテナ換算での単位なんですけども、20フィートコンテナが15000本積める船、これが今一番大きい船なんですけども、このレベルの本船は入港することはできないと。
現在大体サントスに入ってくる船で一番最大船型が9000TEUというものですけども、ただこれもフルに積載している状態では入港することはできないので、足切りといって、他の港で一部荷物を下ろして、水深を上げて入ってくるという状態です。あと、コンテナ船の大型投入による供給増ですね、これが貨物の増加のペースを大きく上回るということで、供給増になってきて、競争環境が激化して運賃が下がってきたという状況が進んだということです。
次に下期ですけども、コンテナトレードは通常であれば年後半に向けて荷動きの増加が見込まれる。通常10月、11月ですね、クリスマスにかけてやはり量の動きというのはかなり出てくるんですけども、今年はその辺があまり期待ができないと推測しているということですね。それとあとケープサイズ船の市況に関しましては、6月に入ってから下落傾向になっていると。で、年後半に向けて鉄鉱石の出荷量が増加してくれば、市況反発の可能性があるというところです。
あと、サントス港においてさらなる浚渫作業、これが行われる予定ですけども、まあ従来同様時間が掛かる恐れがあって、あまり期待はできないなというところですね。で、貨物輸送需要の伸び率次第ではコンテナ船の配船調整等が行われる可能性があると。あと、年後半の需要期に向けてコンテナ運賃の修復を期待をしたいということですけども、これがまあ全体的にどんなふうになるかですね。
総括としまして、まあコンテナ船の当該航路での需給バランスの乱れによって、業界の状況も厳しさを増し、今後傾向次第ではサービスの合理化が進む可能性があるということで、まあ今ウィークリーサービスでダイレクト船的なことが行われていますけども、その辺がなんらかの形で変化が出てくる可能性もあるということですね。次お願いします。
次に航空貨物業界ですけども、上期としまして、輸出入総量、これは前年比7.8%減と、やっぱり全体の物の動きも減っていると。これは特に生産部材ですね、やっぱり自動車関係が一番影響しているんじゃないかと思いますけども、こういった面の輸入量が減少していると。 輸出総量は対前年比1.9%、まあ微増はしているということですね。
下期展望ですけども、まあ量的なものはあまり期待はできない。それほど多くならないと思うんですけども、環境として8月よりグアルーリョスの空港のタリフ、これが値上がりしておりまして、他の空港も追随する可能性があるということで、今後物流コストの上昇が懸念されると。
あと、空港の民営化が進み、インフラの改善とリードタイムの短縮を期待するということで、今ここにありますような、VC、ビラコッポスですね、それとグアルーリョス、ブラジリア、リオ、それとベロ・オリゾンテの各空港はINFRAEROが半民営化ですね、という形になっておりまして、確かに貨物のハンドリングスピード、こういったものは上がるようになっています。ただし、ハンドリング面が上がったとしても、やっぱり税関のリードタイムですね、これが短縮されない限りは全体のリードタイムの短縮にはつながらないという案件もございます。次お願いします。
次は航空旅客業界ですけども、この辺は一番ワールドカップ関係のあれが一番大きいんですけども、国内線におきましては一応堅調だったと。で、ワールドカップ関係で運賃が非常に高騰したと。ただ一般旅客が、やはり運賃が高くなったということで敬遠したらしいんですけども、ただワールドカップ関係の需要で相殺状態で結果的にはまあちゃらちゃらだったということですね。運行状況として、ワールドカップ期間中に路線網が約30%拡大されたと。あとTAM、,GOLその他で期間中に約77200便の増便がなされたということで、まあ定時出発率90%を達成したということで、まあ目標を達成したということらしいです。
国際線に関しましては、まあこれも堅調ということです。特にワールドカップ期間中に利用減が予想されておりましたけども、それほど大きな影響はなかったと。ただやはりビジネス客というのは減って、観光、まあワールドカップ関係、これで何とか支えてきたというふうなことです。
それとあと空港インフラで、グアルーリョス空港ターミナル3ですね、これも皆さんご存知だと思いますけども、これがオープンしたということでございます。これTC-3の写真ですけども、こういった形で一応これまでのTC-1、TC-2とは違って、まあ一般的な国際空港のレベルにやっと近づいたということですね。お願いします。
下期の展望ですけども、国内線に関しましては、総座席数はまあ減少するのではないかというふうなことなんですけども、ただ旅客数、これは増加すること、まあ特にビジネス客が戻ってくるということで、まあ需要は堅調予想。それとあと観光も増えるのではないかということですね。国際線に関しましては、グアルーリョスのターミナル3による機材の大型化等が計画されているということで、下期も堅調な需要を予想しているということです。
空港インフラに関しましても、TC-3がオープンしたことによって利用航空会社が増加するということと、ボーディング・ブリッジ等の増設などによって旅客の利便性を図ることが見込まれているということですね。
航空業界全体としては、これに基づいたような形での機材の大型化、増便の検討が進められているということです。課題としましては、やはり全て同じようなことなんですけども、空港=市内間のアクセスの改善が必要だということ、あと離発着効率の管理による便数の増加が必要だということですね。それとあと、国内線=国際線の乗継の利便性の向上というのが課題であるということです。次お願いします。
次、旅行・ホテル業界ですけども、上期としまして、国内線の売上、これが前年同期比で7%増加と。国際線も同様に約2%ほど増加。旅行業界の売上としては、前年同期比約7%の増。特にインバウンド業務はワールドカップ関係で18%増加したということです。
ホテル業界ですけども、ホテル業界としましてはビジネス客は減少しておりましたが、レジャー客、要はワールドカップの関係で、やはり前年同期比で約10%の増加になったと。あとワールドカップ開催都市の稼働率が大幅に増加したと。特にリオ等に関しましては、約98%という非常に高い稼働率を示したということです。その次に下期ですけども、国内・国際線ともワールドカップ終了に伴って、ビジネストリップですね、これがまた戻ってくるんじゃないかということで、回復の期待をしているということです。国内旅行、これも需要は継続するものと予想していると。ホテル業界に関しましてはビジネス客の、まあ戻りですね、それでの増大期待。ただ、傾向として大統領選がどのような影響が出るかというのは今のところ不明であるということです。
課題におきましては、やはりインフラ整備、これは観光地のインフラ整備が必要。それとやっぱり治安の問題。それとあと、ブラジルは非常に物価が高いということですね。ワールドカップの時もやはりこういった問題が出てきましたけども、こういった課題がやはり残されているということです。次お願いします。
特にここで、旅行・ホテル業界でのワールドカップ関連のトピックスということでここに整理しているんですけども、ワールドカップ開催期間中のホテル、輸送車両の高額販売、これが騒がれておりましたけども、実際には、開催地以外ですね、のホテルなどの稼働率、これは見込みを大幅に下回るなどの影響で通常・それ以下の料金となっていたようですけども、ただ、各12会場ですね、の開催地においてはホテル、レストラン、輸送車両の料金は異常と思われるほど高騰したということらしいです。
あと、ワールドカップはブラジルのイメージに大変良い効果を与えたと。これ当初は非常に心配されていましたけど、結果としてはブラジル人の温かい人間性、ホスピタリティー、こういったものが評価された結果になったということです。
それとあと、空港のインフラ問題、これも心配されておりましたセキュリティーの問題とか、こういったものは幸い大きなトラブルもなくまあ無事終了する事ができたということです。次お願いします。
次、通信業界ですけども、上期の回顧としまして、ブラジルの通信面で米国依存を減らすための施策が相次ぎ実施されて、ブラジルはEUと、リスボンとフォルタレーザを結ぶ海底通信ケーブルの敷設で合意したということですね。これは米国依存でのやっぱり偏ったものを分散化していくという形のものです。
それとあと、インターネットへの平等なアクセスと国内ユーザーのプライバシーを保障する「インターネット憲法」というのが上院で可決されたということです。これは詳しい内容はここにサイト(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3892)を書いてありますけども、ここで日本語でどういう内容かというのを見ることができますので、後で参照してください。
あとブラジルの上期のモバイルブロードバンド接続数は1億6100万件ということで、ちょっと数字的にイメージがわかないんですけども、前年同期比51%とい大きな増加になっていると。過去12ヶ月間で5400万件の新規接続があって、特に4G接続ですね、これがワールドカップの影響で増加したということです。
下期の展望としまして、4G設備の拡大によって4G加入者のさらなる増加が期待されると。モバイルデバイスの増加によってデータ通信全体の発展がさらに促進されると。一方で、やはり同じように技術者不足、人件費の高騰で、優秀なIT人材の確保が非常に困難な状況は引き続き継続するということです。次お願いします。
通信業界におけるワールドカップ関連トピックスなんですけども、ワールドカップの開催エリア、会場については、WiFi、モバイル向けの通信のインフラの増強が行われて、各通信オペレータがANATELから出された要求に沿って十分な通信インフラを整備したことによって、世界記録となる膨大なトラフィックに対応できたということで、特に大きなトラブルはなかったということらしいです。
あと、これは日本側としまして、8KスーパーハイビジョンによるパブリックビューイングにNTTさんのIP伝送技術を利用。ブラジル・日本間でのライブ伝送に成功したということです。これは2016年の夏季オリンピックですね、に向けての先行実験の位置づけとされたということですね。これは例えば日本代表キャンプ地のメディアセンターにおける中継にも同じようなIP伝送技術が利用されて、従来の衛星よりも高速かつ低遅延な中継ネットワークを実現することができたと。今回のワールドカップの実績を通じて、海外からIP伝送の可能性を新たに世界に提示することができたということです。次お願いします。
最後ですけども、IT業界で、まず上期の回顧としまして、新規日系企業進出に関わる案件はまあ若干減少気味であったと。既存企業の規模拡大に伴う企業内ICT環境増強ニーズですね、これは継続してきていると。ワールドカップの影響でプロジェクト進行が遅延しましたけども、特にビジネスに影響は及ばなかったと。で、アウトソーシングサービス、ITOとかBPOですね、こういったものは比較的堅調に推移してきたと。
下期の展望としまして、大統領選挙を見越したIT投資が抑制され、様子見が継続すると予想しているということです。それとあと、アウトソーシングサービスですね。この需要は引き続き期待できるであろうということです。
IT業界内の再編や合従連衝の加速が行われるでしょうと。コモディティ化したICT要素、メールとか共有サーバーですね、これはより柔軟でコスト効果の高いクラウド型へシフトが進むと。ここでもやはり同じようにインフラ、やはり全てにインフラの問題というのは追随してくると。それとあと人材の確保の問題ですね、これはもう全ての業界について同じ問題となっております。次お願いします。
最後なんですけども、昨年も下期にサントス港の視察を我々運輸サービス部会で実施しましたけども、また今年も10月24日に行なうように計画しておりますので、また案内は以後詳細を出しますので、ぜひとも参加してください。以上です。
司会
ありがとうございました。それでは質問ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
ではどうもありがとうございました、改めまして。それでは続きまして繊維部会の横山部会長、よろしくお願いいたします。 -
繊維部会 横山眞一部会長
繊維部会の横山です。どうぞよろしくお願いします。お時間もあと残り少なくなって参りましたが、今しばらくお付き合いいただきたいと思います。特に皆さんになじみの薄い業界でもあり、またお仕事上の関係も薄い業界でもあります。少し皆様力を抜かれて気楽に聞いていただければと思います。どうぞ、お願いします。
そうしましたら繊維部会の発表に移りますが、繊維部会の発表は使用原料の綿花から、最終製品の衣料品・縫製品までを順に市場の状況を発表させていただきます。1枚目のスライドをお願いします。
まず綿花から申し上げますが、世界の綿花の状況というのは基本的には中国がその主導権と言いますかイニシアチブを持っているというのが今の現状です。まあその理由といいますのが、まあこれを見ていただければ分かるように、中国というのは世界で生産が一番、消費も一番、さらに輸入量についてもまあ世界で一番多いという状況になっております。
このため、特にこの上半期につきましては、本来であれば、見ていただきますと分かりますように約2200万トンの季末在庫、これもほぼ現在までの史上最高の数字です。この数字にも関わらず、余剰の在庫を全て中国が輸入して自国内に備蓄してしまうというような形で、まあ相場自体は比較的堅調な、高い水準での動きとなりました。
ただ、この5月以降ですね、中国がまあ今後その輸入政策、綿花政策を変更して、今後輸入量を減らしていくという予想が出たことによって、特に5月6月に国際相場は下落しております。結果的にはこの下半期、年初からこの6月末までで綿花の価格はおよそ10%下落しております。
ちょっとご説明しておきたいのはですね、この綿花というのはちょっとややこしいことに、ちょうど年度が年をまたがり8月1日から始まって翌年の7月末で終わるということで、ちょうど先月に前年度の2013年/14年度が終了して、今月新しい今年度の14年/15年度が始まっているということでちょっとご理解ください。
本年度の、この2014年/15年度の生産につきましても、見ていただければ分かるように、概ね生産が若干減少、消費は若干増ということですけれども、まあ基本的に、全体的な、ポジション的な大きな差はありません。逆に季末在庫についてはさらに、前年度の2200万トンから2300万トンへとさらに増加すると。我々の業界ではこの1年の季末在庫数量を消費量で割った、季末在庫率というのを一つの指標にしますが、これも前年度の93%から95%へという形でさらに増加していることになります。
まあただ、今年度の予想では、中国自体の在庫は輸入がほぼ半減することによって、大きく変化はありません。その代わり、それ以外の他の世界中の地域での在庫が余ってくるということで、今後この下半期については6月末に下がった価格がさらにこの年末に向けて一段と下落するというふうに予想されています。まあ実際、直近、現時点では6月末よりもさらに、おおよそ20%近い下落を今記録しております。2枚目をお願いします。
ちなみにブラジル国内の綿花についても報告しますと、ブラジルの綿花については昨年の2013年の生産が130万トン。ただしこれは、その前年、ここには記載しておりませんが、2012年から比べると約30%ほど収穫が減少しております。
その大きな要因だったのが、先程もちょっと話が出ておりましたが、大豆やとうもろこしなどの他の作物の相場が非常に高かったということでそちらの方に植え付けが変わってしまったということと、昨年はそれまでに発生しなかった新たな害虫が発生したために、その影響で生産がさらにダウンするということが起こりました。
今年につきましては、今のところ植付面積自体が増加、さらにこの害虫に対する対応策というものも徹底されて、およそ170万トンの水準まで、約30%の増産というものが予想されております。先程ちょっとお話が出ておりましたが、少なくとも棉作については今年は非常に、新たな種類の農薬をまた大量に使用しているというふうに聞いておりますので、その分では何らかのお役に立っているんじゃないかと思っております。
ならびに、国内の綿花の値段につきましても、トレンド的には国際相場とある程度リンクしておりまして、若干実際には国際価格よりも高い水準で推移しておりますけれども、やはり同じように6月末には年初と比べて約10%のダウン。さらに、今年が豊作であることと、非常に国際価格が下落していることで、やはり中々輸出の方にも出にくいということを考慮すると、さらに年末にかけて値段的には下落していくというふうに予想しております。次お願いします。
続きまして綿糸の方に移ります。綿糸につきましては、特にブラジルの輸出入については、輸出はわずか300トン、ほとんどゼロに等しい状況です。それに対して輸入綿糸が約11000トン、この2014年の上期に記録されております。まあこの水準はほぼ昨年の同時期と変わりません。その要因としてはこの前半の衣料品生産、繊維製品生産の数量が非常に落ち込んだということを反映していると思われます。ただ金額ベースにつきましては、おおよそ6%ほど減少しております。すなわち輸入の平均単価自体は下がってきているというのが現象として表れております。
あと、ここにはちょっと資料が出ておりませんが、輸入先の国を見ておりますと、昨年まで増加しておりましたインド、これが今年の上期には減少。逆に目立って今増えてきているのが、よりまあ価格が安いと思われる中国、あるいはアルゼンチンからの輸入というのが今増えてきているということで報告されております。
下期につきましては、基本的には、まあ輸出についてはほとんど大きな改善の見込みはありません。これについてはそれだけブラジルの製品の輸出競争力がないということなんですけれども。それに対して、輸入についてもやはりまだマーケット的に後半についても回復機運が薄いということ。それと国内の綿花あるいは綿糸についても非常に余剰在庫が残っているということで、おそらく輸入についても概ね前年と変わらない水準での推移に、以内に収まるというふうに予想されております。
またブラジルの国内綿糸の市況についても、先程言いましたように、他の部会の方々も発表されておりますように、今年の前半についてはまあ非常に厳しい状況。特に生産数量が減退、販売数量も落ちるということで、各紡績メーカーが製品在庫を抱えるという状況でこの上半期を終了しております。
先程言いましたように、原料コストについては逆に言えば上半期よりも低いコストが期待できるということと、まあブラジルの場合は特に繊維業界は年末商戦、クリスマスを中心にした年末商戦というのがやはり一番大きな販売機会ということで、これから生産が本格化していくということで、まあある程度のマーケットの好転というのは期待はしております。ただそれがどの程度、特に個人消費がどの程度戻ってくるかというのはこれから見ていかなきゃいけないところだと思っております。
続きましてテキスタイルの分野についてですが、上期についてこれは輸入実績を出しておりますが、昨年比テキスタイルについても約10%ほど、これは重量ベースで10%、金額ベースで6%輸入が増加しております。トレンドとしてはより単価の高い天然繊維、綿あるいはウールのような天然繊維から合繊素材が増加しているというのがトレンドとなっております。ただ、ここでもやはり、数量の増加に対して金額の増加が低いということで、まあ輸入単価自体はやはり減少傾向になっております。
国内生産につきましては、先程のように、国内経済の状況が悪い、あるいはワールドカップの影響ということで、またそれともう一つ、この上期、先ほどもありましたが電力コストが高騰したということを受けて、実際に工場の生産を落とす、あるいは止めるというような企業が、我々の業界では続出しております。まあその関係で生産数量自体については、やはりこの上期については前年に比べると相当減ったというふうに推定しております。
続きましてアパレル、小売、それからファスナーなどの部品についてですけれども、上期の小売販売、特にアパレル品の小売販売については、昨年の年末商戦、クリスマス商戦というのが過去10年間で最低の水準からスタートしている関係で、年初からすでにもうバーゲンセールが始まってしいるというような状態で小売販売が始まってしまいました。3月ごろには次の冬物のコレクションに店頭変わりましたけれども、中々その後も期待通りには好転してこないという状況が続いております。
特に小売について非常に問題であったのが、特に繊維製品の販売において、ブラジルにおいては先程言いました年末のクリスマス、これが一番のプレゼント需要が発生します。その次が5月第2土曜日の母の日。さらに続いて6月12日の恋人の日、いわゆるDia dos Namoradosというこの日がまあ特別なイベントに当たるわけですけども、残念ながらこの上期にありました2日間、母の日、これにつきましてはちょうどその前後にワールドカップの抗議のデモ、あるいは地下鉄、電車などの公共機関のストが発生したために、非常にこの売上が、前年比約5%以上落ち込んだ。
さらに6月12日の恋人の日に至ってはちょうどその日がワールドカップのオープニングの開催日、第1試合とぶつかってしまうということで、これは前年比約8%売上ベースで減少したとデータが出ております。その関係でこの上期に期待していたこの二つのイベントが、まあ残念ながらワールドカップ関係で全く不本意な状況に終わってしまうということになりました。
分野別で見ますと、特に衣料品、ジーンズ関係につきましては、まあ昨年から好調であったカラーデニム、これについては今年シーズンが変わって冬物になっても依然順調に推移しております。また、新しい流行の流れとして、プリントデニム、これが今マーケットで動き始めており、これからさらに好調に推移するんじゃないかと期待されております。その反面、今までのクラシックなブルージーンズというのはブラジルにおいてはどんどん減少傾向になっているということです。
婦人服部門につきましては、今消費者のニーズが多様化しており、いわゆる今までのジーンズ中心のファッションからそれ以外のファッションにどんどん移行しているということで、この部門については割りと堅調に推移しております。
特にファスナー関係につきましても従来のいわゆる金属のファスナーから、いわゆるコンシールファスナーと呼ばれるナイロン製のファスナーというものが今どんどん順調に、そういう衣料品に使われて、出ているというふうに報告を受けております。
あとジャケット分野については、基本的に特に重衣料、あるいは合繊素材を中心とするものについては既に完全なる完成品を輸入するという形に変わりつつあり、この部分については残念ながら国内での生産分というのが非常に少なくなっています。また、昨年の在庫というのがある程度残ったために、この部分については輸入に関してもこの上期にはさほど数量的には入ってきていないということになっております。
あと、2月の時にも報告いたしましたが、昨年は特にユニフォーム、政府、あるいは企業向けのユニフォーム製品というのが順調に出ておりましたが、これについては今年に入って非常に苦戦をしているというふうに聞いております。
上半期の縫製品の全体の輸入、ここにありますように、全体として約9%増加しております。金額については7%ということで、やはり先程のテキスタイル、あるいは糸の状況と同じようにやはり全体的に平均単価というのは下がってきているということがここでもうかがえます。
この上半期の輸入相手国を見てみますと、基本的にはやはり従来からこの下の青い部分に出ておりますのが、これ中国なんですけれども、実際中国とそれ以外の部分を黄色で示してあります。まあやはり中国からの輸入というのが全体の6割以上を占めているという状況の中で、ただこの上期については中国から輸入する部分の増加率というのが若干下降している。増えてはいますけれどそのペースは落ちてきていると。
それに対してちょっと目立つのが、まだ数量的には少ないものの、東南アジアからではベトナム、これが前期比34%増。インドネシア、これが48%増。さらに南米地域では、まあ労務費が安いと言われているパラグアイあたりから輸入されているものが約25%増となっております。こういう地域の輸入がまあ伸びているということが一つの特徴となっております。次お願いします。
これは中国からのファスナー輸入についての統計ですけれども、同じく同時期の中国からのファスナー輸入というのは、逆に今年の上期については前年同期比若干減少しております。パーセンテージにして約11%の減少です。
この要因としては先程言いましたように今年の前半の衣料品の生産数量が低調に終わったということで、それまでの輸入品というのがそのまま滞留した形で在庫になって残ってしまっている。そのために新規の輸入の数量がまあ減ったというふうに予想されております。この部分につきましても、この衣料品全般についても、やはりこの下期の見通しというのは決してよくない、逆に言えばマーケット自体は中々回復が難しいものというふうに見込んでおります。次お願いします。
簡単に今までの部分を、繊維業界の状況をまとめますと、やはりブラジルの繊維メーカー、これは紡績あるいはその先のテキスタイル、あるいは縫製品の業界を含めてですね、特に需要の低迷による生産の減少、販売の減少というものに直面しております。
先程から資料にも出ていますように、残念ながら販売が低迷している非常に弱い環境の悪い中でも、輸入品については基本的には順調にその数量は増えてきている。ということはすなわち、国内のメーカーの生産をそれだけ阻害しているという状況になっています。
この2014年の上期につきましては、ワールドカップという特別な要因もございましたけれども、ただ実際にはそれ以外にも基本的にはいわゆるブラジル国内の生産がですね、輸入品に対して競争力を持っていない、価格競争力がないということがやっぱり一番大きな原因となっています。ただブラジルについては皆様ご存知のように2億人の人口を今現在も抱え、その2億人の人口が消費するマーケットが我々の目の前に実際に存在する。その中で中々国内のメーカーがそのマーケットを死守できないというところに非常にまあ問題があるということです。
特に今の現状を変えていくためにはですね、やはり、まあ既に他の部会の方々からもご報告があるように、このブラジルコストを少しでも是正していくことで国内産業、国内メーカーの価格競争力、少なくとも輸入品に対してもう少し、対等な土俵とまではいかなくても、それに近いところで勝負ができる、そういう環境が必要不可欠となっております。
その内容としては色々な、課税負担、あるいは従業員を抱えるに当たって色々なことで出てくる労務コスト、それに不安定な電力コスト、エネルギーコストなども含まれておりますが、とにかくこの下期の見通しとしましては、先ほどからも言いましたように、基本的に国内経済の回復が残念ながら見込めない。さらにこの10月に行われる大統領選挙の影響というのが非常に懸念されているということで、特に国内市場のお客さんについてもその見通しがある程度はっきりするまでやはり買い付けを控える、抑制するというような形でどうも進みそうな予想です。
まあそういう意味では、残念ながらこの下期については大きな期待はできないという中で、この下期を何とかしのぎきってですね、これからの、来年以降の繊維産業の回復につなげていくためにですね、やはりなんとしてでもこの環境を変えていく。
さらにもう一つの方策としては、この輸入製品とのバッティングを避け、新たな別の、いわゆるブラジル国内でしか生産ができないもの、あるいは輸入品と競合しないものづくり、製品を展開する方向を探っていくことでですね、逆に輸入品とのすみわけをこれから進めていくということも必要になってくると考えております。
基本的には毎年わが繊維部会というのは、皆様他の部会の方々が非常に状況が良い時についても中々厳しい状況が続いております。今回については、逆に、人の不幸を喜ぶわけではありませんが、他の業界の方々も非常に厳しい環境におかれているということで、正直少し、我々としては今までのようなあまり肩身の狭い思いをせずに済んでおります。
最後に今回の副題についてですけれども、繊維部会といたしましては、すでに色んな部会の方々がもう報告されておりますけれども、色んな課題のある中でやはり、部会の中で相談、色々まあ意見を聞いた中で、一番重要視されておりますのがやはり労働問題となっております。
特に、近年、我々の場合、一般の工場労働者からまあある一定のスキルを必要とする人材に至るまでですね、非常に人材の確保が困難になっている。この状況の中で、やはり企業が、あるいは工場が必要な労働力が十分に供給される状況、さらにそれに対して不必要なコストが発生しない、あるいはそれを、今あるコストを低減していけるような環境というのが必要になると考えております。
さらにもう一つ、さらにハイレベルなスキルを必要とするような人材を育成するための、まあ教育制度、あるいはその設備というのを今後拡充していく、そういうことを進めてもらうということがやはり我々としては重要なことだというふうに、この2点の改善を今回の繊維部会からの一つの提案としたいと思っております。
簡単ですが、繊維部会からの発表をこれで終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。
司会
横山部会長ありがとうございました。時間が押しておりますのでそのまま次に行きます。次は建設不動産部会ですが、急きょ三上部会長が急用で欠席になられましたので、部会長の代理として奥地さんの方からよろしくお願いいたします。 -
繊建設不動産部会 奥地正敏部会長代理
はじめまして。戸田建設の奥地と申します。本来なら弊社の三上の方がですね、発表する予定だったんですけども、ちょっと急用になりまして、申し訳ございません。私の方で代行させていただきます。
今日の朝、資料を渡されまして、お前これやっとけと言われましてですね、まああの、行き当たりばったりの会社なものですから、ちょっと困ったんですけども。私も8月の最初に来たばっかりでブラジルに関しては本当にど素人ですので、まあお聞き苦しい点多々あるかと思いますけども、よろしくお願いいたします。それでは報告の方に移らせていただきます。
内容としましてはこのようにですね、まず部会メンバーの動向とですね、2番目として不動産市況の動向ですね。そして建設業界の動向。そして4番目に都市化と電力事情ということで、最後にまとめさせていただきます。それではお願いします。
まずこの部会のメンバーですね、我々の部会メンバーにアンケートを取りました市況状況、このアンケートの結果ということでございます。
まずは建設業界ということですけども、昨年に比べてやや下振れをしていると。新規の日系の企業の進出が減少しているというようなことがございます。今年の展望としましては、昨年同様の受注を確保できるかということになっているということでございます。
次に不動産業界ということですけども、これは日系企業の増加による取扱量、まあ増加が継続をしているということでございます。賃貸物件のですね、相場が高止まりをしている状況ということでございますね。まあ引き続き今後も堅調に推移していくであろうというような予想でございます。次に特殊技術、これは設備とか環境技術というような会社さんでございますけども、まあ引き続き堅調な推移をしていると。まあ人手不足の傾向であるということで、今後も好調を維持するであろうというようなことでございます。
最後にプラント設計ということで、実施計画の時期ズレ等によって現状は減ということになってますが、まあ今後の展望としては昨年同様以上のですね、受注を見込めるというようなことでございます。まあ我々の建設以外の部会メンバーの方はですね、まあかなり明るい展望を持たれているというような結果になっております。それでは次お願いします。
これはサンパウロの近郊の工場用地の地価の動きということでございます。左側がメーター、平米単位、これレアルの単位で平米の単価ということで、右側がですね、9ヶ月の値上がり率ということでございます。まあ今年まで、半年前までですね、非常に値上がりをしていまして、地価ですね、まあ3年で2倍程度の上昇があったということでございますけども、今回はですね、調査の結果は、これまで比較的値上がり率の少なった地域ですね、これはサルトとかイトゥー、ソロカバですね、この辺の周辺に土地を求めるお客さんが多くなったということで、地価が上がってきたというような傾向が見られます。今後はサンパウロから100キロを超えました、このリメイラとかです。この辺の地域がまあ値上がって行くんだろうというふうに考えられているということでございます。次お願いします。
これは不動産の方のですね、まず分譲マンションの販売状況ということでございます。これはサンパウロ市内の分譲マンションということでございますけども、まあ顕著なのはですね、この45平米以下の小さな案件の成約がですね、これが非常に激減していると、今年になってということでございますね。
これは不動産不況ということではなくて、この右側の資料を見てもらいますとですね、より高級な広いマンションの方にですね、市況が移っていると、志向が移っているということかと思います。サンパウロ市の近郊の都市や、カンピーナスなどの都市のマンションの建設はラッシュに近い状況になっております。分譲マンションとしてはこういう状況ということでございます。それでは次をお願いします。
これは、今度は賃貸マンションですね。賃貸マンションの賃料と物価の推移ということでございます。サンパウロの家賃の上昇率を示したのがこの左の図ですね。昨年度から上昇率が鈍ってきている状況ということになります。この中で、サンパウロ以外で、リオですね。まあリオの方の値上がりというのは非常にまだ続いているということで、まあ物価上昇率以上のですね、上昇をしているということが見受けられるということですね。次をお願いします。
これは各都市のマンションの賃料の比較ということで、まあサンパウロがどれぐらいの位置にあるとかということですけども、まあかなりサンパウロの家賃上がっているということ皆さんご存知だと思いますけども、まあニューヨーク並みだということを言われていたんですけど、ちょっと落ち着きまして、まあ香港並みになったということでございますね。
私も先週、8月になってからマンション探してましてですね、まあかなり非常に高いということで、探すの苦労したんですけども、私この前に神戸に単身赴任してまして、そこで賃貸マンションに入ったんですけども、まあ日本と比べてもサンパウロの家賃というのはやっぱり3割から4割高いなというような実感をしております。それでは次お願いします。
これは建設業界の動向ということで、建設の物価指数ですね、これを表したものです。これは消費者物価指数と比べてですね、プラス1.5から2%でここ5年は推移しているということになります。まあ生産性の向上による付加価値がこの数字を代表しているということではないということかと思います。次お願いします。これは建設資材の価格の動向ということで、特に顕著なのは手間賃ですね、労働者の賃金ということで、まあここ5年間非常に激しい値上がりが続いているということです。建設材料の鉄骨とかセメントが落ち着いているのに比べて非常に労働者の賃金だけが上がっていると。まあこれは、労働者賃金というのは、税金ですね、税金がまた100%ぐらいかかるということで、非常に、建設資材にとってはですね、非常にネックになっているということかと思います。それじゃあ次お願いします。
次に電力事情ということで見てみます。ブラジルの年間の発電量というのは大体550TWhということで、日本の大体60%程度ということでございます。ご覧の通りブラジルの電力消費はですね、まあサンパウロ、リオ等南東部が全体の半分を占めているということですね。そして南部のパラナ、リオ・グランデ・ド・スールを入れるとですね、まあ全体の70%が南部と南東部で消費をされているということで、かなり偏った電力消費になっているということでございます。次をお願いします。
これは各国のですね、一人当たりのGDPと電力消費量を表したグラフでございます。これは、まあ一番高いのはアメリカですね。GDPも電力も高いということで、次のグループが日本、韓国、あるいはヨーロッパ系ということになるんですけども、まあブラジルの場合はですね、このようにあと10年間でですね、このようなGDPと電力消費、これはまあ上昇するであろうというふうな予測でございます。それでは次をお願いします。
これは電力のですね、割合を示したものですね。このように、見ますとですね、これ私も驚いた数字なんですけども、全体の75%が水力発電でまかなわれているということですね。その他バイオマス等の再生可能エネルギーを入れるとですね、まあ全体の84.5%が再生可能エネルギーでまかなっているということでございます。世界的な傾向としましてはこの右上のようにですね、枯渇性エネルギー、いわゆる石油等での発電が90%を超えているということを考えればですね、ブラジルというのは非常にエコな国だなというふうに思いますね。それでは次お願いします。
これは都市人口の増加と電力消費の予測ということですけども、都市人口ですね、最初のころはですね、まあ都市と農村部半分半分ということだったんですけども、まあ当然都市人口が増加をしているという傾向があります。それに従ってですね、電力消費が毎年5%ずつ増加しているというような状況です。
右の図にありますように、2030年までにはですね、このような上昇率をたどるということで、電力消費が高まるにつれてですね、まあ今後日本のようにですね、省エネあるいはスマート化のですね、重要度が非常に高まってくるんであろうというふうに考えられます。それでは次お願いします。
最後にまとめでございます。地価に関しましてはですね、サンパウロ周辺での土地価格高騰の勢いは弱まっているということですけども、まあまあ横ばいであろうということです。まあバブルの崩壊もなくてですね、まあ適当なところにソフトランディングできるような地価になっているんじゃないかというふうに考えられます。
もう一つは建設の価格ですけども、これは主に労働者賃金の上昇によってですね、物価のインフレ率を上回るレベルで上昇を続けているということですね。これがブラジルに投資を呼び込む上ではですね、建設工事費の価格競争力を高めるような施策、税制改革が必要なんじゃないかというようなことでございます。
最後に、都市化に伴う電力需要の増大ということでございますけども、これに関しては先程も申しましたように、省エネ化やエネルギーネットワーク整備等の日本の最新技術、これの導入の提案がですね、これから有効になって来るんであろうということと、まあ建築の許認可や技術指導のエンジニア就業の許可手続きの簡易化ですね、これがまあ必要になって来るんじゃないかというふうに考えているということでございます。
以上で建設不動産部会の報告を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
司会
奥地さんありがとうございました。来られたばかりの奥地さんに何か質問のある方いらっしゃれば、酷かとは思いますが、よろしいですか。では続きまして、最後になりますけど食品部会、西井部会長の方からお願いいたします。 -
食品部会 西井孝明部会長
皆さんお疲れ様です。最後になりましたので、もうしばらくお付き合いいただけたらと思います。8月から食品部会長を承っております味の素の西井です。よろしくお願いします。
最後ということなので、上期の回顧のところについては相当これまでの皆さんのところとオーバーラップするところがあるので、ポイントだけ飛ばしていきたいと思います。こういう内容でお話をしたいと思います。次お願いします。
上期の業界動向でさっきワールドカップの話が縷々出ておりますけれども、まあ一言で言うと食品部会の方はですね、大変期待していたと。各社色々特別なパッケージだとか色んな商品を用意して準備したんだけれども、かなりの部分残念な結果に終わってしまったということであります。
これはまあ、スーパーが閉まっていたとか、それからお客さんがどんどん家に帰っちゃって、ビールとスナック、ポテトチップスしか食べなかったとか、レストランに行ってもバタタ・フリッタしか食べなかったとか、まあそんなことが影響しているんだろうというふうに思いますが。
ポイントはですね、実はこのワールドカップというのはまあ空振りだったということには違いないんですが、この3番目の・に書いたですね、やっぱりインフレの影響を受けてこれを価格転嫁を食品業界も3月以降して参りましたけれども、かなりやっぱり今ちょっと踊り場に来ている傾向があるなというのが一般的な感じであります。
当然その、ミドル層が増えてきて、消費マインドが旺盛で、非常に元気がある業界であることは間違いないんですが、この上期についてはちょっとやっぱり踊り場という感じが見えてきているということでありますが。
一方で一番下のところの、ここが大事かなと思うんですけども、部会のメンバーの皆さんのお話の中でもですね、お酒でもやっぱり輸入酒類は良かったよと。それから日本食ブームに乗っかって、レストランが非常に日本食のメニューが増えてきているので、こういったところはチャンスがあって実際に業績も良かったよとか。それから商品によってはですね、健康価値の高いカテゴリーについては引き続き二桁以上大きく伸ばしているというようなことがあってですね、やっぱり総論で停滞感があっても、ブラジルのお客さんがよりいいものとか、より自分たちの生活レベルに合わしたものを欲しがっているなというのは間違いなくあるだろうということを考えております。次お願いします。
ここからはそれぞれの部会ごとのポイントですけれども、今ほど言いましたようなことが入っているんですが、ビールはワールドカップで良かったと。ローカルスピリッツは減退してきています。でも一方輸入ウィスキーとスピリッツは二桁伸長を続けている。こんなことですよね。次お願いします。
それから飲料についても、我々大きなコカコーラさんとかいませんのでちょっと分かりませんけれども、例えばヤクルトさんのような主要な発酵乳飲料、それから果汁飲料は非常に大きくマーケットを伸ばしていると。それから粉末ジュースの市場はですね、これはおそらくコモディティの方だと思うんです。安い飲料の方で、家に帰ってポテトチップスと一緒に飲んじゃったということで、我々も大変恩恵に被りましたけども、好調でございました。
それからコーヒーは、まあトピックスは下のところですね。原料の高騰、これはちょっと後ほど触れますけれども、非常に極端に上がりましたので、これを値段に転嫁する動きをまあやらざるを得なかったということでですね、小売段階との非常にバトルがあって、買い控えが発生したと。まあこんなことです。次お願いします。
手前みその調味料ですけども、市場全体は低調でありました。一方でですね、懸念されておりました、日本の食品メーカーさんが工場はまだ持っていないけれども例えば醤油を入れようとか、こういう調味料を入れて行こうということで出てきておられるんですけども、去年まではですね、為替の影響があったせいかもわかりませんが、並行輸入製品の価格が非常に安くて、正規代理店で入れている我々の商品よりも安いと、しかも通関が早く切れるということでですね、これは非常に何とかしてくれないかという要望を部会としても出させていただいたかと思うんですけども、これについてはですね、やっぱり為替の影響、それから規制が徹底してきたこともあってですね、落ち着いてきているということで、ビジネスチャンスが出てきているというようなことであります。
それからラーメンについては、非常にこの国で大きなマーケットになっていますけど、させていただいていますけれども、小麦の原料の高止まりというのがですね、大きくコストに影響しております。次お願いします。
今まではブラジル国内の食の話でしたが、輸出関係ということで、先程話にもありましたように、貿易部会の方から話もありましたように、かなり為替等色んな影響を受けますが、コーヒーについてはですね、ブラジルが実は世界の40%のコーヒーの産地でありまして、ここのちょっとした産地の動向がですね、国際相場に大きく影響するというのが、典型的な動きが今年の上半期に出ました。後ほど触れます。次お願いします。
それから、食品なんですけど、食周辺のエスペシャリティーな商品群ということで、これも調子がいいよということで、ご紹介したいんですけども、ブラジルの皆さんものすごいチョコレート食べますよね。チョコレート大好きで消費量も多いんですけども、実は原料のココアバターというのが大高騰しています。もちろんこういう、天然物なんで、天候によってものすごく振れるのはいつもこれまであったんですけど、基本的にこういうチョコレートというのは世界中で伸びているんですよね。経済が成長してくるとみんな肉を食べに行っておいしくものを食べて行くのと同じように、お菓子もおいしいものを食べるんですよね。したがってココアバターが高騰しているというのは原料の影響だけじゃないんです。
ところが日本の大きな、とある食油メーカーさんは、品質の高いこの、代用油というんですかね、ココアバターを使わなくても、大豆から加工して、原料は安価なんだけども付加価値の高い油をこの国で販売をされていて、これに大手のチョコレートメーカーがどんどんと置き換えていってくれていて、ものすごく需要が伸びている、こういうふうなことがあります。やはり日本の食品メーカーの裾野は広いですので、こういったいわゆる食品素材の高品質なものっていうものについても、この国ではまだまだチャンスがあるんじゃないのかなというふうに思います。
それからその下の部分ですけども、実は食品のカテゴリーに入りますが、食品向けの香料、あるいは香粧品向け、先程化粧品ってありましたけど、ここの香料についてもですね、非常に日本のメーカーさん今がんばっておられます。
ここについて言うと、特徴的な報告がありました。マルチナショナルに展開していらっしゃる、いわゆる世界的に有名なブランドを持っていらっしゃる香粧品については、非常にお客さんが元気だった。ところがブラジルローカルの化粧品メーカーさんについては、そうでもなかった。ちょっと需要が落ち込んじゃったというふうなことであります。
ここでもですね、やっぱりトータルで見るとそこそこの伸びなんですけれども、ものすごく伸びている顧客とそれから、そうでもない顧客、ものすごく伸びているブランドとそうでもないブランドというのが、まあ混在しているということだと思うんです。従って、やっぱり食だけじゃなくて香粧品のところでもブラジルのお客さんはよりいいもの、より付加価値の高いもの、より美しくなりたいという要望に対して応えてくれる商品についてやっぱりDemandがあるなというふうに見えます。次お願いします。
これは種の話であります。ご承知の大手の種苗メーカーさんが日本から来ておられますけども、情報をいただきましたが、やはり大変な農産国でありまして、農薬の需要も大きい、それから肥料の需要も大きい、おそらくフランスとここがものすごくそういう面では大きなマーケットになっているんだろうと思うんですが、そういった中でやはり日本の大手の種苗メーカーさんが持っていらっしゃる高い技術力に裏付けられたF1 Hybridのですね、いわゆる害虫だとか病害虫に強い品種ということだと思うんですね。こういったところをですね、積極的に使っていこうという農家さんが増えてきているというふうなことが報告をされています。
従って、コモディティに目を向けるんじゃなくてですね、その大きなマーケットの中のスペシャリティーの領域に目を向けて行くことによって、我々の業界についてはまだチャンスがあるのかなというふうに回顧しております。次お願いします。
トピックスですけども、今年の4月にニッポンハムさんのブラジル法人、NHフーズさんがサンパウロ事務所をオープンされまして、日本を代表する大きな食品メーカーがこの国でですね、ドメスティックなビジネスをやるためにビジネスを立ち上げるという、再度立ち上げるということですので期待していただければと思います。それから「すき家」さんも新しいお店が出ました。牛丼文化が浸透しつつあるというふうにおっしゃっていますので、ぜひご愛顧お願いいたします。次お願いします。
原料の動向ですけれども、砂糖は今安定しています。先程来出た通りです。次お願いします。
乳相場なんですけれど、これは食品の原料として非常に大きなインパクトを持っている原料でありますが、ここのところですね、いわゆるオセアニアを中心とする不足が発生したり、新興国を中心に需要がものすごく伸びたりして、価格が非常に高く上がってきておりまして、我々苦しめられておりましたけれども、このところですね、ようやく2014年に入って供給量の増大策が効いてきて、安定してきております。この領域についてはこのコストの安定とともに色んなことがまたできるようになるんじゃないのかなというふうに考えております。次お願いします。
コーヒー豆です。一番下のところに、横軸のところに1年ごとの時期を書いています。一番右側の2014年1月1日からですけど、ニューヨーク相場とブラジル国内の生産者価格の相場を書かせていただいていますけど、6ヶ月間でですね、あれだけ値上がりをしております。実際にブラジルの産地がアラビカ種で受けた生産量の減量というのはほぼ10%ぐらいというふうに言われていますけど、その原料が少なくなったというようなことだけではなくて、相場で動きますので、こういう動きになっていて、ここについてはブラジル国内でインスタントコーヒーのビジネスをやる部分にも、それからExportで日本やそれ以外の国々に持っていく部分についてもですね、この後、この下半期のところもちょっとセンシティブな動きを注視していく必要があるのかなというふうに思います。次お願いします。
原料のところのコメントのところでですね、これは飛ばして下さい、すいません。
ブラジル国内の要因で、先程電気の話がありましたけども、3番目のところに書きましたけども、いわゆる水不足に由来しているんですが、エネルギーコストの高騰ということでですね、特にサンパウロ州を中心として電気のスポット価格がですね、急騰してきております。我々の食品メーカーの中で色々聞きますと、大手の工場で1年間、いわゆる年間単位で電気料金を契約していらっしゃるところの話を聞くと、大体ですね、メガワット当たり100~110、110~120、まあそのぐらいのところで大体1年間分の電力を契約されている方が多いと思うんですけども、今このスポット価格はですね、4月にピークを付けたのは800です。8倍。
でこれ月別に見ますとものすごく動きます。大手は先程言いましたように1年間分の契約みたいなことを先物、先々で、例えば来年の契約を今頃やるとか、16年を抑えに入るとか、こういったことができますけども、やっぱり食品会社というのは大手ばっかりじゃありませんし、工場の規模もそんなに大きくない、価格も上限が決まっているということの中で言うとですね、インフラの中で電気の料金がこんなに上下する国っていうのは、ちょっと製造業、我々のような、ライト産業とは言え製造業にとってどういうインフラなのかなと。ぜひですね、日本にあるようなコジェネの機械をですね、安くブラジルに入れていただいてですね、工場の中で発電できるような、簡単に発電できるような機械をぜひ日本のメーカーさんが頑張って入れていただけると食品業界もですね、頑張れるんじゃないかなと思います。次お願いします。
14年の下期の展望でありますけれども、先程来触れましたことは別にしましてですね、やはりですね、1番目のポイントです。消費マインドの低調さっていうのがしばらく継続するんじゃないかなというふうに思います。ワールドカップが空振りに終わった背景にはですね、やっぱり、いわゆる手前のところでお祭り騒ぎにできなかったというところがやっぱりあるんだと思うんですね。そういう部分があって裾野が広がらなかったということがあるんじゃないかと。この部分にはやっぱりインフレがじわじわ効いてきてて、お客さんの気持ちが冷えてきているというのがあるんじゃないかなと思っていまして、ここはちょっとやっぱり甘く見てはいけないかなというふうに思っております。あとはデモです。次お願いします。
食品部会の方でですね、色々議論をさせていただきましたけれども、まあビジネス環境改善ということで先程来色々ご指摘がある、例えば税の問題、労務問題、色んな事についてはその通りでありますけども、まあポジティブにとらえればですね、来年日伯国交樹立120周年、その次にはリオ五輪があるということでですね、やっぱり裾野が広い日本の食文化をもつ食品会社がですね、より一層この国に進出しやすい環境整備にですね、部会としても尽力していきたいなというふうに考えております。
当然一人じゃできませんし、8月の初めのですね、安倍総理のご来訪の際にもですね、大使館、総領事はじめですね、大変なチャンスを作っていただきまして、食品関係でいいますといわゆる食と医療の関係の分野の別のセミナー、それからスポーツ業界団体との接点を食とのつながりでもって考えるというような切り口で場を作っていただいたり。こういうエポックなことが起きる時にですね、やっぱり、クールジャパンじゃないですけども、日本の食の良さみたいなもの、新しさみたいなものですね、そんなことをですね、もうちょっとPRしていくことによって、ブラジルと良い関係になりながらビジネスチャンスを広げるということができるんじゃないのかなというふうに思っております。
そういうふうなポジティブなことをしながら、2番目のですね、インフレ懸念が高まっておりますので、ここはやっぱり生産性を高めるということについてですね、やっぱりコスト競争力のある食品産業を実現するっていうふうな形の、地味ではありますけども大事な働きかけをしないと、これから増えるお客様のDemandについて応えられるような国内産業として食品産業がなっていくことができなくなるというふうに考えておりまして、このあたりをメインテーマにやっていきたいと思います。以上です。ありがとうございました。
司会
西井部会長ありがとうございました。多少は時間がありますが、何かご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。はい。それではですね、以上を持ちまして各部会からの報告は終了となります。では続きまして福嶌在サンパウロ日本国総領事・ブラジル日本商工会議所名誉顧問に本日のご講評をいただきたいと思います。福嶌総領事よろしくお願いいたします。 -
講評 福嶌教輝 在サンパウロ日本国総領事/ブラジル日本商工会議所名誉顧問
皆さん長い間お疲れ様です。いつも私このシンポジウムに出させていただきまして、非常に素晴らしい発表で、日本政府の我々も非常に勉強させていただいている次第です。講評というのは本当におこがましいので、いずれにしましても11部会の発表を聞かせていただいて、今非常に厳しいと。
ここ1、2年、あるいは数年ですね、厳しいけれどもしばらくすればまた安定した成長に戻るんではないかという期待を持ってですね、先程関根部会長も言われた通り、Ânimoということでですね、ぜひ頑張っていただきたい。そのためにもですね、日本政府としてもですね、今日いくつかの提言がありましたし、あるいは賢人会議でもここの提案がありましたけれども、こういった点をしっかりとですね、ブラジル側に伝えて行くということ。そしてまた、後でちょっと触れますけれども、日本政府としてもぜひ民間企業の皆様をですね、ご支援することをですね、さらに力強くやりたいということを講評に代えさせていただきながら、2点ほどちょっと触れさせていただきたいと思います。
まず一つ目は、先程から話題になっておりましたけども、安倍総理の訪問に際しましては商工会議所、そしてここにおられる皆様に多大なるご支援をいただきご協力いただきましてありがとうございました。特にブラジリアでの日程、あるいはリオでも賢人会議ございましたし、そして、まあ私にとっては特にサンパウロでの経済セミナーですとか、あとSport for Tomorrowというところで食文化、その後食文化のイベント等ですね、いくつもの行事で皆様の非常なご協力をいただいたわけですけれども、先程友納部会長からもですね、中々日本ではブラジルのことに対する期待度が低いというお話がありましたけれども、実は私どももですね、外務省あるいは色んな関係省庁にもですね、ブラジル大事なんだと、そして今回の訪問に当たってもですね、色んなことを言っても中々ですね、東京の方もですね、んーそうなのかな、どうなのかなと。例えばもっとざっくばらんに言えば、簡単に、ロジですね、色んな動きについても、そんなことできるのかと、きっと色んな問題あるんじゃないかということで、まあ実は空港で車列事故がございましたけれども、ああいう事故はあったもののですね、全体にロジは非常にうまくいってですね、ああブラジルというのはちゃんとした国なんだなという認識を持った次第です。
で、来た方々、色んな方に私接しました。特に総理ともですね、一緒に車、横に乗らせていただいて、ずいぶんの時間お話させていただいたり、昼食、夕食会もですね、前の方に座って総理にお話しながらですね、総理ご自身もですね、まあ29年前ブラジルに来られたわけですけれども、ブラジルについて改めてですね、ああすごいなというご認識を非常に持たれて、いくつも私の方にも質問されてですね、非常にブラジルに対する認識を新たにされたということで、逆に今ですね、私ども総領事館、それから大使館もですね、非常に忙しくなって、非常にそれはいいことだと思います。
なぜならですね、日本に帰ってですね、外務省だけでなく官邸の方からですね、こういうことを調べろ、こういうことをやれ、こういうことはできないかということが、実は今一杯ですね、訓令という形で来ておりましてですね、これは非常にいいことだと思います。
そういう意味でも、まあ先程友納さんおっしゃいましたけど、ぜひ、我々がやるべきはですね、この、鉄は熱いうちに打てということでですね、東京が今、ブラジルはやっぱりすごいなということを認識している時にここで我々がもっとメッセ―ジ、そしてもっと注文をつけてですね、そして動くということを皆様商工会議所と一緒にやることが大事だと思っていますので、よろしくお願いいたします。
2点目は先程藤井会頭から選挙について総領事館、大使館から何かということなんですが、まあ私からですね、申すよりも、もう本当に皆さん非常にしっかり分析されておられるので、繰り返すこともないかと思います。
先程の発表の中でいくつかお話があった通りで、やはり今回のカンポス大統領候補の事故死によってですね、一旦見通し等は白紙に戻って、今まさにマリーナ・シルバがですね、どういう形で票を伸ばしてくるか、これ一つにかかっていると思います。まあいずれにしましても今10月5日の選挙がですね、決選投票になる可能性は非常に高まったし、まあ決選投票になった場合、アエシオ・ネーベスの方がですね、もし残ればですね、まあシルバの方の票のいくつかがですね、ジルマの方に流れる形になって、まあジルマ大統領の方優勢というのはかなり確実なのかなと。
他方で、もしですね、マリーナ・シルバの方が残ればですね、これはアエシオ・ネーベスの方の票がずっとシルバの方に流れてきますので、かなりの確率でマリーナ・シルバが勝つというようなことも言われていますが、いずれにしてもまだ1ヶ月半ございますので、様子は分かりません。
他方で先程来やっぱりマリーナ・シルバに対する非常な、まあ良く分からない人と。私も色んなブラジルの方に聞いてもですね、彼女はとってもちょっと不思議な方だという表現ですね。ですから皆さんそういう意味でも不安ですし、かつ彼女自身環境問題とか森林とかそういう組合に関係していてですね、非常に、関心事項が一つ偏っているというふうにも聞いていますが、他方で藤井会頭ほかおっしゃったようにですね、非常なブレインがついていて、我々商工会議所がFIESPとも非常に仲良くしていましたが、FIESPの国際貿易部長だったジアネッチという方のお兄さんもですね、彼女のブレインで今しっかりついていてですね、その方にもお話聞いたんですけれども、いやいやもう全然大丈夫と、彼女は非常に企業とか経済界に対してしっかりとサポートする政権になるということを言っておられましたけれども。
彼女が勝つ場合はですね、アエシオ・ネーベスのPSDB側もですね、しっかりとサポートするわけですから、そういう形でですね、経済に対してもしっかりした動き、というものが出ることを我々も期待していますが、ただ、まあこれも先程来出ていますけども、このブラジルですね、しっかりとした構造改革がなければですね、短期的には大きくは変わらないのは大統領が誰になっても同じなので、我々としてもよくブラジル政府、ぜひ日本政府としてですね、何度も何度も言いながらですね、関係を作っていきながら、ブラジルがよくなることを期待しながら、皆様と一緒に協力させていただきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いしますという言葉に代えまして講評にさせていただきたいと思います。どうも、失礼いたしました。
司会
福嶌総領事ありがとうございました。それでは続きまして、小林和昭在ブラジル日本国大使館参事官よりコメントを頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。 -
コメント 小林和昭 在ブラジル日本国大使館参事官
在ブラジル大使館で経済担当の参事官をしております小林と申します。本日は発表お疲れ様でした。非常に、福嶌総領事もおっしゃっていましたが、ブラジリアで経済から遠い身でいる私としては本当に大変に勉強になりました。ありがとうございました。
まず一つ目として、安倍総理の訪伯に関してブラジリアでも皆様のご協力をいただいて、成功に結び付けることができたということで、感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
ルセーフ大統領は経済人とは全く会わないというのが6月ぐらいに大使館の中で言われていた、各国大使館から情報をつかんだところの通説でした。その情報を得て、皆様経済ミッションの方をどうやってブラジル政府の方に会わせるかということで色々と頭をひねり色々とやっておりましたが、結果としてはこれは杞憂でした。
ブラジル政府の関係者の方々は日本企業に対する信頼というのは非常に大きなものを持っている。今回総理訪伯を終わって、大使館の大使をはじめとして全員が痛感しているのは、皆様の活動がまさにブラジルに貢献していて、それはPT政権であるブラジル、現在のルセーフ政権でもかなり高い評価を受けているということが分かったということです。これが再確認できたというのは本当に大きかったです。
さらにこの総理訪伯を終えて今ブラジル政府の関係者の方々、日本に対する反応が全く変わっております。日本からのアポイントというのが非常に入りやすくなっています。ここから年末ぐらいまではそういう状況、まあ選挙がありますからいつでもという形にはならないと思いますけど、この状況はしばらく続くと思いますので、まさに鉄は熱いうちに打てではないですけれども、今がまさに色々と働きかけるチャンスということです。この中で、今日のテーマでもありましたけども、ビジネス環境改善に向け、いま為すべき事は何か、これは大使館としても今現在勉強して検討しているところですので、皆様からの情報がありましたらぜひ教えていただければありがたいと思います。
この総理訪伯が終わった後、ボルジェス開発商工大臣が9月に日本に訪問するということが決定しました。これ、ボルジェス大臣は以前から日本に行きたいと言っていたんですけれども、選挙の直前ということで無理だろうと言われていたんですけども、今回の安倍総理の訪伯を機に日本に行くことが完全に許可が出たということを聞いております。
9月の9日10日で日伯経済合同委員会、9月10日11日で日伯貿易投資促進産業協力委員会、これは経済産業省と開発商工省の政策対話の場ですけど、この二つが行われて、双方にボルジェス大臣が出ることになっています。まさにここにおいてブラジルのビジネス環境整備に向け何をなすべきかというのを、どうメッセージを伝えて行くかというのは重要になってくると思いますので、今後皆様とまた情報交換をしながらここを詰めて行きたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
ブラジリアとサンパウロは1000キロ離れておりますので、中々皆様とこうやって情報交換できる機会というのは少ないですけれども、大使館のメンバーもできるだけサンパウロに足を運びたいと思いますし、ブラジリア、実はワールドカップで一番空港がきれいになったのはブラジリアの空港じゃないかと思って、ブラジリアの空港はかなり便利になっておりますので、ぜひ皆様も政府要人にまあアポイントを取るなり、そういった色々な活動の中でブラジリアを訪問していただければと思っております。また引き続きよろしくお願いいたします。あいさつに代えさせていただきます。
司会
小林参事官ありがとうございました。ではこれで最後の最後締めくくりになりますけども、上野総務委員長より閉会の辞をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 -
閉会の辞 上野秀雄 総務委員長
皆様、本日は長時間ご清聴いただきましてありがとうございました。また福嶌総領事にはただ今ですね、非常に温かい励ましのこもったですね、日本政府としてもバックアップするよという、大変温かいご講評を賜りまして、誠にありがとうございました。
また小林参事官からもですね、まさに今日伯関係強化に向けて非常にチャンスであるという非常に有益なコメントを頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
おかげをもちまして、無事全てのプログラムが終了しました。発表いただきました各部会長、部会の皆様、それからこのシンポにご準備にご苦労いただきました事務局の皆様はじめ、本日ご出席いただきました会員各位に主催者を代表しまして心より御礼申し上げます。
本日の発表に使用されましたスライドはですね、既に当会議所のサイトに掲載しております。また本日の発表されました全文をですね、事務局にてテープ起こしをして、近いうちに同じく会議所のサイトにアップいたしますので、そちらもぜひご覧いただきまして、今後のお仕事に活用いただければと思います。それではこれをもちまして閉会といたします。どうも皆さん本日はありがとうございました。