5月の懇親昼食会に140人が参加して開催

5月の懇親昼食会は2014年5月9日正午から午後2時までチボリホテルに140人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が担当、初めに特別ゲストとしてレジーナ・ヌーネス S&P社マネージング・ダイレクター、室澤 智史JICAブラジル事務所所長、木多 喜八郎 日伯文化福祉協会会長、菊地 義治 日伯援護協会会長、アンセルモ中谷 アリアンサ日伯文化連盟会長、本橋 幹久 県連会長、貞方 賢彦 ブラジル日本商工会議所第13代会頭、田中 信 ブラジル日本商工会議所第15代会頭、 マルコス・ストJCIブラジル青年会議所会頭が紹介された。

中村敏幸監事会議長は、5月7日に開催された「2014年度第1四半期の業務・会計監査」について、監事会から中村敏幸監事会議長(デロイト)、原敬一監事(ブラジル三井住友保険)、カロリーナ・サカマ監事(PwC)が参加、また事務局からは平田藤義事務局長、エレーナ・ウエダ会計担当、日下野成次総務担当が参加して開催、監事会は「2014年の第1四半期の会議所の 業務の遂行と会計処理は適正であった」と承認したことを報告した。

着任挨拶では伯国三菱商事の松永 愛一郎社長は先月に着任、中南米で働いていたが、ブラジルは初めてであり、ゼロから勉強したいと述べ、DAIKIN MCQUAY AR CONDICIONADO BRASIL LTDA.のルイス・カルロス・カブラル社長は、自社はエアコンメーカーであり、ブラジルには2011年に進出、サンパウロ州モジ市並びにアマゾナス州マナウス市でスプリットエアコンを生産していると説明、JFE SHOJI TRADE DO BRASIL  の高橋 文雄社長は4月に赴任、ブラジルは2回目の勤務、ブラジル赴任前は北京に赴任していたが、日中関係の悪化で苦労したと説明した。

3分間スピーチでは、金田充弘 在サンパウロ日本国総領事館 副領事は、「在留邦人届け」について、 在留届の重要性、在留届の方法、電子在留届のシステム、変更届、帰国届、在留データーの整備について説明、平田事務局長は2006年の社会保障協定に対するアンケートで700人、2012年のアンケートでは2000人であったが、現在の在留邦人数を金田副領事に聞いたところ、金田副領事は、帰国届などしないために1万人くらいいることになっているために、在留届や帰国届を要請した。

遠藤浩昭JICAブラジル事務所兼サンパウロ出張所次長は、JICA「第3回中南米民間連携調査団」/JICA日系研修について、民間企業15社がブラジル進出を目指し来伯 5月19日から21日迄はサンパウロ、19日から21日迄クリチーバ市で廃棄物や防災分野で、自治体や企業との意見交換・視察 、5月21日午前9時から、廃棄物セミナー、防災セミナーを開催 、21日夜 7 時に進出企業との 会費制交流会を開催 、また日系人材育成の一環として、本邦にて「日系研修」募集していることを説明した。

NKのマウリシオ・金城氏はPKF NK Consultoriaについて、NKは創業39年の堅実な企業であり、日系企業に強いNKとパートナーを組んでPKF NK Consultoriaを設立、日本企業の会計分野をサポートすると説明、マミ・ウエノ氏はOnto Arte Recanto Maestro管弦楽団のコンサートツアーは、5月14日から23日迄フロリアノーポリス市、ポルトアレグレ市、サンパウロ市、クリチーバ市、南大河州レカントマエストロ市で開催、特別に編成されたオーケストラは、2台のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ、ソプラノで構成されていると説明した。

新入会員紹介ではNAGAWA DO BRASIL INDÚSTRIA DE CONSTRUÇÕES MODULARES LTDA.の稲井 正副社長は、同社は1966年に設立「納期」、「工期」「安全」、「価格」で建築を請け負い、ユニットハウス販売で日本ではナンバーワンのシェアを擁しており、ブラジルでは2011年から製造を開始、日本企業を中心に事業を拡大していると説明、SPRINT BRASIL SERVIÇOS DE TELECOMUNICAÇÕES LTDA. (SOFT BANK / SPRINT) のアントニオ・カルロス・シローネ氏は、100年前から事業を開始、光ファイバーのパイオニアであり、ソフトバンクの孫氏が買収したことを説明、ARAI, FERNANDES & ARAÚJO SOCIEDADE DE ADVOGADOSのブルーノ・マリンス・アラウージョ氏は、日本の岡崎市とサンパウロ市に事務所があり、日本の日系人並びにブラジルの日本人向けの法律相談を事業にしていることを説明、藤井晋介会頭からそれぞれ会員証が手渡された。

酒井浩一郎 金融部会長は特別講演を前に講演者のスタンダード&プアーズのレジーナ・ヌーネスマネージング・ダイレクターの略歴を紹介、レジーナ・ヌーネスマネージング・ダイレクターは、「ブラジルのソブリン格付け」について、格付会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2011年11月にブラジルの外貨建て長期ソブリン格付けを「BBB-」から「BBB」へ引き上げましたが、S&Pがブラジルの信用格付けを投資適格級で最も低い「BBB-」に引き下げ後、ブラジル国債の米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド )は拡大するどころか0.15ポイント縮小した。

格下げした要因として景気回復の遅れと財政収支や対外バランスの悪化で政府債務レベルの上昇に拍車が掛かっていると指摘、またブラジルでは国内の投資や消費など景気が減速しており、経済成長の鈍化傾向に伴い税収が伸び悩んでいることや景気対策として政府系金融機関への国庫拠出金調達のために国債を増発していることから、債務残高が増加しており、構造改革やインフラ投資の遅れ、労働コストの上昇など国際競争力の低下が影響しており、またインフレは高止まりしており、金融緩和による景気刺激策は限定的であることから、政府は積極的な景気対策を講じたが、景気対策により財政収支が悪化したことから、格下げにつながった。

2013年6月にS&P社はブラジルの格付見通しを「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げていたこと、11月には財政状況が改善されなければ「BBB-」への格下げもあり得ると示唆していたことから、今回の格下げ自体はサプライズではないと説明した。

ソブリン格付けを判断する要因として一人あたりの国内総生産額(GDP)、財政収支、対外債務、実質経済成長率、過去の国債デフォルト、インフレーション率、経済発展段階などである。

インフラの整備、ブラジルコストの削減、石油貿易の改善、輸入税の削減、電力エネルギーの問題解決など大きな問題を抱えているが、対外債務はそれほど多くないがインフレ高が今後の格付けに大きな影響を与えると説明、格下げを受け市場は短期的に不安定な動きになりやすいが、一方で、金融市場では今回の格下げは相応に織り込まれており、国債の金利水準が高いことから海外からの資金流入の可能性もあると説明、最後に藤井会頭から記念プレートが送られた。

Pdfスタンダード&プアーズのレジーナ・ヌーネスマネージング・ダイレクター 「ブラジルのソブリン格付け」

 

講演中のレジーナ・ヌーネス S&P社マネージング・ダイレクター

レジーナ・ヌーネス S&P社マネージング・ダイレクターを紹介する酒井浩一郎 金融部会長

左から記念プレートを贈呈する藤井晋介会頭/レジーナ・ヌーネス S&P社マネージング・ダイレクター

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=39237