3月の日伯法律委員会に58人が参加して開催

3月の日伯法律委員会が2012年3月8日午後4時から6時まで58人が参加して開催された。司会は矢野クラウジオ副委員長が務め、初めに、会議所では過去2年間を除いて、年1回「外国人労働者-ブラジル入国管理政策の現状」セミナーを開催しており、加えて今般「出稼ぎ者(リターン)のブラジルでの雇用」などに関するセミナーの開催を検討中であり、今回アンケート調査を実施、配布したアンケート用紙への回答の協力を呼びかけた。

初めに Aoki Advogados Associados弁護士事務所のエリカ・アオキ共営者は、「新しいジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)-アイキャン(ICANN)のドメインネーム新システムにおける変更点」について、ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers、アイキャン)はインターネットのIPアドレスやドメイン名などの各種資源を、全世界的に調整・管理することを目的として、1998年に設立された民間の非営利法人であり、主な業務は、インターネットの3つの識別子(ドメイン名/IPアドレスおよび自律システム(AS)番号/プロトコルポート番号およびパラメータ番号)割り振り・割り当てを全世界的かつ一意に行うシステムの調整であると説明した。

2011年6月20日、ICANNシンガポール会議にて、理事会により新gTLDプログラムの導入が承認され、2013年より「.GREEN」や「.LOVE」、「.SiTE」などの一般名称TLD(トップレベルドメイン)の他、「.CANON」や「.HITACHI」などの社名TLD、「.TOKYO」や「.NYC」、「.PARIS」などの地名TLDなど、様々な種類のドメイン名の利用が可能になると説明。今年3月5日のgTLDは207が登録、3月31日が登録締切り 、5月1日に審査が行われる。またICANNの登録契約料、年間経費、トータルコストなどについても説明した。

TozziniFreire Advogados弁護士事務所アンチトラスト部門のダニエル・オリベイラ・アンドレオリ共営者は、「新アンチトラスト法(新反トラスト法)」について、新アンチトラストは今年5月30日から施行、変更後の適用される罰則の支払い比率、主な変更点として買収・合併では、現行の事後届出制度から事前届出制度に変更、審査期間は240日で当事者かCADEが要求すれば最大330日まで延長が可能となり、現行の届出では、当事者のトータルシェアが20%以上の条件は廃止されて売上だけになる。カルテルに関する改正では、罰金の上限額が現行法の売上の30%から20%に減額になったことなどを説明した。

Pinheiro Neto Advogados弁護士事務所 税制部門のジョゼ・マルシオ・レべリョ・レゴ・ネット弁護士は、「貿易業務における課税と 主な特別通関制度」について、輸入に関する平均工業製品税は10%、平均輸入税は9.0%、平均商品流通サービス税(ICMS)は18% 、輸出に関する課税対象は、たばこや銃器、軍需品、皮革などわずかであり、ICMSやIPI 、社会統合基金(PIS)、社会保険融資納付金(Cofins)については課税されないと説明。保税倉庫による特別通関制度により、輸入品を1年間に亘って保税倉庫に保管する場合、物品の輸入に課される税金の支払いが全面的に保留される。またドローバック制度は完成品の輸出を目的として、ブラジル企業が製造工程で使用する物品の輸入に対して、課される連邦税の保留、免除または還付があることなどを説明した。

最後にTrench, Rossi e Watanabe Advogados弁護士事務所 税制訴訟部門のマリアナ・ネーヴェス・デ・ヴィット弁護士は、「日伯社会保障協定」について、日・ブラジル社会保障協定の概要では社会保障協定の主旨並びに二重加入の防止、保険料の掛け捨ての防止、日本並びにブラジルでの二重加入の防止のための手続/適用証明書の交付手続き/年金請求の手続き/協定による日本・ブラジルの年金請求の手続きについて説明した。

二重加入の防止では日本・ブラジルの年金制度のうち、いずれか一方に加入することや一時派遣の延長として総派遣期間が5年以内であれば、適用の継続は可能であるが、 3年を超える延長は認められない。また協定発効前から引き続き派遣が継続される場合は、発効日から5年以内に派遣が終了する見込みであれば、ブラジルの制度が免除される。

日本の老齢年金を受け取るためには、原則として25年(300月)の年金加入期間を必要とするが、日本の年金加入期間 だけで25年を満たすことができない場合は、ブラジルの年金制度の年金加入期間を足し合わせて計算することができる。ブラジルの老齢年金を受け取るためには、 原則として15年(180月)の年金加入期間を必要とするが、ブラジルの年金加入期間だけで15年を満たすことができない場合は、日本の年金加入期間を足し合わせて計算することができることなどについて説明した。

 

 

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