総務・企画委員会 委員会(大久保 敦委員長)主催の2016年下期業種別部会長シンポジウムは、2016年8月25日午後1時から6時までインターコンチネンタルホテルに、20人以上の一般参加者を含めて200人が参加して盛大に開催、テーマは:「2016 年上期の回顧と下期の展望」副題:『どん底の時期ならではの戦略は?-課題整理と対処方策-』と題して開催された。
司会は前半・後半共に大久保 敦 総務・企画委員長が務め、初めに松永愛一郎会頭は、開催挨拶で村田前会頭の急遽の帰任に伴う指名で会頭を就任した経緯を説明、開かれた会議所、チャレンジする会議所の理念で会員皆さんの意見を取り入れる。また部会長シンポジウムの歴史や構成、目的や活動について説明、リオオリンピックの成功でブラジルの底力を世界に再確認させた潮目の変わり目に乗り遅れないようにしてほしい。またシンポジウムではビジネスチャンスのヒントを見つけてほしいと述べた。
平田藤義事務局長は、約10年ぶりの出版に漕ぎ着けた『現代ブラジル事典 2016年版』の編集長を務めた浜口教授の略歴紹介、また編纂の尽力に対して最大限のお礼を述べ、ポルトガル語並びにスペイン語、英語の造詣に深い浜口教授は英語出版物24冊、日本語出版物21冊していると紹介、特別スピーチの浜口 神戸大学経済経営研究所 教授・副所長は、『現代ブラジル事典 2016年版』の編集を引き受けた経緯を説明した。
2016年下期業種別部会長シンポジウムトップは、金融部会の井上秀司部会長(三井住友海上)は今後のマクロ経済の動向、続いて貿易部会の今井重利部会長(伊藤忠)は大幅な輸入減少による不均衡な貿易収支黒字、機械金属部会の池辺 和博部会長(日立南米社)は鉄鋼需要減少につながる製造業部門の低迷、自動車部会の溝口 功部会長(ホンダ)は、集団休暇並びにレイオフ、時短操業による生産調整窮地の説明、前半最後は、紅一点のコンサルタント部会西口阿弥部会長(EY)が景気の底時のビジネスチャンスについてM&A、優秀な人材採用、キャッシュフロー整理などについて発表した。
コーヒーブレークを挟んで、初めに電気電子部会の磯村恵次郎副部会長(EPSON)は、為替変動による業界への影響やマナウスフリーゾーンの現状、化学品部会の中村 博部会長(久光製薬)は、国内市場低迷による周辺諸国への活路での打開、食品部会の藤江太郎部会長(味の素)は消費者動向を見据えた商品開発や市場開拓、運輸サービス部会の 細谷浩司部会長(日本通運)は為替変動に左右される旅行業界、憂慮されるオリンピック終了後のホテル業界、建設不動産部会の 藤井 健部会長(CGC)は失業率が高い時の優秀な人材確保チャンスや日本の優秀な技術で対抗できる欧米企業のM&A、繊維部会の南村幸彦部会長(東洋紡)は、大きなマンパワーを維持するブラジル繊維工業やブラジルコスト削減の重要性などについて、部会を代表して発表した。
講評として中前隆博 在サンパウロ日本国総領事館 総領事/商工会議所名誉顧問は、世界から注目されている中南米の左派政権から中道右派への回帰、新政権のアルゼンチンに注目、太平洋同盟国や環太平洋経済連携協定(TPP)の動向に注目、政治プロセスは厳しさが続いているが、経済政策や外交政策への注視、言論の自由や司法の独立しているブラジルはブリックスの中でも注目されるべき国であり、経済リセッションのトンネルを抜けたときは更生なマーケットになっている。リオオリンピック閉会式では日本のソフトパワーの紹介、シンポジウムでは日本の底力や日本ブランドを強調している部会もあり、また我々は政策対話委員会と連携してサポートすると述べた。
小林和昭 在ブラジル日本国大使館 参事官は、今回のシンポジウム参加は6回目で毎回新しい発見があり、経済リセッションと厳しい環境下でビジネス最前線に働いているビジネスマンに感謝したいと述べ、AGIR活動についてはこれから本格的な活動期となり、連邦政府も注目しているので官民一体となってサポートすると強調、閉会の辞では大久保 敦 総務・企画委員長は、成功裏に終了したシンポジウムは部会や事務局の尽力に尽きると述べた。
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