3月の懇親昼食会(第63回定期総会及び定例理事会)に140人が参加して開催

3月の懇親昼食会を前に第63回定期総会が開催され、初めに近藤正樹会頭は、2012年度の事業報告で会員数が史上最高を記録、商用マルチビザ並びに日伯社会保障協定の発効、移転価格税制に関する法律12715号の公布、日本産食品の輸入規制緩和の実現、日伯両国政府との意見交換・連携強化、CIPPSの「世界経済とブラジル経済の景気動向調査」に進出企業が参加協力、2年に1回行われる会議所統一選挙の年などについて説明、続いて村田典財務委員長は、配布された報告書をもとに2012年度の収支決算報告並びに2013年度収支予算計画案を説明、藤井敏晴監事は監事意見書として、ブラジル日本商工会議所の2012年度の事業報告並びに貸借対照表、収支決算書、財産目録を監査したところ、適正であると認めたことを報告、近藤会頭は、2013/2014年度ブラジル日本商工会議所の活動方針を説明、その後発表された事業報告や事業方針など全て承認された。

3月の懇親昼食会(第63回定期総会及び定例理事会)は、2013年3月15日正午から2時までインターコンチネンタルホテルに140人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストとして、長崎大学の藤野哲也 名誉教授、リカルド・テーハ(Ricardo Terra)SENAI(工業実習サービス機関)サンパウロ支部技術部長、佐野浩明在サンパウロ総領事館首席領事、木多喜八郎ブラジル日本文化福祉協会長、菊地義治サンパウロ日伯援護協会、園田昭憲ブラジル日本都道府県連合会(県連)会長、中谷アンセルモ 日伯文化連盟(アリアンサ)会長、貞方 賢彦元ブラジル日本商工会議所会頭(13代会頭)、田中 信元ブラジル日本商工会議所会頭(15代会頭)が紹介された。

続いて連絡事項として、中西俊一 渉外広報委員長がブラジル略語集の出版発表について、前回の略語集出版は2002年ですでに10年以上経過しているために更新、特に編纂に携わったサンパウロ新聞社の鈴木雅夫社長、ニッケイ新聞社の堀江剛史記者、PwC社のカロリーナ・サカマ氏、UBIK社の岐部ルイス並びに平田藤義事務局長に感謝を述べ、前回の略語集をフルモデルチェンジして、緑を基調としたデザインは心がいやされると説明、会計用語も付け加えられて会員向けの価格は50レアル、非会員は100レアル、事務局で販売しているので購入を要請した。

3分間スピーチでは、サンパウロ新聞社の鈴木雅夫社長が2013年版「在ブラジル日系企業における給与・待遇調査」について、日本経済新聞グループの総合調査会社の日系リサーチ社が6年前から毎年、ブラジルの日本進出企業の詳細な給料・待遇調査を実施しており、在ブラジル日系企業における給料・待遇調査2013年版を900レアルで販売しているが、非常に価値があるので購入を勧めた。

エミレーツ航空のCarolina Orichhioシニアセールスマネジャーは、新規フライトについてサンパウロ並びにリオからドバイ経由の日本行き航空便が非常に充実して人気を博しており、世界でもトップクラスの評価を得ているエミレーツ航空の利用を勧めた。

HITACHI HIGH-TECHNOLOGIES DO BRASIL LTDA.の竹島広恭社長は、帰国挨拶として2008年の着任から5年半、サンパウロに勤務、4月に日本に帰国するがブラジルでは素晴らしい思い出ばかりが頭に浮かぶと振り返り、後任の岡崎新社長を温かく迎えて下さいと帰国挨拶を行い、着任したITAÚ UNIBANCO S.A.の横路史生氏は、ブラジル赴任前はインドでカレーばかりの食事であったが、サンパウロの生活は日本食などが豊富で天国であり、大和証券はイタウー銀行と2008年から業務提携しており、仕事はブラジルの経済動向などを纏めて日本に発信していると説明した。

近藤正樹会頭は、特別講師の藤野哲也名誉教授/リカルド・テーハSENAI-SP市部技術部長に対して歓迎の辞を述べ、初めに長崎大学の藤野哲也名誉教授がテーマ「トップマネージメント」と題して、経済学者グレゴリー・マンキュー氏の過去100年間のGDP伸び率の調査では、日本が平均年率で2.81%と世界でトップの伸び率を記録、2位はブラジルの2.46%と意外な結果を公表、20年間大学で教鞭をとっているとメモを取らない学生は、理解力に乏しく成績も悪いと爆笑を誘い、1990年代から日本は失われた20年と小売りや流通業界は再編に見舞われて停滞していたにも関わらず、大手流通グループのイオンは増収、増益を続けているのは、岡田屋から始まった岡田家のトップマネージメントにあり、サラリーマン社長の短期の経営戦力ではなく、長期の創業者のトップダウン経営が効を奏していると説明した。

また藤野哲也名誉教授は国立大学の商工の修士課程でMBAコースがあるのは一橋大学、神戸大学並びに長崎大学だけであり、博士課程でDBAコースがあるのは長崎大学だけであり、現役の社長や会長からトップマネージメントの生の話が聞ける講義を行っていると説明した。

ジャスコの名前のいわれを説明、またGEのジャック・ウェルチ社長は20年間に亘って社長職を務め、同社長は後継の人材育成に力を入れていたが、日本の社長の任期は短すぎるために長期視点に立った経営ができないと指摘、上司は部下に対してほう(報告)、れん(連絡)、そう(相談)の3つあわせて「ほんれんそう」をやめなければいけないと忠告、自分で意思決定できないのはマネージャーとして失格であり、部下からの相談がないのはつらいが、解決する方法として1.仕事を任せられる人材を見つける。2.権限の移譲で権限に似合う給料を与える。3.企業・組織の構成員が自分で設定した目標達成のために努力し、組織の目標達成のために役立てると共に、自らの動機付けを行うシステムMBOの採用を説明して講演を終えて、近藤正樹会頭から記念プレートが贈呈された。

SENAI(工業実習サービス機関)サンパウロ支部のリカルド・テーハ技術部長は「SENAIサンパウロの技術とイノベーション教育」と題して、サンパウロ州内には160校のSENAI校があり、そのうち70校は移動学校であり、食品・飲料、セラミック、建設、電気、エネルギー、宝石研磨、繊維・医療、輸送部門など88コースを網羅、40コースの職業訓練校、機械工学やオートメーション学科などの大学や大学院を擁しており、2012年の学生は約3万人、大学生は4380人、昨年までの卒業生総数は約78万人に達したことなどを説明、近藤正樹会頭から記念プレートが贈呈された。

新入会員紹介では、KDDI DO BRASIL社の伊藤鉄幸氏が2012年5月の3度目のブラジル勤務を開始、インターネット関連のビジネスを展開すると説明、 MIMAKI BRASIL社の鳴神正氏は、高速インクジェットプリンターを輸入販売を2010年から展開していることなどを説明、代表者交代挨拶では、ブラジル三菱重工の西岡信之社長が商工会議所では企業経営委員長並びに機械金属部会長を担当、ブラジル勤務は3年でこの頃ようやくブラジルの良さが分かり、ブラキチになったのでもう一回ブラジルに来たいと述べ、後任の相原芳彦社長は2012年9月から南米代表として着任、ブラジルには親戚が移住しているので非常に縁が深いと説明した。

伯国三菱商事会社の近藤正樹社長は何をしてもこれが最後だと思うと非常にさみしく、ブラジルの懐の深さを再認識しており、ブラジルは黄金の時代に向かっているが、ブラジルで勝たなければグローバルでは勝てないが、帰国後は大いにブラジルの良さを宣伝すると述べ、後任の黒子多加志社長は近藤社長の後任として着任、1989年から92年までリオ市で勤務経験があり、ブラジルの発展に努力したいと述べた。

会頭交代挨拶では近藤会頭は商工会議所では総務委員を2年、会頭を2年、定款改定などを積極的に行い、官と民の距離が非常に短くなり、また皆の協力のおかげでフランクな雰囲気ができ、また日系社会との結びつきの強化ができたが、3月31日に退任でやり残したことはあるが、満場一致で選ばれた藤井新会頭が新風を巻き起こしてくれると信じており、4年間のサポートに対し丁寧なお礼を述べた。藤井次期会頭は指名により4月1日から会頭に就任予定、2011年から専任理事や日伯経済交流促進委員長を務め、ブラジルの経済界は日本の投資に注目しており、ブラジル造船業界への進出などもあり、日本からの進出企業が増加するようにビジネス環境整備にまい進したいと力強く述べ、近藤会頭の貢献に感謝を述べた。

第63回定期総会資料

SENAI(工業実習サービス機関)サンパウロ支部のリカルド・テーハ技術部長 「SENAIサンパウロの技術とイノベーション教育」

ブラジル略語集の出版案内を行う中西俊一 渉外広報委員長

長崎大学の藤野哲也名誉教授がテーマ「トップマネージメント」と題して講演

リカルド・テーハ(Ricardo Terra)SENAI(工業実習サービス機関)サンパウロ支部技術部長

会頭交代挨拶をする近藤正樹会頭

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就任挨拶をする藤井晋介新会頭

 

 

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左から藤井晋介新会頭/長崎大学の藤野哲也名誉教授/近藤正樹会頭

 

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左から近藤正樹会頭/長崎大学の藤野哲也名誉教授

 

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左から近藤正樹会頭/リカルド・テーハSENAI-SP市部技術部長

 

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近藤会頭並びに藤井新会頭を囲んで記念撮影

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懇親昼食会の様子

 

Fotos: Jiro Mochizuki/Fatos BJ e Rubens Ito/CCIJB
Escrito por Rubens Ito/CCIJB

 

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