7月の懇親昼食会に170人が参加して開催

7月の懇親昼食会は、2014年7月11日正午から午後2時までブルーツリーモルンビーホテルに170人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストとしてルシアーノ・コウチーニョBNDES(ブラジル国立社会経済開発銀行)総裁、福嶌 教輝在サンパウロ総領事館総領事/会議所名誉顧問、安井 豊JBIC国際協力銀行 代表、室澤 智史JICAブラジル事務所所長、レナート石川サンタ・クルース病院 理事長、ネルソン・ファリア・デ・オリベイラ日本ポルトガル商工会議所 会頭、木多 喜八郎日伯文化福祉協会(文協)会長、後藤 隆/ブラジル日本商工会議所第8代会頭、貞方 賢彦ブラジル日本商工会議所第13代会頭、田中 信ブラジル日本商工会議所第15代会頭、マルコス・ストJCIブラジル青年会議所 会頭などが紹介された。

福嶌 教輝在サンパウロ総領事館総領事は、2015年日ブラジル外交関係樹立120周年記念の概要として、1895年11月5日に日伯修好通商航海条約が調印され、1995年に日本ブラジル修好100周年記念事業を実施、昨年、岸田外相が来伯した時に日ブラジル外交関係樹立120周年開催で合意しており、幅広い分野での交流をどうやって盛り上げていくか、基本事業構想案、記念特別実行委員会の立上、サンパウロがコアになる実行委員会での周年事業の企画・実施、政治経済・学術等に関する各種シンポジウム、花火大会、日伯共同プロジェクト展覧会、JリーグOBらによる親善サッカー大会などについて説明した。

代表者交代挨拶では、国際交流基金(FUNDAÇÃO JAPÃO) の深野 昭所長は、2011年に着任して3年3カ月の勤務を終えて帰国すると挨拶、後任の深沢 陽所長は7月1日に着任、海外勤務は5カ国目、ブラジルの印象はアジアと人や気候で非常に違っており、また日系人はブラジル社会に溶け込んでいるために日本文化の紹介になると説明した。

機能強化委員会の村田俊典委員長は、「ブラジル日本商工会議所機能強化委員会活動計画」について、機能強化委員会の概要として機能強化委員会の設立、目的、ビジョン、委員会構成、行動指針、行動項目、問題を抱えた日系企業の幅広い意見の反映と日伯両国の経済発展につながる改善提案書の作成、官民連携による取組、投資環境にかかわる問題解決・規制改善に向けた課税ワーキンググループ(WG)や通関WG、労働WG、産業競争力/中小企業育成WG、インフラWGの設立するために部会が積極的に参加してほしいと述べ、日本商工会議所から出向の天谷浩之アドバイザーを紹介、インドネシアのジャカルタ・ジャパン(在ジャカルタ日本商工会議所兼日本人会)の事務局長を5年間勤めた天谷浩之アドバイザーは、インドネシアでの5年間の経験からジェトロ、ジャイカ、国際協力銀行(JBIC)、日本大使館、総領事館などとの連携によるオールジャパンでビジネス障害となっている課題に取り組んでいくために精一杯頑張りますので宜しくお願いしますと挨拶、平田藤義事務局長は2016年には会員企業が500社になってほしいと述べ、また1300社まで増えればドイツ会議所と対等になると説明した。

藤井晋介会頭は講師歓迎の辞で、社会経済開発銀行(BNDES)は設立されて60年、製造業やインフラに対する資金調達を積極的に行っており、ルシアーノ・コウチーニョ総裁は2007年に総裁に就任、コーネル大学卒、カンピーナス大学の教授で著書も多く、日伯賢人会議のメンバーで日伯関係拡大の推進者であると紹介した。

ルシアーノ・コウチーニョ総裁は、「日伯経済連携の新たなステップに向けて」 と題して、ブラジルのマクロ経済は外貨準備高が3770億ドルと大きいが、短期対外債務残高は非常に低く、また公共負債のGDP比は継続して低下、インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は6.0%よりも低くてコントロールされていると説明した。

また2002年から貧困層は4000万人以上減少、中間層は1億2000万人に増加、富裕層は2倍以上の2900万人に増加、また2020万人の正規雇用創出、ブラジルの失業率は欧米よりも低く、ジニ計数も毎年低下傾向にあり、また2014年から2017年の製造業向け投資は1兆1540億レアル、インフラ向け投資は5750億レアル、住宅・不動産は8670億レアル、農畜産・サービス部門は1兆4780億レアルが予想されている。

2014年から2017年の製造業向け投資のうち石油・天然ガスセクター向け投資は全体の53%に相当する4880億レアル、鉱業セクターは540億レアル、自動車セクターは740億レアル、紙・パルプセクター並びに化学セクターはそれぞれ260億レアル、鉄鋼セクターは160億レアル、電気・電子セクターは240億レアル、医療関連セクターは130億レアル、航空産業セクターは140億レアル、その他の製造業セクターが4180億レアルとなっている。

日本は安倍総理が2012年末に打ち出した大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略をとる三本の矢政策で日本再生を果敢に進めており、またラテンアメリカ市場には通信、エネルギー、ロジスティックなどのインフラ部門への参入、石油・天然ガスへの投資、イノベーション部門や競争力のある農畜産部門への投資が歓迎されると説明、また日系コミュニティのサンタ・クルース病院への最先端医療機器への導入はショーケースとなり、またBNDES銀行はサンタ・クルース病院再生にバックアップすると述べて講演を終え、サンタ・クルース病院のレナート・イシカワ理事長はコウチーニョ総裁のバックアップにお礼を述べ、質疑応答ではANVISAの承認の時間短縮、低金利の設備投資用機械・装置購入のための投資持続プログラム(PSI)の改善、ブラジルの新しい企業家の育成などについて質問があったが、コウチーニョ総裁は丁寧に回答、最後に藤井会頭から記念プレートが送られた。

Pdf「日伯経済連携の新たなステップに向けて」ルシアーノ・コウチーニョBNDES(ブラジル国立社会経済開発銀行)総裁

Pdf「ブラジル日本商工会議所機能強化委員会活動計画」村田俊典委員長

講演中のルシアーノ・コウチーニョ総裁

歓迎の辞を述べる藤井晋介会頭

ルシアーノ・コウチーニョ総裁と握手するサンタ・クルース病院のレナート・イシカワ理事長

左から機能強化委員会の村田俊典委員長/日本商工会議所から出向の天谷浩之アドバイザー

記念プレートを贈呈する藤井晋介会頭/ルシアーノ・コウチーニョ総裁

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=39592