3月の懇親昼食会開催

3月の懇親昼食会は2024年3月22日正午から午後2時過ぎまでブルツリーファリアリマホテルに130人が参加して開催、司会は村田俊典事務局長が務めた。

初めに特別参加者として、清水 享 在サンパウロ日本国総領事、日系主要団体からジャパンハウスのCarlos Augusto Roza副館長、援協のパウロ・サイト氏が紹介された。

小寺 勇輝 会頭は会頭挨拶で、午前中に開催された総会の会議所活動として、2023年末の会員数は302社、個人会員4人、行事件数は前年比112件の332件。昼食会の平均参加者数131人、ビジネス環境改善のための政府への提言として運輸サービス部会のブラジル人向け短期ビザ発給の陳情、課税通関WGの日本企業に対する税務改善の働きかけなどについて説明した。

清水 享 在サンパウロ日本国総領事は総領事館からの案内として、治安関係の悪化。日伯外相会合。化学品部会会員とサンパウロ州農業供給長官との会合。4月1日からの領事官関連手数料の改定について説明した。

連絡事項では  渉外広報委員会の田辺 靖 委員長は商工会議所新サイトリリースについて、3月25日開始予定、会員限定ページ、ログイン登録などについて説明した。

帰任挨拶では   Nikkei incサンパウロ支局の宮本英威支局長は、1回目の赴任は2012年から2017年、今回の赴任は2年半で2回目の駐在で可能になった仕事もあった。後任は同社として初めての女性駐在員。8年近いブラジル駐在でかけがえのない関係者に丁寧にお礼を述べた。

商工会議所理事で貢献した三井住友海上ブラジルの長野昌幸氏は、金融部会長、渉外広報委員長、異業種交流委員長として尽力を発揮、日本人やブラジル人の友人が増えた喜びを説明した。

新入会員挨拶ではCloud Ace社のSaulo Takashi Barros Aoki氏は

Santher社のHiroyuki Shidara氏/ Akihiko Matsuda氏

3分間スピーチではBeyond社のCamila Tsibana氏

JCI Brasil-JapãoのMarina Akemi Fukuhara会頭は、

 

特別講演のProspectiva Public Affairs社のRicardo Sennesパートナーはテーマ「ミレイ政権によるブラジルへの影響」について、2023年11月の大統領選で勝利した右派ポピュリスト政党の自由の前進から出馬したハビエル・ミレイ氏が大統領に正式に就任。ミレイ氏は元々、リバタリアン(自由至上主義)を標ぼうする経済学者であり、ミレイ氏は経済政策を巡って「ショック的な手法」を用いる考えを示すなか、すでにショック療法的な構造改革を目指した大統領令の公布に動いている。歳出削減や省庁再編、ペソ相場の大幅切り下げや政策金利変更、幅広い規制緩和などを矢継ぎ早に打ち出している。議会手続きを経ないやり方に問題を呈する向きがある一方、金融市場は構造改革への期待の方が上回っている模様。

他方、ミレイ氏は財政健全化を目的に公共支出の大幅削減のほか、国営企業の民営化による公的部門の縮小も公約に掲げており、緊急の大統領令による省庁改編を実施して統廃合するとともに、閣僚数も9つに大きく減らしている。また、ミレイ新大統領は就任に際して「漸進的な構造調整ではなく、ショック的な調整こそが必要」と述べるなど大胆な政策運営を志向する姿勢をみせたものの、経済政策を担うカプト経済相は10個の柱からなる政策を公表している。具体的には、①連邦政府による締結後1年未満の有期雇用契約の未更新(前政権関係者による既得権益の破棄)、②政府広告の1年間停止、③省庁削減(管理職や政治任用ポストの削減)、④連邦政府による州政府への自由裁量交付金の縮小、⑤連邦政府による公共事業の新規入札中止、⑥エネルギー・公共交通機関関連の補助金削減、⑦職業訓練と補助金給付による雇用支援を維持しつつ、貧困世帯向け支援を直接給付に限定、⑧公定レートの大幅切り下げ、⑨輸入手続きの透明性向上、⑩貧困世帯向け支援の強化といった政策を通じて歳出削減に取り組むとしている。

さらに、カプト経済相の盟友であるバウシリ氏が新総裁に就任した中銀も政策金利を28日物中銀債(Leliq)金利から翌日物リバースレポ金利に変更することで政策運営の透明性を高める姿勢をみせる一方、この変更に伴い政策金利は100%に引き下げられた。その一方、資本取引規制や上述のペソ相場の大幅切り下げに伴い輸入代金の支払いが出来ない事態に陥っている輸入業者を対象にドル建の中銀債発行により、事実上の民間債務の国有化で事態打開を図る方針を示している。

ビジネスチャンスとして有望な部門は、①リチウムなどの鉱業部門、②収穫増加が期待できる農業部門。③シェールガスなどのエネルギー部門、④水道・郵政公社・航空部門で2024年のGDP伸び率はマイナス3.0%から2025年のGDP伸び率は5.0%が期待されている。

最後の質疑応答では①過去何回のモラトリアムを行っているアルゼンチンがどのようにして国際金融市場で信用を得る手段は。自国通貨のドル化による影響。前政権は中国よりであったが、ミレイ政権の今後の中国との関係などが挙げられた。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=58435