3月9日の定例懇親昼食会

定例懇親昼食会が3月9日正午過ぎから117人が参加、プラティニー元農相が「ブラジルに於けるアグリビジネス」について講演した

定例懇親昼食会が3月9日正午過ぎから2時過ぎまで、マクソウド・プラザホテルに117人が参加、農相、商工相や鉱山エネルギー相を務めた、FIESPの農業部門上級審議会メンバーのプラティニー・デ・モラエス氏が「ブラジルに於けるアグロビジネス」と題して講演した。

プラティ二ー氏は1960年から80年代初めまでブラジルと日本の蜜月時代で、1965年には日本から「人を通した技術移転」と言われ、「ウジミナス学校」と呼ばれて職業訓練学校の役割を果たし、日本の製鉄プラントを初めて海外に移転、また1983年には川崎製鉄のバックアップでツバロン製鉄所を建設したが、80年代以降は空白が続き日伯貿易は停滞してしまっていた。

しかしブラジルの貿易は好調で、昨年の貿易黒字は460億ドル、農業部門の輸出総額も420億ドル以上であるが、農業部門の対日輸出は僅かに10億ドル前後で、鉄鉱石やアルミが多く、日本からの輸入は自動車部品、ベアリング、ICや車で輸出入品目は全然変わってないが、変える必要がある。農産品の対日輸出は停滞しているが、中国、ベトナムや、マレーシア、タイやインドなど日本以外のアジア諸国への輸出は伸びている。

なぜ日本はブラジル産牛肉を買わないのか。口蹄疫がアマゾンで発生したが、この広いブラジルのアマゾンは牛肉生産地帯から隔離されており、184ヵ国ではブラジル産の美味しい牛肉を輸入しているが、日本は融通の効かない食品衛生保護主義国である。口蹄疫は人には移らないが、牛凶病と呼ばれる牛海綿状脳症(BSE)は人に感染するが、アマゾンの奥地で発生した口蹄疫でもブラジルからの牛肉輸入を認めていないのは、食品衛生保護主義に他ならない。

ブラジルの牛は、放牧地で牧草のみを食べて非常に健康であるが、オーストラリアの牛は、トウモロコシばかりでトウモロコシの味がするのでバーべキュウソースをかけて食べるが、ブラジルの牛は岩塩だけで非常に美味しい。日本からブラジルに出張で来る日本人は、シュラスカリアでいやというほど牛肉を堪能して評判がいいのに、どうもブラジルは牛肉の売り方を知らないのではないか。ドバイで牛肉のプロモーションをした時は、シュラスコとカイピリーニャを組合わせたら、アラブ人には人気が高かった。

牛肉の輸出先では、ロシア、エジプト、ブルガリア、イラン、アルメニアと意外な国が多いが、食品衛生保護主義の日本と米国を筆頭に、カナダ、メキシコも買ってくれないが、ブラジルは日本、米国、韓国、台湾をターゲットに、付加価値を付けて新しいマーケットの開拓を予定している。

忘れてもらっては困るのは、ブラジルは世界で最後に残された農業開拓が可能な国であり、世界最大の食料供給国になれる国であり、資源供給確保と同じように食料供給確保も非常に大事な事を確認しなければならないと警告、政府から手厚い保護を受けている日本の農家は世界一の補助金を受けており、金だけ出せば簡単に食料を確保できると考えていると足元を掬われるので、食糧確保に手を打っておかなければならないと強調した。

昼食会では初めに特別ゲストのプラティ二ー・デ・モラエスFIESP上級審議会メンバー及び西林万寿夫総領事を紹介、第12回ブラジル日本経済合同会議の参加報告として、田中信会頭は話題としてはエタノール関係、岩村哲夫副会頭の移転価格税制(TP)のプレゼンテーション及び大蔵次官がTPの検討を約束、JALのエンブラエル社のジェット機、購入新しい話ではフルラン開発商工相が牛肉の日本向け輸出表明などであった。

新入会員紹会ではCisaトレーティング社のアンドレ・マッソン氏、DPZ広告代理店のロベルト・ヅアイリービ氏が自社紹介、対会議所代表ではブラジル日本青年商工会議所のレアンドロ・ハットリ新会長、3分間スピーチではジェトロの井澤俊和氏が、 3月15日に東京で開催されるアマゾナス日系商工会議所の山岸照明会頭の講演会「マナウスのゾーナフランカの今後」の案内、6月10日に実施されるビジネス日本語テストの案内、第12回ブラジル日本経済合同会議のジェトロの発表資料はジェトロサンパウロのポルトガル語サイトに掲載を案内、飛入りでマクソウドホテルのぺーロラ広報担当がシアターの案内、イエローページ社広報担当が同社の事業内容及び活用について、窓際OL作家の斉藤由香氏がブラジルのパラー州トメアスーをベレンから船で訪問、日本移民の苦労の足跡訪問で感激したことなどを報告した。

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